JP4895226B2 - 重合開始剤、それを用いた高分子修飾材料の製造方法、および高分子修飾材料を含む成型体 - Google Patents

重合開始剤、それを用いた高分子修飾材料の製造方法、および高分子修飾材料を含む成型体 Download PDF

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Description

本発明は、重合開始剤、それを用いた高分子修飾材料の製造方法、および前記高分子修飾材料を含む成型体に関する。
炭素材料は、熱伝導性、電気伝導性、機械的特性などに優れ、また、シリカは、絶縁性、機械的特性などに優れている。しかしながら、このような基材は一般に加工性に乏しく、これがその用途を大きく制限する一因となっている。そこで、前記基材の特性を活用するために、これらの基材を、優れた加工性を有する高分子材料と複合化する試みがなされているが、一般にこれらの基材を高分子材料中に均一に分散させることは困難であり、基材の特性が十分に活用されているとは言えなかった。
これに対して、近年、基材表面に導入した重合開始基を起点に重合を開始し、基材表面に高分子鎖をグラフトする表面開始重合が研究されてきた。例えば、シランカップリング反応を用いて基材表面に重合開始基を導入し、この重合開始基を起点に基材表面に高分子鎖をグラフトする方法が知られている(例えば、特開平11−263819号公報(特許文献1)、特開2006−316169号公報(特許文献2)、Ohno K. et al.、Macromolecules、2005年、第38巻、2137〜2142頁(非特許文献1)およびEjaz M. et al.、Macromolecules、1998年、第31巻、5934〜5936頁(非特許文献2)など)。この表面開始重合法においては、0.1chains/nm以上のグラフト密度を達成することが可能であり、基材表面の低摩擦特性などの新しい機能が発現する。しかしながら、この重合方法では、クロロシランやアルコキシシランなどのシランカップリング剤を用いて基材表面に重合開始基を導入するため、高分子鎖をグラフトできる基材は、実質的にはシリカまたはシリコンに限定されているのが現状であった。
また、カーボンブラックの表面のカルボキシル基に水酸基を有する重合開始剤を反応させてカーボンブラックの表面に重合開始剤を導入し、この重合開始基を起点として高分子鎖をグラフトさせる方法も知られている(Liu T. et al.、J. Polym. Sci. Part A: Polym.
Chem.、2005年、第43巻、4695〜4709頁(非特許文献3))。さらに、カーボンブラックの表面のカルボキシル基を水酸基に変換し、この水酸基に2−ブロモ−2−メチルプロピオニルブロミドを反応させ、カーボンブラックの表面に重合開始剤を固定化する方法も知られている(Yang Q. et al.、J. Polym. Sci. Part A: Polym.
Chem.、2007年、第45巻、3451〜3459頁(非特許文献4))。
しかしながら、これらの表面開始重合法においては、重合開始基を導入する方法が煩雑であったり、反応効率が不十分であるなどの問題があり、高いグラフト密度を達成できていないのが現状である。
特開平11−263819号公報 特開2006−316169号公報 Ohno K. et al.、Macromolecules、2005年、第38巻、2137〜2142頁 Ejaz M. et al.、Macromolecules、1998年、第31巻、5934〜5936頁 Liu T. et al.、J. Polym. Sci. Part A: Polym. Chem.、2005年、第43巻、4695〜4709頁 Yang Q. et al.、J. Polym. Sci. Part A: Polym.Chem.、2007年、第45巻、3451〜3459頁
