JP3743873B2 - 電動式パワーステアリングシステムの異常検出制御装置 - Google Patents

電動式パワーステアリングシステムの異常検出制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステアリングホイールを操作したとき、その操舵トルクにアシストトルクを付加して操作性を良くする電動式パワーステアリングシステムの異常検出制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電動式パワーステアリングシステムにおいては、例えば、特開昭64−56274号公報或いは特開平2−293260号公報等に開示されているように、操舵トルクとアシストトルクを電気信号に変換し、これらを電気制御ユニット(以下ECUと云う)により制御している。
ECUには、これらの制御回路とともに、故障検出機構及びアシスト禁止機構が設けられている。即ち、操舵トルクとアシストトルクの関係が許容範囲を越えたときこれらをソフト的に比較して故障検出を行い、さらに、この検出信号に基づいてアシスト禁止の制御を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の電動式パワーステアリングシステムのECUにおいては、操舵トルクからアシストトルクを演算する制御回路とともに、電気的に構成された故障検出機構及びアシスト禁止機構が設けられているので、これらを構成するハードやソフトが必要であり、システムが複雑になってコスト高になるという問題がある。
【0004】
また、車両を安全に運行するために、高速時におけるアシストトルクは、低速時におけるアシストトルクよりも小さく設定することが考えられるが、このように車速に応じて2種類のアシストトルクが適用された場合の故障検出機構及びアシスト禁止機構の開発が要望されている。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、操舵トルク及びアシストトルクを機械的変位量として直接比較して、故障検出機構及びアシスト禁止機構を一体化するとともに、アシストトルクの異なる高速時及び低速時にも適用し得る電動式パワーステアリングシステムの異常検出制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために請求項1の発明が採った手段は、実施例で使用する符号を付して説明すると、
ステアリングホイール1の操舵トルクを検出し、この検出信号に応じて低速時においては所定の関係でアシストモータ10のトルクを付加し、高速時には低速時よりも小なる比率でアシストモータ10のトルクを付加する電動式パワーステアリングシステムにおいて、
前記操舵トルクを検出する第1の検出手段20と、
前記アシストモータ10の付加トルクを検出する第2の検出手段30と、
前記第1の検出手段20の検出信号に応じて変位する第1の電極44b及びこの電極44bに対して正常時は通電状態にあり低速時の第2の検出手段30の検出信号に応じて変位する第1のブラシ45aからなる低速比較部41と、前記第1の検出手段20の検出信号に応じて変位する第2の電極44c及びこの電極44cに対して正常時は通電状態にあり高速時の前記第2の検出手段の検出信号に応じて変位する第2のブラシ45bからなる高速比較部42とを備え、前記操舵トルクと前記付加トルクとの関係が所定の範囲を越えたとき前記第1、第2の電極44b,44c及び前記第1、第2のブラシ45a,45bが相対的に変位して断電状態に切り換わり前記付加トルクを零にする比較手段40と、
車速を検知して低速比較部41又は高速比較部42の何れか一方を選択する車速スイッチ43とを備えたところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明が採った手段は、前記高速比較部42における第2のブラシ45bの変位は、前記低速比較部41における第1のブラシ45aの変位に対して、前記アシストトルクの比率に反比例して拡大されているところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明が採った手段は、前記高速比較部42における第2の電極44cの通電範囲は、前記低速比較部41における第1の電極44bの通電範囲に対して、アシストトルクの比率に反比例して拡大されているところに特徴を有する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施例につき図1〜14図を参照して説明する。
