本発明に係る自覚式検眼装置10は、図1に示すように、被検者12の被検眼に呈示する各種の視標11を表示するための視標呈示部13と、被検眼の視機能を矯正するための矯正装置14とを備える。自覚式検眼装置10は、従来よく知られているように、図示しない眼鏡を作成する際に該眼鏡のレンズの屈折度数を定めるために用いられている。
視標呈示部13は、視標11が表示される表示画面16を有する。表示画面16は、図示の例では、液晶パネルで構成されており、表示画面16に表示される視標11は、後述する制御装置15の操作により決定される。
被検者12と視標呈示部13との間には、検眼テーブル18が配置されており、該検眼テーブルには、該検眼テーブルからその上方へ伸びる支柱19が設けられている。支柱19の上部には横方向に伸びるアーム20が設けられており、該アームに矯正装置14が取り付けられている。
矯正装置14は、左右方向に並べて配置された一対のフォロプタ21を備える。各フォロプタ21は、それぞれ検眼窓が形成されたハウジング21aを備える。各ハウジング21a内には、図示しないが従来と同様に、互いに屈折力の異なる複数の光学素子であるレンズが周方向に沿って設けられた環状のレンズディスクが回転可能に収納されている。すなわち、矯正装置14は、光学素子を被検眼と視標呈示部13との間に選択的に配置する光学素子配置装置を構成している。前記各レンズは、前記制御装置15の制御下で前記レンズディスクの回転により各検眼窓内に選択的に配置される。
更に、本発明に係る自覚式検眼装置10は、矯正装置14及び視標呈示部13の作動を制御する前記した制御装置15を備える。
制御装置15は、検眼テーブル18上に載置されており、図示の例では、パーソナルコンピュータP(以下、パソコンと称す。)で構成されている。パソコンPは、図2及び図3に示すように、検者23(図1参照。)により操作される操作部24、該操作部のための後述する操作画像が表示される表示部25、演算制御回路26及び画像出力部27を有する。
演算制御回路26は、図2に示すように、CPU28及びメモリ部29を有する。CPU28は、操作部24及び画像出力部27に接続されており、更に、矯正装置14に設けられた図示しない駆動制御部に接続されている。
メモリ部29には、各種の検査に用いられる各種の視標11を示す視標データ30と、前記した操作画像を示す操作画像データ31と、前記各レンズの球面度数、乱視度数及び軸角度等の屈折力を示すレンズデータ32とがそれぞれ記憶されている。
操作部24は、図3に示すように、検査の設定のための各種のスイッチが設けられた操作盤36と、該操作盤に接続されたマウス37とを備える。
マウス37は、押し操作であるいわゆるクリック操作される左ボタン37a及び右ボタン37bと、該各ボタン37a,37b間に設けられたダイヤル35とを有する。ダイヤル35は、例えば表示画面33の後述する屈折力表示欄34に表示される球面度数、乱視度数及び軸角度等の数値を変更するときに回転操作される。
マウス37を例えば検査テーブルで移動させると、従来よく知られているように、表示画面33に表示された矢印状のポインタ41(図4参照。)が表示画面33上を移動する。
表示部25は、図2及び図3に示すように、操作部24の前記各スイッチの操作により設定された内容を示す前記した操作画像が表示される前記した表示画面33を有する。
表示画面33は、図示の例では、液晶パネルで構成されている。表示画面33には、図4に示すように、マウス37の操作により後述するように設定される前記レンズの屈折力が表示される前記した屈折力表示欄34と、視標呈示部13の表示画面16に表示される視標11を示す複数の視標画像38の一覧が表示される一覧表示欄39と、該一覧表示欄から後述するように選択されて決定された視標画像38に対応する視標11が表示される視標表示欄40とが設けられている。
屈折力表示欄34には、図示の例では、前記レンズの屈折力のうち球面度数、乱視度数、軸角度及び加入の項目が示されている。
屈折力表示欄34、一覧表示欄39及び視標表示欄40は、それぞれメモリ部29に記憶された操作画像データ31に含まれている。
表示画面33に表示された一覧表示欄39の各視標画像38のうち所望の視標画像38上にポインタ41をマウス37の操作によって移動させることにより、視標画像38が選択される。また、図示の例では、所望の視標画像38上にポインタ41を位置させた状態すなわち視標画像38が選択された状態でマウス37の左ボタン37aをクリック操作することにより、選択した視標画像38が決定される。すなわち、マウス37は、表示部25の表示画面33に表示された各視標画像38から所望の該視標画像を選択し、選択した視標画像38を決定するための選択決定手段を構成する。
