JP4109458B2 - フラーレン誘導体及び金属錯体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機溶媒に対する溶解性が極めて高いフラーレン誘導体、並びにフラーレン誘導体の分子及び/又はアニオンを配位子として有する金属錯体に関する。
【0002】
【従来の技術】
1990年にC60の大量合成法が確立されて以来、フラーレンに関する研究が精力的に展開されている。その結果、数多くのフラーレン誘導体が合成され、その多様な機能が明らかにされてきた。それに伴い、フラーレン誘導体を用いた電子伝導材料、半導体、生理活性物質等の各種用途開発が進められている(例えば、総説として、現代化学1992年4月号12頁、現代化学2000年6月号46頁、Acc. Chem. Res., 1998, 98, 2527 等)。
【0003】
この様なフラーレン誘導体の具体例として、本発明者らは、フラーレン骨格に10個の有機基が結合したフラーレン化合物(以下、10重付加誘導体、又は10重付加体ということがある)や、5個の有機基が結合したフラーレン化合物(以下、5重付加誘導体、又は5重付加体ということがある)を種々合成し、報告してきた(特開平10−167994号公報、特開平11−255509号公報、特願2001−43180号、J. Am. Chem. Soc. 1996, 118, 12850、Org. Lett. 2000, 2, 1919、Chem. Lett. 2000, 1098)。また、3個の有機基を付加したフラーレン化合物(以下、3重付加誘導体、又は3重付加体ということがある)についても合成し、その金属錯体も含めて別途報告した(特開平11−255508号公報、J. Am. Chem. Soc. 1998, 120, 8285, Org. Lett. 2000, 2, 1919.)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フラーレン誘導体を各種用途に応用する上で、有機溶媒への溶解性を持たせることは極めて有用である。有機溶媒への高い溶解性を示すフラーレン誘導体が得られれば、有機溶媒に溶解させる必要のある用途、例えば、更なる変換反応を加えて他の誘導体を合成するための中間体や、電子材料、金属錯体の配位子等に利用することができ、フラーレン誘導体の応用範囲が極めて広がると考えられる。
【0005】
しかしながら、上記各文献記載のフラーレン誘導体を含め、公知の各種フラーレン誘導体は、極性が比較的小さい一般的な有機溶媒に対する溶解性が、何れも極めて低いものであった。このため、上述の各種用途に利用する際などに、使用可能な溶媒が制限されてしまい、その実施が極めて困難となる、又は実質上その実施が不可能になる等の問題があった。以上の背景から、有機溶媒に高い溶解性を示すフラーレン誘導体が望まれていた。
【0006】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、一般的な有機溶媒に高い溶解性を示すフラーレン誘導体、並びにフラーレン誘導体の分子及び/又はアニオンを配位子として有する金属錯体を提供することに存する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、有機溶媒に対する溶解性が改良されたフラーレン誘導体を鋭意探索した結果、特定の有機基を有するフラーレン誘導体が、有機溶媒に対して極めて高い溶解性を示すことを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明の要旨は、25℃でのヘキサンに対する溶解度が0.1mg/mL以上であることを特徴とするフラーレン誘導体、及び、フラーレン誘導体の分子及び/又はアニオンを配位子として有するとともに、25℃でのヘキサンに対する溶解度が0.1mg/mL以上であることを特徴とする金属錯体に存する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明のフラーレン誘導体は、フラーレンから誘導される化合物であって、有機溶媒に対する溶解性が極めて高いことを特徴としている。
【0010】