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、シリカや炭素材料などの基材の表面に高密度で高分子鎖をグラフトすることができ、且つ前記基材が有する特性を備える高分子修飾材料を得ることができる高分子修飾材料の製造方法、これに用いる重合開始剤、および前記高分子修飾材料を含む成型体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ハロゲン化メチル芳香族化合物またはその誘導体が種々の求核性官能基に対して高い反応性を示すため、このハロゲン化メチル芳香族化合物またはその誘導体に重合開始能を有する官能基(以下、「重合開始基」という。)を導入し、この重合開始基を備えるハロゲン化メチル芳香族化合物誘導体と、表面に求核性官能基を有する基材とを反応させることにより、重合開始基を様々な基材の表面に導入することを可能にした。さらに、この重合開始基を起点として前記基材の表面に高分子鎖が高密度にグラフトされることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の原子移動ラジカル重合開始剤は、下記式(1):
−CH−Ar−(Y (1)
[式(1)中、Xはハロゲン原子を表し、Arは芳香族環を表し、Yは重合開始能を備える官能基を含有する基を表し、後述する式(2)〜(6)で表される基のいずれかであり、nは1〜3の整数である。]
で表されるハロゲン化メチル芳香族化合物誘導体を含むことを特徴とするものである。
また、本発明の高分子修飾材料の製造方法は、表面に求核性官能基を有する基材と、前記原子移動ラジカル重合開始剤とを反応させて前記基材の表面に前記原子移動ラジカル重合開始剤を結合せしめる工程と、
表面に前記原子移動ラジカル重合開始剤が結合した前記基材とラジカル重合性モノマーとを反応させて前記基材の表面に前記ラジカル重合性モノマーをグラフト重合せしめる工程と、
を含むことを特徴とする方法である。
また、本発明の成型体は、本発明の製造方法により得られた高分子修飾材料を含有することを特徴とするものである。
本発明によれば、シリカや炭素材料などの基材の表面に高密度でグラフトされた高分子鎖を備え、且つ前記基材が有する特性を備える高分子修飾材料を得ることが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
<重合開始剤>
先ず、本発明の重合開始剤について説明する。本発明の重合開始剤は、下記式(1):
−CH−Ar−(Y (1)
で表されるハロゲン化メチル芳香族化合物誘導体を含むことを特徴とするものである。この重合開始剤は原子移動ラジカル重合開始剤であり、例えば、バルク重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などにおけるラジカル重合開始剤として使用することができる。
前記式(1)中のXはハロゲン原子を表し、前記ハロゲン原子としては、基材表面の求核性官能基に対する反応性の観点から、Cl、BrおよびIが好ましく、BrおよびIが特に好ましい。また、前記式(1)中のnは1〜3の整数である。
前記式(1)中のArは2価の芳香族環を表し、この芳香族環としては、例えば、下記式:
Figure 0004895226
で表される単環、多環および縮合環などが挙げられる。また、環を構成する原子は炭素原子に限定されず、窒素原子または酸素原子などのヘテロ原子が含まれていてもよい。
前記式(1)中のYは重合開始能を備える官能基(重合開始基)を含有する基を表し、この重合開始基は、後述するグラフト重合の開始部位として作用する。このような重合開始基を含有する基としては、下記式(2)〜(6):
Figure 0004895226
で表される基が挙げられる。前記式(2)〜(6)中のXはハロゲン原子を表し、前記ハロゲン原子としては、適当な重合活性を与えるという観点から、Cl、BrおよびIが好ましく、Cl、Brがより好ましい。前記式(2)〜(6)中の*は前記芳香族環との結合部位を表す。
このような基のうち、種々のラジカル重合性モノマーに対して優れた重合開始能を示すという観点から下記式(2a)〜(6a):
Figure 0004895226
で表される基がさらに好ましく、前記式(2a)または(5a)で表される基が特に好ましい。
本発明の重合開始剤には、前記式(1)で表されるハロゲン化メチル芳香族化合物誘導体が1種のみ含まれていてもよいし、ハロゲン原子が異なるものや重合開始基が異なるものを2種類以上含んでいてもよい。
前記式(1)で表されるハロゲン化メチル芳香族化合物誘導体は、重合開始基を有する化合物と、この化合物と反応可能な官能基を有するハロゲン化メチル芳香族化合物誘導体とを反応させることによって得ることができる。この反応の条件(反応温度、反応時間、溶媒、触媒など)は、使用する原料などに応じて適宜設定することができる。
