JP4896696B2 - 自覚式検眼装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被検眼の視機能を被検者の自覚的な判断に基づいて検査するための自覚式検眼装置に関する。
従来、眼鏡を作成する際に該眼鏡のレンズの屈折度数を定めるために、被検者の各眼の視機能を被検者の応答に基づいて検査するための自覚式検眼装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このような自覚式検眼装置は、各種の視標を被検眼に呈示する視標呈示部と、被検眼の視機能を矯正するための光学素子である複数のレンズを保持し、被検者からの応答に応じた屈折力を有するレンズを被検眼と視標呈示部との間に選択的に配置する光学素子配置装置と、視標呈示部及び光学素子配置装置の作動を制御するコントローラとを備える。コントローラは、被検眼に呈示する視標及びレンズをそれぞれ選択するために操作される操作部と、該操作部に選択された視標及びレンズのレンズデータをそれぞれ表示するための表示部とを備える。表示部は、視標及びレンズデータが表示される表示画面を有し、該表示画面にレンズデータが表示される第一の表示モードと表示画面に視標が表示される第二の表示モードとが切替可能である。
遠方を見た状態での被検眼の視機能を検査する際、被検者は、視標呈示部に表示された視標をレンズを通して視認し、その視標の見え具合を検者に応答する。検者は、被検者からの応答に基づいて、第一の表示モードにおかれた表示部の表示画面に表示されたレンズデータを見ながら操作部を操作することによりレンズを選択し、光学素子配置装置に配置されたレンズを他のレンズに入れ替える。他方、近方を見た状態での被検眼の視機能を検査する際、検者は、表示部を第一の表示モードから第二の表示モードに切り替えることにより表示画面に視標を表示させ、該視標を被検者に呈示し、遠用検査と同様に、被検者からの応答に基づいて矯正レンズを被検眼の見え方に応じた矯正レンズに入れ替える。
これにより、遠方視状態及び近方視状態での被検眼の視機能が矯正され、作成すべき眼鏡のレンズの屈折力の値を定めることができる。
特開2002−143092号公報
しかしながら、表示画面に視標が表示される第二の表示モードに表示部がおかれた状態では表示画面にレンズデータが表示されないことから、検者は、近用検査時に表示画面に表示された視標を被検眼に呈示した状態でレンズデータを視認することができない。このため、検者は、近用検査中に光学素子配置装置のレンズを入れ替えるとき、操作部の操作時にレンズデータを視認することができるように表示部を第二の表示モードから第一の表示モードに切り替え、操作部の操作によりレンズを選択した後、表示部を第一の表示モードから第二の表示モードに再度切り替える必要がある。従って、近用検査中にレンズのような光学素子を入れ替える度に、該光学素子を選択するための操作とは別に、レンズデータを表示画面に表示させるための格別な作業を行う必要があるため、近用検査中に光学素子を入れ替える作業が煩雑になり、検査時間の延長を招く。
そこで、本発明の目的は、表示画面に視標が表示される第二の表示モードに表示部がおかれた状態で格別な作業を行うことなく容易に光学素子を入れ替えることができる自覚式検眼装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、被検眼に呈示する遠用検査用の視標が表示される視標呈示部と、各種の光学素子を保持し、該各光学素子を通して前記遠用検査用の視標を見た被検者からの応答に対応した種類の前記光学素子を前記被検眼と前記視標呈示部との間に選択的に配置するための光学素子配置装置と、近用検査用の視標及び前記光学素子の光学素子データをそれぞれ表示するための表示画面を有し、前記光学素子データが表示される第一の表示モードと前記視標が表示される第二の表示モードとが切替可能な表示部と、前記遠用検査用の視標、前記近用検査用の視標及び前記各光学素子をそれぞれ選択すべく操作される操作部と、前記操作部の操作に基づいて前記視標呈示部、前記光学素子配置装置及び前記表示部の作動をそれぞれ制御する制御部とを備え、該制御部は、前記表示部が前記第二の表示モードにおかれた状態で、前記光学素子データを前記表示画面に前記近用検査用の視標と共に表示させることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御部は、前記表示部が前記第二の表示モードにおかれている間、前記光学素子データを前記表示画面に表示させ続けることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御部は、前記表示部が前記第二の表示モードにおかれた状態で前記光学素子を選択すべく前記操作部が操作されたとき、前記光学素子データを前記表示画面に表示させることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記制御部は、前記表示部が前記第二の表示モードにおかれた状態で前記操作部の操作に基づいて前記光学素子データを前記表示画面に表示させ、前記操作部が所定の時間操作されないことを検知したとき、該操作部の操作が終了したと判断し、前記表示画面から前記光学素子データの表示を消すことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発明において、前記制御部は、前記表示部が前記第二の表示モードにおかれた状態で、前記被検者による前記近用検査用の視標の視認を妨げない位置で前記光学素子データを前記表示画面に表示させることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記表示部は、前記表示画面が前記被検者に対向するように該被検者の前方に配置されており、検者は前記被検者の側方に位置しており、前記光学素子データは、前記表示画面の左右方向の中央部よりも前記検者側に位置する領域に表示され、前記近用検査用の視標は、前記表示画面に前記領域以外の領域で表示されることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の発明において、前記表示画面には、前記光学素子データが表示される表示欄が設けられており、該表示欄は、前記表示画面に複数の前記近用検査用の視標が前記表示画面の上下方向に沿って配列して表示されるときは該表示画面の上下方向に沿って伸び、且つ、前記表示画面に複数の前記近用検査用の視標が前記表示画面の左右方向に沿って配列して表示されるときは該表示画面の左右方向に沿って伸びるように、前記表示画面上に配置されることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、光学素子の光学素子データが表示される第一の表示モードと視標が表示される第二の表示モードとが切替可能な表示部の表示画面には、表示部が第二の表示モードにおかれた状態で、制御部の制御下で光学素子データが視標と共に表示されることから、検者は、例えば近方を見た状態での被検眼の視機能を検査する近用検査時に第二の表示モードにおかれた状態で表示画面に表示された視標を被検眼に呈示した状態で光学素子データを視認することができる。
