JP4061690B2 - アクチュエータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータの回転により駆動対象物を変位させるアクチュエータ及びその駆動装置に関し、特に4輪駆動車における2輪駆動と4輪駆動との切り換え、或いはディファレンシャルギヤのロック・フリーの切り換え等を行うのに好適なアクチュエータ及びその駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば、4輪駆動車において2輪駆動と4輪駆動との切り換えを行う切換装置として、内燃機関から変速機等を介して常時駆動される後輪(又は前輪)側の回転軸に設けられたスプラインと、4輪駆動時にのみ駆動される前輪(又は後輪)側の回転軸に設けられたスプラインとを、各スプラインに係合可能に形成されたスライダを介して連結するか否かを切り換えることにより、4輪駆動と2輪駆動とを切り換えるように構成されたものが知られている。
【0003】
またこうした切換装置を駆動するアクチュエータとして、モータの回転をロッドの軸方向に沿った直線運動に変換して、ロッドの先端に固定されたフォークシャフトを変位させることにより、フォークシャフトに設けられたシフトフォークを介して、スライダを、前記各スプラインの連結位置から連結を切り離す切離位置又はその逆方向へとスライドさせる、推力アクチュエータが知られている。
【0004】
例えば、従来では、図13に示す如く、アクチュエータの出力軸の回転が停止した際に、モータ(図示せず)の回転トルクを受けてトーションスプリング80を捩り込む入力側歯車82には、ウォームギヤ84を介してモータの回転トルクを伝達することにより、モータの通電を遮断しても入力側歯車82がトーションスプリング80に蓄積された回転トルクによって逆回転しないように構成し、更に、この入力側歯車82に、モータ通電後の回転角度を検出するためのセンサ86を設けて、モータ通電後、入力側歯車82が駆動対象物を所定量変位させるのに要する回転量だけ回転すると、モータ通電を遮断するようにすることが行われている。
【0005】
尚、図13は、従来の推力アクチュエータにおいて、図示しないモータからロッド88に至る動力伝達機構の概略構成を表す図であり、トーションスプリング80の両側には、上記回転トルク入力用の入力側歯車82と、トーションスプリング80から回転トルクを受けて回転するピニオンギヤ90とが設けられている。そして、このピニオンギヤ90は、ロッド88に形成されたラックギヤ92と噛合してロッド88を軸方向に変位させる。このため、図13に示す推力アクチュエータでは、モータの回転によりウォームギヤ84が回転すると、入力側歯車82が回転し、その回転がトーションスプリング80を介してピニオンギヤ90に伝達され、その回転によりロッド88が軸方向に変位することになる。
【0006】
また図13に示す推力アクチュエータには、上記入力側歯車82の回転量を検出するセンサ86として、黄銅等の金属板を所定の形状に打ち抜いたターミナルプレート86aを樹脂でインサート形成したスイッチプレート86bを、入力側歯車82のトーションスプリング80とは反対側の板面に貼り付け、更に、このスイッチプレート86b上を摺動可能な3つのスイッチスプリング86c,86d,86eを設けて、これらスイッチスプリング86c〜86eにてターミナルプレート86aの両端位置を夫々検出することにより、モータの回転によりトーションスプリング80を捩り込む入力側歯車82の回転量を検出するように構成された、摺動スイッチ式のセンサが設けられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにアクチュエータにセンサを設けて、トーションスプリング80を捩り込む入力側歯車82の回転量を監視しつつモータの通電・非通電を切り換えるようにした場合、トーションスプリング80にモータの回転トルクを伝達する動力伝達系を構成するギヤ(つまり、ウォームギヤ84や入力側歯車82)を、ロッド88を所定量変位させるのに必要な量だけ回転させることができ、また、モータ通電による電力消費量も必要最小限に抑えることができる。
【0008】
しかし、このためには、アクチュエータに、モータの回転をトーションスプリングに伝達する入力側の動力伝達系を構成するギヤの回転量を検出するセンサを設ける必要があり、アクチュエータの構造が複雑になるといった問題がある。また、このようにアクチュエータにセンサを設けた場合、アクチュエータを駆動する駆動装置側にも、このセンサを動作させて検出信号を得るための検出回路を設ける必要があるため、アクチュエータを駆動する駆動装置の構成も複雑になってしまう。また、駆動装置とアクチュエータとの間には、モータ通電用の信号線だけでなく、センサからの検出信号を得るための信号線も設ける必要があるため、この信号線が断線したり、センサ自体が故障することもあり、アクチュエータ及びその駆動系の信頼性が低下するという問題もある。
【0009】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、動力伝達機構にばね部材を設けて、出力軸の回転が駆動対象物側から加わる負荷により停止した際に、モータからのトルクをばね部材に蓄積できるようにしたアクチュエータにおいて、モータからばね部材に至る動力伝達系を構成する入力側ギヤの回転量を検出するセンサを設けることなく、ばね部材が必要以上に捩り込まれるのを防止でき、しかも、モータ通電に伴う電力消費量についても駆動対象物の駆動に必要な最小電力量に抑制できるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載のアクチュエータにおいては、モータの回転トルクを増大して出力軸に伝達する動力伝達機構を備え、この動力伝達機構には、負荷の増大に伴い出力軸の回転が停止した際にモータの回転エネルギによりトルクを蓄積するばね部材が設けられる。
このため、本発明のアクチュエータにおいては、前述した従来のアクチュエータと同様、駆動対象物が一時的にロックして出力軸の回転が停止するような場合であっても、モータの通電を継続して回転トルクを発生させれば、ばね部材にモータの回転トルクが蓄積されることになり、駆動対象物のロックが解除された際には、ばね部材に蓄積された回転トルクにて駆動対象物を変位させることができる。
【0011】
一方、本発明のアクチュエータには、上記動力伝達機構において、モータの回転トルクをばね部材に伝達する、入力側の動力伝達系を構成する入力側ギヤの回転量を、駆動対象物を所定量変位させるのに必要な回転量に規制する回転制限機構、及び、モータ通電時にこの回転制限機構の動作によって入力側ギヤの回転が停止すると、入力側ギヤの回転位置をそのときの停止位置に保持して、その後モータの通電が遮断された際に入力側ギヤが逆回転するのを阻止する回転保持機構が備えられる。
