JP5730028B2 - 熱源システム - Google Patents
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Description
温熱を駆動用熱源として冷熱を取り出す方法として、吸収式冷凍機または吸着式冷凍機を用いることが考えられる。しかし、50〜60℃程度の低温排熱では十分な冷熱を取り出すことができない。
下記の特許文献2には、低段側を圧縮式冷凍機を用いた冷凍サイクルとし、高段側を吸収式ヒートポンプを用いたヒートポンプサイクルとして、冷却と加熱を同時に行う方法が開示されている。
また、特許文献2には、圧縮式冷凍機と吸収式ヒートポンプとの組合せについて記載されているものの、具体的な構成については一切開示されていない。
すなわち、本発明にかかる熱源システムは、電動モータによって駆動されて冷媒を圧縮する圧縮機、該圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器、該凝縮器によって凝縮された液冷媒を膨張させる膨張弁、及び、該膨張弁によって膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器を備えた蒸気圧縮式の電動ヒートポンプと、温熱が供給されて溶液を加熱濃縮して再生させる再生器、該再生器から導かれた冷媒を凝縮させる凝縮器、該凝縮器にて凝縮された液冷媒を蒸発させる蒸発器、及び、該蒸発器によって蒸発した冷媒を溶液に吸収させる吸収器を備えた吸収式冷凍機とを備え、前記電動ヒートポンプは、前記蒸発器にて50〜60℃の低温排熱からの供給熱より熱回収するとともに、前記凝縮器から80〜90℃の温熱を出力し、前記吸収式冷凍機は、前記再生器にて前記電動ヒートポンプの前記凝縮器から出力された80〜90℃の温熱を得るとともに、前記蒸発器から冷熱を出力することを特徴とする。
本発明では、電動ヒートポンプから得られる80〜90℃の温熱を吸収式冷凍機の再生器に供給することとして、電動ヒートポンプから得られる温熱を吸収式冷凍機の駆動用熱源として用いることとした。これにより、吸収式冷凍機を駆動するためにガスや油等の燃焼熱を必要とすることがない。したがって、効率良く冷熱および温熱を得ることができる。
本発明では、電動ヒートポンプから得られる80〜90℃の温熱を再生器に供給することとして、電動ヒートポンプから得られる温熱を吸収式一種ヒートポンプの駆動用熱源として用いることとした。これにより、吸収式一種ヒートポンプを駆動するためにガスや油等の燃焼熱を必要とすることがない。したがって、効率良く温熱(中温熱)を得ることができる。
本発明の参考例では、電動ヒートポンプから得られる温熱を再生器および蒸発器に供給することとして、電動ヒートポンプから得られる温熱を吸収式二種ヒートポンプの駆動用熱源として用いることとした。これにより、吸収式二種ヒートポンプを駆動するためにガスや油等の燃焼熱を必要とすることがない。したがって、効率良く温熱(高温熱)を得ることができる。
[第1参考実施形態]
以下、本発明の第1参考実施形態について、図1を用いて説明する。
図1(a)に示すように、熱源システム1Aは、電動ヒートポンプ2と、吸収式冷凍機3とを備えている。
なお、ヒートポンプ2としては、典型的には、本実施形態のようにターボ圧縮機を用いたターボ冷凍機が挙げられるが、スクリュー式やスクロール式の圧縮機を用いた他の蒸気圧縮式のヒートポンプでもよい。
熱源システム全体としてのCOPは、入力熱量がターボ圧縮機5の「0.2」であり、温熱負荷(高温)21への温熱出力が「0.6」、冷熱負荷45への冷熱出力が「0.5」なので、5.5((0.6+0.5)/0.2)となる。
また、電動ヒートポンプ2から得られる80〜90℃の高温水を吸収式冷凍機3の再生器30に供給することとして、電動ヒートポンプ2から得られる高温水を吸収式冷凍機3の駆動用熱源として用いることとしたので、吸収式冷凍機3を駆動するためにガスや油等の燃焼熱を必要とすることがない。したがって、効率良く冷熱および温熱を得ることができる。
