JPH10130347A - ポリマーの製造法 - Google Patents

ポリマーの製造法

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JPH10130347A
JPH10130347A JP28445396A JP28445396A JPH10130347A JP H10130347 A JPH10130347 A JP H10130347A JP 28445396 A JP28445396 A JP 28445396A JP 28445396 A JP28445396 A JP 28445396A JP H10130347 A JPH10130347 A JP H10130347A
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JP
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halogen
polymer
monomer
polymerization
group
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JP28445396A
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English (en)
Inventor
Yuriko Kaida
由里子 海田
Jiyunichi Tayanagi
順一 田柳
Hirotsugu Yamamoto
博嗣 山本
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】重合条件に制約が少ない容易な方法で2種のモ
ノマーを重合してブロックコポリマーを製造する方法を
提供する。 【解決手段】分子末端に少なくとも1つの炭素−ハロゲ
ン結合(ただし、ハロゲンは塩素、臭素およびヨウ素か
ら選ばれるハロゲン)を有するハロゲン含有ポリマー
(X)の存在下に、重合性不飽和基を含有するモノマー
(Y)を重合する。ハロゲン含有ポリマー(X)はハロ
ゲン原子移動型リビングラジカル重合法で重合して得ら
れたポリマーであることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は分子末端に少なくと
も1つの炭素−ハロゲン結合を有するハロゲン含有ポリ
マー(X)の存在下に重合性不飽和基を含有するモノマ
ー(Y)を重合することにより、モノマー(Y)の重合
した連鎖のポリマー(X)末端への連鎖移動を利用し、
簡便にブロックコポリマーを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ブロックコポリマーは2種類以上の異な
ったモノマーがそれぞれ重合した連鎖を1分子中に有し
ているためそれぞれの連鎖に由来した様々な性質が発現
するばかりではなく、本来、非相溶である連鎖を組み合
わせることで、従来にない性質を発現することが可能で
ある。このようなブロックコポリマーの用途は多岐にわ
たり、相溶化剤、界面活性剤、表面改質剤、エラストマ
ー等として広く用いられている。
【0003】ブロックコポリマーを合成する手法として
は「リビング重合」が一般的である。例えば、SBR等
はスチレンとブタジエンのリビングアニオン重合により
合成されている。また、リビングカチオン重合や、最
近、注目を集めている「リビングラジカル重合」によっ
てもブロックコポリマーの合成は可能である。しかし、
リビングアニオン、およびリビングカチオン重合は、
1)副反応を抑制するために低温で行う必要がある、
2)官能基を有するモノマーには不適当である、3)系
中の不純物の影響によりリビング性が低下することなど
から汎用性は低いものである。一方、リビングラジカル
重合は1)室温以上の適当な温度で重合が行える、2)
モノマーの官能基、系中の不純物の影響を受けない等の
点でリビングイオン重合に比べ高い汎用性を有してい
る。しかし、現在のところ、重合可能なモノマーに制約
がありスチレン、アクリル等のモノマー以外ではポリマ
