JP5633873B2 - フラーレン二量体およびその製造方法 - Google Patents
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また、フラーレンモノアニオンRC60−を経由する手法においては、既知の方法(例えば、フラーレンジアニオンC60 2−にアルキル化剤を作用させてフラーレンモノアニオンRC60−を発生させる手法 (Org. Lett. 15, 2541 (2002)(非特許文献5))では、フラーレンモノアニオンRC60−を効率よく得ることができず、結果として目的のフラーレン二量体の収率が低下するという問題があった。
本発明は以下のようなフラーレン二量体、および、その製造方法を提供する。
下記式(2)
[式中、nは1〜3の整数であり;
R21〜R23は、それぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいC1〜C30炭化水素基、置換基を有してもよいC1〜C30アルコキシ基、置換基を有してもよいC6〜C30アリールオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(−SY1、式中、Y1は置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(−SY2、式中、Y2は置換基を有してもよいC6〜C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(−SO2Y3、式中、Y3は置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(−SO2Y4、式中、Y4は置換基を有してもよいC6〜C18アリール基を示す。)である]
で表されるシリルアルキル基を有する、フラーレン二量体。
[2]
下記式(1)
[式中、Fはフラーレンを表し;
R1はそれぞれ独立して有機基であり;
mはそれぞれ独立して0〜2の整数であり;
Xは、単結合であり;
nはそれぞれ独立して1〜3の整数であり;
pはそれぞれ独立して1〜3の整数であり;
R21〜R23はそれぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいC1〜C30炭化水素基、置換基を有してもよいC1〜C30アルコキシ基、置換基を有してもよいC6〜C30アリールオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(−SY1、式中、Y1は置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(−SY2、式中、Y2は置換基を有してもよいC6〜C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(−SO2Y3、式中、Y3は置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(−SO2Y4、式中、Y4は置換基を有してもよいC6〜C18アリール基を示す。)である]
で表されるシリルアルキル基を有する、フラーレン二量体。
[3]
式(1)中、
FがフラーレンC60であり;
Xが単結合であり;
nがそれぞれ独立して1〜3の整数であり;
pがそれぞれ独立して1または3であり;
mが0であり、
R21〜R23はそれぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいC1〜C30アルキル基、置換基を有してもよいC1〜C30アルケニル基、置換基を有してもよいC1〜C30アルキニル基、置換基を有してもよいC1〜C30アリール基、置換基を有してもよいC1〜C30アリール基、置換基を有してもよいC1〜C30アルコキシ基、置換基を有してもよいC6〜C30アリールオキシ基である、[2]に記載のフラーレン二量体。
[4]
下記式(2)
[式中、nは1〜3の整数であり;
R21〜R23は、それぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいC1〜C30炭化水素基、置換基を有してもよいC1〜C30アルコキシ基、置換基を有してもよいC6〜C30アリールオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(−SY1、式中、Y1は置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(−SY2、式中、Y2は置換基を有してもよいC6〜C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(−SO2Y3、式中、Y3は置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(−SO2Y4、式中、Y4は置換基を有してもよいC6〜C18アリール基を示す。)である]
で表されるシリルアルキル基を有するフラーレン誘導体に、少なくとも塩基性化合物の存在下で酸化剤を反応させる第2工程を含む、
