JP2013160399A - 吸収式冷凍機の制御運転方法。 - Google Patents

吸収式冷凍機の制御運転方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】 三重効用サイクル吸収式冷凍機の大幅な省エネルギー、大容量化を図る。
【解決手段】 三重効用サイクル吸収式冷凍機Aの胴内部を循環する吸収液の濃度が、高温再生器、中温再生器、低温再生器の各部位で、運転中、停止中にかかわらず、40〜60%となるように循環量調整、充填量調製し、胴外部から供給・循環して吸収液を冷却する冷却水の入口温度が、冷凍機の運転中は常に10〜22℃となるようにして、冷凍機Aの胴内圧力が、高温再生器、中温再生器、低温再生器のいずれの部位においても、運転中、停止中にかかわらず常に大気圧を越えないように圧力バランスをとる低温低圧サイクルとなるようにして、既存の三重効用サイクル吸収式冷凍機よりも胴内の温度、圧力を低く保つように制御運転する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、従来の三重効用サイクル吸収式冷凍機よりも、胴内部の圧力及び温度を低く保持して、省エネルギー効果を大幅に向上させるようにした、冷水、温水を供給する吸収式冷凍機の制御運転方法に関するものである。
従来、三重効用サイクル吸収式冷凍機の一例として、図13に示すものが知られている。この吸収式冷凍機は、吸収液(例えば、臭化リチウム(LiBr)水溶液)が吸収器1から低温再生器4、中温再生器7、高温再生器10(図13では一例として水蒸気加熱式濃縮器)に流れるというリバースフローサイクルの構成をしている。
この吸収式冷凍機における吸収サイクルを説明すると、まず、吸収器1で多量の冷媒蒸気(水蒸気)を吸収して濃度が薄められた吸収液(希吸収液又は希溶液)が吸収器1から熱交換器3に送給され、この熱交換器3により加熱された後に低温再生器4に送給される。この吸収液はこの低温再生器4において再生され、吸収している冷媒の一部を放出し濃度がその分高くなる。
この吸収液は、熱交換器6に送給され加熱された後に中温再生器7に送給され、再生された後、高温再生器10に送給され、さらに再生された後、吸収器1に帰還する。この帰還した吸収液は、吸収器1において伝熱管上に散布され、冷却水により冷却されながら再び冷媒蒸気を吸収して希吸収液となる。
低温再生器4には、加熱源(駆動熱源)として温水又はスチームが供給される。低温再生器4からの冷媒蒸気は凝縮器8に戻されて凝縮する。凝縮器8からの冷媒液(水)は蒸発器9に入り、この凝縮した冷媒液が冷媒ポンプ11により蒸発器9の伝熱管(水が流通している)に散布され蒸発潜熱により冷却されて冷水が得られる。5は中間液ポンプ、13は濃液ポンプ、14は付加熱交換器、15はドレン熱回収器、16は濃吸収液加熱器、17は補助再生器、18は第1冷媒熱回収器、19は第2冷媒熱回収器である。
また、従来、単効用吸収式冷凍機の一例として、図14に示すものが知られている。この吸収式冷凍機は、吸収液(例えば、臭化リチウム水溶液)が吸収器20から再生器24に流されるというサイクルを構成している。この吸収式冷凍機における吸収サイクルを説明すると、まず、吸収器20で多量の冷媒蒸気(水蒸気)を吸収して濃度が薄められた吸収液(希吸収液又は希溶液)が吸収器20から熱交換器22に送給され、この熱交換器22により加熱された後に再生器24に送給される。前記希吸収液(希溶液)は、この再生器24において再生され、吸収している冷媒の一部を放出し濃度がその分高くなって濃吸収液(濃溶液)となる。
この濃吸収液は、熱交換器22の加熱側に前記希吸収液を加熱する加熱源として戻された後、前記吸収器20に帰還する。この帰還した吸収液は吸収器20において伝熱管上に散布され、冷却水により冷却されながら再び冷媒蒸気を吸収して前記希吸収液となる。23は吸収液ポンプ、27は冷媒ポンプ、28は冷却水ポンプである。
再生器24には、加熱源(駆動熱源)として温水又はスチームが供給される。再生器24からの冷媒蒸気は凝縮器25に戻されて凝縮する。凝縮器25からの冷媒液(水)は蒸発器26に入り、この凝縮した冷媒液が冷媒ポンプ27により蒸発器26の伝熱管(水が流通している)に散布され蒸発潜熱により冷却されて冷水が得られる。29は冷水ポンプである。
図12は、従来の三重効用サイクル吸収式冷凍機30の一例の概念図である。吸収式冷凍機内部の構造、周辺の搬送機器の図示は省略しているが、例えば、前述の図13に示す構成等が適用される。
図12に示す従来の三重効用サイクル吸収式冷凍機において、冷却水として約30〜32℃の循環水が使用されている。冷凍機における吸収器及び凝縮器を冷却した循環水は冷却塔31に送られて冷却ファンにより送られてくる空気で約30〜32℃に冷却され、冷凍機30に循環される。32は冷却ファンモータである。この場合、循環水の温度が高いのと、吸収液の濃度が大きくなることにより、冷凍機内が高温、かつ大気圧を越える高圧になるという問題点がある。
