JP3700247B2 - 推力アクチュエータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータの回転力を軸方向の推力に変換してロッドを駆動する推力アクチュエータに関し、特に4輪駆動車における2輪駆動と4輪駆動との切換装置、または差動固定装置(通称デフロック)のロック状態とアンロック状態との切換装置等に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
例えば、4輪駆動車における2輪駆動と4輪駆動との切換装置が知られている。
この切換装置は、推力アクチュエータによりフォークシャフトを駆動することで、そのフォークシャフトに固定されたシフトフォークによってスライダを操作し、そのスライダを介して前輪側の駆動軸に設けられたスプラインと後輪側の駆動軸に設けられたスプラインとが連結されることで4輪駆動となり、切り離されることで2輪駆動となる。
ところが、フォークシャフトを駆動するための必要推力をモータの回転トルクによって発生する推力アクチュエータでは、以下の問題が生じる。
つまり、モータは、スライダとスプラインとが噛み合う直前およびスライダが滑り始める直前の大きな推力を出力できるだけの回転トルクを発生する必要がある。その結果、モータの発生する回転トルクが大きくなるため、モータの小型化および省電力化が困難であった。
【0003】
そこで、本出願人は、動力伝達機構に衝撃吸収用のトーションスプリングを介在させた推力アクチュエータを出願した(平成7年9月18日提出)。この推力アクチュエータでは、クラッチを噛み合わせる時あるいは離脱させる時にロッドに掛かる負荷が増大してロッドの移動が停止した際に、トーションスプリングがモータの回転慣性エネルギを吸収してクラッチ操作に必要なトルクを蓄えることができる。この結果、モータの発生するロックトルクをクラッチ操作に必要なトルクより小さくできるため、その分、モータの小型化および省電力化を図ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、例えば4輪駆動から2輪駆動へ切り換える際に、スライドと後輪駆動軸に設けられたスプラインとの間に大きなトルクが掛かっていると(例えば前輪と後輪との回転数差が大きい時)、スライダが滑り始める直前から離脱するまでの略全ストロークに亘って大きな推力を必要とする。このため、先願の推力アクチュエータでは、トーションスプリングに蓄えられたトルクだけでスライダをスプラインから離脱させることはできない。言い換えれば、トーションスプリングに蓄えられたトルクで得られる1回分の推力だけではスライダが全ストローク移動することはできず、トーションスプリングに蓄えられたトルクが出力されて推力が低下した時点でスライダの移動が停止してしまう。その結果、4輪駆動から2輪駆動への切り換えを実行できないという課題を有していた。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、モータへの平均駆動電流を小さくできるとともに、確実なクラッチ操作を行うことのできる推力アクチュエータを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、モータ駆動回路は、クラッチ操作に必要な推力を得るために必要な電流i1 と、少なくともトーションスプリングに蓄えられたトルクによってモータが逆回転しない程度のトルクを発生できる電流i2 との間でモータを間欠通電する。これにより、トーションスプリングに蓄えられたトルク(反力)が出力されても、モータが間欠通電されることにより再びトーションスプリングを巻き上げて反力を蓄えることができる。従って、クラッチを離脱させる際に大きなトルクが掛かっている場合でも、クラッチの離脱が完了するまで略一定の推力を確保できるため、トーションスプリングに蓄えられた反力が出力される毎に少しずつクラッチを離脱させることができる。
【0006】
また、本発明では、電流i1 を常時モータに流す必要はなく、電流i1 と、その電流i1 より低い電流i2 との間でモータを間欠通電しているため、電流i1 を常時モータに流してクラッチ操作に必要な推力を得ようとする場合と比較してモータに通電される平均駆動電流を小さくできる。その結果、モータの発熱を抑制できる効果を有する。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の推力アクチュエータを4輪駆動車の2輪駆動と4輪駆動とを切り換える切換装置に適用した実施例を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
