JP3995889B2 - 炭素クラスターアニオン及び共役系有機配位子を有する金属錯体並びにその製造方法 - Google Patents

炭素クラスターアニオン及び共役系有機配位子を有する金属錯体並びにその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3995889B2
JP3995889B2 JP2001043179A JP2001043179A JP3995889B2 JP 3995889 B2 JP3995889 B2 JP 3995889B2 JP 2001043179 A JP2001043179 A JP 2001043179A JP 2001043179 A JP2001043179 A JP 2001043179A JP 3995889 B2 JP3995889 B2 JP 3995889B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
metal complex
carbon cluster
metal
transition metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2001043179A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002241389A (ja
Inventor
栄一 中村
正也 澤村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2001043179A priority Critical patent/JP3995889B2/ja
Publication of JP2002241389A publication Critical patent/JP2002241389A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3995889B2 publication Critical patent/JP3995889B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は少なくともフラーレンから誘導される炭素クラスターアニオン及び共役系骨格を有する有機配位子を含有する周期律表第3〜10族に属する金属錯体、並びにその製造方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、シクロペンタジエニル配位子のような共役系骨格を有する有機配位子を含み、且つフラレーン骨格を有する炭素クラスターがη5様式で金属に結合した周期律表第3〜10族に属する金属の錯体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的なシクロペンタジエニル錯体は、シクロペンタジエニル骨格を有する有機配位子が、シクロペンタジエニル部でη5型、すなわちシクロペンタジエニル部の5個の炭素が金属原子と結合する様式で結合した遷移金属錯体(以下、シクロペンタジエニル錯体と略記する。)であり、その結合様式により金属錯体の対称性、電子状態が変わり、有機化合物との反応において特異的な反応性を示すことが明らかにされている。そのような理由から、これまでに種々のシクロペンタジエニル錯体誘導体が合成され、それらは、金属錯体を用いた有機合成反応において重要な役割を果たしてきた。特に、これらの中で、工業触媒として最も重要な金属錯体は、シクロペンタジエニルが2個金属に結合したメタロセン錯体である。このメタロセン錯体は特定のAl化合物、B化合物あるいは粘土鉱物等と組み合わせることにより、チーグラーナッタ触媒に代わるエチレンやプロピレン等のオレフィン重合触媒として注目され、実用化されてきた。また、これらのメタロセン錯体は、共役系有機配位子が金属に2個結合した錯体であるため、電子伝導等のネットワークを構築するのに優れ、電子伝導材料や光機能材料としても幅広く利用されている。
【0003】
ところで、1990年になってC60の大量合成法が確立されて以来、フラーレンに関する研究が世界中で精力的に展開されてきた。その結果、数多くのフラーレン誘導体が合成され、その多様な反応性、物性が見出されている。現在では、これらのフラーレン誘導体を用いた電子伝導材料、半導体、医薬などの開発が多面的に進められている(例えば、総説として、現代化学、1992年、4月号、p12、2000年,6月号,p46;Acc.Chem.Res.1998,31,593;Chem.Rev.1998, 98,2527)。
また、フラーレンが、5員環部と6員環部の共役系炭素骨格から構成されている為、フラーレンが金属に対し上記のシクロペンタジエニル配位子のようにη5型で、或いはベンゼン配位子のようにη6型で結合した金属錯体は、フラーレン骨格の電気化学的並びに光化学的特性の双方を兼ね備えた新規な材料や触媒になるものとしての期待がかけられた。そのような背景から、フラーレンが金属に結合した金属錯体の合成に関する研究も同時に精力的になされてきたが、これらの殆どは、一般に、フラーレンが芳香族化合物というよりは電子欠乏性のポリエンとしての反応性を示すことから、フラーレンのオレフィン部の二重結合が低原子価で電子が豊富な中心金属にη2様式で配位した錯体であった。(例えば、総説として、Chem.Rev.1998, 98,2123)。
【0004】