ーが得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、リビングラ
ジカル重合等を利用してより簡便にブロックコポリマー
を製造する方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は分子末端に少な
くとも1つの炭素−ハロゲン結合を有するハロゲン含有
ポリマー(X)を用いてブロックコポリマーを製造する
下記方法である。
【0006】分子末端に少なくとも1つの炭素−ハロゲ
ン結合を有するハロゲン含有ポリマー(X)の存在下
に、重合性不飽和基を含有するモノマー(Y)を重合す
ることを特徴とするポリマーの製造法。
【0007】ポリマー(X)の存在下にモノマー(Y)
を重合することにより、モノマー(Y)が重合した連鎖
はポリマー(X)末端に結合し、ブロックコポリマーが
形成される。このモノマー(Y)の重合はラジカル重合
開始剤を使用して行うことが適当である。ラジカル重合
開始剤より発生するラジカルが起因となって重合の開始
反応、成長反応、連鎖移動反応等が起こり目的とするブ
ロックコポリマーが生成する。例えば、ラジカルがポリ
マー(X)末端のハロゲン原子を引き抜いてポリマー
(X)末端にラジカルを形成させ、この末端ラジカルの
ポリマー(X)にモノマー(Y)が付加重合する。この
ラジカルはラジカル重合開始剤より発生するラジカルは
勿論、重合途中のポリマーの末端のラジカルなどがあ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明におけるハロゲン含有ポリ
マー(X)は第2の重合性不飽和基を含有するモノマー
(Z)を重合して得られたポリマーである。ハロゲン含
有ポリマー(X)分子末端におけるハロゲンは、塩素、
臭素およびヨウ素から選ばれたハロゲンであり、ハロゲ
ン含有ポリマー(X)はこのハロゲン原子を少なくとも
1個有する。ハロゲン含有ポリマー(X)は2以上の分
子末端を有するが、そのうちの少なくとも1つの分子末
端にハロゲン原子が存在すればよい。好ましくは1つの
分子末端に1個のハロゲン原子を有する。またハロゲン
原子含有分子末端の数は、1からハロゲン含有ポリマー
(X)の末端数までである。通常の線状ポリマーにおい
ては末端数は2であるので、その場合分子末端ハロゲン
原子の数は1〜2個が好ましく、特に1個が好ましい。
なお、ハロゲン含有ポリマー(X)はさらに分子末端以
外に上記ハロゲン原子が存在していてもよい。また、フ
ッ素原子は分子末端やそれ以外の部分に存在していても
よい。
【0009】上記モノマー(Z)はモノマー(Y)とは
異なる種類のものであることが好ましい。また、同じ種
類のものであっても、例えば、モノマー(Z)、モノマ
ー(Y)がいずれも同じ2種のモノマーの組み合わせか
らなりかつその2種の割合が異なる場合のように、モノ
マー(Z)から形成される連鎖とモノマー(Y)から形
成される連鎖が異なる性質を有しているものであればよ
い。
【0010】このハロゲン含有ポリマー(X)として
は、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合などで
得られるポリマーが挙げられるが、少なくとも1個の炭
素−ハロゲン結合を確実に分子末端に導入するために
は、リビングラジカル重合の1つである「ハロゲン原子
移動ラジカル重合」(J.Wang and K.Matyjaszewski, J.A
m.Chem. Soc.,117, 5614 (1995)) により製造されたも
のであることが好ましい。このハロゲン原子移動型リビ
ングラジカル重合法としては、塩素、臭素およびヨウ素
から選ばれるハロゲンを少なくとも1個有する有機ハロ
ゲン化合物(A)、周期律表第4族〜第12族から選ば
れる遷移金属と塩素、臭素およびヨウ素から選ばれるハ
ロゲンとを構成要素とするハロゲン化金属(B)、およ
びハロゲン化金属(B)に配位可能な配位子(C)を反
応させて得られる反応生成物(D)を重合開始剤とする
重合法であることが好ましい。
【0011】有機ハロゲン化合物(A)としては、1個