上記式(2)で表されるシリルアルキル基を有する、フラーレン二量体の製造方法。
[5]
第2工程において、塩基性化合物がカリウムターシャリーブトキシドおよびポタジウムハイドライドからなる群から選ばれる1以上であり、酸化剤がN-クロロスクシンイミド、N-ブロモスクシンイミド、ヨウ素および酸素からなる群から選ばれる1以上である、[4]に記載のフラーレン二量体の製造方法。
[6]
フラーレンまたはフラーレン誘導体に、少なくともグリニャール試薬と極性物質とを反応させてシリルアルキル基を付加する第1工程であって、シリルアルキル基が付加されるフラーレンまたはフラーレン誘導体に対して極性物質を3〜100当量用いる第1工程を経て、前記シリルアルキル基を有するフラーレン誘導体が製造される、[4]または[5]に記載のフラーレン二量体の製造方法。
[7]
フラーレン二量体が、下記式(1)
[式中、Fはフラーレンを表し;
R1はそれぞれ独立して有機基であり;
mはそれぞれ独立して0〜2の整数であり;
Xは、単結合であり;
nはそれぞれ独立して1〜3の整数であり;
pはそれぞれ独立して1〜3の整数であり;
R21〜R23はそれぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいC1〜C30炭化水素基、置換基を有してもよいC1〜C30アルコキシ基、置換基を有してもよいC6〜C30アリールオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(−SY1、式中、Y1は置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(−SY2、式中、Y2は置換基を有してもよいC6〜C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(−SO2Y3、式中、Y3は置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(−SO2Y4、式中、Y4は置換基を有してもよいC6〜C18アリール基を示す。)である]
で表されるシリルアルキル基を有する化合物である、[4]〜[6]のいずれかに記載のフラーレン二量体の製造方法。
本発明の第1工程は、フラーレンまたはフラーレン誘導体に、少なくともグリニャール試薬と極性物質とを反応させてフラーレン骨格にシリルアルキル基を付加する工程である。
1.1 第1工程で出発物質として用いられるフラーレン
本発明の第1工程で出発物質として用いられるフラーレン(シリルアルキル基が付加されるフラーレン)は特に限定されないが、例えば、フラーレンC60(いわゆるバックミンスター・フラーレン)、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC82、フラーレンC84、フラーレンC90、フラーレンC94、フラーレンC96等が挙げられる。これらの中でも、フラーレン骨格を構成する炭素に何も付加されていないフラーレンが特に好ましい。
フラーレンの製造方法は特に限定されず、公知の方法によって製造されたフラーレンを本発明の製造方法の出発物質として用いることができる。1種のフラーレンであっても、2種類以上のフラーレン混合物であっても好適に用いることができる。
本発明の第1工程で出発物質として用いられるフラーレン誘導体(シリルアルキル基が付加されるフラーレン誘導体)は特に限定されないが、フラーレンに有機基が付加されたものである。そして、当該フラーレン誘導体の基本骨格となるフラーレンは、本発明の製造方法において出発物質となるフラーレンと同様である。
この置換基としては、例えば、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基、アルコキシ基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上、置換可能な最大数まで導入されていてもよく、好ましくは1個〜4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
本明細書において、「複素環基」の例としては、チエニル基、ピロリル基、ピリジル基、ビピリジル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、ターチエニル基等がある。
本明細書において、「縮合多環芳香族基」の例としては、フルオレニル基、ナフチル基、フルオランテニル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、テトラセニル基、ペンタセニル基、トリフェニレニル基、ペリレニル基等がある。
本明細書において、「縮合多環複素環基」の例としては、カルバゾリル基、アクリジニル基、フェナントロリル基等がある。
本発明の製造方法の第1工程で用いられるグリニャール試薬は上記式(3)で表される。