まず、電動式パワーステアリングシステムに関して図1を参照して説明する。
ステアリングホイール1を操作すると、その操舵トルクはギヤーケース2の入力軸3に伝達され、出力軸4の下端のピニオンを介してラック5を駆動する。このラック5は操舵リンク6を介して車輪7の方向を変える。
【0010】
一方、ギヤーケース2に取付けられたトルクセンサ8が操舵トルクを検出し、その電気信号が電気制御装置(以下ECUと云う)9に入力される。そして、ECU9からの信号に基づいてアシストモータ10が駆動される。このアシストモータ10のトルクは、電磁クラッチ11を介してギヤーケース12の入力軸13に伝達され、出力軸14の下端のピニオンを介してラック5を駆動する。このラック5は、ステアリングホイール1の出力軸4とともに、アシストモータ10の出力軸14により駆動されるので、操作性が著しく改善される。
【0011】
ここで、電磁クラッチ11は、図2に示すように、アシストモータ10の端面に取着されたソレノイド15と、モータ軸10aに連結された第1のデイスク16及びピニオン軸17に連結された第2のデイスク18とから構成されており、ソレノイド15が通電されると、第1のデイスク16及び第2のデイスク18が一体化されてアシストモータ10のトルクがピニオン軸17、ギヤ19を介して入力軸13に伝達されるようになっている。
【0012】
つぎに、操舵トルクを検出する第1の検出手段として、トーションバー方式の第1の検出装置20について図2,3及び4を参照して説明する。
入力軸3及び出力軸4は、それぞれギヤーケース2に回転可能に取付けられている。トーションバー21は上端部がピン22により入力軸3に一体化され、下端が出力軸4の孔部4aに一体的に圧入されている。従って、入力軸3に入力されたトルクは、トーションバー21を介して出力軸4に伝達される。
【0013】
一方、入力軸3の外側にはスリーブ23が嵌合されている。このスリーブ23には軸方向に平行な長溝24と、傾斜溝25が形成されている。そして、長溝24には出力軸4に固定されたピン26が挿入され、傾斜溝25には入力軸3に固定されたピン27が挿入されている。即ち、スリーブ23は出力軸4に対して軸方向には移動するが、円周方向には回転しない。
【0014】
ここで操舵トルクが入力軸3から出力軸4へ伝達されるとき、トーションバー21にねじり角が発生して、入力軸3と出力軸4との間に円周方向のずれが発生する。従って、入力軸3に固定されたピン27は傾斜溝25内を移動して、スリーブ23がその軸方向へ所定量例えば寸法Hだけ上昇する。第1の検出装置20は、この寸法Hを検出量として取り出すもので、スリーブ23の外周面には溝28が形成されている。
【0015】
一方、アシストモータ10の付加トルクを検出する第2の検出手段としての第2の検出装置30は、アシストモータ10の伝達力を検知するためにギヤーケース12に設けられたもので、これは、第1の検出装置20と同じ構成のトーションバー式であり、入力軸13の外周部にスリーブ23が設けられている。そして、前述と同様に、スリーブ23の変位量がアシストモータ10の付加トルクとして検出される。
【0016】
つぎに、比較手段40を機械的に構成したI/Oスイッチ40について、図1、図2、図4〜図7及び図14を参照して説明する。比較手段40は、低速比較部41と、高速比較部42とから構成されている。これらは、車速を検出する車速検出手段からの信号により車速スイッチ43が切換えられ、低速比較部41または高速比較部42の何れか一方が選択される。
【0017】
低速比較部41は、図7に示すように、絶縁基板44aの中央部に貼付けた第1の電極44bと、第1の電極44bの表面を摺動する第1のブラシ45aとから構成されている。第1の電極44bはレバー46が図4に示すように第1の検出装置20のスリーブ23の溝28に嵌合して、スリーブ23の変位量に応じて移動される。なお、この移動は、直線的に摺動させてもよく、また、円周方向に回動させてもよい。
【0018】
高速比較部42は、絶縁基板44aの中央部に貼付けた第2の電極44cと、第2の電極44cの表面を摺動する第2のブラシ45bとから構成されている。この第2の電極44cは、低速比較部41の第1の電極44bと同じ距離を変位する。
【0019】
低速比較部41は、操舵トルクを検出する第1の検出装置20の検出信号に応じて変位する第1の電極44bと、アシストモータ10の付加トルクを検出する第2の検出装置30に応じて変位する第1のブラシ45aとが、図5に制御線31として示す所定の関係で変位するものであり、高速比較部42は、第2の電極44cと第2のブラシ45bが図14に示す制御線33に沿って変位する。即ち、高速時における第2の検出装置30の変位量は、低速時における第2の検出装置30の変位量よりも小さく、低速時の1/Nである。
