JP4795017B2 - 眼鏡レンズ評価装置 - Google Patents

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本発明は、眼鏡装用時に装用者が感じる像の歪や色滲み等を他覚的に評価する眼鏡レンズ評価方法及び装置に関する。
眼鏡を装用したときに眼鏡レンズを通して見える視野の歪みが大きいと、頭痛や酔い、距離感がつかめずに階段等でつまずくことがある。このため、単焦点レンズにおいては、像の歪みをできるだけ少なくするように非球面化された設計がされている。また、累進レンズでも遠近での視力矯正の他に像の歪みを如何に少なくするかも重要視されている。
また、眼鏡レンズを装用した場合における像の歪み等に伴う見え方をシミュレーションする装置も提案されている(特許文献1参照)。この装置は、レンズ系を通して眼によって知覚される像として、眼の網膜面に投影される光学像でなく、視野内の全ての物体点に対して眼球を回旋させ、中心窩で捕らえた像をつなぎ合わせて定義される回旋網膜像をコンピュータシミュレーションによって作成するものである。
特開2000−107129号公報
しかしながら、眼鏡レンズの光学性能を評価する装置としては、上記特許文献1で提案されたもの以外については、レンズ度数を測定するレンズメータしか存在せず、装用時の像歪みを評価するために実用化されたものはなかった。また、特許文献1で提案された装置においては、物体点の補間を利用した場合でも回旋網膜像を1コマ作成するのに2〜10分要する他に、1分間の連続した動画の作成にはさらに膨大な時間を要し、実用的なものには至っていない。
本発明は、上記問題点を鑑み、眼鏡レンズを通して対象物を観察したときの像の歪み等を簡単に評価できる眼鏡レンズ評価装置を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 眼鏡レンズを保持するレンズ保持手段と、前記レンズ保持手段に対して眼鏡装用者が物体を見るときの距離に置かれた所定の幾何学パターンの指標を持つ指標板を有し、眼鏡レンズに前記指標の光束を投光する投光光学系と、前記保持手段に保持された眼鏡レンズを通して前記指標を撮像する撮像素子及び絞りを有する撮像光学系と、前記保持手段により保持された眼鏡レンズ後面の前記撮像光学系の光軸上における位置を検知するレンズ位置検知手段と、前記レンズ保持手段に対して前記撮像光学系を光軸方向に相対的に移動させる移動手段であって、前記レンズ位置検知手段の検知結果に基づき、眼鏡レンズ後面の位置に対して眼鏡装用時に想定される人眼の回旋中心位置に前記絞りを位置させる移動手段と、前記絞りが人眼の回旋中心位置に位置した状態で前記撮像素子を移動させてフォーカシングを行わせるフォーカス手段と、眼鏡レンズを通して前記撮像素子により撮影された前記指標の第1像と、眼鏡レンズが前記撮像光学系の光路に置かれていないときに前記撮像素子により撮像された第2像と、を比較可能に表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
(2) (1)の眼鏡レンズ評価装置において、前記移動手段は前記レンズ位置検知手段の検知結果に基づき、眼鏡レンズ後面の位置に対して眼鏡装用時に想定される人眼の入射瞳位置に前記絞りを位置させることを特徴とする

本発明によれば、眼鏡レンズを通して対象物を観察したときの像の歪み等を簡単に評価できる。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る眼鏡レンズ評価装置の光学系の概略図である。
10は被検レンズLEに観察対象物の光束を投光する投光ユニットである。投光ユニット10は、ハロゲンランプ等の測定光源11、透過する波長をe線(546.07nm)に限定するe線フィルタ13、拡散板に指標が形成された指標板14、反射ミラー15を備える。20は被検レンズLEを保持する保持ユニット、30は撮像ユニット、40はレンズLEの後面位置を検知するレンズ位置検知ユニットである。撮像ユニット30は、レンズLEを通して被写体としての指標板14を撮像する。レンズLEは撮像ユニット30側がレンズ後面となるように、保持ユニット20が持つ載置台に載置される。
