JP4157972B2 - 鉄骨階段の製造方法、鉄骨階段基材 - Google Patents

鉄骨階段の製造方法、鉄骨階段基材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
鋼材からなるささら桁に、踏段を固定した鉄骨階段の製造方法、この製造方法に使用する鉄骨階段基材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の鉄骨階段では、階段状に並べた踏段を、鋼板からなるささら桁で挟み、ささら桁側から挿通したボルト類で、ささら桁と踏段とを固定して、鉄骨階段を製造していた。この場合、一般に踏段も鋼板で形成していたため、騒音の発生を防止する等の目的で、踏段にモルタル類を固化させたモルタル板を有する構造とする場合があった。
【0003】
この場合、一の方法では、踏段に、踏板部分に上に開いた凹部を設けて枠状に形成し、この踏段をささら桁に固定し、鉄骨階段を構成していた。そして、鉄骨階段を躯体に設置した後に、踏段の凹部にモルタルやコンクリートを打設して、モルタル上面を仕上げていた。
【0004】
また、他の方法では、踏段を中空部を有する枠状に形成し、中空部にモルタルを充填して、モルタルが固化した後に、踏段をささら桁に固定していた(例えば、特開平8−284355)。また、枠状の踏段にモルタル板等をサンドイッチして踏段を形成し、その後にささら桁に固定していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の技術の前者の場合、階段を取り付けた後に、モルタルを打設するので、モルタルの割れを防止するために、メッシュや鉄筋等を埋設すると共に、モルタルの上面を均すことが必要であり、作業が煩雑となる問題点があった。また、構築現場で踏段部分にモルタルを打設するので、打設作業時には、階段を一時通行止めにする必要があり、階段を仮設通路として使用できない問題点があった。また、鉄骨階段の設置からモルタルの打設までの間に、降雨等により凹部内に水が溜まり、排水等の処理が必要となる問題点があった。また、モルタルが踏板の表面に露出するので、仮設で使用する場合には、表面が摩耗する場合があり、摩耗を防止する為の養生作業が必要となる問題点があった。
【0006】
また、後者の場合、即ち、モルタルを積層し、あるいはモルタルを注入固化させた後に踏段をささら桁に固定する場合には、踏段の重量が重く、組立製造時に踏段の取扱いに、重機類が必要であり、また多くの人手を要する問題点があった。踏段の重量は、求める性能(鋼板の厚さ、モルタルの厚さ等)により異なるが、例えば、幅120cm程度の踏段で、50kg程度の重さがあった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
然るにこの発明では、中空部を有する踏段をささら桁に固定した後に、踏段の中空部内にセメントモルタル類を注入したので、前記問題点を解決した。
【0008】
即ちこの発明は、以下の工程で製造することを特徴とする鉄骨階段の製造方法である。
(1) 並列した一方のささら桁と他方のささら桁との間に、階段状に並べた中空部を有する踏段を挟み、該踏段の両端を前記ささら桁に夫々固定して、鉄骨階段基材を構成する。
記踏段は、踏板頂板、踏板底板及び2つの踏板縦板で囲まれた枠状に形成すると共に、該枠状で囲まれた部分に中空部を形成し、前記一方のささら桁に、前記中空部に連通する貫通孔を穿設し、かつ、
前記鉄骨階段基材は、前記一方のささら桁をに前記他方のささら桁をにして、前記貫通孔から中空部にモルタルを充填した場合に、前記他方のささら桁と前記踏段の端縁との間から「のろ」が漏れないように処理してある。
(2) 前記一方のささら桁を上に、前記他方のささら桁を下になるように前記鉄骨階段基材を配置する。
(3) 前記貫通孔から前記踏段の中空部内にセメントモルタル類を注入充填する。
(4) その後、前記貫通孔を塞いで、鉄骨階段を構成する。
【0009】
