JP6415378B2 - 冷暖房システム - Google Patents

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Description

本発明は、冷暖房熱源機として温水焚吸収冷凍機や水熱源ヒートポンプを有する冷暖房システムに関する。
従来より、太陽光の受光によって熱媒を加熱する太陽熱集熱器と、太陽熱集熱器にて加熱された熱媒を導入して蓄熱する蓄熱槽と、を備えた太陽熱利用システムが提案されている。また、このような太陽熱利用システムについては、蓄熱槽と吸収式冷温水機との間を配管接続し、これらの間で熱媒を循環させることにより、吸収式冷温水機の再生器において希溶液の加熱に利用する吸収式冷温水システムの技術も提案されている(特許文献1参照)。
この吸収式冷温水システムによれば、太陽熱という再生可能エネルギーを利用して希溶液を加熱することができ、希溶液の加熱に要する燃料費を削減することができる。さらに、太陽熱集熱器と吸収式冷温水機との間には蓄熱槽が介在することとなり、これがバッファの役目をするため、日射量に左右されることなく、蓄熱槽から比較的高温の熱媒を吸収式冷温水機に供給することができる。すなわち、日射量が小さい場合に、太陽熱集熱器から吸収式冷温水機に直接熱媒を供給すると、温度が低い熱媒が吸収式冷温水機に供給されることとなり、効率の良い運転を行うことができなくなってしまうが、蓄熱槽を備えることにより安定的な温度の熱媒を吸収式冷温水機に供給できるため、効率の良い運転を行うことができる。
また、吸収冷凍機の効率を上げることを目的として、吸収冷凍機の冷房運転サイクル時に循環する吸収液を、別に設けたヒートポンプ式給湯器で加熱された温水を利用して、吸収冷凍機の吸収器を出て再生器へ循環する途中の吸収液を加熱するように構成した冷暖房システムも提案されている(特許文献2参照)。
また、水熱源ヒートポンプ空調システムと、排熱回収系と、給湯システムとを有する空調給湯システムも提案されている(特許文献3参照)。この水熱源ヒートポンプ空調システムは、複数の空調室内機と冷却塔とボイラと熱源ユニットとを水循環系配管で接続してある。排熱回収系は、熱源ユニットに一次側が冷媒循環路で接続された冷媒−水熱交換器と、冷媒−水熱交換器の二次側に水配管で接続された予熱貯湯槽とを備えている。給湯システムは、予熱貯湯槽に給湯配管で接続された貯湯槽を備えている。
特開2012−127574号公報 特開2011−112272号公報 特開2013−117349号公報
特許文献1〜特許文献3に示されたようなシステムにおいては、蓄熱槽を利用することにより、太陽熱や、地熱、バイオマスのような再生可能エネルギーを有効に利用することが可能である。
ところで、比較的規模の大きい冷暖房システムの場合には、より高い効率を実現するために、冷暖房熱源機として温水焚吸収冷凍機(暖房も可能なものは吸収式冷温水機と呼ばれる)、および水熱源ヒートポンプ(WSHP:water-source heat pump)の両方を備えたり、温水焚吸収冷凍機、および水熱源ヒートポンプをそれぞれ2台以上接続したシステムを構成することも想定される。
しかしながら、温水焚吸収冷凍機と水熱源ヒートポンプとは、構造の違いにより、運転に利用可能な熱媒の温度範囲が大きく異なる。すなわち、温水焚吸収冷凍機の場合は、温度Tx(例えば80[℃]程度)の温度を超える熱媒を供給した状態でないと運転できない。また、水熱源ヒートポンプの場合は、温度がTy〜Tz(例えば10〜30[℃]程度)の温度範囲内の熱媒を供給した状態でないと運転できない。
したがって、システムに含まれる共通の蓄熱槽の温水を利用して温水焚吸収冷凍機および水熱源ヒートポンプの一方または両方を運転しようとすると、温水の温度の問題が発生する。
例えば、蓄熱槽の熱媒の温度が高い時に、この熱媒で温水焚吸収冷凍機を運転し、蓄熱槽の熱媒の温度が低い時にこの熱媒で水熱源ヒートポンプを運転することが考えられる。しかし、蓄熱槽の熱媒の温度が短時間で変化するわけではなく、熱媒の温度がTz〜Tx[℃]の範囲内の時には、温水焚吸収冷凍機および水熱源ヒートポンプのどちらも運転できないので、蓄熱槽に蓄積された熱を時間的に切れ目なく連続的に利用することができず、大きな無駄が生じる。
また、複数台の冷暖房熱源機を同時に運転する場合には、これらの冷暖房熱源機が消費する単位時間あたりの熱量が多くなるので、運転可能な熱媒の温度範囲が更に狭くなることが想定される。つまり、蓄熱槽の熱媒を冷暖房熱源機の運転に利用できない機会が増えて無駄が増える。
また、温水焚吸収冷凍機を利用する場合には、蓄熱槽の熱媒の温度が高い方が、システム全体の成績係数(COP:Coefficient Of Performance)が高くなる。しかし、同時に運転する温水焚吸収冷凍機の台数が増えると、蓄熱槽の熱媒の温度が早く低下し、効率が低下する。
また、太陽熱の集熱を考えた場合に、集熱効率は低温ほど上がるのでなるべく低温で集熱した方が集熱量を多くすることが出来る。その反面、低温の熱では暖房に使えないという矛盾があった。従来の一般的な方法では、太陽熱はなるべく高温で集熱し、集熱が不足する場合はボイラで追い焚きをして補うという方法をとっていたが、必ずしも効率の良い方法ではない。
したがって、効率を上げるために低温で集熱し、低温の熱媒で運転可能な高効率な水熱源ヒートポンプを利用して温度を上げ、暖房を行うことが考えられる。しかし、冷房時に使用する温水焚吸収冷凍機と共通の蓄熱槽を利用する場合には、水熱源ヒートポンプに導入される熱媒の温度が、水熱源ヒートポンプの運転可能範囲に対して高すぎる状況が発生する可能性があり、蓄熱槽の熱を効率的に利用できない場合もある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷暖房熱源機として温水焚吸収冷凍機および水熱源ヒートポンプの両方を含む場合であっても、共通の蓄熱槽に蓄積された熱をより有効に利用することが可能な冷暖房システムを提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る冷暖房システムは、下記(1)〜()を特徴としている。
(1) 冷暖房熱源機として、運転可能温度範囲が異なる温水焚吸収冷凍機、および水熱源ヒートポンプの双方を有し、前記温水焚吸収冷凍機、および前記水熱源ヒートポンプの双方が共通の蓄熱槽に蓄積された熱媒を熱源として利用する冷暖房システムであって、
前記蓄熱槽における熱媒の温度を計測する熱媒温度計測部と、
前記冷暖房熱源機に導入される熱媒の温度に関する前記冷暖房熱源機の運転特性と、前記熱媒温度計測部の計測により得られた前記熱媒の温度とが所定の関係を満たす場合には、前記冷暖房熱源機に導入される熱媒の温度を自動的に調整する導入温度調整部と、
を備え、
冷房時、前記温水焚吸収冷凍機および前記水熱源ヒートポンプのうち双方が運転可能であり、前記熱媒の温度が所定温度以上の場合には前記温水焚吸収冷凍機を優先的に運転し、前記熱媒の温度が前記所定温度未満の場合には前記水熱源ヒートポンプを優先的に運転し、
暖房時、前記温水焚吸収冷凍機および前記水熱源ヒートポンプのうち前記水熱源ヒートポンプのみを運転
前記蓄熱槽の熱媒導入側または熱媒送出側の熱媒を加熱するボイラをさらに備え、
前記導入温度調整部は、冷房時、前記熱媒温度計測部の計測により得られた前記熱媒の温度が、温水焚吸収冷凍機の運転に不足する状態の場合には、前記ボイラを運転し、温水焚吸収冷凍機に導入される熱媒の温度を上げる、
ことを特徴とする。
(2) 前記(1)に記載の冷暖房システムにおいて、
前記冷暖房熱源機の熱媒導入口と前記蓄熱槽との間に形成され、前記蓄熱槽からの熱媒の温度を下げる温度調整バイパス回路をさらに備え、
前記導入温度調整部は、前記熱媒温度計測部の計測により得られた前記熱媒の温度が、前記冷暖房熱源機に導入される熱媒の温度に関する運転可能範囲の上限を超えるか否かに応じて、前記温度調整バイパス回路を選択的に使用する、
ことを特徴とする。
(3) 前記(1)または(2)に記載の冷暖房システムにおいて、
太陽熱集熱器をさらに備え、
前記導入温度調整部は、前記熱媒温度計測部の計測により得られた前記熱媒の温度が、前記冷暖房熱源機に導入される熱媒の温度に関する運転可能範囲の上限を超える場合には、夜間に、前記太陽熱集熱器を放熱器として使用するための放熱回路を形成し、前記放熱回路を利用して前記蓄熱槽の熱媒の温度を下げる、
ことを特徴とする。
(4) 前記(1)に記載の冷暖房システムにおいて、
前記冷暖房熱源機として、複数台の水熱源ヒートポンプを備え、
前記導入温度調整部は、前記熱媒温度計測部の計測により得られた前記熱媒の温度が、前記冷暖房熱源機に導入される熱媒の温度に関する運転可能範囲内にある場合に、前記熱媒の温度に応じて前記水熱源ヒートポンプの同時運転台数を自動的に調整し、前記熱媒の温度が高くなるに従って、同時運転台数を増やす、