本発明において、前記重合開始基を有する化合物と、この化合物と反応可能な官能基を有するハロゲン化メチル芳香族化合物誘導体との組み合わせは、目的とするハロゲン化メチル芳香族化合物誘導体(前記式(1)で表されるもの)の種類、具体的には導入する重合開始基の種類によって適宜選択される。例えば、前記式(5)で表される基を含むハロゲン化メチル芳香族化合物誘導体は、ハロゲン化イソ酪酸のハロゲン化物とハロゲン化メチルベンジルアルコールとをエステル反応させることにより得ることができる。
が挙げられる。
このようにして得られた前記式(1)で表されるハロゲン化メチル芳香族化合物誘導体中のハロゲン原子は、基材の求核性官能基との反応性を高めたり、重合活性を高めるために、他のハロゲン原子に置換してもよい。
以下に、前記式(1)で表されるハロゲン化メチル芳香族化合物誘導体の具体例を示す。
Figure 0004895226
Figure 0004895226
<高分子修飾材料>
次に、本発明の高分子修飾材料の製造方法について説明する。本発明の高分子修飾材料の製造方法においては、先ず、表面に求核性官能基を有する基材と本発明の重合開始剤とを反応させる。これにより、基材表面の求核性官能基と前記重合開始剤中のハロゲン化メチル基とが反応して基材表面に前記重合開始剤が結合される。
前記求核性官能基としては、アミノ基、カルボキシル基、フェノール性水酸基、メルカプト基、ホスフィノ基およびスルフィノ基などが挙げられ、中でも、前記重合開始剤中のハロゲン化メチル基との反応性の観点からアミノ基、カルボキシル基、フェノール性水酸基が好ましい。
本発明に用いられる基材は求核性官能基を有するものである。このような基材としては、求核性官能基を有する化合物で表面を処理した基材が好ましいが、本発明においては、求核性官能基を有する化合物で表面処理しなくても求核性官能基を有する基材も使用することが可能である。したがって、本発明の製造方法により、元来、求核性官能基を有する基材や求核性官能基が導入可能な基材など様々な種類の基材に高分子鎖をグラフトさせることができ、樹脂材料に様々な機能を付与することが可能となる。このような求核性官能基を有する基材としては、例えば、カーボンブラックなどの元来、求核性官能基を有する基材;シリカ、チタニア、金、カーボンファイバー、カーボンナノチューブなどを、求核性官能基を有する化合物で化学修飾または酸化などの表面処理を施した基材が挙げられる。
上記のように化学修飾または酸化などの表面処理を施す場合においては、処理前の基材は求核性官能基を有するものであっても、求核性官能基がないものであってもよい。前者の場合には、前記化学修飾によって、ハロゲン化メチル基との反応性がより高い求核性官能基に置換したり、より多くの求核性官能基を基材の表面に存在させたりすることが可能となり、一方、後者の場合には、前記表面処理によって、求核性官能基がない基材の表面に求核性官能基を導入することができる。
このような表面処理の条件(温度、時間、溶媒、触媒など)は、使用する原料などに応じて適宜設定することができる。また、このような表面処理に用いられる求核性官能基を有する化合物は、導入する求核性官能基の種類および求核性官能基を導入する基材の種類に応じて適宜選択される。例えば、
(i)シリカまたはチタニアなどの金属酸化物にアミノ基またはメルカプト基を導入する場合には、それぞれ(3−アミノプロピル)トリエトキシシランまたは(3−メルカプトプロピル)トリエトキシシランなどにより表面を化学修飾する。
(ii)炭素材料にカルボキシル基またはフェノール性水酸基を導入する場合には、酸化剤を用いて表面を酸化させる。
(iii)高分子架橋微粒子にアミノ基、カルボキシル基またはフェノール性水酸基を導入する場合には、それぞれ当該官能基を有するモノマーを架橋剤とともに乳化重合する。
また、本発明においては、前記求核性官能基を有する化合物を1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
