JPH01268709A - カルボキシル基含有マクロモノマー - Google Patents

カルボキシル基含有マクロモノマー

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JPH01268709A
JPH01268709A JP9684988A JP9684988A JPH01268709A JP H01268709 A JPH01268709 A JP H01268709A JP 9684988 A JP9684988 A JP 9684988A JP 9684988 A JP9684988 A JP 9684988A JP H01268709 A JPH01268709 A JP H01268709A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (イ)発明の目的 〔産業上の利用分野〕 本発明は高分子材料の多機能化の為の有力な材料である
マクロモノマ−1特に工業的に有用な反応性基を含有す
るマクロモノマーに関するものであって、本発明のマク
ロモノマー及び該マクロモノマーを原料として製造され
るグラフトポリマーは、塗料、接着剤、成形材料等の材
料として、またこれらの改質剤等として有用なものであ
り、高分子材料の一層の多機能化の為の有力な材料とな
るもので、塗料、接着剤、成形材料等を使用する各種産
業で巾広く利用されるものである。
〔従来の技術] 高分子材料の多機能化を達成する手段としてブロックポ
リマーやグラフトポリマーを利用する試みはかなり以前
からなされており、構造の明確に規制されたグラフトポ
リマーの合成法として、マクロモノマーを用いる方法も
知られている。マクロモノマーとは分子末端に重合性官
能基を有するオリゴマーまたはポリマーを意味するもの
であって、Macromolecure Monome
rの略である。
マクロモノマーの合成方法は大別すると、イオン重合を
中心とするリビング重合を用いる方法と、ラジカル重合
を中心とする連鎖移動重合法である。
双方とも重合反応の後に分子末端に重合性官能基を導入
する2段目の反応が重要であり、例えば、ヒドロキシル
基とイソシアナート基、ヒドロキシル基と酸クロリド、
カルボキシル基とエポキシ基、カルボン酸塩と塩化−物
等、イオン反応を利用して重合性官能基を導入する方法
が広く採用されている。
しかしながら、リビング重合法や連鎖移動重合法により
得られた重合体を用い、更に分子末端に重合性官能基導
入反応(2段目の反応)を行う際、該重合体の主鎖に反
応性の官能基例えば、カルボキシル基、ヒドロキシル基
、エポキシ基、イソシアナート基、カルボン酸塩等が存
在すると、種々の副反応を起こし、マクロモノマーとし
ての性能が低下(末端基純度の低下や架橋性多官能化合
物の生成)するという問題があった。
より具体的に云えば、例えば、工業的に最も有利でバラ
エティに冨んだ種類のマクロモノマーが製造できるラジ
カル連鎖移動法によるマクロモノマーの製造方法とは、
通常メルカプトプロピオン酸等を連鎖移動剤として末端
カルボキシル型の低ないしは中分子量の重合体(以下プ
レポリマーという)を合成し、それに更にグリシジル(
メタ)アクリレート等を反応させてマクロモノマーを得
る方法であるが、この様な方法では当然、プレポリマー
の主鎖中にカルボキシル基やヒドロキシル基等の官能基
が存在すると、それらの官能基とグリシジル基との反応
がおこり、主鎖中にも重合性官能基が導入され、架橋性
の多官能性化合物となり、この様な化合物を、マクロモ
ノマーとして他のモノマーと重合させると、ゲル化を起
こし易く殆ど使用できない。
一方、マクロモノマーの需要者例えば、塗料、コーティ
ング材料、接着剤、成形材料、医用材料電子材料等の製
造者等は、近年材料に多機能化を求めることが多く、マ
クロモノマーを他のモノマーと共に重合させて得たグラ
フトポリマーに、架橋反応等の反応性を付与したい、無
機物の分散性を向上させたい、更には親水性セグメント
としてマクロモノマーを用いたい(この場合構成成分と
してマクロモノマーが主成分となるグラフトポリマーと
なる)ということで、カルボキシル基等の官能基を含有
するマクロモノマーを要求する声が高まってきた。
従来、カルボキシル基等の反応性基を含有するグラフト
ポリマーを製造する場合は、枝セグメント即ちマクロモ
ノマー主鎖中に反応性基を入れて製造するのではなく、
幹セグメント中即ちマクロモノマーに反応させるモノマ