図1および図2は推力アクチュエータの内部構造を示す平面図(アッパケースを取り外した状態)、図3は推力アクチュエータの内部構造を示す側面断面図(図1および図2のA−A断面図)である。
まず、図9に基づいて2輪駆動と4輪駆動とを切り換える切換装置100の構造を説明する。
切換装置100は、前輪駆動軸110の外周に設けられたスプライン111、後輪駆動軸120に設けられたスプライン121、両者のスプライン111、121に係合可能に設けられたスライダ130、およびスライダ130を操作するシフトフォーク140が固定されたフォークシャフト150等より構成されている。
【0008】
前輪駆動軸110は、エンジンからトランスミッション(図示しない)を介して駆動力が伝達されて、エンジン運転中は常時回転している(後輪駆動軸120にエンジンの駆動力が伝達される構造でも良い)。
後輪駆動軸120は、前輪駆動軸110と軸方向に対向して配置され、前輪駆動軸110の端部にベアリング160を介して回転自在に支持されている。
スライダ130は、2輪駆動の時に前輪駆動軸110のスプライン111に噛み合わされており、2輪駆動から4輪駆動へ切り換える時に、図9の右方向へ移動して後輪駆動軸120のスプライン121とも噛み合う(両方のスプライン111、121と噛み合った状態)。即ち、フォークシャフト150に固定されたシフトフォーク140によってスライダ130を操作し、このスライダ130を介して前輪駆動軸110のスプライン111と後輪駆動軸120のスプライン121とが連結されることで4輪駆動となり、切り離されることで2輪駆動となる。なお、本発明のクラッチの噛み合いおよび離脱とは、スライダ130と後輪駆動軸120のスプライン121との噛み合いおよび離脱を言う。
【0009】
推力アクチュエータ1は、フォークシャフト150を駆動操作するもので、図1〜図3に示すように、通電を受けて回転トルクを発生するモータ2、このモータ2の回転トルクを伝達する動力伝達機構(後述する)、この動力伝達機構に介在されたトーションスプリング3、動力伝達機構により伝達された動力(推力)を受けて軸方向に往復動するロッド4、各構成部品を収容するケース5、およびモータ2を通電するモータ駆動回路6(図7参照)等より構成されている。
【0010】
動力伝達機構は、
a)モータ2の出力軸2aに取り付けられて出力軸2aと一体に回転するウォームギヤ7(但し、このウォームギヤ7は、モータ2への通電が停止された時にモータ2が逆回転できるように進み角の大きいものを使用している。したがって平歯車でも良い)、
b)ウォームギヤ7と噛み合うウォームホイール8、
c)ウォームホイール8と共通の支持軸9に支持されてウォームホイール8と一体に回転する小径ギヤ10、
d)小径ギヤ10と噛み合う大径ギヤ11、
e)大径ギヤ11と共通の支持軸12に支持されてトーションスプリング3を介してトルク伝達される小径ギヤ13、
f)小径ギヤ13と噛み合う大径ギヤ14、
g)大径ギヤ14と共通の支持軸15に支持されて大径ギヤ14と一体に回転する小径ギヤ16、
h)小径ギヤ16と噛み合うプレートギヤ17、
i)支持軸18に嵌合するプレートギヤ17のボス部の外周に形成されてプレートギヤ17と一体に回転するピニオンギヤ19、
j)ロッド4の端部に一体に設けられてピニオンギヤ19と噛み合うことでピニオンギヤ19の回転力を推力(軸方向の動力)に変換するラックギヤ20等より構成されている。
【0011】
トーションスプリング3は、図4(図1のB−B断面図)および図5に示すように、大径ギヤ11の内周に配されており、その両端部3a、3bが内周側へ折り曲げられて大径ギヤ11の内側に突設された円弧状の係止壁11aに係止されて所定のセットトルクが付与されている。なお、大径ギヤ11は、軸方向の一方側(図4の右側)のみ側壁を有し、他方側は開口されている。トーションスプリング3を介してトルク伝達される小径ギヤ13は、大径ギヤ11の開口された側面を塞ぐ円形のプレート13aを有し、このプレート13aの一側面(図4の右側面)に、大径ギヤ11の係止壁11aの内周側でトーションスプリング3の両端部3a、3bの間に挿入される円弧状の係合壁13bが設けられている。なお、係合壁13bは、大径ギヤ11の係止壁11aより周方向の長さ(円弧長)が若干短く形成されており、トーションスプリング3の両端部3a、3bの間で回転方向に多少の遊びが設定されている(図5(a)参照)。
【0012】