また、図示の例では、屈折力表示欄34に示された前記した各項目のうちいずれかの項目上にポインタ41がおかれた状態でマウス37の左ボタン37aをクリック操作すると、ポインタ41がおかれた項目を決定することができ、項目を決定した状態でマウス37のダイヤル35を回転操作することにより、その項目の値を変化させることができる。
CPU28は、ポインタ41が所定の視標画像38上でマウス37の左ボタン37aがクリック操作されたことすなわち視標画像38が決定されたことを検知すると、決定された視標画像38に対応する視標11の視標データ30をメモリ部29から抽出し、抽出した視標データ30を示す信号を画像出力部27に送る。
また、CPU28は、屈折力表示欄34のいずれかの項目上にポインタ41がおかれた状態でマウス37の左ボタン37aがクリック操作されたことすなわち項目が決定されたことを検知すると、その項目が屈折力表示欄34に示された各項目のうちいずれの項目であるかを検出し、更に、ダイヤル35が操作されると、該ダイヤルの操作位置に対応する屈折力をメモリ部29のレンズデータ32から抽出し、抽出した該レンズデータが示す屈折力を有する前記レンズを各フォロプタ21の検眼窓内に配置する旨の制御信号を矯正装置14の前記駆動制御部に制御信号を送る。これにより、マウス37の操作により選択された屈折力を有する前記レンズが各フォロプタ21の検眼窓内に配置される。
更に、CPU28は、マウス37のダイヤル35が操作されると、メモリ部29から抽出したレンズデータ32を示す信号を画像出力部27に送る。
また、CPU28は、例えば自覚式検眼装置10の電源がOFF状態からON状態に切り替わったとき、メモリ部29から操作画像データ31を読み込み、該操作画像データを示す信号を画像出力部27に送る。
画像出力部27は、表示部25及び視標呈示部13に接続されている。
画像出力部27は、CPU28から操作画像データ31を示す信号を受けると、操作画像を表示画面33に表示させることを示す操作画像信号を表示部25に出力する。これにより、表示部25の表示画面33には、操作画像データ31に含まれる屈折力表示欄34、一覧表示欄39及び視標表示欄40がそれぞれ図4に示すように表示される。
また、画像出力部27は、CPU28からレンズデータ32を示す信号を受けると、操作画像データ31に含まれる屈折力表示欄34にレンズデータ32が示す屈折力を表示する旨の屈折力画像信号を表示部25に出力する。これにより、表示部25の表示画面33の屈折力表示欄34には、図4に示すように、マウス37のダイヤル35の操作により設定された前記レンズの屈折力の値が表示される。
更に、画像出力部27は、CPU28から視標データ30を示す信号を受けると、該視標データが示す視標11を操作画像の視標表示欄40に表示させる旨の視標画像信号を表示部25に出力し、更に、表示画面16に表示させる旨の視標画像信号を視標呈示部13に出力する。これにより、表示部25の視標表示欄40と視標呈示部13の表示画面16とには、図4に示すように、それぞれマウス37の操作により決定された視標画像38に対応する視標11が表示される。
一覧表示欄39に表示された各視標画像38には、それぞれ互いに異なる種類の検査毎に該検査に対応する検査パラメータ42(図2参照。)が設定されている。
各視標画像38にそれぞれ検査パラメータ42を設定する際、図示の例では、先ず、表示部25の表示画面33に表示されたポインタ41をマウス37の操作により一覧表示欄39内の任意の位置に移動させ、その位置でマウス37の左ボタン37aを二回続けて押し操作するいわゆるダブルクリック操作を行う。このとき、CPU28は、いずれかの視標画像38上にポインタ41が位置した状態でマウス37の左ボタン37aがダブルクリック操作されたことを検知すると、画像出力部27を介して表示部25に制御信号を送る。表示部25は、CPU28から画像出力部27を介して制御信号を受けると、図5に示すように、各視標画像38に既に設定された検査名が各視標画像38に対応して一覧表示される一覧画面43を表示画面33に表示する。一覧画面43は、メモリ部29に記憶された操作画像データ31に含まれる。
一覧画面43には、各種の視標画像38が一覧表示される視標欄44と、各種の検査名が各視標画像38に対応して一覧表示される検査名欄45とが設けられている。
次に、視標欄44に表示された各視標画像38のうち検査パラメータ42を設定する視標画像38上でマウス37の左ボタン37aのクリック操作を行う。これにより、検査パラメータ42の設定を行う視標画像38が決定される。視標画像38上でマウス37の左ボタン37aがクリック操作されると、図示の例では、視標欄44及び検査名欄45に、選択された視標画像38及び該視標画像に対応する検査名(図示の例では、「球面度テスト/遠用視力測定」である。)がCPU28の制御下で反転表示される。