一般に、吸収式冷凍機全般について、常に考慮しておくべき課題として、次の諸項目がある。すなわち、(1)高効率化、(2)小型化、(3)LiBr水溶液(吸収液)の結晶防止、(4)立ち上り時間の短縮、(5)低負荷時、余剰エネルギーの蓄熱、(6)排熱利用量を増やし、高品位エネルギーの使用量を減らす、(7)低圧蒸気を高効率吸収式冷凍機に利用、(8)容器・配管などの構造が簡略化され、汎用部品の使用が可能となる、(9)自然エネルギー、再生可能エネルギーの有効利用、(10)CO2 排出量の削減、である。
これらの課題・項目を解決するための方策として、三重効用吸収式冷凍機の低温低圧運転と大容量化を検討する。さらには、省エネルギー効果を更に高めるための方策として、潜熱蓄熱材を利用し、余剰となっている自然エネルギー、再生可能エネルギーなどを蓄熱材に保存して、吸収式冷凍機を運転する際に取り出して利用する省エネルギー、省CO2 効果を高めるシステムを付加する。
現在商品化している三重効用吸収式冷凍機は、高温再生器に貫流式ボイラ構造を採用している。その理由は、三重効用サイクルで運転を行う場合に、高温再生器の内部圧力が大気圧を越えることに起因している。高温再生器の内部圧力が大気圧を越えて運転を行うサイクルでは、通常の吸収式冷凍機と同様に高温再生器は真空に耐える構造であると同時に、大気圧を越えて運転する場合に必要となる耐圧構造を有する必要が生じるためである。
そのため、現在の高温再生器では、真空対応に加えて大気圧以上の対応においても運転が可能となる小型貫流式ボイラ構造(簡易貫流式ボイラ構造を含む)を採用している。しかし、小型貫流式ボイラ構造を採用する場合は、小型貫流式ボイラ構造規格に準拠して製作する必要があり、同規格で対応する場合は構造、容量・規模に制限があって、高温再生器に小型貫流式ボイラ構造を採用する三重効用吸収式冷凍機の場合は、大容量化を進めることは非常に困難な状況である。
三重効用吸収式冷凍機は吸収式としての最高効率を達成しているが、同時に同容量の他機種にくらべると割高な製作コストとなり、高効率と高コストの板ばさみにあって普及が遅れている。この対策としては、機器の大容量化によって機器の単位当たりのコストを下げることが最も有効な手段であるが、先に説明した通り、小型貫流式ボイラの構造規格に準拠して製作する限りは、三重効用吸収式冷凍機の大容量化を進めることは不可能に近い状況であった。
そこで、三重効用吸収式冷凍機の大型化及び低コスト化を進めるための対策として、三重効用サイクルの見直しを行い、さらには、排熱利用機器、潜熱蓄熱材との組合せによって、高温再生器の内部圧力が大気圧を越えない運転と、吸収式冷凍機としてのさらなる効率アップ(吸収式としての最高効率)を達成する三重効用吸収式冷凍機と排熱利用機器、潜熱蓄熱材を組み合わせるシステムからなる装置の制御運転方法を開発した。
特開2010−139232号公報 特開2011−220613号公報 特開2011−112272号公報
解決しようとする問題点は、三重サイクル吸収式冷凍機において、大幅な省エネルギーを図り、大型化及び低コスト化を図ることが難しい点である。
本発明は、三重サイクル吸収式冷凍機の省エネルギー、大型化及び低コスト化を図るため、LiBr吸収液の濃度を40〜60%、望ましくは45〜56%となるようにし、かつ、冷却水の入口温度を10〜22℃、望ましくは15〜20℃となるようにして制御運転することを最も主要な特徴とする。
三重効用吸収式冷凍機を大容量化、すなわち大型化することにより単位当りのコストの低減を図ることができる。また、高温再生器等の無規格化と無資格化を図ることができる。すなわち、構造規格に該当しなければ、安全弁、液面計など削除できる部品が増える。
また、低温低圧サイクルを採用している。吸収液の低温低濃度運転により、耐熱用特殊部品を汎用部品に変更することができる。また、高温再生器の内部圧力が運転時大気圧以下となる溶液濃度、温度などの条件を定める。また、冷却水温度22℃以下、望ましくは20℃以下、吸収液濃度60%以下、望ましくは56%以下の時、三重効用サイクルで運転しても胴内圧力は大気圧を越えることはない。
また、低温化による結果として結晶防止を図ることができる。吸収式冷凍機に使用するLiBr水溶液(吸収液)は、濃度56%以下の時は溶液温度0℃で結晶しないことが知られている。常時冷房を必要とする運転条件では溶液温度が0℃以下になることは考えられないので、吸収冷凍機の各部の運転サイクル濃度を56%以下となるように構成すれば、運転中のいかなる条件下でも、吸収液が結晶しない吸収冷凍機の商品化が可能となる。
排熱利用のために、付属システム機器を用いる。すなわち、排熱エネルギー、自然エネルギーを回収する機能を吸収式冷凍機に組み込んで省エネルギー効果を上げる。低温排熱、低圧水蒸気をエネルギーとして利用することで範囲を広げる。この場合、中圧水蒸気の使用が可能となり、構造物・配管の耐圧試験省略と汎用品の利用が可能となる。