以上の炭素−ハロゲン結合(ハロゲンは塩素、臭素また
はヨウ素)を有する種々の有機化合物を使用できる。ハ
ロゲンとしてはヨウ素が好ましい。2以上のハロゲン原
子は同一の炭素原子に結合していてもよく、異なる炭素
原子に結合していてもよい。好ましくは2以上のハロゲ
ン原子は異なる炭素原子に結合する。有機ハロゲン化合
物(A)1分子中の炭素原子に結合したハロゲン原子の
数は、特に限定されないが、6以下が好ましく、さらに
は1または2が好ましい。
【0012】有機ハロゲン化合物(A)としては、脂肪
族炭化水素系ハロゲン化合物、脂環族炭化水素系ハロゲ
ン化合物、芳香族炭化水素系ハロゲン化合物、複素環系
ハロゲン化合物などの有機ハロゲン化合物、およびフッ
素原子、酸素原子、窒素原子などを有する置換基や結合
を含む有機ハロゲン化合物誘導体である。
【0013】有機ハロゲン化合物(A)としては、例え
ば、アルキルハライド、アラルキルハライド、酸ハロゲ
ン化物などがある。具体例としては、例えば、塩化メチ
ル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、臭化メ
チル、ヨウ化メチル、1−フェニルエチルクロライド、
ベンジルクロライド、1−フェニルエチルブロマイド、
ベンジルブロマイド、1−フェニルエチルヨージド、ベ
ンジルヨージド、酢酸クロライド、安息香酸クロライ
ド、アルキル基部分の炭素数が1〜20のパーフルオロ
アルキルヨージドやパーフルオロアルキルブロマイドな
どがある。
【0014】ハロゲン化金属(B)の金属種は周期表第
4族〜第12族から選ばれる遷移金属であり、特に周期
表第8族〜第11族から選ばれる遷移金属が好ましい。
なかでも原子番号22番のTiから30番のZnまでの
金属が適当であり、そのうちでもFe、Co、Ni、C
uが好ましい。最も好ましい金属はCuである。特に好
ましいハロゲン化金属(B)はハロゲン化第一銅、すな
わち塩化第一銅、臭化第一銅、およびヨウ化第一銅であ
る。
【0015】ハロゲン化金属(B)に配位可能な配位子
(C)としては、ハロゲン化金属(B)に配位可能であ
れば、制限は特にない。具体的にはピリジン、2,2’
−ビピリジル、4,4’−ビピリジル、1,10−フェ
ナントロリン、エチレンジアミン、4−ビニルピリジ
ン、ジメチルグリオキシム、テルピリジン、ポルフィリ
ン等の含窒素化合物、またはトリフェニルホスフィン等
の含リン化合物が挙げられる。特に2,2’−ビピリジ
ルと1,10−フェナントロリンが好ましく、さらに
2,2’−ビピリジルが好ましい。
【0016】本発明において有機ハロゲン化合物
(A)、ハロゲン化金属(B)および配位子(C)を反
応させて得られる反応生成物が重合開始剤として使用さ
れる。これら3者の反応温度は80〜150℃が好まし
い。
【0017】有機ハロゲン化合物(A)に対するハロゲ
ン化金属(B)の反応割合は、有機ハロゲン化合物
(A)中のハロゲン原子の数をm個とすると、有機ハロ
ゲン化合物(A)1モルに対しハロゲン化金属(B)約
mモルであることが好ましい。配位子(C)の反応割合
はハロゲン化金属(B)中の金属原子1個に対し配位し
うる分子数の割合であることが好ましい。例えば、ハロ
ゲン化金属(B)がハロゲン化第一銅の場合、銅原子1
個に対し2,2’−ビピリジルは3分子配位することよ
り、ハロゲン化第一銅1モルに対し2,2’−ビピリジ
ル3モルを反応させる。
【0018】モノマー(Z)の重合は無溶媒で行っても
よく、溶媒中で行ってもよい。溶媒としてはベンゼン、
トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒や1,3−ビ
ス(トリフルオロメチル)ベンゼンなどのフッ素化炭化
水素系溶媒が好ましい。また、重合はモノマー(Z)が
重合しうる温度で行えばよいが、反応速度、モノマー
(Z)の重合性および溶媒の沸点等より80〜130℃
が好ましい。得られたポリマーは分子末端に少なくとも
1個の炭素−ハロゲン結合を確実に有しハロゲン含有ポ
リマー(X)として特に適したポリマーである。