【0012】
このため、本発明によれば、従来のように入力側ギヤの回転量をセンサにより検出してモータの通電を停止させることなく、モータ通電時に回転する入力側ギヤの回転量を、駆動対象物を所定量変位させるのに要する回転量に制限することが可能になる。また、回転制限機構が入力側ギヤの回転量を制限しているときにモータの通電が遮断されたとしても、入力側ギヤは、そのときの停止位置に保持されるため、駆動対象物を確実に変位させることができる。
【0013】
よって本発明のアクチュエータによれば、入力側ギヤの回転量を制限するために回転量検出用のセンサを設けた従来のアクチュエータに比べて構成が簡単になり、製造コストを低減することができる。また、アクチュエータから引き出す信号線は、モータ通電のための信号線だけでよいため、故障の原因となる構成要素も少なくなり、アクチュエータ及びその駆動系の信頼性も向上できる。
【0014】
また、本発明のアクチュエータにおいて、回転制限機構は、動力伝達機構に入力側ギヤとして設けられた歯車とアクチュエータのケースとに夫々形成され、モータ通電時にその歯車が駆動対象物の変位量に対応した所定角度回転したときに互いに係合してその歯車の回転を停止させる、一対の係合部にて構成されている。
【0016】
このため、本発明によれば、動力伝達機構の入力側ギヤを構成する歯車とアクチュエータのケースとに夫々設ける係合部の位置を調整することにより、ばね部材を捩り込むギヤ(歯車)の回転量を駆動対象物の駆動に必要な回転量に制限することが可能になる。
なお、請求項1に記載のアクチュエータにおいて、回転保持機構としては、例えば、請求項2に記載のように(換言すれば、図13に示したアクチュエータのように)、動力伝達機構に入力側ギヤとして設けられたウォームホイールと、このウォームホイールにモータの回転トルクを伝達するウォームギヤとにより構成することができる。
そして、回転保持機構をこのように構成した場合には、モータの通電時にはウォームギヤが回転して、この回転をばね部材に伝達するウォームホイールも回転するが、モータの通電が遮断されてウォームギヤの回転が停止した際には、ウォームギヤによってウォームホイールの逆回転を阻止できるため、モータ通電時にばね部材に蓄積されたトルクによってウォームホイールが逆回転することはなく、ばね部材に蓄積されたトルクによって駆動対象物を変位させることが可能になる。
【0017】
一方、請求項3に記載のアクチュエータは、請求項1に記載のアクチュエータと同様、回転制限機構と回転保持機構とを備える。
そして、請求項3に記載のアクチュエータにおいて、回転制限機構は、動力伝達機構に、入力側ギヤとして一対の歯車を設け、これら各歯車において互いに噛合する歯を、各歯車周囲の所定回転角度範囲内にだけ形成された部分歯とすることにより構成され、回転保持機構は、入力側ギヤとしての一対の歯車の内、ばね部材側歯車に形成された部分歯の末端部分に、これら各部分歯の噛合が外れてばね部材側歯車の回転が停止したときに、モータ側歯車周囲の部分歯未形成部分が滑って、その部分歯が次にばね部材側歯車の部分歯未形成部分に当接するまでモータ側歯車が回転するように、窪み部を形成することにより構成される。
【0018】
このため、請求項3に記載のアクチュエータにおいては、動力伝達機構においてモータの回転をばね部材に伝達する一対の歯車の内、ばね部材側歯車は、モータ通電時に部分歯が形成された回転角度範囲内だけ回転し、モータ側歯車は、モータ通電時に、最初はばね部材側歯車と部分歯が噛合した状態で回転するが、ばね部材側歯車の回転が停止しても、部分歯が形成されていない歯車周囲の部分歯未形成部分がばね部材側歯車に形成された窪み部を滑って回転し続け、最終的には、部分歯が、ばね部材側歯車の窪み部よりも外側の部分歯未形成部分に当接することにより、その回転が停止する。
【0019】
また、この状態で、モータの通電が遮断されて、モータ側歯車に回転トルクが伝達されなくなると、モータ歯車は逆方向に回転可能になり、また、ばね部材側歯車はばね部材に蓄積された回転トルクによって逆方向に回転しようとするが、このばね部材側歯車に形成された部分歯は、モータ側歯車の部分歯未形成部分に当接するため、これら各歯車の逆回転は阻止され、ばね部材には、モータ通電時に蓄積されたトルクが残り、このトルクによって駆動対象物を変位させることが可能になる。
【0022】
なお、本発明のアクチュエータは、駆動対象物を回転変位させる回転方式のアクチュエータとして利用することもできるが、ばね部材を介してモータの回転トルクを受ける出力軸に、この出力軸の回転運動を直線運動に変換する運動変換機構を介して、軸方向に変位可能なロッドを接続すれば、このロッドを軸方向へ変位させることによって駆動対象物を所定ストローク分だけスライドさせる推力アクチュエータとして構成することもできる。
【0023】
そして、このように推力アクチュエータとして構成すれば、回転中心が同軸上になるように配置された2つの回転軸に夫々設けられたスプラインをスライダを介して連結・切離するクラッチ機構を駆動するのに利用でき、例えば、自動車の動力伝達系において2輪駆動と4輪駆動との切り換え又はディファレンシャルギヤのロック・フリーの切り換えを行うクラッチ機構のスライダを変位させる自動車用の推力アクチュエータとしても利用できる。
【0024】
また、特に本発明のアクチュエータは、内部に回転検出用のセンサを設ける必要がないので、上記のように自動車用のアクチュエータとして使用すれば、より効果を発揮できる。つまり、自動車用のアクチュエータは、車体から強い振動を受け、また温度や湿度といった環境変化も大きいことから、極めて高い信頼性が要求されるが、本発明のアクチュエータによれば、内部に回転検出用のセンサを設ける必要がなく、モータ以外は全てギヤからなる動力伝達装置にて構成でき、故障を少なくして信頼性を向上できることから、自動車のような使用環境の厳しい場所でもアクチュエータとしての機能を充分果たすことができる。
【0025】
一方、本発明のアクチュエータは、ばね部材を捩り込む入力側ギヤの回転量を検出するセンサを備えず、その代わりに、入力側ギヤがモータ通電によって駆動対象物を所定量変位させるのに要する回転量だけ回転すると、回転制限機構によって、入力側ギヤの回転を停止させるようにされているため、本発明のアクチュエータ(詳しくはモータ)を駆動する駆動装置としては、次のように構成すればよい。
【0026】