また、他の発明は、並列した一方のささら桁と他方のささら桁との間に、階段状に並べた踏段を挟み、前記各踏段の両端を前記両ささら桁に夫々固定してなる鉄骨階段用の基材であって、前記踏段は、踏板頂板、踏板底板及び2つの踏板縦板で囲まれた枠状に形成すると共に、該枠状で囲まれた部分に中空部を形成し、前記一方のささら桁に、前記中空部に連通する貫通孔を穿設し、前記一方のささら桁をに前記他方のささら桁をにして、前記貫通孔から中空部にモルタルを充填した場合に、前記他方のささら桁と前記踏段の端縁との間から「のろ」が漏れないように処理したことを特徴とする鉄骨階段基材である。また、他の発明は、前記において、踏段の踏板部に、踏板頂板、踏板底板及び踏板縦板で囲まれた中空部を形成し、踏板頂板と踏板底板とを、前記踏段の幅方向の中間支持材で連結し、前記中間支持材の端縁を貫通孔の中央部に位置させた鉄骨階段基材である。
【0010】
前記におけるセメントモルタル類とは、各種調合のセメントモルタル、セメントミルク、コンクリート等、水硬性の材料を指す。セメントモルタル類は、踏段の中空部内で、できるだけ均一に固化することが望ましいので、骨材はできるだけ小径軽量で、下方にまとまって沈まない材料が好ましい。
【0011】
一般的なセメントモルタルでは、セメント1に対して、砂3(重量比)であり、水を加えた体積調合としては、モルタル1m当たり、セメント500kg、砂1500kg、水250kg程度である。本発明で使用するモルタルは、強度を要しないので、セメント1に対して、砂4(重量比)程度までセメント量を少なくすることが可能であり、モルタル1m当たり、セメント430kg、砂1700kg、水200kg程度とすることができる。
【0012】
また、前記におけるセメントモルタル類を注入した後の貫通孔を塞ぐ手段は、別部材を貫通孔に詰めて塞ぐ場合、あるいは、固化したセメントモルタル類により塞ぐ場合等が考えられる。
【0013】
また、前記における鉄骨階段基材は、中間踊り場で折り返す階段や、直進する階段等、従来の任意構成の鉄骨階段に適用できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(1) 踏板2部分に中空部26を有する踏段1、1を階段状に並べ、ささら桁28、28aで挟み、鉄骨階段基材40を構成する(図1、図4)。鉄骨階段基材40で、設置状態で、外周側に位置するささら桁28に、中空部26に連通する貫通孔30が穿設されている。
【0015】
(2) 鉄骨階段基材40を、設置状態で内周側に位置するささら桁28aを下に、基台39上に載置する(図5(a))。ささら桁28aには、貫通孔を穿設していない。
【0016】
(3) 上側に位置するささら桁28の貫通孔30から踏段1の中空部26内に矢示43のように、モルタル44を注入する(図5(b))。尚、モルタルの注入は、1度に注入し、あるいは数度に分けて注入することもできる。
【0017】
とりわけ、比較的比重の大きな細骨材を使用する場合には、踏段1が膨らまないように、2度に分けて、1回目を4分の1〜3分の1程度に留めると有効である。
【0018】
(4) 所定の養生をした後、貫通孔30内に鋼材42を詰めて孔埋めし、溶接でビードを盛り、グラインダー等で、ささら桁の外面を平滑に仕上げ、鉄骨階段45を製造する(図5(c))。
【0019】
【実施例1】
図面に基づきこの発明の実施例を説明する。
【0020】
[1]踏段1の構成
【0021】
(1) 踏板2と角度αで連結された蹴上げ板3とからなる踏段1で、階段幅Dで形成され(図1(b)、図3)、第一踏段部材5、第二踏段部材10、第三踏段部材18等から構成する(図4)。
【0022】
(2) 踏板2の踏み面長さLに対応した長さLの第一底板部材6の前側(上側)を角度αで上方に向けて屈曲して、蹴上げ高さに対応した高さの第一蹴上げ部材7を形成する。第一底板部材6の後側(下側)を角度(180°−α)で上方に屈曲して、蹴上げ連結片8を形成する。以上のようにして、第一踏段部材5を構成する(図4)。
【0023】