本発明者らは、先に、フラーレンの5員環部がシクロペンタジエニル配位子としてη5型で金属に配位した錯体を見出し報告した(J.Am.Chem.Soc.1996,118,12850;特開平10-167994;特開平11-255508;特開平11-255509)。しかしながら、これらの錯体は、フラーレン骨格の炭素クラスターがη5型で結合した興味深い錯体ではあるが、金属に配位するそれ以外の配位子は、ホスフィンやCO等の配位子であるため、例えば、優れた電子伝導ネットワークを構築するには限界がある等、新規な触媒、機能性分子としての用途は、特定のものに限られていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らは、フラーレン骨格の炭素クラスターがη5型で結合し、且つ共役系環状骨格を有する有機配位子も結合した金属錯体を合成できれば、それらの錯体は、メタロセン錯体と同様にオレフィン等の重合触媒として、或いは電気伝導性等に優れた機能性分子として有用であるだけではなくフラーレン骨格の電気化学的、光化学的特性を生かした刺激応答性触媒や材料等の従来にない機能性分子に成り得ると考えた。そして、その金属錯体に使用する炭素クラスターには、種々の有機置換基を導入することが出来るので、これらの置換基を適当に選択することにより、低い溶解度等のフラーレン特有の製造工程上の問題を解決できるばかりでなく、金属上の電子密度を自在に制御することが出来る為、触媒や材料設計における有用な錯体として、より広範な用途が展開出来るものと期待した。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らはC60のη5型のシクロペンタジエニル配位子に関する研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、少なくともフラーレンから誘導される炭素クラスターアニオン並びに共役系骨格を有する有機配位子を含有する周期律表第3〜10族に属する遷移金属錯体に存し、本発明の他の要旨は、該金属錯体の製造方法に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の周期律表第3〜10族に属する遷移金属の錯体は、少なくともフラーレンから誘導される炭素クラスターアニオン及び共役系骨格を有する有機配位子を含有するものである。
ここで、炭素クラスターとしては、C60,C70,C76,C78、C84等の誘導体であれば良く、下記の式(I)で表される骨格を有するフラーレンC60から誘導される炭素クラスターであることが好ましい。
【0008】
【化3】
Figure 0003995889
(式(I)中、Rは、互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子或いは有機基を表す。)
また、この炭素クラスターの金属に対する結合様式は、下記の式(II)に示すようなη5型であることが好ましい。
【0009】
【化4】
Figure 0003995889
(式(II)中、Rは、互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子或いは有機基を表し、MLmnは、上記式(I)で表される炭素クラスターアニオンを含めた共役系骨格を有する有機配位子を含む金属フラグメントを表す。Mは周期律表第3〜10族に属する遷移金属から選ばれる金属原子を表し、Lは共役系骨格を有する有機配位子を表し、Xは金属に結合した該有機配位子以外の配位子或いは対イオンを表す。ここで、m≧1、n≧0である。)
【0010】
上記式(I)及び(II)におけるRは、水素原子または有機基である。通常、これらの置換基は、グリニャール試薬[RMgX(X=ハロゲン)]または有機リチウム試薬(RLi)から調製される有機銅試薬との反応によりフラーレン骨格に導入されるが、本発明においては、Rは、特に上記試薬調製可能なRに限定されず、グリニャール試薬または有機リチウム試薬の調製が困難なもの(R)であっても良い。即ち、グリニャール試薬または有機リチウム試薬の調製が困難なもの(R)をフラーレン骨格に導入したい場合は、グリニャール試薬または有機リチウム試薬から調製される有機銅試薬との反応により一旦フラーレン骨格に有機基を導入後、公知の任意の有機反応により置換基を所望の置換基に誘導することもできる。これらのRとしては、合成の容易性から、特に置換基を有していても良いアリール基、アルキル基、又はアルケニル基が好ましい。また、R同士は同一であっても異なっていてもよく、異なる置換基を導入する場合には、公知の、例えばOrganic Letters,2000,2,1919に記載の方法が有用である。
【0011】
以下、有機金属試薬[(RMgX)、(RLi)]のRについて説明する。
Rで定義されるアリール基としては、フェニル基やナフチル基等の炭素数6〜20のアリール基が例示され、このアリール基が有し得る置換基としては、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基等のアルキル基;ベンジル基、CF3,C25等の置換アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert-ブトキシ基等のアルコキシ基;フッ素原子等のハロゲン原子;メチレンジオキシ基等が挙げられ、これらの置換基を1個又は2個以上有していても良い。
これらの置換基中、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、CF3,C25等の炭素数1〜3の低級アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜3の低級アルコキシ基、フッ素原子等のハロゲン原子が好ましい。
【0012】
また、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜10程度のアルキル基;ベンジル基、CF3,C25等の置換アルキル基が挙げられる。
これらの中、好ましいアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ベンジル基、CF3,C25等が挙げられる。
アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、2−ブテニル基,3−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、スチレニル基等の炭素数2〜20程度のアルケニル基が挙げられ、それらの中では、合成のし易さから1−アルケニル基が好ましい。
【0013】
本発明の金属錯体において、上記式(I)で表されるフラーレンから誘導される炭素クラスターアニオンは、好ましくは上記式(II)で表されるη5様式で金属に結合している。
式(II)中、MLmnは、上記式(I)で表される炭素クラスターアニオンを含めた共役系骨格を有する有機配位子を含む金属フラグメントを表し、Mは周期律表第3〜10族に属する遷移金属であり、Lは該有機配位子を表し、Xは金属に結合した該有機配位子以外の配位子或いはカウンターイオンを表す。ここで、m≧1、n≧0である。
【0014】
周期律表第3〜10族に属する遷移金属としては、錯体製造の簡便さから、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Zr、Mo、Ru、Rh、Pd、Hf、Ta、W、Re、Pt及びSmが好ましく、中でも、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Zr、Ru、Rh、Pd、Ta、W及びPtが合成のし易さから好ましい。これらの中でも、特に、周期律表第5〜8族に属する遷移金属が好ましく、第8族金属がより好ましい。
【0015】
Lで定義される共役系骨格を有する有機配位子としては、具体的には、シクロペンタジエニル、インデニル、アズレニル、ピロール、チオフェン、ピリジン、ベンゼン、ボラタベンゼン、シクロヘキサジエン或いは式(I)で表される炭素クラスター等の構造単位を有する公知の5員環又は6員環共役系有機化合物、フェニルアセチリド、フェニルブタジイニド、トリメチルシリルブタジイニド等のアセチリド、あるいは置換基を有しても良いピロール、アニリン、ベンゼン(フェニレン)、アセチレン等のπ共役重合体又は共重合体が例示される。これらの中では、Lは、炭素クラスターアニオンに導入される置換基にも依るが、錯体の安定性から共役系環状骨格を有する有機配位子が好ましく、中でも炭素クラスターアニオンの5員環部が立体的に込み入っているため、立体障害の少ないシクロペンタジエニル、インデニル、アズレニル、ベンゼン、ビピリジン、シクロヘキサジエン構造単位を有する共役系環状有機化合物が好ましいが、特には限定されない。
【0016】
Xは、金属に結合した上記有機配位子以外の配位子或いは対イオンを示し、錯体が安定化されるために存在する配位子或いはハロゲン原子、対アニオンえある。炭素クラスターアニオンならびに共役系骨格を有する有機配位子のみからなる遷移金属錯体が安定である場合は、Xは存在しなくてもよい(n=0)。具体的には、THFやジメトキシエタン等のエーテル類、トリメチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、アセトニトリル等のニトリル類、CO等の中性配位子、Cl、Br等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert- ブトキシ基、ネオペントキシ基等のアルコキシ基、ジメチルアミド、ジエチルアミド等のアミド基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、メタンスルホネート、トシレート等のスルホネート、BF4、B(C6F5)4等のボレート、PF6等のホスフェート等のアニオンが挙げられる。このような配位子やアニオンの個数、すなわち、LやXの個数(m及びn)は使用する金属原子の性質によって決定されることは当業者に容易に理解されよう。また、これらの配位子やアニオン(L及びX)がそれぞれ複数個存在する場合は、それらは同一であっても異なっていてもよい。
【0017】
MLmnフラグメントは、金属1個の単核錯体フラグメントの形式で表現されているが、本発明においては、シクロペンタジエニルとの結合が可能なフラグメントであれば、複数個からなる2核錯体フラグメント、3個以上の金属クラスターフラグメントであってもよい。金属が複数個からなる場合は、金属は同一でも異なっていてもよい。
【0018】
本発明の金属錯体の製造方法としては、特に限定はされないが、先ず炭素クラスター誘導体と種々の金属錯体(塩)とを反応させた後、共役系骨格を有する有機配位子を金属に結合させる方法或いは炭素クラスターアニオンと共役系骨格を有する有機配位子を含む金属錯体とを反応させる方法が採用される。
【0019】
本発明の金属錯体の好ましい製造方法を、工程を挙げてより具体的に説明するが、その製造方法に限定されるものではない。
本発明の上記式(II)で表されるフラーレンから誘導される炭素クラスターアニオンがη5様式で金属に結合している遷移金属錯体の製造方法の一態様は、以下の工程(a)〜(d)を含むものである。
(a)フラーレンC60と、グリニャール試薬(RMgX)又は有機リチウム試薬(RLi)[但し、Rは上記と同義である]から調製される有機銅試薬との反応を経由して炭素クラスター誘導体を形成させる工程
(b)工程(a)で得られる炭素クラスター誘導体に金属アルコキシド又は金属アミドを反応させ、次いで臭化剤を反応させフラーレン誘導体の臭化物[C605−Br]を合成する工程
(c)工程(b)で得られた臭化フラーレン誘導体の低原子価遷移金属錯体への酸化的付加反応により炭素クラスターアニオンがη5様式で金属に結合している低原子価臭化遷移金属錯体を合成する工程
