JP4885467B2 - 吸収ヒートポンプ - Google Patents
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Description
また、低温再生器cからの吸収液配管iと、高温熱交換器dと低温熱交換器bとの間の加熱側の吸収液配管jとを接続するバイパス管kが設けられ、低温再生器cを出て高温再生器eへ供給される中間濃縮吸収液の一部を、吸収器aへ戻る濃吸収液配管にバイパスさせるように構成されている。
一方、図8に示すような従来の吸収冷凍機においては、外部の負荷変化によって変化する冷凍機出口部又は入口部の冷水温度変化を検出して、冷凍機出口部又は入口部の温度が定められた温度になるよう、供給される熱源の量を制御している。
吸収冷凍機は、内部を循環し熱エネルギーの交換をする媒体として、例えば臭化リチウム水溶液を保有している。一般的には吸収液と呼ばれ、冷媒となる水を吸収、蒸発させることによって冷房効果を発揮するよう構成されている。
なお、特許文献3における弁32とバイパス管30は、本願発明における冷暖切替弁と配管とは異なるものである。すなわち、前者は、圧力上昇を防止するバイパス弁であり、後者は、冷暖切替弁である。
つぎに、原理について水と臭化リチウム水溶液の例の場合を説明する。臭化リチウムは、水分を吸収する性質を持つ。一方、同じ圧力下では、水の沸点よりも臭化リチウム水溶液の沸点は高く、また吸湿力が強いので、水蒸気は臭化リチウム水溶液に吸収され液化する。なお、容器内は低い温度で水蒸気が発生しやすくするため、減圧状態にしてある。これらの性質を利用して、水蒸気を臭化リチウム水溶液に吸収させ、液化させてその放出する潜熱を利用するのが吸収ヒートポンプである。
図5は、第一種吸収ヒートポンプの説明図で、高温熱源(燃焼ガス、蒸気など)を外部から供給し、比較的温度の低い排熱を汲み上げ、ほぼ中間温度の温水を得る場合を示している。なお、成績係数は1以上である。また、図6は、第二種吸収ヒートポンプの説明図で、外部からの高温熱源を必要とせず、排熱源流体より高い温度の利用流体を得る場合を示している。なお、成績係数は1以下である。
図7において、高温再生器としては、例えば、貫流方式ボイラ又はこれと同等の機能、構造を有するボイラが用いられるが、図7では、高温再生器の一例として貫流式ボイラ形のものを用いる場合を示している。10は貫流式ボイラ構造の高温再生器で、上部と下部に環状の上部管寄せ(上部ヘッダー)12及び下部管寄せ(下部ヘッダー)14を有し、これらの管寄せ12、14間に鉛直方向の多数の上昇管16を略円筒状に配設し、上部中央部に燃焼装置18、例えばバーナーを有し、稀吸収液を下部管寄せ14に導入して加熱濃縮し、上部管寄せ12から気液混合物を取り出すことができるように構成されている。20は燃焼室である。
気液分離器26の下部と高温再生器10の下部管寄せ14とは、吸収液循環導管36を介して接続されている。吸収液循環導管36又は下部管寄せ14には、吸収液供給管42が接続されている。
また、本発明の方法は、吸収器、蒸発器、凝縮器、低温再生器、中温再生器、高温再生器、溶液熱交換器、溶液ポンプ及び冷媒ポンプを少なくとも有する三重効用サイクルを採用する吸収冷温水機において、燃焼ガスを利用して高温再生器で吸収液を加熱・濃縮した後、熱交換器を経由して吸収器に戻る吸収液の熱を利用して吸収器で温水を加熱し、排熱源流体の熱を奪って蒸発器で蒸発する冷媒蒸気が吸収器で吸収液に吸収され凝縮する際に発生する凝縮熱で温水を加熱し、一方、高温再生器、中温再生器で発生した冷媒蒸気・冷媒ドレンの熱を利用して凝縮器で温水を加熱することを特徴としている。