つまり、本発明のアクチュエータの駆動装置としては、外部からアクチュエータの駆動指令があった際には、モータ通電手段によってモータを通電させ、その通電時間が、駆動対象物を所定量だけ変位させるのに必要な予め設定された一定時間に達すると、タイマ手段によって、モータ通電手段によるモータ通電を停止させるようにするか、或いは、モータ通電手段によるモータ通電時に、モータ電流検出手段にてモータ電流を検出し、電流判定手段にて、モータ電流検出手段が検出したモータ電流が、駆動対象物がロックしてモータの回転が停止したときに流れる電流値(以下、ロック電流という)に達したか否かを判定して、モータ電流がロック電流に達した際にモータ通電手段によるモータ通電を停止させるようにすればよい。
【0027】
そして、駆動装置をこのように構成すれば、駆動対象物をアクチュエータを介して所定量変位させるためにモータを通電する通電時間を、駆動対象物を所定量変位させるのに必要な(換言すれば、アクチュエータの入力側ギヤを駆動対象物の変位量に対応した回転量だけ回転させるのに必要な)時間に制限することができ、モータ通電による消費電力量を必要最小限に抑えることが可能になる。
【0028】
また、モータによる消費電力量を抑えることができるにもかかわらず、駆動装置には、センサを駆動したりセンサからの検出信号を処理するための検出回路を設ける必要がなく、タイマ或いはモータ電流検出及び判定用の回路を設けるだけでよいため、その構成を簡単にして、コスト低減を図ることができる。また、構成が簡単になるので、故障も発生し難くなり、駆動装置の信頼性を向上することもできる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を図面と共に説明する。
まず図1は、本発明が適用される4輪駆動車の動力伝達系の構成を表す概略構成図である。
【0030】
図に示すように4輪駆動車には、変速機TMを介して図示しない内燃機関の出力が入力されるトランスファ装置30が備えられている。そして、トランスファ装置30から車両後方に突出する出力軸は、リヤプロペラシャフト32,リヤディファレンシャルギヤ33,及び左右後輪RL,RRの回転軸であるリヤドライブシャフト34RL,34RRを介して、左右後輪RL,RRに至り、また、トランスファ装置30から車両前方に突出する出力軸は、フロントプロペラシャフト36,フロントディファレンシャルギヤ37,及び左右前輪FL,FRの回転軸であるフロントドライブシャフト38FL,38FRを介して、左右前輪FL,FRに至る。尚、右前輪FR側のフロントドライブシャフト38FRには、後輪RL,RRのみを駆動輪とする2輪駆動時に、左右前輪FL,FRの回転をフリーにするためのフロント車軸断続装置40が設けられている。
【0031】
トランスファ装置30内では、変速機TMの出力が、ギヤ比をハイ/ローいずれかに切換可能なハイ/ロー切換装置42を介して、内部の駆動軸43に伝達され、更に、この駆動軸43の回転が、センタディファレンシャルギヤ44に入力される。そして、センタディファレンシャルギヤ44の一方の出力ギヤは、後輪側出力軸に直結され、他方の出力ギヤは、2輪駆動と4輪駆動との切り換えを行う2WD/4WD切換装置46、及びチェーン47を介して、前輪側出力軸に連結されている。また、センタディファレンシャルギヤ44には、その入力軸と後輪側出力軸とを直結することにより、センタディファレンシャルギヤ44の差動動作を停止(所謂デフロック)させるための、ロック/フリー切換装置48が設けられている。
【0032】
ここで、ハイ/ロー切換装置42は、駆動軸43に設けられたスプラインを、変速機TMの出力軸に設けられたスプラインに連結するか、或いは、変速機TMの回転が変速機構42aを介して伝達される回転軸42bに設けられたスプラインに連結するか、を切り換えることにより、変速機TMから駆動軸43に至る動力伝達経路のギヤ比をハイ/ローいずれかに設定するためのものである。そして、その切り換えは、各スプラインに係合可能なスライダ42sを、駆動軸43の軸方向(図に矢印で示す)に移動させることにより行われる。尚、このハイ/ロー切換装置42は、車両が4輪駆動となっているときに、運転者からの操作指令に従い、ギヤ比を切り換えるようにされており、2輪駆動時には、ギヤ比をハイに固定して、燃費を悪化させないようにされている。
【0033】
また、2WD/4WD切換装置46は、フロントプロペラシャフト36に連結される前輪側出力軸にチェーン47を介して接続された回転軸46aと、センタディファレンシャルギヤ44の前輪側出力ギヤの回転軸46bとを、連結するか否かを切り換えることにより、当該車両を4輪駆動にするか2輪駆動にするかを切り換えるためのものである。そして、この切り換えにも、各回転軸46a,46bに設けられたスプラインに係合可能なスライダ46sが使用され、このスライダ46sを各回転軸46a,46bの軸方向(図に矢印で示す)に移動させて両スプラインを連結すれば4輪駆動となり、逆に、このスライダ46sを移動させて両スプラインの連結を切り離せば2輪駆動となる。
【0034】
また、ロック/フリー切換装置48は、センタディファレンシャルギヤ44の入力軸に設けられたスプラインと、リヤプロペラシャフト32に連結される後輪側出力軸に設けられたスプラインとを、各スプラインに係合可能なスライダ48sを介して連結するか否かを切り換えることにより、センタディファレンシャルギヤ44のロック/フリーを切り換えるものであり、2輪駆動の際には、後輪に動力を伝達できるようにするために、センタディファレンシャルギヤ44を必ずロック状態とし、4輪駆動の際には、運転者の操作指令に従いロック/フリーを切り換えるようにされている。
【0035】
また更に、フロント車軸断続装置40も、上記各切換装置と同様、左右前輪FL,FRの回転軸(フロントドライブシャフト)38FL,38FRに設けられたスプラインを、スライダ40sを介して連結するか否かを切り換えることにより、左右前輪FL,FRの回転をフリーにするか否かを切り換えるようにされており、前述したように、2輪駆動時には、各スプラインの連結を切り離して、左右前輪FL,FRの回転をフリーにし、4輪駆動時には、各スプラインを連結して、左右前輪FL,FRをフロントディファレンシャルギヤ37を介してプロペラシャフト36に連結する。尚、2輪駆動時に、左右前輪FL,FRの回転をフリーにするのは、2輪駆動時にフロントプロペラシャフト36を回すことによる燃費低下を防止するためである。
【0036】
このように、本実施例の4輪駆動車の動力伝達系には、フロント車軸断続装置40、ハイ/ロー切換装置42,2WD/4WD切換装置46,ロック/フリー切換装置48が備えられ、これら各部での切換動作時には、スライダ40s,42s,46s,48sを、連結/切離の対象となるスプラインに沿って移動させる必要がある。そして、本実施例では、このスライダ移動のために、直流モータを動力源とする推力アクチュエータが使用される。
【0037】
以下、2WD/4WD切換装置46のスライダ46s移動のために使用される推力アクチュエータを例にとり、本発明の主要部である推力アクチュエータ1の構造・動作、及びその駆動装置の構成・動作について説明する。