(3) 第一踏段部材5の第一底板部材6に重ねられる、第二底板部材11を形成し、第二底板部材11の中間部を2箇所で上に向けて凸となるように、使用するナットの外径に沿って屈曲して、ナットを嵌挿するナット取付用の突条12、12を形成する。第二底板部材11の前側(上側)を角度αで屈曲して立ち上げ、第二蹴上げ部材13を形成し、第二蹴上げ部材13の上端部に、上方段の踏板高さに応じた高さHで水平前側に屈曲し水平片14を形成する。更に水平片14の先端部を直角下方に屈曲して上連結片15とする。第二底板部材11の後側(下側)を、略直角に立ち上げ、下連結片16とする。以上のようにして、第二踏段部材10を構成する。上下に隣接する踏段で、第二踏段部材10の上連結片15と下連結片16とが互いに当接して重なるように形成してある(図4)。
【0024】
(4) 踏板の上面を構成する踏板頂板19の前後両端部を下方に向けて略直角に屈曲して、形成予定の踏板の厚さに応じた踏板縦板19、19を形成し、第三踏段部材18を構成する(図4)。
【0025】
(5) 続いて、第二踏段部材10の突条12、12の両端部に、端縁を揃えて、長ナット23、23を嵌挿して、固着する。第一踏段部材5の第一底板部材6上に、第二踏段部材10の第二底板部材11を重ねると共に、第一第二蹴上げ部材7、13を互いに重ねる。この状態で、長ナット23、23の下側の側面24は、第一底板部材6に当接する(図4)。
【0026】
(6) 続いて、第三踏段部材18を、踏板縦板19、19を下にして、第二踏段部材10の第二底板部材11上に載置する。この際、後側の踏板縦板19を第二踏段部材10の下連結片16の内側に重ね、前側の踏板頂板19の前側縁20(踏板縦板の上縁)を、第二踏段部材10の第二蹴上げ部材13に重なり当接する(図4)。
【0027】
(7) 重ねた各部材5、10、18の当接箇所を必要に応じて溶接して、枠状の1段当たりの踏段1を構成する(図4)。踏段1は、第一踏段部材5の第一底板部材6と第二踏段部材10の第二底板部材11とで、踏板底板2aを構成する。第一踏段部材5の第一蹴上げ部材7と、第二踏段部材10の第二蹴上げ部材13とで、蹴上げ板3を構成する。踏板底板2a、踏板頂板19、踏板縦板21、21とで、囲まれた部分を、モルタルを注入するための中空部26とする(図4)。
【0028】
[2]鉄骨階段基材40の構成
【0029】
(1) 鋼板からなるささら桁28、28aには、踏段1を取付ける斜め部31の上下に連続して踊り場部32、32が形成されている。各踏段1の長ナット23、23に対応する位置に、ボルトを挿通する透孔29、29が穿設されている。一方(折り返し階段の場合、外周側に位置する)のささら桁28には、更に、各踏段1、1の中空部26に対応する位置に、直径30mm程度の貫通孔30、30を穿設する(図2(a))。貫通孔30は、中空部26の中(即ち、踏板底板2a、踏板頂板19、踏板縦板21、21で囲まれた内側)に納まるように形成する。また、貫通孔30は、モルタルの均一な注入のために、中空部26の中央部(即ち、踏板底板2a、踏板頂板19、踏板縦板21、21で囲まれた部分の中央部)に配置されることが望ましい(図4、図2(a))。
【0030】
また、貫通孔30、透孔29の形成は、プレス(パンチャー)、ドリル、レーザー等従来使用される任意の手段によることができる。
【0031】
(2) 所定数の踏段1、1を階段状に並べる。この際、上下に隣接する踏段1、1で、下側の踏段1の上連結片15と、上側の踏段1の下連結片16とが重なり当接する。また、下側の踏段1の蹴上げ板3(第一蹴上げ部材7)と、上側の踏段1の蹴上げ連結片8とが重なり当接する(図4)。
【0032】
(3) 続いて、階段状に並べた踏段1、1の両側に、ささら桁28、28aを配置して、ささら桁28、28aで踏段1、1を挟む。続いて、透孔29、29からボルト35を挿入して、長ナット23に螺合緊結して、ささら桁28、28aと踏段1、1とを固定する(図3)。
【0033】
また、ささら桁28、28aの踊り場部32、32に、中間踊り場又はフロア踊り場用の踊り場底板36、37を夫々取付ける。ささら桁28、28aの踊り場部32、32に穿設された透孔から、踊り場底板36、37の螺孔に向けてボルトを螺合緊結して固定する(図示していない)。
