以下、図面を参照して本発明の浴室空調装置の実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態の浴室空調装置の構成例>
図1〜図3は第1の実施の形態の浴室空調装置の構成の一例を示し、図1は第1の実施の形態の浴室空調装置1Aの長手方向の側断面図、図2は浴室空調装置1Aの短手方向の側断面図、図3は浴室空調装置1Aの分解斜視図である。
第1の実施の形態の浴室空調装置1Aは、装置本体2Aと、ダクトジョイント3A,3Bが取り付けられる取付枠体4を備える。
装置本体2Aは、直方体形状の本体ケース5Aを備える。本体ケース5Aは、例えば鉄等の金属で構成され、排気口6が形成された排気口形成面7Aを備えると共に、副吸込口8が形成された副吸込口形成面9Aを備える。
排気口6と副吸込口8は通風口の一例で、本体ケース5Aを貫通して形成される。また、排気口形成面7A及び副吸込口形成面9Aは通風口形成面の一例で、本例では、本体ケース5Aの対向する2側面を構成する。
本体ケース5Aは、排気口形成面7A及び副吸込口形成面9Aと、残りの2側面が、下側より上側が内側に入り込む方向に傾斜しており、外側面及び内側面が共に上側が窄まるようなテーパ状となっている。なお、本体ケース5Aの4側面の傾斜角度は、1〜5度の範囲で設定されており、好ましくは2度程度である。
取付枠体4は、例えば本体ケース5Aの4側面を囲む枠部4aと、枠部4aに取り付けられるダクトジョイント3A及びダクトジョイント3Bを備える。
図4はダクトジョイント3A,3Bの要部構成を示す断面図である。ダクトジョイント3A,3Bはダクト取付部材の一例で、ダクトジョイント3Aは、図1に示す排気口6と接合される接合部10aを備え、ダクトジョイント3Bは、図1に示す副吸込口8と接合される接合部10bを備える。
また、ダクトジョイント3A,3Bは、それぞれ枠部4aと独立した部品として構成され、ダクトジョイント3Aは、枠部4aに対する枠体取付部11aと、本体ケース5Aに対するケース取付部12aを備える。同様に、ダクトジョイント3Bは、枠部4aに対する枠体取付部11bと、本体ケース5Aに対するケース取付部12bを備える。
枠部4aは、ダクトジョイント3Aの枠体取付部11aが係合される係合穴部4bと、ダクトジョイント3Bの枠体取付部11bが係合される係合穴部4cを備える。
また、装置本体2Aの本体ケース5Aは、図1及び図3に示すように、ダクトジョイント3Aのケース取付部12aが係合される係合凹部5mと、ダクトジョイント3Bのケース取付部12bが係合される係合凹部5nを備える。なお、係合凹部5m,5nは、本体ケース5Aを貫通した孔部でも良いし、本体ケース5Aを貫通していない溝状の凹部でも良い。
ダクトジョイント3Aは、接合部10aにシール部材13aを備える。シール部材13aは、ダクトジョイント3Aと接合される排気口6の周囲を囲う形状を有し、取付枠体4に装置本体2Aが取り付けられると、シール部材13aは排気口6の周囲と密着する。
同様に、ダクトジョイント3Bは、接合部10bにシール部材13bを備える。シール部材13bは、ダクトジョイント3Bと接合される副吸込口8の周囲を囲う形状を有し、取付枠体4に装置本体2Aが取り付けられると、シール部材13bは副吸込口8の周囲と密着する。
シール部材13a,13bは、図4に示すように、本体ケース5Aの傾斜に沿って傾斜しており、上側より下側の厚さが薄く構成されている。
なお、本体ケース5Aの傾斜させる側面は、4側面の全てでなくても良く、例えば、排気口形成面7Aと副吸込口形成面9Aの2側面でも良く、また、副吸込口8を備えていない構成では、排気口形成面7Aだけでも良い。
次に、図1及び図2等を参照して浴室空調装置1Aの内部構成について説明する。
装置本体2Aは、換気ユニット14と循環ユニット15を備える。換気ユニット14と循環ユニット15は、換気ユニット14が循環ユニット15の上部に位置するように重なる配置で、本体ケース5Aの内部に直接取り付けられる。ここで、換気ユニット14と循環ユニット15は、本体ケース5Aに対して独立して着脱自在な構成である。
