JP4528968B2 - フェノール化合物の製造方法 - Google Patents

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本発明はフェノール化合物の製造方法に関する。
フェノール化合物は天然に多く存在し、また、医薬品等の複雑な骨格を有する化合物の製造中間体として有用である。しかし、フェノール化合物は多数の置換様式をもつため、その置換位置の選択的な合成は困難であった。現存する置換フェノール化合物の合成法としては、フェノール骨格への求電子置換反応(例えば、非特許文献1参照。)、又はアセチレン化合物の環状3量化反応(例えば、非特許文献2参照。)が挙げられる。
Jerry March著、Advanced Organic Chemistry 4th ed、Wiley:New York、1992年、第11章、501頁 Chem Rev、2000年、100巻、2901頁
しかしながら、上記いずれの技術も置換基の位置制御が極めて困難な手法である。
そこで、本発明は、様々な置換様式をもつフェノール化合物の効率的、かつ、簡便な製造方法を提供することを目的とする。
上記課題の解決について鋭意検討を行ったところ、発明者は、ルテニウムもしくはモリブデン触媒の存在下においてトリエノンなどの鎖状化合物より閉環オレフィンメタセシス反応を行なうことで様々な置換フェノール化合物を製造することができることを見出した。
即ち、本発明は、下記一般式(1)で表される1、4、7−トリエン−2−オンを、ルテニウムもしくはモリブデン触媒の存在下で反応させることにより下記一般式(2)で表されるフェノール化合物を製造するものである。
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、およびR7はそれぞれ互いに独立し、同一または異なって、水素原子;置換基を有していてもよいC1〜C20炭化水素基;置換基を有していてもよいC1〜C20アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6〜C20アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;置換基を有していてもよいシリル基;置換基を有していてもよいアルキルチオ基(−SY1、式中、Y1は置換基を有していてもよいC1〜C20アルキル基を示す。);置換基を有していてもよいアリールチオ基(−SY2、式中、Y2は置換基を有していてもよいC6〜C20アリール基を示す。);置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基(−SO2Y3、式中、Y3は置換基を有していてもよいC1〜C20アルキル基を示す。);置換基を有していてもよいアリールスルホニル基(−SO2Y4、式中、Y4は置換基を有していてもよいC6〜C20アリール基を示す。);水酸基;叉はハロゲン原子であり、ただし、R3及びR4、R4及びR5、並びに、R5及びR6は、それぞれ、互いに架橋してC4〜C10飽和環叉は不飽和環を形成してもよく、前記環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子叉は式−N(B)−で示される基(式中、Bは水素原子叉はC1〜C10炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよい。)
(式中、R2、R3、R4、R5、およびR6は前記一般式(1)のものと同じものを表す。)
また本発明は下記一般式(3)で表される1、5、7−トリエン−2−オンを、ルテニウムもしくはモリブデン触媒の存在下で反応させて下記一般式(4)で表されるフェノール化合物を製造するものである。
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、およびR7はそれぞれ互いに独立し、同一または異なって、水素原子;置換基を有していてもよいC1〜C20炭化水素基;置換基を有していてもよいC1〜C20アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6〜C20アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;置換基を有していてもよいシリル基;置換基を有していてもよいアルキルチオ基(−SY1、式中、Y1は置換基を有していてもよいC1〜C20アルキル基を示す。);置換基を有していてもよいアリールチオ基(−SY2、式中、Y2は置換基を有していてもよいC6〜C20アリール基を示す。);置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基(−SO2Y3、式中、Y3は置換基を有していてもよいC1〜C20アルキル基を示す。);置換基を有していてもよいアリールスルホニル基(−SO2Y4、式中、Y4は置換基を有していてもよいC6〜C20アリール基を示す。);水酸基;叉はハロゲン原子であり、
ただし、R3及びR4、R4及びR5、並びに、R5及びR6は、それぞれ、互いに架橋してC4〜C10飽和環叉は不飽和環を形成してもよく、前記環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子叉は式−N(B)−で示される基(式中、Bは水素原子叉はC1〜C10炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよい。)
(式中、R2、R3、R4、R5、およびR6は前記一般式(3)のものと同じものを表す。)