これにより、検者は、表示画面に表示された視標を用いた近用検査中に光学素子配置装置の光学素子を入れ替えるとき、光学素子を選択するための操作とは別に、光学素子データを表示画面に表示させるための従来のような格別な作業を行う必要はないので、近用検査中に光学素子を入れ替える度に従来のような格別な作業を行う場合に比べて、光学素子の入替え作業を確実に容易に行うことができる。
従って、光学素子の入替え作業が煩雑になることによる従来のような検査時間の延長を確実に防止することができる。
請求項2に記載の発明によれば、制御部は、表示部が第二の表示モードにおかれている間、光学素子データを表示画面に表示させ続けることから、検者は、表示部が第二の表示モードにおかれた状態で光学素子データを常時視認することができる。
請求項3に記載の発明によれば、表示部が第二の表示モードにおかれた状態で、光学素子を選択すべく操作部が操作されたとき、制御部の制御下で光学素子データが表示画面に表示されることから、例えば近用検査時に表示部が第二の表示モードにおかれた状態で表示画面に表示された視標を被検眼に呈示している間のように検者が光学素子データを視認する必要がないときは光学素子データは表示画面に表示されず、光学素子配置装置の光学素子を選択するために操作部を操作するときのように検者が光学素子データを視認する必要があるときに光学素子データが表示画面に表示される。
従って、表示画面に視標が表示される第二の表示モードにおいて操作部の操作時にのみ光学素子データが表示画面に表示されることから、第二の表示モードで光学素子データが表示画面に常に表示されている場合とは異なり、被検眼の近方検査中であって操作部を操作していないときに被検眼の視界に光学素子データが入ることはない。これにより、被検眼の検査中に光学素子データが視界に入る場合に比べて、被検者に視標をより集中させて視認させることができるので、被検眼の視機能をより正確に測定することができる。
請求項4に記載の発明によれば、制御部は、表示部が第二の表示モードにおかれた状態で操作部の操作に基づいて光学素子データを表示画面に表示させ、操作部が所定の時間操作されないことを検知したとき、該操作部の操作が終了したと判断し、表示画面から光学素子データの表示を消すことから、操作部の操作が終了した後、前記所定の時間が経過したとき、表示画面に表示された光学素子データの画像を表示画面から消すことができる。これにより、表示画面に表示された光学素子データの画像を表示画面から消すために格別な操作を行う場合に比べて、検査時間の短縮をより確実に図ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、光学素子データは、制御部の制御下で、表示部が第二の表示モードにおかれた状態で被検者による視標の視認を妨げない位置で表示画面に表示されることから、表示部を第二の表示モードにおかれた状態で、表示画面に表示された光学素子データの画像が被検者による視標の視認の妨げになることによって被検者に混乱が生じることを、確実に防止することができる。これにより、被検者に混乱が生じることによる被検眼の視機能の誤測定を確実に防止することができる。
請求項6に記載の発明によれば、表示部は、表示画面が被検者に対向するように該被検者の前方に配置されており、検者は被検者の側方に位置しており、光学素子データは、表示画面の左右方向の中央部よりも検者側に位置する領域に表示されることから、光学素子データが表示画面に前記領域以外の領域に表示された場合に比べて、表示画面に表示された光学素子データを見たときの検者の視線と表示画面とのなす角度が大きくなる。これにより、表示画面が例えば液晶パネルで構成された場合に該液晶パネルの視野角が狭い場合でも、光学素子データが前記領域以外の領域に表示された場合に比べて、表示画面に表示された光学素子データを明確に視認することができる。
請求項7に記載の発明によれば、光学素子データが表示される表示欄は、表示画面に複数の視標が表示画面の上下方向に沿って配列して表示されるときは該表示画面の上下方向に沿って伸びるように表示画面上に配置され、表示画面に複数の視標が表示画面の左右方向に沿って配列して表示されるときは該表示画面の左右方向に沿って伸びるように表示画面上に配置されることから、表示欄は、検査時に表示画面に表示された各視標を見る被検眼の移動方向に沿って伸びる。これにより、表示画面に表示された各視標と表示欄との間隔がその伸長方向に沿ってほぼ一様になるので、被検眼の検査時に被検眼が各視標をその配列方向に順次見たとき、表示欄が各視標の配列方向に直交する方向に沿って伸びるように表示画面に表示される場合とは異なり、被検眼が移動するに従って該被検眼に映る光学素子データが少しずつ明確になったり少しずつ不明確になったりすることはない。従って、被検眼の移動時に該被検眼に映る光学素子データの明確さが変化することによって視標を見る被検眼の視認の妨げになることを、確実に防止することができる。
本発明を図示の実施例に沿って説明する。
本発明に係る自覚式検眼装置10は、図1に示すように、被検者12の被検眼に呈示する各種の視標11を表示するための視標呈示部13と、被検眼の視機能を矯正するための矯正装置14とを備える。自覚式検眼装置10は、従来よく知られているように、図示しない眼鏡を作成する際に該眼鏡のレンズの屈折度数を定めるために用いられる。
視標呈示部13は、視標11が表示される表示画面16を有する。表示画面16は、図示の例では、液晶パネルで構成されており、表示画面16に表示される視標11は、後述するコントローラ15の操作により選択される。
視標呈示部13と被検者12との間には、検眼テーブル18が配置されており、該検眼テーブルには、該検眼テーブルからその上方へ伸びる支柱19が設けられている。支柱19の上部には横方向に伸びるアーム20が設けられており、該アームに矯正装置14が取り付けられている。検者23は、被検眼の検査時、検眼テーブル18の側方に位置している。