換気ユニット14は、回転駆動される換気ファン16と、換気ファン16を回転駆動する換気ファンモータ17と、風路を形成する換気ファンケース18を備える。
換気ファン16は、多翼の羽根車で構成され、回転軸が鉛直方向を向いて配置される。換気ファンケース18は、換気ファン16の軸方向に沿った上面に換気ファン吸込口18aが形成され、換気ファン16の吹出方向に沿って換気吹出風路18bが形成される。そして、換気吹出風路18bが排気口6と連通するように、換気ユニット14は本体ケース5Aに取り付けられる。
装置本体2Aは、本体ケース5Aの内部で換気ユニット14の上部に換気吸込風路19が形成される。換気吸込風路19は、換気ファンケース18の換気ファン吸込口18aと連通すると共に、本体ケース5Aの副吸込口8と連通する。
更に、装置本体2Aは、室内換気吸込口20と室内換気吸込風路21を備える。室内換気吸込口20は装置本体2Aの下面に形成され、室内換気吸込風路21は、室内換気吸込口20と換気吸込風路19を連通させる。
また、室内換気吸込口20はシャッタ22を備える。シャッタ22は後述するシャッタモータにより駆動されて軸22aを支点に回転して、室内換気吸込口20を開閉する。
なお、室内換気吸込風路21は、換気ユニット14側に形成されていても良いし、循環ユニット15側に形成されていても良い。更に、室内換気吸込風路21を分割構造として、換気ユニット14側と循環ユニット15側の双方に形成し、換気ユニット14と循環ユニット15を本体ケース5Aに装着すると、室内換気吸込風路21が構成されるようにしても良い。
循環ユニット15は、回転駆動される循環ファン23と、循環ファン23を回転駆動する循環ファンモータ24と、風路を形成する循環ファンケース25を備える。
循環ファン23は、多翼の羽根車で構成され、回転軸が鉛直方向を向いて配置される。循環ファンケース25は、循環ファン23の軸方向に沿った下面に循環ファン吸込口25aが形成され、循環ファン23の吹出方向に沿って循環吹出風路25bが形成される。
また、循環ユニット15は、循環吹出風路25bにヒータ26を備える。ヒータ26は例えばPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータで構成され、循環吹出風路25bを通る空気を加熱する。更に、循環ユニット15は、装置本体2Aの下面に室内循環吹出口27を備える。室内循環吹出口27は循環吹出風路25bと連通し、循環ファン23が回転駆動されることで循環ファン吸込口25aから吸い込まれた空気が、循環吹出風路25bと通って室内循環吹出口27から吹き出す。
装置本体2Aは、本体ケース5Aの下面にフロントパネル28を備える。フロントパネル28は本体ケース5Aの下面を覆う形状で、本体ケース5Aに備えたフランジ部28Fに取り付けられ、室内換気吸込口20と連通した換気吸込グリル28aと、循環ファン吸込口25aと連通した循環吸込グリル28bと、室内循環吹出口27と連通した循環吹出グリル28cを備える。
なお、本例の浴室空調装置1Aでは、副吸込口8と連通するダクトジョイント3Bに風路開閉ダンパ29を備えても良い。風路開閉ダンパ29は、後述するダンパモータにより駆動されて軸29aを支点に回転して、副吸込口8を開閉する。
<第1の実施の形態の浴室空調装置の制御機能例>
図5は浴室空調装置1Aの制御機能の一例を示すブロック図である。浴室空調装置1Aは、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等で構成される制御部31に、図1等で説明した換気ファン16を駆動する換気ファンモータ17と、循環ファン23を駆動する循環ファンモータ24と、ヒータ26と、シャッタ22を駆動するシャッタモータ32と、風路開閉ダンパ29を駆動するダンパモータ33と、操作部34等が接続される。
制御部31は、図示しないメモリ等に格納されたプログラムよって例えば暖房運転モード、換気運転モード、涼風運転モード及び乾燥運転モードを実行する。
これらの運転モードは、入浴者等の利用者が操作部34を操作すること等により選択され、制御部31は、選択された運転モードを実行するプログラムに従い換気ファンモータ17、循環ファンモータ24、ヒータ26、シャッタモータ32及びダンパモータ33等を制御する。