ーとしてカルボキシル基等の反応性基を含有するモノマ
ーを使用して製造するのが常であった。これは、既に述
べたようなマクロモノマー合成上の制限にもとづくもの
である。
しかしながら、一般にグラフトポリマーの幹セグメント
中に存在する反応性基は、分子の運動性の低さから反応
性に劣り、必要な反応性を得る為には、過剰の反応基を
使用しなければならず、材料物性の低下や製造時の問題
を引き起こしがちであるという問題点を有している。
更に、従来のマクロモノマーは基本的に親油性であるた
めアルコール系や水系での溶液重合には溶解性の点から
ほとんど使用不可能であるという問題点をも有している
従って、カルボキシル基等の反応性基を有するマクロモ
ノマ−(特にビニル重合型マクロモノマ−)への要望は
非常に大きなものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明者らは、上記の要望を満たすべく、反応性基を有
するマクロモノマーを得ることを課題として種々検討を
行った。
(ロ)発明の構成 〔課題を解決する為の手段〕 本発明者らは、三級アルキルエステル基の選択的な分解
反応性を利用することによって、カルボキシル基を主鎖
中にビニル重合性官能基を末端のみに含有するマクロモ
ノマーを容易に製造できるとともに、上記の要望を満た
すことが出来ることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は主鎖中にカルボキシル基を、またビニル
重合性官能基を末端のみに含有することを特徴とするカ
ルボキシル基含有マクロモノマーに関するものである。
Oカルボキシル基含有マクロモノマーの製法本発明のカ
ルボキシル基含有マクロモノマーは三級アルキルエステ
ル基の選択的な分解反応を利用して製造することが出来
、不飽和カルボン酸の三級アルキルエステル化合物に基
づく単量体を主鎖中に含み、末端にビニル重合性官能基
を有する三級アルキルエステル基含有マクロモノマーの
三級アルキルエステルを分解させて三級カルボキシル基
を脱離させることによって製造することが出来るもので
ある。
以下その方法を詳細に説明する。
■三級アルキルエステル基含有マクロモノマーの製法 マクロモノマーの製法は、公知であり、ラジカル重合法
およびイオン重合法が挙げられるが、厳密な精製操作の
必要がな(工業的に有利であるという理由から、好適に
はラジカル重合法が用いられる。
以下三級アルキルエステル基含有マクロモノマーの製法
として、ラジカル重合法による製法について説明する。
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、カルボキシル置換スチレン誘導体等の不飽和カルボ
ン酸の三級アルキルエステル等の三級アルキルエステル
基を含むラジカル重合性モノマーもしくはそれらと酢酸
ビニルの如き有機酸のビニルエステル、スチレン、スチ
レンIm 体等のビニル芳香族化合物、(メタ)アクリ
ル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、N−ビニル
ピロリドン及びN−ビニルカプロラクタムの如きN−ビ
ニル化合物、塩化ビニル、塩化ビニリデンの如き不飽和
ハロゲン化物等ラジカル重合性モノマーを、官能基を有
するメルカプタン系連鎖移動剤の存在下でラジカル重合
させて、末端に官能基を持つプレポリマーを合成し、そ
の後、該官能基と反応しうる反応性基とビニル重合性基
の両方を有するビニル化合物とプレポリマーとを反応さ
せて三級アルキルエステル基含有マクロモノマーを得る
尚、不飽和カルボン酸の三級アルキルエステルにおける
不飽和カルボン酸としては(メタ)アクリル酸が好まし
く使用される。また、好ましい三級アルキル基は三級ブ
チル基である。
プレポリマーを合成する際におけるラジカル重合性モノ
マー中における三級アルキルエステル基を含有する七ツ
マ−の好ましい使用量は、0.1%以上であり、更には
1.0%以上である。三級アルキルエステル基含有モノ
マーの使用量が0.1%以下では、最終的に得られるカ
ルボキシル基含有マクロモノマー中のカルボキシル基が
少なすぎ、反応性を付加することが出来ない恐れがある
。三級アルキルエステル基含有モノマーの使用量は、目
的とするカルボキシル基含有マクロモノマー中に導入し
たいカルボキシル基含有量に応じて決めればよく100
%、言い換えれば、三級アルキルエステル基含有モノマ
ーのみからなるプレポリマーとすることも可能である。