ここで、フラーレンとは、炭素原子が球状又はラグビーボール状に配置して形成される炭素クラスターを指す。具体例としては、C60(いわゆるバックミンスター・フラーレン),C70,C76,C78,C82,C84,C90,C94,C96及びより高次の炭素クラスターが挙げられ、本発明のフラーレン誘導体の骨格となるフラーレンは特に限定されないが、製造時の反応原料の入手の容易さから、C60又はC70が好ましい。フラーレンの製造方法は特に限定されず、公知の方法によって製造されたフラーレンをフラーレン誘導体の原料として用いることができる。精製された単一品であってもよいし、2種類以上のフラーレンの混合物であってもよい。
【0011】
有機溶媒とは、有機化合物に属する溶媒であって、一般に有機物を溶解するために用いられる溶媒を指す。具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等のエステル類;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N,N’,N’−テトラメチルウレア、γ−ブチロラクタム等のアミド;ウレア類など、及びこれらの2種類以上の混合溶媒が挙げられる。
【0012】
本発明のフラーレン誘導体は、上記の有機溶媒の全てあるいは一部に対し高い溶解性を有するものであるが、規定の客観性を確保するために、有機溶媒の一種であるヘキサンに対する25℃での溶解度を、有機溶媒に対する溶解性を示すパラメーターとして採用し、これによって本発明のフラーレン誘導体を規定するものとする。
【0013】
ヘキサンに対する25℃での溶解度は、具体的には以下の手法により決定される。まず、フラーレン誘導体に所定量のn−ヘキサンを加え、25℃で1時間攪拌する。得られたスラリーを遠心分離した後に、25℃にて上澄み液を取り出す。この上澄み液から溶媒を留去し、沈殿物を減圧乾燥した後、その重量を測定することにより、ヘキサンに対する25℃での溶解度が算出される。
【0014】
本発明のフラーレン誘導体は、上記手法で決定したヘキサンに対する25℃での溶解度が、通常0.1mg/mL以上であることを特徴としている。中でも、1mg/mL以上が好ましく、10mg/mL以上が更に好ましく、50mg/mL以上が特に好ましい。
【0015】
本発明のフラーレン誘導体は、上記範囲の溶解度を示すフラーレン誘導体であればその構造を問わないが、好ましい具体例として、フラーレン骨格に有機基が単数又は複数付加したフラーレン誘導体(以下、付加体又は付加誘導体と呼ぶことがある。なお、フラーレン骨格に付加される有機基の数に応じて、3重付加体、5重付加体、10重付加体等の様に、語頭に有機基の数を付して呼ぶこともある。)が挙げられる。なお、本明細書で「有機基」とは、炭素を含む基の総称であり、「付加」とはフラーレン骨格内の結合に対し、基が付加して結合を形成することを意味する。
【0016】
前述したフラーレン骨格に有機基が単数又は複数付加したフラーレン誘導体について、以下説明する。
フラーレン骨格に付加される有機基(以下、付加有機基と呼ぶことがある。)の種類は特に限定されず、各種の有機基を用いることが可能であるが、通常は、炭化水素を主体とした構造の有機基や、その炭化水素に含まれる炭素の一部が周期律表(18族長周期型周期律表)の第14族に属する炭素以外の元素、特に珪素に置き換えられた構造の有機基が用いられる。ここで、炭素を含めた周期律表の第14族に属する元素の数は多いことが好ましく、具体的には一つの付加有機基中に4個以上存在することが好ましい。特に、炭素及び珪素の原子数の和が4〜20、中でも5〜18であることが好ましい。また、付加有機基は、ハロゲン基、アルコキシ基、アミノ基等のヘテロ置換基を含んでいても良い。
【0017】
なお、脂肪族炭化水素構造を主体とする付加有機基の方が、芳香族炭化水素構造を主体とする付加有機基に比べ、同数を付加した場合でも有機溶媒に対してより高い溶解度を示す傾向にある。また、分枝が多い構造を有する付加有機基の方が、有機溶媒に対してより高い溶解度を示す傾向にある。
【0018】
本発明のフラーレン誘導体における付加有機基としては、フラーレン骨格との結合部にメチレン基を有する有機基、即ち、以下の構造を有する有機基が好ましい。
−CH2−R1 ・・・式(I)
なお、上記式(I)において、R1は、水素原子又は有機基を表わす。
【0019】