(d)工程(c)で得た遷移金属錯体に共役系骨格を有する有機配位子を有する金属錯体(塩)を反応させる工程。
【0020】
本発明製造方法の別の態様としては、下記工程▲1▼〜▲3▼を含む方法が挙げられる。
▲1▼ フラーレンC60と、グリニャール試薬(RMgX)又は有機リチウム試薬(RLi)[但し、Rは上記と同義である]から調製される有機銅試薬との反応を経由して炭素クラスター誘導体を形成させる工程
▲2▼ 工程▲1▼で得られる炭素クラスター誘導体と金属アルコキシド又は金属アミドを反応させ上記式(I)で表される炭素クラスターアニオンがη5様式で結合した金属錯体(塩)を合成する工程
▲3▼ 工程▲2▼で得られる炭素クラスターアニオンの金属錯体(塩)と共役系骨格を有する有機配位子を有する臭化遷移金属錯体とを反応させる工程。
【0021】
上記工程(a)及び▲1▼において、フラーレンC60と、グリニャール試薬(RMgX)又は有機リチウム試薬(RLi)[但し、Rは上記と同義である]から調製される有機銅試薬との反応を経由して炭素クラスター誘導体を形成させることは、公知の方法に準じて行うことができる。
反応に使用する有機銅試薬は、グリニャール試薬とハロゲン化銅との反応或いは有機リチウム試薬とハロゲン化銅との反応から調製される。
グリニャール試薬としては、RMgCl、RMgBr、RMgI(Rは上記に定義したのと同義である)などが挙げられ、ハロゲン化銅の具体的な例としては、CuBr・SMe2 (Me:メチル)などが挙げられる。グリニャール試薬又は有機リチウム試薬とハロゲン化銅をテトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒中で混合することにより有機銅試薬は調製することができる。
反応は、フラーレンC60をトルエン、クロロベンゼン等の芳香族系溶媒に溶解した溶液に、有機銅試薬の溶液を加え、必要に応じ塩化トリメチルシラン(TMSCl)やヘキサメチルホスホリックトリアミド(HMPA)又は1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(C5102O;DMI)を加えて反応させる。反応温度−78〜40℃で3〜50時間反応させた後、反応液に塩化アンモニウム水溶液等を加えて反応を停止する。反応生成液から、常法により目的物を単離できるが、生成するC605Hは、不安定な化合物であるので、これらの反応精製工程は、アルゴン雰囲気下、又は窒素雰囲気下で行うのが好ましい。
【0022】
上記工程(b)又は▲2▼において炭素クラスター誘導体と反応させる金属アルコキシド又は金属アミドの金属としては、Li、K、等のアルカリ金属、Tlが好ましく、又アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基等の低級アルコシキ基、アミド基としてはN(SiMe32、N(i−Pr)2等が挙げられる。具体的には、リチウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド、タリウムエトキシド又はK(N(SiMe32)等が挙げられる。入手のし易さ、取り扱いのし易さから、これらの中ではリチウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド、タリウムエトキシドが好ましい。
反応は、炭素クラスター誘導体に対し、金属アルコキシド又は金属アミドを0.5〜1.5当量程度用い、一般的には、−78℃〜室温程度の温度下、THF等の不活性溶媒中で行われる。溶媒の種類は、反応に不活性であれば特に限定されず、例えば、テトラヒドロフラン、トルエン等が用いられ、好ましくはこれらの混合溶媒が使用される。反応で得られる金属錯体は、炭素クラスターがη5様式で金属に結合するもの、例えば、Tl(η5−C605)、K(η5−C605)等である。
【0023】
工程(b)では、この金属錯体に、臭化剤、例えばN−ブロモコハク酸イミド(NBS) を不活性溶媒中で反応させ、炭素クラスターの臭化物(C605Br)を生成させる。反応は、室温下、不活性溶媒中で両者を略当量混合することによりおこなわれるが、金属アルコキシド又は金属アミドを反応させた反応液に、臭化剤を加え引き続き反応させることもできる。
次いで、工程(c)において、この炭素クラスター臭化物を低原子価遷移金属錯体へ酸化的付加反応させると、炭素クラスターアニオンがη5様式で金属に結合した臭化遷移金属錯体が生成する(例えば、[M(η5−C605)(CO)2Br])。
本発明では、一般に炭素クラスターがη5型様式で金属に結合するため、反応で用いる金属錯体(塩)としては、配位不飽和錯体(塩)や空の配位座が生成しやすい低原子価錯体を用いるのが好ましい。このような理由から、金属錯体の中では、低原子価状態が安定なV、Cr、Mn、Fe、Co、Mo、Ru、Rh、Pd、Ta、W及びRe金属が好ましい。
例えば、その様な低原子価錯体を遷移金属カルボニル化合物を例に例示すると、Fe(CO)5 、Co2(CO)8、Na[Co(CO)4]、V(CO)6,Cr(CO)6、Mo(CO)6、Ru(CO)5、W(CO)6、[RhCl(CO)22 等が挙げられる。
【0024】
工程(c)で得られる臭化遷移金属錯体に、共役系骨格を有する有機配位子を有する金属錯体(塩)、例えば金属シクロペンタジエニド(例えば、TlCp:Cp=シクロペンタジエニドイオン)を反応させ、金属交換によりシクロペンタジエニドイオンを共役系骨格を有する有機配位子として結合した本発明の金属錯体が製造される。
反応は、金属シクロペンタジエニドを原料に対し、当量乃至若干多めに用い、不活性溶媒中、温度約−78℃〜200℃、好ましくは室温〜150℃で反応させる。生成した錯体は、常法により反応液に貧溶媒を加える方法、反応液を濃縮又は乾固する方法、反応液を冷却する方法等の公知の方法で分離精製される。また、錯体の精製には、必要に応じてクロマトグラフィーを用いる。