三級アルキルエステル基を有するモノマー以外のモノマ
ーとしては、2段目の重合性基導入反応の際副反応を起
こし難く、かつ連鎖移動反応による分子量制御が容易な
、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニト
リル、スチレン誘導体が好適に用いられる。
これらの七ツマ−は、単独でも併用しても使用される。
メルカプタン系連鎖移動剤の官能基としては、後で反応
させるビニル化合物との関連でカルボキシル基が一般的
であり、カルボキシル基を有するメルカプタン系連鎖移
動剤としては、メルカプト酢酸、2−メルカプトプロピ
オン酸、3−メルカプトプロピオン酸等が挙げられる。
プレポリマー製造の際の重合の方法としては、ラジカル
重合開始剤の存在下或いは非存在下で溶液重合法・バル
ク重合法・けん濁重合法・エマルジョン重合法のいずれ
かの方法を用いれば良い。
この際使用するラジカル重合開始剤としては、通常のア
ゾ系開始剤や過酸化物開始剤が使用できるが、メルカプ
タン化合物との反応を避ける為アブ系開始剤が好ましい
。アブ系開始剤としては、2.2−アゾビスイソブチロ
ニトリ)Li(以下AIBNと略記する) 、4.4−
アゾビス−4−シアノバレリックアシド(以下ACVA
と略記する)、1−アゾビス−1−シクロヘキサンカル
ボニトリル(以下ACINと略記する)等が好んで用い
られる。
プレポリマーと反応させるビニル化合物としては、プレ
ポリマーの末端官能基がカルボキシル基の場合は、カル
ボキシル基と反応性の高いエボキシ基とビニル重合性基
の双方を有する化合物が代表例として挙げられる。その
例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、アリル
グリシジルエーテル、クロルメチルビニルベンゼン等が
挙ケラれるが、これらは最終的に得られるカルボキシル
基含有マクロモノマーを用いてグラフトポリマーを製造
する際のビニル単量体との共重合性を考慮して選ぶのが
好ましい。
プレポリマーとエポキシ基含有ビニル化合物との反応(
即ちプレポリマーへのビニル重合性官能基の導入による
マクロモノマー化反応)は、主として溶液中で触媒、及
び必要に応じて反応中での重合反応を防ぐ為の重合防止
剤を添加して行われる。
マクロモノマー化反応は、上記したプレポリマー、反応
性基含有ビニル化合物、触媒、溶剤等を含む均一溶液を
反応温度まで加熱して数時間反応することにより行われ
る。
反応性基含有ビニル化合物の仕込み量は、プレポリマー
の末端官能基に対して0.8〜5.0倍モルとすること
が好ましく、0.9〜3.0倍モルが更に好ましい。仕
込み量が0.8倍モル以下では生成したマクロモノマー
の末端基純度が低くなり、仕込み量が5.0倍モル以上
では、最終的に得られたマクロモノマーをグラフトポリ
マーの原料として或いは高分子材料として利用する際の
不純物となり不都合を生じることが多い。
反応温度としては室温〜150°Cが好ましく、50〜
100°Cが更に好ましい。反応温度が室温以下では反
応速度が遅く、150°Cを越えるとビニルモノマーが
沸騰したり重合反応が過激に起こり易い。
触媒としては、三級アミン、四級アンモニウム塩等が使
用出来る。 触媒は反応溶液全体に対して0.1〜3重
量%使用することが好ましい。触媒量が0.1%以下で
は反応速度が遅く、3%以上では最終的に得られたマク
ロモノマーをグラフトポリマーの原料としてとして或い
は高分子材料として利用する際の不純物となり不都合を
生じることが多い。
溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族化合物、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケト
ン等が好ましく用いられる。
また重合防止剤を使用する場合は、公知のラジカル重合
防止剤であるハイドロキノン、ハンドロキノンモノメチ
ルエーテル、フェノチアジン等を使用すれば良い。尚重
合を防止する為、酸素含有気体を反応液にバブリングし
ても良い。
このようにして得られるマクロモノマーの分子量は、最
終目的であるカルボキシル基含有マクロモノマーの重合
性を損なうことがない範囲のものであることが好ましく
、数平均で1000〜50000であることが好ましく
、2000〜40000であればより好ましい。分子量
が1000未満ではポリマー単位としての重合度が低す
ぎ、グラフトポリマーの原料として用いた際に、マクロ