次に、本発明の第1実施形態について、図2を用いて説明する。
本実施形態は、第1参考実施形態の吸収式冷凍機3が吸収式一種ヒートポンプに変更されており、冷熱出力をせずに中温水を出力する構成となっている点で第1参考実施形態と相違する。それ以外の共通する構成については同一符号を付しその説明を省略する。
図2(a)に示されているように、熱源システム1Bは、第1参考実施形態と同様に低温排熱から排熱回収して80〜90℃の高温水を出力する電動ヒートポンプ2と、吸収式一種ヒートポンプ4とを備えている。
また、電動ヒートポンプ2から得られる90℃程度の温熱を再生器30に供給することとして、電動ヒートポンプ2から得られる温熱を吸収式一種ヒートポンプ4の駆動用熱源として用いることとしたので、吸収式一種ヒートポンプ4を駆動するためにガスや油等の燃焼熱を必要とすることがない。したがって、効率良く温熱(中温熱)を得ることができる。
次に、本発明の第2参考実施形態について、図3を用いて説明する。
本実施形態は、第1参考実施形態の吸収式冷凍機3が吸収式二種ヒートポンプに変更されており、冷熱出力をせずに100℃以上の高温水を出力する構成となっている点で第1参考実施形態と相違する。それ以外の共通する構成については同一符号を付しその説明を省略する。
また、本実施形態は、第1実施形態の吸収式一種ヒートポンプ4を吸収式二種ヒートポンプに変更した点が相違する。第1実施形態よりも更に高温の温水を出力できることが本実施形態の特徴となっている。
電動ヒートポンプ2の温熱出力である高温水は、高温水出力配管19から、高温水供給配管25を介して吸収式二種ヒートポンプ6の再生器35へ供給されるともに、蒸発器35へも供給されるようになっている。このように高温水の全てが吸収式二種ヒートポンプ6へ供給されるようになっているので、本実施形態の熱源システム1Cは高温水を外部の温熱負荷に供給する構成とはなっていない。
また、電動ヒートポンプ2から得られる90℃の高温水を再生器30および蒸発器35に供給することとして、電動ヒートポンプ2から得られる温熱を吸収式二種ヒートポンプ6の駆動用熱源として用いることとした。これにより、吸収式二種ヒートポンプ6を駆動するためにガスや油等の燃焼熱を必要とすることがない。したがって、効率良く温熱(高温熱)を得ることができる。
次に、本発明の第2実施形態について、図4〜図8を用いて説明する。
本実施形態は、第1参考実施形態の吸収式冷凍機3を、第1実施形態の吸収式一種ヒートポンプ4へ切り替え可能としている。したがって、第1参考実施形態および第1実施形態と共通する構成については同一符号を付しその説明を省略する。
また、低温水配管13には、熱回収用三方弁64a,64bが設けられており、これら三方弁64a,64bによって、吸収式冷凍機3が一種ヒートポンプとして作動したときに熱回収できるようになっている。
高温水出力配管19には、高温水供給用三方弁66a,66bが設けられており、温熱負荷(高温)21と再生器30へ向かう高温水の流量を分配するようになっている。
吸収式冷凍機3の蒸発器35に接続された冷水配管43には、冷水用三方弁68a,68bが設けられており、冷凍機として動作するときは冷水を蒸発器11から冷熱負荷45へと供給し、一種ヒートポンプとして動作するときは低温排熱から熱回収するように低温水が熱回収用熱交換器15から蒸発器35へと導かれるようになっている。
温熱負荷(中温)53と吸収器37との間には、中温水用三方弁70が設けられており、吸収式冷凍機3が冷凍機として動作するときは冷却塔41から導かれた冷却水を吸収器37へと導くようにし、一種ヒートポンプとして動作するときは吸収器37と温熱負荷(中温)53と接続するようになっている。
凝縮器32と冷却塔41との間には、冷却水用三方弁72が設けられており、吸収式冷凍機3が冷凍機として動作するときには凝縮器32と冷却塔41とを接続し、一種ヒートポンプとして動作するときは凝縮器と温熱負荷(中温)53とを接続するようになっている。
なお、上述した各三方弁は、2つの二方弁で代用することとしてもよい。