上記式(I)で表わされる構造が好ましい理由は、明らかではないが、フラーレン骨格との結合部分に存在するメチレン基が上記R1の自由回転を許容することにより、有機溶媒中においてフラーレン誘導体同士が接近するのを防ぎ、これらの間に分子間相互作用が生じるのを阻害するためであると推定される。
【0020】
中でも、上記式(I)において、前記基R1が下記式(II)で表される構造が好ましい。
−X(R2)(R3)(R4) ・・・式(II)
上記式(II)において、Xは周期律表の第4B族に属する元素を表わす。具体的にはC,Si,Ge,Sn,Pbが挙げられるが、中でもC,Siが好ましく、特にSiが好ましい。R2,R3,R4は各々独立に、水素原子,炭化水素基,アルコキシ基又はアミノ基を表わすが、好ましくはいずれも水素以外の基、即ち、炭化水素基,アルコキシ基又はアミノ基である。なお、R2,R3,R4は互いに同じでも良く、それぞれ異なっていても構わない。
【0021】
上記式(II)で表わされる構造が好ましい理由は、明らかではないが、上記R2,R3,R4が比較的大きな空間を占有することにより、有機溶媒中においてフラーレン誘導体同士が接近するのを防ぎ、これらの間に分子間相互作用が生じるのを阻害するためであると推定される。
【0022】
本発明のフラーレン誘導体における付加有機基の具体例としては、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、3−フェニルプロピル基、2,2−ジエチルプロピル基、トリメチルシリルメチル基、フェニルジメチルシリルメチル基、トリエチルシリルメチル基等が挙げられる。これらの中でも、ネオペンチル基、トリメチルシリルメチル基、トリエチルシリルメチル基等が、上記式(I)を満たす上に、フラーレン誘導体の合成の際に1段階で容易にフラーレン骨格に導入できるので好ましい。更には、トリメチルシリルメチル基、トリエチルシリルメチル基等が、上記式(II)をも満たしているので特に好ましい。
【0023】
上記付加有機基のフラーレン骨格への付加数は特に制限されず、一以上の数を任意に選択すればよいが、付加数が多い方が、骨格となるフラーレンへ有機溶媒に対する溶解性を容易に付与できるので好ましい。具体的には、付加置換基の数が3以上であることが好ましい。中でも、後述する様に、付加反応の手法を選択することにより、フラーレンの3重付加誘導体、5重付加誘導体、10重付加誘導体をそれぞれ選択的に合成することが可能であるので、付加数を3,5又は10とすることが好ましい。なお、付加有機基の付加数が複数である場合、付加有機基の種類は同一であっても良く、互いに異なっていても良い。
【0024】
本発明のフラーレン誘導体は、その構造に応じて各種方法により製造することが可能であるが、例えば、フラーレン骨格に有機基が単数又は複数付加したフラーレン誘導体(付加誘導体)は、骨格となるフラーレンに公知の各種手法で付加有機基を導入することにより、製造することができる。
【0025】
フラーレンへの付加有機基の導入は、一例として、求核付加反応により行なうことができる。具体的には、例えばグリニヤール試薬や有機リチウム試薬、又はこれらの試薬と銅化合物とから調製される有機銅試薬を用いて、一段階又は複数段階で付加反応を行なうことができる。グリニヤール試薬や有機リチウム試薬、有機銅試薬等の構造には、特に制限は無い。即ち、導入しようとする有機基を有するグリニヤール試薬や有機リチウム試薬を用いて直接付加反応を行なっても良いし、こうしたグリニヤール試薬や有機リチウム試薬が合成困難又は不安定な場合には、まず導入が容易な基をフラーレン骨格に導入した後に、更に変換反応により置換基を目的とする付加有機基の形に変換することもできる。但し、これらの試薬を用いる際に、導入しようとする有機基が上記式(I)及び式(II)を満たす構造の有機基である場合には、R2、R3、R4がいずれも水素原子でないものがより好ましい。
【0026】
フラーレン骨格への有機基の付加位置には数多くの組み合わせが考えられ、その付加パターンは特に限定されるものではないが、3重付加体、5重付加体、10重付加体として、それぞれ下記の式(III),式(IV),式(V)により表わされる構造の付加体が選択的に合成できることが知られている。よって、合成の容易さの観点から、これらの構造の付加体を製造することが好ましい。
【0027】
【化3】
Figure 0004109458
Figure 0004109458