モノマーの物性がグラフトポリマーの物性に反映されな
い恐れがあり、又50000を超えるとグラフトポリマ
ー製造時の重合性が低下し反応系の相分離を起こし易く
なる等の不都合を生じ易い。
上記マクロモノマーの数平均分子量は、ゲルパーミェー
ションクロマトグラフィー(以下GPCという)による
ポリスチレン換算分子量であり。
測定条件は次のとおりである。
装置:高速液体クロマトグラフィー(例えば東洋曹達工
業■製画品名HLC−80211R)カラム:ポリスチ
レンのゲル(例えば東洋曹達工業■製画品名G4000
)1B及びG300ONB )溶出溶媒:テトラヒドロ
フラン(以下THFと略記する) 流出速度: 1.Oml/min カラム温度:40°C 検出器:RI検出器 ■カルボキシル基含有マクロモノマーの製法カルボキシ
ル基含有マクロモノマーは前記の様にして得た三級アル
キルエステル基を含有するマクロモノマーを、酸触媒の
存在下または非存在下で分解反応を起こさせて製造され
る。
この分解反応は、高温下での無触媒反応によっても、又
酸触媒を用いた低温での反応によっても構わないが、分
解反応時の重合を押さえる為酸触媒を用いるのが好まし
い。
反応は、反応容器に上記で得られた三級アルキルエステ
ル基を含有するマクロモノマー1溶媒、溶媒に可溶な酸
触媒例えばパラトルエンスルホン酸、必要ならばさらに
重合禁止剤を仕込み、加熱撹拌することにより容易に進
行する。反応率はアルカリ滴定による酸価の測定によっ
て容易に求めることができる。
溶媒としては原料成分を溶解することのできる有機溶媒
から通常は選ばれるが、原料の溶解性以外に、分解生成
物であるカルボキシル基含有マクロモノマーの溶解性も
考慮して、溶媒を選定することが望ましく、前記三級ア
ルキルエステル基含有マクロモノマーの製造の際に用い
られた溶媒およびそれらの溶媒にエタノール、メタノー
ル、イソプロパツール等のアルコール等の極性溶媒を混
合したものが用いられる。
パラトルエンスルホン酸等の酸触媒の使用量は、反応液
全体に対して0.05〜5.0重量%が好ましく、0.
1〜30重量%がより好ましい。酸触媒が0.05重量
%未満では反応速度が遅く、5.0重量%を越えると副
反応や生成物の安定性の悪化が問題となりやすい。
反応温度としては、室温〜150°Cが好ましい。
反応温度が室温以下では反応速度が遅く、150°C以
上では重合反応が起こりマクロモノマー純度が低下し易
い。重合反応を抑制する為、ハイドロキノン、ハイドロ
キノンモノメチルエーテル、フェノチアジン等の重合禁
止剤を添加してもよいし、酸素含有ガスをバブリングす
る等の方法をとっても良い。
目的とするカルボキシル基含有量を得る為には、上記し
た触媒の選定、触媒量、反応温度、反応時間等を調節し
て反応を行うことが必要である。原料マクロモノマー中
の三級アルキルエステル基の反応転化率は、目的とする
カルボキシル基含有量に応じて設定されるが、好ましく
は0.1〜80%の転化率、より好ましくは0.5〜8
0%の転化率で反応を終了する。転化率が0.1%未満
であるとカルボキシル基の有効量を得ることが困難にな
り、80%を越える様になると、他のエステル結合、特
にビニル重合性官能基がエステル結合で末端に存在して
いる際のエステル結合も分解される様になり、マクロモ
ノマーの純度が低下する恐れがある。
以上のようにして製造したカルボキシル基含有マクロモ
ノマーは、そのままで或いは溶媒除去後マクロモノマー
としての用途に供することができるが、望ましくは、使
用した酸触媒を中和処理や陰イオン交換樹脂による処理
で除去することが好ましい。酸触媒がマクロモノマー中
に残存していると、マクロモノマーを他の七ツマ−と共
重合する際、ポリマー中のエステル結合特にマクロモノ
マーの末端重合性基に隣接したエステル結合が分解する
恐れがある。
以上のようにして得たカルボキシル基含有マクロモノマ
ーは、カルボキシル基の反応性を利用して更に変性する
こともできる。例えばカルボン酸塩にしたい場合は水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸
化カルシウム等のアルカリ物質で中和すればよいし、ア
ルコール化合物、エポキシ化合物、アミン化合物、イソ
シアネート化合物等と反応させて変性することもできる
製造したマクロモノマーは溶液のまま、或いは溶剤を除
去して固体化した後、マクロモノマーとしての用途に供
することができる。
〔作用〕
一般的に、三級アルキルエステル基は100°C以上の