【0019】ハロゲン含有ポリマー(X)を用いてモノ
マー(Y)を重合する方法としては従来広く用いられて
いる重合法を使用しうる。特に、ラジカル重合開始剤を
用いたラジカル重合法が好ましい。例えば、パーオキサ
イドを用いて、溶液重合、塊重合、乳化重合、懸濁重合
などの方法でポリマーを製造することができる。
【0020】ラジカル重合開始剤としては、通常のラジ
カル重合に用いられるベンゾイルパーオキサイド等のジ
アシルパーオキサイド、クミルハイドロパーオキサイド
等のハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキ
サイド等のジアルキルパーオキサイド、t−ブチル−パ
ーオキシイソブチレート等のパーオキシエステル、ジイ
ソプロピルパーオキシジカーボネート等のパーオキシカ
ーボネート等の過酸化物、またはアゾビスイソブチロニ
トリル等のアゾ化合物が挙げられる。
【0021】モノマー(Y)およびモノマー(Z)とし
ては、付加重合しうる種々の重合性不飽和基を含有する
モノマーを使用しうる。また、それぞれ2種以上のモノ
マーを組み合わせて用いてもよい。前記のようにモノマ
ー(Y)より形成される連鎖およびモノマー(Z)より
形成される連鎖は異なる性質を有する連鎖であることが
有用である。
【0022】モノマー(Y)およびモノマー(Z)であ
る重合性不飽和基を有するモノマーとしては、特に限定
されずあらゆる種類の重合性不飽和基を有するモノマー
を使用できる。重合性不飽和基としては、ビニル基(C
2 =CH−)、ビニリデン基(CH2 =C=)、ビニ
レン基(−CH=CH−)、それらの基の水素原子の1
つ以上がハロゲン原子や炭化水素基などで置換された不
飽和基(たとえばイソプロペニル基)などがある。また
この重合性不飽和基を含有する有機基としては、たとえ
ば、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビ
ニルオキシ基などがある。また、ブタジエンなどの2以
上の重合性不飽和基を有するモノマーも使用できる。
【0023】モノマーはまた重合性を有するかぎり、反
応性の官能基を有していてもよい。反応性官能基として
は、たとえば、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、
アミノ基、メルカプト基などがある。反応性官能基を有
するモノマーとしては、たとえば、アクリル酸、メタク
リル酸、アリルアルコール、アリルアミン、グリシジル
ビニルエーテルなどがある。
【0024】代表的なモノマーを以下に例示するが、本
発明におけるモノマーはこれらに限定されない。エチレ
ンやプロピレンなどのオレフィン類。テトラフルオロエ
チレン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデ
ン、フッ化ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどの
ハロゲン化オレフィン類。アルキルビニルエーテル、カ
ルボン酸ビニルエステルなどのビニルアルコール誘導
体。アリルアルコール、アルキルアリルエーテル、カル
ボン酸アリルエステルなどのアリル化合物。アクリル酸
エステル類やメタクリル酸エステル類。その他スチレ
ン、アクリロニトリル、アクリルアミド、ビニルピリジ
ン、ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、マレ
イン酸、無水マレイン酸、ジアルキルマレートなど。
【0025】本発明において好ましいモノマーはアクリ
ル酸エステル類とメタクリル酸エステル類であり、以下
両者を総称して(メタ)アクリレート系モノマーとい
う。(メタ)アクリレート系モノマーにおけるアルコー
ル残基としてはアルキル基、シクロアルキル基、アルア
ルキル基などの炭化水素基、およびハロゲン原子、水酸
基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルコキシカルボ
ニル基、アシル基、アシルオキシ基、エポキシ基、アミ
ノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基などの置
換基を有する炭化水素基などがある。この炭化水素基の
炭素数は1〜20が適当である。
【0026】好ましいアルコール残基は、炭化水素基や
フッ素原子置換炭化水素基であり、そのうちでもアルキ
ル基、ポリフルオロアルキル基、およびパーフルオロア
ルキル基置換アルキル基が特に好ましい。パーフルオロ
アルキル基置換アルキル基におけるパーフルオロアルキ
ル基部分やポリフルオロアルキル基は炭素数2〜20
(好ましくは4〜16)の直鎖状(少数の短い分岐があ
ってもよい)のものが好ましく、パーフルオロアルキル
基置換アルキル基におけるアルキル基部分の炭素数は2
〜4が好ましい。ポリフルオロアルキル基としては、対
応するアルキル基の水素原子の数にして80%以上がフ
ッ素原子に置換されてなるポリフルオロアルキル基が好
ましく、また少数の塩素原子を有していてもよい。
【0027】具体的な(メタ)アクリレート系モノマー
としては、たとえば以下のモノマーがある。(メタ)ア
クリレートとはアクリレートとメタクリレートの両者を
いう。メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシル
エチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエ
チル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)ア
クリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート。
【0028】
【実施例】以下本発明をハロゲン含有ポリマー(X)の
合成例(例1〜2)、比較合成例例3)、実施例(例4
〜8)および比較例(例9)を用いて説明するが、本発
明はこれらに限定されない。
【0029】各例においてモノマーはそれぞれ単蒸留し
たものを用いた。また、溶媒はそれぞれ、塩化カルシウ
ムで一晩乾燥した後、単蒸留したものを用いた。有機ハ
ロゲン化合物(A)、ハロゲン化金属(B)、配位子
(C)、およびそれらの反応生成物(D)である重合開
始剤はそれぞれ未精製のものをそのまま用いた。得られ
た重合体はメタノール中に沈殿させ、ハロゲン化金属
(B)、配位子(C)、未反応の重合開始剤、および未
反応のモノマーを除いた後、濾過し、60℃で24時間
乾燥させた。
【0030】数平均分子量(Mn )、分子量分布(Mw
/Mn )の測定は、TSKゲルカラム(東ソー社販売)
を用い、UV(東ソー社販売「UV8010」)および
RIを装備したGPC(東ソー社販売「HLC802
0」)により求めた。クロマトグラフの条件として溶離
液にTHF(テトラヒドロフラン)またはヘキサフルオ
ロ−m−キシレンを用い、流速1.0ml/分、温度4
0℃で測定した。
【0031】1H−NMRは、重溶媒にCDCl3 を用
い、場合によりCCl3 CF3 を添加し、装置として
「JEOL−EX90」または「JEOL−EX40
0」を用いて室温で測定した。
【0032】(例1)パーフルオロへキシルヨージド
(CF3(CF2)5I:以下、F6Iという)0.72g(1.
6mmol)、塩化第一銅(以下、CuClという)
0.16g(1.6mmol)、2,2’−ビピリジル
(以下、DPyという)0.75g(4.8mmo
l)、およびトルエン10mlを冷却管を装備した10
0mlの2口フラスコに仕込み、脱気後、115℃に加
熱し約1分間撹拌した。
【0033】系中を窒素置換した後パーフルオロオクチ
ルエチルアクリレート(CF3(CF2)7CH2CH2OCOCH=CH2:以
下、F8Aという)16.5g(32.9mmol)を
加え再び115℃に加熱し8時間撹拌を続けた後、フラ
スコを冷却し重合を停止し、内容物をメタノール中に沈
殿させポリ(F8A)を得た。得られた重合体の数平均
分子量(Mnobs)は9400、分子量分布(Mw
n )は1.18、および収率は97%であった。
【0034】(例2)F6I 0.72g(1.6mm
ol)、CuCl 0.16g(1.6mmol)、D