指標板14には、図3に示すような、規則的に配列された幾何学パターンの格子指標パターン14aが形成されている。格子指標パターン14aの中心に中心マーク14bが形成され、中心マーク14bが装置の基準軸L0上に位置するように指標板14が配置されている。指標板14は、例えばレンズLEから30cmの距離等、眼鏡装用者が物体を見る時に想定される距離に置かれることが好ましいが、任意の位置でも良い。指標板14を移動させて、この距離を変えることもできる。また、レンズLEと指標板14との間に、光学的に指標14までの距離を変える光学系を設けても良い。この場合、指標14を光学的に遠方位置に置くことが容易に可能となる。格子指標パターン14aは、黒地に白抜きのパターンとして形成することが好ましい。なお、格子指標パターン14aは、拡散板のスクリーンに指標パターンを投影しても形成しても良い。
図2は、撮像ユニット30、レンズ位置検知ユニット40の概略構成図及び制御系のブロック図を示す図である。撮像ユニット30は撮像光学系35を備える。撮像光学系35は、絞り32,撮像レンズ36及び二次元の撮像素子37を持ち、絞り32が撮像光学系35の入射瞳位置となる。絞り32は、好ましくは直径5mm以下、さらに好ましくは直径2mm以下の開口を備える。実施形態では、開口を直径0.2mmとしている。撮像素子37で撮影像を取得するとき、絞り32の開口径ができるだけ小さい方が歪曲以外の球面収差、コマ収差および非点収差等を低減でき、歪曲収差を抽出しやすい。また、被写界深度が深くなる。絞り32の開口中心は、撮像光学系35の光軸L1上に位置する。撮像光学系35の光軸L1は、装置の基準軸L0に一致するように配置されている。撮像光学系35は、撮像レンズ36の焦点距離付近に絞り32を配置し、テレセントリック光学系を構成することが好ましい。また、撮像レンズ36は、色収差や他の収差を無くした非球面形状であることが好ましい。なお、投光ユニット10側のe線フィルタ13は、撮像素子37に入射する観察対象物からの光を所定の単一波長するために、撮像ユニット30側に設けても良い。
撮像ユニット30は、フォーカシングのために撮像素子37を光軸L1方向に移動させる移動機構38を備える。また、撮像ユニット30は、撮像光学系35及び移動機構38を光軸L1方向(基準軸L0方向)に移動させる移動機構33を備える。移動機構33の駆動により、絞り32はレンズLEに対して眼鏡装用時に想定される人眼の回旋中心位置又は入射瞳位置に一致するように選択的に切換えられて置かれる。
レンズ位置検知ユニット40は、L字上のアーム41と、アーム41の先端に取り付けられた歪センサ等の測定子42と、アーム41が取り付けられた軸43と、軸43を基準軸L0方向に移動させると共に軸43を回転させる移動機構44と、を備える。保持ユニット20に保持されたレンズLEの後面位置を検知するときは、移動機構44によってアーム41の測定子42が基準軸L0(光軸L1)上に配置された後、基準軸L0に沿ってレンズLEの後面に接触するまで上昇される。測定子42がレンズ後面に接触すると、その接触信号が測定子42から出力され、その信号が制御部50に入力される。制御部50は測定子42からの接触信号により基準位置に対するレンズ後面の位置を得る。同時に、制御部50は測定子42からの接触信号が入力されると、移動機構44の駆動を制御し、アーム41を下降させた後、軸43を回転させてアーム41を退避位置に移動させる。
撮像素子37の出力は制御部50に接続され、撮像素子37で撮像された被写体である指標板14の像がメモリ55に記憶され、また、撮像素子37で撮像された像がモニタ52に表示される。また、制御部50には移動機構33,移動機構38,移動機構44,各種のスイッチを持つスイッチ部57が接続されている。
以上のような構成を備える眼鏡レンズ評価装置において、その動作を説明する。初めに、視線移動時における視野中心での像の歪を評価する場合を説明する。このときのモードを第1評価モードとする。なお、ここでは被検レンズLEとして単焦点レンズを例にとって説明するが、累進焦点レンズであっても基本的に同様に評価できる。
検査に際して、検者は保持ユニット20にレンズLEを載置する。光源11を点灯すると、指標板14の格子指標パターン14aが撮像素子37に撮像され、その像はモニタ52に表示される。検者は、格子指標14aのピントが合うように、スイッチ部57のスイッチを操作して撮像素子37のフォーカシングを行う。その後、中心マーク14bの像がモニタ52に表示されるレチクル(図示せず)の中心に来るようにレンズLEを移動する。これにより、基準軸L0(光軸L1)に対してレンズLEの光学中心を略一致させることができる。なお、レンズLEが累進焦点レンズの場合には、累進焦点レンズの遠用部又は近用部を基準軸L0に位置合わせすればよい。