続いて、一覧画面43に設けられた編集ボタン46上でマウス37の左ボタン37aのクリック操作を行う。このとき、CPU28は、編集ボタン46上でクリック操作が行われたことを検知すると、画像出力部27を介して表示部25に制御信号を送る。表示部25は、CPU28から画像出力部27を介して制御信号を受けると、図6に示すように、各視標画像38にそれぞれ検査パラメータ42を設定するための設定画面47を表示画面33に表示する。設定画面47は、メモリ部29に記憶された操作画像データ31に含まれる。
設定画面47には、検査名の一覧が表示された検査名一覧表示欄48が設けられている。検査名一覧表示欄48に表示された各検査名のうち一覧画面43で選択された検査名は、図示の例では、反転表示されている。検査名一覧表示欄48に表示された各種の検査名データ49は、図2に示すように、それぞれメモリ部29に予め記憶されている。
また、設定画面47には、図6に示すように、データ項目ボックス50、被検眼項目ボックス51、操作データボックス52及び雲霧量項目ボックス53がそれぞれ設けられている。
データ項目ボックス50は、既に得られている各種の検査結果データ54(図2参照。)のうち、いずれの検査結果データ54に基づいて検査を行うかを指定するためのボックスである。各種の検査結果データ54は、各種の検査をそれぞれ実行する度に、メモリ部29に記憶される。被検眼項目ボックス51は、一覧画面43で選択された視標画像38に対応する視標11を用いて片眼検査及び両眼検査のいずれを行うかを選択するためのボックスである。操作データボックス52は、検査中に各フォロプタ21の検眼窓内に配置される前記レンズを交換すべく屈折表示欄34に表示された屈折力の値をマウス37の操作により変化させるときに、屈折力表示欄34に示された球面度数、乱視度数、軸角度及び加入の各項目のうちいずれの項目の値を変化可能にするかを指定するためのボックスである。雲霧量項目ボックス53は、一覧画面43で決定された視標画像38に対応する視標11を雲霧させて被検眼に呈示するか否か、雲霧させるのであれば雲霧量をどの程度にするかを選択するためのボックスである。
各ボックス50〜53には、従来よく知られたドロップダウン矢印50a,51a,52a,53aがそれぞれ設けられている。
例えばデータ項目ボックス50に設けられたドロップダウン矢印50a上でクリック操作を行うと、図7に示すように、各種の検査結果データ54が選択可能に表示されたプルダウンメニュー50bが設定画面47上に表示される。プルダウンメニュー50bには、図示の例では、裸眼時の被検眼の球面度数、乱視度数及び軸角度等の裸眼データ、例えばオートレフラクトメータを用いて他覚式で測定された他覚データ、現在使用しているメガネの球面度数、乱視度数及び軸角度等のメガネデータ、図示しないデータベースから転送された前回の処方データ、自覚検眼データ及び処方データが表示されている。これら各データは、それぞれメモリ部29に記憶されている。
一覧画面43で選択した視標画像38に検査パラメータ42を設定する際、先ず、検査名一覧表示欄48に表示された検査のうち所望の検査を示す文字上で前記クリック操作を行うことにより前記所望の検査を選択する。これにより、図6に示すように、選択された検査名が反転表示される。次に、各ボックス50,51,52,53の各プルダウンメニューから所望の項目をマウス37の操作により選択する。その後、設定画面47に設けられたOKボタン55上でクリック操作を行うことにより、検査の種類及び検査データの種類等の検査パラメータ42が確定される。
最後に、マウス37の操作によりポインタ41を一覧画面43に設けられた保存&終了ボタン56(図5参照。)上に移動させ、その状態でマウス37の左ボタン37aをクリック操作する。これにより、各視標画像38に設定された検査パラメータ42が視標画像38毎にメモリ部29に記憶され、一覧画面43で選択した視標画像38への検査パラメータ42の設定が終了する。
検査パラメータ42が設定された各視標画像38は、表示部25の表示画面33の一覧表示欄39に表示される。一覧表示欄39への各視標画像38の表示位置は、それぞれメモリ部29に記憶される。
本発明に係る自覚式検眼装置10を用いて被検眼の視機能を検査する際、検者23は、先ず、検査に用いる視標11を示す視標画像38を表示部25の一覧表示欄39からマウス37の操作により前記したように選択して決定する。このとき、前記したように、表示部25の視標表示欄40及び視標呈示部13の表示画面16には、それぞれ決定された視標画像38に対応する視標11が表示される。検者23は、視標表示欄40に表示された視標11を視認することにより、表示された視標11が決定した視標画像38に対応する視標11に一致しているか否かを確認することができる。
次に、検者23は、視標呈示部13の表示画面16に表示された視標11を各検眼窓内に配置された前記各レンズを通して被検者12に見させ、その見え具合を聞く。検者23は、被検者12の応答に基づいて、各検眼窓内に配置する前記レンズをマウス37のダイヤル35の操作により切り替える。このとき、ダイヤル35の操作により設定された前記レンズの屈折力が、前記したように、表示部25の屈折力表示欄34に表示される。前記レンズを切り替えることにより、被検眼の視機能が矯正され、作成すべき眼鏡のレンズの屈折度数を定めることができる。