また、低冷却水対応とする。低冷却水を利用すると、吸収式冷凍機の吸収器機能が高まり、低い濃度で最高の効率を得ることが可能となる。吸収液濃度を56%以下に維持すれば、吸収液温度0℃以上で結晶の恐れがない。冷却水は0℃以下では凍結して運転できなくなり、0℃以下になることはない。吸収式冷凍機内部に保有する熱を外部へ放出するために、冷却水として地下水又は海水を用いる吸収式冷凍機の事例は多く知られている。しかし、地下水又は海水を冷却水として利用する場合には、冷却水の水質、温度、水量、腐食性、周辺環境への影響などに注意を払う必要があり、そのための対策費用が高額となるため、都心部などでの利用例は限られる。そのため、地下水又は海水などの冷却水の代わりに低温の冷却水を安定的に供給できるシステムが別に必要となる。
さらに、潜熱蓄熱材を活用する。この場合、余剰となった熱及び自然エネルギーを蓄熱し必要な時に取り出して利用する。この時、潜熱蓄熱材を用いると同容積での蓄熱量が増え、蓄熱効率を高めることができる。また、運転システム装置の安定化制御を行うようにする。吸収式冷凍機の運転と冷却水温度など関連する温度条件を総合的に管理して冷水、冷却水のハンチングを防止して運転効率を高めることができる。さらに、国策に合致した機器構成と省エネルギー効果を得るようにする。すなわち、補助金の利用が可能な省エネルギーシステムを開発して顧客の負担を軽減するようにする。
本発明は、使い勝手が悪く利用価値が低い中温水、低温排熱、低圧水蒸気、自然エネルギー、再生エネルギーなどの低温熱エネルギーを循環させて有効に利用し、単効用形吸収式冷凍機の熱源として利用して中温冷水を得るシステムと、その中温冷水を冷房用途、産業用途に冷水を供給する三重効用形吸収式冷凍機の冷却水として用い、三重効用形吸収式冷凍機の熱源である高品位エネルギー(天然ガス、重油、高圧水蒸気、高温水)の消費量を大幅に減らすようにして省エネルギーを図ることができる制御運転方法を提供することを目的とするものである。
このため、使い勝手が悪く利用価値が低い中温水、低温排熱、低圧水蒸気、自然エネルギー、再生エネルギーなどの低温熱エネルギー(低位熱エネルギー)を循環させて有効に利用して、それを加熱源として有効利用する単効用形吸収式冷凍機と、この吸収式冷凍機で10〜22℃、望ましくは15〜20℃前後に冷却されて循環される中間温度冷水を冷却水として利用する低温低圧サイクル三重効用形吸収式冷凍機とからなるシステムを構成し、三重効用形吸収式冷凍機の加熱源として用いる高位熱エネルギー(天然ガス、重油、高圧水蒸気、高温水)の消費量を大幅に減らすことが可能となるようにする。本発明の方法では、吸収式冷凍機を用いる冷水供給システムとして最高となる効率を達成することができる。
本発明の吸収式冷凍機の制御運転方法は、冷凍機の胴外部へ冷温水を供給するために、胴内部で熱の受入れと放出を行う熱交換器、高温再生器、中温再生器、低温再生器、凝縮器、吸収器、蒸発器、低温吸収液ポンプ、中温吸収液ポンプ、高温吸収液ポンプ及び冷媒ポンプを少なくとも有し、熱媒体として胴内部を循環する臭化リチウム水溶液からなる吸収液と水を冷媒とする三重効用サイクル吸収式冷凍機の制御運転方法であって、胴内部を循環する吸収液の濃度が、高温再生器、中温再生器、低温再生器の各部位で、運転中、停止中にかかわらず、40〜60%、望ましくは45〜56%となるように循環量調整、充填量調製し、胴外部から供給・循環して吸収液を冷却する冷却水の入口温度が、冷凍機の運転中は常に10〜22℃、望ましくは15〜20℃となるようにして、冷凍機の胴内圧力が、高温再生器、中温再生器、低温再生器のいずれの部位においても、運転中、停止中にかかわらず常に大気圧を越えないように圧力バランスをとる低温低圧サイクルとなるようにして、既存の三重効用よりも胴内の温度、圧力を低く保って大幅に省エネルギー効果を高めるようにしたことを特徴としている(図1参照)。
このように、吸収式冷凍機としての最高効率を達成させるために計画・設計された三重効用サイクルを採用する吸収式冷凍機は、胴外部へ冷水、温水を供給することを目的として、胴内部で熱の受入れと放出を行うための熱交換器を備え、熱媒体として胴内部を循環するLiBr水溶液(吸収液)と冷媒(水)を有している。
上記の方法において、冷却水として、地下水及び海水のいずれかを使用するようにする(図1参照)。
冷却水は、外気と熱交換する通常の冷却塔の場合、外気湿球温度が10〜20℃となる外気温でないと冷却水の温度を15〜20℃に冷却することができない。そのため、低温低圧の三重効用サイクルの吸収式冷凍機が必要とする冷却水として、外気と熱交換する冷却塔では、通常の使用環境で冷却水温度を15〜20℃まで下げることができないため、適当ではない。そこで、本発明の三重効用サイクル吸収式冷凍機の制御運転方法では、容易に地下水(井水)、海水などが利用できる地域では、地下水、海水を利用して運転できるようにしている。
また、本発明の方法は、排熱、自然エネルギー及び再生可能エネルギーの少なくともいずれかの低位熱エネルギーを加熱源として利用して運転する排熱利用吸収冷凍機で10〜22℃、望ましくは15〜20℃の中温冷水を作り、この中温冷水を冷却水として循環して使用するようにすることもできる(図2参照)。