また本発明の下記一般式(5)で表される1、5、7−トリエン−4−オンを、ルテニウムもしくはモリブデン触媒の存在下で反応させて下記一般式(6)で表されるフェノール化合物を製造するものである。
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、およびR7はそれぞれ互いに独立し、同一または異なって、水素原子;置換基を有していてもよいC1〜C20炭化水素基;置換基を有していてもよいC1〜C20アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6〜C20アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;置換基を有していてもよいシリル基;置換基を有していてもよいアルキルチオ基(−SY1、式中、Y1は置換基を有していてもよいC1〜C20アルキル基を示す。);置換基を有していてもよいアリールチオ基(−SY2、式中、Y2は置換基を有していてもよいC6〜C20アリール基を示す。);置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基(−SO2Y3、式中、Y3は置換基を有していてもよいC1〜C20アルキル基を示す。);置換基を有していてもよいアリールスルホニル基(−SO2Y4、式中、Y4は置換基を有していてもよいC6〜C20アリール基を示す。);水酸基;叉はハロゲン原子であり、
ただし、R1及びR2、R3及びR4、並びに、R4及びR5は、それぞれ、互いに架橋してC4〜C10飽和環叉は不飽和環を形成してもよく、前記環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子叉は式−N(B)−で示される基(式中、Bは水素原子叉はC1〜C10炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよい。)
(式中、R2、R3、R4、R5、およびR1は前記一般式(5)のものと同じものを表す。)
また本発明は、下記一般式(7)で表される1、4−ジエン−3−オンと、下記一般式(8)で表される1、4−ジエンを、ルテニウムもしくはモリブデン触媒の存在下で反応させ、下記一般式(9)で表されるフェノール化合物及び下記一般式(10)で表されるフェノール化合物を製造するものである。
(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ互いに独立し、同一または異なって、水素原子;置換基を有していてもよいC1〜C20炭化水素基;置換基を有していてもよいC1〜C20アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6〜C20アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;置換基を有していてもよいシリル基;置換基を有していてもよいアルキルチオ基(−SY1、式中、Y1は置換基を有していてもよいC1〜C20アルキル基を示す。);置換基を有していてもよいアリールチオ基(−SY2、式中、Y2は置換基を有していてもよいC6〜C20アリール基を示す。);置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基(−SO2Y3、式中、Y3は置換基を有していてもよいC1〜C20アルキル基を示す。);置換基を有していてもよいアリールスルホニル基(−SO2Y4、式中、Y4は置換基を有していてもよいC6〜C20アリール基を示す。);水酸基;叉はハロゲン原子であり、
ただし、R1及びR2、R2及びR3、R4及びR6、並びに、R5及びR6は、それぞれ、互いに架橋してC4〜C10飽和環叉は不飽和環を形成してもよく、前記環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子叉は式−N(B)−で示される基(式中、Bは水素原子叉はC1〜C10炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよい。)
(式中、R7、R8、R9、R10、R11、R12およびR13はそれぞれ互いに独立し、同一または異なって、水素原子;置換基を有していてもよいC1〜C20炭化水素基;置換基を有していてもよいC1〜C20アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6〜C20アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;置換基を有していてもよいシリル基;置換基を有していてもよいアルキルチオ基(−SY1、式中、Y1は置換基を有していてもよいC1〜C20アルキル基を示す。);置換基を有していてもよいアリールチオ基(−SY2、式中、Y2は置換基を有していてもよいC6〜C20アリール基を示す。);置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基(−SO2Y3、式中、Y3は置換基を有していてもよいC1〜C20アルキル基を示す。);置換基を有していてもよいアリールスルホニル基(−SO2Y4、式中、Y4は置換基を有していてもよいC6〜C20アリール基を示す。);水酸基;叉はハロゲン原子であり、
ただし、R7及びR8、R7及びR9、R9及びR10、R10及びR11、R11及びR13、並びに、R12及びR13は、それぞれ、互いに架橋してC4〜C10飽和環叉は不飽和環を形成してもよく、前記環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子叉は式−N(B)−で示される基(式中、Bは水素原子叉はC1〜C10炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよい。)