なお、制御部31は、例えば図1に示す回路基板部30に収容される。回路基板部30は、換気吸込風路19に対して気密性を保つように構成されると共に、浴室の空気が通る風路からは独立していることで、湿気等の影響を受けないようにしてある。
操作部34は、例えば浴室空調装置1A本体と独立したリモートコントロール装置である。
<第1の実施の形態の浴室空調装置の設置工程例>
図6は第1の実施の形態の浴室空調装置の設置工程例を示す構成図で、次に、各図を参照して第1の実施の形態の浴室空調装置1Aの設置工程の一例について説明する。
まず、図6(a)に示すように、浴室51の天井パネル52に開口部52aを形成する。開口部52aは、浴室空調装置1Aの本体ケース5Aの大きさに合わせて形成される。
次に、天井パネル52の上側に、開口部52aの位置に合わせて取付枠体4の枠部4aを取り付ける。なお、枠部4aは、例えば図示しないアンカーボルトで吊り下げる形態で取り付けても良いし、天井パネル52の上面に取り付けて良い。
次に、図6(b)に示すように、天井パネル52上に取り付けた枠部4aに、枠体取付部11aを嵌めてダクトジョイント3Aを取り付けると共に、枠体取付部11bを嵌めてダクトジョイント3Bを取り付ける。
天井パネル52に形成する開口部52aは、上述したように、浴室空調装置1Aの本体ケース5Aの大きさに合わせてある。これに対して、ダクトジョイント3A,3Bは、本体ケース5Aの側面に取り付けられる形態である。
このため、ダクトジョイント3A,3Bを枠部4aと一体の構成とすると、取付枠体4のサイズが大型になり、設置作業が行いにくい。このため、ダクトジョイント3A,3Bと、枠部4aは別部品で構成し、枠部4aを天井パネル52上に設置してから、ダクトジョイント3A,3Bを取り付けるようにしてある。
ここで、ダクトジョイント3A,3Bは、図4に示す係合穴部4b,4cに枠体取付部11a,11bを嵌めると、枠部4aに対して立設した形態で取り付けられる。
次に、図6(c)に示すように、枠部4aにダクトジョイント3A,3Bを取り付けた取付枠体4に、天井パネル52の開口部52aから浴室空調装置1Aの装置本体2Aを挿入する。
図7は取付枠体4と装置本体2Aの取付工程の詳細を示す要部拡大図である。上述したように、本体ケース5Aは、排気口形成面7A及び副吸込口形成面9Aと、残りの2側面が、下側より上側が内側に入り込む方向に傾斜している。これにより、装置本体2Aの取付枠体4に対する挿入方向に対して、本体ケース5Aは先側が内側に入り込む方向に傾斜している。
また、シール部材13a,13bは、本体ケース5Aの傾斜に沿って傾斜しており、装置本体2Aの取付枠体4に対する挿入方向に対して、手前側が外側に向いて傾斜している。
これにより、取付枠体4に装置本体2Aを挿入する初期段階では、シール部材13a,13bと本体ケース5Aとの間に隙間Gが形成される。
従って、装置本体2Aの挿入方向手前に位置するシール部材13a,13bのエッジ部分Eと本体ケース5Aの擦れが抑制される。また、取付枠体4に装置本体2Aを矢印A方向に更に挿入して行くと、シール部材13a,13bと本体ケース5Aは擦れるが、擦れる距離は少なくなる。よって、シール部材13a,13bが剥がれる等の損傷を防ぐことができる。
図6(d)に示すように、取付枠体4に対して所定の位置まで装置本体2Aを挿入すると、ダクトジョイント3Aのケース取付部12aが本体ケース5Aに係合して、シール部材13aと本体ケース5Aが密着する。
本例では、本体ケース5Aの排気口形成面7Aとシール部材13aの接合面は同じ方向に傾斜しているので、シール部材13aの全面が排気口形成面7Aと密着しやすい構成であり、ダクトジョイント3Aの接合部10aと本体ケース5Aの排気口6との間の気密性が保たれる。
同様に、取付枠体4に対して所定の位置まで装置本体2Aを挿入すると、ダクトジョイント3Bのケース取付部12bが本体ケース5Aに係合して、シール部材13bと本体ケース5Aが密着する。
