JP4881681B2 - 鉄骨階段 - Google Patents
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Description
(a)図7(a)に示すように、各段が一枚板の踏板92のみで形成される鉄骨階段90。
(b)図7(b)に示すように、各段が一枚板の踏板94の踏み面にモルタルMを打設し、シートSを被せて形成される鉄骨階段93。
(c)図7(c)に示すように、各段が踏板96に中空部を有し、その中にモルタルMを流し込んで形成される鉄骨階段95(特許文献1を参照)。
上記(b)及び(c)記載の鉄骨階段93、95は、モルタルMを用いて踏板94、96を補強しながら、この歩行音を抑制している。ところが、モルタルを使用する場合には、階段を製造する途中で、使用したモルタルMが固まるのを待って次の工程を行う必要があるため、納期が遅くなるという問題がある。さらに、モルタルMを使用することによって、階段の寸法の変更が難しくなり、一般住宅などの個々の(少数の)受注に対して対応しにくくなる。また、階段の重量が増加するという問題や、コストが高くなるという問題もある。
(1)前記踏板の踏み面の奥辺部及び側辺部では、前記隙間が、溶接により閉鎖されたたことで実質的に無い態様。
(2)前記踏板の踏み面の前辺部では、前記踏板が、前記踏み面の前端から屈曲して下方へ延びる手前面部を備えていることで、前記隙間が実質的に無い態様。同態様の場合、前記手前面部の下辺部が前記下覆板に溶接されることが好ましく、この溶接は連続的な溶接でも部分的な溶接でもよい。
(一)段板の下面に溶接する音抑制部材の寸法は、特に限定されないが、取付時の高さが10〜30mm、奥行方向の長さが10〜80mm、厚さが1〜5mmであるのが好ましい。その本数は、特に限定されず、音抑制部材の寸法にもよるので一概にはいえないが、段板の奥行が190〜270mmのときは1〜2本、270〜400mmのときは3〜5本であるのが好ましい。
(三)下覆板の上面に溶接する音抑制部材の寸法は、特に限定されないが、上記段板の下面に溶接するものと同じ範囲の寸法が好ましく、その本数は限定されない。
上で例示した各音抑制部材の好ましい寸法及び本数は、音抑制効果と重量及びコストとのバランスを考慮したものである。
そこで、上記鉄骨階段は、特に限定されないが、溶融亜鉛にどぶ付けされてメッキされたものであり、前記下覆板に前記溶融亜鉛を前記箱形閉空間に出入りさせた穴が形成されたものとしてもよい。この穴が形成されたことで、階段を組み立てた後でもどぶ付けにより簡単に、かつ、箱形閉空間の内面まで亜鉛をメッキできる。
上記効果に加え、請求項2記載の発明によれば、歩行音を抑える効果がさらに高まる。
また、請求項3記載の発明によれば、踏板を側桁及び下覆板へ溶接するのと同時に、前記隙間を閉鎖できる。
また、請求項4記載の発明によれば、他の部材を用いずに、容易に前記隙間を閉鎖できる。
また、請求項5載の発明によれば、音抑制部材と側桁との干渉を防止することにより、両者の干渉音の発生を防止できる。
また、請求項6記載の発明によれば、階段を組み立てた後でもどぶ付けにより簡単に、かつ、箱形閉空間の内面まで亜鉛をメッキできる。
鉄骨階段10は、一対の鋼製の側桁11と、側桁11に溶接された左右方向に延びる鋼製の踏板12、13とを備えている。踏板12、13の下面に、踏板12、13の奥行より細い断面U型をなして左右方向に延びる鋼製の音抑制部材17がその開口側の端面17aを当接させて溶接されている。踏板12、13及び音抑制部材17より下方で踏板12、13の奥行と略同じ奥行をなして左右方向に延び、踏板12、13及び側桁11と協働して箱形閉空間Cを形成する鋼製の下覆板14、24が、踏板12、13及び側桁11に溶接されている。
以下に挙げる各数値は例示であって、特に限定されるものではない。
鉄骨階段10の寸法は、例えば、踏板12、13の左右方向の長さWが1100〜1400mm、奥行Tが240〜300mm、蹴上げ寸法Hが150〜230mmである。