上記式(III)において、R5〜R7はそれぞれ独立に、有機基を表わす。R5〜R7は互いに同じでも良く、互いに異なっていても良い。
【0028】
【化4】
Figure 0004109458
Figure 0004109458
上記式(IV)において、R8〜R12はそれぞれ独立に、有機基を表わす。R8〜R12は互いに同じでも良く、互いに異なっていても良い。
【0029】
【化5】
Figure 0004109458
Figure 0004109458
上記式(V)において、R13〜R22はそれぞれ独立に、有機基を表わす。R13〜R22は互いに同じでも良く、互いに異なっていても良い。
【0030】
なお、下記式(VI)に示すように、有機銅試薬を用いて付加反応を行なう場合、付加反応で得られる一次生成物は、それぞれ対応する有機銅化合物であると考えられるが、本発明のフラーレン誘導体は、通常、この一次生成物をH2Oなどのプロトン性化合物と反応させることにより、より安定な水素化体として単離される。
【0031】
【化6】
Figure 0004109458
Figure 0004109458
(上記式(VI)では例として、フラーレンの5重付加体の合成について示しているが、本発明の内容は勿論、5重付加体に限定されるものではない。また、上記式(VI)では記載の簡単のために、フラーレンの付加有機基を全てRで表わしている。複数のRは同じでも良く、互いに異なっていても良い。なお、特に断りの無い限り、以下に記載する各式においても同様である。)
【0032】
この水素化体も、本発明のフラーレン誘導体の好ましい形態の1例であるが、一旦単離された水素化体は、下記式(VII)に示すように、更にアルキルリチウム等で反応させることで、容易に脱プロトン化されてリチオ体となる。このリチオ体に求電子型の反応試剤を加えることで、さらに別の好ましい形態のフラーレン誘導体に変換することができる。例えば、アルキル化剤等を用いてアルキル化することにより、リチオ体をアルキル化体に変換することができる。この求電子型反応生成物も、本発明のフラーレン誘導体の好ましい形態の1例である。
【化7】
Figure 0004109458
Figure 0004109458
なお、上記式(VII)において、E+は求電子反応性を有する反応試剤を表わす。
【0033】
本発明のフラーレン誘導体は、25℃でのヘキサンに対する溶解度が0.1mg/mL以上と、有機溶媒に対し極めて高い溶解性を示すので、有機溶媒に溶解させることによって、実質上、一般の有機化合物と同様の手法で取り扱うことができる。また、有機溶媒に溶解させる必要のある用途、例えば、更なる変換反応を加えて他の誘導体を合成するための中間体や、電子材料、金属錯体の配位子等に利用することが可能となり、極めて有用である。従って、従来フラーレン誘導体の利用が困難であった分野にも、幅広く適用されることが期待される。
【0034】
以下、フラーレン誘導体の分子及び/又はアニオンを配位子として有する金属錯体について説明する。この金属錯体は、フラーレン誘導体の分子及び/又はアニオンを配位子として有するとともに、有機溶媒に対する溶解性が高いことを特徴とする。ここで、有機溶媒に対する溶解性については、本発明のフラーレン誘導体について上述した如く、規定の客観性を確保するために、ヘキサンに対する25℃での溶解度を、有機溶媒に対する溶解性を示すパラメーターとして規定する。具体的には、本発明の金属錯体は、ヘキサンに対する室温(25℃)での溶解度が、通常0.1mg/mL以上、好ましくは1mg/mL以上である。
【0035】
本発明の金属錯体は、上述の様に有機溶媒に対する高溶解性を示すものであれば、その構造や錯体の形態を問わないが、上に詳述した本発明のフラーレン誘導体の分子及び/又はアニオンを配位子として有することが好ましい。中でも、前述したフラーレンの3重付加体、5重付加体、10重付加体において、シクロペンタジエニルアニオン部位を有する、以下の構造の化合物が、合成の容易さから特に好ましい。
【0036】
【化8】
Figure 0004109458
Figure 0004109458
上記式(VIII)において、MXnは金属フラグメントを表わす。ここでMはアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、Sn,Tlから選ばれる金属原子を表わし、Xはそれぞれ金属原子Mに配位した分子又はイオン等の配位子を表わす。なお、n≧0である。