【0020】
第1のブラシ45aは、変位レバー47を介して移動される。この変位レバー47は支点47aを中心に回動され、これの中間点47bに低速比較部41の第1のブラシ45aが連結され、先端47cに高速比較部42の第2のブラシ45bが連結されており、反対側の端部47dにプッシュプルワイヤ48が連結されている。このプッシュプルワイヤ48は第2の検出装置30の検出量に応じて変位レバー47を回動させる。そして、支点47aから先端47cまでの長さは、支点47aから中間点47bまでの長さのN倍に設定されている。
【0021】
高速時における変位レバー47の端部47dの変位は、低速時の端部47dの変位の1/Nに減少するが、第2のブラシ45bの変位は変位レバー47により低速時の第1のブラシ45aのN倍に拡大されるので、基準位置ににおける第2の電極44cと第2のブラシ45bの関係位置は、高速時においても低速時と同様に維持される。
また、第2の電極44cの通電範囲(電極44cとブラシ45bが接触している範囲)は、第2のブラシ45bの移動量に応じて低速比較部41の第1の電極44bのN倍に拡大されている。
【0022】
ここで、比較手段40の基本的な作用に関して、図5〜図11を参照して説明する。低速比較部41及び高速比較部42の何れの場合も同じであるので、低速比較部41の場合について説明する。
【0023】
操舵トルクによる第1の検出装置20の検出量即ち第1の電極44bの移動量と、アシストトルクによる第2検出装置30の検出量即ち第1のブラシ45aの移動量との関係は、図5に示す制御線31に沿って制御される。この際、図5において、制御許容範囲である所定の範囲32,32間は、正常状態で稼働されることを示し、範囲32,32を越えた斜線部分が異常範囲(フェールエリア)となることを示すものである。
【0024】
低速比較部41は、正常時は第1のブラシ45aが第1の電極44bに接触して電源ラインが通電状態にあり、第2の検出装置30の検出量が図5に示す所定の範囲を越えると、即ちフェールエリアに入ると第1のブラシ45aが第1の電極44bから逸脱して電源ラインが断電状態に切換わるのである。
尚、第1の電極44bの幅寸法を変化させれば、図5に示す所定の範囲32,32を適宜に変更することができる。
【0025】
先ず図5〜図7において、
1,操舵トルク及びアシストトルクがともに加わっていない場合(図6のSTEP10)は、図5におけるO点(制御許容範囲)に相当し、図7に示すように、第1の電極44bの中心に第1のブラシ45aが接触している。この第1の電極44b及び第1のブラシ45aの基準位置をそれぞれA1,A2と表示する。
【0026】
つぎに、操舵トルクが右方向へ作用して第1の電極44bが右方向へ寸法H1移動した場合を例にとり、アシストトルクが各種の場合について説明する。
2,操舵トルクとアシストトルクが正常関係にある場合(STEP11、図8)
第1のブラシ45aが寸法L1だけ移動するので、図5に示すA点(制御許容範囲)に相当して、第1のブラシ45aは第1の電極44bに接触し、電源は通電状態を維持する。
尚、第1のブラシ45aが、所定の範囲32,32間に入るように寸法La〜Lbの範囲(第1の電極44bの幅寸法に相当する)移動されたときも電源は通電状態を維持する。
【0027】
3,操舵トルクよりもアシストトルクが大き過ぎる場合(STEP12、図9)
第1のブラシ45aが寸法L2だけ移動して図5に示すB点(フェールエリア)に位置する。第1のブラシ45aは第1の電極44bを通過して絶縁基板44a上に移動して、電源が断電状態となり、故障を検出する。
【0028】
4,操舵トルクよりもアシストトルクが小さ過ぎる場合(STEP12、図10)
第1のブラシ45aが寸法L3だけ移動して図5に示すC点(フェールエリア)に位置する。第1の電極44bの第1のブラシ45aに対する相対的な移動距離が大きいので、第1のブラシ45aが絶縁基板44a上に移動して、電源が断電状態となる。
【0029】
5,アシストトルクが逆方向に作用した場合(STEP13、図11)
第1のブラシ45aが反対方向に寸法L4だけ移動して、図5に示すD点(フェールエリア)に位置する。第1のブラシ45aは絶縁基板44a上に移動して電源が断電状態となる。
【0030】
つぎに、これらの制御回路及びフェールセーフ機能について図12,13を参照して説明する。