(式中、R3、R4、R8、R10、およびR12は化合物 (7)、(8)と同じ意味を表す。)
(式中、R3、R4、R8、R10、およびR12は化合物 (7)、(8)と同じ意味を表す。)
以上、ルテニウムもしくはモリブデン触媒の存在下においてトリエノンなどの鎖状化合物より閉環オレフィンメタセシス反応を行なうことで様々な置換フェノール化合物を製造することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
なお、本明細書において「C1〜C20炭化水素基」の炭化水素基は、飽和若しくは不飽和の非環式であってもよいし、飽和若しくは不飽和の環式であってもよい。C1〜C20炭化水素基が非環式の場合には、線状でもよいし、枝分かれでもよい。「C1〜C20炭化水素基」にはC1〜C20アルキル基、C2〜C20アルケニル基、C2〜C20アルキニル基、C4〜C20アルキルジエニル基、C6〜C20アリール基、C6〜C20アルキルアリール基、C6〜C20アリールアルキル基、C4〜C20シクロアルキル基、C4〜C20シクロアルケニル基、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C20アルキル基などが含まれる。
また本明細書において「C1〜C20アルキル基」は、C1〜C10アルキル基であることが好ましく、C1〜C6アルキル基であることがさらに好ましい。アルキル基の例としては、制限するわけではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ドデカニル等を挙げるいことができる。
また本明細書において「C2〜C20アルケニル基」は、C2〜C10アルケニル基であることが好ましく、C2〜C6アルケニル基であることがさらに好ましい。アルケニル基の例としては、制限するわけではないが、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチルアリル、2−ブテニル等を挙げることができる。
また本明細書において「C2〜C20炭アルキニル基」は、C2〜C10アルキニル基であることが好ましく、C2〜C6アルキニル基であることがさらに好ましい。アルキニル基の例としては、制限するわけではないが、エチニル、2−プロピニル、2−ブチニル等を挙げることができる。
また本明細書において「C4〜C20アルキルジエニル基」は、C4〜C10アルキルジエニル基であることが好ましく、 C4〜C6アルキルジエニル基であることがさらに好ましい。アルキルジエニル基の例としては、制限するわけではないが、1、3−ブタジエニル等を挙げることができる。
本明細書において「C6〜C20アリール基」は、C6〜C10アリール基であることが好ましい。アリール基の例としては、制限するわけではないが、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、インデニル、ビフェニリル、アントリル、フェナントリル等を挙げることができる。
また本明細書において「C6〜C20アルキルアリール基」は、C6〜C12アルキルアリール基であることが好ましい。アルキルアリール基の例としては、制限するわけではないが、o−トリル、m−トリル、p−トリル、2,3−キシリル、o−クメニル、m−クメニル、p−クメニル、メシチル等を挙げることができる。
また本明細書において「C6〜C20アリールアルキル基」とは、C6〜C12アリールアルキル基であることが好ましい。アリールアルキル基の例としては、制限するわけではないが、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、2,2−ジフェニルメチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル等を挙げることができる。
また本明細書において「C4〜C20シクロアルキル基」は、C4〜C10シクロアルキル基であることが好ましい。シクロアルキル基の例としては、制限するわけではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等を挙げることができる。
また本明細書において「C4〜C20シクロアルケニル基」は、C4〜C10シクロアルケニル基であることが好ましい。シクロアルケニル基の例としては、制限するわけではないが、シクロプロペニル、シクロブテニル、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル等を挙げることができる。
また本明細書において「C1〜C20アルコキシ基」は、C1〜C10アルコキシ基であることが好ましく、C1〜C6アルコキシ基であることがさらに好ましい。アルコキシ基の例としては、制限するわけではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ等がある。
また本明細書において「C6〜C20アリールオキシ基」は、C6〜C10アリールオキシ基であることが好ましい。アリールオキシ基の例としては、制限するわけではないが、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニリルオキシ等を挙げることができる。
本明細書の「アルキルチオ基(−SY1、式中、Y1は置換基を有していてもよいC1〜C20アルキル基を示す。)」及び「アルキルスルホニル基(−SO2Y3、式中、Y3は置換基を有していてもよいC1〜C20アルキル基を示す。)」においてY1及びY3は、C1〜C10アルキル基であることが好ましく、C1〜C6アルキル基であることが更に好ましい。アルキル基の例としては、制限するわけではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ドデカニル等を挙げることができる。