本例では、本体ケース5Aの副吸込口形成面9Aとシール部材13bの接合面は同じ方向に傾斜しているので、シール部材13bの全面が副吸込口形成面9Aと密着しやすい構成であり、ダクトジョイント3Bの接合部10bと本体ケース5Aの副吸込口8との間の気密性が保たれる。
最後に、装置本体2Aを取付枠体4等に固定すると共に、フロントパネル28を取り付けることで、浴室空調装置1Aが浴室51の天井パネル52に設置される。
<第1の実施の形態の浴室空調装置の設置例>
図8は浴室空調装置の設置例を示すサニタリー空間の構成図である。浴室空調装置1Aは、上述した設置工程により、サニタリー空間53を構成する浴室51の天井パネル52に設置される。
浴室空調装置1Aの装置本体2Aと接続されたダクトジョイント3Aには排気ダクト54が接続される。排気ダクト54は、建物の壁面等に設置される屋外グリル54aと接続され、屋外とつながっている。
また、装置本体2Aと接続されたダクトジョイント3Bには吸込ダクト55が接続される。吸込ダクト55は、サニタリー空間を構成する洗面所56の天井パネル57に設置される副吸込グリル55aと接続される。
操作部34は、例えば洗面所56の壁面等に取り付けられ、装置本体2Aとは電気ケーブル等で接続されている。
なお、浴室空調装置1Aが設置される浴室51としては、浴槽51aがされた構成を例にしているが、浴槽のないシャワー室等でも良い。
<浴室空調装置の動作例>
次に、第1の実施の形態の浴室空調装置1Aの動作例について各図を参照して説明する。制御部31は、操作部34の換気モードボタンが押されると、換気運転モードを実行する。
換気運転モードでは、循環ファンモータ24の回転は停止され、循環ファン23は回転しない。また、換気運転モードでは、換気ファンモータ17により換気ファン16が回転駆動される。更に、シャッタモータ32によりシャッタ22が回動され、室内換気吸込口20が開放される。
換気ファン16が回転駆動され、室内換気吸込口20が開放されると、フロントパネル28の換気吸込グリル28aを介して、浴室51の空気が吸い込まれる。室内換気吸込口20から吸い込まれた空気は、室内換気吸込風路21及び換気吸込風路19を通り、換気ファン吸込口18aから換気ファンケース18に吸い込まれる。
また、換気ファン16が回転駆動されると、ダクトジョイント3Bに接続された吸込ダクト55及び副吸込グリル55aを介して洗面所56等の空気が副吸込口8から吸い込まれ、副吸込口8から吸い込まれた空気は、換気吸込風路19を通り、換気ファン吸込口18aから換気ファンケース18に吸い込まれる。
換気ファンケース18に吸い込まれた空気は、換気吹出風路18bを通り、排気口6から排気される。そして、排気口6から排気された空気は、ダクトジョイント3Aに接続された排気ダクト54及び屋外グリル54aから屋外へ排気される。
なお、浴室51内の空気を屋外に排気することで、浴室ドア58に設けた空気取入口58aから、洗面所56等の空気が給気される。
これにより、換気運転モードを実行することで、浴室32内の湯気や湿気を排気して結露等を抑制し、カビの発生を抑えることができる。
ここで、換気運転モードとしては、上述した浴室51の換気を行う換気運転モードの他に、例えば24時間換気運転モードがある。24時間換気運転モードにおいては、住宅全体又は住宅の所定エリアの容積について所定の換気回数(例えば0.5回/時間)を満たすため、常時換気ファン16が回転駆動されて住宅内の換気が行われる。
24時間換気運転モードでは、住宅全体で換気される空気が所定の量を保つために、図示しない浴室の換気モードボタンが操作されて、上述したように浴室51の換気を行う場合は、例えば室内換気吸込口20のシャッタ22の開度を広げることで、浴室51内から吸い込まれる空気の量が増加する。これにより副吸込口8を介して吸い込まれる他室の空気の量は少なくなり、住宅全体で換気される空気は所定の量に保たれる。
また、副吸込口8と接続されたダクトジョイント3Bの風路開閉ダンパ29の開度を狭くすることで、洗面所56等の他室から吸い込まれる空気の量を少なくし、住宅全体で換気される空気が所定の量に保たれるようにしても良い。
