JP4535412B2 - レンズの性能評価方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は老視矯正用の眼鏡に使用するレンズの性能評価方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高齢により眼の水晶体による調節機能が低下し近方視が困難な状態が老視である。この老視に対する矯正用の眼鏡に累進多焦点レンズが使用されている。累進多焦点レンズにはユーザーに応じて様々な特性が設定され、一般にユーザーは自分に適しているかどうかを眼鏡店がサンプルとして用意したいくつかのレンズから自分の視力特性に応じたものを選ぶ。すべてのユーザーの視力に応じるようなサンプルレンズを用意するのは困難であるため、実際には店員の説明を交えて累進の度合いや分布の異なるいくつかの候補のレンズの比較をすることとなる。これは例えば、用意されたサンプルレンズを通して実際に物を見たり、基準平面上の格子を各レンズを通した場合の格子の変形具合を表現した図面やモニター画面を確認したりして行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、累進の度合いや分布を直接レンズを通した際の見え方で比較することはレンズとの差が十分分かりにくいという問題が生じていた。累進多焦点レンズでは例えば遠用部に+度数が設定されていれば、このようなレンズを通すと累進の度合いの差といった微妙な見え方の違いが無視されるほど物が大きく拡大されて見えることとなるからである。逆に例えば−度数が設定されていれば縮小されて見えるし、乱視レンズでは設定に応じて縦横、斜めに伸び縮みするように見える。また、累進多焦点レンズ以外の例えば非球面レンズやバイフォーカルレンズなどでも累進多焦点レンズと同様の問題が生じていた。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、評価対象レンズ、例えば累進多焦点レンズならその累進の度合いや分布の状態等の性能を分かりやすく表現することのできるレンズの性能評価方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1の発明では、基準レンズの歪曲収差を算出するとともに性能評価を求める評価対象レンズの歪曲収差を算出し、両レンズの収差差に基づいて同評価対象レンズの視野画像を表現することを特徴とするレンズの性能評価方法であって、前記基準レンズとして単焦点レンズを用いるとともに性能評価レンズを累進多焦点レンズとし、前記基準レンズ及び評価対象レンズのそれぞれについて、無限遠方を含む所定位置に配置された基準平面と眼回旋中心との間の所定位置に配置し、基準平面上に配置された多数の基準点それぞれから同レンズを通した仮想的光線が屈折して眼回旋中心に至るように同光線を設定し、同レンズ裏面から眼回旋中心に至る同光線を延長した直線が基準平面と交差する対応する投影点を求め、同各基準点と投影点とのずれを歪曲収差として取り出すシュミレーションを行い、前記基準レンズと評価対象レンズについてそれぞれ得られた対応する収差の差を算出し、同各収差差に基づいて同評価対象レンズの視野画像を表現するようにしたことをその要旨とする。
また請求項2の発明では、基準レンズの歪曲収差を算出するとともに性能評価を求める評価対象レンズの歪曲収差を算出し、両レンズの収差差に基づいて同評価対象レンズの視野画像を表現することを特徴とするレンズの性能評価方法であって、前記基準レンズとして単焦点レンズを用いるとともに性能評価レンズを累進多焦点レンズとし、前記基準レンズ及び評価対象レンズのそれぞれについて、無限遠方を含む所定位置に配置された基準平面と眼回旋中心との間の所定位置に配置し、基準平面上の多数の基準点それぞれと眼回旋中心とを一直線に結ぶ仮想的光線に対して同光線が同レンズを通して屈折された際に基準平面と交差する対応する投影点を求め、同各基準点と投影点とのずれを歪曲収差として取り出すシュミレーションを行い、前記基準レンズと評価対象レンズについてそれぞれ得られた対応する収差の差を算出し、同各収差差に基づいて同評価対象レンズの視野画像を表現するようにしたことをその要旨とする。