【0025】
別法における工程▲2▼で製造された炭素クラスターアニオンがη5様式で結合した金属錯体に、工程▲3▼において、共役系骨格を有する有機配位子、例えばシクロペンタジエニドイオンを有する臭化遷移金属錯体を反応させることにより、本発明の金属錯体が製造できる。この▲3▼工程で使用するシクロペンタジエニドイオンを有する臭化遷移金属錯体は、公知の種々の錯体を用いることができる。
反応は、上記工程(c)とほぼ同様な反応条件下で行われる。
【0026】
【実施例】
本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例により限定されるものではない。
実施例1 C60Me5 Hの製造(Me:メチル基)
50mlの2径フラスコにC60(101mg,0.14mmol)を秤り取り、減圧下ヒートガンで加熱して乾燥を行ない、その後減圧のまま放冷した。この操作を2回くりかえした後、アルゴンを導入してオルトジクロロベンゼン(40ml)に溶解した。この溶液を減圧下、室温で20分間放置することにより脱気した。
CuBr・Me2 S(921mg,4.48mmol)のTHF(5ml)懸濁液をアルゴン雰囲気下、−78℃に冷却し、ここにMeMgBrのTHF溶液(1.03M,4.40mL,4.53mmol)を一度に加えた。この混合物を−78℃で25分間撹拌すると黄色い懸濁液となった。
【0027】
これに上記のC60のオルトジクロロベンゼン溶液をカニュラーで移し、さらに素早くHMPA(0.39ml,2.24mmol)とTMSCl(塩化トリメチルシラン)(35μl,0.28mmol)を加え、攪拌しながら水浴を用いて10分間で室温まで昇温した。室温で16時間攪拌した後、HPLCでC60が完全に消費されたことを確認し、系中に脱気した水(1.5ml)を加え攪拌した。混合物を10分間攪拌した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、アルゴン雰囲気下シリカゲルのカラムに通した。濾液を減圧下濃縮し、HMPAを除くため残渣を減圧下100℃で12時間加熱した。その後、わずかに混入した沈殿物を除去するために、残った固体を脱気したトルエンに溶かしアルゴン雰囲気下短いシリカゲルのカラムで濾過した。濾液を減圧下濃縮し目的物が赤褐色のアモルファス状の固体として106mg(収率95%)得られた。
1H NMR(CDCl3 ,δ):4.46(s,1H),2.42(s,3H),2.32(s,6H),2.30(s,6H).
【0028】
実施例2 C60Me5Br の製造
60Me5 H(499.0 mg, 0.626 mmol)のベンゼン( 22.0 ml)懸濁液に、カリウムtert-ブトキシド(0.50 M)のTHF溶液(1.5 ml)を加えた。80分撹拌した後、N-ブロムコハク酸イミド (167.0 mg, 0.939 mmol)を加え、混合物を10分間撹拌した。混合物をトルエンで希釈後、水で洗浄した。有機層を減圧下濃縮し、HPLCで精製した。 [Bucky Prep. (Nacalai Tesque Co., 20 mm x 250 mm), トルエン/i-プロピルアルコール = 7/3, 流速 = 18 ml/min, 滞留時間 = 約7.5 min])]。C60Me5Br (203.4 mg, 収率37 % )を、空気下で安定な赤橙色の固体として得た。生成物の物性は以下の通りである。
【0029】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) d 2.31 (s, 6H), 2.43 (s, 6H), 2.67 (s, 3H);
13C NMR (100 MHz, CDCl3) 24.68 (2C, Me), 26.37 (2C, Me), 37.73 (1C, Me), 50.60 (2C), 52.73 (2C), 54.10 (1C), 69.54 (1C), 141.91 (2C), 142.76 (2C), 143.05 (2C), 143.52 (2C), 143.82 (2C), 143.87 (2C), 144.19 (4C), 144.35 (2C), 144.42 (2C), 145.16 (4C), 146.71 (2C), 146.76 (2C), 147.64 (2C), 147.87 (2C), 147.95 (1C), 148.06 (2C), 148.28 (6C), 148.51 (2C), 148.58 (2C), 152.00 (2C), 153.34 (2C), 155.18 (2C), 157.15 (2C)
FAB-MS (+) m/z = 874 (M+);
APCI-MS (+) m/z = 874 (M+).
【0030】
実施例3 Fe(η5−C60Me5)(CO)2Br の製造
60Me5Br (184.74 mg、0.211 mmol) のオルトジクロロベンゼン (3ml) 溶液中にFe(CO)5 (0.27 ml 、2.05 mmol)を加え、反応液を25 ℃で24時間撹拌させると暗橙色の沈殿が生成した。この懸濁液に脱気したヘキサン(15 ml)を加え、沈殿物を濾別した。得られた粉末をヘキサンで洗浄後、真空乾燥して Fe(η5−C60Me5)(CO)2Br(176.5 mg, 収率85 % ) を得た。生成物の物性は以下の通りである。
【0031】
1H NMR (400 MHz, C6D6) d 2.23 (s, 15H);
13C NMR (100 MHz, C6D6) d 28.70 (5C, C(Me)), 51.11 (5C, C(a)), 105.89 (5C, C(Cp)), 143.62 (10C), 144.10 (10C), 147.38 (5C), 148.59 (10C), 148.86 (5C), 152.33 (10C), 214.06 (2C, C(CO)):