矯正装置14は、左右方向に並べて配置された一対のフォロプタ21を備える。各フォロプタ21は、それぞれ検眼窓22が形成されたハウジング21aを備える。各ハウジング21a内には、図示しないが従来と同様に、互いに屈折力の異なる複数の矯正レンズが周方向に沿って設けられた環状のレンズディスクが回転可能に収納されている。すなわち、矯正装置14は、光学素子である前記矯正レンズを被検眼と視標呈示部13との間に選択的に配置する光学素子配置装置を構成している。前記各矯正レンズは、前記コントローラ15の制御下で前記レンズディスクの回転により各検眼窓22内に選択的に配置される。
更に、本発明に係る自覚式検眼装置10は、矯正装置14及び視標呈示部13の作動を制御するための前記したコントローラ15を備える。
コントローラ15は、検眼テーブル18上に載置されており、図2及び図3に示すように、検者23(図1参照。)により操作される操作部24と、視標11及び操作部24の操作内容を示す操作画像をそれぞれ表示するための表示部25と、操作部24の操作に基づいて視標呈示部13、矯正装置14及び表示部25の作動を制御する演算制御回路26と、表示部25及び視標呈示部13に接続された画像出力部27とを有する。
演算制御回路26は、図2に示すように、CPU28及びメモリ部29を有する。CPU28は、操作部24及び画像出力部27に接続されており、更に、矯正装置14に設けられた図示しない駆動制御部に接続されている。メモリ部29には、被検眼の遠方視状態での視機能を検査する遠用検査時に用いられる各種の視標11及び被検眼の近方視状態での視機能を検査する近用検査時に用いられる各種の視標11のそれぞれを示す視標データ30と、操作画像を示す操作画像データ31と、CPU28による算出のための各種の計算プログラム33と、前記各矯正レンズの球面度数、乱視度数、軸角度、水平方向のプリズム量H及び垂直方向のプリズム量V等の屈折力を示すレンズデータ34とがそれぞれ記憶されている。
操作部24には、図3に示すように、各フォロプタ21の検眼窓22内に配置する前記矯正レンズを選択するためのダイヤル35や、後述するようにレンズデータ34が表示される第一の表示モードと視標11が表示される第二の表示モードとに表示部25を切り換えるための表示切替スイッチ36等の、検査の設定のための各種スイッチが設けられている。
CPU28は、操作部24のダイヤル35が操作されると、該ダイヤルの操作位置に応じた屈折力を示すレンズデータ34をメモリ部29から抽出し、抽出したレンズデータ34が示す屈折力を有する前記矯正レンズを各フォロプタ21の検眼窓22内に配置する旨の制御信号を矯正装置14の前記駆動制御部に制御信号を送る。これにより、ダイヤル35の操作により選択された屈折力を有する前記矯正レンズが各フォロプタ21の検眼窓22内に配置される。
また、CPU28は、ダイヤル35が操作されると、メモリ部29から抽出したレンズデータ34を示す信号を画像出力部27に送る。
更に、CPU28は、表示切替スイッチ36の操作により表示部25の表示モードが第一の表示モードと第二の表示モードとの間で切り替わったとき、各表示モードに対応する操作画像データ31をメモリ部29から抽出し、各表示モード専用の操作画像データ31を示す信号を画像出力部27に送る。
表示部25は、図2に示すように、操作部24の前記各スイッチの操作により操作画像及び視標11がそれぞれ表示される表示画面37を有する。また、表示部25は、図3に示す例では、その下縁部25aで、操作部24の縁部24aに該縁部に沿って設けられた図示しない軸部材を介して該軸部材の周りに回動可能に支持されている。表示部25は、前記したように、表示切替スイッチ36の操作により、前記した第一の表示モードと前記した第二の表示モードとが切替可能である。表示画面37は、図示の例では、液晶パネルで構成されている。
表示部25が第一の表示モードにおかれた状態では、表示画面37には、図4に示すように、操作部24のダイヤル35の操作により選択された前記矯正レンズのレンズデータ34が表示される屈折力表示欄38が設けられている。更に、図示の例では、表示画面37には、視標呈示部13の表示画面16に表示される遠用検査用の視標11の種類及び第二の表示モードで表示部25の表示画面37に表示される近用検査用の視標11の種類の一覧がそれぞれ表示される一覧表示欄39と、検査に用いるべく一覧表示欄39から選択された視標11が表示される視標表示欄40とが設けられている。すなわち、本実施例では、表示部25が第一の表示モードにおかれた状態で、レンズデータ34と共に視標11を表示画面37に表示可能である。
屈折力表示欄38、一覧表示欄39及び視標表示欄40は、それぞれメモリ部29に記憶された操作画像データ31に含まれている。
また、本実施例では、表示画面37上に図示しないタッチパネルが設けられている。前記タッチパネルは、一覧表示欄39上に配置されており、図示しないが従来よく知られているように、複数の導電膜ストライプが互いに平行に形成され且つ両端部に抵抗膜が設けられた透明のフィルムやガラス等の一対のパネル部材を各導電膜ストライプが互いに直交するように貼り合わせることにより形成されている。前記タッチパネルの表面が押下されたとき、前記各パネル部材に形成された前記各導電膜ストライプが互いに接触することにより電気的に導通したとき、前記各抵抗膜に現れる電圧に基づいて、一方の前記パネル部材の複数の前記導電膜ストライプのうちのいずれの前記導電膜ストライプが他方の前記パネル部材の複数の前記導電膜ストライプのうちのいずれの前記導電膜ストライプに接触したことがタッチセンサにより検出され、これにより、前記タッチパネルの押下された位置が特定される。従って、表示画面37に表示された例えば一覧表示欄39の各視標11のうち検査に用いる視標11を示す画像を表示画面37上から押下することにより、一覧表示欄39から視標11を選択することができる。前記タッチセンサは、押下された位置を検出すると、該位置を示す検出信号をCPU28に送る。
CPU28は、前記タッチセンサから検出信号を受けると、該検出信号に示された押下位置の視標11に対応する視標データ30をメモリ部29から抽出し、抽出した視標データ30を示す信号を画像出力部27に送る。
他方、表示部25が、表示画面37に視標11が表示される第二の表示モードにおかれた状態では、表示画面37には、図5に示す例では、レンズデータ34が表示される屈折力表示欄41が設けられている。屈折力表示欄41は、図示の例では、表示画面37に表示された視標11に重ならないように、表示画面37の下部に設けられている。屈折力表示欄41には、図示の例では、前記矯正レンズのレンズデータ34のうち球面度数、乱視度数、軸角度、加入、水平方向のプリズム量H及び垂直方向のプリズム量Vの値が示されている。屈折力表示欄41は、メモリ部29に記憶された操作画像データ31に含まれている。