高温で熱分解し、カルボン酸とオレフィンを生成する。
この際、酸触媒を使用することによって100°C以下
の低温でも反応が進行することが知られている。この反
応は例えばアルカリによるケン化反応等と比較して選択
性に優れ、三級アルキルエステル基のみを分解できる点
に特徴を持っている。本発明者らはこの点に着目してマ
クロモノマーの製造に応用して、新規な優れた性能を有
するマクロモノマーを作り得たのである。
〔参考例、実施例及び比較例〕
以下に参考例、実施例及び応用例を挙げ本発明をより具
体的に説明する。なお各側に記載の%はすべて重量%を
表し、部は重量部を表す。
参考例1 撹拌機、還流冷却器2滴下ロート、ガス導入管及び温度
計を取りつけたガラスフラスコに、t−ブチルメタクリ
レート50部、メルカプト酢酸6.07部、トルエン5
0部を仕込み、滴下ロートにt−ブチルメタクリレート
100部、トルエン100部、アゾビスイソブチロニト
リル1.5部の溶液を入れた。フラスコを加熱昇温して
内溶液の温度を90″Cに設定し、滴下ロートの溶液を
3時間かけて滴下した。さらに4時間反応させて、末端
カルボキシル型のプレポリマーを得た。この溶液に、グ
リシジルメタクリレート10部、四級アンモニウム塩1
.5部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.06部
を仕込み、空気バブリング下で90°C18時間反応さ
せた。酸価から求めた反応転化率は99゜0%であった
。真空乾燥によって溶媒を除去し、固形状のt−ブチル
メタクリレート骨格マクロモノマー142部を得た。こ
のものの、ゲルパーミェーションクロマトグラフィーに
よるポリスチレン換算平均分子量は、Mn・3200 
、Mw・6500であった。
この赤外線吸収スペクトルを第1図、核磁気共鳴吸収ス
ペクトルを第2図に示す。
参考例2 モノマーとしてt−ブチルメタクリレートの替わりに、
t−ブチルメタクリレート/メチルメタクリレート=2
/8 (重りの混合モノマーを使用すること以外は参考
例1と同様の方法でマクロモノマーを製造し、固形状の
t−ブチルメタクリレート共重合体骨格マクロモノマー
145部を得た。このものの、ゲルパーミェーションク
ロマトグラフィーによるポリスチレン換算平均分子量は
Mn・2700、Mw・5400であった。
実施例1 撹拌機、還流冷却器、及び温度計を取りつけたガラスフ
ラスコに、参考例1で得たt−ブチルメタクリレート骨
格マクロモノマー10部、メチルイソブチルケトン20
部、パラトルエンスルホン酸0.15部、ハイドロキノ
ンモノメチルエーテル0.006部を仕込み、80°C
で3時間反応させた。放冷後、市販の陰イオン交換樹脂
0.6部を添加して30分間撹拌した。−晩放置後、反
応液を濾過して陰イオン交換樹脂を除いた後真空乾燥し
、固形状のカルボキシル基含有マクロモノマーを得た。
このものの酸価は、0.228(meq/g)であり、
1.96%のメタクリル酸ユニット含有量となる。ゲル
パーミェーションクロマトグラフィーによるポリスチレ
ン換算平均分子量は、Mn・3200、M−・6300
であった。
得られたマクロモノマーを等量のメタクリル酸メチルと
溶液ラジカル共重合させて、重合前後のGPCチャート
を比較したところ、マクロモノマーのピークの消失が確
認され、高純度のマクロモノマーであることが示された
実施例2 反応条件を90°C14時間とする以外は、実施例1と
同様にして反応・処理を行い、固形状のカルボキシル基
含有マクロモノマーを得た。このものの酸価は、2.0
12(ieq/g)であり、17.3%のメタクリル酸
ユニット含有量となる。ゲルパーミェーションクロマト
グラフィーによるポリスチレン換算平均分子量は、Mn
=3100 、Ms*=6200であった。
得られたマクロモノマーを等量のメタクリル酸メチルと
溶液ラジカル共重合させて、重合前後のGPCチャート
を比較してところ、マクロモノマーのピークの消失が確
認され、高純度のマクロモノマーであることが示された
。このマクロモノマーの核磁気共鳴吸収スペクトルを第
3図に、赤外線吸収スペクトルを第4図に、このマクロ
モノマーのカリウム塩の赤外線吸収スペクトルを第5図
に示す。
実施例3 撹拌機、還流冷却器、及び温度計を取りつけたガラスフ
ラスコに、参考例1で得たt−ブチルメタクリレート骨
格マクロモノマー50部、メチルイソブチルケトン50
部、パラトルエンスルホン酸1.0部、ハイドロキノン
モノメチルエーテル0.02部を仕込み、90°Cで9