冷却水は、外気と熱交換する通常の冷却塔の場合、外気湿球温度が10〜20℃となる外気温でないと冷却水の温度は15〜20℃に冷却することができない。そのため、低温低圧の三重効用サイクルの吸収式冷凍機が必要とする冷却水は、外気と熱交換する冷却塔では通常の使用環境で冷却水温度を15〜20℃まで下げることができない。なおかつ、地下水、海水を冷却水として利用できない場合の方策として、上記の方法を採用する。
この方法において、三重効用サイクル吸収式冷凍機の運転を必要としない外部負荷の少ない時間帯に、中温冷水の熱エネルギーを潜熱蓄熱装置に蓄熱させて保存するようにすることもできる(図3参照)。
すなわち、低位熱エネルギーを利用して運転する排熱利用吸収冷凍機で冷却して供給する中温冷水は、外部環境、外部温度条件の影響を受け易く、安定して中温冷水を供給できない場合がある。そのための対策として、低温低圧三重効用サイクル吸収式冷凍機の運転を必要としない外部負荷の少ない時間帯には、排熱利用吸収冷凍機で冷却した中温冷水の熱エネルギーを保存する潜熱蓄熱材を中温冷水の環境ラインに装備して、潜熱蓄熱を行う。
通常の水で蓄熱する場合に比べて、潜熱蓄熱材を用いる場合には、同じ容積で保有できる熱量が2倍以上に増えるため設置面積を小さくするメリットがあり、小さくすることにより放熱ロスとなる熱量が減るメリットがある。低温低圧三重効用サイクル吸収式冷凍機と排熱利用吸収式冷凍機の間を結ぶ中温冷水の環境ライン途中に潜熱蓄熱材を用いた蓄熱層を設け熱エネルギーの保存を可能とし、有効利用を図って低温低圧三重効用サイクル吸収式冷凍機が安定的に運転できかつ冷水供給が安定するようにする。
また、本発明の方法は、三重効用サイクル吸収式冷凍機から外部へ供給する冷水の温度を監視し運転盤で運転・制御し、排熱利用吸収式冷凍機から三重効用サイクル吸収式冷凍機に冷却水として供給する中温冷水の温度を監視し運転盤で運転・制御し、排熱利用吸収式冷凍機の起動・停止及び異常監視を三重効用サイクル吸収式冷凍機で行うようにして、三重効用サイクル吸収式冷凍機の運転を安定させ、運転効率を高め、同時に外部冷房負荷へ冷水を安定して供給するようにすることもできる(図4参照)。
また、本発明の方法は、三重効用サイクル吸収式冷凍機の停止中に、低位エネルギー利用の排熱利用吸収式冷凍機を運転して循環する中温冷水の蓄熱を行って潜熱蓄熱装置に十分に熱が補充されている場合は、三重効用サイクル吸収式冷凍機の運転再開時には潜熱蓄熱装置に蓄熱した中温冷水を三重効用サイクル吸収式冷凍機の冷却水として優先して使用するように熱エネルギーを利用する順位を制御し、潜熱蓄熱装置の放熱が完了する前に三重効用サイクル吸収式冷凍機に中温冷水を供給する排熱利用吸収式冷凍機の運転を開始するようにすることもできる(図5参照)。
また、本発明の方法は、排熱利用吸収式冷凍機の熱源として、太陽熱集熱器からの温水、及びガスエンジン排熱を利用するコージェネレーションシステムからの温水を併用して利用して排熱利用効率を高めることにより、三重効用サイクル吸収式冷凍機の運転を安定させ、運転効率を高め、同時に外部冷房負荷へ冷水を安定して供給するようにすることもできる(図6参照)。
また、本発明の方法は、排熱利用吸収式冷凍機で中温冷水を作る代わりに、排熱利用吸収式冷凍機で中温熱源温水を作り、三重効用サイクル吸収式冷凍機から外部へ供給する温水の温度を監視し運転盤で運転・制御し、排熱利用吸収冷凍機から三重効用サイクル吸収式冷凍機に中温熱源温水として供給する中温熱源温水の温度を監視し運転盤で運転・制御し、排熱利用吸収式冷凍機の起動・停止及び異常監視を三重効用サイクル吸収式冷凍機で行うようにして、三重効用サイクル吸収式冷凍機の暖房運転時の熱源として排熱利用吸収式冷凍機から供給される温水を利用し、三重効用サイクル吸収式冷凍機から暖房用温水を外部負荷へ供給する際に消費する高位熱エネルギーの消費量を削減し、運転効率を高め、同時に外部暖房負荷へ温水を安定して供給するようにすることもできる(図7参照)。
さらに、本発明の方法は、三重効用サイクル吸収式冷凍機及び排熱利用吸収式冷凍機の熱源として、太陽熱集熱器内で太陽熱により加熱され蒸発する5〜10kg/cm2 G(ゲージ圧)の水蒸気を利用できるようにして、三重効用サイクル吸収式冷凍機には太陽熱集熱器で発生した5〜10kg/cm2 G(ゲージ圧)水蒸気の一部を利用し、排熱利用吸収式冷凍機には太陽熱集熱器で発生した水蒸気の一部を1〜1.5kg/cm2 G(ゲージ圧)に減圧して利用することにより、熱利用効率を高めて三重効用サイクル吸収式冷凍機の運転を安定させて運転効率を高め、同時に外部暖房負荷へ冷水を安定して供給するようにすることもできる(図8参照)。
この方法において、排熱利用吸収式冷凍機の熱源として、簡易に設置できる低圧ボイラから供給する1〜1.5kg/cm2 G(ゲージ圧力)の低圧水蒸気を用いて太陽熱集熱器から供給する水蒸気量を減らすことにより太陽熱集熱器の設置面積を減らし、三重効用サイクル吸収式冷凍機が停止中は太陽熱集熱器から発生する水蒸気を排熱利用吸収式冷凍機に供給しこの排熱利用吸収式冷凍機を運転して潜熱蓄熱装置に中温冷水の冷熱を蓄熱することにより、装置の小型化と省エネルギー化を可能とするようにすることもできる(図9参照)。