IR (KBr, n/cm-1) 2037, 1996.
【0032】
実施例4 Fe(η5−Cp)(η5−C60Me5) の製造 (Cp = C5H5)
i) Fe(η5−C60Me5)(CO)2Br を出発原料とした方法
Fe(η5−C60Me5)(CO)2Br (171.5 mg, 0.174 mmol) と TlCp (52.6 mg, 0.195 mmol) とのオルトジクロロベンゼン(5.7ml)懸濁液を50℃で28時間、更に120℃で6時間加熱させた後、反応液に飽和NH4Cl水溶液(2.0 ml)を加えて反応を停止した。トルエン(25ml) で反応液を希釈した後、無水 MgSO4 を加えて希釈液の乾燥を行った( 30 分間)。希釈液を濾過後、濾液から溶媒を減圧下で留去した。錯体の精製は、HPLC を用いて行った[Bucky Prep. (Nacalai Tesque Co., 20 mm x 250 mm), トルエン/i-プロピルアルコール = 7/3, 流速 = 12 ml/min、滞留時間 = 約9.5 min]。 分取した液から橙色の空気下で安定な微結晶としてFe(η5−Cp)(η5−C60Me5)が得られた(37.7 mg, 収率24 % )。生成物の物性は以下の通りである。
【0033】
1H NMR (400 MHz, C6D6) d 2.12 (s, 15H), 4.42 (s, 5H);
1H NMR (400 MHz, CDCl3) d 2.46 (s, 15H), 4.91 (s, 5H);
13C NMR (100 MHz, CDCl3) d 29.33 (5C, Me), 50.39 (5C, C(a)), 77.54 (5C, C(Cp)), 91.86 (5C, C(fullereneCp)), 143.04 (10C), 144.11 (10C), 146.87 (5C), 147.87 (10C), 148.09 (5C), 154.76 (10C); APCI-MS (+): m/z = 916 (M+).
【0034】
ii) Tl(η5−C60Me5)を用いた方法
60Me5 H(498.70 mg, 0.626 mmol) のオルトジクロロベンゼン (5ml) 溶液にTlOEt (50.0 mL、0.706 mmol)を加え、反応液を 25 ℃で 50 分間撹拌させた。反応液から減圧下で溶媒を留去するとTl(η5−C60Me5) が暗褐色粉末として得られた。 得られたTl(η5−C60Me5) と FeCp(CO)2Br (177.2 mg, 0.690 mmol) のオルトジクロロベンゼン(5ml)の懸濁液を120℃で24時間加熱させた後、反応液に飽和NH4Cl水溶液(2.0 ml)を加えて反応を停止した。トルエン(20ml) で反応液を希釈した後、無水 MgSO4 を加えて希釈液の乾燥を行った( 30 分間)。濾過後、濾液から溶媒を減圧下で留去した。錯体の精製は、HPLC を用いて行った[Bucky Prep. (Nacalai Tesque Co., 20 mm x 250 mm), トルエン/i-プロピルアルコール = 7/3, 流速 = 12 ml/min, 滞留時間 = 約9.5 min]。分取した液から橙色の空気下で安定な微結晶としてFe(η5−Cp)(η5−C60Me5)が得られた(56.1 mg, 収率10 % )。生成物の物性は以下の通りである。
【0035】
1H NMR (400 MHz, C6D6) d 2.12 (s, 15H), 4.42 (s, 5H);
1H NMR (400 MHz, CDCl3) d 2.46 (s, 15H), 4.91 (s, 5H);
13C NMR (100 MHz, CDCl3) d 29.33 (5C, Me), 50.39 (5C, C(a)), 77.54 (5C, C(Cp)), 91.86 (5C, C(fullereneCp)), 143.04 (10C), 144.11 (10C), 146.87 (5C), 147.87 (10C), 148.09 (5C), 154.76 (10C);
APCI-MS (+): m/z = 916 (M+).
Fe(η5−Cp)(η5−C60Me5)のX線結晶構造図を図1に示す。
Fe(η5−Cp)(η5−C60Me5)の結晶化は、CS2/EtOH混合溶媒で行った。得られた赤色結晶をDIP2030(Mac Science,Japan)で解析した。結晶データ及び解析データを表1に示した。また、結晶中の原子座標及び等方性温度因子を表2に示した。作図及び計算はmaXus(Mac Science,Japan)により行った。
【0036】
【表1】
Figure 0003995889
【0037】
【表2】
Figure 0003995889
【0038】
【表3】
Figure 0003995889
【0039】
【表4】
Figure 0003995889
【0040】
【表5】
Figure 0003995889
【0041】
【表6】
Figure 0003995889
【0042】
【発明の効果】
本発明の遷移金属錯体は、フラーレン骨格の炭素クラスターがη5型で結合し、且つ共役系骨格を有する有機配位子も結合しているので、電気伝導性等に優れ、またフラーレン骨格の電気化学的、光化学的特性を有する機能性分子として触媒や機能材料への用途が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の炭素クラスターがη5型でFeに結合し、且つシクロペンタジエニル基を配位した金属錯体のX線結晶構造図である。