また本明細書の「アリールチオ基(−SY2、式中、Y2は置換基を有していてもよいC6〜C20アリール基を示す。)」及び「アリールスルホニル基(−SO2Y4、式中、Y4は置換基を有していてもよいC6〜C20アリール基を示す。)」において、Y2及びY4は、C6〜C10アリール基であることが好ましい。アリール基の例としては、制限するわけではないが、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、インデニル、ビフェニリル、アントリル、フェナントリル等を挙げることができる。
また本明細書においてR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12およびR13で示される「C1〜C20炭化水素基」、「C1〜C20アルコキシ基」、「C6〜C20アリールオキシ基」、「アミノ基」、「シリル基」、「アルキルチオ基」、「アリールチオ基」、「アルキルスルホニル基」、「アリールスルホニル基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、C1〜C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、C1〜C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C6〜C10アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)叉はシリル基などを挙げる事ができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個〜6個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
また本明細書において「置換基を有していてもよいアミノ基」の例としては、制限するわけではないが、アミノ、ジメチルアミノ、メチルアミノ、メチルフェニルアミノ、フェニルアミノ等がある。
また本明細書において「置換基を有していてもよいシリル基」の例としては、制限するわけではないが、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリメトキシシリル、トリエトキシシリル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、トリフェノキシシリル、ジメチルメトキシシリル、ジメチルフェノキシシリル、メチルメトキシフェニル等がある。
また本明細において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12およびR13で示される置換基は互いに架橋してC4〜C20飽和環又は不飽和環を形成してもよい。これらの置換基が形成する環は、4員環〜6員環であることが好ましく、4員環〜12員環であることが更に好ましい。この環は、ベンゼン環等の芳香族環であってもよいし、脂肪族環であってもよい。また、これらの置換基が形成する環に、更に単数又は複数の環が形成されていてもよい。飽和環または不飽和環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子または式−N(B)−で示される(式中、Bは水素原子またはC1〜C20炭化水素基である。)で中断されていてもよい。即ち、前記飽和環または不飽和環はヘテロ環であってもよい。かつ、置換基を有していてもよい。不飽和環は、ベンゼン環等の芳香族環であってもよい。Bは、水素原子またはC1〜C10炭化水素基であることが好ましく、水素原子またはC1〜C7炭化水素基であることが更に好ましく、Bは水素原子、C1〜C3アルキル基、フェニル基またはベンジル基であることが更になお好ましい。この飽和環叉は不飽和環は、置換基を有していてもよく、例えば、C1〜C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル等)
、C1〜C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C6〜C10アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)叉はシリル基などの置換基が導入されていてもよい。
また本明細書において「芳香環」とは、単環式芳香環、多環式芳香環をあげることができる。「単環式芳香環」としては、ベンゼン環、5員又は6員の複素環を挙げることができる。「5員叉は6員の複素環」としては、フラン、チオフェン、ピロール、ピラン、チオピラン、ピリジン、チアゾール、イミダゾール、ピリミジン、1,3,5−トリアジン等を挙げることができる。「多環式芳香族環」としては、多環式芳香族炭化水素、多環式複素芳香族環を挙げることができる。「多環式複素炭化水素」としては、ビフェニル、トリフェニル、ナフタレン、インデン、アントラセン、フェナントレン等を挙げることができる。「多環式複素芳香環」としては、インドール、キノリン、プリン等を挙げることができる。
また本発明において、ルテニウムもしくはモリブデン触媒とは、特にルテニウムもしくはモリブデン化合物とホスフィン配位子、カルベン配位子、ハロゲン配位子、あるいはアルコキシ配位子等の組み合わせからなる触媒をあらわす。具体例としては、特に限定されないが、(1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ(フェニルメチレン)−(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム、ベンジリデン−ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ジクロロルテニウム等が挙げられる。