本発明にかかる求核性官能基を有する基材と前記重合開始剤との定量的な反応においては、基材中の求核性官能基に対して、重合開始剤を1.1モル当量以上混合することが好ましく、5当量モル以上混合することがより好ましい。この重合開始剤の混合量を調整することによって基材表面にグラフトされる高分子の量(グラフト密度)を制御することもできる。一方、重合開始剤の混合量が前記下限未満になると十分な量の重合開始剤が基材表面に導入されず、基材の表面に十分な高分子鎖がグラフトされないため、基材表面が十分に化学修飾されない傾向にある。他方、重合開始剤の混合量の上限は特に制限はないが、著しく過剰に用いると未反応の重合開始剤の除去が困難となる。
求核性官能基を有する基材と重合開始剤との反応において、反応温度は0〜100℃であることが好ましく、20〜60℃であることがより好ましい。反応温度が前記下限未満になると十分な量の重合開始剤が基材表面に導入されず、基材の表面に十分な高分子鎖がグラフトされないため、グラフト密度が低下する傾向にある。他方、反応温度が前記上限を超えると重合開始基からハロゲン化水素が脱離などといった副反応が起こりやすい傾向にある。
また、反応時間は1時間以上であることが好ましく、5時間以上であることがより好ましい。反応時間が前記下限未満になると十分な量の重合開始剤が基材表面に導入されず、基材の表面に十分な高分子鎖がグラフトされないため、グラフト密度が低下する傾向にある。他方、反応時間の上限は特に制限はないが、著しく長い時間反応させるとハロゲン化水素が脱離などといった副反応を助長しやすい傾向にある。
本発明にかかる求核性官能基を有する基材と重合開始剤との反応は、通常、溶媒中で実施される。このとき用いられる溶媒としては、アセトニトリル、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルミドおよびこれらの混合溶媒などが挙げられる。
なお、上記反応においてハロゲン化水素が副生する場合には、これを捕捉するために塩基を共存させることが好ましい。このような塩基としては、無機水酸化物およびアミン類などが挙げられるが、副反応を極力抑制するためには1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン(いわゆる「プロトンスポンジ」と呼ばれるもの)などの低求核性化合物を用いることが好ましい。
次に、前記反応により表面に重合開始剤が結合された基材と、ラジカル重合性モノマーとを反応させる。このとき、前記基材表面の重合開始基を出発点としてラジカル重合性モノマーがグラフト重合され、前記基材の表面が高分子により化学修飾される。
前記ラジカル重合性モノマーとしては特に制限はないが、例えば、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和カルボン酸エステルモノマー、芳香族ビニル系モノマー、オレフィン系モノマーなどが挙げられる。これらのラジカル重合性モノマーにおいては、ハロゲン原子や、シアノ基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、アルコキシ基などの官能基が置換していてもよい。
前記不飽和カルボン酸モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸およびクロトン酸に代表される不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、メチルマレイン酸、メサコン酸、テトラヒドロフタル酸およびメチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸に代表される不飽和ジカルボン酸、ならびにマレイン酸モノエチルに代表される不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステルなどが挙げられる。
前記不飽和カルボン酸エステルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸n−ブチルおよび(メタ)アクリル酸シクロヘキシルに代表される(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。前記芳香族ビニル系モノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン、o−エチルスチレン、p−t−ブチルスチレンおよびp−メチルスチレンなどが挙げられる。前記オレフィン系モノマーとしては、エチレン、プロピレン、イソプレン、ネオプレンおよびブタジエンなどが挙げられる。