Py 0.75g(4.8mmol)、およびトルエン
10mlを冷却管を装備した100mlの2口フラスコ
に仕込み、脱気後、115℃に加熱し約1分間撹拌し
た。
【0035】系中を窒素置換した後メチルメタクリレー
ト(以下、MMAという)3.3g(32.9mmo
l)を加え再び115℃に加熱し8時間撹拌を続けた
後、フラスコを冷却し重合を停止し、内容物をメタノー
ル中に沈殿させポリ(MMA)を得た。得られた重合体
の数平均分子量(Mnobs)は2400、分子量分布
(Mw /Mn )は1.20、および収率は96%であっ
た。図1に得られたポリマーのGPCのクロマトグラム
を示す。
【0036】(例3)アゾビスイソブチロニトリル(以
下AIBNという)0.26g(1.6mmol)、F
6I 0.23g(1.2mmol)およびトルエン1
0mlを冷却管を装備した100mlの2口フラスコに
仕込み、脱気後、系中を窒素置換し、MMA 16.5
(31.8mmol)を加え、115℃で、8時間撹拌
を続けた。フラスコを冷却し重合を停止し、内容物をメ
タノール中に沈殿させてポリマーを得た。得られた重合
体の数平均分子量(Mn )は3200、分子量分布(M
w /Mn )は1.86、および収率は87%であった。
図2に得られたポリマーのGPCのクロマトグラムを示
す。
【0037】(例4)例1にて合成したポリ(F8A)
10.4g(1.1mmol)、MMA5.3g(5
3mmol)、AIBN 0.52g(3.2mmo
l)およびトルエン10mlを冷却管を装備した100
mlの2口フラスコに仕込み、脱気後、系中を窒素置換
し、80℃で8時間撹拌を続けた。フラスコを冷却し重
合を停止し、内容物をメタノール中に沈殿させ、収率8
2%でポリマーを得た。得られたポリマーは単一のGP
Cのクロマトグラム曲線を示した(数平均分子量(Mn
obs):13900、分子量分布(Mw /Mn ):
1.58) 。
【0038】(例5)例1にて合成したポリ(F8A)
10.4g(1.1mmol)、MMA5.3g(5
3mmol)、ベンゾイルパーオキサイド(以下BPO
という)0.64g(3.0mmol)およびトルエン
10mlを冷却管を装備した100mlの2口フラスコ
に仕込み、脱気後、系中を窒素置換し、80℃で8時間
撹拌を続けた。フラスコを冷却し重合を停止し、内容物
をメタノール中に沈殿させ、収率78%でポリマーを得
た。得られたポリマーは単一のGPCのクロマトグラム
曲線を示した(数平均分子量(Mnobs):1380
0、分子量分布(Mw /Mn : 1.25) 。
【0039】(例6)例1にて合成したポリ(F8A)
10.4g(1.1mmol)、スチレン(以下St
という)5.8g(56mmol)、AIBN 0.5
2g(3.2mmol)およびトルエン10mlを冷却
管を装備した100mlの2口フラスコに仕込み、脱気
後、系中を窒素置換し、80℃で8時間撹拌を続けた。
フラスコを冷却し重合を停止し、内容物をメタノール中
に沈殿させ、収率83%でポリマーを得た。得られたポ
リマーは単一のGPCのクロマトグラム曲線を示した
(数平均分子量(Mnobs):14200、分子量分
布(Mw /Mn ):1.48) 。
【0040】(実施例7)例2にて合成したポリ(MM
A) 10.4g(4.3mmol)、St 5.8g
(56mmol)、AIBN 0.52g(3.2mm
ol)およびトルエン10mlを冷却管を装備した10
0mlの2口フラスコに仕込み、脱気後、系中を窒素置
換し、80℃で8時間撹拌を続けた。フラスコを冷却し
重合を停止し、内容物をメタノール中に沈殿させ、収率
75%でポリマーを得た。得られたポリマーの数平均分
子量(Mnobs)は5700、分子量分布(Mw /M
n )は1.68であった。図3に得られたポリマーのG
PCのクロマトグラムを示す。
【0041】(例8)例2にて合成したポリ(MMA)
10.4g(4.3mmol)、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート 5.8g(41mmol)、AIBN