画像出力部27は、図2に示す例では、CPU28から受ける操作画像データ31を示す操作画像信号を出力するための第一の出力ポート43と、CPU28から受ける視標データ30を示す視標画像信号を出力するための第二の出力ポート44と、CPU28から受けるレンズデータ34を示す屈折力画像信号を出力するための第三の出力ポート45とを有する。図示の例では、第一の出力ポート43及び第三の出力ポート45はそれぞれ表示部25に接続されており、第二の出力ポート44は表示部25及び視標呈示部16に接続されている。
表示部25が第一の表示モードにおかれた状態では、画像出力部27は、CPU28から第一の表示モード用の操作画像データ31を示す信号を受けると、第一の表示モード用の操作画像を表示画面37に表示させることを示す操作画像信号を第一の出力ポート43を介して表示部25に出力する。これにより、表示部25の表示画面37には、第一の表示モード用の操作画像データ31に含まれる屈折力表示欄38、一覧表示欄39及び視標表示欄40がそれぞれ図4に示すように表示される。
また、画像出力部27は、第一の表示モードでCPU28からレンズデータ34を示す信号を受けると、操作画像データ31に含まれる屈折力表示欄38にレンズデータ34が示す屈折力を表示する旨の屈折力画像信号を第三の出力ポート45を介して表示部25に出力する。これにより、表示部25の表示画面37の屈折力表示欄38には、図4に示すように、ダイヤル35の操作により選択された前記矯正レンズの屈折力の値が表示される。
更に、画像出力部27は、第一の表示モードでCPU28から遠用検査用の視標データ30を示す信号を受けると、該視標データが示す遠用検査用の視標11を操作画像の視標表示欄40に表示させる旨の視標画像信号を第二の出力ポート44を介して表示部25に出力する。これにより、表示部25の視標表示欄40には、図4に示すように、表示部25で選択された遠用検査用の視標11が表示される。
すなわち、第一の表示モードでは、視標11及びレンズデータ34は、それぞれ表示画面37に操作画像の視標表示欄40及び屈折力表示欄38がそれぞれ表示されることにより表示画面37に表示可能となり、それぞれ視標表示欄40及び屈折力表示欄38に表示されることにより視標表示欄40及び屈折力表示欄38を介して表示画面37に表示される。
また、画像出力部27は、第一の表示モードでCPU28から遠用検査用の視標データ30を示す信号を受けると、視標データ30が示す遠用検査用の視標11を表示画面16に表示させる旨の視標画像信号を第二の出力ポート44を介して視標呈示部13に出力する。これにより、視標呈示部13の表示画面16には、図1に示すように、表示部25で選択された遠用検査用の視標11が表示される。
他方、表示部25が第二の表示モードにおかれた状態では、画像出力部27は、CPU28から近用検査用の視標データ30を示す信号を受けると、該視標データが示す近用検査用の視標11を表示画面37に表示する旨の視標画像信号を第二の出力ポート44を介して表示部25に出力する。これにより、表示部25の表示画面37には、図5に示すように、表示部25で選択された近用検査用の視標11が表示画面37のほぼ全域に亘って表示される。
また、画像出力部27は、第二の表示モードでCPU28から第二の表示モード用の操作画像データ31を示す信号を受けると、第二の表示モード用の操作画像を表示画面37に表示させることを示す操作画像信号を第一の出力ポート43を介して表示部25に出力する。これにより、表示部25の表示画面37には、第二の表示モード用の操作画像データ31に含まれる屈折力表示欄41が図5に示すように表示される。
更に、画像出力部27は、第二の表示モードでCPU28からレンズデータ34を示す信号を受けると、レンズデータ34が示す屈折力を屈折力表示欄41に表示する旨の屈折力画像信号を第三の出力ポート45を介して表示部25に出力する。これにより、表示部25の表示画面37の屈折力表示欄41には、図5に示すように、ダイヤル35の操作により選択された前記矯正レンズの屈折力の値が表示される。すなわち、第二の表示モードでは、レンズデータ34は、表示画面37に操作画像の屈折力表示欄41が表示されることにより、表示画面37に表示可能となり、屈折力表示欄41に表示されることにより該屈折力表示欄を介して表示画面37に表示される。
遠方を見た状態での被検眼の視機能を検査する遠用検査時、検者23は、先ず、表示部25が第二の表示モードにおかれている場合には、操作部24に設けられた表示切替スイッチ36を操作することにより表示部25を第一の表示モードに切り替える。このとき、前記したように、CPU28の制御下で画像出力部27から表示部25に第一の出力ポート43を介して出力される操作画像信号により、第一の表示モード用の操作画像が表示部25に表示される。
次に、検者23は、検査に用いる遠用検査用の視標11を表示部25の一覧表示欄39の操作により選択する。このとき、前記したように、選択された視標11が表示部25の視標表示欄40及び視標呈示部13の表示画面16にそれぞれ表示される。検者23は、視標表示欄40に表示された視標11を視認することにより、表示された視標11が選択した視標11に一致しているか否かを確認することができる。
続いて、検者23は、視標呈示部13の表示画面16に表示された視標11を各検眼窓22内に配置された前記各矯正レンズを通して被検者12に見させ、その見え具合を聞く。検者23は、被検者12の応答に基づいて、各検眼窓22内に配置する前記矯正レンズを操作部24のダイヤル35の操作により切り替える。このとき、ダイヤル35の操作により選択された前記矯正レンズのレンズデータ34が、前記したように、表示部25の屈折力表示欄38に表示されるので、検者23はそのレンズデータ34を視認しながらダイヤル35を操作することができる。前記矯正レンズを切り替えることにより、被検眼の視機能が矯正され、作成すべき眼鏡のレンズの屈折度数を定めることができる。
他方、近方を見た状態での被検眼の視機能を検査する近用検査時、検者23は、先ず、コントローラ15を図6に示すように、検眼テーブル18上で被検者12の前方に配置し、表示部25を前記軸部材の周りに回動させることにより表示画面37を各フォロプタ21に対向させる。
次に、検者23は、検査に用いる近用検査用の視標11を表示部25の一覧表示欄39の操作により選択し、表示切替スイッチ36の操作により表示部25を第一の表示モードから第二の表示モードに切り替える。このとき、前記したように、CPU28の制御下で画像出力部27から表示部25に出力される操作画像信号、視標画像信号及び屈折力画像信号により、表示部25の表示画面37には、第二の表示モード用の操作画像、選択された近用検査用の視標11及び選択された前記矯正レンズのレンズデータ34がそれぞれ表示画面37に表示される。
