JP4590637B2 - ベンゼン誘導体の製造方法 - Google Patents
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Description
JerryMarch著 AdvancedOrganic Chemistry, 4th ed.; Wiley: New York, 1992; Chapter 11, p 501. Chem.Rev. 2000, 100, 2901.
一般式(1)
ただし、R1及びR2、R3及びR4、R4及びR5、R5及びR6、R6及びR7、R7及びR8、R9及びR10は、それぞれ、互いに架橋してC4-C10飽和環叉は不飽和環を形成してもよく、前記環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子叉は式-N(B)-で示される基(式中、Bは水素原子叉はC1-C10炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよい。)
で表されるトリエノールを、ルテニウムもしくはモリブデン触媒の存在下で反応させることを特徴とする
一般式(2)
で表されるベンゼン誘導体の製造方法を提供するもの。
ただし、R1及びR2、R3及びR4、R4及びR5、R5及びR6、R6及びR7、R7及びR8、R9及びR10は、それぞれ、互いに架橋してC4-C10飽和環叉は不飽和環を形成してもよく、前記環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子叉は式-N(B)-で示される基(式中、Bは水素原子叉はC1-C10炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよい。)
で表されるトリエノールを、ルテニウムもしくはモリブデン触媒の存在下で反応させることを特徴とする
一般式(4)
で表されるベンゼン誘導体の製造方法を提供するもの。
ただし、R1及びR2、R8及びR3、R3及びR4、R4及びR5、R5及びR6、R6及びR7、R9及びR10は、それぞれ、互いに架橋してC4-C10飽和環叉は不飽和環を形成してもよく、前記環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子叉は式-N(B)-で示される基(式中、Bは水素原子叉はC1-C10炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよい。)
で表されるトリエノールを、ルテニウムもしくはモリブデン触媒の存在下で反応させることを特徴とする
一般式(6)
で表されるベンゼン誘導体を提供するもの。
ただし、R1及びR2、R3及びR4、R4及びR5、R6及びR7は、それぞれ、互いに架橋してC4-C10飽和環叉は不飽和環を形成してもよく、前記環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子叉は式-N(B)-で示される基(式中、Bは水素原子叉はC1-C10炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよい。)
で表されるジエノールと、
一般式(8)
ただし、R8及びR9、R10及びR11、R11及びR12、R13及びR14は、それぞれ、互いに架橋してC4-C10飽和環叉は不飽和環を形成してもよく、前記環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子叉は式-N(B)-で示される基(式中、Bは水素原子叉はC1-C10炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよい。)
で表されるジエンを、ルテニウムもしくはモリブデン触媒の存在下で反応させることを特徴とする
一般式(9)
で表されるベンゼン誘導体、および一般式(10)
で表されるベンゼン誘導体の製造方法を提供するものである。
本明細書において、「C1-C20炭化水素基」の炭化水素基は、飽和若しくは不飽和の非環式であってもよいし、飽和若しくは不飽和の環式であってもよい。C1-C20炭化水素基が非環式の場合には、線上でもよいし、枝分かれでもよい。「C1-C20炭化水素基」にはC1-C20アルキル基、C2-C20アルケニル基、C2-C20アルキニル基、C4-C20アルキルジエニル基、C6-C20アリール基、C6-C20アルキルアリール基、C6-C20アリールアルキル基、C3-C20シクロアルキル基、C3-C20シクロアルケニル基、(C3-C10シクロアルキル)C1-C20アルキル基などが含まれる。
まず、一般式(1)で表される原料をルテニウム触媒の存在下に反応させ、一般式(2)で表されるベンゼン化合物を得る製造方法について説明する。
溶媒はそれぞれ単独で叉は2種以上を組み合わせて用いられ、その使用量は原料に対して通常は1重量倍以上2000重量倍以下、好ましくは5重量倍以上500重量倍以下程度である。
