JP4877800B2 - フラーレン誘導体の製造方法 - Google Patents
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また、低コストで、目的のフラーレン誘導体を収率良く選択的に製造するフラーレン誘導体の製造方法が求められている。具体的には、例えば、モノ付加体、2重付加体、3重付加体等の付加された置換基が少ないフラーレン誘導体を高い収率で製造する方法が求められている。
[2] フラーレンC60に、少なくとも、ルイス酸(A)と、ベンゼンまたはその誘導体(B)と、水(D)またはアルコール(C)とを添加して、フラーレン誘導体を製造する、フラーレン誘導体の製造方法。
[3] フラーレン誘導体が下記式(1A)または(1B)
で表されるフラーレン誘導体である、[2]に記載のフラーレン誘導体の製造方法。
[4] フラーレン誘導体が下記式(2)
で表されるフラーレン誘導体である、[2]に記載のフラーレン誘導体の製造方法。
[5] フラーレン誘導体が下記式(3)
で表されるフラーレン誘導体である、[2]に記載のフラーレン誘導体の製造方法。
[6] ルイス酸(A)1モルに対して、水(D)またはアルコール(C)を0.05〜0.6モル添加する、[1]〜[5]のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
[7] さらに、溶媒として、ジクロロベンゼンを用いる、[1]〜[6]のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
[8] R1〜R6が、それぞれ独立して下記式(4)
で表される基である、[3]〜[7]のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
前記ハロゲンの中でも、フッ素、塩素または臭素が好ましい。
[9] R9とR10が、それぞれ独立して置換基を有してもよいC1〜C20のアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいC6〜C18のアリール基、または、ハロゲンであり、R7とR8とR11が水素原子である、[8]に記載のフラーレン誘導体の製造方法。
[10]ルイス酸(A)が、下記式(6)
MX (6)
[式中、Mはアルミニウムまたはガリウムの金属原子を示し、XはCl、Br、I、水酸基またはアルコキシ基を示す。]
で表される、[1]〜[9]のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
[11] ルイス酸(A)が、塩化アルミニウムである[1]〜[9]のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
[12] ベンゼンまたはその誘導体(B)が、
下記式(5)
で表される化合物である、[1]〜[11]のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
前記ハロゲンの中でも、フッ素、塩素または臭素が好ましい。
[13] アルコール(C)がメチルアルコールである[1]〜[12]のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
本発明の好ましい態様に係るフラーレン誘導体の製造方法では、低コストで、目的のフラーレン誘導体を収率良く選択的に製造できる。
本発明の好ましい態様に係るフラーレン誘導体の製造方法では、モノ付加体、2重付加体、3重付加体等の付加された置換基が少ないフラーレン誘導体を高い収率で製造できる。
本発明の製造方法で用いられるフラーレンとは炭素原子が球状またはラグビーボール状に配置して形成される炭素クラスターであれば特に限定されるものではない。
本発明の製造方法で用いられるフラーレンとしては、例えば、フラーレンC60(いわゆるバックミンスター・フラーレン)、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC82、フラーレンC84、フラーレンC90、フラーレンC94、フラーレンC96等が挙げられる。これらの中でもフラーレンC60が好ましく用いられる。
本発明の製造方法で用いられるルイス酸は特に限定されないが、下記式(6)
MX (6)
[式中、Mはアルミニウムまたはガリウムの金属原子を示し、XはCl、Br、I、水酸基またはアルコキシ基を示す。]
で表されるルイス酸が好ましい。
また、ルイス酸としてハロゲン化アルミニウムを用いる場合、当該ハロゲン化アルミニウム中のハロゲンの一部が水酸基やアルコキシ基で置換された化合物も用いることができる。場合によっては、酸化ケイ素やイオン交換樹脂などにハロゲン化アルミニウムを担持したハロゲン化アルミニウムを含む混合物も好適に用いることもできる。
本発明の製造方法の工程において、ベンゼンまたはその誘導体が、フラーレンに付加する。
本発明の製造方法で用いられるアルコールは特に限定されないが、炭素数が1〜3の低級アルコールが好ましく、これらの中でもメチルアルコールが特に好ましい。