イグニッションスイッチ52をオンにすると、エンジンスタータ連動リレーの接点51がオンされて、直流電源53が回路に接続される。エンジンスタータ接点51にはリレーコイル54が直列に接続されており、イグニッションスイッチ52をオフにしてもその接点55及び接点56が自己保持される。
【0031】
接点55は、車速スイッチ43、I/Oスイッチ40の低速比較部41と高速比較部42との並列回路及びリレーコイル54に直列に接続されており、また、接点56はアシストモータ10のトルクをギヤ−ケース12に伝達するか否かを制御する電磁クラッチ11のソレノイド11aに直列に接続されている。尚、リレー54と並列にコンデンサ57が接続されている。
【0032】
つぎに、図13において、車両がスタートすると車速が低速であることを検知して(STEP20)、車速検出手段により車速スイッチ43が切換えられ、まず、I/Oスイッチ40の低速比較部41が選択される(STEP21)。また、ステアリングホイール1を操作すると、第1の検出装置20が操舵トルクを検出し、また、第2の検出装置30がアシストトルクを検出する。そして、両者をI/Oスイッチ40で比較して(STEP22)、その関係が正常範囲であれば、I/Oスイッチ40が通電状態を保持し(STEP26)、パワーアシストが継続される。
【0033】
一方、その関係が異常範囲になると、即ちフェールエリアに入ると、前述のように、I/Oスイッチ40が断電状態となり、故障を検出する。すると、リレー54がオフとなるので(STEP23)、その接点55及び接点56も同時にオフとなる。
これにより、ソレノイド11aが断電されて(STEP24)、電磁クラッチ11が遮断されて、アシストモータ10のトルクはギヤーケース12に伝達されないので、アシストトルクは零となって、アシスト禁止を実施する。即ち、異常を検出するとフェールセーフ機能が働いてマニュアルステアリングに切換えられるのである(STEP25)。
【0034】
つぎに、車速が増加して高速状態になると、ECU9からの信号により車速スイッチ43が切換えられて、高速比較部42が選択される(STEP21)。
操舵トルクとアシストトルクの関係は図14の制御線33のようになる。ここで、アシストトルクが小さくなることにより、第2の検出装置30の検知量は低速時の1/Nに減少するが、第2のブラシ45bの変位量は変位レバー47によりN倍に拡大してあるので、制御線33に沿った状態における第2の電極44cと第2のブラシ45bとの関係位置は低速時における関係位置と同様に設定される。従って、高速比較部42におけるフェールセーフ機能は低速比較部41と同様であって、上述の説明中、第1の電極44b、第1のブラシ45aを、それぞれ第2の電極44c、第2のブラシ45bと読み変えれば同様に理解される。
【0035】
第1の実施例においては、高速比較部42における第2のブラシ45bの移動量が低速比較部41における第1のブラシ45aの移動量よりも大きく設定されているが、これに対応して第2の電極44cを第1の電極44bよりも大きく設定したので、制御線34の管理限界の幅は、制御線32の管理限界と同じ幅に管理できる。
【0036】
尚、本実施例においては、急ハンドルや振動等によりI/Oスイッチ40が瞬間的に断電状態となっても、コンデンサ57の容量に応じた時間だけ接点55及び接点56が自己保持されるので、その分、誤フェールの発生が未然に防止できる。
【0037】
上記した第1の実施例によれば、つぎの効果を奏する。
(1)比較手段としてのI/Oスイッチ40に低速比較部41及び高速比較部42を設け、車速に応じて何れか一方を選択するので、高速走行時においても適切なパワーステアリング制御を行なうことができる。
(2)I/Oスイッチ40を互いに相対的に移動する第1の電極44b,第2の電極44cと第1のブラシ45a,第2のブラシ45bで構成し、故障検出機構とアシスト禁止機構を一体化したので、構造が簡単にすることができコストを低減し得て、しかも信頼性を向上させることができる。
(3)フェールセーフ機能はI/Oスイッチ40により制御しECU9に対して別個に設けているので、たとえECU9に故障が発生してもフェールセーフが可能である。
【0038】
(4)I/Oスイッチ40は、第1の電極44bと第1のブラシ45aまたは第2の電極44cと第2のブラシ45bとの機械的変位を直接比較するので、電極の寸法を変えることにより、フェールセーフの調整範囲を変化できる。
(5)高速比較部42の第2の電極44cを、第2のブラシ45bの変位量に応じて低速比較部41の第1の電極44bよりも大きく設定したので、低速時及び高速時のフェールセーフの調整範囲を同じ管理限界で管理できる。