反応温度は-78℃から200℃、好ましくは0℃から150℃、さらに好ましくは20℃から100℃で実施する。
反応時間は特に限定されないが、好ましくは1分から24時間、さらに好ましくは10分から12時間で実施する。
反応終了後、生成したベンゼン化合物(2)は、例えば、溶媒を留去することにより、反応マスから取り出すことができる。また、得られたベンゼン化合物は、必要に応じて蒸留等の手段を施すことにより、更に精製することもできる。
本反応において、原料、ルテニウム触媒、及び溶媒は任意の順序で加えることができる。
溶媒はそれぞれ単独で叉は2種以上を組み合わせて用いられ、その使用量は原料に対して通常は1重量倍以上2000重量倍以下、好ましくは5重量倍以上500重量倍以下程度である。
反応温度は-78℃から200℃、好ましくは0℃から150℃、さらに好ましくは20℃から100℃で実施する。
反応時間は特に限定されないが、好ましくは1分から24時間、さらに好ましくは10分から12時間で実施する。
反応終了後、生成したベンゼン化合物(4)は、例えば、溶媒を留去することにより、反応マスから取り出すことができる。また、得られたベンゼン化合物は、必要に応じて蒸留等の手段を施すことにより、更に精製することもできる。
本反応において、原料、ルテニウム触媒、及び溶媒は任意の順序で加えることができる。
溶媒はそれぞれ単独で叉は2種以上を組み合わせて用いられ、その使用量は原料に対して通常は1重量倍以上2000重量倍以下、好ましくは5重量倍以上500重量倍以下程度である。
反応温度は-78℃から200℃、好ましくは0℃から150℃、さらに好ましくは20℃から100℃で実施する。
反応時間は特に限定されないが、好ましくは1分から24時間、さらに好ましくは10分から12時間で実施する。
反応終了後、生成したベンゼン化合物(6)は、例えば、溶媒を留去することにより、反応マスから取り出すことができる。また、得られたベンゼン化合物は、必要に応じて蒸留等の手段を施すことにより、更に精製することもできる。
本反応において、原料、ルテニウム触媒、及び溶媒は任意の順序で加えることができる。
溶媒はそれぞれ単独で叉は2種以上を組み合わせて用いられ、その使用量は原料に対して通常は1重量倍以上2000重量倍以下、好ましくは5重量倍以上500重量倍以下程度である。
原料(7)及び原料(8)の比率は任意であるが、通常一方に対して、他方を1モル倍以上100モル倍以下、好ましくは10モル倍以下使用する。
反応温度は-78℃から200℃、好ましくは0℃から150℃、さらに好ましくは20℃から100℃で実施する。
反応時間は特に限定されないが、好ましくは1分から24時間、さらに好ましくは10分から12時間で実施する。
反応終了後、生成したベンゼン化合物(9)及び(10)は、例えば、溶媒を留去することにより、反応マスから取り出すことができる。また、得られたベンゼン化合物は、必要に応じて蒸留等の手段を施すことにより、更に精製することもできる。
本反応において、原料(7)、原料(8)、ルテニウム触媒、及び溶媒は任意の順序で加えることができる。
窒素雰囲気下、(Z)-2-メチル-4,5-ジプロピル-オクタ-1,4,7-トリエン-3-オール(44.5mg, 0.200 mmol)、ジクロロメタン(20 mL)、ベンジリデンビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ジクロロルテニウム(12.3 mg, 0.015 mmol)を室温で反応器に仕込み、同温度で2時間撹拌した。この反応液を、減圧下、溶媒を留去し、得られた残査をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル = 20/1)を用いて精製し、o-ジプロピルベンゼン(35.3mg, >99%)を得た。1H NMRデータ、及びHRMSデータは、以下のようであった。1H NMR (CDCl3)・0.98 (t, J = 7.3
Hz, 3H), 0.98 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 1.55-1.62 (m, 4H), 2.29 (s, 3H),
2.53-2.56 (m, 4H), 6.93 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 6.96 (s, 1H)7.03 (d, J
= 8.0 Hz, 1H). 13C NMR (CDCl3)・14.67, 14.72, 21.38, 24.87, 24.88, 34.80, 35.19, 126.82, 129.48,
130.32, 135.41, 137.70, 140.63. HRMS (EI) calcd for C13H20
(M+) 176.1566, found 176.1578.