ことを特徴とする。
(5) 前記(1)に記載の冷暖房システムにおいて、
前記導入温度調整部は、前記熱媒温度計測部の計測により得られた前記熱媒の温度が、前記冷暖房熱源機に導入される熱媒の温度に関する運転可能範囲を外れる所定以上の高温の場合には、前記冷暖房熱源機を迂回して前記蓄熱槽の熱を室内機に供給する蓄熱槽暖房回路を形成する、
ことを特徴とする。
(6) 前記(1)に記載の冷暖房システムにおいて、
前記冷暖房熱源機として、複数台の温水焚吸収冷凍機を備え、
前記導入温度調整部は、冷房時、前記熱媒温度計測部の計測により得られた前記熱媒の温度に応じて、前記温水焚吸収冷凍機の同時運転台数を自動的に調整し、前記熱媒の温度が高くなるに従って同時運転台数を増やす、
ことを特徴とする。
(7) 前記(1)または(6)に記載の冷暖房システムにおいて、
前記冷暖房熱源機として、複数台の温水焚吸収冷凍機と、1台以上の水熱源ヒートポンプと、を備え、
前記導入温度調整部は、冷房時、前記温水焚吸収冷凍機を優先的に運転し、運転中の前記温水焚吸収冷凍機による推定出力が不足する場合に、前記水熱源ヒートポンプを更に運転状態に切り替える、
ことを特徴とする
上記(1)の構成の冷暖房システムによれば、蓄熱槽における熱媒の温度が冷暖房熱源機の運転に適さない場合に、あるいは効率が低下するような場合に、導入温度調整部が冷暖房熱源機に導入される熱媒の温度を自動的に調整する。したがって、運転可能温度範囲が互いに大きく異なる温水焚吸収冷凍機と、水熱源ヒートポンプとがシステムに含まれる場合であって、かつ共通の蓄熱槽を熱源として利用する場合であっても、蓄熱槽に蓄積された熱を利用できない状況が生じる機会を減らすことが可能であり、蓄熱槽の熱を有効に利用できる。また、熱媒の温度調整により、効率のよい状態で冷暖房熱源機を運転することが可能になる。
更に、上記(1)の構成の冷暖房システムによれば、蓄熱槽に蓄積されている熱媒の温度が温水焚吸収冷凍機の運転に不足する状態であっても、ボイラを運転することにより、温水焚吸収冷凍機が運転可能な状態になる。したがって、蓄熱槽の熱を有効に利用できる。
上記(2)の構成の冷暖房システムによれば、蓄熱槽に蓄積されている熱媒の温度が高すぎる場合であっても、温度調整バイパス回路を利用することにより、運転可能範囲内の温度の熱媒を冷暖房熱源機に導入することが可能になり、蓄熱槽に蓄積された熱を利用できない状態を減らすことができる。
上記(3)の構成の冷暖房システムによれば、蓄熱槽に蓄積されている熱媒の温度が高すぎる場合であっても、夜間に、太陽熱集熱器を放熱器として使用することにより、蓄熱槽に蓄積されている熱媒の温度を下げることができ、冷暖房熱源機の運転に適する温度の熱媒を冷暖房熱源機に導入することが可能になる。
上記(4)の構成の冷暖房システムによれば、熱媒の温度に応じて水熱源ヒートポンプの同時運転台数を自動的に調整するので、効率のよい状態で運転できる。すなわち、同時運転台数を増やすと単位時間あたりの消費熱量が増えて蓄熱槽の熱媒の温度が下がりやすいが、同時運転台数を調整することにより、成績係数(COP)が高い状態で水熱源ヒートポンプを運転できる。
上記(5)の構成の冷暖房システムによれば、蓄熱槽に蓄積されている熱媒の温度が高すぎて、冷暖房熱源機を運転できない状況であっても、蓄熱槽暖房回路を利用して、蓄熱槽の熱を暖房のために有効利用できる。
上記(6)の構成の冷暖房システムによれば、システム全体の成績係数(COP)が高い状態で温水焚吸収冷凍機を運転できる。すなわち、温水焚吸収冷凍機の出力は熱媒温度および冷却水温度に応じて変化するので、同時運転台数の制御により熱媒温度の高い状態を維持したまま運転することで効率的な運転が実現する。
上記(7)の構成の冷暖房システムによれば、温水焚吸収冷凍機の運転だけでは出力が不足する状況において、水熱源ヒートポンプも同時に運転することにより、出力の不足を補うことができる。また、温水焚吸収冷凍機の運転を優先的に行うことにより、システム全体として効率のよい状態で運転できる
本発明の冷暖房システムによれば、冷暖房熱源機として温水焚吸収冷凍機および水熱源ヒートポンプの両方を含む場合であっても、共通の蓄熱槽に蓄積された熱をより有効に利用することが可能になる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、冷房システムの構成例を示すブロック図である。 図2は、暖房システムの構成例を示すブロック図である。 図3は、温水焚吸収冷凍機の構成例を示す回路図である。 図4は、本発明の実施形態における冷暖房システムを冷房モードで運転する場合の制御パターンの一覧を示す模式図である。 図5は、本発明の実施形態における冷暖房システムを冷房モードで運転する場合の蓄熱槽温度と運転状態との対応関係を表す模式図である。 図6は、本発明の実施形態における冷暖房システムを暖房モードで運転する場合の制御パターンの一覧を示す模式図である。 図7は、システム制御部の運転制御の概要の一部分を示すフローチャートである。 図8は、システム制御部の運転制御の概要に関する図7の続きの箇所を示すフローチャートである。 図9は、システム制御部が実行可能な夜間放熱制御の動作を示すフローチャートである。
本発明の冷暖房システムに関する具体的な実施の形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
<冷暖房システムの概要>
本発明の冷暖房システムは、冷房システムおよび暖房システムのいずれか一方、またはこれらの組み合わせとして構成することができる。また、太陽熱のような不安定な再生可能エネルギーを、冷暖房のための安定した熱源として利用できるように、温水などの熱媒を蓄積する蓄熱槽を利用する。
冷房システムと暖房システムとを組み合わせたシステムを構成する場合には、蓄熱槽などの共通の構成要素を冷房システムと暖房システムとで共有することにより、システム全体を小型化したり設備のコストを大幅に低減することができる。
しかし、システム全体の効率を上げるために、冷房システムと暖房システムとで互いに種類の異なる熱源機を使用することが想定される。そして、冷房システムに適する温水焚吸収冷凍機などの熱源機と、暖房システムに適する水熱源ヒートポンプなどの熱源機とでは、使用する熱媒の温度に関する運転可能範囲が大きく異なる。また、熱媒の温度に応じて効率が変化する。
したがって、冷房から暖房に切り替える場合や、暖房から冷房に切り替える場合には、使用する熱源機が運転可能な熱媒の温度範囲も切り替わる。しかし、冷房システムと暖房システムとで共通の蓄熱槽を使用するような場合には、該当する熱源機の運転可能な範囲内まで蓄熱槽の熱媒の温度が変化するのに長い時間がかかるため、蓄熱槽の熱を利用できない期間が発生する。この期間にボイラーなどを熱源として利用すると、システムの効率が大幅に低下する。
そこで、本発明の冷暖房システムにおいては、熱源機が蓄熱槽の熱を利用できない期間を短縮すると共に、システムの効率を最適化するために、特別な構造を用いたり、特別な制御を実施する。尚、以下では、冷房システム100と暖房システム200を順に説明するが、本発明の実施形態の冷暖房システムは、冷房システム100を構成する部材と、暖房システム200を構成する部材と、をともに具備している。図1は、本発明の実施形態の冷暖房システムによる冷房運転を説明する為の図であり、図2は、本発明の実施形態の冷暖房システムによる暖房運転を説明する為の図である。
<冷房システム100の構成例>
本発明の実施形態の冷暖房システムの一部分、もしくはその全体に相当する冷房システム100の構成例を図1に示す。
図1に示した冷房システム100は、再生可能エネルギーである太陽熱を効率よく集熱するために太陽熱集熱器11を備えている。この太陽熱集熱器11は、集熱配管12および13を介して蓄熱槽10と接続されている。
蓄熱槽10の内部空間には熱媒を蓄積することができる。また、この熱媒を集熱配管12、太陽熱集熱器11、および集熱配管13の内部空間に通すことができる。なお、熱媒としては、水、不凍液、及びプロピレングリコール水溶液などが用いられる。
集熱配管12には集熱ポンプ14が設けてある。集熱ポンプ14を駆動することにより、熱媒を蓄熱槽10−集熱配管12−太陽熱集熱器11−集熱配管13−蓄熱槽10の経路で循環させることができ、太陽熱集熱器11が集熱した熱で熱媒を加熱して、蓄熱槽10で蓄熱することができる。
蓄熱槽10には、蓄熱槽10内部の熱媒の温度を検出するために温度センサ15が設けてある。温度センサ15が検出した温度の情報は、冷房システム100全体を制御するシステム制御部300に入力される。