時間反応させた。反応開始4時間後にエタノール20部
を追加し、更に2時間後にエタノール30部を追加した
。放冷後、市販の陰イオン交換樹脂4.0部を添加して
30分間撹拌した。−晩放置後、反応液を濾過して陰イ
オン交換樹脂を除いた後真空乾燥し、固形状のカルボキ
シル基含有マクロモノマーを得た。このものの酸価は、
6.425(meq/g)であり、55.3%のメタク
リル酸ユニット含有量となる。ゲルパーミェーションク
ロマトグラフィーによるポリスチレン換算平均分子量は
、Mn=1400 、Mw=1800であった。
得られたマクロモノマーを等量のメタクリル酸メチルと
溶液ラジカル共重合させて、重合前後のGPCチャート
を比較したところ、マクロモノマーのピークの減少が確
認され、高カルボキシル含量のマクロモノマーであるこ
とが示された。このマクロモノマーの核磁気共鳴吸収ス
ペクトルを第6図に、赤外線吸収スペクトルを第7図に
、このマクロモノマーのカリウム塩の赤外線吸収スペク
トルを第8図に示す。
実施例4 撹拌機、還流冷却器、及び温度計を取りつけたガラスフ
ラスコに、参考例2で得たt−ブチルメタクリレート共
重合体骨格マクロモノマー50部、メチルイソブチルケ
トン50部、パラトルエンスルホン酸1.0  部、ハ
イドロキノンモノメチルエーテル0.02部を仕込み、
90°Cで6時間反応させた。放冷後、市販の陰イオン
交換樹脂4.0部を添加して30分間撹拌した。−晩放
置後、反応液を濾過して陰イオン交換樹脂を除いた後真
空乾燥し、固形状のカルボキシル基含有マクロモノマー
を得た。このものの酸価は、1.117(meq/g)
であり、9゜6%のメタクリル酸ユニット含有量となる
。ゲルパーミェーションクロマトグラフィーによるポリ
スチレン換算平均分子量は、Mn=2600 、 Mw
=4900であった。
得られたマクロモノマーを等量のメタクリル酸メチルと
溶液ラジカル共重合させて、重合前後のGPCチャート
を比較したところ、マクロモノマーのピークの消失が確
認され、高純度のマクロモノマーであることが示された
(ハ)発明の効果 本発明のマクロモノマーは他の七ツマ−と共重合させて
グラフトポリマーとし、接着剤や粘着剤、塗料、コーテ
ィング材料、成形材料、エラストマー、医用材料、電子
材料その他の高分子材料として利用できる。例えばカル
ボキシル基含有セグメントの凝集力を利用して物理的架
橋効果発現させ、ホントメルト粘着剤や熱可塑性エラス
トマーを得ることができる。また反応性のグラフトポリ
マーとして、架橋反応や変性(例え−ばエポキシ化合物
、アミン、アルコール、イソシアナート、アルカリ化合
物等との反応)を行い、高分子材料の高性能、多機能化
に役立てる事ができる。
さらに、改質剤として利用し、−a的な高分子材料の高
機能、高性能化の手段として利用することもできる。
改質剤として用いる例としては、各種高分子材料の表面
及び界面改質剤(表面の親水化剤、下地との密着性、接
着性向上剤等)、ポリマーブレ〉′ド相溶化剤(ナイロ
ン系ブレンドの相溶化剤等)、分散剤(無機充填剤や頭
料の分散性向上剤等)、乳化剤(反応性乳化剤等)、生
体適合性材料や選択的透過膜材料等の機能材料等、グラ
フトポリマーの持つ界面活性や多相構造を利用した用途
を挙げることができる。
この様に本発明の工業的な価値は非常に大きく業界に寄
与すること大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は参考例1で得たし一ブチルメタクリレート骨格
マクロモノマーの赤外線吸収スペクトル、第2図はその
核磁気共鳴吸収スペクトル、第3図は実施例2で得たマ
クロモノマーの核磁気共鳴吸収スペクトル、第4図はそ
の赤外線吸収スペクトル、第5図該マクロ七ツマーのカ
リウム塩の赤外線吸収スペクトル、第6図は実施例2で
得たマクロモノマーの核磁気共鳴吸収スペクトル、第7
図はその赤外線吸収スペクトル5、第8図は該マクロモ
ノマーのカリウム塩の赤外線吸収スペクトルを示す。な
お、核磁気共鳴吸収スペクトル図中にある×印は不純物
による吸収であることを示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1、主鎖中にカルボキシル基を、またビニル重合性官能
    基を末端のみに含有することを特徴とするカルボキシル
    基含有マクロモノマー。
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