【0034】
以上のようにして、鉄骨階段基材40を構成する(図2(a)(b)、図3、図1)。
【0035】
[3]鉄骨階段45の製造
【0036】
(1) 使用するモルタルは、セメント量50kg当たりに、パーライトを0.2m、水25kg程度を混ぜて、調合する。パーライトは、真珠岩を加熱してっ発泡させた天然の鉱石で、軽量であり、吸音性、断熱性を有する。また、必要ならば、流動性を増す各種混和剤を混ぜる。ここで使用するモルタルは、防音等のために使用するので、強度は求められず、上記配合で充分である。
【0037】
(2) 続いて、基台(地面)39上に、貫通孔30を穿設していないささら桁28aを下に、貫通孔30を穿設したささら桁28を上にして、鉄骨階段基材40を配置する(図1(b)、図5(a))。下側のささら桁28aと、各踏段1、1の端縁との隙間から、いわゆる“のろ(セメントペースト=水とセメント成分の混合物)”が漏れないように、予め溶接し、あるいはコーキング処理する。
【0038】
ここで、“のろ”が生じると、中空部26からセメントペーストが流出し、該部でセメントペーストが失われることになるので、骨材(パーライト)の偏りや、空洞部が生じ、固化不良や強度低下の原因となり、とりわけ骨材の大きさが比較的大きい場合に顕著である。また、“のろ”が漏れた場合、ささら桁や踏段が汚れ、これを清掃をする手間が生じる。従って、コーキング処理等により、これらの不都合を防止する。
【0039】
(3) 続いて、上側のささら桁28の各貫通孔30、30から各踏段1、1の中空部26、26内に、矢示43のようにモルタル44を注入し(図5(b))、所定期間養生する。養生期間は、モルタルが踏段1、1に囲まれているので、強度を要さないので、短期間(調合、中空部の大きさ等にもよるが1〜2日程度)で良い。また、ここで、モルタルの打設面の均しが不要である。
【0040】
(4) 所定期間の養生が完了したなら、ささら桁28の貫通孔30内に、鋼材42を詰めて孔埋めし、溶接でビードを盛り、グラインダー等で、ささら桁28の外面を平滑に仕上げる(図5(c))。この場合、ささら桁28の貫通孔30、30をパンチャーで空けた場合には、パンチャーで空けた抜き材(小円盤状)をそのまま使用すれば、材料の無駄を省き、廃物の有効利用を図れる。
【0041】
尚、意匠上からの要請がない場合には、貫通孔30の仕上げを不要として、固化したモルタルが貫通孔から見える状態のままにすることもできる。この際、モルタルは踏段1の中空部26内に留めて貫通孔30内を空洞にする方法(図5(b)の状態)、モルタルを貫通孔30内まで充填する方法(図示していない)等がある。
【0042】
(5) 以上のようにして、鉄骨階段45を構成する(図1)。
【0043】
(6) 他の製造方法
前記実施例において、踏段1、1を階段状に並べた後に、両側からささら桁28、28aを重ねたが、一方づつささら桁28(又はささら桁28a)を重ねて固定することもできる(図示していない)。
【0044】
また、踏段1を階段状に並べた後に、ささら桁28、28aを固定したが、一方のささら桁28(又はささら桁28a)に、1つ又は複数の踏段1、1を固定しながら、踏段1、1を階段状に並べ、続いて他方のささら桁28a(又はささら桁28)を固定することもできる(図示していない)。
【0045】
前記実施例において、踏段1とささら桁28、28aとをボルト35、35で固定したが、ピン、溶接等従来使用される他の固定手段を使用することもできる(図示していない)。
【0046】
[4]鉄骨階段45の設置
【0047】
(1) 下側の鉄骨階段45Aと上側の鉄骨階段45Bで、1階分の鉄骨階段を構成する。鉄骨階段の設置は、従来の鉄骨階段と同様である。また、鉄骨階段45A、45Bの設置は、躯体の構築に先行して設置することも、躯体の構築と同時に構築することもできる。
【0048】