これに対して、通常の24時間換気運転時には、室内換気吸込口20のシャッタ22の開度を狭くし、浴室51内から吸い込まれる空気の量を減少させて、洗面所56等の他室からの空気の吸い込み量を増加させる。これにより、住宅全体で換気される空気の量が所定の量に保たれる。
なお、24時間換気運転モードは、通常は連続運転されるが、断続運転されても良い。
本実施の形態の浴室空調装置1Aによれば、ダクトジョイント3A,3Bを備えた取付枠体4に装置本体2Aを装着する際に、シール部材13a,13bが剥がれる等の損傷を防ぐことができるので、排気口6とダクトジョイント3Aの接合部10aとの気密性及び副吸込口8とダクトジョイント3Bの接合部10bとの気密性が保たれている。
従って、換気運転実行時に、空気が漏れることがなく、所期の換気性能を発揮することができる。
また、本実施の形態の浴室空調装置1Aによれば、換気ユニット14の換気ファン吸込口18aが上方を向いて配置されていることにより、24時間換気運転モードにより常時換気運転を行っても、ファンの運転音が、浴室51等の室内に漏れることを防ぐことができる。
次に、暖房運転モードについて説明する。制御部31は、操作部34の暖房モードボタンが押されると、暖房運転モードを実行する。暖房運転モードでは、換気ファンモータ17の回転は停止され、換気ファン16は回転しない。また、シャッタモータ32によりシャッタ22が回動され、室内換気吸込口20が閉鎖される。
更に、暖房運転モードでは、循環ファンモータ24により循環ファン23が回転駆動されると共に、ヒータ26が通電される。
循環ファンモータ24により循環ファン23が回転駆動されると、フロントパネル28の循環吸込グリル28bを介して、循環ファン吸込口25aから浴室51の空気が吸い込まれる。循環ファン吸込口25aから吸い込まれた空気は、循環吹出風路25bを通り、室内循環吹出口27から、フロントパネル28の循環吹出グリル28cを介して浴室51内に吹き出される。
ヒータ26は、循環吹出風路25bに配置されるので、ヒータ26が通電され加熱された状態では、循環吹出風路25bを通る空気が暖められて、循環吹出グリル28cから吹き出す。
これにより、暖房運転モードを実行することで、浴室51内の空気を循環させながら浴室51内を暖房して、温度を上げることができる。
また、上述した暖房運転モードの例においては、換気ファン16の回転は停止させたが、洗面所56等の他室から空気を吸い込んで換気を行うために、暖房運転モード時に、室内換気吸込口20を閉塞した状態で換気ファン16を回転させて、換気運転を行っても良い。室内換気吸込口20を閉塞することにより、浴室51内の暖められた空気が浴室51の外に逃げることを防ぐことができる。
次に、乾燥運転モードについて説明する。制御部31は、操作部34の乾燥モードボタンが押されると、乾燥運転モードを実行する。乾燥運転モードでは、換気ファンモータ17により換気ファン16が駆動される。また、シャッタモータ32によりシャッタ22が回動され、室内換気吸込口20が開放される。
更に、乾燥運転モードでは、循環ファンモータ24により循環ファン23が回転駆動されると共に、ヒータ26が通電される。
換気ファン16が回転駆動され、室内換気吸込口20が開放されると、フロントパネル28の換気吸込グリル28aを介して、浴室51の空気が吸い込まれる。室内換気吸込口20から吸い込まれた空気は、室内換気吸込風路21及び換気吸込風路19を通り、換気ファン吸込口18aから換気ファンケース18に吸い込まれる。
また、換気ファン16が回転駆動されると、ダクトジョイント3Bに接続された吸込ダクト55及び副吸込グリル55aを介して洗面所56等の空気が副吸込口8から吸い込まれ、副吸込口8から吸い込まれた空気は、換気吸込風路19を通り、換気ファン吸込口18aから換気ファンケース18に吸い込まれる。
換気ファンケース18に吸い込まれた空気は、換気吹出風路18bを通り、排気口6から排気される。そして、排気口6から排気された空気は、ダクトジョイント3Aに接続された排気ダクト54及び屋外グリル54aから屋外へ排気される。