冷水用三方弁68a,68bは、冷熱負荷45へと冷水を供給するように、蒸発器35と冷熱負荷45とを接続する。
また、中温水用三方弁70と冷却水用三方弁72は、冷却水が、凝縮器32、冷却塔41および吸収器37を循環するように弁方向が決定される。
熱回収用三方弁64a,64bは、低温排熱から一種ヒートポンプの蒸発器35が熱回収するように弁開度が調整される。そして、蒸発器35へと低温水が導かれるように、冷水用三方弁68a,68bは、熱回収用熱交換器15と蒸発器35とが接続されるように弁方向が決定される。
また、中温水用三方弁70と冷却水用三方弁72は、凝縮器32にて加熱された中温水が、温熱負荷(中温)53、吸収器37を通り循環するように弁方向が決定される。
また、低温排熱から回収した低温水を温熱負荷(低温)62にて利用することもできる。
2 電動ヒートポンプ
3 吸収式冷凍機
4 吸収式一種ヒートポンプ
5 ターボ圧縮機
6 吸収式二種ヒートポンプ
7 凝縮器
9 膨張弁
11 蒸発器
30 再生器
32 凝縮器
35 蒸発器
37 吸収器
Claims (3)
- 電動モータによって駆動されて冷媒を圧縮する圧縮機、該圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器、該凝縮器によって凝縮された液冷媒を膨張させる膨張弁、及び、該膨張弁によって膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器を備えた蒸気圧縮式の電動ヒートポンプと、
温熱が供給されて溶液を加熱濃縮して再生させる再生器、該再生器から導かれた冷媒を凝縮させる凝縮器、該凝縮器にて凝縮された液冷媒を蒸発させる蒸発器、及び、該蒸発器によって蒸発した冷媒を溶液に吸収させる吸収器を備えた吸収式冷凍機と、
を備え、
前記電動ヒートポンプは、前記蒸発器にて50〜60℃の低温排熱からの供給熱より熱回収するとともに、前記凝縮器から80〜90℃の温熱を出力し、
前記吸収式冷凍機は、前記再生器にて前記電動ヒートポンプの前記凝縮器から出力された80〜90℃の温熱を得るとともに、前記蒸発器から冷熱を出力し、
さらに、前記吸収式冷凍機は、前記凝縮器が60〜70℃の温熱を出力するとともに、前記蒸発器が50〜60℃の前記低温排熱からの供給熱より熱回収するように構成された吸収式一種ヒートポンプに切替可能とされていることを特徴とする熱源システム。 - 電動モータによって駆動されて冷媒を圧縮する圧縮機、該圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器、該凝縮器によって凝縮された液冷媒を膨張させる膨張弁、及び、該膨張弁によって膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器を備えた蒸気圧縮式の電動ヒートポンプと、
温熱が供給されて溶液を加熱濃縮して再生させる再生器、該再生器から導かれた冷媒を凝縮させて温熱を出力する凝縮器、該凝縮器にて凝縮された液冷媒を蒸発させる蒸発器、及び、該蒸発器によって蒸発した冷媒を溶液に吸収させる吸収器を備えた吸収式一種ヒートポンプと、
を備え、
前記電動ヒートポンプは、前記蒸発器にて50〜60℃の低温排熱からの供給熱より熱回収するとともに、前記凝縮器から80〜90℃の温熱を出力し、
前記吸収式一種ヒートポンプは、前記再生器にて前記電動ヒートポンプの前記凝縮器から出力された80〜90℃の温熱を得るとともに、前記蒸発器にて50〜60℃の前記低温排熱からの供給熱より熱回収し、前記凝縮器から60〜70℃の温熱を出力することを特徴とする熱源システム。 - 前記吸収式冷凍機に代えて吸着式冷凍機とされ、又は、前記吸収式一種ヒートポンプに代えて吸着式ヒートポンプとされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱源システム。
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