(2) 即ち、例えば、鉄骨系の躯体において、鉄骨階段45Aの下端部を躯体の大梁47、上端部を、躯体の中間踊り場用の小梁48に固定し、鉄骨階段45Bの下端部を小梁48に、上端部を次階の大梁47に夫々固定して、鉄骨階段45A、45Bを躯体に架設する。尚、最下階では、鉄骨階段45Aの下端部は、床(スラブ)49に固定する。
【0049】
(3) 続いて、各踊り場底板36、37に通常調合のモルタル50、50を打設する。下側の鉄骨階段45Aの踊り場底板37と、上側の鉄骨階段45Bの踊り場底板36とで、中間踊り場51を構成する(図7(b))。また、上側の鉄骨階段45Bの踊り場底板37と、次階の下側の鉄骨階段45Aの踊り場底板36とで、フロア踊り場52を構成する(図7(a))。
【0050】
(4) 各踏段1、1の踏板上面(踏板頂板19)、蹴上げ板3(第二蹴上げ部材13)に必要ならば、仕上げシート53を貼り、踏段1、1の段鼻部分4(水平片14)に、滑り止め材(ノンスリップ)を取付ける(図4鎖線図示)。段鼻部分4には、上段側の踏段1の第一底板部材6、蹴上げ連結片8、下連結片16、下段側の踏段の水平片14、上連結片15、第一蹴上げ部材7とで、段鼻中空部27が形成されるので、段鼻中空部27を使用して、滑り止め材54をビス類で、取付けることもできる。
【0051】
(5) 以上のようにして、鉄骨階段45A、45Bを設置する。図中55は、各鉄骨階段45A、45Bの内側のささら桁28a、28aに取り付けた手すりである(図6)。
【0052】
[5]他の実施例
【0053】
(1) 前記実施例において、踊り場は、階段設置後に、モルタルを打設するように、踊り場底板36、37を設けたが、モルタルを打設しない乾式の踊り場とすることもできる(図示していない)。
【0054】
また、踊り場は、踏段1と同様に、中空部を形成し、ささら桁28に対応する貫通孔を穿設して構成し、踏段1と同様に、貫通孔から踊り場の中空部にモルタルを注入充填することもできる(図示していない)。この場合、踊り場の中空部を複数に区画し、区画された複数の中空部毎に対応する複数の貫通孔をささら桁に穿設して鉄骨階段基材を構成することもできる(図示していない)。
【0055】
(2) また、前記実施例において、鉄骨階段基材40は、ささら桁28、28aに斜め部31の上下に踊り場部32、32を形成して、踊り場部32、32に踊り場底板36、37を設けてなる折り返し階段用の構成としたが、踊り場32を設けない斜め部31のみのささら桁に踏段1のみを固定した構成とをすることもできる(図示していない)。この場合、中間踊り場を躯体と一体の構成とする場合の他、別途中間踊り場にささら桁(側板)を取り付けた構成とする鉄骨階段基材を用意することもできる。中間踊り場のみの鉄骨階段基材も中間踊り場に中空部を設けて、ささら桁(側板)の貫通孔からモルタルを注入する構成とすることもできる(図示していない)。
【0056】
(3) また、鉄骨階段基材40は、踏板頂板19の下面と踏板底板2a(第二底板部材11)の上面との間に、中間支持材57を固定することもできる(図8)。とりわけ、踏板2の厚さ(踏板縦板21の高さ=踏板頂板19と踏板底板2a間の距離)が大きい場合、モルタルの打設で、踏板2が膨らまないようにする際に有効である。中間支持材57は、例えば、縦材58と縦材58の上縁に横材59を連設した断面略逆L字状に形成する(図8)。
【0057】
この場合、モルタルの均一な充填を図るため、中間支持材57は、踏板の幅方向で中央部分にのみ設け、中間支持材57の両端縁57a、57aとささら桁の内側との間にL(50mm程度)の間隔を設ける(図8(b))。また、同様に、縦材58が貫通孔30の中央部に位置するように配置する(図8(a))。
【0058】
(4) また、踏段1とささら桁28、28aとを溶接で組み立てる場合の鉄骨階段基材40の一例について説明する。底板2aと蹴上げ板3とを有する第一踏段部材5と、踏板頂板19の一側(蹴上げ板3側)に踏板縦板21を有する第三踏段部材とから踏段1を構成する(図9(a))。踏段1、1の第一踏段部材5を階段状に並べつつ、両端をささら桁28、29に溶接固着する。続いて、底板2aに、踏板縦板21を下にして第三踏段部材18を被せて、第三踏段部材18をささら桁28、28a及び/又は第一踏段部材5に溶接固着する。以上のようにして、鉄骨階段基材40を構成する(図9(b))。底板2a、蹴上げ板3の上端部、踏板頂板19及び踏板縦板21の内側で、中空部26を構成し、ささら桁28の貫通孔30が中空部26のほぼ中央に位置する。