これらのように構成すると、基準レンズと性能評価を求める評価対象レンズのそれぞれについて歪曲収差を求め、求めた収差差を取ってこれを視野画像として表現するため収差差によってレンズの性能を表現でき、累進の度合いや分布の状態を視覚的に認識しやすくなる。
【0005】
【発明の効果】
請求項1及び2の発明では、基準レンズとの収差差によって累進多焦点レンズの性能を表現でき、累進の度合いや分布の状態を視覚的に認識しやすくなるため、累進多焦点レンズの性能を理解するのが容易になる。また、基準レンズとして単焦点レンズを使用しているため、加入による見え方の違いだけを性能として取り出すことができ、累進多焦点レンズの性能が極めて分かりやすい。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1に示すように、仮想的な眼回旋の中心Oから10m前方の仮想的な基準平面P上に仮想的な1m間隔の基準格子Kを配置する。基準格子Kの幾何中心O’を座標(x、y)=(0,0)として左右方向をx方向、上下方向をy方向として位置を特定する。SVレンズからなる基準レンズ11は眼回旋中心Oから所定の位置に基準平面Pに対して正対するように配置される。SVレンズの度数は本実施の形態1では+2.0(D)に設定されている。所定位置としては例えば左用レンズであれば左目の角膜頂点からレンズ裏面までの距離を一般的な値の12mmに設定する。このようなシュミレーションモデルを構築し以下のシュミレーションをコンピュータによって実行する。
まず、基準格子K上の交差点を基準点としてプロットする。本実施の形態1では例として4つの基準点A〜Dを挙げる。各基準点A〜Dの座標は(A│x,y)=(3,3)、(B│x,y)=(−3,3)、(C│x,y)=(−3,−3)、(D│x,y)=(3,−3)とする。
【0007】
図1のように例えば基準点Aから眼回旋中心Oの少し上を目標にして光線L1を延ばす。すると図1及び図2に示すように光線L1は基準レンズ11を通過することによって屈折される。この場合にちょうど眼回旋中心Oに達すればよいが、下方あるいは上方にずれてしまうと(図2の破線では下方にずれている)屈折した光線L1が眼回旋中心Oに達するように基準点Aからの光線L1の射出方向を調整する。調整した結果、屈折した図2の実線のように光線L1が眼回旋中心Oに達すると、図1及び図3に示すように屈折後の光線L1を延長して眼回旋中心Oから延びる直線L2を取る。直線L2を延長して基準平面Pとの交点を投影点A’とする。本実施の形態2では投影点A’の座標は(A’│x,y)=(3.5,3.5)とする。すなわち、本来基準点Aにある点は基準レンズ11を通して見たとき屈折されて投影点A’上にあるようにみえることとなる。この基準点Aと投影点A’とのベクトル差の絶対値が歪曲収差δ1とされる。
次いで上記基準点Aと同様に視野内にあるすべての交差点を基準点としてそれぞれについて投影点を求め、すべて基準点とその対応する投影点との間の歪曲収差δ1を求める。基準レンズ11では均等に度数が設定されているため、すべての基準点は幾何中心O’から放射状に遠方に移動して投影点に移動する(例えば基準点A〜Dで包囲された領域が拡大する)。
【0008】
基準レンズ11としてのSVレンズについてこのように歪曲収差δ1を求めると、次に図4に示すように性能評価を求めようとする累進多焦点レンズ12についても基準レンズ11と同じ条件、すなわち同じシュミレーションモデルに基づいて視野内にあるすべての交差点を基準点としてそれぞれについて投影点を求め、上記と同様に歪曲収差δ2を求める。ここに本実施の形態2の累進多焦点レンズ12では遠用部+2.0(D)で加入度+2.0(D)となるように設定されている。図4からわかるように累進多焦点レンズ12を通した投影格子K’は度数によっては幾何中心O’から放射状に遠方に移動するとともに、加入度に従って全体に下膨れの台形外形とされる。