更に、本発明に係る自覚式検眼装置10では、図2に示すように、表示部25の表示画面33に表示された一覧表示欄39からマウス37の操作により選択された視標画像38に設定された検査パラメータ42を表示部25の表示画面33に表示させる表示手段57を備える。表示手段57は、図示の例では、演算制御回路26に組み込まれており、CPU28及び画像出力部27に接続されている。
マウス37の操作によってポインタ41が一覧表示欄39に表示されたいずれかの視標画像38上に配置されることにより視標画像38が選択されたとき、図示の例では、CPU28は、選択された視標画像38をメモリ部29に記憶された一覧表示欄39への表示位置に基づいて特定し、特定した視標画像38を示す信号を表示手段57に出力する。
表示手段57は、CPU28から視標画像38を示す信号を受けると、図8に示す例では、表示部25の表示画面33に説明窓58を表示させる。説明窓58は、従来よく知られているように、表示画面33の最前面に現れるツールチップと称される枠状の表示部分である。説明窓58を示す画像は、メモリ部29に記憶された操作画像データ31に含まれている。
具体的には、表示手段57は、CPU28から視標画像38を示す信号を受けると、メモリ部29から説明窓58の画像を取り出し、該画像を表示部25の表示画面33に表示させることを示す信号を画像出力部27に出力する。
画像出力部27は、説明窓58の画像を表示部25の表示画面33に表示させることを示す信号を表示手段57から受けると、選択された視標画像38の近傍に説明窓58の画像を表示させる旨の画像信号を表示部25に出力する。これにより、表示部25の表示画面33には、図8に示すように、選択された視標画像38の近傍に説明窓58が表示される。
更に、表示手段57は、CPU28から視標画像38を示す信号を受けると、選択された視標画像38に設定された検査パラメータ42をメモリ部29から抽出し、抽出した検査パラメータ42を表示部25に表示させる旨の信号を画像出力部27に出力する。
画像出力部27は、抽出した検査パラメータ42を表示部25に表示させる旨の信号を表示手段57から受けると、説明窓58内に検査パラメータ42を表示することを示す画像信号を表示部25に出力する。これにより、表示画面33には、図8に示すように、マウス37の操作により選択された視標画像38の検査パラメータ42が説明窓58内に表示される。
本実施例によれば、前記したように、表示部25には、各視標11をそれぞれ示し且つ互いに異なる種類の検査毎に該検査に対応する検査パラメータ42が設定された複数の視標画像38が表示され、メモリ部29には、各視標画像38に設定された検査パラメータ42がそれぞれ検査の種類毎に記憶されており、表示手段57は、表示部25に表示された各視標画像38から所望の視標画像38を選択し該視標画像に対応する検査を実行すべく視標画像38を決定するための選択決定手段によって視標画像38が選択されたとき、選択決定手段により選択された視標画像38に設定された検査パラメータ42をメモリ部29から抽出し、抽出した検査パラメータ42を表示部25に表示させることから、被検眼の検査時に選択決定手段により視標画像38を決定する前に選択したとき、表示部25に表示される検査パラメータ42を視認することにより、選択した視標画像38にいずれの検査の種類に対応する検査パラメータ42が設定されているかを確認することができる。
これにより、互いに異なる検査パラメータ42が設定された複数の同一の視標画像38が表示部25に表示された場合に、複数の同一の視標画像38のうちいずれの視標画像38にいずれの検査の種類に対応する検査パラメータ42が設定されているかをたとえ覚えていない場合であっても、選択決定手段による選択によって表示部25に表示される検査パラメータ42を視認することにより、いずれの視標画像38がいずれの検査の種類に対応した検査パラメータ42が設定された視標画像38であるかを区別することができるので、行うべき検査以外の検査に対応する視標画像38を誤って決定してしまうことを確実に防止することができる。
従って、所望の検査の種類に対応する検査パラメータ42が設定された視標画像38を容易に決定することができる。
また、表示手段57は、選択決定手段により視標画像38が選択されたとき、選択された該視標画像に設定された検査パラメータ42をメモリ部29から抽出し、抽出した検査パラメータ42を表示部25に表示させ、視標呈示部13、光学素子配置装置及び表示部25の作動を制御する制御部は、選択決定手段により視標画像38が決定されたとき、決定された該視標画像に対応する視標11を視標呈示部13に表示させることから、選択決定手段により視標画像38が決定される前すなわち視標11が視標呈示部13に表示される前に、選択決定手段により視標画像38が選択された時点で検査パラメータ42が表示部25に表示される。