(3)式中、R21〜R23は、それぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいC1〜C30炭化水素基、置換基を有してもよいC1〜C30アルコキシ基、置換基を有してもよいC6〜C30アリールオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(−SY1、式中、Y1は置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(−SY2、式中、Y2は置換基を有してもよいC6〜C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(−SO2Y3、式中、Y3は置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(−SO2Y4、式中、Y4は置換基を有してもよいC6〜C18アリール基を示す。)であり、nが1である]
で表される基であることが好ましい。
トリメチルシリルメチル基、(ヘキシル)ジメチルシリルメチル基、(ドデカ)ジメチルシリルメチル基等の(アルキル)ジメチルシリルメチル基、(イソプロポキシ)ジメチルシリルメチル基、(フェニル)ジメチルシリル基、(4−メトキシフェニル)ジメチルシリルメチル基、(4−ビフェニル)ジメチルシリルメチル基、(1−ナフチル)ジメチルシリルメチル基、(ピレノキシフェニル)ジメチルシリルメチル基、((アルキロキシ)ベンゾイロキシフェニル)ジメチルシリルメチル基、(ジ(アルキロキシ)ベンゾイロキシフェニル)ジメチルシリルメチル基、(テルピリジニル)ジメチルシリルメチル基、(カルバゾリルフェニル)ジメチルシリルメチル基および(ピレニルフェニル)ジメチルシリルメチル基が好ましい。
本発明の製造方法の第1工程で用いられる極性物質は、そのような性質を有していれば特に限定されないが、ドナー数(DN)が25以上であることが好ましい。
本発明の製造方法で用いられる極性物質としては、非プロトン性溶媒が好ましく、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ピリジン等を用いることがさらに好ましい。これらの中でもN,N−ジメチルホルムアミドを用いると得られるフラーレン誘導体の収率が高くなるので特に好ましい。
第1工程において、第1工程でシリルアルキル基が付加されるフラーレンまたはフラーレン誘導体に対して極性物質が3当量よりも少ないとシリルアルキル基の付加反応の効率が低下、また100当量以下でも充分に収率が確保できる。って、極性物質はフラーレンまたはフラーレン誘導体に対して3〜100当量を用いることが好ましく、3〜60当量を用いるとさらに好ましい。
第1工程でシリルアルキル基が付加されるフラーレンまたはフラーレン誘導体に、少なくとも前述のグリニャール試薬と前述の極性物質とを反応させて、グリニャール試薬を構成するシリルアルキル基をフラーレン骨格に付加して、フラーレン誘導体が製造される。
第1工程によって製造されるフラーレン誘導体は、フラーレンを構成する炭素に上記式(2)で表されるシリルアルキル基が付加されていれば特に限定されないが、本発明の好ましい態様によれば、フラーレン骨格に上記式(2)で表される基と水素が付加されているフラーレン誘導体である。
本発明の第2工程は、シリルアルキル基を有するフラーレン誘導体に、さらに、少なくとも塩基性化合物の存在下で酸化剤を反応させてフラーレン二量体を製造する工程である。シリルアルキル基を有するフラーレン誘導体として、第1工程で得られたフラーレン誘導体を用いることができる。
第2工程で用いられる塩基性化合物としては、カリウムターシャリーブトキシド(tBuOK)、ポタジウムハイドライド(KH) などを好適に用いることができ、添加量としては、出発物質であるシリルアルキル基を有するフラーレン誘導体に対して、1〜10当量の範囲が好ましい。
第2工程で用いられる酸化剤としては、N-クロロスクシンイミド (NCS) 、N-ブロモスクシンイミド (NBS) 、ヨウ素 (I2) 、酸素 (O2) などを好適に用いることができ、添加量としてはシリルアルキル基を有するフラーレン誘導体に対して、1〜10当量の範囲が好ましい。
第2工程の反応は、溶媒を用いて行われることが好ましい。溶媒としては、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、ジクロロベンゼンまたはそれらの混合溶媒等が用いられるが、これらの中でもジクロロベンゼンを溶媒として用いることが好ましい。
第2工程によって製造されるフラーレン二量体は、シリルアルキル基を有するフラーレン二量体であり、好ましくは、上記式(1)で表されるフラーレン二量体である。
さらに好ましくは、上記式(1)中、
FがフラーレンC60であり;Xが単結合であり;nがそれぞれ独立して1または2であり;pが1であり;mが0であることが好ましい。