尚、以下の説明において、図2は、本実施例の推力アクチュエータ1と2WD/4WD切換装置46のスライダ46sとの接続機構を表す説明図、図3は推力アクチュエータ1に設けられた動力伝達機構の概略構成を表す斜視図、図4は推力アクチュエータ1に設けられたトーションスプリング(ばね部材)3付近の断面図、図5はトーションスプリング3の動力伝達機構への組み付け状態を表す説明図である。
【0038】
図2に示す如く、2WD/4WD切換装置46のスライダ46sには、フォークシャフト49に固定されたシフトフォーク49aが係合されている。そして、スライダ46sは、フォークシャフト49が軸方向(図中左右方向)に変位することにより、両スプラインに噛合して両スプラインを連結し、車両を4輪駆動とする連結位置と、回転軸46b側のスプラインのみに噛合して両スプラインの連結を切り離し、車両を2輪駆動とする切離位置(図2に示す状態)と、のいずれかに切り換えられる。
【0039】
推力アクチュエータ1は、フォークシャフト49を軸方向に移動させるためのものであり、通電を受けて回転トルクを発生する直流モータ(以下単にモータという)2、このモータ2の回転トルクを伝達する後述の動力伝達機構、この動力伝達機構に介在された後述のトーションスプリング(ばね部材)3、動力伝達機構により伝達された動力(推力)を受けて軸方向に往復動するロッド6、及び、これら構成部品を収容するケース5等から構成されている。
【0040】
そして、ロッド6は、ケース5に往復動可能に支持されて、先端部がケース5の外側(図2の左側)へ突出し、その先端部に設けられた連結ピン6aが、フォークシャフト49に設けられた連結凹部49bに係合されている。尚、このロッド6は、ピニオンギヤ17とラックギヤ18とからなる運動変換機構によりモータ2側から伝達される回転運動を直線運動に変換した推力を受けて、軸方向に移動することにより、フォークシャフト49を軸方向に変位させる。
【0041】
次に、推力アクチュエータ1の動力伝達機構は、
a)モータ2の出力軸2aに取り付けられて出力軸2aと一体に回転するピニオンギヤ8、
b)ピニオンギヤ8と噛み合う大径ギヤ9、
c)大径ギヤ9と共通の支持軸10に支持されて大径ギヤ9と一体に回転する小径ギヤ11、
d)小径ギヤ11と噛み合うアイドラギヤ(図3参照)12、
e)アイドラギヤ12と共通の支持軸13に支持され、外周の一部にだけ歯(部分歯)14aが形成されたアイドラギヤ14、
f)アイドラギヤ14の部分歯14aと噛み合う部分歯15aを有する大径ギヤ15、
g)大径ギヤ15と共通の支持軸16に支持され、トーションスプリング3を介してトルク伝達される前述のピニオンギヤ17、
h)ロッド6の端部に一体に形成され、ピニオンギヤ17と噛み合うことでピニオンギヤ17の回転力を推力(軸方向の動力)に変換する前述のラックギヤ18、
等より構成されている。
【0042】
一方、トーションスプリング3は、図4,図5に示すように、大径ギヤ15の内周に配されており、大径ギヤ15の開口された側面は、内部にトーションスプリング3を収納した状態で、ピニオンギヤ17に形成されたプレート17aにて閉塞されている。そして、トーションスプリング3は、その両端部3a、3bが内周側へ折り曲げられて、プレート17aに突設された円弧状の係止壁17bに係止されることにより、所定のセットトルクが付与されている。
【0043】
また、大径ギヤ15には、プレート17aに突設された係止壁17bの内周側でトーションスプリング3の両端部3a、3bの間に挿入される円弧状の係止壁15bが設けられている。尚、係止壁15bは、係止壁17bより周方向の長さ(円弧長)が若干短く形成されており、トーションスプリング3の両端部3a、3bの間で回転方向に多少の遊びが設定されている(図5参照)。
【0044】
このトーションスプリング3は、例えばモータ2の回転中にロッド6がロックしてピニオンギヤ17の回転が停止した時に、図5(b)に示すように、自身の一方の端部3aがピニオンギヤ17の係止壁17bの一端に係合しながら、大径ギヤ15を通じて伝わるモータ2の回転エネルギによって、回転方向に捩じり込まれ、捩じり角に応じた捩じりトルクを蓄えることができる。尚、図5(a)は捩じり角=0のセット状態、図5(b)はセット状態から右方向に捩じられた状態を示す。
【0045】
また次に、部分歯14a,15aを有するアイドラギヤ14及び大径ギヤ15は、請求項3に記載の一対の歯車に相当するものであり、各部分歯14a,15aは、互いに全領域で噛合できるように、各ギヤ14,15の外周面から突出して形成されている。また、大径ギヤ15において部分歯15aが形成された回転角度範囲は、モータ2の通電時に大径ギヤ15の回転によって、ロッド6を所定のストローク長だけ移動させることができる範囲に設定されている。そして、大径ギヤ15の外周において、部分歯15aの両側の端部位置には、窪み部15c,15dが形成されており、この窪み部15c,15dは、アイドラギヤ14の部分歯14aが形成されていない外周部分に対して、殆ど隙間ができないように円弧状になっている(図3参照)。
【0046】
このように構成された推力アクチュエータ1においては、2輪駆動から4輪駆動への切換時、及び4輪駆動から2輪駆動への切換時には、後述の駆動装置を介して、モータ2が正又は逆方向に通電されて、正回転又は逆回転する。尚、以下の説明において、2輪駆動から4輪駆動への切換時のモータ2の回転方向を正回転、4輪駆動から2輪駆動への切換時のモータ2の回転方向を逆回転という。
【0047】
そして、例えば、2輪駆動から4輪駆動への切換時に、モータ2が正回転すると、出力軸2aに取り付けられたピニオンギヤ8が出力軸2aと一体に回転し、この回転が、このピニオンギヤ8と噛み合う大径ギヤ9,大径ギヤ9と同軸の小径ギヤ11,及び小径ギヤと噛み合うアイドラギヤ12を介して、アイドラギヤ12と同軸のアイドラギヤ14に伝達される。尚、ピニオンギヤ8からアイドラギヤ14に至る動力伝達系を構成する各ギヤ(入力側ギヤ)は、モータ2の回転を減速してアイドラギヤ14に伝達する減速機構を構成しており、適宜追加・削除することもできる。
【0048】
また、このようにモータ2の回転がアイドラギヤ14に伝達されると、部分歯14a,15aが噛み合う回転角度分だけ大径ギヤ15が回転し、更に、この大径ギヤ15の回転が、トーションスプリング3を介して、ピニオンギヤ17に伝達され、ピニオンギヤ17とラックギヤ18との間で、ロッド6の軸方向の推力に変換される。そしてこの変換された推力によりロッド6がケース5内に引き込まれて、フォークシャフト49を変位させる。これにより、フォークシャフト49に固定されたシフトフォーク49aを介して、スライダ46sが図2の右方向へ移動し、回転軸46bのスプラインと噛み合ったまま、回転軸46aのスプラインとも噛み合うことで、各スプライン(延いては回転軸46a,46b)が連結されて2輪駆動から4輪駆動へ切り換えられる。