次に、製造方法の詳細について説明する。
まず、上記一般式(1)で表される原料をルテニウム触媒の存在下に反応させ上記一般式(2)で表されるフェノール化合物を製造する方法について説明する。なおフェノール化合物を製造する製造方法において、ルテニウム触媒はそのまま用いてもよいし、反応に使用する溶媒に溶解しない物質、例えば炭素、シリカ、アルミナなどに担持させてもよい。かかる反応においてルテニウム触媒の使用量は原料に対し通常0.00001モル倍以上、通常1モル倍以下、好ましくは0.2モル倍以下である。
本製造方法における反応は、通常、有機溶媒中で行なわれる。有機溶媒としては、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルなどの非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンなどの含ハロゲン溶媒などが挙げられる。溶媒はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられ、その使用量は原料に対して通常は1重量倍以上2000重量倍以下、好ましくは5重量倍以上500重量倍以下程度である。
またこの反応における温度は−78 °Cから200 °C、好ましくは0 °Cから150 °C、さらに好ましくは20 °Cから100 °Cで実施する。反応時間は特に限定されないが、好ましくは1分から24時間、さらに好ましくは10分から12時間で実施する。
なおこれら反応が終了した後、生成したフェノール化合物(2)は、例えば、溶媒を留去することにより、反応マスから取り出すことができる。また、得られたフェノール化合物は、必要に応じて蒸留等の手段を施すことにより、更に精製することもできる。
本反応において、原料、ルテニウム触媒、及び溶媒は任意の順序で加えることができる。
次に上記一般式(3)で表される原料をルテニウム触媒の存在下に反応させ上記一般式(4)で表されるフェノール化合物を製造する方法について説明する。
この製造方法において、ルテニウム触媒はそのまま用いてもよいし、反応に使用する溶媒に溶解しない物質、例えば炭素、シリカ、アルミナなどに担持してもよい。かかる反応においてルテニウム触媒の使用量は原料に対し通常0.00001モル倍以上、通常1モル倍以下、好ましくは0.2モル倍以下である。
またこの製造方法における反応は、通常、有機溶媒中で行なわれる。有機溶媒としては、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルなどの非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンなどの含ハロゲン溶媒などが挙げられる。溶媒はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられ、その使用量は原料に対して通常は1重量倍以上2000重量倍以下、好ましくは5重量倍以上500重量倍以下程度である。
またこの反応における温度は−78 °Cから200 °C、好ましくは0 °Cから150 °C、さらに好ましくは20 °Cから100 °Cで実施する。反応時間は特に限定されないが、好ましくは1分から24時間、さらに好ましくは10分から12時間で実施する。
なおこれら反応が終了した後、生成した上記フェノール化合物(4)は、例えば、溶媒を留去することにより、反応マスから取り出すことができる。また、得られたフェノール化合物は、必要に応じて蒸留等の手段を施すことにより、更に精製することもできる。またこの反応において、原料、ルテニウム触媒、及び溶媒は任意の順序で加えることができる。
次に上記一般式(5)で表される原料をルテニウム触媒の存在下に反応させ上記一般式(6)で表されるフェノール化合物を製造する方法について説明する。
この製造方法において、ルテニウム触媒はそのまま用いてもよいし、反応に使用する溶媒に溶解しない物質、例えば炭素、シリカ、アルミナなどに担持してもよい。かかる反応においてルテニウム触媒の使用量は原料に対し通常0.00001モル倍以上、通常1モル倍以下、好ましくは0.2モル倍以下である。
またこの製造方法における反応は、通常、有機溶媒中で行なわれる。有機溶媒としては、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルなどの非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンなどの含ハロゲン溶媒などが挙げられる。溶媒はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられ、その使用量は原料に対して通常は1重量倍以上2000重量倍以下、好ましくは5重量倍以上500重量倍以下程度である。
またこの反応における温度は−78 °Cから200 °C、好ましくは0 °Cから150 °C、さらに好ましくは20 °Cから100 °Cで実施する。反応時間は特に限定されないが、好ましくは1分から24時間、さらに好ましくは10分から12時間で実施する。
なおこれら反応が終了した後、生成した上記フェノール化合物(6)は、例えば、溶媒を留去することにより、反応マスから取り出すことができる。また、得られたフェノール化合物は、必要に応じて蒸留等の手段を施すことにより、更に精製することもできる。なお本反応において、原料、ルテニウム触媒、及び溶媒は任意の順序で加えることができる。