このトーションスプリング3は、例えばモータ2の回転中にロッド4がロックして小径ギヤ13の回転が停止した時に、図5(b)、(c)に示すように、自身の一方の端部3aが小径ギヤ13の係合壁13bの一端に係合しながら大径ギヤ11を通じて伝わるモータ2の回転慣性エネルギによって回転方向に捩じり込まれ、その捩じり角に応じた捩じりトルクを蓄えることができる。なお、図5(a)は捩じり角=0のセット状態、図5(b)はセット状態(つまり図5(a)の状態)から捩じり角θ1 だけ捩じられた状態、図5(c)はセット状態から捩じり角θ2 (>θ1 )だけ捩じられた状態を示す。
【0013】
但し、本実施例のトーションスプリング3は、図6のグラフに示すように、捩じり角が増大しても、それによって得られる捩じりトルクが大きく変化しない様に、スプリング定数が小さく設定されている。
なお、図6における各記号は以下の通りである。
T0 :トーションスプリング3のセットトルク
T1 :セット状態からθ1 だけ捩じられた時の捩じりトルク
T2 :セット状態からθ2 だけ捩じられた時の捩じりトルク
E1 :モータ回転数が「低速」時の回転慣性エネルギ
E2 :モータ回転数が「中速」時の回転慣性エネルギ
【0014】
具体的に、捩じり角θ=1.5rad、2.4rad、3.2radの場合のトーションスプリング3の捩じりトルクT、トーションスプリング3に吸収されるエネルギE、および捩じりトルクTによって得られる推力を算出または測定すると、それぞれ下記の表1の様になる。
【表1】
Figure 0003700247
【0015】
一方、本アクチュエータ1において、無負荷動作時でのモータ2の回転数変動を5000rpm (at10v)〜8000rpm (at16v)の範囲とした場合に、その変動範囲内の回転数によって生じるモータ2の回転慣性エネルギは下記の表2に示す通りである。なお、無負荷動作時のモータ通電電流は0.1〜0.2Aである。
【表2】
Figure 0003700247
【0016】
上記の表1と表2の結果からも分かるように、ロッド4の移動が停止した時にモータ2の回転慣性エネルギによってトーションスプリング3を捩じり込むことができ、その時、トーションスプリング3に蓄えられた捩じりトルクにより得られる推力は50〜70kgとなり、切替装置100のスライダ130とスプライン121とを噛み合わせる時、あるいは離脱させる時に必要な推力(本実施例では最大50kg)より大きな推力が得られる。
【0017】
ロッド4は、ケース5にシール部材21(図1参照)を介して往復動可能に支持されて、先端部がケース5の外側(図1の右側)へ突出し、その先端部に設けられた連結ピン4a(図9参照)が切換装置100のフォークシャフト150に設けられた連結凹部151に係合されている。このロッド4は、ピニオンギヤ19とラックギヤ20との噛み合いにより変換された推力を受けてラックギヤ20と一体に作動する(軸方向に移動する)ことにより、フォークシャフト150を駆動する。
ケース5は、図3に示すように、シール部材22を介して液密に組み合わされたロアケース5aとアッパケース5bから成る。
【0018】
モータ駆動回路6は、図7に示すように、手動スイッチ23を介して電子制御装置(ECU)24に接続され、手動スイッチ23がオンされた時に、電子制御装置24より出力される起動信号を受けてモータ2を所定時間(例えば1秒間)だけ通電する。但し、モータ2への通電開始から一定時間(例えば0.3秒)経過してもクラッチ操作が開始されない場合には、モータ2に対して間欠通電が行われる。この間欠通電とは、図8(b)に示す様に、クラッチ操作に必要な推力を得るために必要な電流i1 と、トーションスプリング3に蓄えられたトルクによってモータ2が逆回転しない程度のトルクを発生できる電流i2 とを交互に通電することを言う。
【0019】
クラッチ操作が開始されたか否かの判定は、例えばスライダ130の挙動を検出する検出手段(図示しない)からの検出信号によって行うことができる。なお、図8(b)に示す電流i1 の通電時間t1 と電流i2 の通電時間t2 は、それぞれ適宜設定することができるが、一例として、t1 =0.1秒、t2 =0.3秒程度である。
電子制御装置24は、例えば車両のエンジン制御、サスペンション制御、またはエアコン制御等を行うもので、イグニッションスイッチIGがオンされることで、車載電源Bより電力の供給を受けて作動する。
【0020】
次に、本実施例の作動を説明する。
a)2輪駆動から4輪駆動へ切り換える場合の作動。
乗員により手動スイッチ23がオンされて、電子制御装置24からモータ駆動回路6へ起動信号が出力されることにより、モータ駆動回路6を通じてモータ2が通電される。