また、R21〜R23はそれぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいC1〜C30アルキル基、置換基を有してもよいC1〜C30アルケニル基、置換基を有してもよいC1〜C30アルキニル基、置換基を有してもよいC6〜C30アリール基、置換基を有してもよいC1〜C30アルコキシ基、置換基を有してもよいC6〜C30アリールオキシ基であることが好ましい。これらの中でも、R21〜R23はそれぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいC1〜C30アルキル基、置換基を有してもよいC6〜C30アリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基であることが好ましく、これらの基が有してもよい置換基としては、C1〜C10アルコキシ基が好ましい。
Scheme 1 (C60[CH2Si(i-PrO)Me2]Hの製造)
スキーム1に示すように、窒素雰囲気下室温にてC60 (400 mg, 0.555 mmol)をo-ジクロロベンゼン(100 mL)に溶かし、ジメチルホルムアミド(1.29 mL, 16.7 mmol)を加えた。得られた紫色の溶液に Me2(i-PrO)SiCH2MgCl のTHF溶液(2.81 mL, 0.592 M, 1.67 mmol)をシリンジで滴下した。10分攪拌した後得られた黒褐色の溶液へ飽和塩化アンモニウム水溶液(0.2 mL)を加え反応を停止させた。展開溶媒をトルエンとしたシリカゲルショートパスカラムに得られた反応混合物を通して、副生するマグネシウム塩等を除去した後、HPLC(カラム:Nakalai Tesque社製 Buckyprep, 20 mm x 250 mm,溶離液:トルエン/2-プロパノール = 7/3)で精製を行った。表題化合物のフラクションを集めて濃縮した後、メタノールを加えて目的物を析出させ、濾過、乾燥により表題化合物を得た(単離収率 89%)。得られた生成物について、1H NMR、13C NMR、およびAPCI-TOF-MSの測定を行った。結果を以下に示す。
窒素雰囲気下、100-mL四口ナスフラスコにスキーム1で得られたC60[CH2Si(i-PrO)Me2]H (117 mg, 0.137 mmol) およびo-ジクロロベンゼン (10 mL) を入れ、減圧脱気後、窒素で復圧した。カリウムt-ブトキシドの1M THF溶液 (0.210 mL, 0.210 mml) を加え、約10分間攪拌した。ヨウ素 (38 mg, 0.150 mmol) を加え、さらに約2分間攪拌した。反応溶液をショートシリカゲルカラム(二硫化炭素)に供し、濃縮後、残さを二硫化炭素―メタノールで再沈殿させた。ろ取し、減圧乾燥することにより、目的とするダイマー [C60(CH2Si(i-PrO)Me2)]2 を黒茶色固体として収率99% (115 mg, 0.0675 mmol) で得た。
HPLC純度:99.7%(Buckyprep, 350nm)
得られた生成物について,1H NMR、13C NMR の測定を行った。結果を以下に示す。
Scheme 3 (C60[CH2Si(C6H4-4-EHO)Me2]Hの製造)
スキーム3に示すように、窒素雰囲気下室温にてC60 (509 mg, 0.706 mmol)をo-ジクロロベンゼン(50 mL)に溶かし、ジメチルホルムアミド(1.60 mL, 20.8 mmol)を加えた。得られた紫色の溶液に Me2(C6H4-o-EHO)SiCH2MgCl のTHF溶液(2.10 mL, 1.0 M, 2.10 mmol)をシリンジで滴下した。60分攪拌した後得られた黒緑色の溶液へ飽和塩化アンモニウム水溶液(2.0 mL)を加え反応を停止させた。展開溶媒をトルエンとしたシリカゲルショートパスカラムに得られた反応混合物を通して、副生するマグネシウム塩等を除去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:二硫化炭素/n-ヘキサン = 1/1)で精製を行った。表題化合物のフラクションを集めて濃縮した後、メタノールを加えて目的物を析出させ、濾過、乾燥により表題化合物を得た(単離収率 65%)。得られた生成物について、1H NMR、13C NMR の測定を行った。結果を以下に示す。
窒素雰囲気下、100-mLシュレンク管にスキーム3でスキーム3で得られたC60[CH2Si(C6H4-4-EHO)Me2]H (301 mg, 0.300 mmol) およびo-ジクロロベンゼン (30 mL) を入れ、5分間撹拌後、カリウムt-ブトキシドの1M THF溶液 (0.360 mL, 0.360 mml) を加え、45分間攪拌した。N-ブロモスクシンイミド (165 mg, 0.926 mmol) を加え、さらに2時間攪拌した後反応溶液をトルエンを用いたシリカゲルショートパスに供し、濃縮後、残さをトルエン―メタノールで再沈殿させた。ろ取し、減圧乾燥することにより、 目的とするダイマー [C60(CH2Si(C6H4-4-EHO)Me2)]2 (288.8mg, 98% yield) を得た。
HPLC純度:96.0%(Buckyprep, 350nm)
得られた生成物について、1H NMR、13C NMR の測定を行った。結果を以下に示す。
晶系:単斜、空間格子:P1、格子定数: a = 10.014A, b = 15.869A, c = 17.702A, α = 112.97o, β = 92.59o, γ = 105.99o, V = 2452.48 A3.