本発明は、上記のように構成されているので、つぎのような効果を奏する。
(1)従来の冷却塔を用いる場合に比べて、三重効用サイクル吸収式冷凍機へ供給する冷却水温度を低くすることができ、かつ、吸収液濃度を低くすることにより、吸収式冷凍機を三重効用サイクルで運転しても胴内圧力は大気圧を越えない低い圧力を保持することができる。また、吸収液の結晶化のおそれがなくなる。
(2)三重効用サイクル吸収式冷凍機と排熱利用単効用吸収式冷凍機とを組み合わせて、後者から得られる中温冷水を、前者の冷却水として使用する場合は、前者の熱源である高品位エネルギー(天然ガス、重油、高圧水蒸気、高温水など)の消費量を大幅に減らすことができる。
(3)余剰の熱及び自然エネルギーを蓄熱して必要な時に取り出して利用する場合は、さらに効率を向上させることができる。
図1は本発明の実施方法の一例を示す説明図である(実施例1)。 図2は本発明の実施方法の他の例を示す説明図である(実施例2)。 図3は本発明の実施方法の他の例を示す説明図である(実施例3)。 図4は本発明の実施方法の他の例を示す説明図である(実施例4)。 図5は本発明の実施方法の他の例を示す説明図である(実施例5)。 図6は本発明の実施方法の他の例を示す説明図である(実施例6)。 図7は本発明の実施方法の他の例を示す説明図である(実施例7)。 図8は本発明の実施方法の他の例を示す説明図である(実施例8)。 図9は本発明の実施方法のさらに他の例を示す説明図である(実施例9)。 図10は高温再生器を大気圧以下で運転する吸収液循環フローのイメージを説明する図である。 図11は運転中に高温再生器の圧力が大気圧を越える吸収液循環フローのイメージ図である。 図12は従来の三重効用サイクル吸収式冷凍機の制御運転方法を示す図である。 図13は従来の三重効用吸収式冷凍機の一例を示す説明図である。 図14は従来の単効用吸収式冷凍機の一例を示す説明図である。
三重効用サイクル吸収式冷凍機を低温低圧化して高効率化を図るという目的を、冷却水温度を低くし、かつ、吸収液濃度を低くすることにより実現した。
以下、本発明の実施例について図面に基づいて説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、適宜変更して実施できるものである。 図1は、本発明の実施例1における吸収式冷凍機の簡易概念図であり、冷凍機内の構造、周辺の搬送機器は省略している。Aは三重効用サイクル吸収式冷凍機で、例えば、前述の図13に示すような構造をしている。図13は、一例として、リバースフローサイクルの構造を示しているが、シリーズフローサイクル、パラレルフローサイクルの構造とすることもできる。
吸収液を加熱、濃縮するための加熱源としては、従来の三重効用サイクル吸収式冷凍機の場合と同様に、天然ガス、高圧水蒸気、高圧高温水などの高位熱エネルギーが使用される。
吸収液としては、臭化リチウム(LiBr)の水溶液が用いられ、胴内部を循環する吸収液の濃度は40〜60%、望ましくは45〜56%となるように調整されている。吸収液の濃度が60%を越える場合は、吸収液が結晶しやすくなる。吸収液の濃度が56%以下では吸収液温度が0℃でも結晶しないことが知られている。一方、吸収液の濃度が40%未満では、吸収液としての性能が悪くなるという不都合がある。
吸収式冷凍機Aへ供給する冷却水としては、10〜22℃、望ましくは15〜20℃の地下水又は海水が汲み上げられ冷却水として用いられる。なお、従来の吸収式冷凍機における外気で冷やす構造では、冷却水は15〜20℃まで温度を下げることができない。34は冷却水供給管である。
冷却水の温度が22℃を越える場合は、吸収液濃度が60%以下であっても、三重効用サイクル吸収式冷凍機Aの胴内圧力が大気圧を越える場合がある。一方、冷却水の温度は低い程、好ましいが、下限を10℃程度としておくのが実際的である。
このようにすることにより、吸収式冷凍機Aの胴内圧力を大気圧以下とすることができ、かつ、低温にすることができる。本例における「低圧」とは胴内を大気圧未満、詳しくは、0.8kPaA〜100kPaA(絶対圧)とすることであり、「低温」とは冷却水温度を10〜22℃、望ましくは15〜20℃とすることである。本例では、運転中に高温再生器内の圧力が大気圧を越えることはない。
作られた冷水は約5〜7℃で、冷房、産業用途に利用され、冷房負荷と吸収式冷凍機Aとの間を循環して約12℃となって吸収式冷凍機Aに戻される。
図2は、本発明の実施例2における吸収式冷凍機の簡易概念図である。本例は、実施例1における冷却水として地下水又は海水を用いる代わりに、排熱利用の単効用吸収式冷凍機Bで作られた、10〜22℃、望ましくは15〜20℃の中温冷水を三重効用吸収式冷凍機Aに循環するように構成したものである。35は中温冷水循環ラインである。