本発明の製造方法で得られるフラーレン誘導体は、フラーレンに置換基を有してもよいアリール基および水素から選ばれる1以上が付加されたフラーレン誘導体である。
フラーレンC60に、置換基を有してもよいアリール基が2つ付加した二重付加体の場合、上記式(2)で表されるフラーレン誘導体が高収率で合成される。
フラーレンC60に、置換基を有してもよいアリール基が3つ付加した三重付加体の場合、上記式(1A)または(1B)で表されるフラーレン誘導体が高収率で合成される。
本発明のフラーレン誘導体の製造方法では、フラーレン、ルイス酸(A)、ベンゼンもしくはその誘導体(B)、ならびに、任意にアルコール(C)もしくは水(D)が用いられるが、これらを投入する順序は特に限定されない。
本発明のフラーレン誘導体の製造方法では、フラーレンにルイス酸(A)を混合した後、溶媒を加えて得られた溶液に、アルコール(C)または水(D)を加えたベンゼンまたはその誘導体(B)を加えて攪拌することによりフラーレン誘導体を合成することが好ましい。用いられる溶媒は、フラーレン、ルイス酸(A)、ベンゼンまたはその誘導体(B)、アルコール(C)、水(D)等を溶解できる溶媒が好ましく、具体的には、テトラヒドロフラン、ジクロロベンゼン、またはそれらの混合溶媒などの不活性溶媒が好ましい。これらの中でも、フラーレン等の溶解能が高いジクロロベンゼンが溶媒として好適に用いられる。
塩化アルミニウムに対して水を0.1(モル比)用い、反応時間を30分とした以外は、実施例1と同じ条件でC60(C7H7)3H3を合成した。単離収率は55%であった。
塩化アルミニウムに対して水を0.6(モル比)用い、反応時間を30分とした以外は、実施例1と同じ条件でC60(C7H7)3H3を合成した.単離収率は41%であった。
トルエンを展開溶媒としてシリカゲルショートパスを通し、アルミニウム残渣を取り除いた.溶媒をロータリーエバポレーター(10 mmHg, 50℃)で除去した後、シリカゲルカラム(展開溶媒:二硫化炭素/ヘキサン=1/1)にて精製を行った。フラーレン誘導体C60(C6H4−4−Cl)Hのフラクションを集めて濃縮した後、メタノールを加えてC60(C6H4−4−Cl)Hを析出させ、濾過・乾燥によりC60(C6H4−4−Cl)Hを得た。本実施例での単離収率は39%であった。
Claims (10)
- フラーレンC60に、少なくとも、ルイス酸(A)と、ベンゼンまたはその誘導体(B)と、水(D)またはアルコール(C)とを添加して、フラーレン誘導体を製造する、フラーレン誘導体の製造方法であって、
ルイス酸(A)が、下記式(6)
MX (6)
[式中、Mはアルミニウムまたはガリウムの金属原子を示し、XはCl、Br、I、水酸基またはアルコキシ基を示す。]
で表される化合物であり、
ベンゼンまたはその誘導体(B)が、下記式(5)
で表される化合物であって、前記置換基がC 1 〜C 10 炭化水素基、C 1 〜C 10 アルコキシ基、C 6 〜C 10 アリールオキシ基、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子又はシリル基である化合物である、
フラーレン誘導体の製造方法。 - ルイス酸(A)1モルに対して、水(D)またはアルコール(C)を0.05〜0.6モル添加する、請求項1〜4のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
- さらに、溶媒として、ジクロロベンゼンを用いる、請求項1〜5のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
- R1〜R6が、それぞれ独立して下記式(4)
で表される基であり、前記置換基がC 1 〜C 10 炭化水素基、C 1 〜C 10 アルコキシ基、C 6 〜C 10 アリールオキシ基、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子又はシリル基である、
請求項2〜4のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。 - R9とR10が、それぞれ独立して置換基を有してもよいC1〜C20のアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいC6〜C18のアリール基、または、ハロゲンであり、R7とR8とR11が水素原子であり、前記置換基がC 1 〜C 10 炭化水素基、C 1 〜C 10 アルコキシ基、C 6 〜C 10 アリールオキシ基、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子又はシリル基である、
請求項7に記載のフラーレン誘導体の製造方法。 - ルイス酸(A)が、塩化アルミニウムである請求項1〜8のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
- アルコール(C)がメチルアルコールである請求項1〜9のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
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