【0039】
図15〜図18は本発明の第2の実施例を示すもので、第1の実施例との相違点を説明する。
第2の実施例においては、アシストモータ10のモータ軸10aにウォームギヤー61が連結されており、これに噛み合うウォームホィール62と、ウォームホィール62と一体化された図示しないピニオンを介してアシストトルクがラック5に伝達される。
【0040】
また、第2の検出手段として、アシストモータ10に直列に接続された比例ソレノイド70が使用されている。この比例ソレノイド70は、アシストモータ10の回路電流が流れるソレノイドと、このソレノイドの内部を移動するプランジャとから構成されている。そして、このプランジャをI/Oスイッチ40の低速比較部41の第1のブラシ45aに連結して、プランジャの移動距離に対応して第1のブラシ45aを移動させている。
【0041】
このプランジャは、ソレノイドの電流が大になると移動距離が大となり、ソレノイドの電流が小になれど移動距離も小となる。即ち、アシストモータ10のアシストトルクが大となって電流が大となると、プランジャの移動距離も大となり、アシストトルクが小となって電流が小となると、プランジャの移動距離も小となる。
また、比例ソレノイド70に並列に車速スイッチ43及び低速比較部として機能する抵抗72が接続されている。
【0042】
尚、第2の検出手段は、比例ソレノイドに限らず、アシストモータ10の回路電流に関連して作動するモータによっても良く、要はアシストモータ10のアシストトルクを機械的変位に変換できる手段であれば特に限定されない。
【0043】
比較手段40としては、第1の実施例における低速比較部41のみが使用されている。
【0044】
つぎに、第2の実施例の作用について図16〜図18を参照して説明する。
アシストモータ10の回路には、比例ソレノイド70とリレー54により自己保持される接点71が直列に接続されている。
車両がスタートすると、図18において、車速が低速であることを検知して(STEP30)、ECU9からの信号により車速スイッチ43がオンとなり(STEP31)、アシストモータ10の電流は、比例ソレノイド70と抵抗72とに分流する。
【0045】
ステアリングホイール1を操作すると、第1の検出装置20が操舵トルクを検出して第1の電極44bが変位する。また、アシストモータ10のトルクに応じて比例ソレノイド70のプランジャが移動して第1のブラシ45aを変位させる。
そして、両者をI/Oスイッチ40で比較して(STEP32)、その関係が正常範囲であれば、I/Oスイッチ40が通電状態を保持し(STEP36)、パワーアシストが継続される。
【0046】
その関係が異常範囲になると、前述のように、I/Oスイッチ40が断電状態となる。すると、リレー54がオフとなるので(STEP33)、その接点55及び接点71も同時にオフとなる。
これにより、アシストモータ10が断電されて(STEP34)、アシストトルクは零となる。即ち、異常を検出するとフェールセーフ機能が働いてマニュアルステアリングに切換えられるのである(STEP35)。
【0047】
つぎに、車速が増加して高速状態になると、アシストトルクは図14の制御線33のように変化する。一方、ECU9からの信号により車速スイッチ43がオフに切換えられて、アシストモータ10の電流が比例ソレノイド70に流れる(STEP31)。この場合、比例ソレノイド70が検出する変位量は、比例ソレノイド70と抵抗72とが並列に接続されている低速時の変位量のN倍になるように設定されている。
そして、フェールセーフ機能に関しては第1の実施例と同様に制御される。
【0048】
尚、上記第2の実施例においては、低速時及び高速時において同じ第1の電極44bを使用したが、第1の電極44bの通電範囲を適宜に切換えれば、第1の実施例と同様に高速時においても低速時と同じ管理限界で制御できる。
【0049】
この第2の実施例においては、第1の実施例の効果に加えて、ギヤケース12内の構成部品が少なくなり、コストダウンが達成でき、しかも、アシストモータ10の取付け位置が自由に選択できるという効果を奏するものである。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明にあっては、比較手段に低速比較部並びに高速比較部を設け、それぞれ、操舵トルクとアシストトルクを機械的変位として直接比較して故障検出を行い、この故障検出と同時に機械的に電源非導通としてアシスト禁止の制御を行っている。