なお、浴室51内の空気を屋外に排気することで、浴室ドア58の空気取入口58aから、洗面所56等の空気が給気される。
循環ファンモータ24により循環ファン23が回転駆動されると、フロントパネル28の循環吸込グリル28bを介して、循環ファン吸込口25aから浴室51の空気が吸い込まれる。循環ファン吸込口25aから吸い込まれた空気は、循環吹出風路25bを通り、室内循環吹出口27から、フロントパネル28の循環吹出グリル28cを介して浴室51内に吹き出される。
ヒータ26は、循環吹出風路25bに配置されるので、ヒータ26が通電され加熱された状態では、循環吹出風路25bを通る空気が暖められて、循環吹出グリル28cから吹き出す。
これにより、乾燥運転モードを実行することで、浴室51内に温風を吹き出して、ランドリパイプ51bに掛けられた洗濯物等を乾燥させることができる。また、浴室51内の空気の一部は屋外に排気され、空気取入口58aから洗面所56等の空気を取り込むことで、浴室51内の換気が行われるので、湿気等を排出して、洗濯物の乾燥を促進することができる。
次に、涼風運転モードについて説明する。制御部31は、操作部32の涼風モードボタンが押されると、涼風運転モードを実行する。涼風運転モードでは、換気ファンモータ17により換気ファン16が駆動される。また、シャッタモータ32によりシャッタ22が回動され、室内換気吸込口20が開放される。
更に、涼風運転モードでは、循環ファンモータ24により循環ファン23が回転駆動される。なお、涼風運転モードではヒータ26に通電しない。
換気ファン16が回転駆動され、室内換気吸込口20が開放されると、フロントパネル28の換気吸込グリル28aを介して、浴室51の空気が吸い込まれる。室内換気吸込口20から吸い込まれた空気は、室内換気吸込風路21及び換気吸込風路19を通り、換気ファン吸込口18aから換気ファンケース18に吸い込まれる。
また、換気ファン16が回転駆動されると、ダクトジョイント3Bに接続された吸込ダクト55及び副吸込グリル55を介して洗面所56等の空気が副吸込口8から吸い込まれ、副吸込口8から吸い込まれた空気は、換気吸込風路19を通り、換気ファン吸込口18aから換気ファンケース18に吸い込まれる。
換気ファンケース18に吸い込まれた空気は、換気吹出風路18bを通り、排気口6から排気される。そして、排気口6から排気された空気は、ダクトジョイント3Aに接続された排気ダクト54及び屋外グリル54aから屋外へ排気される。
なお、浴室51内の空気を屋外に排気することで、浴室ドア58の空気取入口58aから、洗面所56等の空気が給気される。
循環ファンモータ24により循環ファン23が回転駆動されると、フロントパネル28の循環吸込グリル28bを介して、循環ファン吸込口25aから浴室51の空気が吸い込まれる。循環ファン吸込口25aから吸い込まれた空気は、循環吹出風路25bを通り、室内循環吹出口27から、フロントパネル28の循環吹出グリル28cを介して浴室51内に吹き出される。
涼風運転モードでは、ヒータ26に通電しないので、循環吹出グリル28cからは浴室51の温度に応じた空気が吹き出す。
これにより、涼風運転モードを実行することで、浴室51内の湿度の高い空気を排気し、浴室51内の空気を循環させながら、浴室51内の温度に応じた涼風が吹出され、浴室空調装置1Aを夏場等に扇風機として使用することができる。
また、涼風運転モードでは、換気ファン16の回転を停止させると共に、室内換気吸込口20を閉塞させ、換気運転を停止させても良い。
<他の実施の形態の浴室空調装置の構成例>
図9は第2の実施の形態の浴室空調装置の一例を示す構成図である。第2の実施の形態の浴室空調装置1Bは、シール部材13cの厚みを全面で略均一としたものである。
第2の実施の形態の浴室空調装置1Bでは、装置本体2Aを構成する本体ケース5Aは、上述したように、排気口形成面7A(副吸込口形成面9A)が、下側より上側が内側に入り込む方向に傾斜している。
これにより、装置本体2Aの取付枠体4に対する挿入方向に対して、本体ケース5Aは先側が内側に入り込む方向に傾斜している。