これにより、被検眼の検査中に、各視標画像38に設定された検査パラメータ42を確認すべく選択決定手段により視標画像38の選択を繰り返し行った場合でも、視標画像38が決定されたときに該視標画像の検査パラメータ42を表示部25に表示させる従来の場合とは異なり、選択された複数の視標画像38のそれぞれに対応する視標11が視標呈示部13に視標画像38の選択の都度表示されることはないので、視標呈示部13の表示が短時間の間に繰り返し切り替えられることが防止される。
従って、視標11提示部の表示が短時間に繰り返し切り替えられることによって視標呈示部13を見る被検者12に従来のような混乱を与えてしまうことを、確実に防止することができる。
また、前記したように、表示手段57は、選択決定手段により視標画像38が選択されたとき、選択された該視標画像の近傍で説明窓58を表示部25に表示させ、メモリ部29から抽出した検査パラメータ42を説明窓58内に表示させることから、選択決定手段により選択した視標画像38の検査パラメータ42を視認し易くすることができる。
また、選択決定手段により視標画像38が選択されたときに説明窓58を表示部25に表示させることから、検査データを表示させるための専用の表示領域を表示部25に予め設けておく必要はないので、前記表示領域を表示部25に予め設けることによる表示部25の表示スペースの縮小を防止することができる。
本実施例において、複数の種類の検査が連続して実行されている場合、マウス37の操作により一覧表示欄39から視標画像38が選択されたときに、選択された視標画像38が既に実行された検査に用いられた視標画像38であるか否かを表示部25の表示画面33に表示させることができる。
この場合、既に実行された検査に対応する視標画像38の履歴データは、各検査が実行される度にメモリ部29に例えば検査の実行時間順に記憶される。
また、この場合、表示手段57は、マウス37の操作により視標画像38が選択されたとき、選択された該視標画像が既に実行された検査に対応する視標画像38であるか否かをメモリ部29から検出し、選択された該視標画像が既に実行された検査に対応する視標画像38である場合、そのことを示す内容を表示部25に表示させる旨の信号を画像出力部27に出力する。
画像出力部27は、選択された視標画像38が実行済みの検査に対応する視標画像38であることを示す内容を表示部25に表示させる旨の信号を表示手段57から受けると、例えば「実行済みの検査です」という文字を説明窓58内に表示することを示す画像信号を表示部25に出力する。これにより、表示画面33には、図9に示すように、選択された視標画像38の検査パラメータ42と共に「実行済みの検査です」という文字64が説明窓58内に表示される。
図9に示す例によれば、前記したように、表示手段57は、マウス37の操作により視標画像38が選択されたとき、選択された該視標画像が既に実行された検査に対応する視標画像38であるか否かをメモリ部29から検出し、選択された該視標画像が実行済みの検査に対応する視標画像38である場合、そのことを示す内容を検査パラメータ42と共に表示部25に表示させることから、互いに異なる複数の検査を実行しているときに、マウス37の操作による視標画像38の選択によって表示部25に表示された前記内容を視認することにより、選択された視標画像38に対応する検査が既に実行されているか否かを確認することができる。
これにより、互いに異なる複数の検査を実行しているとき、互いに異なる検査パラメータ42が設定された複数の同一の視標画像38が表示部25に表示されている場合に複数の同一の視標画像38のうちいずれの視標画像38にいずれの検査の種類に対応する検査パラメータ42が設定されているかを覚えていないときでも、マウス37の操作により一度決定した視標画像38を誤って再度決定することすなわち一度行った検査が誤って再度実行されることを確実に防止することができる。
従って、一度行った検査を誤って再度実行することによる被検眼の検査時間の遅延を確実に防止することができる。
図9に示す例では、説明窓58内に「実行済みの検査です」という文字64を表示させた例を示したが、これに代えて、他の文字を説明窓58内に表示することができる。
また、図9に示す例では、説明窓58内に文字を表示させることにより、選択された視標画像38が実行済みの検査に対応する視標画像38であることを示した例を示したが、これに代えて、マウス37の操作により一覧表示欄39から実行済みの検査に用いられた視標画像38が選択されたとき、例えば説明窓58の色を変化させたり、説明窓58を点滅させたり、説明窓58内にエラーマークを表示させたりすることにより、選択された視標画像38が実行済みの検査に対応する視標画像38であることを示すことができる。