レンズLEの位置合わせができたら、スイッチ部57の第1評価モード用のスイッチを押して、レンズ位置検知ユニット40を作動させる。スイッチ信号により、制御部50は、移動機構33を駆動して測定ユニット30を一旦下降させた後、前述のようにレンズ位置検知ユニット40の移動機構44の駆動を制御してアーム41を測定位置に位置させ、接触子42をレンズ後面に接触するようにアーム41を移動させる。接触子42の出力信号により光軸L1上のレンズ後面の位置が検知されると、制御部50はアーム41を退避位置に移動させた後、再び移動機構33を駆動し、レンズ後面位置に対する絞り32の距離D1(図2参照)を眼鏡装用時に想定される人眼の回旋中心位置の距離に調整する。一般的な眼球の角膜頂点から眼球回旋位置までの距離を15mm、角膜頂点から眼鏡の装用距離を12mmとすると、このときの距離D1=27mmである。
なお、レンズ後面位置に対する絞り32の距離D1を所定距離にする構成として、保持ユニット20側を移動させ、レンズLEの後面を所定の基準位置に置く構成としても良い。
絞り32がレンズLEに対して眼鏡装用時に想定される人眼の回旋中心位置に位置したら、検者はモニタ52を見ながら移動機構38を駆動させ、指標パターン14aのピントが合うようにフォーカシングを行う。なお、制御部50が撮像素子37で得られた画像信号を処理してピントが合うようにオートフォーカスの構成としても良い。このとき、モニタ52に映し出される指標パターン14aの像の例を図4に示す。レンズLEに歪曲収差があり、レンズLEを通して図3に示す正方形に配置された格子指標パターン14aを見ると、レンズLEがマイナスレンズの場合、図4(a)に示すように樽状に歪んだ像が観察される。レンズLEがプラスレンズの場合、図4(b)に示すように指標パターン14aは糸巻き状に歪んだ像が観察される。レンズLEが無いときのパターン14aの像を予め撮像してメモリ55に記憶しておき、レンズ無しの指標パターン14aとレンズLEが有るときの指標パターン14aとを比較することにより、装用者が視線移動時に感じる視野中心での像の歪を評価することができる。メモリ55にレンズが無いとき撮影像とレンズを配置したときの撮影像を記憶しておき、両者をモニタ52の同一画面に並べて表示したり、両者を切換えて表示することにより、比較が可能になる。
絞り32を人眼の回旋中心位置に位置させることにより、視線移動時に感じる視野中心での像の歪を評価できる理由を、図5、図6を使用して説明する。図5(a)に示すように、レンズLEが無い場合に、眼が回旋角αにて眼底中心に物面Fの物点Aを結像したとする。この場合、眼の視線方向は、物点Aを発して回旋中心COを通る主光線MR1の方向と見なすことができる。
次に、図5(b)のように、レンズLEを眼鏡装用位置に置いた場合を考える。この場合、物点Aを眼底中心に結像させるために眼の回旋角がαからβに変える必要が生じたとする。眼の視線方向は、物点Aを発し、眼の回旋中心COを通る主光線MR2の方向と見なすことができる。回旋角αに対する回旋角βの変化が、レンズLEを装用した際の視線方向の回旋による眼底中心での歪み(振れ)となる。
回旋角αからβへの変化量は、物点Aの位置が中心軸L1から大きく外れ、レンズLEの度数が強いほど大きくなるが、同じレンズ度数でも異なることは多くある。眼鏡レンズは、任意の物点からの主光線の振れ角αに対して振れ角βの変化が少ないほど、性能の良いレンズとされる(なお、回旋角α,βは、レンズを基準にした場合に振れ角α,βとして定義される)。図5(a)、(b)に示したように、眼の視線方向に相当する主光線MR1,MR2は、回旋中心COを通っている。よって、図6のように、回旋中心COの位置に撮像光学系35の入射瞳位置(絞り32)を配置することにより、眼鏡レンズの触れ角αからβへの変化を知ることができる。そして、物面Fを指標パターン14aのように規則的に配列された幾何学パターンの指標とすれば、撮像素子37で得られた指標パターン14aの像をモニタ52で観察することにより、視線の移動時における視野中心での像の歪状態を1枚の画像から分かりやすくなる。