よって、シール部材13cの厚みを全面で略均一とした場合でも、取付枠体4に装置本体2Aを挿入する初期段階では、シール部材13cと本体ケース5Aとの間に隙間Gが形成され、シール部材13cが剥がれる等の損傷の発生を防ぐことができる。そして、シール部材13cは、厚みが均一であるので、方向性が無く、貼り付け作業が容易となる。
図10は第3の実施の形態の浴室空調装置の一例を示す構成図である。第3の実施の形態の浴室空調装置1Cは、ダクトジョイント3C側を傾斜させたものである。
すなわち、ダクトジョイント3Cは、接合部10cが、下側より上側が内側に入り込む方向に傾斜している。なお、第3の実施の形態の浴室空調装置1Cでは、装置本体2Bを構成する本体ケース5Bの排気口形成面7B(副吸込口形成面9B)は、垂直な面でも良い。
第3の実施の形態の浴室空調装置1Cでは、ダクトジョイント3Cの接合面10cが、装置本体2Bの取付枠体4に対する挿入方向に対して、手前側が外側に広がって傾斜していることになる。
これにより、接合面10cに貼り付けられたシール部材13cも同じ方向に傾斜しているので、取付枠体4に装置本体2Bを挿入する初期段階では、シール部材13cと本体ケース5Bとの間に隙間Gが形成され、シール部材13cが剥がれる等の損傷の発生を防ぐことができる。
図11は第4の実施の形態の浴室空調装置の一例を示す構成図である。第4の実施の形態の浴室空調装置1Dは、装置本体2Aの本体ケース5Aと、ダクトジョイント3Cの双方を傾斜させたものである。
すなわち、本体ケース5Aは、排気口形成面7A(副吸込口形成面9A)が、下側より上側が内側に入り込む方向に傾斜している。また、ダクトジョイント3Cは、接合部10cが、下側より上側が内側に入り込む方向に傾斜している。
これにより、取付枠体4に装置本体2Aを挿入する初期段階では、シール部材13cと本体ケース5Aとの間に隙間Gが形成され、シール部材13cが剥がれる等の損傷の発生を防ぐことができる。
また、本体ケース5Aとシール部材13cは同じ方向に傾斜しているので、シール部材13cの全面が本体ケース5Aと密着しやすい構成であり、ダクトジョイント3Cの接合部10cと本体ケース5Aの気密性が保たれる。
なお、上述した各実施の形態では、ダクトジョイント3側にシール部材13を貼り付ける構成としたが、本体ケース5側にシール部材13を貼り付ける構成としても良い。
ここで、上述した何れの実施の形態でも、本体ケース5Aの側面の傾斜角度及びダクトジョイント3Cの傾斜角度は、先に示した角度に限定されるものではない。
<本実施の形態の浴室空調装置の応用例>
図12は第1の実施の形態の浴室空調装置の応用例を示す説明図である。浴室空調装置1Aの装置本体2Aを構成する本体ケース5Aは、上述したように、排気口形成面7A及び副吸込口形成面9Aを含む4側面が、下側より上側が内側に入り込む方向に傾斜している。
これにより、本体ケース5Aが単体の状態では、図12に示すように、上側に位置する本体ケース5Aの内部に、下側に位置する本体ケース5Aが入り込む形態で積層することが可能となる。
従って、浴室空調装置1Aの製造工程中における輸送時や保管時には、複数台の本体ケース5Aを積層することで、積層高さを抑えることができるので、輸送や保管のコストを低減することができる。
1・・・浴室空調装置、2・・・装置本体、3・・・ダクトジョイント、4・・・取付枠体、4a・・・枠部、5・・・本体ケース、6・・・排気口、7A・・・排気口形成面、8・・・副吸込口、9・・・副吸込口形成面、10a,10b・・・接合部、11a,11b・・・枠体取付部、12a,12b・・・ケース取付部、13a,13b・・・シール部材、14・・・換気ユニット、15・・・循環ユニット、16・・・換気ファン、17・・・換気ファンモータ、18・・・換気ファンケース、19・・・換気吸込風路、20・・・室内換気吸込口、21・・・室内換気吸込風路、22・・・シャッタ、23・・・循環ファン、24・・・循環ファンモータ、25・・・循環ファンケース、26・・・ヒータ、27・・・室内循環吹出口、28・・ ・フロントパネル、29・・・風路開閉ダンパ、30・・・回路基板部、31・・・制御部、32・・・シャッタモータ、33・・・ダンパモータ、34・・・操作部