さらに、本発明の方法は、吸収器、蒸発器、凝縮器、低温再生器、中温再生器、高温再生器、溶液熱交換器、溶液ポンプ及び冷媒ポンプを少なくとも有する三重効用サイクルを採用する吸収冷温水機において、排熱源流体が蒸発器に流れず、排熱源流体の熱が得られない場合には、燃焼ガスを利用して高温再生器で吸収液は加熱・濃縮された後、熱交換器を経由して吸収器に戻る吸収液の熱を利用して吸収器で温水を加熱し、高温再生器、中温再生器で発生した冷媒蒸気・冷媒ドレンの熱を利用して凝縮器で温水を加熱するようにして、冷媒ポンプを止めて蒸発器で冷媒散布をしないようにして暖房運転できるようにすることを特徴としている。
これらの方法において、吸収冷温水機は、リバースサイクル、シリーズサイクル及びパラレルサイクルのいずれかのサイクルで運転される。また、吸収液として臭化リチウム水溶液(冷媒は水)が用いられる。
また、本発明の吸収ヒートポンプは、吸収器、蒸発器、凝縮器、低温再生器、中温再生器、高温再生器、溶液熱交換器、溶液ポンプ及び冷媒ポンプを少なくとも有する三重効用サイクルを採用する吸収冷温水機において、冷房運転時に、吸収器、凝縮器に接続する外部配管を経由して冷却水として利用した温度の低い排熱源流体を、外部配管に設けた切替え配管と切替弁により蒸発器に接続する配管に接続して蒸発器に排熱源流体を流すようにして、外部配管を切り替えて吸収器、凝縮器へ温水を流すようにしてなることを特徴としている。
これらの吸収ヒートポンプにおいて、三重効用サイクル運転に必要な構成機器である高温再生器、中温再生器、低温再生器、蒸発器、吸収器、凝縮器、低温・中温・高温熱交換器、溶液循環ポンプ、冷媒ポンプに加えて、冷媒ドレン熱交換器及び/又は排ガス熱交換器を付加して高効率を得るように構成される。
また、冷房運転時の高温再生器と中温再生器の圧力差、中温再生器と低温再生器の圧力差と、暖房運転時の高温再生器と中温再生器の圧力差、中温再生器と低温再生器の圧力差は大きく異なり、通常のUシール管やオリフィスでは、圧力差の変動を吸収できず冷房、暖房それぞれの運転条件、圧力差を維持できなくなる。そのため、冷房時の運転条件で計画した場合には、暖房運転時に冷媒ドレンを潤滑に流すことができなくなり運転に支障を起こす。このため、本発明の吸収ヒートポンプは、吸収器、蒸発器、凝縮器、低温再生器、中温再生器、高温再生器、溶液熱交換器、溶液ポンプ及び冷媒ポンプを少なくとも有する三重効用サイクルを採用する吸収冷温水機において、中温再生器で凝縮した冷媒ドレン及び低温再生器で凝縮した冷媒ドレンをそれぞれの下流側(低圧側)へ流す配管の途中に、冷媒ドレンの増減により上下して自動的に弁を開閉して圧力差を維持するようにしたフロート弁を設け、圧力差の維持をこのフロート弁による液シール方式で行うようにしたことを特徴としている。
これらの吸収ヒートポンプにおいて、吸収冷温水機は、リバースサイクル、シリーズサイクル及びパラレルサイクルのいずれかのサイクルとされる。
排熱源流体は、冷温水機に接続する外部排熱源流体配管の経路を切り替え、冷温水機への接続口を変えることにより、夏期は三重効用サイクル運転による冷房運転時の冷却水として利用することができる。
本発明における吸収ヒートポンプでは、冷房運転時の成績係数(COP)は二重効用形では到達不可能なCOP1.4(高発熱量基準)を越えてCOP1.6が可能となり、暖房時の効率もこれまでの暖房運転では到達不可能な1.4を超え1.6が可能となるように改善するべく構成された、吸収液に臭化リチウム水溶液、冷媒に水を用いた、冷房時三重効用サイクル運転、暖房時吸収ヒートポンプサイクル運転を行う吸収ヒートポンプとすることができる。