なお、撮像光学系35で撮像する観察対象物は、縦横の位置関係が比較しやすいものであれば、指標パターン14aに限らず、他のものであっても良い。例えば、紙面に書かれた文章等の多数の文字列であっても良い。また、撮像光学系35をテレセン光学系とすることにより、ピント位置の違いによる像倍率の変化の影響を排除することができ、振れ角を検出し易くなるので有利である。
また、振れ角(回旋角)αからβへの変化(レンズLEが無いときとレンズLEが有るときに得られる対応する物点の変化)を検出することで眼鏡レンズの性能(歪曲性能)を数値的に調べることができる。図6において、レンズ36の焦点距離をfとし、レンズLEが無い場合における撮像素子37上の点Aの像位置をy1、レンズLEが有る場合における撮像素子37上の点Aの像位置をy2とすると、αとβの差δ(視角の変化)は、以下の式で計算できる。
δ=β−α=tan-1(y2/f)−tan-1(y1/f) ……(式1)
上記の式1において、レンズ36の焦点距離fは設計的に既知であり、y1及びy2はレンズLEが無いときと有るときの指標像の位置から求められる。これを、指標パターン14aの各点で演算すれば、レンズLEの歪曲性能の分布が求められる。この演算機能は制御部50が持つ。
次に、視線を移動させずに、ある一点を凝視した際に装用者が感じる状態に近い像歪みを評価する場合を説明する。このときのモードを第2評価モードとする。
レンズLEの光学中心の位置合わせをした後、スイッチ部57の第2評価モード用のスイッチを押すと、制御部50により移動機構33が駆動され、レンズ後面位置に対する絞り32の距離D1が調整される。第2評価モードでは、距離D1は眼鏡装用時に想定される人眼の入射瞳位置の距離に切換えられる。一般的な眼球の角膜頂点から入射瞳位置までの距離を3.5mm、角膜頂点から眼鏡の装用距離を12mmとすると、このときの距離D1=15.5mmである。
絞り32がレンズLEに対して人眼の入射瞳位置に位置したら、検者はモニタ52を見ながら移動機構38を駆動させ、指標パターン14aのピントが合うようにフォーカシングを行う。これはオートフォーカスの構成としても良い。そして、レンズLEが無いときのパターン14aの像を予め撮像してメモリ55に記憶しておき、レンズ無しの指標パターン14aとレンズLEが有るときの指標パターン14aとを比較することにより、視線を移動させず、ある一点(ここではレンズLEの光学中心を通した点)を凝視した際に感じる視野全体での像歪みを評価することができる。この理由を、図7を使用して以下に説明する。
まず、図7(a)に示すように、眼は回旋せずに固定し、眼底中心だけでなく、眼底の周辺領域での像を考える。図7(a)を見ると、物面F上の物点A,B,Cのそれぞれの主光線MRa1,MRb1,MRc1は、瞳中心PuOで集まる。物点Bの主光線MRb1は回旋中心COを通過し、これは視線方向に相当する。他の主光線MRa1,MRc1は回旋中心COを通らない。
次に、図7(b)のように、レンズLEを眼鏡装用位置に置いた場合を考える。説明を簡単にするために、物点A,Bの場合を考える。眼が物点Bを凝視し、レンズLEの光軸と眼の光軸(視線方向)とが一致しているとする。図7(a)と図7(b)の主光線のみを取り出して図示したものが、図7(c)である。図7(c)において、レンズLEが無い場合の物点Aの主光線MRa1と物点Bの主光線MRb1とが成す角をαとする。また、レンズLEが有る場合の物点Aの主光線MRa2と物点Bの主光線MRb1とが成す角をβとする。このαとβの差δが歪曲となる。眼の回旋角が固定のとき、全ての主光線は回旋中心COでなく、瞳中心PuOを通る。よって、瞳中心PuOに絞り32を置けば、撮像光学系35により角度αから角度βへの変化を知ることができる。これは、眼底全体での歪みを評価するので、装用者が視線を固定した場合に感じる歪みに近い評価が可能となる。すなわち、物面Fを指標パターン14aのような所定パターンの幾何学指標とすれば、撮像素子37で得られた指標パターン14aの像をモニタ52で観察することにより、レンズの光軸に視線を一致させた際に感じる視野全体での像歪みを評価することができる。
また、αとβの差δは、図6の場合と同様に、レンズ36の焦点距離をf、レンズLEが無い場合における撮像素子37上の点Aの像位置をy1、レンズLEが有る場合における撮像素子37上の点Aの像位置をy2とし、先に示した式1で演算することができる。これにより、像歪みを数値化して定量的に評価できる。