そして、累進多焦点レンズ12の各歪曲収差δ2から基準レンズ11の対応する歪曲収差δ1を減じ収差差εを得る。そして、これら収差差εを基準格子Kの各基準点に対して振り分ける。本実施の形態2では基準点の座標に対して収差差εのベクトル成分を座標として加えて表現するものとする。
【0009】
具体的には例えば、図1と図4を比較して分かるように累進多焦点レンズ12の遠用部に当たる基準点Aでは加入されていないため、基準レンズ11と比較し累進多焦点レンズ12の投影点A’位置はほとんど変わりがない。従って、この付近ではほとんど収差差εはない。そのため、座標(A│x,y)=(3,3)に対しては収差差εのベクトル成分を座標として加えても(A+ε│x,y)=(3+εx,3+εy)≒(3,3)のままとされる。一方、近用部である基準点Cでは図1と図4を比較して分かるように累進多焦点レンズ12の歪曲が顕著である。そのため、座標(C│x,y)=(−3,−3)に対して基準点Cにおける収差差εのベクトル成分を座標として加えると(C+ε│x,y)=(−3+εx,−3+εy)となる。このようにして収差差εを表現すると、それら補正した基準点同士を結んで連続した描画とするためにスプライン補間を施し、視野画像としての歪曲した格子図を例えばコンピュータのモニタ画面に表示したり、印刷して表現する。尚、レンズの性能によっては収差差εが小さくレンズの性能が分かりにくい場合もあるため収差差εを誇張して表現してもよい。
【0010】
このように構成することによって、本実施の形態1では次のような効果を奏する。
(1)遠用部の度数と同じ度数のSVレンズを基準レンズ11として使用しているため、純粋に加入による見え方の違いだけを性能として取り出すことができ、性能評価が必要な累進多焦点レンズ12の性能が極めて分かりやすく、メーカーサイドのレンズの比較から、眼鏡店におけるユーザーへの説明まで広く活用することができる。
【0011】
(実施の形態2)
図5に示すように、実施の形態1と同様に仮想的な眼回旋の中心Oから10m前方の仮想的な基準平面P上に仮想的な1m間隔の基準格子Kを配置する。基準格子Kの幾何中心Oを座標(O│x,y)=(0,0)として左右方向をx方向、上下方向をy方向として位置を特定する。SVレンズからなる基準レンズ11は眼回旋中心O’から所定の位置に基準平面Pに対して正対するように配置される。所定位置についても実施の形態1と同様である。このようなシュミレーションモデルを構築し以下のシュミレーションをコンピュータによって実行する。
まず、基準格子K上の交差点を基準点としてプロットする。本実施の形態1では例として4つの基準点A〜Dを挙げる。各基準点A〜Dの座標は(A│x,y)=(3,3)、(B│x,y)=(−3,3)、(C│x,y)=(−3,−3)、(D│x,y)=(3,−3)とする。
【0012】
図5及び図6のように例えば基準点Aから眼回旋中心Oを結ぶ直線を取る。これは基準レンズ11を無視して基準点Aから眼回旋中心O方向に延びる直線L1と考える。次に、今度は基準レンズ11が存在するとして眼回旋中心Oから基準点A方向を目標として(つまり直線L1と同軸で)延びる光線L2を考える。すると図5及び図7のように光線L2は基準レンズ11を通過することで屈折されて、基準格子K上のある投影点A’に投影される。本実施の形態2では基準点Aの座標は(A’│x,y)=(2.5,2.5)とする。すなわち、本来投影点A’にある点が基準レンズ11を通して見たとき屈折されて基準点A上にあるように見えることとなる。この基準点Aと投影点A’とのベクトル差の絶対値が歪曲収差δ1とされる。尚、図5に示すように、レンズ裏面は球面や乱視面とされているため、計算を簡略化するために基準平面Pに平行な小平面pを想定することが好ましい。このとき、小平面pには基準格子Kと相似な格子kを設定し、格子kの対応する基準点に向かって眼回旋中心Oから直線L1を延出してレンズ裏面に到達させるようにする。