一方、中温再生器で発生した冷媒蒸気は低温再生器の伝熱管内を流れるが、低温再生器出口に設けた冷暖切替弁の切替え操作(弁を開く)により冷媒蒸気が低温再生器で熱交換せずに凝縮器へ流れ凝縮器で熱交換するようにして、中温再生器、低温再生器と凝縮器の間で大きな圧力差が生じないようにしている。このことから、本発明における吸収ヒートポンプは、冷房運転時三重効用サイクル運転、暖房運転時二重効用サイクルでかつ排熱回収運転をして高効率化を可能にした新しい吸収冷温水機とも言える。
(1) 暖房運転時に吸収ヒートポンプサイクルを採用することにより、冷房運転時だけでなく、暖房運転時の効率も大幅に改善することができるため、年間を通じた効率も格段に改善できる。すなわち、年間を通じて効率1.0以上の省エネルギー運転が可能になる。
(2) 冷房運転時には、三重効用サイクルで運転することで、成績係数(COP)は二重効用形では到達不可能なCOP1.4(高位発熱量基準)を越えてCOP1.6が可能となり、暖房運転時には、二重効用吸収ヒートポンプサイクルで運転することで、効率もこれまでの暖房運転では到達不可能な1.0を超え1.6が可能となるように改善するべく構成された、冷房時三重効用サイクル運転、暖房時二重効用吸収ヒートポンプサイクル運転を行う吸収ヒートポンプとすることができる。
(3) 暖房運転時は、排熱源流体の熱を温水の加熱源として利用できるために、天然ガスなどの高級なエネルギーの使用量を減らすことが可能となり、冷房運転、暖房運転ともに定格運転時の成績係数(効率)1.6が可能となって、年間を通じて高効率な運転が可能となる。
(4) 冷暖切替弁による簡単な切替操作のみで、冷房三重効用サイクル運転、暖房二重効用吸収ヒートポンプ運転の切替ができる。
図1において、154は冷暖切替弁である。低温再生器84と凝縮器88とが冷媒ドレン分岐配管(切替え配管)155で接続されており、この冷媒ドレン配管155に冷暖切替弁154が設けられている。図1は冷房運転を示しているので、冷暖切替弁154は閉である。156は、圧力差を維持するためのオリフィス又はUシール管である。他の構成及び作用は図7の場合と同様である。
図1においては、冷却水として排熱利用冷却水を冷温水ポンプ100により供給し、吸収器81、凝縮器88を経て排熱利用冷却水(戻り)を抜き出す。また、冷温水ポンプ99で冷水用の水を供給し、蒸発器89で冷却して冷水を得ている。
一方、図2においては、冷暖切替弁154を開として、低温再生器84からの冷媒ドレンを凝縮器88に導入する。そして、利用負荷で使用された温水(戻り)を冷却水ポンプで吸収器81、凝縮器88に送り、温水は吸収器81で加熱された後、凝縮器88で冷媒ドレンによりさらに加熱されて温水利用負荷へ送られる。このように、図2においては、冷却水ポンプは温水循環ポンプ100aとなる。また、排熱水が冷温水ポンプに送られ、蒸発器89で冷却されて排熱水(戻り)として抜き出される。このとき、排熱水の熱が回収される。このように、図2においては、冷温水ポンプは排熱水循環ポンプ99aとなる。
暖房運転時は、これまでの暖房運転方式では、冷却水は流さずに、高温再生器10で発生(蒸発)した冷媒蒸気は中温再生器87、低温再生器84を経由する所までは、これまでの冷房運転時と同じであるが、その後の冷媒蒸気と冷媒ドレンは、冷暖切替弁154の切替え操作により蒸発器へ流れるようにして、冷媒蒸気と冷媒ドレンの熱で温水を加熱し暖房運転に利用するようになされていた。