このため、故障検出機構及びアシスト禁止機構を一体化することができて、低速時及び高速時においても、最適なパワーステアリング制御を実施できる。しかも、簡単な構成で信頼性を向上させ、コストを低減することができ、さらに、電気制御ユニットも簡単にすることができるという効果を奏するものである。
さらに、比較手段により機械的変位を直接比較するため、通電範囲の変更のみでフェールエリアの変更を容易に行うことができるという優れた効果も奏する。
【0051】
また、請求項2,3の発明にあっては、低速時及び高速時においてアシストトルクの比率を変化させる場合であっても、故障検出機構及びアシスト禁止機構を一体化することができて、簡単な構成で信頼性を向上させ、コストを低減することができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例のシステムを説明するブロック図である。
【図2】 第1の実施例における要部の縦断正面図である。
【図3】 第1の検出装置の縦断正面図である。
【図4】 第1の検出装置のスリーブの正面図である。
【図5】 低速時におけるアシスト特性及びフェールエリアを示すグラフである。
【図6】 比較手段の制御形態を示すフローチャートである。
【図7】 比較手段の機械的変位の第1の状態を示す図である。
【図8】 比較手段の機械的変位の第2の状態を示す図である。
【図9】 比較手段の機械的変位の第3の状態を示す図である。
【図10】 比較手段の機械的変位の第4の状態を示す図である。
【図11】 比較手段の機械的変位の第5の状態を示す図である。
【図12】 第1の実施例における制御回路図である。
【図13】 第1の実施例における制御を示すフローチャートである。
【図14】 高速時におけるアシスト特性及びフェールエリアを示すグラフである。
【図15】 第2の実施例における要部の縦断正面図である。
【図16】 第2の実施例のシステムを説明するブロック図である。
【図17】 第2の実施例における制御回路図である。
【図18】 第2の実施例における制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール
9 電気制御装置(ECU)
10 アシストモータ
11 電磁クラッチ
20 第1の検出装置(第1の検出手段)
30 第2の検出装置(第2の検出手段)
40 I/0スイッチ(比較手段)
41 低速比較部
42 高速比較部
43 車速スイッチ
44b第1の電極
44c第2の電極
45a第1のブラシ
45b第2のブラシ
70 比例ソレノイド(第2の検出手段)
72 抵抗

Claims (3)

  1. ステアリングホイールの操舵トルクを検出し、この検出信号に応じて低速時においては所定の関係でアシストモータのトルクを付加し、高速時には低速時よりも小なる比率でアシストモータのトルクを付加する電動式パワーステアリングシステムにおいて、
    前記操舵トルクを検出する第1の検出手段と、
    前記アシストモータの付加トルクを検出する第2の検出手段と、
    前記第1の検出手段の検出信号に応じて変位する第1の電極及びこの電極に対して正常時は通電状態にあり低速時の第2の検出手段の検出信号に応じて変位する第1のブラシからなる低速比較部と、前記第1の検出手段の検出信号に応じて変位する第2の電極及びこの電極に対して正常時は通電状態にあり高速時の前記第2の検出手段の検出信号に応じて変位する第2のブラシからなる高速比較部とを備え、前記操舵トルクと前記付加トルクとの関係が所定の範囲を越えたとき前記第1、第2の電極及び前記第1、第2のブラシが相対的に変位して断電状態に切り換わり前記付加トルクを零にする比較手段と、
    車速を検知して前記低速比較部又は高速比較部の何れか一方を選択する車速スイッチとを備えたことを特徴とする電動式パワーステアリングシステムの異常検出制御装置。
  2. 前記比較手段の高速比較部における第2のブラシの変位は、前記低速比較部における第1のブラシの変位に対して、前記アシストトルクの比率に反比例して拡大されていることを特徴とする請求項1記載の電動式パワーステアリングシステムの異常検出制御装置。
  3. 前記比較手段の高速比較部における第2の電極の通電範囲は、前記低速比較部における第1の電極の通電範囲に対して、前記アシストトルクの比率に反比例して拡大されていることを特徴とする請求項1または2記載の電動式パワーステアリングシステムの異常検出制御装置。
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