本発明においては、このようなラジカル重合性モノマーを1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。また、ラジカル重合性モノマーの混合量を調整することによって基材表面にグラフトされる高分子の分子量を制御することができる。
本発明にかかる前記グラフト重合の反応温度は、各種モノマーの反応性によって適宜設定されるが、例えば、メタクリル酸エステルを用いる場合には、40〜100℃であることが好ましく、60〜80℃であることがより好ましい。反応温度が前記下限未満になると重合速度が極端に低下する傾向にある。他方、反応温度が前記上限を超えると高分子鎖末端からハロゲン化水素が脱離し、高分子鎖の分子量分布が広くなる傾向にある。また、反応時間は通常数時間〜数日間である。この反応時間を調整することによって基材表面にグラフトされる高分子の長さを制御することができる。
本発明にかかる前記グラフト重合は、通常、溶媒中、触媒を用いて実施される。このとき用いられる溶媒としては、トルエン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、メタノール、水およびこれらの混合溶媒などが挙げられる。前記触媒としては、原子移動ラジカル重合に一般的に用いられる遷移金属錯体が挙げられる。遷移金属としてはルテニウム、銅、鉄およびニッケルなどが挙げられる。また、配位子としてはビピリジル誘導体またはペンタメチルジエチレントリアミンなどの脂肪族アミンなどがしばしば用いられる。
このような本発明の高分子修飾材料の製造方法は、基材の表面に重合開始剤を結合させ、この重合開始剤(重合開始基)を起点としてラジカル重合性モノマーをグラフト重合させるという簡便な方法であり、工業的にも有用である。また、ラジカル重合性モノマーの種類を適宜選択することによって、様々な種類の高分子鎖を基材表面に導入できる汎用性の高い高分子修飾材料の製造方法である。
このようにして製造された高分子修飾材料は、それ自体が自己組織的に凝集するため、高分子修飾材料単独で成型体を形成することができる。このような成型体は光学特性に優れた自己組織材料としても有用である。また、基材表面が高分子鎖で覆われているため、樹脂との親和性が高く、樹脂に添加した場合においては優れた分散性を示す。さらに、高分子鎖の種類によって樹脂に対する摺動性または密着性が高くなる。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<重合開始剤の合成>
先ず、トルエン1.2Lにp−キシレン−α,α’−ジオール83g(0.60mol)を懸濁させ、この懸濁液に濃塩酸300mlを添加し、室温で9時間攪拌して反応させた。得られた油層を水洗した後、エバポレータを用いて溶媒を除去して濃縮乾固させた。得られた固形物を、クロロホルムを用いて再結晶させ、p−(クロロメチル)ベンジルアルコールを得た。
次に、脱水エーテル300mlに前記p−(クロロメチル)ベンジルアルコール68g(0.44mol)および脱水ピリジン36g(0.45mol)を添加した。この溶液に、氷浴中で、2−ブロモイソ酪酸ブロミド100g(0.44mol)を脱水エーテル100mlで希釈した溶液を滴下した後、室温で2時間攪拌して反応させた。反応終了後の溶液に水を添加して前記反応により副生した塩を溶解した後、油層を分離回収した。この油層を水洗した後、減圧下で低沸点成分を留去して無色液体の2−ブロモイソ酪酸−p−(クロロメチル)ベンジルを得た。
次に、ジメチルホルムアミド300mlに2−ブロモイソ酪酸−p−(クロロメチル)ベンジル130g(0.43mol)および臭化ナトリウム89g(0.86mol)を添加し、60℃で3時間攪拌して反応させた。反応終了後の溶液にクロロホルムと水とを添加して抽出分離操作を行い、油層を回収した。この油層からエバポレータを用いて溶媒を除去して濃縮した後、得られた固形物を、メタノールを用いて再結晶させ、2−ブロモイソ酪酸−p−(ブロモメチル)ベンジルを得た。
この2−ブロモイソ酪酸−p−(ブロモメチル)ベンジルを、H−NMR分析(DMF−d中、300MHz)により同定した。その結果を図1に示す。また、GC測定を実施したところ、得られた2−ブロモイソ酪酸−p−(ブロモメチル)ベンジルの純度は99%以上であることが確認された。