更に、図9に示す例では、選択した視標画像38が実行済みの検査に対応する視標画像38であることを示す内容を表示部25の表示画面33に表示させた例を示したが、これに代えて、既に実行された検査に用いられた視標画像38の履歴データを一覧表示することができる。
この場合、マウス37の操作により一覧表示欄39から選択された視標画像38が実行済みの検査に対応する視標画像38である場合に加えて、選択された視標画像38が実行済みの検査に対応する視標画像38ではない場合にも、履歴データを表示画面33に一覧表示することができる。これにより、実行してきた検査と該検査に対応する視標画像38とをそれぞれ容易に確認することができる。
また、図9に示す例において、各視標画像38の履歴データと共に、各視標画像38に対応する検査を実行したときの検査結果データ54を表示画面33に表示させることができる。これにより、いずれの検査を実行したときに検査データが変化したのかを容易に確認することができる。
図1乃至図9に示す例において、マウス37の操作により視標画像38が選択されたとき、選択された視標画像38に対応する検査を実行する必要があるか否かを表示画面33に表示させることができる。
この場合、表示手段57は、マウス37の操作により視標画像38が選択されたとき、選択された視標画像38に対応する検査を実行する必要があるか否かをメモリ部29に記憶された検査結果データ54に基づいて判断し、選択された視標画像38に対応する検査を実行する必要がない場合には、そのことを示す内容を表示部25に表示させる旨の信号を画像出力部27に出力する。
画像出力部27は、選択された視標画像38に対応する検査を実行する必要がないことを示す内容を表示部25に表示させる旨の信号を表示手段57から受けると、例えば「検査する必要はありません」という文字を説明窓58内に表示することを示す画像信号を表示部25に出力する。これにより、表示画面33には、図10に示すように、選択された視標画像38の検査パラメータ42と共に「検査する必要はありません」という文字65が説明窓58内に表示される。
図10に示す例によれば、前記したように、表示手段57は、マウス37の操作により視標画像38が選択されたとき、選択された視標画像38に対応する検査を実行する必要がない場合には、そのことを示す内容を検査パラメータ42と共に表示部25に表示させることから、例えば、複数の検査を実行した結果、被検眼の乱視度数が0である場合のように、被検眼の乱視を矯正すべく乱視検査を特別に行う必要がない場合、乱視検査に対応する検査パラメータ42が設定された視標画像38が選択されたとき、表示部25に乱視検査を行う必要がない旨の表示がされることにより、選択した視標画像38に対応する検査を実行すべきか否かを容易に確認することができる。
これにより、実行すべき検査以外の検査を行うことによる検査時間の遅延を確実に防止することができる。
また、図1乃至図10に示す例において、メモリ部29に、各種の検査が被検眼のどのような機能を調べるための検査であるのかを示す検査内容を記憶させ、マウス37の操作により視標画像38が選択されたとき、選択された視標画像38に対応する検査内容を表示部25に表示することができる。
この場合、表示手段57は、マウス37の操作により視標画像38が選択されたとき、該視標画像に対応する検査内容をメモリ部29から抽出し、抽出した検査内容を表示部25に表示させることを示す信号を画像出力部27に出力する。
画像出力部27は、検査内容を表示部25に表示させる旨の信号を表示手段57から受けると、図示の例では、検査内容を説明窓58内に表示することを示す画像信号を表示部25に出力する。これにより、表示部25の表示画面33には、選択された視標画像38の検査パラメータ42と共に視標画像38に対応する検査内容が説明窓58内に表示される。
これによれば、表示手段57は、マウス37の操作により視標画像38が選択されたとき、該視標画像に対応する検査内容をメモリ部29から抽出し、抽出した検査内容を検査パラメータ42と共に表示部25に表示させることから、マウス37の操作により視標画像38を選択したとき、表示部25に表示される検査内容を視認することにより、各視標画像38に対応する検査が被検眼のどのような機能を調べるための検査であるのかを容易に確認することができる。
これにより、検者23の熟練度がたとえ低かったとしても、検査を実行する前に、選択決定手段によって視標画像38を選択することによりこれから実行する検査がどのような検査であるのかを予め確認することができるので、実行する検査内容を被検者12に容易に説明することができる。
この例において、視標画像38に対応する検査内容に加えて、その検査をする上での注意点や検査中のマウス37の操作方法等を表示部25の表示画面33に表示させることができる。