単効用吸収式冷凍機Bとしては、例えば、前述の図14に示すような構造のものが用いられる。なお、単効用に限ることなく、二重効用、三重効用の排熱利用型とすることも可能である。
吸収式冷凍機Bの吸収液を加熱、濃縮するための加熱源としては、太陽熱利用温水、ガスエンジン排熱温水、低圧水蒸気、中温水排熱などの低位熱エネルギーが使用される。
吸収式冷凍機Bに、約30〜32℃の冷却水が供給され、冷却に使用された水は空冷式の冷却塔36に循環、スプレーされて約30〜32℃に冷却される。37は冷却ファンモータである。他の構成及び作用は、実施例1の場合と同様である。
図3は、本発明の実施例3における吸収式冷凍機の簡易概念図である。本例は、実施例2における中温冷水循環ライン35に、潜熱蓄熱材と蓄熱水槽とからなる潜熱蓄熱装置38を設け、吸収式冷凍機Aの運転を必要としない外部負荷の少ない時間帯に、中温冷水の熱エネルギーを潜熱蓄熱装置38に、例えば切換弁39、40を操作することにより、蓄熱保持させるようにしたものである。他の構成及び作用は、実施例2の場合と同様である。
図4は、本発明の実施例4における吸収式冷凍機の簡易概念図である。本例は、実施例2において、高位熱エネルギー供給ライン41に制御弁42を設け、冷水出口管43に温度センサ44を設け、中温冷水循環ライン35の冷凍機Bの出口に温度センサ45、46を設けている。なお、温度センサ45、46を1個にして共通とすることもできる。また、低位熱エネルギー供給ライン47に制御弁48を設け、冷却水循環ライン50の冷却塔36の出口に温度センサ51を設けている。
冷水出口管の温度センサ44、中温冷水循環ラインの温度センサ46及び高位熱エネルギー供給ラインの制御弁42は運転盤52に接続されている。また、中温冷水循環ラインの温度センサ45、冷却水循環ラインの温度センサ51及び低位熱エネルギー供給ラインの制御弁48は運転盤53に接続されている。さらに、これらの運転盤52、53が接続されている。
このような構成において、三重効用サイクル吸収式冷凍機Aから外部へ供給する冷水の温度t1を温度センサ44で監視し運転盤52で運転・制御し、排熱利用単効用吸収冷凍機Bから三重効用サイクル吸収式冷凍機Aに冷却水として供給する中温冷水の温度t2を温度センサ45、46で監視し運転盤52、53で運転・制御し、排熱利用吸収式冷凍機Bの起動・停止及び異常監視を三重効用サイクル吸収式冷凍機Aで行うようにして、三重効用サイクル吸収式冷凍機Aの運転を安定させ、運転効率を高め、同時に外部冷房負荷へ冷水を安定して供給するようにする。他の構成及び作用は、実施例2の場合と同様である。
図5は、本発明の実施例5における吸収式冷凍機の簡易概念図である。本例は、実施例3において、実施例4におけるような構成を付加し、さらに、中温冷水循環ライン35の冷凍機Bの出口に制御弁54を設け、潜熱蓄熱装置38と中温冷水循環ラインの制御弁54の下流側とを接続する潜熱供給ライン56に制御弁55を設けている。運転盤52と運転盤53との間に制御盤57を設け、この制御盤57と前記制御弁54、55とを接続している。
このような構成において、三重効用サイクル吸収式冷凍機Aの停止中に、低位熱エネルギー利用の排熱利用単効用吸収式冷凍機Bを運転して循環する中温冷水の蓄熱を行って潜熱蓄熱装置38に十分に熱が補充されている場合は、三重効用サイクル吸収式冷凍機Aの運転再開時には潜熱蓄熱装置38に蓄熱した中温冷水を三重効用サイクル吸収式冷凍機Aの冷却水として優先して使用するように熱エネルギーを利用する順位を制御し、潜熱蓄熱装置38の放熱が完了する前に三重効用サイクル吸収式冷凍機Aに中温冷水を供給する排熱利用単効用吸収式冷凍機Bの運転を開始するように制御する。他の構成及び作用は、実施例3、4の場合と同様である。
図6は、本発明の実施例6における吸収式冷凍機の簡易概念図である。本例は、実施例3における加熱源(低位熱エネルギー)の具体例を示したものである。すなわち、太陽熱利用の集熱器60、及びガスエンジンの排熱を利用するコージェネレーションシステム(装置)61で得た温水を貯湯槽62に貯え、この貯湯槽62からの温水(一例として88℃)を排熱利用の単効用吸収式冷凍機Bの加熱源として供給している。使用された温水(一例として83℃)は、太陽熱利用の集熱器60及びコージェネレーションシステム61に循環される。63は排熱利用の熱交換器である。
このような構成において、排熱利用単効用吸収式冷凍機Bの熱源として、太陽熱集熱器60からの温水、及びガスエンジン排熱を利用するコージェネレーションシステム61からの温水を併用して利用して排熱利用効率を高めることにより、三重効用サイクル吸収式冷凍機Aの運転を安定させ、運転効率を高め、同時に外部冷房負荷へ冷水を安定して供給するようにする。他の構成及び作用は、実施例2〜5の場合と同様である。
図7は、本発明の実施例7における吸収式冷凍機の簡易概念図である。本例は、冷水供給の代わりに約60℃の温水を供給するようにしたものである。低位熱エネルギーの加熱源は、実施例6の場合と同様であり、制御機構の構成は、実施例4の場合と同様である。