なお、第2評価モードにおいては、さらに撮像ユニット30を眼の回旋中心を基準に回旋する機構を設けることにより、実際の装用時に視線を移動させたときに感じる状態に近い像歪みを評価することができる。
図8は、撮像ユニット30を眼の回旋中心を基準に回旋する例を説明する図である。図8において、レンズLEに対して眼鏡装用時に想定される人眼の回旋中心位置をOとする。基準軸L0から回旋中心位置Oまでの距離D2=27mmである。なお、撮像光学系35の光軸L1が基準軸L0と一致するときに、絞り32は眼鏡装用時に想定される人眼の入射瞳位置(距離D1=15.5mm)に位置する。回旋機構39は、基準軸上の回旋中心位置Oを中心に撮像ユニット30を回旋させる。回旋機構39としては、位置Oを通るX軸の軸回りに撮像ユニット30を回転させるX軸回転機構と、このX軸回転機構をさらに位置Oを通るY軸の軸回りに回転させるY軸回転機構とにより構成することができる。X軸及びY軸はそれぞれモータにより回転される。この回旋機構39は制御部50に接続され、制御部50の制御により駆動される。
撮像ユニット30を回旋させるときは、スイッチ部57に配置されるスイッチまたはレバー操作により、X軸の回転角θXとY軸の回転角θYを入力する。この入力信号により、制御部50は回旋機構39の駆動を制御し、光軸L1を基準軸L0に対して入力された回転角θXと回転角θYだけ傾ける。この状態で撮像素子37により撮像された指標パターン14aの像がモニタ52に表示され、又はその歪みが演算されてモニタ52に表示され、実際の装用時に視線を移動させたときに感じる状態に近い像歪みを評価することができる。また、制御部50がXY方向に所定のステップ角度(例えば、5度ステップ)で撮像ユニット30を自動的に回旋させ、このとき得られる像をメモリ55に記録することで、視線を移動させたときに感じる像歪みの動画像を得ることができる。
上記の第1評価モード及び第2評価モードでは、何れもe線を使用した単波長での評価であったが、太陽光や白色ランプ(あるいは蛍光灯)等の照明を使用すれば、歪みだけでなく、色収差(色滲み)も評価できる。図1及び図2の構成においては、e線フィルタ13を外し、撮像素子37をカラー撮像素子にし、また、モニタ52をカラーモニタとし、それぞれ第1評価モード及び第2評価モードを実行すればよい。検者は、それぞれ撮像された指標パターン像をカラーモニタ52で観察することにより、色滲みの状態を評価することができる。
また、指標板14の指標パターン14aをカラー用の解像力チャートに変更して、モニタ52に映した結果の空間周波数[本/mm]を知る構成としてもよい。
さらに、色滲みを詳細に分析する場合は、撮像素子37に代えて分光器を設ける構成とすればよい。図9は、その場合の構成例である。図9において、分光器ユニット65は、開口部60、開口部60の背後に配置されたプリズム61、ラインCCD62を備える。分光器ユニット65は、移動機構65aによりレンズ36の光軸L1(Z軸方向)に対して直交するXY方向に移動可能となっている。70aは撮像素子37と分光器ユニット65とを切換える切換駆動機構であり、Z軸方向に延びた回転軸L70を回転中心として光軸L1上に、撮像素子37または分光器ユニット65のいずれを配置するか、制御部50からの信号により切換える。
分光器ユニット65を用いた色滲みの詳細な分析について説明する。撮像素子37に撮影される像のフォーカシングが終了後、切換駆動機構70aにより、光軸L1上に分光器ユニット65を配置する。開口部60より入射した光はプリズム61により屈折してラインCCD62に入射する。プリズム61により屈折される光の屈折量は、波長ごとに異なり、各波長の光が屈折した結果、ラインCCD62のY方向におけるどの位置に入射するか、あらかじめメモリ55に記憶されている。そのため、ラインCCD62の検出位置における光量が把握できれば、開口部60の配置位置における各波長の分布(分光特性)が分かる構成となっている。そして、移動機構65aによりユニット65を視野全体のXY方向に駆動してXY方向の各点において分光特性を得ることで、視野全体の色滲みと共に、視野内の各地点での色滲みの分布を測定できる。
以上の実施形態は、種々の変形が可能である。例えば、図10に示すように、撮像ユニット30を2組並べて配置する。また、保持ユニット20を眼鏡レンズLEが枠入れされた眼鏡フレームFRを保持可能な機構で構成する。そして、眼鏡フレームFRに枠入れされた左右のレンズのアイポイント位置に撮像ユニット30のそれぞれの光軸L1が位置するように、受光ユニット間距離制御機構30dにより、ユニット30の相互の間隔を調整する。レンズ載置部40に被検レンズLEを載せればよい。これにより、枠入り眼鏡レンズの両眼同時評価が可能となる。