図1に示すように、この冷房システム100は、冷房用の熱源機として、2台の温水焚吸収冷凍機21および22と、2台の水熱源ヒートポンプ(WSHP:water-source heat pump)23および24とを備えている。
温水焚吸収冷凍機21および22の各々は、再生器における希溶液を加熱し、当該再生器、凝縮器、蒸発器、及び吸収器の循環サイクルによって冷媒を冷却するものである。温水焚吸収冷凍機21の具体的な構成例については後で説明する。
2台の温水焚吸収冷凍機21および22のそれぞれは、運転に必要な熱媒として、蓄熱槽10が蓄積している熱媒を利用する。温水焚吸収冷凍機21および22の運転の補助のために補助ボイラ25が設けてある。
蓄熱槽10の供給側の熱媒配管10aは、三方弁26を経由して熱媒配管31と接続されている。熱媒配管31は、2系統に分岐して、一方の系統は熱媒ポンプ34を経由して温水焚吸収冷凍機21の熱媒配管の供給側(導入側)と接続され、他方の系統は熱媒ポンプ33を経由して温水焚吸収冷凍機22の熱媒配管の供給側と接続されている。温水焚吸収冷凍機21および22の戻り側の熱媒配管は、熱媒配管32を経由して蓄熱槽10の戻り側の熱媒配管10bと接続されている。
したがって、熱媒ポンプ34を駆動することにより、蓄熱槽10からの熱媒を温水焚吸収冷凍機21に供給し、温水焚吸収冷凍機21を運転することができる。また、熱媒ポンプ33を駆動することにより、蓄熱槽10からの熱媒を温水焚吸収冷凍機22に供給し、温水焚吸収冷凍機22を運転することができる。
熱媒配管31に接続された三方弁26を切り替えることにより、熱媒配管10aと補助ボイラ25の出力側配管とを切り替えることができ、補助ボイラ25が加熱した熱媒を熱媒配管31に供給することもできる。
温水焚吸収冷凍機21の冷却水配管35は、冷却塔41と接続されている。また、冷却水配管35の途中に冷却水ポンプ45が設けてある。冷却水ポンプ45を駆動することにより、冷却塔41で冷却された冷却水を冷却水配管35に循環させて温水焚吸収冷凍機21を冷却することができる。
同様に、温水焚吸収冷凍機22の冷却水配管36は、冷却塔42と接続されている。また、冷却水配管36の途中に冷却水ポンプ46が設けてある。冷却水ポンプ46を駆動することにより、冷却塔42で冷却された冷却水を冷却水配管36に循環させて温水焚吸収冷凍機22を冷却することができる。
温水焚吸収冷凍機21の出力側である冷水配管51は、供給側がサプライヘッダー61と接続され、戻り側がリターンヘッダー62と接続されている。また、冷水配管51の戻り側には冷水ポンプ55が設けてある。サプライヘッダー61は、所定の配管を利用して図示しない室内機の冷水供給側と接続され、リターンヘッダー62は、室内機の戻り側の冷水配管と接続される。したがって、冷水ポンプ55を駆動することにより、温水焚吸収冷凍機21が出力する空調用冷水をサプライヘッダー61を介して室内機に供給するように循環させることができる。尚、図1において、サプライヘッダー61から室内機への配管及びリターンヘッダー62から室内機への配管は省略されている。
同様に、温水焚吸収冷凍機22の出力側である冷水配管52は、供給側がサプライヘッダー61と接続され、戻り側がリターンヘッダー62と接続されている。また、冷水配管52の戻り側には冷水ポンプ56が設けてある。したがって、冷水ポンプ56を駆動することにより、温水焚吸収冷凍機22が出力する空調用冷水をサプライヘッダー61を介して室内機に供給するように循環させることができる。
一方、水熱源ヒートポンプ23の冷却水配管37は、冷却塔43と接続されている。また、冷却水配管37の途中に冷却水ポンプ47が設けてある。冷却水ポンプ47を駆動することにより、冷却塔43で冷却された冷却水を水熱源ヒートポンプ23の冷却水配管37に循環させて、水熱源ヒートポンプ23を冷却することができる。
同様に、水熱源ヒートポンプ24の冷却水配管38は、冷却塔44と接続されている。また、冷却水配管38の途中に冷却水ポンプ48が設けてある。冷却水ポンプ48を駆動することにより、冷却塔44で冷却された冷却水を水熱源ヒートポンプ24の冷却水配管38に循環させて、水熱源ヒートポンプ24を冷却することができる。
水熱源ヒートポンプ23の出力側である冷水配管53は、供給側がサプライヘッダー61と接続され、戻り側がリターンヘッダー62と接続されている。また、冷水配管53の戻り側には冷水ポンプ57が設けてある。したがって、冷水ポンプ57を駆動することにより、水熱源ヒートポンプ23の出力する冷水をサプライヘッダー61を介して室内機に供給するように循環させることができる。
同様に、水熱源ヒートポンプ24の出力側である冷水配管54は、供給側がサプライヘッダー61と接続され、戻り側がリターンヘッダー62と接続されている。また、冷水配管54の戻り側には冷水ポンプ58が設けてある。したがって、冷水ポンプ58を駆動することにより、水熱源ヒートポンプ24の出力する冷水をサプライヘッダー61を介して室内機に供給するように循環させることができる。
システム制御部300は、例えばパーソナルコンピュータのような制御装置、あるいは専用のコントローラとして構成され、予め組み込まれたプログラムに従って、システム全体の制御を実行する。例えば、温度センサ15を用いて蓄熱槽10における実際の熱媒温度を把握したり、集熱ポンプ14を駆動して太陽熱集熱器11を利用した集熱動作を行うための制御を行う。また、熱媒ポンプ34、冷却水ポンプ45、冷水ポンプ55などの駆動により、温水焚吸収冷凍機21の運転を制御したり、熱媒ポンプ33、冷却水ポンプ46、冷水ポンプ56などの駆動により、温水焚吸収冷凍機22の運転を制御する。また、三方弁26で経路を切り替えたり、補助ボイラ25の運転を制御する。更に、冷却水ポンプ47および冷水ポンプ57を駆動して水熱源ヒートポンプ23の運転を制御する。また、冷却水ポンプ48および冷水ポンプ58を駆動して水熱源ヒートポンプ24の運転を制御する。システム制御部300の具体的な動作については後で説明する。
<暖房システム200の構成例>
本発明の実施形態の冷暖房システムの一部分、もしくはその全体に相当する暖房システム200の構成例を図2に示す。
図2に示した暖房システム200の各構成要素のうち一部分は、図1の冷房システム100の設備と共有することが可能である。例えば、図2中の蓄熱槽10、太陽熱集熱器11、集熱配管12、13、集熱ポンプ14、サプライヘッダー61、リターンヘッダー62などの設備は、図1の冷房システム100と共有する設備であっても構わない。また、図2中のシステム制御部300については、図1中のシステム制御部300と共通のハードウェアを利用し、暖房モードの制御プログラムを組み込むことにより構成することができる。
図2に示した暖房システム200は、暖房用の熱源機として、水熱源ヒートポンプ71および72と、補助ボイラ73とを備えている。また、図2に示した水熱源ヒートポンプ71および72は、運転用の熱媒として、蓄熱槽10に蓄積されている熱媒を利用する。また、蓄熱槽10に蓄積されている熱媒を用いて直接暖房したり、補助ボイラ73を用いて暖房するために、暖房システム200は熱交換器74を備えている。
水熱源ヒートポンプ71の熱媒配管91の供給側は、特別に設けた温調用混合弁81を経由して、蓄熱槽10の供給側の熱媒配管10aと接続され、熱媒配管91の戻り側は、蓄熱槽10の戻り側の熱媒配管10bと接続されている。また、熱媒配管91の途中には熱媒ポンプ75が設けてある。したがって、熱媒ポンプ75を駆動することにより、蓄熱槽10に蓄積されている熱媒を熱媒配管91に循環させて水熱源ヒートポンプ71を運転することができる。
温調用混合弁81は、蓄熱槽10の供給側の熱媒配管10aと、熱媒配管91の供給側、および熱媒配管91の戻り側とそれぞれ接続されている。そして、温調用混合弁81は、熱媒配管10aから入力される熱媒と、熱媒配管91の戻り側から入力される熱媒とを混合した熱媒を熱媒配管91の供給側に供給することが可能である。
水熱源ヒートポンプ71を運転する際には、水熱源ヒートポンプ71が熱媒配管91を通る熱媒の熱を消費するので、熱媒配管91の戻り側の熱媒温度は、熱媒配管91の供給側に比べて低くなる。したがって、温調用混合弁81が熱媒配管10aから入力される熱媒と、熱媒配管91の戻り側から入力される熱媒とを混合することにより、蓄熱槽10の供給する熱媒に比べて、温度の低い熱媒を温調用混合弁81が熱媒配管91の供給側に送ることができる。温調用混合弁81は、熱媒の混合動作を止めて、蓄熱槽10の供給する熱媒を直接、熱媒配管91の供給側に送ることもできる。
詳細については後で説明するが、蓄熱槽10の熱媒の温度が、水熱源ヒートポンプ71の運転可能範囲に比べて高すぎるような状況において、温調用混合弁81は、供給側と戻り側との熱媒を混合し、温度を下げた熱媒を熱媒配管91に供給する。このような制御はシステム制御部300が実施する。