Claims (5)
- 下記式(1)
R1はそれぞれ独立して有機基であり;
mはそれぞれ独立して0〜2の整数であり;
Xは、単結合であり;
nはそれぞれ独立して1〜3の整数であり;
pはそれぞれ独立して1〜3の整数であり;
R21〜R23はそれぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいC1〜C30炭化水素基、置換基を有してもよいC1〜C30アルコキシ基、置換基を有してもよいC6〜C30アリールオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(−SY1、式中、Y1は置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(−SY2、式中、Y2は置換基を有してもよいC6〜C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(−SO2Y3、式中、Y3は置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(−SO2Y4、式中、Y4は置換基を有してもよいC6〜C18アリール基を示す。)である]
で表されるシリルアルキル基を有する、フラーレン二量体。 - 式(1)中、
FがフラーレンC60であり;
Xが単結合であり;
nがそれぞれ独立して1〜3の整数であり;
pがそれぞれ独立して1または3であり;
mが0であり、
R21〜R23はそれぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいC1〜C30アルキル基、置換基を有してもよいC1〜C30アルケニル基、置換基を有してもよいC1〜C30アルキニル基、置換基を有してもよいC1〜C30アリール基、置換基を有してもよいC1〜C30アリール基、置換基を有してもよいC1〜C30アルコキシ基、置換基を有してもよいC6〜C30アリールオキシ基である、請求項1に記載のフラーレン二量体。 - 下記式(2)
R21〜R23は、それぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいC1〜C30炭化水素基、置換基を有してもよいC1〜C30アルコキシ基、置換基を有してもよいC6〜C30アリールオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(−SY1、式中、Y1は置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(−SY2、式中、Y2は置換基を有してもよいC6〜C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(−SO2Y3、式中、Y3は置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(−SO2Y4、式中、Y4は置換基を有してもよいC6〜C18アリール基を示す。)である]
で表されるシリルアルキル基を有するフラーレン誘導体に、少なくとも塩基性化合物の存在下で酸化剤を反応させる第2工程を含む、
上記式(2)で表されるシリルアルキル基を有する、フラーレン二量体の製造方法であって、
前記フラーレン二量体が、下記式(1)
R 1 はそれぞれ独立して有機基であり;
mはそれぞれ独立して0〜2の整数であり;
Xは、単結合であり;
nはそれぞれ独立して1〜3の整数であり;
pはそれぞれ独立して1〜3の整数であり;
R 21 〜R 23 はそれぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいC 1 〜C 30 炭化水素基、置換基を有してもよいC 1 〜C 30 アルコキシ基、置換基を有してもよいC 6 〜C 30 アリールオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(−SY 1 、式中、Y 1 は置換基を有してもよいC 1 〜C 20 アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(−SY 2 、式中、Y 2 は置換基を有してもよいC 6 〜C 18 アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(−SO 2 Y 3 、式中、Y 3 は置換基を有してもよいC 1 〜C 20 アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(−SO 2 Y 4 、式中、Y 4 は置換基を有してもよいC 6 〜C 18 アリール基を示す。)である]
で表されるシリルアルキル基を有する化合物である、フラーレン二量体の製造方法。 - 第2工程において、塩基性化合物がカリウムターシャリーブトキシドおよびポタジウムハイドライドからなる群から選ばれる1以上であり、酸化剤がN-クロロスクシンイミド、N-ブロモスクシンイミド、ヨウ素および酸素からなる群から選ばれる1以上である、請求項3に記載のフラーレン二量体の製造方法。
- フラーレンまたはフラーレン誘導体に、少なくともグリニャール試薬と極性物質とを反応させてシリルアルキル基を付加する第1工程であって、シリルアルキル基が付加されるフラーレンまたはフラーレン誘導体に対して極性物質を3〜100当量用いる第1工程を経て、前記シリルアルキル基を有するフラーレン誘導体が製造される、請求項3または4に記載のフラーレン二量体の製造方法。
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