次に上記一般式(7)で表される原料と上記一般式(8)で表される原料をルテニウム触媒の存在下に反応させ上記一般式(9)で表されるフェノール化合物及び上記一般式(10)で表されるフェノール化合物を製造する方法について説明する。
この製造方法において、ルテニウム触媒はそのまま用いてもよいし、反応に使用する溶媒に溶解しない物質、例えば炭素、シリカ、アルミナなどに担持してもよい。かかる反応においてルテニウム触媒の使用量は原料に対し通常0.00001モル倍以上、通常1モル倍以下、好ましくは0.2モル倍以下である。
またこの製造方法における反応は、通常、有機溶媒中で行なわれる。有機溶媒としては、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルなどの非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンなどの含ハロゲン溶媒などが挙げられる。溶媒はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられ、その使用量は原料に対して通常は1重量倍以上2000重量倍以下、好ましくは5重量倍以上500重量倍以下程度である。
原料である上記一般式(7)及び原料である上記一般式(8)の比率は任意であるが、通常一方に対して、他方を1モル倍以上100モル倍以下、好ましくは10モル倍以下使用する。
またこの反応における温度は−78 °Cから200 °C、好ましくは0 °Cから150 °C、さらに好ましくは20 °Cから100 °Cで実施する。反応時間は特に限定されないが、好ましくは1分から24時間、さらに好ましくは10分から12時間で実施する。
なおこれら反応が終了した後、生成した上記フェノール化合物(9)及び上記フェノール化合物(10)は、例えば、溶媒を留去することにより、反応マスから取り出すことができる。また、得られたフェノール化合物は、必要に応じて蒸留等の手段を施すことにより、更に精製することもできる。なお本反応において、原料(7)、原料(8)、ルテニウム触媒、及び溶媒は任意の順序で加えることができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
窒素雰囲気下、(Z)−4,5−ジプロピル-オクタ−1,4,7−トリエン−3−オン(41.2 mg, 0.200 mmol)、ジクロロメタン(20 mL)、(1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ(フェニルメチレン)−(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(12.7 mg, 0.015 mmol)を室温で反応器に仕込み、同温度で2時間撹拌した。この反応液を、減圧下、溶媒を留去し、得られた残査をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 20/1)を用いて精製し、2,3−ジプロピルフェノール(33.2 mg, 93%)を得た。
2,3−ジプロピルフェノールの1H NMR、13C NMR、及びHRMSのデータを以下に示す。1H NMR (CDCl3) d 0.98 (t, J = 7.4 Hz,
3H), 1.01 (t, J = 7.4 Hz, 3H), 1.52−1.63 (m, 4H), 2.55−2.62
(m, 4H), 4.78 (br s, 1H), 6.59 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.75 (d, J =
7.7 Hz, 1H), 6.97 (dd, J = 8.0, 7.7 Hz, 1H). 13C NMR
(CDCl3) d 14.26, 14.50, 23.16, 24.55, 28.11, 35.03, 112.81, 121.90, 126.25,
127.00, 142.42, 153.69. HRMS (EI) calcd for C12H18O
(M+) 178.1358, found 178.1370.
(実施例2〜5)
実施例1の(Z)−4,5−ジプロピル-オクタ−1,4,7−トリエン−3−オンの代わりに(Z)−4−フェニル−オクタ−1,4,7−トリエン−3−オン、(Z)−5−デューテリオ−4-−フェニル−オクタ−1,4,7−トリエン−3−オン、(Z)−2−メチル−4,5−ジプロピル−オクタ−1,4,7−トリエン−3−オン、(E)−2−エチル−4−トリメチルシリル−オクタ−1,4,7−トリエン−3−オン、を用いてそれぞれ実施例1に準じて反応を実施し、対応する2−フェニルフェノール (90%)、3−デューテリオ−2−フェニルフェノール (92%)、6−メチル−2,3−ジプロピルフェノール (92%)、2−エチル−6−トリメチルシリルフェノール (97%)を得た。
2-フェニルフェノールの1H NMR、及び13C NMRのデータを以下に示す。1H
NMR (CDCl3) d 5.21 (s, 1H), 6.96-7.00 (m, 2H), 7.23-7.27 (m, 2H), 7.37-7.41 (m,
1H), 7.44-7.50 (m, 4H). 13C NMR (CDCl3) d 115.86, 120.88, 127.90,
128.17, 129.13, 129.18, 129.31, 130.27, 137.13, 152.46.
3-デューテリオ-2-フェニルフェノールの2H
NMRデータを以下に示す。2H NMR (CHCl3) d 7.28.