通電を受けてモータ2が回転すると、出力軸2aに取り付けられたウォームギヤ7が出力軸2aと一体に回転し、このウォームギヤ7と噛み合うウォームホイール8が回転する。ウォームホイール8の回転は、ウォームホイール8と共に支持軸9に一体に設けられた小径ギヤ10を介して大径ギヤ11に伝達されて、この大径ギヤ11からトーションスプリング3を介して小径ギヤ13に伝達され、さらに小径ギヤ13から大径ギヤ14へ、大径ギヤ14から小径ギヤ16へ、小径ギヤ16からプレートギヤ17へ順に伝達された後、このプレートギヤ17と一体に回転するピニオンギヤ19からラックギヤ20に伝達されて、ピニオンギヤ19とラックギヤ20との間で軸方向の推力に変換される。
【0021】
このラックギヤ20で変換された推力によりロッド4が引き込まれて(図2参照)フォークシャフト150を駆動する。これにより、フォークシャフト150に固定されたシフトフォーク140を介してスライダ130が移動(図9の右方向へ移動)し、前輪駆動軸110に設けられたスプライン111と噛み合ったまま、後輪駆動軸120に設けられたスプライン121とも噛み合うことで、前輪駆動軸110と後輪駆動軸120とが連結されて2輪駆動から4輪駆動へ切り換えられる。ここで、シフトフォーク140を介して移動するスライダ130は、後輪駆動軸120のスプライン121に噛み合う際に、スプライン121の端面に当接してスムーズな噛み合いが行われない場合が生じる。この場合、前輪駆動軸110の回転に伴ってスライダ130とスプライン121との互いの歯筋が合致するまでスライダ130の移動が停止される。
【0022】
これにより、推力アクチュエータ1では、ロッド4がロック(移動停止)してトーションスプリング3よりロッド4側に設けられた各ギヤ(13、14、16、17、19、20)の回転は停止するが、トーションスプリング3よりモータ2側に設けられた各ギヤ(7、8、10、11)はモータ2の回転慣性エネルギによって回転を継続しようとする。このため、トーションスプリング3は、モータ2の回転数(5000rpm 〜8000rpm )に応じた回転慣性エネルギ(表2参照)を吸収して捩じり込まれる。従って、ロッド4は、スライダ130とスプライン121との噛み合いに必要な推力が加えられた状態で停止している。
【0023】
その後、前輪駆動軸110の回転に伴いスライダ130と後輪駆動軸120のスプライン121との歯筋が合致して両者が噛み合い始めると、ロッド4に掛かる負荷が低減して、それまで停止していたロッド4がトーションスプリング3から得られる推力により作動してスライダ130とスプライン121との噛み合いを完了させる。この後、フォークシャフト150は、スライダ130と後輪駆動軸120のスプライン121とが噛み合った状態でさらに移動し、シフトフォーク140がストッパ170に当接することで停止する。このシフトフォーク140がストッパ170に当接して停止することで再びロッド4に掛かる負荷が増大してロッド4は停止するが、上記のようにトーションスプリング3にモータ2の回転慣性エネルギが吸収されるため、ロッド4の移動停止に伴う衝撃力が動力伝達機構に加わることはない。
そして、モータ2の通電開始から所定時間(1秒)経過後に通電が停止されて、2輪駆動から4輪駆動への切り換えが終了する。このモータ2への通電が停止されるとトーションスプリング3に蓄えられた捩じりトルクによってモータ2が逆回転することにより、動力伝達機構に掛かる負荷は解消される。
【0024】
b)4輪駆動から2輪駆動へ切り換える場合の作動。
4輪駆動から2輪駆動への切り換えは、スライダ130が前輪駆動軸110のスプライン111と後輪駆動軸120のスプライン121とに噛み合っている状態から、スライダ130をスプライン121から離脱させて前輪駆動軸110のスプライン111と後輪駆動軸120のスプライン121とを切り離すことにより行われる。このため、例えば前輪と後輪との間に回転数差が生じて、スライダ130とスプライン121との間に大きなトルク(摩擦力)が掛かっている場合には、モータ2への通電開始から一定時間経過してもクラッチ操作が開始されない場合が生じる。
【0025】
この場合、モータ駆動回路6を通じてモータ2への間欠通電が行われる。この間欠通電は、図8(b)に示す様に、クラッチ操作に必要な推力を得るために必要な電流i1 と、トーションスプリング3に蓄えられたトルクによってモータ2が逆回転しない程度のトルクを発生できる電流i2 との間で行われる。これにより、電流i1 がモータ2に通電される時には、モータ2の発生する回転トルクによってトーションスプリング3に反力(クラッチ操作に必要な推力を出力できるトルク)を蓄えることができる。また、電流i2 がモータ2に通電される時には、トーションスプリング3に蓄えられた反力が出力されることでクラッチ操作に必要な推力を得ることができる。この結果、図8(c)に示す様に、間欠通電が行われている間、略一定の推力を確保できるため、トーションスプリング3に蓄えられた反力が出力される毎に少しずつスライダ130が移動して(図8(a)参照)、最終的にスプライン121から離脱することで4輪駆動から2輪駆動へのクラッチ操作を完了することができる。