このとき、視標11を表示画面37に検査対象となる視力値と表示画面37及び各フォロプタ21間の距離とに応じた大きさで表示させるために、例えば本願出願人が先の出願(特願2006−219492号)で提案したように、各フォロプタ21及び表示画面37間の距離をメモリ部29の計算プログラム33を用いて算出し、算出した距離に基づいて視標11の大きさを検査対象となる視力値に応じた大きさに調節した後、大きさを調節した視標11を表示画面37に表示させることができる。
続いて、検者23は、表示部25の表示画面37に表示された視標11を各検眼窓22内に配置された前記各矯正レンズを通して被検者12に見させ、その見え具合を聞く。その後、検者23は、遠用検査時と同様に、被検者12の応答に基づいて、各検眼窓22内に配置する前記矯正レンズを操作部24のダイヤル35の操作により切り替える。このとき、レンズデータ34が、前記したように、表示画面37の下部に設けられた屈折力表示欄41に表示されているので、検者23はそのレンズデータ34を視認しながらダイヤル35を操作することができる。
また、本発明に係る自覚式検眼装置10を用いて被検眼の斜位度を測定する斜位検査を実行する際、視標呈示部13の表示画面16又は表示部25の表示画面37上に図示しない偏光板を貼り付け、視標呈示部13又は表示部25のバックライトを利用することにより、従来と同様に、斜位検査を行うことができる。又は、この方法に代えて、視標呈示部13の表示画面16又は表示部25の表示画面37に図示しないが従来よく知られたレッド・グリーン視標を表示させ、各フォロプタ21の検眼窓22にそれぞれ図示しないレッド・グリーンフィルタを設けることにより、左右の被検眼にそれぞれ個別の画像を呈示させて斜位検査を行うことができる。更に、これらの方法に代えて、例えば各フォロプタ21内の前記レンズディスクに設けられた前記矯正レンズに図示しない液晶フィルタを設け、視標呈示部13の表示画面16又は表示部25の表示画面37に左眼用の視標11と右眼用の視標11とを交互に高速で入れ替えて表示させ、各視標11の入れ替えに応じて前記各レンズディスクを回転させることによって前記液晶フィルタが設けられた前記矯正レンズと前記液晶フィルタが設けられていない前記矯正レンズとを交互に各フォロプタ21の検眼窓22内に配置することにより、左右の被検眼にそれぞれ個別の画像を呈示させて斜位検査を行うことができる。
本実施例によれば、前記したように、前記各矯正レンズのレンズデータ34が表示される第一の表示モードと視標11が表示される第二の表示モードとが切替可能な表示部25の表示画面37には、表示部25が第二の表示モードにおかれた状態で、CPU28の制御下でレンズデータ34が視標11と共に表示されることから、検者23は、近用検査時に第二の表示モードにおかれた状態で表示画面37に表示された視標11を被検眼に呈示した状態でレンズデータ34を視認することができる。
これにより、検者23は、表示画面37に表示された視標11を用いた近用検査中に矯正装置14の前記各矯正レンズを入れ替えるとき、該各矯正レンズを選択するための操作とは別に、レンズデータ34を表示画面37に表示させるための従来のような格別な作業を行う必要はないので、近用検査中に前記各矯正レンズを入れ替える度に従来のような格別な作業を行う場合に比べて、前記各矯正レンズの入替え作業を確実に容易に行うことができる。
従って、前記各矯正レンズの入替え作業が煩雑になることによる従来のような検査時間の延長を確実に防止することができる。
また、前記したように、レンズデータ34は、表示部25が第二の表示モードにおかれている間、CPU28の制御下で表示画面37に表示され続けることから、検者23は、表示部25が第二の表示モードにおかれた状態でレンズデータ34を常時視認することができる。
更に、前記したように、表示部25が第二の表示モードにおかれた状態では、レンズデータ34は、表示画面37に表示された視標11に重ならないように表示画面37の下部に表示されていることから、被検者12による視標11の視認を妨げない位置で表示画面37に表示される。これにより、表示部25を第二の表示モードにおかれた状態で、表示画面37に表示されたレンズデータ34の画像が被検者12による視標11の視認の妨げになることによって被検者12に混乱が生じることを、確実に防止することができる。これにより、被検者12に混乱が生じることによる被検眼の視機能の誤測定を確実に防止することができる。
また、前記したように、表示部25が第一の表示モードにおかれた状態で、視標11が表示画面37に表示されることから、検者23は、第一の表示モードにおかれた表示部25の表示画面37を見ることにより、レンズデータ34を確認することができることに加え、操作部25により選択された視標11を容易に確認することができる。これにより、検者23は、遠方を見た状態での被検眼の視機能を検査すべく視標呈示部13に表示された視標11を被検者12に呈示したとき、第一の表示モードで表示画面37に表示された視標11を視認することにより、視標呈示部13に表示された視標11すなわち被検者12に呈示された視標11が操作部24の操作により選択された視標11と一致しているか否かを容易に確認することができる。従って、被検者12に呈示された視標11が前記タッチパネルの操作により選択された視標11と一致しているか否かを確認するために検者23が例えば視標呈示部13を覗き込む場合に比べて、被検眼の視機能検査を円滑に進行することができる。
本実施例では、表示部25が第二の表示モードにおかれている間、レンズデータ34が表示画面37に常時表示される例を示したが、これに代えて、表示部25が第二の表示モードにおかれた状態で前記矯正レンズを選択すべく操作部24が操作されたとき、レンズデータ34を表示画面37に表示させることができる。
この場合、CPU28は、表示部25が第二の表示モードにおかれた状態で操作部24のダイヤル35が操作されたとき、該ダイヤルが操作されたことを検知し、該ダイヤルの操作位置に応じた屈折力を示すレンズデータ34をメモリ部29から抽出し、抽出したレンズデータ34を示す信号を画像出力部27に送る。また、CPU28は、表示部25が第二の表示モードにおかれた状態でダイヤル35が操作されたことを検知すると、第二の表示モードに対応する操作画像データ31をメモリ部29から抽出し、第二の表示モード用の操作画像データ31を示す信号を画像出力部27に送る。