【0013】
しかし、実施の形態2で使用した手法では指標平面上の歪みのない基準格子Kを得るために元々どのような形から基準格子Kへの投影がされたかがわかるにすぎない。性能表示としては元々が歪みのない格子でこれがレンズを通してどのように歪むかがわからなければ一般的には性能を判定しにくい。従って、この歪曲収差δ1に基づいて基準格子Kがこのレンズを通してどのように見えるかの補正を行う必要がある。
具体的には歪曲収差δに基づいて以下のように補正していく。実空間上の投影点A’はこのレンズを通して見ている者にとっては基準点Aに見える点である。本実施の形態2では基準点Aの含まれる格子領域Φにおいて図8に示すように指標点が指標平面に移動した場合にそれら指標点が元々の基準格子Kのどこの座標にあったものか前もってそのレンズの度数や加入度に基づいてデータ化されている。例えば、指標平面上の指標点aの座標は(a│x,y)=(4,4)である。これは対応する元の指標点a’の座標(a’│x,y)=(3.2,3.2)が投影されたものである。従って、指標点aには指標点a’の座標を付与しておく。同様に指標点bの座標は(b│x,y)=(3,4)であるが、対応する元の指標点b’は(b’│x,y)=(2.5,3.2)の座標であり、指標点cの座標は(c│x,y)=(4,3)であるが、対応する元の指標点c’は(c’│x,y)=(3.2,2.5)の座標となる。尚、本実施の形態2では3つの指標点a〜cをデータとして得ているがこれはもっと多くとも構わない。
これらから、指標平面上領域において実空間上の投影点A’が歪曲収差δ1分だけ移動して基準点Aに投影されるなら、基準格子K上の実空間上の基準点A位置の点は指標平面上ならばどこに投影されるかを比例的に判断することができる。図7では実空間上の基準点Aは補正投影点A1に投影される。この基準点Aと補正投影点A1とのベクトル差の絶対値は補正歪曲収差δ3とされる。
【0014】
次いで上記基準点Aと同様に小平面pの格子k上のすべての基準点について投影点を求め、すべての基準点とその対応する投影点との間の歪曲収差δ1を求めて上記と同様の作業を行い補正投影点を求める。そして補正投影点を結んで連続した描画Mとするためにスプライン補間を施す。この段階で視野画像としての格子図(描画M)を例えばコンピュータのモニタ画面に表示したり、印刷して表現するようにしてもよい。
【0015】
基準レンズ11としてのSVレンズについてこのように補正投影点を求めると、次に図10に示すように性能評価を求めようとする累進多焦点レンズ12についても基準レンズ11と同じ条件、すなわち同じシュミレーションモデルに基づいて視野内にあるすべての交差点を基準点としてそれぞれについて投影点を求め、上記と同様に歪曲収差δ2を求めるとともに、その歪曲収差δ2に基づいて補正投影点を計算し図9に示すようにスプライン補間を施す。
【0016】
本実施の形態2の累進多焦点レンズ12は遠用部+2.0(D)で加入度+2.0(D)に設定されている。そして、累進多焦点レンズ12の各補正歪曲収差δ3から基準レンズ11の対応する補正歪曲収差δ3を減じ収差差εを得る。そして、これら収差差εを基準格子Kの各基準点に対して振り分ける。本実施の形態2では基準点の座標に対して収差差εのベクトル成分を座標として加えて表現するものとする。