水熱源ヒートポンプ72の熱媒配管92の供給側は、特別に設けた温調用混合弁82を経由して、蓄熱槽10の供給側の熱媒配管10dと接続され、熱媒配管92の戻り側は、蓄熱槽10の戻り側の熱媒配管10cと接続されている。また、熱媒配管92の途中には熱媒ポンプ76が設けてある。したがって、熱媒ポンプ76を駆動することにより、蓄熱槽10に蓄積されている熱媒を熱媒配管92に循環させて水熱源ヒートポンプ72を運転することができる。
温調用混合弁82は、蓄熱槽10の供給側の熱媒配管10dと、熱媒配管92の供給側、および熱媒配管92の戻り側とそれぞれ接続されている。そして、温調用混合弁82は、熱媒配管10dから入力される熱媒と、熱媒配管92の戻り側から入力される熱媒とを混合した熱媒を熱媒配管92の供給側に供給することが可能である。温調用混合弁82は、熱媒の混合動作を止めて、蓄熱槽10の供給する熱媒を直接、熱媒配管92の供給側に送ることもできる。
つまり、蓄熱槽10の熱媒の温度が、水熱源ヒートポンプ72の運転可能範囲に比べて高すぎるような状況において、温調用混合弁82は、供給側と戻り側との熱媒を混合し、温度を下げた熱媒を熱媒配管92に供給する。
水熱源ヒートポンプ71の運転により、出力側の温水配管87の温水が昇温される。この温水配管87は、供給側がサプライヘッダー61と接続され、戻り側がリターンヘッダー62と接続されている。また、温水配管87の戻り側に温水ポンプ84が設けてある。したがって、温水ポンプ84を駆動することにより、水熱源ヒートポンプ71が生成した空調用温水を温水配管87からサプライヘッダー61を経由して図示しない室内機に供給し、この室内機で暖房を行うことができる。尚、図2において、サプライヘッダー61から室内機への配管及びリターンヘッダー62から室内機への配管は省略されている。
同様に、水熱源ヒートポンプ72の運転により、出力側の温水配管88の温水が昇温される。この温水配管88は、供給側がサプライヘッダー61と接続され、戻り側がリターンヘッダー62と接続されている。また、温水配管88の戻り側に温水ポンプ85が設けてある。したがって、温水ポンプ85を駆動することにより、水熱源ヒートポンプ72が生成した空調用温水を温水配管88からサプライヘッダー61を経由して図示しない室内機に供給し、この室内機で暖房を行うことができる。
一方、熱交換器74の入力側の熱媒配管93は、供給側が三方弁83を経由して、蓄熱槽10の供給側の熱媒配管10eと接続され、熱媒配管93の戻り側は、蓄熱槽10の戻り側の熱媒配管10fと接続されている。また、熱媒配管93の供給側には、熱媒ポンプ77が設けてある。したがって、熱媒ポンプ77を駆動することにより、熱交換器74の入力側の熱媒配管93に熱媒を循環させて、熱交換器74の一次側に熱を供給することができる。
三方弁83は、蓄熱槽10の供給側の熱媒配管10eと、熱媒配管93の供給側と、補助ボイラ73の出力側との接続状態を切り替えることができる。つまり、熱媒配管10eを熱媒配管93の供給側と接続することもできるし、補助ボイラ73の出力を熱媒配管93の供給側と接続することもできる。
熱交換器74の出力側に接続されている温水配管89に存在する温水は、熱交換器74の一次側に供給される熱によって昇温され、暖房に利用可能な温水になる。温水配管89は、供給側がサプライヘッダー61に接続され、戻り側がリターンヘッダー62に接続されている。温水配管89の戻り側には温水ポンプ86が設けてある。したがって、温水ポンプ86を駆動することにより、熱交換器74で昇温された温水をサプライヘッダー61を経由して室内機に送り、暖房を行うことができる。
なお、通常の暖房に用いられるヒートポンプの場合には、コスト面からも空冷ヒートポンプを採用するのがベストである。しかし、寒冷地では外気温が低く暖房の際に空冷ヒートポンプが使えない。また、図2に示した暖房システム200の場合には、蓄熱槽10に蓄積された熱媒(温水)を利用できる環境にある。したがって、暖房システム200は暖房用に水熱源ヒートポンプ71、72を採用している。
<温水焚吸収冷凍機の構成例>
図1中の温水焚吸収冷凍機21の構成例を図3に示す。温水焚吸収冷凍機22の構成も同様である。図3に示すように、温水焚吸収冷凍機21は再生器101、凝縮器102、蒸発器103、および吸収器104を備えている。
具体的に、再生器101は、例えば冷媒となる水(以下、冷媒が蒸気化したものを冷媒蒸気と称し、冷媒が液化したものを液冷媒と称する)と、吸収液となる臭化リチウム(LiBr)とが混合された希溶液(吸収液の濃度が低い溶液)を加熱するものである。この再生器101には熱媒配管21aが配置されており、熱媒配管21a上に希溶液が散布され加熱される。再生器101は、この加熱により希溶液から蒸気を放出させることにより、冷媒蒸気と濃溶液(吸収液の濃度が高い溶液)とを生成する。
凝縮器102は、再生器101から供給された冷媒蒸気を液化させるものである。この凝縮器102内には、冷却水配管21cが挿通されている。この冷却水配管21cには、運転状態において、例えば図1に示した冷却水配管35を介して、冷却塔41から冷却水が供給されている。そして、蒸発した冷媒蒸気は冷却水配管21c内の冷却水によって液化する。さらに、凝縮器102にて液化した液冷媒は蒸発器103に供給される。
蒸発器103は、液冷媒を蒸発させるものである。この蒸発器103内には、室内機等に接続される冷水配管51が設けられている。この冷水配管51は、例えば室内機と接続されており、室内機による冷却によって暖められた水が流れている。また、蒸発器103内は、真空状態となっている。このため、冷媒である水の蒸発温度は約5℃となる。よって、冷水配管51上に散布された液冷媒は冷水配管51の温度によって蒸発することとなる。また、冷水配管51内の水は、液冷媒の蒸発によって温度が奪われる。これにより、冷水配管51の水は冷水(冷温液の一例)として室内機に供給され、室内機は冷水を利用して冷風を室内に供給することとなる。
吸収器104は、蒸発器103において蒸発した冷媒を吸収するものである。この吸収器104内には再生器101から濃溶液が供給され、蒸発した冷媒は濃溶液によって吸収され、希溶液が生成される。また、吸収器104には、冷却水配管21bが挿通されている。冷却水配管21bには冷却水が流れており、濃溶液の冷媒の吸収により吸収熱は、冷却水配管21bの冷却水により除去される。なお、この冷却水配管21bは、冷却水配管21cと接続されている。また、吸収器104は、冷媒の吸収により濃度が低下した希溶液をポンプ104bによって再生器101に供給する。
なお、上記では冷房運転を説明したが、温水焚吸収冷凍機21の代わりに暖房も可能な温水焚吸収冷温水機を採用すれば暖房運転も可能になる。つまり、暖房運転を行う場合には、図示しない切替弁を切り替えることとなる。そして、切替弁を切り替えた場合には冷水配管51には温水(冷温液の一例)が流れ、室内機にて温水をもとに暖房効果が得られることとなる。
また、上記において冷水配管51は室内機に接続されているが、これに限らず、工業用の冷却装置等と接続されていてもよい。
<冷暖房システムの制御の説明>
図1に示した冷房システム100を用いて冷房する場合、図2に示した暖房システム200を用いて暖房する場合、または冷房システム100および暖房システム200を切り替えて冷暖房する場合に適用可能な制御の内容について説明する。つまり、図1に示したシステム制御部300および図2に示したシステム制御部300の実行する動作を以下に示す。なお、冷房システム100を用いて冷房する場合の動作を「冷房モード」と称し、暖房システム200を用いて暖房する場合の動作を「暖房モード」と称する。
<「冷房モード」の制御>
図1に示した冷暖房システムを冷房モードで運転する場合の制御パターンの一覧を図4に示す。また、この冷暖房システムを冷房モードで運転する場合の蓄熱槽温度と運転状態との対応関係を図5に示す。
図5において、横軸は蓄熱槽10の熱媒温度を表し、温度T10、T11、T12、T13、T14[℃]は、それぞれ制御上の温度閾値を表す。また、これらの温度閾値は、「T10<T11<T12<T13<T14」の関係にある。また、図4に示す温度T[℃]は、温度センサ15の計測により得られる蓄熱槽10の熱媒温度の検出値を表している。
また、ここで「T10≦T」の条件を満たす温度領域は、図4にも示すように、温水焚吸収冷凍機21、22のシステムCOPが水熱源ヒートポンプ23、24よりも高い領域を意味している。
<制御パターンの説明>
図1の冷房システム100を制御する場合の制御パターンについては、冷房用熱源機とその熱源の組合せが、図4に示すように3パターンある。蓄熱槽温度(熱媒温度)TがT10[℃]以上あれば、システムCOP(出力エネルギー/ポンプ動力等を含む全入力エネルギー)は次式の関係を満たす。