画像出力部27は、第二の表示モードでCPU28からレンズデータ34及び操作画像データ31のそれぞれを示す信号を受けると、前記したと同様に、第二の表示モード用の操作画像を示す操作画像信号を第一の出力ポート43を介して表示部25に出力し、更に、屈折力表示欄41にレンズデータ34が示す屈折力を表示する旨の屈折力画像信号を第三の出力ポート45を介して表示部25に出力する。これにより、表示画面37に屈折力表示欄41が表示されると共に該屈折表示欄にダイヤル35の操作により選択された前記矯正レンズのレンズデータ34が表示される。第二の表示モードでの表示画面37への屈折力表示欄41の表示位置は、被検者12による視標11の視認を妨げないように、例えば図5に示したと同様に表示画面37の下部に設定することができる。
更に、この場合、CPU28は、表示部25が第二の表示モードにおかれた状態でダイヤル35の操作を検知しなくなった時点すなわちダイヤル35の操作が行われなくなった時点からの時間を計測し、計測した時間が所定の時間を経過したとき、ダイヤル35の操作が終了したと判断し、表示部25への操作画像信号及び屈折力画像信号のそれぞれの出力を停止する旨の制御信号を画像出力部27に送る。このCPU28による計時は、例えばメモリ部29に記憶された計算プログラム33を用いて行われる。
画像出力部27は、CPU28からの制御信号に基づいて、表示部25への操作画像信号及び屈折力画像信号のそれぞれの出力を停止する。これにより、表示画面37から屈折力表示欄41及びレンズデータ34の表示が消える。
この例によれば、表示部25が第二の表示モードにおかれた状態で、前記矯正レンズを選択すべく操作部24のダイヤル35が操作されたとき、CPU28の制御下でレンズデータ34が表示画面37に表示されることから、例えば近用検査時に表示部25が第二の表示モードにおかれた状態で表示画面37に表示された視標11を被検眼に呈示している間のように検者23がレンズデータ34を視認する必要がないときはレンズデータ34は表示画面37に表示されず、矯正装置14の前記矯正レンズを選択するためにダイヤル35を操作するときのように検者23がレンズデータ34を視認する必要があるときにレンズデータ34が表示画面37に表示される。
従って、表示画面37に視標11が表示される第二の表示モードにおいてダイヤル35の操作時にのみレンズデータ34が表示画面37に表示されることから、第二の表示モードでレンズデータ34が表示画面37に常に表示されている場合とは異なり、被検眼の近方検査中であってダイヤル35を操作していないときに被検眼の視界にレンズデータ34が入ることはない。これにより、被検眼の検査中にレンズデータ34が視界に入る場合に比べて、被検者12に視標11をより集中させて視認させることができるので、被検眼の視機能をより正確に測定することができる。
また、この例によれば、CPU28は、表示部25が第二の表示モードにおかれた状態でダイヤル35の操作に基づいてレンズデータ34を表示画面37に表示させ、ダイヤル35が所定の時間操作されないことを検知したとき、該ダイヤルの操作が終了したと判断し、表示画面37からレンズデータ34の表示を消すことから、ダイヤル35の操作が終了した後、前記所定の時間が経過したとき、表示画面37からレンズデータ34の画像が消える。これにより、表示画面37に表示されたレンズデータ34の画像を表示画面37から消すために格別な操作を行う場合に比べて、検査時間の短縮をより確実に図ることができる。
また、本実施例では、第二の表示モードで表示部25の表示画面37に表示される屈折力表示欄41が、前記矯正レンズの球面度数、乱視度数、軸角度、加入、水平方向のプリズム量H及び垂直方向のプリズム量Vのデータを表示する6つの欄を左眼及び右眼のそれぞれに対応して有する例を示したが、これに代えて、例えば球面度数及び乱視度数のデータを表示する2つの欄を左眼及び右眼のそれぞれに対応して有する屈折力表示欄を本発明に適用することができる。
更に、本実施例では、第二の表示モードで表示部25の表示画面37に表示される屈折力表示欄41に表示される前記矯正レンズのレンズデータ34の種類が固定された例を示したが、これに代えて、屈折力表示欄41に表示されるレンズデータ34の種類を選択することができる。
この場合、前記矯正レンズのレンズデータ34の種類を選択するための図示しないデータ選択スイッチを操作部24に設けることができる。前記データ選択スイッチの操作により、レンズデータ34の各種類を一つずつ選択することができ、また、複数の種類を同時に選択することができる。また、レンズデータ34の各種類のデータが表示される各欄の画像は、それぞれメモリ部29に記憶された操作画像データ31に含まれる。
また、この場合、前記データ選択スイッチが操作されたとき、CPU28は、前記データ選択スイッチの操作により選択された種類を表示するための前記欄をメモリ部29から抽出し、抽出した前記欄の画像を示すデータを画像出力部27に送る。
また、CPU28は、前記データ選択スイッチが操作されると、選択された種類に対応するデータをメモリ部29から抽出し、抽出したデータを示す信号を画像出力部27に送る。
画像出力部27は、CPU28から前記欄の画像を示す信号を受けると、該画像を表示画面37に表示させることを示す操作画像信号を第一の出力ポート43を介して表示部25に出力する。これにより、表示部25の表示画面37には、前記データ選択スイッチの操作により選択された種類に対応する前記欄が表示される。
また、画像出力部27は、CPU28から前記データ選択スイッチにより選択された種類に対応するデータを示す信号を受けると、該データが示す屈折力を前記欄に表示する旨の屈折力画像信号を第三の出力ポート45を介して表示部25に出力する。これにより、表示部25の表示画面37の前記欄には、前記データ選択スイッチの操作により選択されたレンズデータ34の種類に対応する屈折力の値が表示される。
更に、本実施例において、球面度検査、乱視検査及び斜位検査等の検査の種類を選択するための図示しない検査選択スイッチを操作部24に設けることができる。この場合、前記検査選択スイッチの操作により検査が選択されたとき、レンズデータ34の各種類のうち少なくとも選択された検査に必要となるデータをCPU28により抽出させ、抽出されたデータを表示画面37に表示させることができる。すなわち、前記検査選択スイッチの操作により例えば斜位検査が選択されたとき、前記矯正レンズの少なくともプリズム量H及びプリズム量Vのデータがそれぞれ表示画面37に表示される。
また、本実施例では、第二の表示モードでレンズデータ34が表示される屈折力表示欄41が表示部25の表示画面37の下部に設けられた例を示したが、これに代えて、近用検査時に表示部25の表示画面37が各フォロプタ21に対向するようにコントローラ15を検眼テーブル18上に配置した図6に示す状態で、図7に示すように、屈折力表示欄41を表示部25の表示画面37に該表示画面の左右方向の中央部よりも検者23側(図7で見て右側である。)に位置する領域で表示し、近用検査用の視標11を、表示画面37に前記領域以外の領域で表示することができる。