このような構成において、排熱利用単効用吸収式冷凍機Bで中温冷水を作る代わりに、排熱利用単効用吸収式冷凍機Bで中温熱源温水を作り、三重効用サイクル吸収式冷凍機Aから外部へ供給する温水の温度t3を監視し運転盤52で運転・制御し、排熱利用単効用吸収冷凍機Bから三重効用サイクル吸収式冷凍機Aに中温熱源温水として供給する中温熱源温水の温度t4を、温度センサ45、46で監視し運転盤52、53で運転・制御し、排熱利用単効用吸収式冷凍機Bの起動・停止及び異常監視を三重効用サイクル吸収式冷凍機Aで行うようにして、三重効用サイクル吸収式冷凍機Aの暖房運転時の熱源として排熱利用単効用吸収式冷凍機Bから供給される温水を利用し、三重効用サイクル吸収式冷凍機Aから暖房用温水を外部負荷へ供給する際に消費する高位熱エネルギーの消費量を削減し、運転効率を高め、同時に外部暖房負荷へ温水を安定して供給するようにする。他の構成及び作用は、実施例2、4、6の場合と同様である。
図8は、本発明の実施例8における吸収式冷凍機の簡易概念図である。本例は、太陽熱利用の集熱器65で得た水蒸気を蒸気溜め66に貯え、この蒸気溜め66からの水蒸気を三重効用サイクル吸収式冷凍機A及び排熱利用単効用吸収式冷凍機Bへ加熱源として供給するようにしたものである。67は蒸気ドレン回収器、68は切換弁である。
すなわち、三重効用サイクル吸収式冷凍機A及び排熱利用単効用吸収式冷凍機Bの加熱源として、太陽熱集熱器65内で太陽熱により加熱され蒸発する5〜10kg/cm2 G(ゲージ圧)の水蒸気を利用できるようにして、三重効用サイクル吸収式冷凍機Aには太陽熱集熱器65で発生した水蒸気の一部を利用し、排熱利用単効用吸収式冷凍機Bには太陽熱集熱器65で発生した水蒸気の一部を1〜1.5kg/cm2 G(ゲージ圧)に減圧して利用することにより、熱利用効率を高めて三重効用サイクル吸収式冷凍機Aの運転を安定させて運転効率を高め、同時に外部暖房負荷へ冷水を安定して供給するようにする。他の構成及び作用は、実施例2〜5の場合と同様である。
図9は、本発明の実施例9における吸収式冷凍機の簡易概念図である。本例は、実施例8における蒸気溜め66からの水蒸気供給ラインの切換弁68の下流側に低圧蒸気ボイラ70を設け、この低圧蒸気ボイラ70からの1〜1.5kg/cm2 G(ゲージ圧)の低圧水蒸気を排熱利用単効用吸収式冷凍機Bに加熱源として供給するようにしたものである。
すなわち、排熱利用単効用吸収式冷凍機Bの熱源として、簡易に設置できる低圧蒸気ボイラ70から供給する1〜1.5kg/cm2 G(ゲージ圧)の低圧水蒸気を用いて太陽熱集熱器65から供給する水蒸気量を減らすことにより太陽熱集熱器65の設置面積を減らし、三重効用サイクル吸収式冷凍機Aが停止中は太陽熱集熱器65から発生する水蒸気を排熱利用単効用吸収式冷凍機Bに供給し、この排熱利用単効用吸収式冷凍機Bを運転して潜熱蓄熱装置38に中温冷水の冷熱を蓄熱することにより、装置全体の小型化と省エネルギー化を図るようにしている。他の構成及び作用は、実施例8の場合と同様である。
図10は、本発明における低温低圧三重効用サイクル吸収式冷凍機Aを大気圧以下で運転する場合の吸収液循環フローのイメージ図で、一例として、リバースフローサイクルの場合のサイクル図である。縦軸は吸収式冷凍機Aの胴内部の圧力を示し、横軸は吸収液(LiBr水溶液)の濃度が45〜56%の場合の冷媒エンタルピーを示している。図10からは、胴内圧力が大気圧以下となっていることがわかる。
図11は、図13に示す従来のリバースフローサイクルの三重効用サイクル吸収式冷凍機における吸収液循環フローのイメージ図である。縦軸は吸収式冷凍機の胴内部の圧力を示し、横軸は吸収液(LiBr水溶液)の濃度が57〜63%の場合の冷媒エンタルピーを示している。図11から、運転中に高温再生器の圧力が大気圧を超えていることがわかる。
三重効用サイクル吸収式冷凍機の胴内部の圧力及び温度を低く保持して、省エネルギー効果を大幅に向上させることができ、三重効用サイクル吸収式冷凍機の大容量化、高温再生器の無規格化と無資格化などを図ることができる。
A 低温低圧三重効用サイクル吸収式冷凍機
B 排熱利用単効用吸収式冷凍機
34 冷却水供給管
35 中温冷水循環ライン
36 冷却塔
37 冷却ファンモータ
38 潜熱蓄熱装置
39、40 切換弁
41 高位熱エネルギー供給ライン
42、48、54、55 制御弁
43 冷水出口管
44、45、46、51 温度センサ
47 低位熱エネルギー供給ライン
50 冷却水循環ライン
52、53 運転盤
56 潜熱供給ライン
57 制御盤
60 集熱器(温水発生器)
61 コージェネレーションシステム
62 貯湯槽
63 熱交換器
65 集熱器(水蒸気発生器)
66 蒸気溜め
67 蒸気ドレン回収器
68 切換弁
70 低圧蒸気ボイラ

Claims (10)