例えば、図8と図9を比較して分かるように累進多焦点レンズ12の遠用部に当たる補正投影点A1では加入されていないため、基準レンズ11と比較し累進多焦点レンズ12の投影点A’位置はほとんど変わりがない。従って、この付近ではほとんど収差差εはない。そのため、座標(A│x,y)=(3,3)に対しては収差差εのベクトル成分を座標として加えても(A+ε│x,y)=(3+εx,3+εy)≒(3,3)のままとされる。一方、近用部である下方では図8と図9を比較して分かるように累進多焦点レンズ12の歪曲が顕著である。そのため、座標(C│x,y)=(−3,−3)に対して基準点Cにおける収差差εのベクトル成分を座標として加えると(C+ε│x,y)=(−3+εx,−3+εy)となる。このようにして収差差εを表現すると、それら補正した基準点同士を結んで連続した描画とするために改めてスプライン補間を施し、視野画像としての歪曲した格子図を例えばコンピュータのモニタ画面に表示したり、印刷して表現する。尚、レンズの性能によっては収差差εが小さくレンズの性能が分かりにくい場合もあるため収差差εを誇張して表現してもよい。
【0017】
このように構成することによって、本実施の形態2では次のような効果を奏する。
(1)遠用部の度数と同じ度数のSVレンズを基準レンズ11として使用しているため、純粋に加入による見え方の違いだけを性能として取り出すことができ、性能評価が必要な累進多焦点レンズ12の性能が極めて分かりやすく、メーカーサイドのレンズの比較から、眼鏡店におけるユーザーへの説明まで広く活用することができる。
(2)実際に見える位置(基準点A)と眼回旋中心Oを結ぶ直線L1を基準に元々の物がある位置(A’)を決定して視差を求めるようにしているため、収差を決定するための位置を確定するために何度も光線をとって計算する必要がなく、迅速に収差を得ることができる。
図11〜図14に実施の形態1及び実施の形態2に基づいて収差差εを格子に反映させた図面を表す。これらはいずれも収差差εを誇張して表現した例であって、図11はAレンズ、図12はBレンズのそれぞれ2.5倍に収差差εを誇張した性能評価図であり、(遠用部−4.0(D)、加入度+2.0(D))、図13はCレンズ、図14はDレンズのそれぞれ5倍に収差差εを誇張した性能評価図である(遠用部+4.0(D)、加入度+2.0(D))。
【0018】
なお、この発明は、次のように変更して具体化することも可能である。
・評価対象レンズとして累進多焦点レンズ以外に非球面レンズやバイフォーカルレンズの性能評価を行ってもよい。
・上記実施の形態では基準レンズとして遠用部の度数と同じ度数のSVレンズを採用したが、必ずしも同じ度数でなくともよい。また、SVレンズでなく累進多焦点レンズを基準レンズ11として使用してもよい。すなわち、比較すべきレンズの種類が同じであってもよい。
・10m位置に基準平面Pを設定したが、基準平面Pは仮想的なものであり、位置はどこに設定しても構わない。
・上記実施の形態では歪曲収差δの差を表現するようにしていたが、非点収差の差や平均度数の差を比較してもよい。また、その他のレンズの特性(例えば厚さ)に着目して比較してもよい。
・上記実施の形態では正確な正方形を描く格子が歪曲の度合いが分かりやすいとして、図11〜図14に例として格子が歪曲した図を表したが、ある景色がどのように見えるかというようなシミュレーションをコンピュータのモニタ画面上出行ったり、その画面を印刷したりしてもよい。
・収差差εの拡大率は変更可能で自由に設定できる。
・基準点は計算の迅速性を考慮してむやみに多く取らず基準点間についてはスプライン補間を行うようにしていた。スプライン補間が不要な程度の密度で多きの基準点を取って計算するようにしても構わない。
。その他本発明の趣旨を逸脱しない態様で実施することは自由である。
【0019】
上記実施の形態から把握できる本発明のその他の技術的思想について下記に付記として説明する。
(1)前記収差差は拡大されて表現されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のレンズの性能評価方法
(2)前記単焦点レンズの度数は性能評価を求める累進多焦点レンズの遠用部度数と同じに設定されていることを特徴とする請求項4又は付記1のいずれかに記載のレンズの性能評価方法
(3)基準レンズ及び評価対象レンズは同じ種類のレンズであることを特徴とする請求項1〜3若しくは付記1又は2のいずれかに記載のレンズの性能評価方法。