【0026】
(本実施例の効果)
本実施例では、4輪駆動から2輪駆動へ切り換える際に、スライダ130とスプライン121との間に大きな摩擦力が生じている場合でも、モータ2への間欠通電が行われている間、クラッチ操作を実行するために必要な略一定の推力を確保できるため、確実にスライダ130がスプライン121から離脱して4輪駆動から2輪駆動への切り換えを行うことができる。
【0027】
また、本実施例では、電流i1 を常時モータ2に流す必要はなく、電流i1 と、その電流i1 より低い電流i2 との間でモータ2を間欠通電しているため、電流i1 を常時モータ2に流してクラッチ操作に必要な推力を得ようとする場合と比較してモータ2に通電される平均駆動電流を小さくできる。その結果、モータ2の発熱を抑制できる効果もある。
【0028】
更には、モータ2の通電が停止された時に、モータ2が逆回転してロッド4および動力伝達機構に掛かっていた負荷を解消することができる。これにより、ロッド4および動力伝達機構を構成する各ギヤ(ウォームギヤ7、ウォームホイール8、小径ギヤ10、大径ギヤ11、小径ギヤ13、大径ギヤ14、小径ギヤ16、プレートギヤ17、ピニオンギヤ19、ラックギヤ20)の小型化および樹脂化による軽量化を図ることができるとともに、それに伴って各ギヤを支持する支持軸9、12、15、18およびケース5の樹脂化が可能となり、コストダウンを図ることができる。
【0029】
〔変形例〕
本実施例では、モータ2の通電が停止された時にモータ2が逆回転できるように、進み角の大きいウォームギヤ7を使用したが、ウォームギヤ7の代わりに小径の平歯車を用いても良い。
本実施例では、推力アクチュエータ1を2輪駆動と4輪駆動とを切り換える切換装置100に適用したが、差動固定装置のロック状態とアンロック状態との切換装置に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】推力アクチュエータの内部構造を示す平面図である。
【図2】推力アクチュエータの作動状態を示す内部構造の平面図である。
【図3】推力アクチュエータの内部構造を示す側面断面図である。
【図4】トーションスプリングの取付け状態を示す断面図である。
【図5】トーションスプリングが捩じられる状態を示す作動図である。
【図6】トーションスプリングの捩じり角とトルクとの関係を示すグラフである。
【図7】推力アクチュエータを駆動する電気回路図である。
【図8】(a)はスライダの移動ストロークと経過時間との関係を示すグラフ、(b)はモータへの間欠通電を示すグラフ、(c)は間欠通電時に出力される推力を示すグラフである。
【図9】推力アクチュエータを含む切換装置の全体断面図である。
【符号の説明】
1 推力アクチュエータ
2 モータ
3 トーションスプリング
4 ロッド
6 モータ駆動回路
7 ウォームギヤ(動力伝達機構)
8 ウォームホイール(動力伝達機構)
10 小径ギヤ(動力伝達機構)
11 大径ギヤ(動力伝達機構)
13 小径ギヤ(動力伝達機構)
14 大径ギヤ(動力伝達機構)
16 小径ギヤ(動力伝達機構)
17 プレートギヤ(動力伝達機構)
19 ピニオンギヤ(動力伝達機構)
20 ラックギヤ(動力伝達機構)

Claims (1)

  1. クラッチの噛み合いおよび離脱を行わせる推力アクチュエータであって、
    通電を受けて回転トルクを発生するモータと、
    このモータの回転トルクを増大して軸方向の推力に変換する動力伝達機構と、
    この動力伝達機構を介して推力が付与されることにより、軸方向に移動してクラッチ操作を行うロッドと、
    前記動力伝達機構に介在されて、前記クラッチを噛み合わせる時あるいは離脱させる時に前記ロッドに掛かる負荷が増大して前記ロッドの移動が停止した場合に、前記モータの回転慣性エネルギを吸収して前記クラッチ操作に必要な推力を出力できるトルクを蓄えるトーションスプリングと、
    前記モータへの通電電流を制御するモータ駆動回路とを備え、
    このモータ駆動回路は、前記クラッチ操作に必要な推力を得るために必要な電流i1 と、少なくとも前記トーションスプリングに蓄えられたトルクによって前記モータが逆回転しない程度のトルクを発生できる電流i2 との間で前記モータを間欠通電することを特徴とする推力アクチュエータ。
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