段板12は、その上面で奥行が240〜300mmの水平な踏み面12aと、該踏み面12aの前端から屈曲して下方へ10〜50mm延びる手前面部12bと、左右方向の両端から屈曲して下方へ10〜30mm延びる側面部12cとを備えている。手前面部12bの下辺部は後述する下覆板14の垂直部16に左右方向へ所定のピッチ(例えば、250〜350mm)で部分的に溶接されている。
踊場板13は、その上面で奥行が460〜540mmの水平な踏み面13aと、該踏み面13aの左右方向の両端から屈曲して下方へ10〜30mm延びる側面部13cとを備えている。
上記段板12及び踊場板13の踏み面12a、13aの奥辺部は、後述する下覆板14の垂直部16に連続的に隙間無く溶接され、踏み面12a、13aの側辺部は側桁11の内側面に連続的に隙間無く溶接されている。
下覆板14は、断面L型の鋼板で、踏板12、13の奥行と略同じ奥行をなす水平部15と、該水平部の奥端から屈曲して上方に略垂直に延びる垂直部16とを備えている。一対の側桁11の内側に、下覆板14の水平部15の側辺部及び垂直部16の側辺部が連続的に隙間無く溶接されている。さらに、垂直部16の上辺部から、例えば、10〜60mm下方に、奥側から、上段となる下覆板14の水平部15の手前辺部が溶接されている(各段の下覆板14も同様である)。
しかも、手前面部12bと垂直部16とが、僅かな隙間をもって10〜50mmの高さ分重なり合っているため、その隙間の下向きの開口も非常に小さくなっている。さらに、手前面部12bの下辺部が下覆板14に部分的に溶接されていることで、その開口がさらに小さくなっている。よって、音の下方への漏れも少ない。
11 側桁
12、13 踏板
12a、13a 踏み面
12b 手前面部
14、24 下覆板
15h 穴
17 音抑制部材
17a 端面(上面)
17b 端面(左右面)
C 箱形閉空間
G 離間部
Claims (6)
- 一対の鋼製の側桁(11)と、該側桁(11)に溶接された左右方向に延びる鋼製の踏板(12、13)とを備えた鉄骨階段において、
前記踏板(12、13)の下面に、前記踏板(12、13)の奥行より細い断面U型をなして左右方向に延びる鋼製の音抑制部材(17)がその開口側の端面(17a)を当接させて溶接され、
前記踏板(12、13)及び前記音抑制部材(17)より下方で該踏板(12、13)の奥行と略同じ奥行をなして左右方向に延び、前記踏板(12、13)及び前記側桁(11)と協働して箱形閉空間(C)を形成する鋼製の下覆板(14、24)が、前記踏板(12、13)及び前記側桁(11)に溶接され、
前記踏板の踏み面(12a、13a)の周辺部に、前記箱形閉空間(C)に通じる上向きに開口する隙間が実質的に無く、
モルタルが使用されていない前記箱形閉空間(C)に歩行音を閉じ込めることを特徴とする鉄骨階段。 - 前記音抑制部材(17)が、前記下覆板(14、24)の上面にも溶接された請求項1記載の鉄骨階段。
- 前記踏板の踏み面(12a、13a)の奥辺部及び側辺部では、前記隙間が溶接により閉鎖されたことで実質的に無い請求項1又は2記載の鉄骨階段。
- 前記踏板の踏み面(12a、13a)の前辺部では、前記踏板(12、13)が前記踏み面(12a、13a)の前端から屈曲して下方へ延びる手前面部(12b)を備えていることで、前記隙間が実質的に無い請求項1、2又は3記載の鉄骨階段。
- 前記音抑制部材(17)の左右方向の端面(17b)と前記側桁(11)の内側面との間に干渉防止用の離間部(G)が設けられている請求項1〜4のいずれか一項に記載の鉄骨階段。
- 前記鉄骨階段(10)は溶融亜鉛にどぶ付けされてメッキされたものであり、前記下覆板(14、24)に前記溶融亜鉛を前記箱形閉空間(C)に出入りさせた穴(15h)が形成されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の鉄骨階段。
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