例えば、屈折力表示欄41が表示画面37に該表示画面の左右方向の中央部よりも検者13から離反する側の領域に表示された場合、図6に示すように、検眼テーブル18の側方すなわち表示部25の側方に位置する検者13が表示画面37に表示されたレンズデータ34を表示部25の斜め側方から見たとき、検者13の視線(図6に点線で示されている。)と表示画面37とのなす角度θが小さくなる。このため、表示画面37を構成する液晶パネルの視野角が狭い場合、表示画面37に表示されたレンズデータ34が薄れて見える。このため、表示画面37に表示されたレンズデータ34を確認する作業が煩雑になる。
これに対し、図7に示す例によれば、レンズデータ34は、表示画面37の左右方向の中央部よりも検者13側に位置する領域に表示されることから、レンズデータ34が表示画面37に前記領域以外の領域に表示された場合に比べて、表示画面37に表示されたレンズデータ34を表示部25の斜め側方から見たときの検者13の視線(図6に実線で示されている。)と表示画面37とのなす角度θが大きくなる。これにより、表示画面37を構成する液晶パネルの視野角が狭い場合でも、レンズデータ34が表示画面37に該表示画面の左右方向の中央部よりも検者13から離反する側の領域に表示された場合に比べて、表示画面37に表示されたレンズデータ34を明確に視認することができる。
また、図7に示す例の場合、表示画面37を視野角が広い液晶パネルで構成することにより、検者13が表示画面37に表示されたレンズデータ34を表示部25の斜め側方から見たときにレンズデータ34をより明確に視認可能とすることができる。
更に、本実施例において、第二の表示モードで表示部25の表示画面37に表示される屈折力表示欄41を、表示画面37に複数の視標11が表示画面37の上下方向に沿って配列して表示されるときは該表示画面の上下方向に沿って伸びるように表示画面37上に配置し、表示画面37に複数の視標11が表示画面37の左右方向に沿って配列して表示されるときは該表示画面の左右方向に沿って伸びるように表示画面37上に配置することができる。
この場合、複数の視標11を表示画面37の上下方向に沿って順次見せる検査と左右方向に沿って順次見せる検査との間での表示画面37への屈折力表示欄41の表示位置の切り替えは、例えば前記した検査選択スイッチの操作により行うことができる。
例えば、行列状に配置された複数の視標11であるいわゆるランドルト環が表示画面37に表示される場合、各視標11を被検眼に表示画面37の上下方向に沿って順次見せるとき、例えば図8(a)に示すように、屈折力表示欄41を表示画面37の左右方向の両端領域のうち一方の端領域に表示画面37の上下方向に沿って伸びるように配置する。
他方、各視標11を被検眼に表示画面37の左右方向に沿って順次見せるとき、例えば図8(b)に示すように、屈折力表示欄41を表示画面37の下部領域に表示画面37の左右方向に沿って伸びるように配置する。
図8(a)及び図8(b)に示す例によれば、前記したように、レンズデータ34が表示される屈折力表示欄41は、表示画面37に複数の視標11が表示画面37の上下方向に沿って配列して表示されるときは該表示画面の上下方向に沿って伸びるように表示画面37上に配置され、表示画面37に複数の視標11が表示画面37の左右方向に沿って配列して表示されるときは該表示画面の左右方向に沿って伸びるように表示画面37上に配置されることから、屈折力表示欄41は、検査時に表示画面37に表示された各視標11を見る被検眼の移動方向に沿って伸びる。
これにより、表示画面37に表示された各視標11と屈折力表示欄41との間隔がその伸長方向に沿ってほぼ一様になるので、被検眼の検査時に被検眼が各視標11をその配列方向に順次見たとき、屈折力表示欄41が各視標11の配列方向に直交する方向に沿って伸びるように表示画面37に表示される場合とは異なり、被検眼が移動するに従って該被検眼に映るレンズデータ34が少しずつ明確になったり少しずつ不明確になったりすることはない。従って、被検眼の移動時に該被検眼に映るレンズデータ34の明確さが変化することによって視標11を見る被検眼の視認の妨げになることを、確実に防止することができる。
図8(a)及び(b)に示す例では、行列状に配置された複数の視標11である前記したランドルト環のうち同一の視力値に対応する大きさを有する前記各ランドルト環が行方向すなわち表示画面37の左右方向に配列され、且つ、互いに異なる視力値に対応する大きさを有する前記各ランドルト環が列方向すなわち表示画面37の上下方向に下方へ向けて視力値が小さくなるように配列されるように、前記各ランドルト環が表示画面37に表示された例を示したが、これに代えて、同一の視力値に対応する大きさを有する前記各ランドルト環を表示画面37の上下方向に配列し、互いに異なる視力値に対応する大きさを有する前記各ランドルト環を表示画面37の左右方向に例えば左から右に向けて視力値が小さくなるように配列することができる。
この場合、例えば図8(a)に示す状態において視標11である前記各ランドルト環の行列を入れ替えることにより、図8(a)に示す状態から図9に示す状態に切り替えることができる。この場合、例えば操作部24に前記各ランドルト環の行列を入れ替えるための図示しない入れ替えスイッチを設け、該入れ替えスイッチの操作により前記各ランドルト環の行列の入れ替え行うことができる。
例えば、前記入れ替えスイッチが操作されると、CPU28は、前記入れ替えスイッチが操作されたことを検知し、表示画面37に表示された前記各ランドルト環の行列を入れ替えて表示することを示す制御信号を画像出力部27に送る。
画像出力部27は、CPU28から前記各ランドルト環の行列を入れ替える旨の制御信号を受けると、前記各ランドルト環の行と列とを互いに入れ替える画像処理を行い、行列が入れ替えられた前記各ランドルト環を表示画面37に表示する旨の視標画像信号を第二の出力ポート44を介して表示部25に出力する。
図9に示す例によれば、例えば図8(a)に示す状態で、複数の視標11を表示画面37の上下方向に沿って順次見せる検査すなわち視力値が異なる複数のランドルト環を被検眼に順次見せることにより該被検眼の視力を検査しているときに、その検査から、左右方向に沿って順次見せる検査すなわち視力値が同一の複数のランドルト環であって切れ目部分の方向が互いに異なる複数のランドルト環を被検眼に順次見せることによる該被検眼の視力の検査に切り替えるとき、前記切り替えスイッチを操作することによって前記各ランドルト環の行と列とを入れ替えることにより、表示画面37への屈折力表示欄41の表示位置の切り替えを行うべく前記検査選択スイッチを操作することなく、屈折力表示欄41を表示画面37にその上下方向に沿って伸びるように表示した状態で、視力値が同一の複数のランドルト環を被検眼に順次見せる検査を行うことができる。