実施例1の(Z)-2-メチル-4,5-ジプロピル-オクタ-1,4,7-トリエン-3-オールの代わりに(Z)-4,5-ジプロピル-オクタ-1,4,7-トリエン-3-オール、(Z)-4-フェニル-オクタ-1,4,7-トリエン-3-オール、(Z)-5-デューテリオ-4-フェニル-オクタ-1,4,7-トリエン-3-オール、(Z)-2-メチル-4-フェニル-オクタ-1,4,7-トリエン-3-オール、(E)-2-エチル-4-トリメチルシリル-オクタ-1,4,7-トリエン-3-オン、(E)-4-(2-メトキシ-エチル)-2-メチル-5-フェニル-オクタ-1,4,7-トリエン-3-オール、(Z)-3-メチル-4-フェニル-オクタ-1,4,7-トリエン-3-オール、(Z)-2,6-ジメチル-4-フェニル-オクタ-1,4-7-トリエン-3-オールを用いてそれぞれ実施例1に準じて反応を実施し、対応する1,2-ジプロピル-ベンゼン(>99%)、ビフェニル(97%)、2-デューテリオ-ビフェニル(96%)、3-メチル-ビフェニル(>99%)、1-エチル-3-(トリメチルシリル)ベンゼン(94%)、2-(2-メトキシ-エチル)-1,4-ジメチル-ベンゼン(99%)、2-メチル-ビフェニル(80%)、3,5-ジメチル-ビフェニル(84%)を得た。反応原料によっては、オレフィンメタセシス直後に形成されるシクロヘキサ-2,5-ジエノールの自動的な脱水反応によるベンゼン化合物の形成が遅いものがあるが、このような場合はオレフィンメタセシス反応直後に、酸触媒としてパラトルエンスルホン酸等を極少量反応系中に加えると脱水反応を促進することもできる。
Claims (3)
- 一般式(1)
ただし、R1及びR2、R3及びR4、R4及びR5、R5及びR6、R6及びR7、R7及びR8、R9及びR10は、それぞれ、互いに架橋してC4-C10飽和環叉は不飽和環を形成してもよく、前記環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子叉は式-N(B)-で示される基(式中、Bは水素原子叉はC1-C10炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよい。)
で表されるトリエノールを、ルテニウムもしくはモリブデン触媒の存在下で反応させることを特徴とする
一般式(2)
で表されるベンゼン誘導体の製造方法。 - 一般式(3)
ただし、R1及びR2、R3及びR4、R4及びR5、R5及びR6、R6及びR7、R7及びR8、R9及びR10は、それぞれ、互いに架橋してC4-C10飽和環叉は不飽和環を形成してもよく、前記環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子叉は式-N(B)-で示される基(式中、Bは水素原子叉はC1-C10炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよい。)
で表されるトリエノールを、ルテニウムもしくはモリブデン触媒の存在下で反応させることを特徴とする
一般式(4)
で表されるベンゼン誘導体の製造方法。 - 一般式(5)
ただし、R1及びR2、R8及びR3、R3及びR4、R4及びR5、R5及びR6、R6及びR7、R9及びR10は、それぞれ、互いに架橋してC4-C10飽和環叉は不飽和環を形成してもよく、前記環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子叉は式-N(B)-で示される基(式中、Bは水素原子叉はC1-C10炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよい。)
で表されるトリエノールを、ルテニウムもしくはモリブデン触媒の存在下で反応させることを特徴とする
一般式(6)
で表されるベンゼン誘導体の製造方法。
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