【0059】
この鉄骨階段基材40へのモルタルを注入して鉄骨階段45を製造する方法は前記実施例と同様である。尚、前記で、第一踏段部材5、5をささら桁28、28aに溶接した後に、第三踏み段部材18、18を溶接したが、第一踏段部材5及び第三踏段部材18を階段状に並べて組み立てながら、ささら桁28、28aに溶接することもでき、その他従来採用されている組立手順とすることもできる。
【0060】
また、前記において、第三踏段部材18を、踏板頂板19の他側(段鼻側)を延長して屈曲し踏板縦板22とし、蹴上げ板3の傾斜αに応じた傾斜を有する踏板縦板22を連設した構成することもできる(図9(b))。この場合、踏板縦板22の裏面と、蹴上げ板3の上端部の表面とが重なるように組み立てられる。
【0061】
また、この実施例で、第三踏み段部材18(踏板頂板19)をいわゆるチェッカープレートを使用することもできる。また、第三踏み段部材18(踏板頂板19)にチェッカープレートを採用した場合には、外階段に使用した場合にも、有効である。
【0062】
(5) また、前記実施例において、踏段1は、各踏段部材5、10、18から構成したが、踏板部分に中空部26を構成できれば、他の部材の構成とすることもできる(図示していない)。
【0063】
また、踏段1は、中空部26を有する踏板2に相当する部材を有すれば、蹴上げ板3は省略することもできる(図示していない)。この場合、例えば、踏板2の断面形状に合わせた角筒形状等とすることもでき、例えば、平板を屈曲として角筒形状とし、あるいは予め形成した筒材を屈曲して構成する(図示していない)。
【0064】
(6) 前記実施例において、貫通孔30は、ささら桁28に設けたが、踏段1に設けることもできる(図示していない)。
【0065】
【発明の効果】
この発明は、中空部を有する踏段を、中空部に連通する貫通孔を有するささら桁に固定して、鉄骨階段基材を構成し、その後に、貫通孔からセメントモルタル類を注入充填して、鉄骨階段を構成したので、セメントモルタル類を注入しない踏段のみを組み立てるので、軽量で、取扱いが容易であり、重機類が無くとも組立が効率的にできる。また、一度に多くの踏段にセメントモルタル類を注入できるので、組立の際に占有面積も少なく、養生も容易となる効果がある。
【0066】
また、踏段に現場でセメントモルタル類を打設する必要がないので、その養生期間を不要として工期の短縮を図ることができると共に、架設した鉄骨階段を通行止めにする必要がないので、鉄骨階段を仮設通路として有効利用することができる効果がある。また、踏板部分にセメントモルタル類が露出せず、踏段は通常、鋼板で構成されるため、耐摩擦性に優れ、仮設階段として使用しても、表面の摩耗が少なく、階段の表面の仕上げ工事に支障がない。
【0067】
また、セメントモルタル類は中空部内に充填されるので、強度を必要とせず、いわゆる貧強度な調合のセメントモルタル類で充分であり、セメントモルタル類の打設面の仕上げ不要であり、セメントモルタル類の打設・仕上げ作業に熟練技術者を不要にできる。また、セメントモルタル類の強度が要求されないので、養生期間を短縮できる効果がある。
【0068】
総じて、踏段にセメントモルタル類を使用して騒音発生を防止する等した鉄骨階段において、鉄骨階段の製造期間の短縮、効率化を図ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、この発明の実施例の鉄骨階段基材で、ささら桁を平行に配置した状態の平面図、(b)は同じく正面図(鉄骨階段の底面側)、を夫々表す。
【図2】(a)この発明の鉄骨階段基材で、設置状態に配置した一部拡大縦断面図で、(b)は、(a)のA−A線における一部断面図である。