これにより、視力値が異なる複数のランドルト環を用いた検査と視力値が同一の複数のランドルト環を用いた検査とを、表示画面37に表示された各視標11を検査時に見る被検眼の移動方向を変えることなく同一の移動方向に移動させることで行うことができるので、検査毎に被検眼の移動方向が変わることによって被検者12に混乱が生じることを、確実に防止することができる。
また、本実施例では、屈折力表示欄41に表示された球面度数、乱視度数、軸角度、加入、水平方向のプリズム量H及び垂直方向のプリズム量Vをそれぞれ示す画像が、それぞれ文字「球面」、「乱視」、「軸」、「加入」、「プリズムH」及び「プリズムV」で構成された例を示したが、これに代えて、それらを示す画像をそれぞれ例えば記号及びアイコン等のように文字以外で構成することができる。
この場合、検査時に表示画面37に表示された視標11を被検眼が見たとき、視界に入る乱視度数、軸角度、加入、水平方向のプリズム量H及び垂直方向のプリズム量Vを示す画像を、それぞれ該画像が文字で構成されている場合に比べて読み難くすることができる。これにより、検査時に視界に入る文字を読んでしまうことにより視標11を集中して見ることができなくなることを、確実に防止することができる。
更に、本実施例において、表示部25が第二の表示モードにおかれたとき、表示画面37に表示されたレンズデータ34と屈折力表示欄41との色の濃さをそれぞれ表示画面37に表示される視標11の色の濃さよりも薄くすることができる。
この場合、表示画面37に表示されたレンズデータ34及び屈折力表示欄41がそれぞれ視標11よりも目立たなくなるので、被検者が検査時に視認する必要がないレンズデータ34及び屈折力表示欄41を意識することを確実に抑制することができる。また、検査時に被検者が視認すべき視標11と視認する必要がないレンズデータ34及び屈折力表示欄41とが同一の表示画面37に同一の色の濃さで表示されていることによる違和感を確実に緩和することができる。
本発明に係る自覚式検眼装置を概略的に示す斜視図である。 本発明に係る自覚式検眼装置を概略的に示すブロック図である。 本発明に係るコントローラを概略的に示す平面図である。 本発明に係る表示部が第一の表示モードにおかれた状態を概略的に示す正面図である。 本発明に係る表示部が第二の表示モードにおかれた状態を概略的に示す正面図である。 本発明に係る被検者、検者及びコントローラの位置関係を概略的に示す説明図である。 図5とは別の実施例に係る表示画面を概略的に示す正面図である。 表示画面の上下方向に沿った検査を行うときの表示画面への屈折力表示欄の表示状態を概略的に示す正面図である。 表示画面の左右方向に沿った検査を行うときの表示画面への屈折力表示欄の表示状態を概略的に示す正面図である。 図8(a)に示す状態において互いに異なる視力値に対応する大きさの複数の視標が表示画面の左右方向に沿って配列して表示された例を概略的に示す正面図である。
符号の説明
10 自覚式検眼装置
11 視標
13 視標呈示部
14 光学素子配置装置(矯正装置)
24 操作部
25 表示部
28 制御部(CPU)
34 光学素子データ(レンズデータ)
37 表示画面
41 表示欄(屈折力表示欄)

Claims (7)

  1. 被検眼に呈示する遠用検査用の視標が表示される視標呈示部と、各種の光学素子を保持し、該各光学素子を通して前記遠用検査用の視標を見た被検者からの応答に対応した種類の前記光学素子を前記被検眼と前記視標呈示部との間に選択的に配置するための光学素子配置装置と、近用検査用の視標及び前記光学素子の光学素子データをそれぞれ表示するための表示画面を有し、前記光学素子データが表示される第一の表示モードと前記視標が表示される第二の表示モードとが切替可能な表示部と、前記遠用検査用の視標、前記近用検査用の視標及び前記各光学素子をそれぞれ選択すべく操作される操作部と、前記操作部の操作に基づいて前記視標呈示部、前記光学素子配置装置及び前記表示部の作動をそれぞれ制御する制御部とを備え、該制御部は、前記表示部が前記第二の表示モードにおかれた状態で、前記光学素子データを前記表示画面に前記近用検査用の視標と共に表示させることを特徴とする自覚式検眼装置。
  2. 前記制御部は、前記表示部が前記第二の表示モードにおかれている間、前記光学素子データを前記表示画面に表示させ続けることを特徴とする請求項1に記載の自覚式検眼装置。
  3. 前記制御部は、前記表示部が前記第二の表示モードにおかれた状態で前記光学素子を選択すべく前記操作部が操作されたとき、前記光学素子データを前記表示画面に表示させることを特徴とする請求項1に記載の自覚式検眼装置。
  4. 前記制御部は、前記表示部が前記第二の表示モードにおかれた状態で前記操作部の操作に基づいて前記光学素子データを前記表示画面に表示させ、前記操作部が所定の時間操作されないことを検知したとき、該操作部の操作が終了したと判断し、前記表示画面から前記光学素子データの表示を消すことを特徴とする請求項3に記載の自覚式検眼装置。
  5. 前記制御部は、前記表示部が前記第二の表示モードにおかれた状態で、前記被検者による前記近用検査用の視標の視認を妨げない位置で前記光学素子データを前記表示画面に表示させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の自覚式検眼装置。
  6. 前記表示部は、前記表示画面が前記被検者に対向するように該被検者の前方に配置されており、検者は前記被検者の側方に位置しており、前記光学素子データは、前記表示画面の左右方向の中央部よりも前記検者側に位置する領域に表示され、前記近用検査用の視標は、前記表示画面に前記領域以外の領域で表示されることを特徴とする請求項5に記載の自覚式検眼装置。
  7. 前記表示画面には、前記光学素子データが表示される表示欄が設けられており、該表示欄は、前記表示画面に複数の前記近用検査用の視標が前記表示画面の上下方向に沿って配列して表示されるときは該表示画面の上下方向に沿って伸び、且つ、前記表示画面に複数の前記近用検査用の視標が前記表示画面の左右方向に沿って配列して表示されるときは該表示画面の左右方向に沿って伸びるように、前記表示画面上に配置されることを特徴とする請求項5又は6に記載の自覚式検眼装置。
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