【0037】
Mの具体例としては、Li,Na,K,Ba,Sn,Sc,Ti,V,Cr、Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Zr,Ru,Rh,Pd,Ag,Cd,Hf,Ta,W,Re,Pt,Au,Hg,Tl,Sm等が挙げられる。これらの中でも、Li,K,Ba,Ti、Fe,Cu,Zr,Ru,Rh,Pd,Hfが好ましい。
【0038】
Xの具体例としては、THFやジメトキシエタン等のエーテル類、トリメチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、アセトニトリル等のニトリル類、COや、エチレン、シクロオクタジエン等のオレフィン類を含む中性配位子、Cl,Br等のハロゲン原子、ヒドリド、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、ジメチルアミド、ジエチルアミド等のアミド基、メチル基、エチル基、ブチル基等のアルキル基、フェニル基及び置換フェニル基、トシレート等のスルホネート基などが挙げられる。
【0039】
ここで、金属原子Mの性質や価数によって、適切な配位子X及びその個数nの値が決定される。配位子Xが複数存在する場合、それらは同一であっても良く、互いに異なっていても良い。
【0040】
本発明の金属錯体は、その構造に応じて各種方法により製造することが可能である。具体的には、例えば、上記式(VII)を用いて説明したフラーレン誘導体のリチオ体に対して、下記式(IX)に示すように、適当な金属前駆体を作用させることにより、対応するフラーレン誘導体を配位子として有する、本発明の金属錯体を合成することができる。また、前記リチオ体自体も、本発明の金属錯体の一例である。
【0041】
【化9】
Figure 0004109458
Figure 0004109458
【0042】
本発明の金属錯体は、フラーレン誘導体の分子及び/又はアニオンを配位子として有するので、フラーレン誘導体固有の性質が付与されるとともに、25℃でのヘキサンに対する溶解度が0.1mg/mL以上と、有機溶媒に対する溶解性が極めて高いので、有機溶媒に溶解させる必要のある各種用途に利用することが可能となり、極めて有用である。従って、従来フラーレン誘導体の利用が困難であった分野にも、幅広く適用されることが期待される。
【0043】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
【0044】
[実施例1]
・C60〔CH2Si(CH335H の合成
下記 Scheme 1 に示すように、窒素雰囲気下において、100mgのC60を15mLのオルトジクロロベンゼンに溶解させ、16当量のトリメチルシリルメチルグリニャール試薬(CH33SiCH2MgClのエーテル溶液(濃度約1.0M)及び18当量の臭化銅(I)ジメチルスルフィド錯体CuBr・S(CH32より調製される銅試薬と0℃で反応させた。1時間後、0.1mLの飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応をクエンチした。反応終了後、反応液を約15mLに濃縮したのち、50mLのトルエンを加えて希釈し、展開溶媒をトルエンとしたシリカゲルショートパスを通し、副生するマグネシウム塩等を除去した。溶媒が2mL残る程度まで溶媒を留去し、メタノール200mLを加えて再沈すると、純度約97%のトリメチルシリル5重付加体 C60〔CH2Si(CH335H が得られた。単離収率は97%であった。
【0045】
【化10】
Figure 0004109458
なお、上記Scheme 1において、Meはメチル基(−CH3)を表わす。
【0046】
・C60〔CH2Si(CH335H のNMRデータ
1H−NMR(C66,30℃):
0.16 (s,9H,Si(CH33),
0.21 (s,18H,Si(CH33),
0.23 (s,18H,Si(CH33),
2.10 (d,2H-H=14.8Hz,2H,CH2),
2.17 (s,2H,CH2),
2.25 (s,2H,CH2),
2.17 (s,2H,CH2),
2.34 (d,2H-H=14.8Hz,2H,CH2),
4.70 (s,1H,H(Cp)).