COP1>COP2>COP3
但し、
COP1:温水焚吸収冷凍機(太陽熱利用)を運転した場合のCOP
COP2:水熱源ヒートポンプを運転した場合のCOP
COP3:温水焚吸収冷凍機(ボイラ利用)を運転した場合のCOP
したがって、「T≧T10」の関係を満たす領域では、図4の「パターン1」、「パターン2」、「パターン3」の順番で優先順位を付けて運転させると効率の良い(エネルギー消費が少ない)運転となる。また蓄熱槽温度TがT10[℃]未満の場合は、「パターン2」、「パターン3」の順番で優先順位を付けて運転させる。
<同時運転台数制御の説明>
また、温水焚吸収冷凍機は、熱媒温度が高い領域で使うとよりシステムCOPが大きくなる。したがって、「T≧T10」の条件を満たす領域であっても、なるべく高い温度で運転させた方がよい。但し、熱媒温度が高いからといって集熱量以上の熱を消費する台数の温水焚吸収冷凍機を同時に運転させると蓄熱槽温度は急に下がってしまい、最終的には温度TがT10を下回って運転できなくなってしまう。
そこで、蓄熱槽温度に応じて同時に運転出来る温水焚吸収冷凍機の台数を、図5に示すように自動的に制御する。
「T<T10」の条件を満たす領域では温水焚吸収冷凍機は全て停止させる。
また、「T12≦T≦T13」の条件を満たす領域では、温水焚吸収冷凍機が効率よく運転でき、ここにとどまっているということは集熱量と温水焚吸収冷凍機が消費している熱量がバランスしていることを意味している。したがって、この領域では運転台数を変更しないように制御する。
また、「T10≦T<T12」の条件を満たす領域に変化した場合には、「温水焚吸収冷凍機の消費熱量>集熱量」の状態になっている。つまり、今のままの運転台数では更に温度が下がってしまい効率が悪くなることを意味している。よって現在の運転台数よりも1台停止させて効率の良いT12℃〜T13℃の領域に戻すように制御する。
逆に、「T>T13」の条件を満たす領域に変化した場合には、「集熱量>温水焚吸収冷凍機の消費熱量」の状態になっている。つまり、運転台数を増やすことが出来る為、1台増加可能とする。増加可能というのは、負荷熱量に対して現在の温水焚吸収冷凍機の運転台数が足りていれば増やさず、不足している場合は追加運転させるという意味である。この動作を次に述べる一定期間毎に行い運転台数を制御する。
また、運転台数の切替を頻繁に行うと温水焚吸収冷凍機の起動/停止が頻繁に起こり機器の効率が低下する。そこで台数を変更してから一定時間は台数増減の判定をしないようにする。具体的には、図5に示すように、温度TがT11〜T14[℃]の範囲内の場合は、台数を変更してからM2分間は台数増減の判定をしない。また温度TがT11[℃]以下に下がった場合は早めに増減判定をして運転台数を減らした方が良い為、M2分間より短いM1分経過していれば増減判定を行う。逆に温度TがT14[℃]以上の領域では、早めに増減判定をして運転台数を増やした方が効率よく運転できる可能性がある為、M2分間より短いM3分経過していれば増減判定をする。
実際に熱源機を運転させる場合には、以下に示す各ステップS001〜S003の手順をシステム制御部300が実行する。
S001:負荷熱量を測定し、蓄熱槽温度から求められた台数の温水焚吸収冷凍機を運転させる。この際2台同時運転可能となっていても負荷熱量が1台分で足りるのであれば1台しか運転させない。また、温水焚吸収冷凍機は冷却水温度、熱媒温度によって出力熱量が変わるので、これらの条件で実際に出力出来る熱量を計算する。
S002:負荷熱量からS001で求めた温水焚吸収冷凍機の出力熱量を引いたのが不足熱量となる。この不足熱量を補う為に、追加的に水熱源ヒートポンプを運転させる。
S003:負荷熱量に対して十分な台数の熱源機を運転させても、送水温度が予め設けた温度以上になった場合は、補助ボイラ25などの熱源機を更に追加起動するように制御する。
<「暖房モード」の制御>
図2に示した暖房システムを暖房モードで運転する場合の制御パターンの一覧を図6に示す。図6において、温度T1、T2、T3[℃]は、制御の際に使用する閾値を表し、「T1<T2<T3」の関係にある。また、蓄熱槽温度T[℃]は、温度センサ15が計測した蓄熱槽10の熱媒温度を表す。また、「T3<T10」の関係にある。
図6に示す「T1≦T≦T2」の条件を満たす領域は、水熱源ヒートポンプ71および72の運転可能温度領域を表している。また、「T<T1」の条件を満たす領域は、水熱源ヒートポンプ71および72の運転不可能な温度領域を意味している。また、「T2<T≦T3」の条件を満たす領域も、そのままの熱媒では水熱源ヒートポンプ71および72の運転不可能な温度領域を意味している。また、「T3<T」の条件を満たす領域は、蓄熱槽10の熱媒を用いて直接暖房できる温度領域を表している。つまり、温度T3[℃]は、太陽熱で蓄熱槽に蓄えた熱だけで暖房が出来る下限温度である。
<制御パターンの説明>
図2の暖房システム200を制御する場合の制御パターンについては、暖房用熱源機とその熱源の組合せが、図6に示すように3パターンある。つまり、蓄熱槽温度T(熱媒温度)に応じて運転可能な熱源機が異なる。
「パターン1」では、蓄熱槽10を熱源とし、水熱源ヒートポンプ71および72を使わずに直接暖房を行う。また、「パターン2」では、蓄熱槽10の熱媒を用いて水熱源ヒートポンプ71および72を運転し、暖房用の温水を生成する。「パターン3」では、補助ボイラ73を運転し、水熱源ヒートポンプ71および72を使わずに暖房用の温水を生成する。
図6に示す制御パターンについても、「パターン1」、「パターン2」、「パターン3」の順番で優先順位を割り当てる。つまり、効率よく運転できる熱源機から優先的に運転をさせる。特にボイラは他の機器に比べて効率が悪い為、「パターン3」の優先順位は低くして、出来る限り補助ボイラ73を運転しないように制御する。
<特徴的な制御の説明>
太陽熱の集熱を考えた場合に、集熱効率は低温ほど上がるのでなるべく低温で集熱した方が集熱量を多くすることが出来る。その反面、低温の熱では暖房に使えないという矛盾がある。従来の方法では太陽熱はなるべく高温で集熱し、集熱が不足する場合はボイラで追い焚きをして補うという方法をとることが一般的であるが、これは必ずしも効率の良い方法ではない。
そこで、図2に示した暖房システム200では、低温集熱を行い、かつ高効率な水熱源ヒートポンプを組み合わせている。つまり、低温熱を昇温して利用する方法を暖房のメインの方式と位置づけて運用する。
しかし、以下の課題がある。冷房では温水焚吸収冷凍機の効率を上げる為に、蓄熱槽を高温に保つような制御をしている。したがって、冷房の後で暖房に切り替えられると、蓄熱槽内には高温の熱媒が残っていることが考えられる。この場合、温度T3以上の領域では、蓄熱槽10の熱媒を直接暖房に使用することが出来るが、熱媒温度がそれ以下に下がると直接暖房に利用できず、水熱源ヒートポンプも運転できない領域(T2〜T3[℃]の範囲)に入る。
また暖房システム200では(低温集熱+水熱源ヒートポンプ)の運転をメインの運転方法としている為、集熱停止の蓄熱槽温度TはT2[℃]より少し低いところに定めることになる。しかし、蓄熱槽温度TがT2〜T3[℃]の範囲内に長くとどまるということは、それ以上は集熱しないことを意味し、再生可能エネルギーを使用するという観点で見ると好ましくない。
そこで、蓄熱槽温度TがT2[℃]より高い場合であっても、水熱源ヒートポンプ71および72の運転が可能になるように、暖房システム200においては、システム制御部300が特別な制御C1、C2を実施して、水熱源ヒートポンプ71および72に供給する熱媒の温度を下げる。
<制御C1>
図2に示した暖房システム200においては、水熱源ヒートポンプ71、72の熱媒回路に、バイパス回路と温調用混合弁81、82とが設けてある。水熱源ヒートポンプは運転時に熱媒から熱を奪う為、熱媒配管91の戻り側の配管に現れる熱媒の温度は低下している。
温調用混合弁81は、水熱源ヒートポンプ71により熱を奪われて温度が少し低下した戻り側の熱媒と、蓄熱槽10から供給される高温の熱媒とを混合することにより温度を調整し、蓄熱槽10よりも温度の低下した熱媒を水熱源ヒートポンプ71の熱媒回路に供給することができる。
つまり、「T2<T<T3」の条件を満たす領域では、水熱源ヒートポンプ71、72の運転可能な温度範囲を外れているが、温調用混合弁81を利用して熱媒の温度を調整することにより、熱媒の熱が水熱源ヒートポンプ71、72で徐々に奪われて、蓄熱槽10の熱媒温度も徐々に低下する。このため、比較的短い時間で、「T2<T<T3」の領域から「T1≦T≦T2」の領域に移行することができる。