6-メチル-2,3-ジプロピルフェノールの1H NMR、13C NMR、及びHRMSのデータを以下に示す。1H NMR (CDCl3) d 0.97 (t, J = 7.3 Hz,
3H), 1.02 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 1.52-1.62 (m, 4H), 2.20 (s, 3H),
2.52-2.61 (m, 4H), 4.57 (s, 1H), 6.67 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.89 (d, J
= 7.7 Hz, 1H). 13C NMR (CDCl3) d 14.28, 14.58, 15.84, 23.16,
24.66, 28.37, 35.04, 120.22, 121.29, 126.33, 127.76, 139.87, 151.98. HRMS
(FAB) calcd for C13H19O (M+−H) 191.1436, found 191.1446.
2-エチル-6-トリメチルシリルフェノールの1H
NMR、13C NMR、及びHRMSのデータを以下に示す。1H NMR (CDCl3) d 0.31 (s, 9H), 1.27 (t, J
= 7.7 Hz, 3H), 2.59 (q, J = 7.7 Hz, 2H), 4.81 (s, 1H), 6.90 (t, J
= 7.4 Hz, 1H), 7.15 (dd, J = 7.3, 1.9 Hz, 1H), 7.23 (dd, J = 7.3,
1.9 Hz, 1H). 13C NMR (CDCl3) δ−0.73, 13.72, 22.75, 120.69,
125.06, 127.64, 130.19, 133.01, 158.24. HRMS (EI) calcd for C11H18OSi
(M+) 194.1127, found 194.1112.
(実施例6)
窒素雰囲気下、(Z)-2,7-ジメチル-4-フェニル-オクタ-1,4,7-トリエン-3-オン(45.3
mg, 0.200 mmol)、ジクロロメタン(20 mL)、(1,3-ビス-(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン)ジクロロ(フェニルメチレン)-(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(12.7 mg, 0.015 mmol)を室温で反応器に仕込み、40 °Cで2時間撹拌した。この反応液を、減圧下、溶媒を留去し、得られた残査をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 4/1)を用いて精製し、2,3-ジメチル-6-フェニルフェノール(36.5 mg, 92%)を得た。
2,3-ジメチル-6-フェニルフェノールの1H
NMR、13C NMR、及びHRMSのデータを以下に示す。1H NMR (CDCl3) d 2.23 (s, 3H), 2.31 (s, 3H),
5.26 (s, 1H), 6.81 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 7.9 Hz, 1H),
7.38 (tt, J = 7.3, 1.6 Hz, 1H), 7.42-7.44 (m, 2H), 7.46-7.49 (m, 2H).
13C NMR (CDCl3) δ 11.94, 20.16, 121.86, 123.11, 125.47, 126.68, 127.75, 129.21,
129.41, 137.69, 137.91, 150.31. HRMS (FAB) calcd for C14H14O
(M+) 198.1045, found 198.1062.
(実施例7)
窒素雰囲気下、(Z)-4-クロロ-2,7-ジメチル-5-フェニル-オクタ-1,5,7-トリエン-3-オン(52.2
mg, 0.200 mmol)、トルエン(20 mL)、(1,3-ビス-(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン)ジクロロ(フェニルメチレン)-(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(12.7 mg, 0.015 mmol)を室温で反応器に仕込み、80 °Cで12時間撹拌した。この反応液を、減圧下、溶媒を留去し、得られた残査をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 10/1)を用いて精製し、2-クロロ-5,6-ジメチル-3-フェニルフェノール (39.1 mg, 84%)を得た。
2-クロロ-5,6-ジメチル-3-フェニルフェノールの1H NMR、13C NMR、及びHRMSのデータを以下に示す。1H NMR (CDCl3) d 2.25 (s, 3H), 2.27 (s, 3H),
5.81 (s, 1H), 6.75 (s, 1H), 7.34-7.38 (m, 1H), 7.40-7.42 (m, 4H). 13C
NMR (CDCl3) d 12.50, 19.79, 115.85, 123.09, 123.85, 127.51, 128.07, 129.34,
136.44, 137.45, 139.43, 149.44. HRMS (FAB) calcd for C14H13ClO
(M+) 232.0656, found 232.0663.