【0049】
また、シフトフォーク49aを介して移動するスライダ46sは、回転軸46aのスプラインに噛み合う際に、スプラインの端面に当接してスムーズな噛み合いが行われない場合が生じる。この場合、各回転軸46a,46bの回転が同期し、且つ各スプラインの互いの歯筋が合致するまでスライダ46sの移動が停止される。これにより、推力アクチュエータ1側では、ロッド6がロック(移動停止)して、トーションスプリング3よりもロッド6側に設けられた出力側ギヤ(つまりピニオンギヤ17)の回転は停止するが、トーションスプリング3よりもモータ2側に設けられた入力側ギヤ(8,9,11,12,14,15)はモータ2の回転エネルギによって回転し続け、トーションスプリング3が捩られ、トーションスプリング3にトルクが蓄積される。
【0050】
そして、その後、各回転軸46a,46bの回転が同期して、各スプラインの互いの歯筋が合致し、スライダ46sが回転軸46a側スプラインと噛み合い始めると、ロッド6に掛かる負荷が低下し、それまで停止していたロッド6がトーションスプリング3から得られる推力により作動して、スライダ46sと回転軸46a側スプラインとの噛み合いを完了させる。
【0051】
一方、4輪駆動から2輪駆動への切換時に、モータ2が逆回転すると、動力伝達機構の各ギヤが夫々モータ2の正回転時とは逆方向に回転し、その回転が、ピニオンギヤ17からラックギヤ18に伝達されて、ピニオンギヤ17とラックギヤ18との間で軸方向の推力に変換され、その変換された推力によりロッド6がケース5から突出され、フォークシャフト49を変位させる。これにより、フォークシャフト49に固定されたシフトフォーク49aを介して、スライダ46sが図2の左方向へ移動し、スライダ46sと回転軸46a側スプラインとの噛合が切り離されることにより、各スプライン(延いては回転軸46a,46b)の連結が切り離され、4輪駆動から2輪駆動へ切り換えられる。
【0052】
また、この場合、例えば前輪と後輪との間に回転数差が生じて、スライダ46sと各スプラインとの間に大きなトルク(摩擦力)が掛かっていると、モータ2が発生する回転トルクだけではスライダ46sを移動させることができず、スライダ46sの移動が停止される。すると、推力アクチュエータ1では、モータ2の正回転時と同様、トーションスプリング3が捩られ、トーションスプリング3に蓄積されるトルクが、スライダ46sと各スプラインとの間に掛かったトルク(摩擦力)よりも大きくなった時点で、ロッド6が移動し、スライダ46sと回転軸46a側スプラインとの噛合が切り離される。
【0053】
また、本実施例では、モータ2の回転をトーションスプリング3に伝達する入力側動力伝達系に、部分歯14a,15aを有するアイドラギヤ14,大径ギヤ15を設けていることから、上記のようにモータ2を正回転又は逆回転させて、車両を2輪駆動から4輪駆動或いはその逆へと切り換える際に、入力側の各ギヤ(特に大径ギヤ15)がその切り換えに必要な回転量を越えて回転するのを防止することができる。以下、この動作を図6を用いて説明する。
【0054】
尚、図6は、モータ2を正回転させて2輪駆動から4輪駆動へ切り換える際のアイドラギヤ14と大径ギヤ15の回転変化を表す説明図である。
図6(a)に示すように、モータ2の通電開始前には、2輪駆動に切り換えられているので、アイドラギヤ14の部分歯未形成部分のモータ2の逆回転方向端部位置が、大径ギヤ15の一方の窪み部15cに入り込み、また大径ギヤ15の部分歯15aの端部がアイドラギヤ14の部分歯未形成部分に当接されて、各ギヤ14,15は回転不可能な状態になっている。
【0055】
そして、モータ2の通電が開始されて、モータ2が正回転し始めると、アイドラギヤ14が、図6において反時計回りに回転し始める。すると、アイドラギヤ14は、その部分歯未形成部分が大径ギヤ15の窪み部15cを滑りながら回転し、その後、各部分歯14a,15aが噛合し始める(図6(b)参照)。そして、部分歯14a,15aが噛合している間は、モータ2からの回転トルクによって、各ギヤ14,15は連続的に回転する(図6(c)参照)。
【0056】
次に、各ギヤ14,15が、部分歯14a,15aの端部位置まで回転し、部分歯14a,15a同士の噛合が外れ、アイドラギヤ14の部分歯未形成部分が、大径ギヤ15の窪み部15dに入ると、大径ギヤ15の回転が停止する(図6(d)参照)。しかし、アイドラギヤ14は、部分歯未形成部分が窪み部15dを滑ることによって、更に回転し続け、回転方向に位置する部分歯14aの端部が、大径ギヤ15の窪み部15dよりも外側の部分歯未形成部分に当接することにより、その回転が停止する(図6(e)参照)。
【0057】
そして、この状態では、大径ギヤ15の部分歯15aの端部がアイドラギヤ14の部分歯未形成部分に当接されるので、モータ2の通電が停止されても、大径ギヤ15がトーションスプリング3から受けるトルクによって逆回転することはない。
つまり、本実施例では、アイドラギヤ14と大径ギヤ15とにより、回転制限機構及び回転保持機構としての機能が実現されており、従来のように入力側ギヤとしての大径ギヤ15等に、その回転量を検出するセンサを設けることなく、大径ギヤ15の回転量を、ロッドを所定のストローク量L(図6参照)変位させるのに必要な回転量に制限することが可能になる。また、モータ2の通電が遮断されたとしても、大径ギヤ15は、そのときの停止位置に保持されるため、2輪駆動及び4輪駆動の切り換えを確実に行うことが可能になる。
【0058】
一方、上記切り換え時にモータ2に流れる電流量は、例えば、図7に示す如く変化する。即ち、モータ2の通電開始直後には、突入電流が流れるため、電流量は一時的に大きくなるが(a)、その後、部分歯14a,15aが噛合するまでの間(a−b)は、アイドラギヤ14の部分歯未形成部分が大径ギヤ15の窪み部15cを滑りながら回転するため、モータ2は略無負荷状態となって、電流量が小さくなる。そして、その後、各部分歯14a,15aが噛合し始めると(b−c)、電流量が増加し始め、部分歯14a,15aの噛合が外れるまで(d)、トーションスプリング3から受ける反力により、電流量が除々に増加する。
【0059】
そして、部分歯14a,15a同士の噛合が外れると、アイドラギヤ14は大径ギヤ15の窪み部15dを滑りながら回転するため、モータ2は再び略無負荷状態となって、電流量が小さくなる。そして、その後、部分歯14aの端部が、大径ギヤ15の窪み部15dよりも外側の部分歯未形成部分に当接して、アイドラギヤ14の回転が停止すると(e)、モータ2にロック電流が流れ、その電流量が著しく高くなる。