但し、実際に使用する水熱源ヒートポンプの種類によっては、一時的にでも仕様温度範囲外の熱媒を水熱源ヒートポンプが受け入れることが不可能な場合も想定される。その場合は、上記の「制御C1」を中止して、以下に示す「制御C2」を実施する。
<制御C2>
夜間には、太陽熱集熱器11に対して太陽熱の供給が行われないため、面積が大きい太陽熱集熱器11を逆に放熱器として利用することが可能である。したがって、夜間に集熱ポンプ14を運転し、蓄熱槽10内の熱媒が太陽熱集熱器11を通るように循環させる。これにより、熱媒は太陽熱集熱器11を通過する際に放熱し、蓄熱槽10の温度が比較的短時間で低下する。この時には、蓄熱槽10の熱媒を暖房に利用できないので、同時に暖房を行う場合には、補助ボイラ73を運転して暖房する。
「制御C2」の方法では、ある量の熱が有効に使わないことになるが、既存の設備だけで対応できるためイニシャルコストの面でメリットがある。また蓄熱槽10の容量と太陽熱集熱器11の枚数はある程度バランスがとれるように設計されており、また暖房が必要な時期の外気温は低い為、放熱には多くの時間をかけなくてもすむ。
上記「制御C1」、「制御C2」は共に一長一短である為、システムの規模や水熱源ヒートポンプの仕様、空調の運用方法によってどちらかを採用すればよいと考えられる。
<処理手順の具体例>
図1の冷房システム100および図2の暖房システム200を制御する場合のシステム制御部300の運転制御の概要の処理手順を図7および図8に示す。また、システム制御部300が実行可能な夜間放熱制御の動作を図9に示す。
図7のステップS11では、システム制御部300は、動作モードの「暖房モード」、「冷房モード」を識別する。例えば、暖房システム200が備わっている状況において、暖房を指示する何らかのスイッチ操作が行われた場合や、外気温の低下などを検出して自動的に暖房を開始するような場合に、「暖房モード」とみなしてS12に進む。また、冷房システム100が備わっている状況において、冷房を指示する何らかのスイッチ操作が行われた場合や、外気温の上昇などを検出して自動的に冷房を開始するような場合に、「冷房モード」とみなして図8のS21に進む。
<暖房モードの制御>
「暖房モード」の制御においては、ステップS12で、システム制御部300は温度センサ15を用いて蓄熱槽10の温度Tを計測する。そして、計測により得られた蓄熱槽温度Tを続くステップS13、S14、およびS15で、それぞれ温度の閾値T3、T2、T1と比較する。
そして、「T>T3」の条件を満たす場合には、ステップS13からS16に進む。また、「T2<T≦T3」の条件を満たす場合には、ステップS14からS17に進む。また、「T1≦T≦T2」の条件を満たす場合には、ステップS15からS18Aに進む。「T1>T」の条件を満たす場合には、ステップS15からS19に進む。
ステップS16では、システム制御部300は、蓄熱槽10に蓄積されている熱媒を用いて直接暖房動作を実行する。すなわち、熱媒ポンプ77を駆動して、蓄熱槽10から供給される熱媒を熱媒配管93を介して熱交換器74の入力側配管を通るように循環させる。また、温水配管89に設けられた温水ポンプ86を駆動して、温水配管89の温水をサプライヘッダー61に供給する。したがって、熱交換器74の入力側配管を通る熱媒により、温水配管89の温水が加熱され、温度の上昇した温水がサプライヘッダー61を介して室内機に供給される。
ステップS17では、システム制御部300は、温度調整バイパス回路を利用して、蓄熱槽10と水熱源ヒートポンプ71、72の熱媒入力との間で熱媒の温度を下げて、水熱源ヒートポンプ71、72の運転を実行する。
すなわち、図2に示した水熱源ヒートポンプ71を運転する場合には、熱媒ポンプ75を駆動して熱媒配管91の熱媒を循環させると共に、温調用混合弁81を用いて、温度の高い供給側の熱媒と少し温度が低下した戻り側の熱媒とを混合し、混合後の熱媒を熱媒配管91の供給側に供給する。これにより、蓄熱槽10の熱媒温度が徐々に低下し、比較的短い時間で、水熱源ヒートポンプ71、72の運転が可能な温度T2以下に下がる。
ステップS18Aでは、システム制御部300は、温度調整バイパス回路を遮断し、通常の状態で水熱源ヒートポンプ71、72の運転を実行する。例えば、水熱源ヒートポンプ71を運転する場合には、温調用混合弁81の混合動作を停止すると共に、熱媒ポンプ75を駆動して、蓄熱槽10からの熱媒を温度を調整することなく、熱媒配管91に循環させる。また、水熱源ヒートポンプ71の運転により、出力側の温水配管87を通る温水の水温が上昇するので、温水ポンプ84を駆動して温度の上昇した温水を循環させ、サプライヘッダー61に接続される室内機に温水を供給する。
ステップS18Bでは、システム制御部300は、検出した蓄熱槽温度Tに応じて、水熱源ヒートポンプ71、72の同時運転可能な台数を自動的に調整する。例えば、蓄熱槽温度Tが水熱源ヒートポンプ71、72の運転可能温度範囲の下限T1よりも少し高い程度の場合には、運転状態になった水熱源ヒートポンプの消費する熱によって蓄熱槽温度Tが短時間で下限T1未満に下がる可能性があるため、同時運転可能な台数を最小限にする必要がある。また、蓄熱槽温度Tが水熱源ヒートポンプ71、72の運転可能温度範囲の上限T2よりも少し低い程度の場合には、熱媒の熱量に余裕があるため、同時運転可能な台数を増やす。
ステップS19では、使用する熱媒の温度に関し、水熱源ヒートポンプ71、72の運転が不可能な状態であるので、システム制御部300は、水熱源ヒートポンプ71、72の運転を停止して、代わりに補助ボイラ73を運転する。また、三方弁83を切り替えて、熱媒ポンプ77を駆動し、補助ボイラ73が加熱した熱媒が熱媒配管93に供給されるように制御する。また、温水ポンプ86を駆動して、熱交換器74の出力側の温水配管89を通る温水をサプライヘッダー61に供給する。
つまり、上記の「暖房モード」の制御においては、システム制御部300が、図6に示した制御条件に従って暖房のための運転制御を実行する。
<冷房モードの制御>
一方、「冷房モード」の制御においては、図8のステップS21で、システム制御部300は温度センサ15を用いて蓄熱槽10の温度Tを計測する。そして、計測により得られた蓄熱槽温度Tを続くステップS22で、温度の閾値T10と比較する。そして、「T≧T10」の条件を満たす場合には、ステップS22からS23に進み、「T<T10」であれば、S29に進む。
ステップS23では、システム制御部300は、蓄熱槽温度Tの高低に応じて温水焚吸収冷凍機21、22の同時運転可能台数を自動的に制御する。すなわち、図5に示した制御条件のように、下限温度T10に対して蓄熱槽温度Tの余裕が大きくなるほど同時運転可能台数を増やし、余裕が小さくなるほど同時運転可能台数を減らす。
ステップS24では、システム制御部300は、温水焚吸収冷凍機21、22の運転を実行する。例えば、温水焚吸収冷凍機21を運転する場合には、熱媒ポンプ34を駆動して、蓄熱槽10の熱媒を三方弁26、熱媒配管31、および熱媒ポンプ34を通る経路で温水焚吸収冷凍機21の熱媒回路に供給する。同時に、冷却水ポンプ45を駆動して、冷却塔41からの冷却水を温水焚吸収冷凍機21の冷却水配管35に循環させる。更に、冷水ポンプ55を駆動して、冷水配管51を通る冷水をサプライヘッダー61に供給する。
つまり、ステップS23では、システム制御部300は図4に示す優先度の高い「パターン1」に従って、温水焚吸収冷凍機21、22を優先的に運転する。
ステップS25では、システム制御部300は、冷房に必要な熱量に対して運転中の温水焚吸収冷凍機21、22の出力熱量不足の有無を識別する。出力熱量不足の場合は次のS26に進む。
ステップS26では、システム制御部300は、水熱源ヒートポンプ23、24の運転により、冷房用の出力熱量を追加的に増やす。つまり、図4に示した優先順位が2番目の「パターン2」に従い、水熱源ヒートポンプ23、24を負荷の大きさに応じて運転する。同時に運転する台数については、1台のみの場合もあるし、負荷が増えるに従って2台またはそれ以上に増やす場合もある。
例えば、水熱源ヒートポンプ23を運転する場合には、システム制御部300は、冷却水ポンプ47を駆動して、冷却塔43の冷却水を水熱源ヒートポンプ23の冷却水配管37に循環させるように制御する。また、同時に冷水ポンプ57を駆動して、冷水配管53を通る冷水がサプライヘッダー61に供給されるように制御する。
ステップS27では、システム制御部300は、S26で水熱源ヒートポンプ23の運転を開始した後に依然として出力熱量が不足しているか否かを識別する。出力熱量が不足している場合は、S27から次のS28に進む。