本例の吸収ヒートポンプでは、上記のように、冷房運転時には高効率を可能とする既存の三重効用サイクル運転を行い、暖房運転時には、冷房運転時に冷水を流した蒸発器89に低温の排熱源流体を流し、冷却水を流した吸収器81と凝縮器88には温水を流す。この時、高温再生器10で発生(蒸発)した冷媒蒸気は中温再生器87、低温再生器84を経由する所までは冷房運転時と同じであるが、その後の冷媒蒸気と冷媒ドレンは、冷暖切替弁154の切替え操作により凝縮器88へ流れるようにして、凝縮器88で冷媒蒸気と冷媒ドレンの熱で温水を加熱し、吸収器81では加熱された吸収液で温水を加熱して暖房運転用の温水を加熱するようにしている。
このように、暖房運転時は、排熱源流体の熱を温水の加熱源として利用できるために、天然ガスなどの高級なエネルギーの使用量を減らすことが可能となり、冷房運転、暖房運転ともに定格運転時の成績係数(効率)1.6が可能となって、年間を通じて高効率な運転が可能となる。また、暖房運転時は、高温再生器10と中温再生器87との間では冷房運転時と同じように圧力差が生じる構造を生かし、高温再生器10で発生した冷媒蒸気を利用して中温再生器87内の伝熱管管外を流れる吸収液を加熱して冷媒蒸気を発生するようにして、二重効用の効果が得られるようにしている。
また、中温再生器87で発生した冷媒蒸気は低温再生器84の伝熱管内を流れるが、低温再生器84出口の冷媒ドレン分岐配管155に設けた冷暖切替弁154の切替え操作(弁を開く)により冷媒蒸気が低温再生器84で熱交換せずに、凝縮器88へ流れ凝縮器で熱交換するようにして、中温再生器87、低温再生器84と凝縮器88の間で大きな圧力差が生じないようにしている。図1及び図2は、一例としてリバースサイクルの場合を示しているが、シリーズサイクル、パラレルサイクルなど他の運転サイクルでも同じことができる。
12 上部管寄せ
14 下部管寄せ
16 上昇管
18 燃焼装置
20 燃焼室
24 気液混合物導管
26 気液分離器
28 蒸気抜出導管(蒸気供給管)
30 吸収液抜出導管
36 吸収液循環導管
42 吸収液供給管(水・吸収液供給管)
81 吸収器
82 低温吸収液ポンプ
83 低温熱交換器
84 低温再生器
85 中温吸収液ポンプ
86 中温熱交換器
87 中温再生器
88 凝縮器
89 蒸発器
90 冷媒ポンプ
93 高温吸収液ポンプ
94 高温熱交換器
95、96 バイパス管
97、98 冷媒蒸気配管
99 冷温水ポンプ
99a 排熱水循環ポンプ
100 冷却水ポンプ
100a 温水循環ポンプ
152 排ガス熱交換器
153 冷媒ドレン熱交換器
151、154 冷暖切替弁
155、160 冷媒ドレン分岐配管
156 オリフィス又はUシール管
157、159、161 フロート式圧力シール弁
158、162 冷媒ドレン配管
Claims (2)
- 吸収器、蒸発器、凝縮器、低温再生器、中温再生器、高温再生器、溶液熱交換器、溶液ポンプ及び冷媒ポンプを少なくとも有する三重効用サイクルを採用する吸収冷温水機において、低温再生器伝熱管出口部の冷媒蒸気・冷媒ドレンが流れる配管と凝縮器とを接続する配管を設け、この配管途中に冷暖切替弁を設けて、暖房運転を行う時には吸収器、凝縮器の順に温水を流し、冷暖切替弁を開くと、中温再生器で発生した冷媒蒸気と中温再生器で凝縮した冷媒ドレンのほとんどが低温再生器を経由して凝縮器で熱交換するようにして、凝縮器伝熱管内を流れる温水を加熱するようにしたことを特徴とする吸収ヒートポンプ。
- 三重効用サイクル運転に必要な構成機器である高温再生器、中温再生器、低温再生器、蒸発器、吸収器、凝縮器、低温・中温・高温熱交換器、溶液循環ポンプ、冷媒ポンプに加えて、冷媒ドレン熱交換器及び/又は排ガス熱交換器を付加して高効率を得るようにした請求項1記載の吸収ヒートポンプ。
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