【0047】
13C−NMR(C66,30℃):
0.57 (Si(CH33),
0.57 (Si(CH33),
0.62 (Si(CH33),
31.55 (CH2),
31.94 (CH2),
38.71 (CH2),
53.38 (CH3C),
53.66 (CH3C),
55.26 (CH3C),
63.63 (HC(Cp)),
143.05, 143.87, 143.90, 144.11, 144.36, 144.65, 145.56, 145.63, 145.87,
146.37, 146.64, 147.23, 147.45, 147.52, 148.09, 148.12, 148.40, 148.59,
148.67, 149.03, 149.11, 149.26, 150.12, 150.88, 154.22, 154.46, 154.69,157.88.
【0048】
これまでに既知となっている化合物、C60(CH35H 及びC60(C655H とのCDCl3中でのシクロペンタジエン部位のプロトンのシグナルの比較は次のとおりである。
60(CH35 : 4.46ppm
60(CH2Si(CH335H : 4.56ppm
60(C655 : 5.30ppm
【0049】
・C60〔CH2Si(CH335H の性状
褐色粉末。固体の状態では、空気中、室温で安定であった。
【0050】
・C60〔CH2Si(CH335H の溶解度
60〔CH2Si(CH335H 10mgにn−ヘキサン0.5mLを加え、25℃で1時間攪拌した。精製したスラリーを遠心分離器にかけた後上澄み液を取り出し、溶媒を留去、減圧乾燥したあとの重量を測定したところ、32.5mgであった。よって、この化合物の室温(25℃)でのn−ヘキサンへの溶解度は65mg/mLと算出される。
【0051】
[実施例2]
・C60{CH2Si(CH333H の合成
下記 Scheme 2 に示すように、乾燥空気下、0.5gのC60を150mLのオルトジクロロベンゼンに溶解させ、室温(25℃)にて8当量のトリメチルシリルメチルグリニャール試薬(CH33SiCH2MgClのエーテル溶液(濃度約1.0M)と反応させた。2時間後、0.5mLの飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて、過剰のグリニャール試薬をクエンチした。減圧下70℃で溶媒を留去し、沈殿物をトルエン100mLに溶解させた。展開溶媒をトルエンとしたシリカゲルショートパスを通し、副生するマグネシウム塩等を除去した。トルエンを留去すると、純度約70%のトリメチルシリル2重付加体C60{CH2Si(CH332 が得られた。熱ヘキサンで抽出することによって、ほぼ純粋なC60{CH2Si(CH332が得られた。ここまでの単離収率は54%であった。
【0052】
アルゴン下、得られたC60{CH2Si(CH332 170mgを20mLのオルトジクロロベンゼンに溶解させ、室温(25℃)にて5当量のトリメチルシリルメチルグリニャール試薬(CH33SiCH2MgClのエーテル溶液(濃度約1.0M)と反応させた。1時間後、0.2mLの飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応をクエンチした。減圧下70℃で溶媒を留去し、沈殿物をトルエン20mLに溶解させた。展開溶媒をトルエンとしたシリカゲルショートパスを通し、副生するマグネシウム塩等を除去した。トルエンを留去すると、純度約50%のトリメチルシリル3重付加体C60{CH2Si(CH333Hが得られた。カラム(ナカライテスク社製 BuckyPrep)を装備したHPLC(移動層:トルエン/2−プロパノール=7/3)で分取精製することにより、純粋なC60{CH2Si(CH333H が得られた。C60{CH2Si(CH332 からの単離収率は37%、C60からのトータル収率は20%であった。
【0053】
【化11】
Figure 0004109458
なお、上記Scheme 2において、Meはメチル基(−CH3)を表わす。
【0054】
・C60{CH2Si(CH333H のNMRデータ
1H−NMR(CDCl3,30℃):
0.07 (s,9H,Si(CH33),
0.21 (s,18H,Si(CH33),
2.06 (d,2H-H=14.4Hz,1H,CH2),
2.24 (d,2H-H=14.4Hz,1H,CH2),
2.29 (d,2H-H=14.4Hz,1H,CH2),
2.29 (d,2H-H=14.4Hz,1H,CH2),
2.38 (d,2H-H=14.4Hz,1H,CH2),
2.40 (d,2H-H=14.4Hz,1H,CH2),
5.30 (s,1H,H(Cp)).