Claims (11)

  1. 少なくとも下記の式(I)で表される骨格を有するフラーレンC 60 から誘導される炭素クラスターアニオン及び共役系骨格を有する有機配位子を含有する周期律表第3〜10族に属する遷移金属錯体。
    Figure 0003995889
    (式(I)中、Rは、互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子或いは有機基を表す。)
  2. 炭素クラスターアニオンが下記式(II)で表されるη5様式で金属に結合していることを特徴とする請求項1に記載の遷移金属錯体。
    Figure 0003995889
    (式(II)中、Rは、互いに独立して同一であっても異なっていてもよく、水素原子或いは有機基を表し、MLmnは、上記式(I)で表される炭素クラスターアニオンを含めた共役系骨格を有する有機配位子を含む金属フラグメントを表す。Mは周期律表第3〜10族に属する遷移金属から選ばれる金属原子を表し、Lは共役系骨格を有する有機配位子を表し、Xは金属に結合した該有機配位子以外の配位子或いは対イオンを表す。ここで、m≧1、n≧0である。)
  3. 上記式(I)又は(II)において、Rで示される有機基が置換基を有していても良いアリール基、アルキル基又はアルケニル基であることを特徴とする請求項又はのいずれかに記載の遷移金属錯体。
  4. 上記式(I)又は(II)において、Rで示される置換基を有していても良いアリール基が置換基を有していても良いフェニル基又はナフチル基であり、置換基を有していても良いアルケニル基が置換基を有していても良い1−アルケニル基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の遷移金属錯体。
  5. 金属原子が、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Zr、Mo、Ru、Rh、Pd、Hf、Ta、W、Re、Pt及びSmからなる群から選ばれることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の遷移金属錯体。
  6. 共役系骨格を有する有機配位子が、上記式(I)で表される炭素クラスターアニオンを含めた共役系環状骨格を有する有機配位子であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の遷移金属錯体。
  7. 共役系環状骨格を有する有機配位子が金属に環状骨格の面で結合していることを特徴とする請求項に記載の遷移金属錯体。
  8. 共役系環状骨格を有する有機配位子がシクロペンタジエニル環構造単位を有する配位子であることを特徴とする請求項又はのいずれかに記載の遷移金属錯体。
  9. 上記式(II)で表されるフラーレンから誘導される炭素クラスターアニオンがη5様式で金属に結合している遷移金属錯体の製造方法であって、下記工程(a)〜(d)を含むことを特徴とする方法。
    工程;
    (a)フラーレンC60と、グリニャール試薬(RMgX)又は有機リチウム試薬(RLi)[但し、Rは上記と同義である]から調製される有機銅試薬との反応を経由して炭素クラスター誘導体を形成させる工程
    (b)工程(a)で得られる炭素クラスター誘導体に金属アルコキシド又は金属アミドを反応させ、次いで臭化剤を反応させフラーレン誘導体の臭化物[C605−Br]を合成する工程
    (c)工程(b)で得られた臭化フラーレン誘導体の低原子価遷移金属錯体への酸化的付加反応により炭素クラスターアニオンがη5様式で金属に結合している低原子価臭化遷移金属錯体を合成する工程
    (d)工程(c)で得た遷移金属錯体に共役系骨格を有する有機配位子を有する金属錯体(塩)を反応させる工程。
  10. 上記式(II)で表されるフラーレンから誘導される炭素クラスターアニオンがη5様式で金属に結合している遷移金属錯体の製造方法であって、下記工程(1)(3)を含むことを特徴とする方法。
    工程:
    (1) フラーレンC60と、グリニャール試薬(RMgX)又は有機リチウム試薬(RLi)[但し、Rは上記と同義である]から調製される有機銅試薬との反応を経由して炭素クラスター誘導体を形成させる工程
    (2) 工程(1)で得られる炭素クラスター誘導体と金属アルコキシド又は金属アミドを反応させ上記式(I)で表される炭素クラスターアニオンがη5様式で結合した金属錯体(塩)を合成する工程
    (3) 工程(2)で得られる炭素クラスターアニオンの金属錯体(塩)と共役系骨格を有する有機配位子を有する臭化遷移金属錯体とを反応させる工程。
  11. 共役系骨格を有する有機配位子がシクロペンタジエニル基であることを特徴とする請求項又は10に記載の製造方法。
JP2001043179A 2001-02-20 2001-02-20 炭素クラスターアニオン及び共役系有機配位子を有する金属錯体並びにその製造方法 Expired - Lifetime JP3995889B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001043179A JP3995889B2 (ja) 2001-02-20 2001-02-20 炭素クラスターアニオン及び共役系有機配位子を有する金属錯体並びにその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001043179A JP3995889B2 (ja) 2001-02-20 2001-02-20 炭素クラスターアニオン及び共役系有機配位子を有する金属錯体並びにその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002241389A JP2002241389A (ja) 2002-08-28
JP3995889B2 true JP3995889B2 (ja) 2007-10-24