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表される1、4、7−トリエン−−オンを、ルテニウムもしくはモリブデン触媒の存在下で反応させることにより下記一般式(2)で表されるフェノール化合物を製造する方法。
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、およびR7はそれぞれ互いに独立し、同一または異なって、水素原子;置換基を有していてもよいC1〜C20炭化水素基;置換基を有していてもよいC1〜C20アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6〜C20アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;置換基を有していてもよいシリル基;置換基を有していてもよいアルキルチオ基(−SY1、式中、Y1は置換基を有していてもよいC1〜C20アルキル基を示す。);置換基を有していてもよいアリールチオ基(−SY2、式中、Y2は置換基を有していてもよいC6〜C20アリール基を示す。);置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基(−SO2Y3、式中、Y3は置換基を有していてもよいC1〜C20アルキル基を示す。);置換基を有していてもよいアリールスルホニル基(−SO2Y4、式中、Y4は置換基を有していてもよいC6〜C20アリール基を示す。);水酸基;叉はハロゲン原子であり、ただし、R3及びR4、R4及びR5、並びに、R5及びR6は、それぞれ、互いに架橋してC4〜C10飽和環叉は不飽和環を形成してもよく、前記環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子叉は式−N(B)−で示される基(式中、Bは水素原子叉はC1〜C10炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよい。)
    (式中、R2、R3、R4、R5、およびR6は前記一般式(1)のものと同じものを表す。)
  2. 下記一般式(3)で表される1、5、7−トリエン−−オンを、ルテニウムもしくはモリブデン触媒の存在下で反応させて下記一般式(4)で表されるフェノール化合物を製造する方法。
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、およびR7はそれぞれ互いに独立し、同一または異なって、水素原子;置換基を有していてもよいC1〜C20炭化水素基;置換基を有していてもよいC1〜C20アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6〜C20アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;置換基を有していてもよいシリル基;置換基を有していてもよいアルキルチオ基(−SY1、式中、Y1は置換基を有していてもよいC1〜C20アルキル基を示す。);置換基を有していてもよいアリールチオ基(−SY2、式中、Y2は置換基を有していてもよいC6〜C20アリール基を示す。);置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基(−SO2Y3、式中、Y3は置換基を有していてもよいC1〜C20アルキル基を示す。);置換基を有していてもよいアリールスルホニル基(−SO2Y4、式中、Y4は置換基を有していてもよいC6〜C20アリール基を示す。);水酸基;叉はハロゲン原子であり、
    ただし、R3及びR4、R4及びR5、並びに、R5及びR6は、それぞれ、互いに架橋してC4〜C10飽和環叉は不飽和環を形成してもよく、前記環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子叉は式−N(B)−で示される基(式中、Bは水素原子叉はC1〜C10炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよい。)
    (式中、R2、R3、R4、R5、およびR6は前記一般式(3)のものと同じものを表す。)
  3. 下記一般式(5)で表される1、5、7−トリエン−4−オンを、ルテニウムもしくはモリブデン触媒の存在下で反応させて下記一般式(6)で表されるフェノール化合物を製造する方法。
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、およびR7はそれぞれ互いに独立し、同一または異なって、水素原子;置換基を有していてもよいC1〜C20炭化水素基;置換基を有していてもよいC1〜C20アルコキシ基;置換基を有していてもよいC6〜C20アリールオキシ基;置換基を有していてもよいアミノ基;置換基を有していてもよいシリル基;置換基を有していてもよいアルキルチオ基(−SY1、式中、Y1は置換基を有していてもよいC1〜C20アルキル基を示す。);置換基を有していてもよいアリールチオ基(−SY2、式中、Y2は置換基を有していてもよいC6〜C20アリール基を示す。);置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基(−SO2Y3、式中、Y3は置換基を有していてもよいC1〜C20アルキル基を示す。);置換基を有していてもよいアリールスルホニル基(−SO2Y4、式中、Y4は置換基を有していてもよいC6〜C20アリール基を示す。);水酸基;叉はハロゲン原子であり、
    ただし、R1及びR2、R3及びR4、並びに、R4及びR5は、それぞれ、互いに架橋してC4〜C10飽和環叉は不飽和環を形成してもよく、前記環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子叉は式−N(B)−で示される基(式中、Bは水素原子叉はC1〜C10炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよい。)
    (式中、R2、R3、R4、R5、およびR1は前記一般式(5)のものと同じものを表す。)
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