【0060】
従って、上記切り換え動作の際には、モータ2の通電開始後、アイドラギヤ14の回転が停止した時点で、できるだけ速やかにモータ2の通電を遮断することが望ましい。つまり、アイドラギヤ14の回転が停止して、モータ2にロック電流が流れると、モータ2やその駆動系が発熱し、場合によっては焼損してしまうことがあり、また、推力アクチュエータ駆動のための消費電力量も大きくなることから、モータ2にロック電流が流れた際には、モータ2の通電を速やかに停止することが望ましい。そこで、本実施例の推力アクチュエータ1には、こうしたモータ2の通電制御を行うために、図8に示す駆動装置20が設けられている。
【0061】
この駆動装置20は、運転者により手動で操作される2WD/4WD切換用の操作スイッチ22に接続されている。尚、操作スイッチ22は、例えば、運転者が手動操作する2WD/4WD切換用の操作レバーに取り付けられており、操作レバーが4輪駆動の指令位置にあるときオン状態となって制御装置20側端子を接地し、操作レバーが2輪駆動の指令位置にあるときオフ状態となって制御装置20側端子を開放するように構成されている。
【0062】
また、駆動装置20には、通電回路(モータ通電手段)24として、モータ2を正・逆に回転させるために、モータ2のモータ巻線両端と車載バッテリ(バッテリ電圧Vb)の正極側に接続された電源ラインとの間に夫々スイッチング素子として設けられた一対のトランジスタT1,T3と、同じくモータ巻線両端と車載バッテリの負極側に接続されたグランドラインとの間にスイッチング素子として夫々設けられた一対のトランジスタT2,T4と、からなる所謂Hブリッジ回路が備えられている。
【0063】
そして、モータ巻線の一端に接続されたトランジスタT1と他端に接続されたトランジスタT4とを同時にオン状態とし、他のトランジスタT2,T3をオフ状態とすれば、モータ巻線に正方向に電流が流れてモータ2が正回転し、スライダ46sが、各スプラインを連結する4WD位置側に移動し、逆に、モータ巻線の一端に接続されたトランジスタT2と他端に接続されたトランジスタT3とを同時にオン状態とし、他のトランジスタT1,T4をオフ状態とすれば、モータ巻線に逆方向に電流が流れてモータ2が逆回転し、スライダ46sが、各スプラインの連結を切り離す2WD位置側に移動するようにされている。尚、上記各トランジスタT1〜T4は、バイポーラトランジスタであっても、或いはMOS型等のFETであっても使用できる。
【0064】
また操作スイッチ22のオン/オフ状態に応じて、車両を2輪駆動から4輪駆動又はその逆へと切り換えるために、駆動装置20には、操作スイッチ22がオン状態となって、入力端子が操作スイッチ22を介して接地(ローレベル)されると、ハイレベルの信号を発生するインバータ回路26、このインバータ回路26からの出力がローレベルからハイレベルに立ち上がると、その後一定時間t1だけトランジスタT1,T4をオンさせてモータ2を正回転させる制御信号を発生するワンショットタイマ28、及び、入力端子が操作スイッチ22に接続され、操作スイッチ22がオフ状態となって、入力端子レベルがローレベルからハイレベルに立ち上がると、その後、一定時間t2だけトランジスタT3,T2をオンさせてモータ2を逆回転させる制御信号を発生するワンショットタイマ29、が設けられている。
【0065】
尚、インバータ回路26,ワンショットタイマ28,及び29は、夫々、図示しない電源回路から定電圧を受けて動作し、ワンショットタイマ29の入力端子は、内部に設けられたプルアップ抵抗を介して、電源電圧が印加されている。また、ワンショットタイマ28,29は請求項7に記載のタイマ手段に相当する。
【0066】
ここで、各ワンショットタイマ28,29が制御信号を発生する時間t1,t2は、トランジスタT1,T4又はT3,T2をオンして、モータ2の通電を開始した後、大径ギヤ15が部分歯15aが形成された回転角度範囲だけ正方向又は逆方向に回転し、更にアイドラギヤ14の回転が停止するのに要する時間であり、予め実験等によって設定されている。
【0067】
従って、本実施例の駆動装置20によれば、モータ2を通電して車両を2輪駆動から4輪駆動又はその逆へと切り換える際に、その通電時間から、モータ2にロック電流が流れるのを予測し、ロック電流を予測したタイミングで、モータ2の通電を遮断できる。このため、この駆動装置20によれば、少なくとも、モータ2にロック電流が長時間流れるのを防止し、モータ2や通電回路24を保護することができる。また、モータ2の通電時間を最小限に抑えることができるので、消費電力も低減できる。
【0068】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、上記実施例では、推力アクチュエータ1において、モータ2の回転をトーションスプリング3に伝達する入力側の動力伝達機構に、部分歯14a,15aを備えた一対の歯車(アイドラギヤ14,大径ギヤ15)を設けることにより、モータ通電時の入力側ギヤ(特に大径ギヤ15)の回転量を制限し、且つ、モータ通電遮断後の入力側ギヤの逆転を防止するように構成したが、推力アクチュエータ1の動力伝達機構を、図9,図10に示す如く構成すれば、部分歯を形成したギヤを使用することなく、上記実施例と同様の効果を得ることができる。
【0069】
即ち、図9,図10に示した推力アクチュエータ51は、上記実施例の推力アクチュエータ1と同様、2WD/4WD切換装置46のスライダ46s移動のために使用されるアクチュエータであり、モータ52、モータ52の回転トルクを伝達する後述の動力伝達機構、トーションスプリング53、ロッド56、及び、これら構成部品を収容するケース55等から構成されている。
【0070】
そして、この推力アクチュエータ51の動力伝達機構は、
a)モータ52の出力軸に取り付けられて出力軸と一体に回転するウォームギヤ58(但し、このウォームギヤ58は、モータ2への通電が停止された時にモータ2が逆回転できないように、進み角の小さいものを使用している。)
b)ウォームギヤ58と噛み合うウォームホイール59、
c)ウォームホイール59と共通の支持軸60に支持されてウォームホイール59と一体に回転する小径ギヤ61、
d)小径ギヤ61と噛み合う大径ギヤ62、
e)大径ギヤ62と共通の支持軸63に支持され、トーションスプリング53を介してトルク伝達されるピニオンギヤ64、
h)ロッド56の端部に一体に形成され、ピニオンギヤ64と噛み合うことでピニオンギヤ64の回転力を推力(軸方向の動力)に変換するラックギヤ65、等より構成されている。
【0071】
また、大径ギヤ62の外周には、請求項1に記載の歯車側の係合部として突起67が突設されており、ケース55には、大径ギヤ62の回転時に、この突起67の両端に夫々当接されて、大径ギヤ62の回転量を規制する一対の係合部68,69が一体形成されている。