ステップS28では、システム制御部300は、図4に示す優先順位が3番目の「パターン3」に従い、補助ボイラ25を利用して温水焚吸収冷凍機21、22を運転するように切り替える。つまり、三方弁26を切り替えて補助ボイラ25の出力を熱媒配管31と接続し、補助ボイラ25の運転により加熱された熱媒を熱媒配管31を介して温水焚吸収冷凍機21、22の熱媒回路に供給する。温水焚吸収冷凍機21、22についても、同時に運転する台数は、負荷の大きさに応じて変化し、負荷が少ない場合は1台のみ運転し、負荷が増えると2台またはそれ以上を同時に運転するように制御する。
一方、「T<T10」の場合には、システム制御部300は、ステップS29で全ての温水焚吸収冷凍機21、22の運転を停止する。そして、次のステップS30で、水熱源ヒートポンプ23、24の運転を実行する。つまり、この温度領域では、温水焚吸収冷凍機21、22よりも水熱源ヒートポンプ23、24を運転した方が効率がよいので、図4に示す「パターン2」に従い、水熱源ヒートポンプ23、24の運転を実行する。
ステップS31では、システム制御部300は、冷房に必要な熱量に対して運転中の水熱源ヒートポンプ23、24の出力熱量不足の有無を識別する。出力熱量不足の場合は次のS32に進む。
ステップS32では、システム制御部300は、図4に示す「パターン3」に従い、追加的に、温水焚吸収冷凍機21、22の運転を実行する。この場合は、補助ボイラ25を利用して温水焚吸収冷凍機21、22を運転する。つまり、三方弁26を切り替えて補助ボイラ25の出力を熱媒配管31と接続し、補助ボイラ25の運転により加熱された熱媒を熱媒配管31を介して温水焚吸収冷凍機21、22の熱媒回路に供給する。この場合も、温水焚吸収冷凍機21、22の同時運転台数は負荷に応じて増減するように制御する。
<夜間放熱制御>
次に、図9に示す「夜間放熱制御」について説明する。暖房システム200が実際に採用している水熱源ヒートポンプ71、72が一時的にでも仕様温度範囲外の熱媒を受け入れ不可能な状況においては、図7のステップS17を実行することができない。その場合は、前述の「制御C2」に相当する図9の「夜間放熱制御」をシステム制御部300が実行し、蓄熱槽10の熱媒温度を下げる。
図9のステップS41では、システム制御部300は温度センサ15を用いて蓄熱槽10の温度Tを計測する。そして、計測により得られた蓄熱槽温度Tを続くステップS42で、温度の閾値T2、T3と比較する。
「T2<T≦T3」の条件を満たす場合には、蓄熱槽温度Tを下げる必要があるので、ステップS42からS43に進み、この条件を満たさない場合はS45に進む。
ステップS43では、システム制御部300は現在が夜間か否かを識別する。例えば、現在時刻との所定の基準時刻との比較、環境の明るさと閾値との比較、気温変動状況などに基づき、夜間か否かを識別することが可能である。夜間であれば次のS44に進み、夜間でなければS45に進む。
ステップS44では、システム制御部300は太陽熱集熱器11を放熱器として使用する放熱回路を形成し、蓄熱槽10の熱媒をこの放熱回路に流して温度を下げる。つまり、集熱ポンプ14を駆動して蓄熱槽10内の熱媒を集熱配管12−太陽熱集熱器11集熱配管13を通る経路で循環させる。夜間は太陽熱集熱器11に対して太陽熱の供給が行われないため、太陽熱集熱器11は逆に放熱器として動作する。したがって、太陽熱集熱器11を通過する熱媒から熱が奪われて温度が下がる。
ステップS45では、システム制御部300は放熱回路を遮断する。つまり、集熱ポンプ14の駆動を停止して蓄熱槽10の熱媒の循環を止め、これ以上の太陽熱集熱器11からの放熱を中止する。
<上述の冷暖房システムの利点>
1.冷房システムの場合には、熱媒温度が高い領域では、「太陽熱+温水焚吸収冷凍機」の組み合わせが最もシステム全体のCOPがよく、ついで、「水熱源ヒートポンプ」、「ボイラ+温水焚吸収冷凍機」の順にCOPが低下する。したがって、図4に示す「パターン1」、「パターン2」、「パターン3」の優先順位に従いシステム制御部300が運転する熱源機を自動的に選択することにより、システム全体のCOPの低下を防止できる。
2.冷房システムを制御する場合には、蓄熱槽10の温度Tを監視し、この温度が一定の範囲内になるようにシステム制御部300は、温水焚吸収冷凍機21、22の運転可能台数を図5に示すように決めている。この制御により熱媒温度は常に高温に保たれ、温水焚吸収冷凍機が効率よく運転が出来るようになる。但し、このような運転では負荷熱量に対して温水焚吸収冷凍機の出力が不足することが予測される。このために、負荷熱量を計測し不足している熱量を、次に効率の良い水熱源ヒートポンプ23、24を運転させて賄う。蓄熱槽の温度低下等で(太陽熱+温水焚吸収冷凍機21、22)と水熱源ヒートポンプ23、24を全台数運転させても負荷熱量を賄えない場合は、熱源を太陽熱から補助ボイラ25の熱に切り替えて、高温の熱媒を温水焚吸収冷凍機に入力することにより出力を増やし、負荷に対応することができる。
3.暖房(給湯を含む)システムを制御する場合には、蓄熱槽10の温度が高温の場合もあれば、熱を使い切って低温の場合もある。よってその時の温度に適した空調用(給湯を含む)熱源機を運転させることにより、なるべく蓄熱槽の熱を有効に使う必要がある。図2の暖房システム200においては、太陽熱の低温集熱化とその低温熱を水熱源ヒートポンプ71、72で昇温して使用する方法を採用している。太陽熱は低温で集熱するほど効率が良く、熱量としてはたくさん採ることが出来る。これと水熱源ヒートポンプを組み合わせると効率を向上させることが出来る。つまり、図6に示した制御条件に従って、システム制御部300が運転の制御を実施することにより、効率のよい運転が実現する。但し、水熱源ヒートポンプ71、72の熱媒の温度範囲が問題になる。蓄熱槽10の温度が高い場合はこの熱で室内機側に供給する温水を直接昇温出来るが、それが出来る下限温度(T3)と水熱源ヒートポンプが運転できる熱媒の上限温度(T2)との間にどちらにも使えない温度領域(T2≦T<T3)が存在する。この温度領域においては、図6に示す制御条件では、バイパス回路の温調用混合弁81、82を用いて、水熱源ヒートポンプ71、72に供給する熱媒の温度を下げるようにシステム制御部300が制御している(制御C1)。これにより、蓄熱槽10の熱媒温度を、水熱源ヒートポンプ71、72の運転可能な温度まで比較的短い時間で下げることができる。また、運転可能な温度を超える熱媒を一時的にでも水熱源ヒートポンプ71に与えることが不可能な場合には、システム制御部300が図9に示した制御を実行し、夜間に太陽熱集熱器11を放熱器として利用する(制御C2)ことにより、運転可能な温度範囲まで蓄熱槽温度を下げることができる。(制御C1)を利用する場合には、集めた熱を無駄にしない反面、使用頻度の少ない余分な設備を設けることとなる。また、(制御C2)を利用する場合には、熱は多少無駄にするものの追加設備無しで対応できる。したがって、システムの規模や使い勝手によって(制御C1)または(制御C2)を選択すればよい。
4.つまり、冷房においては、蓄熱槽の熱媒温度を温水焚吸収冷凍機21、22のシステム効率の良い状態に保つことが出来ると共に、常に効率の良い熱源機設備から優先的に運転することにより消費エネルギーの削減が可能となる。また、暖房においては蓄熱槽にある高温から低温までの熱に適した熱源機設備を稼働させると共に各温度領域を切れ目なく使い利便性と消費エネルギー削減の両立を図ることができる。また低温集熱により集熱量をふやすことができ、再生可能エネルギーの利用拡大と消費エネルギー削減が可能となる。
ここで、上述した本発明に係る冷暖房システムの実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]〜[8]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 冷暖房熱源機として、温水焚吸収冷凍機(21、22)、および水熱源ヒートポンプ(71、72)の少なくとも一方を1台以上有し、所定の蓄熱槽(10)に蓄積された熱媒を熱源として利用可能な冷暖房システム(100、200)であって、
前記蓄熱槽における熱媒の温度を計測する熱媒温度計測部(温度センサ15)と、
前記冷暖房熱源機に導入される熱媒の温度に関する前記冷暖房熱源機の運転特性と、前記熱媒温度計測部の計測により得られた前記熱媒の温度(T)とが所定の関係を満たす場合には、前記冷暖房熱源機に導入される熱媒の温度を自動的に調整する導入温度調整部(300)と、
を備えたことを特徴とする冷暖房システム。
[2] 前記冷暖房熱源機の熱媒導入口(熱媒配管91)と前記蓄熱槽(10)との間に形成され、前記蓄熱槽からの熱媒の温度を下げる温度調整バイパス回路(温調用混合弁81)をさらに備え、