上記した例では、選択した視標画像38が実行済みの検査に対応する視標画像38であることを示す内容、選択された視標画像38に対応する検査を実行する必要がないことを示す内容、及び、検査内容が、それぞれ検査パラメータ42を表示させるための説明窓58内に表示された例を示したが、これに代えて、例えば図9乃至図10に示す例で表示される各内容をそれぞれ表示するための専用の説明窓58を表示部25の表示画面33に表示させ、その各説明窓58内に前記各内容をそれぞれ表示させることができる。
また、上記した例において、図11に示すように、説明窓58に複数のページを順次表示するためのページ送り/戻し機能を設け、説明窓58に表示される内容を例えばその内容毎にページ分けすることができる。
図11に示す例では、説明窓58内にページ送りボタン60及びページ戻しボタン61がそれぞれ表示されている。また、各内容を表示するページは、図示の例では、それぞれメモリ部29に記憶された操作画像データ31に含まれる。更に、図示の例では、説明窓58が表示画面33に表示された状態に固定するための図示しない固定スイッチが操作盤36に設けられている。
例えば説明窓58のページ送りを行う際、前記固定スイッチを操作することにより、説明窓58が表示画面33に表示された状態に固定し、その状態でマウス37を操作することによりポインタ41をページ送りボタン60上に配置し、該ボタン上でクリック操作を行う。
このとき、CPU28は、ページ送りボタン60上でクリック操作が行われたことを検知すると、説明窓58内に表示されているページの次のページをメモリ部29から抽出し、抽出したページを説明窓58内に表示することを示す制御信号を画像出力部27に出力する。
画像出力部27は、CPU28からの制御信号に基づいて、CPU28により抽出されたページを説明窓58内に表示することを示す画像信号を表示部25に出力する。これにより、説明窓58内には、表示されていた内容に代えて、該内容が表示されたページの次のページに表示された内容が表示される。説明窓58のページ戻しを行う場合も、上記したと同様に行う。
図11に示す例によれば、説明窓58に表示される内容を全て単一のページに同時に表示させる場合に比べて説明窓58全体の大きさが小さくなるので、表示画面33に説明窓58を表示させたときに、説明窓58以外の表示が説明窓58により大きく覆われて視認することができなくなることを、確実に防止することができる。
図1乃至図11に示す例では、表示手段57は、マウス37の操作により視標画像38が選択されたとき、表示画面33に説明窓58を表示させ、該説明窓内に検査パラメータ42及び各種の内容をそれぞれ表示させる例を示したが、これに代えて、図12に示すように、マウス37の操作により視標画像38が選択されたとき、表示画面33に設けられた視標表示欄40に検査パラメータ42及び各種の内容を表示させることができる。
この場合、マウス37の操作により視標画像38が選択されたとき、CPU28は、選択された視標画像38をメモリ部29に記憶された一覧表示欄39への表示位置に基づいて特定し、特定した視標画像38を示す信号を表示手段57に出力する。
表示手段57は、CPU28から視標画像38を示す信号を受けると、選択された視標画像38に設定された検査パラメータ42をメモリ部29から抽出し、抽出した検査パラメータ42を表示部25に表示させる旨の信号を画像出力部27に出力する。
画像出力部27は、表示手段57から検査パラメータ42を表示部25に表示させる旨の信号を受けると、検査パラメータ42を操作画像の視標表示欄40に表示させる旨の視標画像信号を表示部25に出力する。これにより、表示部25の視標表示欄40には、図12に示すように、マウス37の操作により選択された視標画像38に設定された検査パラメータ42が表示される。
図12に示す例によれば、表示手段57は、マウス37の操作により視標画像38が選択されたとき、メモリ部29から抽出した検査パラメータ42を表示画面33に設けられた視標表示欄40に表示させることから、視標表示欄40を検査パラメータ42を表示させる表示領域として用いることができる。
図1乃至図12に示す例では、マウス37の操作により視標画像38上にポインタ41を配置することにより視標画像38が選択され、該視標画像上でマウス37の左ボタン37aをクリック操作することにより視標画像38が決定される例を示したが、これに代えて、例えば、マウス37の操作により視標画像38上にポインタ41を配置した状態で、前記クリック操作を一回行うことにより視標画像38を選択し、前記クリック操作を二回行うことにより視標画像38を決定することができ、又は、視標画像38上にポインタ41を配置した状態で、マウス37の左ボタン37aをクリック操作することにより視標画像38を選択し、マウス37の右ボタン37bをクリック操作することにより視標画像38を決定することができる。