【0072】
尚、図9は推力アクチュエータ51と2WD/4WD切換装置46のスライダ46sとの接続機構を表す説明図、図10は推力アクチュエータ1に設けられた動力伝達機構の概略構成(一部省略)を表す斜視図である。また、ロッド56に接続されるフォークシャフト49やその接続部分等は、上記実施例と同様であり、また、大径ギヤ62からトーションスプリング53を介してピニオンギヤ64に至る動力伝達系の構成も、図4,図5に示した上記実施例と同様であるので、これら各部の説明は省略する。
【0073】
次に、この推力アクチュエータ51の動作を、モータ52を正回転させて2輪駆動から4輪駆動へ切り換える場合を例にとり、図11を用いて説明する。尚、図11は、モータ52を通電して正回転させた際の大径ギヤ62の回転変化を表す説明図であるが、その説明を解り易くするために、ウォームギヤ58から大径ギヤ62に至る動力伝達系のギヤ等については一部省略してある。
【0074】
図11(a)に示すように、モータ2の通電開始前には、2輪駆動に切り換えられているので、大径ギヤ62の突起67がケース55側の係合部69に当接した状態にある。またこのとき、ウォームギヤ58は回転を停止していることから、ウォームホイール59から大径ギヤ62に至る動力伝達系の各ギヤは、ウォームギヤ58によって回転不可能な状態になっている。
【0075】
そして、モータ2の通電が開始されて、モータ2が正回転し始めると、ウォームギヤ58から大径ギヤ62に回転トルクが伝達されて、大径ギヤ62も回転し始める。すると、その後、スライダ46sが回転軸46aのスプラインの端面に当たって、ロッド56がロックするまでの間は、ロッド56に負荷がかからないため、大径ギヤ62とピニオンギヤ64とは、トーションスプリング53により連結された状態で一体的に回転する(図11(b)参照)。
【0076】
次に、スライダ46sが回転軸46aのスプラインの端面に当たって、ロッド56がロックすると、その後、スライダ46sが回転軸46a側スプラインとかみ合うまで、ピニオンギヤ64が回転を停止するので、トーションスプリング53は、ピニオンギヤ64の係止壁64b(図5で説明した係止壁17bと同じ)により一端が固定された状態で、他端が大径ギヤ62の係止壁62b(図5で示した係止壁15bと同じ)当接されて、大径ギヤ62と共に回転する。
【0077】
そして、その後、大径ギヤ62の突起67がケース55に形成された係合部68に当接すると、大径ギヤ62の回転が停止する(図11(c)参照)。この結果、トーションスプリング53には、ケース55に形成された係合部69,68にて規制される大径ギヤ62の回転量に対応したトルクが蓄積される。
【0078】
また、この状態で、モータ2の通電が遮断されても、ウォームギヤ58とウォームホイール59との噛合により、大径ギヤ62はそのときの回転位置に停止されるので、大径ギヤ62がトーションスプリング53から受けるトルクによって逆回転することはなく、トーションスプリング53に蓄積されたトルクは保持される。そして、その後、スライダ46sが回転軸46a側スプラインとかみ合うと、トーションスプリング53に蓄積されたトルクによって、ピニオンギヤ64が回転し、ロッド56が移動する(図11(d)参照)。
【0079】
つまり、この推力アクチュエータ51では、大径ギヤ62に設けた突起67とケース55に形成した係合部68,69とにより回転制限機構を構成し、ウォームギヤ58とウォームホイール59とにより回転保持機構を構成しているが、これら各部は、上記実施例のアイドラギヤ14と大径ギヤ15と同様に機能することから、この推力アクチュエータ51においても、上記実施例の推力アクチュエータ1と同様の効果を得ることができる。
【0080】
次に、この推力アクチュエータ51の駆動装置としては、上記実施例と同様、ワンショットタイマ28,29を用いて、2WD/4WD切換時のモータ52の通電時間を一定時間t1,t2に制御する駆動装置20を利用することもできるが、駆動装置としては、モータ52に流れる電流(モータ電流)を検出し、その電流が前述のロック電流に達した際に、モータ52の通電を遮断するようにしてもよい。そこで、以下に、推力アクチュエータ51の駆動装置として、このようなロック電流検出方式の駆動装置を使用する場合について説明する。
【0081】
図12は、このように構成した駆動装置70の一例を表している。
図12に示す如く、この駆動装置70は、上記実施例と同様、運転者により手動で操作される2WD/4WD切換用の操作スイッチ22に接続されており、その内部には、4個のトランジスタからなるHブリッジ回路にて構成された通電回路24が備えられている。そして、この通電回路24からグランドに至る経路には、電流検出手段として、モータ電流検出用の抵抗R1が設けられ、更に、電流判定手段として、抵抗R1の通電回路24側電圧と、電源電圧(定電圧)Vccを抵抗R2,R3にて分圧した基準電圧とを大小比較するコンパレータCOMが設けられている。
【0082】
また操作スイッチ22のオン/オフ状態に応じて、車両を2輪駆動から4輪駆動又はその逆へと切り換えるために、駆動装置70には、上記実施例と同様のインバータ回路26が備えられ、このインバータ回路26からの出力をラッチ回路78に入力し、更にラッチ回路78からの出力にて、トランジスタT1,T4を駆動するようにされている。つまり、駆動装置70では、操作スイッチ22がオフからオンに切り替わり、インバータ回路26からの出力がローレベルからハイレベルに変化すると、ラッチ回路78がそのハイレベルの信号をラッチして、トランジスタT1,T4をオンさせる。
【0083】
また、駆動装置70には、入力端子が操作スイッチ22に接続され、操作スイッチ22がオフ状態となって、入力端子レベルがローレベルからハイレベルに変化すると、そのハイレベルの信号をラッチして、トランジスタT3,T2をオンさせるラッチ回路79も備えられている。尚、このラッチ回路79の入力端子は、内部に設けられたプルアップ抵抗を介して、電源電圧が印加されている。
【0084】
一方、上記コンパレータCOMは、抵抗R1から入力されるモータ電流に対応した検出電圧が抵抗R2,R3により生成される基準電圧よりも高くなると、ローレベルの信号を発生する。そして、このコンパレータCOMの出力端子は、上記各ラッチ回路78,79のリセット端子に夫々接続されており、コンパレータCOMからの出力がローレベルであるとき、各ラッチ回路78,79がリセットするようになっている。
【0085】