(4)基準レンズ及び評価対象レンズはともに累進多焦点レンズであることを特徴とする付記3に記載のレンズの性能評価方法。
【0020】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1において基準レンズの収差を算出する方法を説明する概念斜視図。
【図2】 同じ実施の形態1において基準点から眼回旋中心に向かう光線を説明する概念側面図。
【図3】 同じ実施の形態1において眼回旋中心から投影点に向かう光線を説明する概念側面図。
【図4】 同じ実施の形態1において性能評価を求める累進多焦点レンズの収差を算出する方法を説明する概念図。
【図5】 本発明の実施の形態2において基準レンズの収差を算出する方法を説明する概念斜視図。
【図6】 同じ実施の形態2において基準点から眼回旋中心に向かう光線を説明する概念側面図。
【図7】 同じ実施の形態2において眼回旋中心から投影点に向かう光線を説明する概念側面図。
【図8】 同じ実施の形態2において求めた歪曲収差から描画する方法を説明する概念図。
【図9】 同じ実施の形態2において求めた歪曲収差から描画する方法を説明する概念図。
【図10】 同じ実施の形態2において性能評価を求める累進多焦点レンズの収差を算出する方法を説明する概念図。
【図11】 本発明を実施した結果としてのレンズの性能評価の図。
【図12】 本発明を実施した結果としてのレンズの性能評価の図。
【図13】 本発明を実施した結果としてのレンズの性能評価の図。
【図14】 本発明を実施した結果としてのレンズの性能評価の図。
【符号の説明】
11…基準レンズ、12…累進多焦点レンズ、L1,L2…光線、O…眼回旋中心、P…基準平面。

Claims (2)

  1. 基準レンズの歪曲収差を算出するとともに性能評価を求める評価対象レンズの歪曲収差を算出し、両レンズの収差差に基づいて同評価対象レンズの視野画像を表現することを特徴とするレンズの性能評価方法であって、
    前記基準レンズとして単焦点レンズを用いるとともに性能評価レンズを累進多焦点レンズとし、前記基準レンズ及び評価対象レンズのそれぞれについて、無限遠方を含む所定位置に配置された基準平面と眼回旋中心との間の所定位置に配置し、基準平面上に配置された多数の基準点それぞれから同レンズを通した仮想的光線が屈折して眼回旋中心に至るように同光線を設定し、同レンズ裏面から眼回旋中心に至る同光線を延長した直線が基準平面と交差する対応する投影点を求め、同各基準点と投影点とのずれを歪曲収差として取り出すシュミレーションを行い、前記基準レンズと評価対象レンズについてそれぞれ得られた対応する収差の差を算出し、同各収差差に基づいて同評価対象レンズの視野画像を表現するようにしたことを特徴とするレンズの性能評価方法。
  2. 基準レンズの歪曲収差を算出するとともに性能評価を求める評価対象レンズの歪曲収差を算出し、両レンズの収差差に基づいて同評価対象レンズの視野画像を表現することを特徴とするレンズの性能評価方法であって、
    前記基準レンズとして単焦点レンズを用いるとともに性能評価レンズを累進多焦点レンズとし、前記基準レンズ及び評価対象レンズのそれぞれについて、無限遠方を含む所定位置に配置された基準平面と眼回旋中心との間の所定位置に配置し、基準平面上の多数の基準点それぞれと眼回旋中心とを一直線に結ぶ仮想的光線に対して同光線が同レンズを通して屈折された際に基準平面と交差する対応する投影点を求め、同各基準点と投影点とのずれを歪曲収差として取り出すシュミレーションを行い、前記基準レンズと評価対象レンズについてそれぞれ得られた対応する収差の差を算出し、同各収差差に基づいて同評価対象レンズの視野画像を表現するようにしたことを特徴とするレンズの性能評価方法。
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