また、図1乃至図12に示す例では、制御装置15がパソコンPで構成された例を示したが、これに代えて、制御装置15を図13に示すようなコントローラCで構成することができる。
コントローラCは、図示の例では、パソコンPと同様に、検者23(図1参照。)により操作される操作部66と、操作画像が表示される表示画面67を有する表示部68と、パソコンPに設けられたと同様の演算制御回路26及び画像出力部27(図2参照。)を有する。演算制御回路26には、前記したと同様に、CPU28及び画像出力部27に接続された表示手段57が組み込まれている。
表示部67の表示画面67は、図示の例では、液晶パネルで構成されており、表示画面67には、図示しないがパソコンPの表示画面33と同様に、屈折力表示欄34と、一覧表示欄39と、視標表示欄40とが設けられる。
操作部66は、表示画面67に表示される屈折力表示欄34の前記した各項目の数値を変更するときに回転操作される環状のダイヤルスイッチ69と、該ダイヤルスイッチの内方に設けられ、実行する検査を切り替えるときに押し操作される従来よく知られた送りボタン70とが設けられた操作盤71を備える。
CPU28は、ダイヤルスイッチ69が操作されると、該ダイヤルスイッチの操作位置に対応する屈折力をメモリ部29のレンズデータ32から抽出し、抽出した該レンズデータが示す屈折力を有する前記レンズを各フォロプタ21の検眼窓内に配置する旨の制御信号を矯正装置14の前記駆動制御部に制御信号を送る。これにより、ダイヤルスイッチ69の操作により選択された屈折力を有する前記レンズが各フォロプタ21の検眼窓内に配置される。
また、CPU28は、ダイヤルスイッチ69が操作されると、メモリ部29から抽出したレンズデータ32を示す信号を画像出力部27に送る。これにより、前記したと同様に画像出力部27から出力される屈折力画像信号により、表示部25の表示画面33の屈折力表示欄34には、ダイヤルスイッチ69の操作により設定された前記レンズの屈折力の値が表示される。
更に、このコントローラCでは、図14に示すように、表示画面67に表示された一覧表示欄39内には、各視標画像38がそれぞれ表示される複数の欄62のうちいずれかの欄62上でカーソル63が表示されている。カーソル63は、図示の例では、欄62を囲む矩形状をなしており、ダイヤルスイッチ69の回転操作により、一覧表示欄39内でその上下方向及び左右方向に各欄62間を順次移動する。
図示の例では、ダイヤルスイッチ69の操作によってカーソル63が一覧表示欄39の各視標画像38のうち所望の視標画像38が表示された欄62上に移動することにより視標画像38が選択され、所望の視標画像38が表示された欄62上にカーソル63が位置した状態すなわち視標画像38が選択された状態で送りボタン70が押し操作されることにより、選択された視標画像38が決定される。すなわち、ダイヤルスイッチ69及び送りボタン70は、前記した選択決定手段を構成する。
CPU28は、ダイヤルスイッチ69の操作によって視標画像38が選択されたとき、選択された視標画像38をメモリ部29に記憶された一覧表示欄39への表示位置に基づいて特定し、特定した視標画像38を示す信号を表示手段57に出力する。
表示手段57は、CPU28から視標画像38を示す信号を受けると、前記したと同様に、表示部25の表示画面67に説明窓58を表示させ、ダイヤルスイッチ69の操作により選択された視標画像38の検査データを説明窓58内に表示させる。
また、CPU28は、送りボタン70が押し操作されたことを検知すると、決定された視標画像38に対応する視標11の視標データ30をメモリ部29から抽出し、抽出した視標データ30を示す信号を画像出力部27に送る。
画像出力部27は、CPU28から視標データ30を示す信号を受けると、前記したと同様に、視標画像信号を表示部25及び視標呈示部13に出力する。これにより、表示部25の視標表示欄40と視標呈示部13の表示画面16とにはそれぞれ前記操作キーの操作により決定された視標画像38に対応する視標11が表示される。
図1乃至図14に示す例では、選択決定手段がマウス37、又は、ダイヤルスイッチ69及び送りボタン70で構成された例を示したが、これらに代えて、一覧表示欄39に表示された複数の視標画像38からいずれかの視標画像38を選択した後、該視標画像を決定することができる手段であれば、選択決定手段にマウス37やダイヤルスイッチ69及び送りボタン70以外の手段を用いることができる。
また、図1乃至図14に示す例では、表示手段57は、表示部25の表示画面33に説明窓58を表示させて該表示窓内に検査パラメータ42を表示させ、又は、表示画面33の視標表示欄40に検査パラメータ42を表示された例を示したが、これらに代えて、視標画像38が選択されたときに、該視標画像に設定された検査パラメータ42を表示部25に表示画面33に表示することができれば、説明窓58及び視標表示欄40以外の箇所に検査パラメータ42を表示することができる。