(実施例2)
<ポリメタクリル酸ブチル修飾カーボンブラックの製造>
先ず、カーボンブラック(三菱化学(株)製「MA285」、比表面積60m/g)1.0g、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)10mlおよび1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン10mg(47μmol)を混合し、この混合物に超音波処理を施して前記カーボンブラックを前記DMAcに分散させた。この分散液に、実施例1で得た2−ブロモイソ酪酸−p−(ブロモメチル)ベンジル0.10g(0.29mmol)を添加し、40℃で12時間反応させ、カーボンブラックに重合開始剤である2−ブロモイソ酪酸−p−(ブロモメチル)ベンジルを導入した。この重合開始剤を導入したカーボンブラック(以下、「重合開始剤修飾カーボンブラック」という。)にメタノールを添加した後、遠心分離を施し、この操作を繰り返して前記重合開始剤修飾カーボンブラックを精製した。
次に、前記重合開始剤修飾カーボンブラック0.20g、2−ブロモイソ酪酸ベンジル5.7μl(30μmol)および臭化銅(I)7.2mg(50μmol)を混合し、これにジメチルアセトアミド10mlを加えて超音波処理を施し、前記重合開始剤修飾カーボンブラックを分散させた。この分散液に、メタクリル酸ブチル30ml(190mmol)および4,4’−ジノニル−2,2’−ビピリジル41mg(100μmol)を添加し、70℃で6時間攪拌して重合を行い、ポリメタクリル酸ブチル修飾カーボンブラック(以下、「PBMA修飾カーボンブラック」という。)を得た。
得られたPBMA修飾カーボンブラック中のPBMA鎖の数平均分子量Mnは、前記重合反応において共存させた遊離の2−ブロモイソ酪酸ベンジルを重合開始剤とした遊離のPBMAの数平均分子量と同じであると仮定し、これをサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を用いて測定し、Mn=129k(Mw/Mn=1.16)と決定した。また、前記PBMA修飾カーボンブラックについて窒素雰囲気下で熱重量分析を行い、重量減少量からPBMA修飾カーボンブラック中のPBMA鎖の含有率を算出したところ、84質量%であった。したがって、使用したカーボンブラックの比表面積を考慮してPBMA鎖のグラフト密度を求めたところ、0.41chains/nmであり、カーボンブラック表面に高密度にPBMA鎖がグラフトされていることが確認された。
(実施例3)
<ポリメタクリル酸メチル修飾シリカ微粒子の製造>
先ず、平均粒径200nmのシリカ微粒子((株)日本触媒製「KE−P20」、半径100nm、密度1.9×10−21g/nm)5gを30mlのアセトニトリル(AcCN)中に分散させた後、(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン1ml(4.3mmol)を添加した。この分散液に超音波処理を施しながら50℃で6時間反応させ、前記シリカ微粒子にアミノ基を導入した。このアミノ基を備えるシリカ微粒子(以下、「アミン修飾シリカ微粒子」という。)にアセトニトリル(AcCN)とジメチルアセトアミド(DMAc)との混合溶媒(AcCN/DMAc(体積比)=2/1)を加えて再分散させた後、遠心分離を施し、この操作を繰り返し施してアミン修飾シリカ微粒子を洗浄した。
次に、AcCN/DMAc(体積比)=2/1の混合溶媒30mlに前記アミン修飾シリカ微粒子4gを分散させ、この分散液に、実施例1で得た2−ブロモイソ酪酸−p−(ブロモメチル)ベンジル0.35g(1.0mmol)および1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン0.13g(0.60mmol)を添加した。この分散液に超音波処理を施しながら50℃で6時間反応させ、前記アミン修飾シリカ微粒子に重合開始剤である2−ブロモイソ酪酸−p−(ブロモメチル)ベンジルを導入した。この重合開始剤を導入したシリカ微粒子(以下、「重合開始剤修飾シリカ微粒子」という)にAcCN/DMAc(体積比)=1/2の混合溶媒を加えて再分散させた後、遠心分離を施し、この操作を繰り返して前記重合開始剤修飾シリカ微粒子を洗浄した。