0.52g(3.2mmol)およびトルエン10m
lを冷却管を装備した100mlの2口フラスコに仕込
み、脱気後、系中を窒素置換し、80℃で8時間撹拌を
続けた。フラスコを冷却し重合を停止し、内容物をメタ
ノール中に沈殿させ、収率88%でポリマーを得た。得
られたポリマーは単一のGPCのクロマトグラム曲線を
示した(数平均分子量(Mnobs):3800、分子
量分布(Mw /Mn ):1.62) 。
【0042】(例9)例3にて合成したポリ(MMA)
10.4g(4.3mmol)、St 5.8g(5
6mmol)、AIBN 0.52g(3.2mmo
l)およびトルエン10mlを冷却管を装備した100
mlの2口フラスコに仕込み、脱気後、系中を窒素置換
し、80℃で8時間撹拌を続けた。フラスコを冷却し重
合を停止し、内容物をメタノール中に沈殿させ、収率9
2%でポリマーを得た。得られたポリマーは2峰性のG
PCのクロマトグラム曲線を示した。このGPCのクロ
マトグラムを図4に示す。2つのポリマーはUVスペク
トルおよびRIスペクトルよりそれぞれポリ(MMA)
とポリ(St)であることを確認した。
【0043】
【発明の効果】本発明の方法により、従来のリビングイ
オン重合に比較して重合条件に制約が少ない方法で容易
にブロックコポリマーを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】例2で得られたポリマーのGPCのクロマトグ
ラム
【図2】例3で得られたポリマーのGPCのクロマトグ
ラム
【図3】例7で得られたポリマーのGPCのクロマトグ
ラム
【図4】例9で得られたポリマーのGPCのクロマトグ
ラム

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子末端に少なくとも1つの炭素−ハロゲ
    ン結合(ただし、ハロゲンは塩素、臭素およびヨウ素か
    ら選ばれるハロゲン)を有するハロゲン含有ポリマー
    (X)の存在下に、重合性不飽和基を含有するモノマー
    (Y)を重合することを特徴とするポリマーの製造法。
  2. 【請求項2】ハロゲン含有ポリマー(X)が、重合性不
    飽和基を含有するモノマー(Z)をハロゲン原子移動型
    リビングラジカル重合法で重合して得られたポリマーで
    ある、請求項1の製造法。
  3. 【請求項3】重合性不飽和基を含有するモノマー(Z)
    をハロゲン原子移動型リビングラジカル重合法で重合し
    て分子末端に少なくとも1つの炭素−ハロゲン結合(た
    だし、ハロゲンは塩素、臭素およびヨウ素から選ばれる
    ハロゲン)を有するハロゲン含有ポリマー(X)を製造
    し、次いで得られたハロゲン含有ポリマー(X)の存在
    下に、重合性不飽和基を含有するモノマー(Y)を重合
    することを特徴とするポリマーの製造法。
  4. 【請求項4】ハロゲン原子移動型リビングラジカル重合
    法が、塩素、臭素およびヨウ素から選ばれるハロゲンを
    少なくとも1個有する有機ハロゲン化合物(A)、周期
    律表第4族〜第12族から選ばれる遷移金属と塩素、臭
    素およびヨウ素から選ばれるハロゲンとを構成要素とす
    るハロゲン化金属(B)、およびハロゲン化金属(B)
    に配位可能な配位子(C)を反応させて得られる反応生
    成物(D)を重合開始剤とする重合法である、請求項2
    または3の製造法。
  5. 【請求項5】有機ハロゲン化合物(A)がパーフルオロ
    アルキルハライドである、請求項4の製造法。
  6. 【請求項6】ハロゲン化金属(B)が塩化第一銅であ
    る、請求項4または5の製造法。
  7. 【請求項7】配位子(B)が2,2’−ジピリジルであ
    る、請求項4、5または6の製造法。
  8. 【請求項8】モノマー(Y)の重合をラジカル重合開始
    剤を用いて行う、請求項1または3の製造法。
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