前記導入温度調整部(300)は、前記熱媒温度計測部の計測により得られた前記熱媒の温度(T)が、前記冷暖房熱源機に導入される熱媒の温度に関する運転可能範囲の上限(T2)を超えるか否かに応じて、前記温度調整バイパス回路を選択的に使用する(S14、S17)、
ことを特徴とする前記[1]に記載の冷暖房システム。
[3] 太陽熱集熱器(11)をさらに備え、
前記導入温度調整部(300)は、前記熱媒温度計測部の計測により得られた前記熱媒の温度(T)が、前記冷暖房熱源機に導入される熱媒の温度に関する運転可能範囲の上限(T2)を超える場合には、夜間に、前記太陽熱集熱器を放熱器として使用するための放熱回路を形成し、前記放熱回路を利用して前記蓄熱槽の熱媒の温度を下げる(図9参照)、
ことを特徴とする前記[1]または[2]に記載の冷暖房システム。
[4] 前記冷暖房熱源機として、複数台の水熱源ヒートポンプ(71、72)を備え、
前記導入温度調整部(300)は、前記熱媒温度計測部の計測により得られた前記熱媒の温度が、前記冷暖房熱源機に導入される熱媒の温度に関する運転可能範囲内にある場合に、前記熱媒の温度に応じて前記水熱源ヒートポンプの同時運転台数を自動的に調整し、前記熱媒の温度が高くなるに従って、同時運転台数を増やす(S18B)、
ことを特徴とする前記[1]に記載の冷暖房システム。
[5] 前記導入温度調整部(300)は、前記熱媒温度計測部の計測により得られた前記熱媒の温度(T)が、前記冷暖房熱源機に導入される熱媒の温度に関する運転可能範囲を外れる所定以上の高温の場合には、前記冷暖房熱源機を迂回して前記蓄熱槽の熱を室内機に供給する蓄熱槽暖房回路(蓄熱槽10、熱媒ポンプ77、熱媒配管93、熱交換器74、温水配管89)を形成する(S16)、
ことを特徴とする前記[1]に記載の冷暖房システム。
[6] 前記冷暖房熱源機として、複数台の温水焚吸収冷凍機(21、22)を備え、
前記導入温度調整部(300)は、冷房時、前記熱媒温度計測部の計測により得られた前記熱媒の温度に応じて、前記温水焚吸収冷凍機の同時運転台数を自動的に調整し、前記熱媒の温度が高くなるに従って同時運転台数を増やす(S24、図5参照)、
ことを特徴とする前記[1]に記載の冷暖房システム。
[7] 前記冷暖房熱源機として、複数台の温水焚吸収冷凍機(21、22)と、1台以上の水熱源ヒートポンプ(23、24)と、を備え、
前記導入温度調整部(300)は、冷房時、前記温水焚吸収冷凍機を優先的に運転し、運転中の前記温水焚吸収冷凍機による推定出力が不足する場合に、前記水熱源ヒートポンプを更に運転状態に切り替える(S23、S25、S26、図4参照)、
ことを特徴とする前記[1]または[6]に記載の冷暖房システム。
[8] 前記蓄熱槽の熱媒導入側または熱媒送出側の熱媒を加熱するボイラ(補助ボイラ25)をさらに備え、
かつ、前記冷暖房熱源機として、1台以上の温水焚吸収冷凍機(21、22)を備え、
前記導入温度調整部(300)は、冷房時、前記熱媒温度計測部の計測により得られた前記熱媒の温度が、温水焚吸収冷凍機の運転に不足する状態の場合には、前記ボイラを運転し、温水焚吸収冷凍機に導入される熱媒の温度を上げる(S27、S28)、
ことを特徴とする前記[1]、[6]、および[7]のいずれかに記載の冷暖房システム。
10 蓄熱槽
11 太陽熱集熱器
12,13 集熱配管
14 集熱ポンプ
15 温度センサ
21,22 温水焚吸収冷凍機
21a 熱媒配管
21b,21c 冷却水配管
23,24 水熱源ヒートポンプ(WSHP)
25 補助ボイラ
26,83 三方弁
31,32 熱媒配管
33,34 熱媒ポンプ
35,36,37,38 冷却水配管
41,42,43,44 冷却塔
45,46,47,48 冷却水ポンプ
51,52,53,54 冷水配管
55,56,57,58 冷水ポンプ
61 サプライヘッダー
62 リターンヘッダー
71,72 水熱源ヒートポンプ(WSHP)
73 補助ボイラ
74 熱交換器
75,76,77 熱媒ポンプ
81,82 温調用混合弁
84,85,86 温水ポンプ
87,88,89 温水配管
91,92,93 熱媒配管
100 冷房システム
101 再生器
102 凝縮器
103 蒸発器
104 吸収器
200 暖房システム
300 システム制御部(導入温度調整部)

Claims (7)

  1. 冷暖房熱源機として、運転可能温度範囲が異なる温水焚吸収冷凍機、および水熱源ヒートポンプの双方を有し、前記温水焚吸収冷凍機、および前記水熱源ヒートポンプの双方が共通の蓄熱槽に蓄積された熱媒を熱源として利用する冷暖房システムであって、
    前記蓄熱槽における熱媒の温度を計測する熱媒温度計測部と、
    前記冷暖房熱源機に導入される熱媒の温度に関する前記冷暖房熱源機の運転特性と、前記熱媒温度計測部の計測により得られた前記熱媒の温度とが所定の関係を満たす場合には、前記冷暖房熱源機に導入される熱媒の温度を自動的に調整する導入温度調整部と、
    を備え、
    冷房時、前記温水焚吸収冷凍機および前記水熱源ヒートポンプのうち双方が運転可能であり、前記熱媒の温度が所定温度以上の場合には前記温水焚吸収冷凍機を優先的に運転し、前記熱媒の温度が前記所定温度未満の場合には前記水熱源ヒートポンプを優先的に運転し、
    暖房時、前記温水焚吸収冷凍機および前記水熱源ヒートポンプのうち前記水熱源ヒートポンプのみを運転
    前記蓄熱槽の熱媒導入側または熱媒送出側の熱媒を加熱するボイラをさらに備え、
    前記導入温度調整部は、冷房時、前記熱媒温度計測部の計測により得られた前記熱媒の温度が、温水焚吸収冷凍機の運転に不足する状態の場合には、前記ボイラを運転し、温水焚吸収冷凍機に導入される熱媒の温度を上げる、
    ことを特徴とする冷暖房システム。
  2. 前記冷暖房熱源機の熱媒導入口と前記蓄熱槽との間に形成され、前記蓄熱槽からの熱媒の温度を下げる温度調整バイパス回路をさらに備え、
    前記導入温度調整部は、前記熱媒温度計測部の計測により得られた前記熱媒の温度が、前記冷暖房熱源機に導入される熱媒の温度に関する運転可能範囲の上限を超えるか否かに応じて、前記温度調整バイパス回路を選択的に使用する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷暖房システム。
  3. 太陽熱集熱器をさらに備え、
    前記導入温度調整部は、前記熱媒温度計測部の計測により得られた前記熱媒の温度が、前記冷暖房熱源機に導入される熱媒の温度に関する運転可能範囲の上限を超える場合には、夜間に、前記太陽熱集熱器を放熱器として使用するための放熱回路を形成し、前記放熱回路を利用して前記蓄熱槽の熱媒の温度を下げる、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷暖房システム。
  4. 前記冷暖房熱源機として、複数台の水熱源ヒートポンプを備え、
    前記導入温度調整部は、前記熱媒温度計測部の計測により得られた前記熱媒の温度が、前記冷暖房熱源機に導入される熱媒の温度に関する運転可能範囲内にある場合に、前記熱媒の温度に応じて前記水熱源ヒートポンプの同時運転台数を自動的に調整し、前記熱媒の温度が高くなるに従って、同時運転台数を増やす、
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷暖房システム。
  5. 前記導入温度調整部は、前記熱媒温度計測部の計測により得られた前記熱媒の温度が、前記冷暖房熱源機に導入される熱媒の温度に関する運転可能範囲を外れる所定以上の高温の場合には、前記冷暖房熱源機を迂回して前記蓄熱槽の熱を室内機に供給する蓄熱槽暖房回路を形成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷暖房システム。
  6. 前記冷暖房熱源機として、複数台の温水焚吸収冷凍機を備え、
    前記導入温度調整部は、冷房時、前記熱媒温度計測部の計測により得られた前記熱媒の温度に応じて、前記温水焚吸収冷凍機の同時運転台数を自動的に調整し、前記熱媒の温度が高くなるに従って同時運転台数を増やす、
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷暖房システム。
  7. 前記冷暖房熱源機として、複数台の温水焚吸収冷凍機と、1台以上の水熱源ヒートポンプと、を備え、
    前記導入温度調整部は、冷房時、前記温水焚吸収冷凍機を優先的に運転し、運転中の前記温水焚吸収冷凍機による推定出力が不足する場合に、前記水熱源ヒートポンプを更に運転状態に切り替える、
    ことを特徴とする請求項1または請求項6に記載の冷暖房システム。
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