【0055】
13C−NMR (C66,30℃):
0.25 (q,1C-H=129Hz,Si(CH33),
0.30 (q,1C-H=129Hz,Si(CH33),
0.50 (q,1C-H=129Hz,Si(CH33),
31.21 (t,1C-H=132Hz,CH2),
32.59 (t,1C-H=132Hz,CH2),
38.08 (t,1C-H=132Hz,CH2),
52.92 (s,CCH2),
54.97 (s,CCH2),
56.85 (s,CCH2),
61.98 (d,1C-H=136Hz,HC(Ind)),
133.88−162.98.
【0056】
・C60{CH2Si(CH333H の性質
褐色粉末。固体の状態では、空気中、室温でも安定であった。
【0057】
・C60{CH2Si(CH333H の溶解度
実施例1と同様の条件にて、室温(25℃)でのn−ヘキサンに対する溶解度を測定したところ、11mg/mLであった。
【0058】
[実施例3]
・Rh〔C60{CH2Si(CH333〕(1,5−シクロオクタジエン)の合成
実施例2の3重付加体C60{CH2Si(CH333H 8.0mg(0.0081mmol)を5.0mLのTHFに溶解し、これに1.2当量のリチウムt−ブトキシドのTHF溶液を室温で添加した。10分間攪拌すると、C60{CH2Si(CH333K の緑色溶液が生成した。これに{Rh(1,5−シクロオクタジエン)Cl}2 を1.0当量(4.0mg,0.0081mmol)室温で添加した。10分間攪拌後、溶媒を留去し、生成した金属錯体を沈殿物からトルエンで抽出した後、トルエンを留去した。得られた固体をヘキサンで洗浄し、純粋なRh〔C60{CH2Si(CH333〕(1,5−シクロオクタジエン)を得た。C60{CH2Si(CH333H からの単離収率は91%であった。
【0059】
・Rh〔C60{CH2Si(CH333〕(1,5−シクロオクタジエン)のNMRデータ
1H−NMR (CDCl3,30℃):
0.08 (s,9H,Si(CH33),
0.11 (s,18H,Si(CH33),
1.77 (d,2H-H=14Hz,1H,CH2),
2.04 (s,2H-H=14Hz,2H,CH2),
2.43 (br s,8H,cod),
2.44 (d,2H-H=14Hz,1H,CH2),
4.19 (br s,2H,cod),
5.62 (br s,2H,cod).
【0060】
・Rh〔C60{CH2Si(CH333〕(1,5−シクロオクタジエン)のその他のデータ
APCl−Mass(+)m/z=1194(M+),
UV−vis:λmax=705nm.