次に、前記重合開始剤修飾シリカ微粒子2.0g、2−ブロモイソ酪酸ベンジル18.9μl(100μmol)および臭化銅(I)16mg(110μmol)を混合し、これにトルエン60mlを添加して超音波処理を施し、前記重合開始剤修飾シリカ微粒子を分散させた。この分散液に、メタクリル酸メチル60ml(560mmol)および4,4’−ジノニル−2,2’−ビピリジル92mg(230μmol)を添加し、70℃で6時間攪拌して重合を行った。得られた固形物をメタノールで再沈した後、ベンゼンに溶解して遠心分離を施して精製し、ポリメタクリル酸メチル修飾シリカ微粒子(以下、「PMMA修飾シリカ微粒子」という。)を得た。
得られたPMMA修飾シリカ微粒子中のPMMA鎖の数平均分子量Mnは、実施例2と同様にして遊離のPMMAの数平均分子量をSECにより測定し、Mn=46k(Mw/Mn=1.12)と決定した。また、熱重量分析によりPMMA修飾シリカ微粒子中のPMMA鎖の含有率を求めたところ、44質量%であった。したがって、使用したシリカ微粒子の半径および密度を考慮してPMMA鎖のグラフト密度を求めたところ、0.65chains/nmであり、カーボンブラック表面に高密度にPMMA鎖がグラフトされていることが確認された。
また、得られたPMMA修飾シリカ微粒子をプレス成型して30mm×5mm×0.5mmの成型体を作製した。この成型体について反射スペクトル測定装置を用いて波長400〜800nmの範囲における光反射率を測定したところ、図2に示すように、波長580nmを中心とする可視光の反射ピークが観察された。これは、PMMA修飾シリカ微粒子が自己組織的に周期的な構造を形成したことによるものと考えられる。
また、前記PMMA修飾シリカ微粒子成型体の貯蔵弾性率G’および損失弾性率G”のを、40〜200℃の温度範囲について動的粘弾性測定装置(アイ・ティー計測製「DVA−220」)を用いて測定したところ、図3〜4に示すようにPMMAのみの場合に比べて2倍ほど高い値であった。
以上説明したように、本発明によれば、シリカや炭素材料などの基材の表面に高密度でグラフトされた高分子鎖を備え、且つ前記基材が有する特性を備える高分子修飾材料を提供することが可能となる。
また、このような高分子修飾材料を含有する本発明の成型体は、前記基材の優れた特性を備えるものして有用である。
実施例1で得た2−ブロモイソ酪酸−p−(ブロモメチル)ベンジルのH−NMRスペクトルを示すグラフである。 実施例3で得たPMMA修飾シリカ微粒子成型体およびPMMA成型体の可視光反射スペクトルを示すグラフである。 実施例3で得たPMMA修飾シリカ微粒子成型体およびPMMA成型体の貯蔵弾性率G’の温度依存性を示すグラフである。 実施例3で得たPMMA修飾シリカ微粒子成型体およびPMMA成型体の損失弾性率G”の温度依存性を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 下記式(1):
    −CH−Ar−(Y (1)
    [式(1)中、Xはハロゲン原子を表し、Arは芳香族環を表し、Yは重合開始能を備える官能基を含有する基を表し、下記式(2)〜(6):
    Figure 0004895226
    〔式(2)〜(6)中、X はハロゲン原子を表し、*は前記芳香族環との結合部位を表す。〕
    で表されるいずれかの基であり、nは1〜3の整数である。]
    で表されるハロゲン化メチル芳香族化合物誘導体を含むことを特徴とする原子移動ラジカル重合開始剤。
  2. 表面に求核性官能基を有する基材と請求項1に記載の原子移動ラジカル重合開始剤とを反応させて前記基材の表面に前記原子移動ラジカル重合開始剤を結合せしめる工程と、
    表面に前記原子移動ラジカル重合開始剤が結合した前記基材とラジカル重合性モノマーとを反応させて前記基材の表面に前記ラジカル重合性モノマーをグラフト重合せしめる工程と、
    を含むことを特徴とする高分子修飾材料の製造方法。
  3. 請求項2に記載の製造方法により得られた高分子修飾材料を含有することを特徴とする成型体。
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