この結果、図12に示した駆動装置70によれば、例えば、操作スイッチ22がオン操作されて、ラッチ回路78がトランジスタT1、T4をオンし、モータ52に電流が流れて、モータ52が正回転しているときに、大径ギヤ62の突起67が係合部68に当接して、大径ギヤ62、延いてはモータ52の回転が停止すると、モータ52にロック電流が流れるが、そのロック電流をコンパレータCOMにて検出して、ラッチ回路78をリセットし、トランジスタT1,T4を速やかにオフすることができる。また、操作スイッチ22がオフ操作されて、ラッチ回路79がトランジスタT3、T2をオンし、モータ52を逆回転させている時に、大径ギヤ62の突起67が係合部69に当接して、モータ52の回転が停止した際にも、モータ52に流れるロック電流をコンパレータCOMにて検出して、ラッチ回路78をリセットし、トランジスタT3,T2を速やかにオフすることができる。
【0086】
そして、この駆動装置70によれば、モータ52に流れる電流を直接検出して、モータ52にロック電流が流れたか否かを判定することから、モータ52にロック電流が流れた際に、より速やかにモータ52の通電を遮断することができ、図8に示した駆動装置20に比べて、モータ52にロック電流が流れるのをより確実に防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の4輪駆動車の動力伝達系の構成を表す概略構成図である。
【図2】 推力アクチュエータとスライダとの接続機構を表す説明図である。
【図3】 推力アクチュエータに設けられた動力伝達機構の概略構成を表す斜視図である。
【図4】 推力アクチュエータのトーションスプリング付近の断面図である。
【図5】 トーションスプリングの動力伝達機構への組み付け状態を表す説明図である。
【図6】 推力アクチュエータ駆動時のアイドラギヤと大径ギヤの回転変化を表す説明図である。
【図7】 推力アクチュエータ駆動時のモータ電流の変化表す説明図である。
【図8】 推力アクチュエータの駆動装置の構成を表す電気回路図である。
【図9】 推力アクチュエータの他の構成例を表す概略構成図である。
【図10】 図9の推力アクチュエータの動力伝達機構の概略構成を表す斜視図である。
【図11】 図9の推力アクチュエータの動作を説明する説明図である。
【図12】 推力アクチュエータの駆動装置の他の構成例を表す電気回路図である。
【図13】 従来の推力アクチュエータの動力伝達機構の概略構成を表す斜視図である。
【符号の説明】
1…推力アクチュエータ、2…モータ、3…トーションスプリング、5…ケース、6…ロッド、8…ピニオンギヤ、9…大径ギヤ、11…小径ギヤ、12…アイドラギヤ、14…アイドラギヤ、14a…部分歯、15…大径ギヤ、15a…部分歯、15c,15d…窪み部、17…ピニオンギヤ、18…ラックギヤ、20…駆動装置、22…操作スイッチ、24…通電回路、26…インバータ回路、28,29…ワンショットタイマ、51…推力アクチュエータ、52…モータ、53…トーションスプリング、55…ケース、56…ロッド、58…ウォームギヤ、59…ウォームホイール、61…小径ギヤ、62…大径ギヤ、64…ピニオンギヤ、65…ラックギヤ、67…突起、68,69…係合部、70…駆動装置、78,79…ラッチ回路、COM…コンパレータ。
Claims (3)
- 通電により回転トルクを発生するモータと、
複数のギヤにて構成され、前記モータの回転トルクを増大して出力軸に伝達する動力伝達機構と、
該動力伝達機構に介在され、前記出力軸に駆動対象物側から加わる負荷が増大して該出力軸の回転が停止した際に、前記モータの回転エネルギにより、前記出力軸を所定量回動可能なトルクを蓄積するばね部材と、
を備え、前記モータの回転により前記出力軸側に接続される駆動対象物を所定量変位させるアクチュエータであって、
前記動力伝達機構において前記モータの回転トルクを前記ばね部材に伝達する入力側ギヤの回転量を、前記駆動対象物を所定量変位させるのに必要な回転量に規制する回転制限機構と、
前記モータ通電時に前記回転制限機構の動作によって前記入力側ギヤの回転が停止すると、該入力側ギヤの回転位置を停止位置に保持し、その後前記モータの通電が遮断された際に前記入力側ギヤが逆回転するのを阻止する回転保持機構と、
を備え、
前記回転制限機構は、
前記動力伝達機構に前記入力側ギヤとして設けられた歯車及び当該アクチュエータのケースに夫々形成され、前記モータ通電時に該歯車が前記駆動対象物の変位量に対応した所定角度回転したときに互いに係合して前記歯車の回転を停止させる一対の係合部からなることを特徴とするアクチュエータ。 - 前記回転保持機構は、
前記動力伝達機構に前記入力側ギヤとして設けられたウォームホイールと該ウォームホイールにモータの回転トルクを伝達するウォームギヤとにより構成され、
前記モータの通電停止時には、前記ウォームギヤが前記ウォームホイールの回転を停止させることにより、前記入力側ギヤが逆回転するのを阻止することを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。 - 通電により回転トルクを発生するモータと、
複数のギヤにて構成され、前記モータの回転トルクを増大して出力軸に伝達する動力伝達機構と、
該動力伝達機構に介在され、前記出力軸に駆動対象物側から加わる負荷が増大して該出力軸の回転が停止した際に、前記モータの回転エネルギにより、前記出力軸を所定量回動可能なトルクを蓄積するばね部材と、
を備え、前記モータの回転により前記出力軸側に接続される駆動対象物を所定量変位させるアクチュエータであって、
前記動力伝達機構において前記モータの回転トルクを前記ばね部材に伝達する入力側ギヤの回転量を、前記駆動対象物を所定量変位させるのに必要な回転量に規制する回転制限機構と、
前記モータ通電時に前記回転制限機構の動作によって前記入力側ギヤの回転が停止すると、該入力側ギヤの回転位置を停止位置に保持し、その後前記モータの通電が遮断された際に前記入力側ギヤが逆回転するのを阻止する回転保持機構と、
を備え、
前記回転制限機構は、
前記動力伝達機構に前記入力側ギヤとして一対の歯車を設け、該各歯車において互いに噛合する歯を、該各歯車周囲の所定回転角度範囲内にだけ形成された部分歯とすることにより構成され、
前記回転保持機構は、
前記一対の歯車の内、前記ばね部材側歯車に形成された部分歯の末端部分に、前記各部分歯の噛合が外れて該ばね部材側歯車の回転が停止したとき、前記モータ側歯車周囲の前記部分歯未形成部分が滑って、該部分歯が次にばね部材側歯車の部分歯未形成部分に当接するまで前記モータ側歯車が回転するよう、窪み部を形成することにより構成され、
前記モータの通電停止時には、前記ばね部材側歯車の部分歯が前記モータ側歯車の部分歯未形成部分に当接して、前記入力側ギヤが逆回転するのを阻止することを特徴とするアクチュエータ。
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