【0061】
・Rh〔C60{CH2Si(CH333〕(1,5−シクロオクタジエン)の溶解度
実施例1と同様の条件にて、室温(25℃)でのn−ヘキサンに対する溶解度を測定したところ、5.0mg/mLであった。
【0062】
[比較例1]
Aldrich社製のC60の溶解度を、実施例1と同様の条件にて測定したところ、0.001mg/mL未満であり、ヘキサンには殆ど溶解しなかった。
【0063】
[比較例2]
特開平10−167994号公報の実施例1記載の方法に従い、(C65560H を合成した。得られた (C65560H の溶解度を、本発明の実施例1と同様の条件にて測定したところ、0.001mg/mL未満であり、ヘキサンには殆ど溶解しなかった。
【0064】
[比較例3]
特開平11―255509号公報の実施例1に従い、(CH3560Hを合成した。この溶解度を本発明の実施例1と同様に測定したところ、0.001mg/mL未満であり、ヘキサンには殆ど溶解しなかった。
【0065】
[参考例1]
実施例2の中間生成物である C60[CH2Si(CH33]2 (この化合物はJ. Org. Chem. 1994, 59, 1246にて公知である)の溶解度を、実施例1と同様の条件にて測定したところ、0.05mg/mL程度であった。また、同様の手法で測定した50℃での溶解度は、0.2mg/mL程度であった。よって、実施例2記載のように、このフラーレン誘導体は熱ヘキサンによる抽出で取り出すことも可能であった。
【0066】
【発明の効果】
本発明のフラーレン誘導体によれば、25℃でのヘキサンに対する溶解度が0.1mg/mL以上と、有機溶媒に対し極めて高い溶解性を示すので、有機溶媒に溶解させる必要のある用途、例えば、更なる変換反応を加えて他の誘導体を合成するための中間体や、電子材料、金属錯体の配位子等に利用することが可能となり、極めて有用である。
【0067】
また、本発明の金属錯体によれば、フラーレン誘導体の分子及び/又はアニオンを配位子として有し、且つ、25℃でのヘキサンに対する溶解度が0.1mg/mL以上と、有機溶媒に対する溶解性が極めて高いので、フラーレン誘導体固有の機能を有する金属錯体として、触媒や電子材料などの、有機溶媒に溶解させる必要のある各種用途に利用することが可能となり、極めて有用である。

Claims (14)

  1. 25℃でのヘキサンに対する溶解度が0.1mg/mL以上である
    ことを特徴とする、フラーレン誘導体。
  2. 前記溶解度が10mg/mL以上である
    ことを特徴とする、請求項1記載のフラーレン誘導体。
  3. 前記溶解度が50mg/mL以上である
    ことを特徴とする、請求項2記載のフラーレン誘導体。
  4. フラーレン骨格に、下記式(I)で表される有機基が1以上付加している
    −CH2−R1 ・・・式(I)
    (上記式(I)において、R1は、水素原子又は有機基を表わす。)
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフラーレン誘導体。
  5. 上記式(I)において、前記基R1が下記式(II)で表される
    −X(R2)(R3)(R4) ・・・式(II)
    (上記式(II)において、Xは周期律表の第4B族に属する元素を表わし、R2,R3,R4は各々独立に、水素原子,炭化水素基,アルコキシ基又はアミノ基を表わす。)
    ことを特徴とする、請求項4記載のフラーレン誘導体。
  6. 上記式(II)において、XがSiである
    ことを特徴とする、請求項5記載のフラーレン誘導体。
  7. フラーレン骨格に3個以上の有機基が付加している
    ことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のフラーレン誘導体。
  8. 3個の有機基が付加している
    ことを特徴とする、請求項7記載のフラーレン誘導体。
  9. 5個の有機基が付加している
    ことを特徴とする、請求項7記載のフラーレン誘導体。
  10. フラーレン骨格がC60である
    ことを特徴とする、請求項1〜9の何れか一項に記載のフラーレン誘導体。
  11. 下記式(III)及び下記式(IV)のうち何れか一方の式で表わされる
    ことを特徴とする、請求項10記載のフラーレン誘導体。
    Figure 0004109458
    Figure 0004109458
    (上記式(III)において、R5,R6,R7はそれぞれ独立に、有機基を表わす。R5,R6,R7は同じでも良く、互いに異なっていても良い。)
    Figure 0004109458
    Figure 0004109458
    (上記式(IV)において、R8,R9,R10,R11,R12はそれぞれ独立に、有機基を表わす。R8,R9,R10,R11,R12は同じでも良く、互いに異なっていても良い。)
  12. フラーレン誘導体の分子及び/又はアニオンを配位子として有するとともに、25℃でのヘキサンに対する溶解度が0.1mg/mL以上である
    ことを特徴とする、金属錯体。
  13. 前記溶解度が1mg/mL以上である
    ことを特徴とする、請求項12記載の金属錯体。
  14. 請求項1〜11の何れか一項に記載のフラーレン誘導体の分子及び/又はアニオンを配位子として有する
    ことを特徴とする、請求項12又は請求項13に記載の金属錯体。
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