  1. 冷凍機の胴外部へ冷温水を供給するために、胴内部で熱の受入れと放出を行う熱交換器、高温再生器、中温再生器、低温再生器、凝縮器、吸収器、蒸発器、低温吸収液ポンプ、中温吸収液ポンプ、高温吸収液ポンプ及び冷媒ポンプを少なくとも有し、熱媒体として胴内部を循環する臭化リチウム水溶液からなる吸収液と水を冷媒とする三重効用サイクル吸収式冷凍機の制御運転方法であって、胴内部を循環する吸収液の濃度が、高温再生器、中温再生器、低温再生器の各部位で、運転中、停止中にかかわらず、40〜60%となるように循環量調整、充填量調製し、胴外部から供給・循環して吸収液を冷却する冷却水の入口温度が、冷凍機の運転中は常に10〜22℃となるようにして、冷凍機の胴内圧力が、高温再生器、中温再生器、低温再生器のいずれの部位においても、運転中、停止中にかかわらず常に大気圧を越えないように圧力バランスをとる低温低圧サイクルとなるようにして、既存の三重効用サイクル吸収式冷凍機よりも胴内の温度、圧力を低く保って大幅に省エネルギー効果を高めるようにしたことを特徴とする吸収式冷凍機の制御運転方法。
  2. 冷却水として、地下水及び海水のいずれかを使用する請求項1記載の吸収式冷凍機の制御運転方法。
  3. 排熱、自然エネルギー及び再生可能エネルギーの少なくともいずれかの低位熱エネルギーを加熱源として利用して運転する排熱利用吸収冷凍機で10〜22℃の中温冷水を作り、この中温冷水を冷却水として循環して使用する請求項1記載の吸収式冷凍機の制御運転方法。
  4. 三重効用サイクル吸収式冷凍機の運転を必要としない外部負荷の少ない時間帯に、中温冷水の熱エネルギーを潜熱蓄熱装置に蓄熱させて保存する請求項3記載の吸収式冷凍機の制御運転方法。
  5. 三重効用サイクル吸収式冷凍機から外部へ供給する冷水の温度を監視し運転盤で運転・制御し、排熱利用吸収式冷凍機から三重効用サイクル吸収式冷凍機に冷却水として供給する中温冷水の温度を監視し運転盤で運転・制御し、排熱利用吸収式冷凍機の起動・停止及び異常監視を三重効用サイクル吸収式冷凍機で行うようにして、三重効用サイクル吸収式冷凍機の運転を安定させ、運転効率を高め、同時に外部冷房負荷へ冷水を安定して供給する請求項3記載の吸収式冷凍機の制御運転方法。
  6. 三重効用サイクル吸収式冷凍機の停止中に、低位エネルギー利用の排熱利用吸収式冷凍機を運転して循環する中温冷水の蓄熱を行って潜熱蓄熱装置に十分に熱が補充されている場合は、三重効用サイクル吸収式冷凍機の運転再開時には潜熱蓄熱装置に蓄熱した中温冷水を三重効用サイクル吸収式冷凍機の冷却水として優先して使用するように熱エネルギーを利用する順位を制御し、潜熱蓄熱装置の放熱が完了する前に三重効用サイクル吸収式冷凍機に中温冷水を供給する排熱利用吸収式冷凍機の運転を開始するように制御する請求項4記載の吸収式冷凍機の制御運転方法。
  7. 排熱利用吸収式冷凍機の熱源として、太陽熱集熱器からの温水、及びガスエンジン排熱を利用するコージェネレーションシステムからの温水を併用して利用して排熱利用効率を高めることにより、三重効用サイクル吸収式冷凍機の運転を安定させ、運転効率を高め、同時に外部冷房負荷へ冷水を安定して供給する請求項3〜6のいずれかに記載の吸収式冷凍機の制御運転方法。
  8. 排熱利用吸収式冷凍機で中温冷水を作る代わりに、排熱利用吸収式冷凍機で中温熱源温水を作り、三重効用サイクル吸収式冷凍機から外部へ供給する温水の温度を監視し運転盤で運転・制御し、排熱利用吸収冷凍機から三重効用サイクル吸収式冷凍機に中温熱源温水として供給する中温熱源温水の温度を監視し運転盤で運転・制御し、排熱利用吸収式冷凍機の起動・停止及び異常監視を三重効用サイクル吸収式冷凍機で行うようにして、三重効用サイクル吸収式冷凍機の暖房運転時の熱源として排熱利用吸収式冷凍機から供給される温水を利用し、三重効用サイクル吸収式冷凍機から暖房用温水を外部負荷へ供給する際に消費する高位熱エネルギーの消費量を削減し、運転効率を高め、同時に外部暖房負荷へ温水を安定して供給する請求項3、5又は7記載の吸収式冷凍機の制御運転方法。
  9. 三重効用サイクル吸収式冷凍機及び排熱利用吸収式冷凍機の熱源として、太陽熱集熱器内で太陽熱により加熱され蒸発する5〜10kg/cm2 Gの水蒸気を利用できるようにして、三重効用サイクル吸収式冷凍機には太陽熱集熱器で発生した水蒸気の一部を利用し、排熱利用吸収式冷凍機には太陽熱集熱器で発生した水蒸気の一部を1〜1.5kg/cm2 Gに減圧して利用することにより、熱利用効率を高めて三重効用サイクル吸収式冷凍機の運転を安定させて運転効率を高め、同時に外部暖房負荷へ冷水を安定して供給する請求項3〜6記載のいずれかの吸収式冷凍機の制御運転方法。
  10. 排熱利用吸収式冷凍機の熱源として、簡易に設置できる低圧ボイラから供給する1〜1.5kg/cm2 Gの低圧水蒸気を用いて太陽熱集熱器から供給する水蒸気量を減らすことにより太陽熱集熱器の設置面積を減らし、三重効用サイクル吸収式冷凍機が停止中は太陽熱集熱器から発生する水蒸気を排熱利用吸収式冷凍機に供給しこの排熱利用吸収式冷凍機を運転して潜熱蓄熱装置に中温冷水の冷熱を蓄熱することにより、装置の小型化と省エネルギー化を可能とする請求項9記載の吸収式冷凍機の制御運転方法。
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