Family

ID=18905391

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001043179A Expired - Lifetime JP3995889B2 (ja) 2001-02-20 2001-02-20 炭素クラスターアニオン及び共役系有機配位子を有する金属錯体並びにその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3995889B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7547429B2 (en) * 2003-05-30 2009-06-16 Eiichi Nakamura Fullerene derivatives and processes for producing the same
JP5265640B2 (ja) * 2004-01-22 2013-08-14 三菱商事株式会社 フラーレン誘導体及びフラーレン金属錯体、並びにそれらの製造方法
JP4953124B2 (ja) * 2007-02-21 2012-06-13 独立行政法人科学技術振興機構 オレフィン用重合触媒

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002241389A (ja) 2002-08-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4115674B2 (ja) 炭素クラスターアニオン及びこれを含む金属錯体
Bianconi et al. Higher coordinate complexes. 23. Reductive coupling of carbon monoxide ligands to form coordinated bis (trimethylsiloxy) ethyne in seven-coordinate niobium (I) and tantalum (I)[M (CO) 2 (dmpe) 2Cl] complexes
Cadierno et al. Indenyl complexes of Group 8 metals
JP3919028B2 (ja) 炭素クラスター誘導体
Deetlefs et al. Stoichiometric and catalytic reactions of gold utilizing ionic liquids
JP3480298B2 (ja) C60誘導体
JP3694371B2 (ja) メタロセン化合物の新規な合成方法
JPH06506475A (ja) 燐化合物
CN1140532C (zh) 二膦的制备方法
JP3995889B2 (ja) 炭素クラスターアニオン及び共役系有機配位子を有する金属錯体並びにその製造方法
JP4109458B2 (ja) フラーレン誘導体及び金属錯体
JP2002529374A (ja) ジホスフィン
JP4390770B2 (ja) rac−ジオルガノシリルビス(2−メチルベンゾ[e]インデニル)ジルコニウム化合物のラセモ選択的合成法
Abdelbagi et al. 2, 2′-Bis (methylene) biphenylidene-bridged bis (3-indenyl) dichloride complexes of Ti, Zr and Hf as catalyst precursors for ethylene polymerization
Eichberg et al. Radial (tetracyclopentadienyl) cyclobutadiene pentametals
JP2003292495A (ja) 銅錯体およびこれを用いた銅含有薄膜の製造方法
CN111039767A (zh) 一种三唑卡宾催化制备氘代醛的方法
Kai-Ming et al. Synthesis and characterization of (β-diketonato) silver complexes of 7-tert-butoxynorbornadiene. Single-crystal structures of (hfac)(7-But-O-NBD) Ag and [(hfac) 2 (7-But-O-NBD) Ag2] n
JP2005529865A (ja) インデン置換体の製造方法
CN117263996B (zh) 一种茂基镁配合物及其制备工艺与应用
Erker et al. Selective formation of alkenylcyclopentadienyl substituents by means of olefin/butadiene coupling at zirconium
Chinen et al. Trimerization and cyclization of reactive P-functionalities confined within OCO pincers
JP3823326B2 (ja) メタロセン化合物の製造法
Martell Synthesis of Metallocene Derivatives: Precursors for the Preparation of [1] Metallocenophanes
AU2020300124A1 (en) Title of the invention:a new process for synthesizing C2 bridged cyclopentadienyl ligands and corresponding ansa-metallocene catalysts

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040212

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070517

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070605

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070702

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20070702

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070731

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070801

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100810

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3995889

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100810

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100810

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110810

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120810

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130810

Year of fee payment: 6

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term