また、眼鏡レンズは装用中にずれを生じることが多い。レンズLEの光軸方向のずれを再現するために、撮像ユニット30とレンズとの距離を移動機構33の駆動により変更することができる。また、図8に示した回旋機構39を利用することにより、レンズLEをチルトさせた状態を再現して歪み具合や色滲み具合の変化を評価できる。さらに、撮像ユニット30を光軸L1に直交する方向に移動させる機構を設ければ、眼鏡レンズの偏心状態も再現して歪み具合や色滲み具合の変化を評価できる。なお、レンズLEの光軸方向のずれ、チルト、偏心を再現する構成としては、相対的に保持ユニット20側を移動させる構成であっても良い。また、図10に示した枠入り眼鏡レンズの両眼同時評価の構成においても、これら位置ずれ再現するように保持ユニットを構成すれば、両眼同時評価が可能となる。
眼鏡装用時に発生する眼鏡レンズの位置ずれは、装用者の顔のほりの深さや鼻の形状等に起因することが多く、そのずれ方向には一定方向の持つと考えられる。したがって、眼鏡レンズ保持機構をあらゆる方向に可動できる機構にしても現実的に起こる可能性の少ない位置ずれも存在する。このため、実用的には、図11に示すような、人間の頭部の模型70に撮像ユニット30を2組組み込む構成としてもよい。眼鏡フレームFRのモダン(先セル)を模型70の耳71に掛ける。また、模型70には鼻72も備わっており、眼鏡フレームFRが鼻72に沿ってずれる状態を容易に再現できる。このように眼球付近の形状を人間に模することで、眼鏡装用時に発生しやすい位置ずれの評価を容易にできる。なお、移動機構30dにより、左右の撮像ユニット30の間隔を調整できる構成は図10と同じにすればよい。
本実施形態に係る光学系の概略図である。 レンズ位置検知ユニットおよび制御系を示す図である。 指標板の一例を示す図である。 指標板を被検レンズに通したときの見え方を示す図である。 視線移動時に感じる視野中心での像の歪みを評価できる理由を示す図である。 視線移動時に感じる視野中心での像の歪みを評価できる理由を示す図である。 絞りを人眼の入射瞳位置に位置させたときの模式図である。 撮像ユニットを人眼の回旋中心を基準に回旋する例を示す図である。 色滲みを詳細に分析する構成例を示す図である。 撮像ユニットを並べて配置した例を示す図である。 人間の頭部の模型に撮像ユニットを組み込んだ例を示す図である。
符号の説明
10 投光ユニット
11 測定光源
14 指標板
30 撮像ユニット
32 絞り
35 撮像光学系
37 撮像素子
40 レンズ位置検知ユニット
50 制御部
52 モニタ




Claims (2)

  1. 眼鏡レンズを保持するレンズ保持手段と、前記レンズ保持手段に対して眼鏡装用者が物体を見るときの距離に置かれた所定の幾何学パターンの指標を持つ指標板を有し、眼鏡レンズに前記指標の光束を投光する投光光学系と、前記保持手段に保持された眼鏡レンズを通して前記指標を撮像する撮像素子及び絞りを有する撮像光学系と、前記保持手段により保持された眼鏡レンズ後面の前記撮像光学系の光軸上における位置を検知するレンズ位置検知手段と、前記レンズ保持手段に対して前記撮像光学系を光軸方向に相対的に移動させる移動手段であって、前記レンズ位置検知手段の検知結果に基づき、眼鏡レンズ後面の位置に対して眼鏡装用時に想定される人眼の回旋中心位置に前記絞りを位置させる移動手段と、前記絞りが人眼の回旋中心位置に位置した状態で前記撮像素子を移動させてフォーカシングを行わせるフォーカス手段と、眼鏡レンズを通して前記撮像素子により撮影された前記指標の第1像と、眼鏡レンズが前記撮像光学系の光路に置かれていないときに前記撮像素子により撮像された第2像と、を比較可能に表示する表示手段と、を備えることを特徴とする眼鏡レンズ評価装置。
  2. 請求項1の眼鏡レンズ評価装置において、前記移動手段は前記レンズ位置検知手段の検知結果に基づき、眼鏡レンズ後面の位置に対して眼鏡装用時に想定される人眼の入射瞳位置に前記絞りを位置させることを特徴とする眼鏡レンズ評価装置。
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