【図3】図2のB−B線における断面図である。
【図4】同じく鉄骨階段基材の一部拡大縦断面図である。
【図5】この発明の製造方法を説明する断面図で、(a)はモルタル注入前、(b)はモルタル注入後、(c)は端部を仕上げた状態、を夫々表す。
【図6】この発明の鉄骨階段を構築した階段の一部縦断面図である。
【図7】同じく踊り場部分の一部拡大図で(a)はフロア踊り場、(b)は中間踊り場である。
【図8】この発明の他の実施例で、(a)は鉄骨階段で、設置状態に配置した一部拡大縦断面図で、(b)は、(a)のC−C線における一部断面図である。
【図9】この発明の他の実施例で、(a)(b)は鉄骨階段で、設置状態に配置した一部拡大縦断面図である。
【符号の説明】
1 踏段
2 踏板
2a 踏板底板
3 蹴上げ板
4 段鼻部分
5 第一踏段部材
6 第一底板部材(第一踏段部材)
7 第一蹴上げ部材(第一踏段部材)
8 蹴上げ連結片(第一踏段部材)
10 第二踏段部材
11 第二底板部材(第二踏段部材)
12 突条(第二踏段部材)
13 第二蹴上げ部材(第二踏段部材)
14 水平片(第二踏段部材)
15 上連結片(第二踏段部材)
16 下連結片(第二踏段部材)
18 第三踏段部材
19 踏板頂板(第三踏段部材)
20 踏板頂板の前縁(第三踏段部材)
21 踏板縦板(第三踏段部材)
22 踏板縦板
23 長ナット
24 長ナットの下側面
26 中空部
27 段鼻中空部
28 ささら桁(外周側)
28a ささら桁(内周側)
29 透孔
30 貫通孔
31 斜め部(ささら桁)
32 踊り場部(ささら桁)
35 ボルト
36、37 踊り場底板
39 基台(地面)
40 鉄骨階段基材
42 鋼材(穴埋め)
44 モルタル(中空部26内)
45、45A、45B 鉄骨階段
47 大梁(躯体)
48 小針(躯体)
49 1F床
50 モルタル(踊り場)
51 中間踊り場
52 フロア踊り場
57 中間支持材

Claims (3)

  1. 以下の工程で製造することを特徴とする鉄骨階段の製造方法。
    (1) 並列した一方のささら桁と他方のささら桁との間に、階段状に並べた中空部を有する踏段を挟み、該踏段の両端を前記ささら桁に夫々固定して、鉄骨階段基材を構成する。
    記踏段は、踏板頂板、踏板底板及び2つの踏板縦板で囲まれた枠状に形成すると共に、該枠状で囲まれた部分に中空部を形成し、前記一方のささら桁に、前記中空部に連通する貫通孔を穿設し、かつ、
    前記鉄骨階段基材は、前記一方のささら桁をに前記他方のささら桁をにして、前記貫通孔から中空部にモルタルを充填した場合に、前記他方のささら桁と前記踏段の端縁との間から「のろ」が漏れないように処理してある。
    (2) 前記一方のささら桁を上に、前記他方のささら桁を下になるように前記鉄骨階段基材を配置する。
    (3) 前記貫通孔から前記踏段の中空部内にセメントモルタル類を注入充填する。
    (4) その後、前記貫通孔を塞いで、鉄骨階段を構成する。
  2. 並列した一方のささら桁と他方のささら桁との間に、階段状に並べた踏段を挟み、前記各踏段の両端を前記両ささら桁に夫々固定してなる鉄骨階段用の基材であって、
    前記踏段は、踏板頂板、踏板底板及び2つの踏板縦板で囲まれた枠状に形成すると共に、該枠状で囲まれた部分に中空部を形成し、
    前記一方のささら桁に、前記中空部に連通する貫通孔を穿設し、
    前記一方のささら桁をに前記他方のささら桁をにして、前記貫通孔から中空部にモルタルを充填した場合に、前記他方のささら桁と前記踏段の端縁との間から「のろ」が漏れないように処理したことを特徴とする鉄骨階段基材。
  3. 踏段の踏板部に、踏板頂板、踏板底板及び踏板縦板で囲まれた中空部を形成し、踏板頂板と踏板底板とを、前記踏段の幅方向の中間支持材で連結し、前記中間支持材の端縁を貫通孔の中央部に位置させた請求項2記載の鉄骨階段基材。
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