JP4877444B2 - ブラックマトリックス用着色材料及び該ブラックマトリックス用着色材料を含むブラックマトリックス用着色組成物並びにカラーフィルター - Google Patents

ブラックマトリックス用着色材料及び該ブラックマトリックス用着色材料を含むブラックマトリックス用着色組成物並びにカラーフィルター Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、シャープな粒度分布及び高い電気抵抗値を有すると共に、遮光性及び耐光性に優れたブラックマトリックス用着色材料を提供する。
【0002】
【従来の技術】
現在の情報化社会において、パーソナルコンピュータを始めとした各種情報機器がビジネス用、個人・家庭用を問わず普及しており、その端末には必ずディスプレイが組み込まれている。殊に、携帯型の情報機器は、軽量、省スペースが要求されることから、液晶表示素子(LCD)が用いられていると共に、カラー化が進んでいる。
【0003】
カラー液晶表示素子(LCD)は、ガラス基板上に、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色又はC(シアン)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)の3原色を規則的に配列したカラーフィルター層と遮光用のブラックマトリックス層を形成することにより得られる。
【0004】
ブラックマトリックス層は、1)画素以外の部分でのバックライトの光を遮り、表示コントラストを向上する、2)隣接する各画素の混色を防止し、色純度の低下を防ぐ、3)光電流によるTFTの動作不全を防止する、4)表示面への背景光の映り込みによるコントラストの低下を防ぐ、等の目的のために設けられている。
【0005】
近年の液晶表示素子(LCD)の高画質化に伴い、ブラックマトリックス層にもより高性能化が求められており、上記目的を達成するために、高い遮光率、低反射率及びファインパターン性が要求されている。
【0006】
従来より、ブラックマトリックス材料として、クロム系材料を用いた金属薄膜が用いられているが、近年、環境汚染等の問題から、カーボンブラックを樹脂中に配合した黒色樹脂膜が実用化されている(特開平6−9915号公報等)。
【0007】
しかしながら、カーボンブラックを用いたブラックマトリックスは、反射率が低いという点では優れているが、一般にカーボンブラックは導電性を有しているため、これを用いたブラックマトリックスは、高抵抗であることが要求されるSTN方式やMIN方式の液晶パネルには適さない。
【0008】
ブラックマトリックスの遮光性を確保しながら、電気抵抗の低減を抑制するため技術として、カーボンブラックとともにペリレン系黒色顔料を配合することが行われている(特開平10−219167)。
【0009】
また、カーボンブラックは一般に、微粒子であることに起因して、通常は凝集体として挙動するため、樹脂中に配合した場合、均一に分散させることが困難であり、遮光性が低下する傾向にあるため、優れた分散性を有するブラックマトリックス用着色材料が要求されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
シャープな粒度分布及び高い電気抵抗値を有すると共に、遮光性及び耐光性に優れたブラックマトリックス用着色材料は、現在最も要求されているところであるが、未だ得られていない。
【0011】
即ち、前出特開平10−219167号公報には、樹脂中にカーボンブラックと共にペリレン系黒色顔料を配合したブラックマトリックス層用インキが記載されているが、カーボンブラック及びペリレンブラック系黒色顔料の粒度分布が広く、分散性が十分とは言い難いため、十分な遮光性を得ることが困難である。
【0012】
なお、特開平11−323174号公報には、黒色酸化鉄粒子粉末又は黒色含水酸化鉄粒子粉末の粒子表面にアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物が被覆されており、該オルガノシラン化合物被覆にカーボンブラックが付着している鉄系黒色複合粒子粉末が記載されているが、黒色の芯粒子に黒色のカーボンブラックを固着させる技術である。
【0013】
そこで、本発明は、シャープな粒度分布及び高い電気抵抗値を有すると共に、遮光性及び耐光性に優れたブラックマトリックス用着色材料を得ることを技術的課題とする。
【0014】
【課題を解決する為の手段】
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
【0015】
即ち、本発明は、白色無機粒子の粒子表面が糊剤によって被覆されていると共に該被覆に有機顔料及び/又はカーボンブラックが付着している平均粒子径0.001〜1.0μmの複合粒子粉末からなり、前記有機顔料及び/又はカーボンブラックの全付着量が前記白色無機粒子100重量部に対して1〜500重量部であることを特徴とするブラックマトリックス用着色材料である(本発明1)。
【0016】
また、本発明は、本発明1の白色無機粒子の粒子表面が、あらかじめアルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物より選ばれる少なくとも一種からなる中間被覆物によって被覆されていることを特徴とするブラックマトリックス用着色材料である(本発明2)。
【0017】
また、本発明は、本発明1又は本発明2のブラックマトリックス用着色材料を含むブラックマトリックス用着色組成物である(本発明3)。
【0018】
また、本発明は、本発明1又は本発明2のブラックマトリックス用着色材料を含むカラーフィルターである(本発明4)。
【0019】
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
【0020】
先ず、本発明に係るブラックマトリックス用着色材料について述べる。
【0021】
本発明に係るブラックマトリックス用着色材料は、芯粒子である白色無機粒子の粒子表面に、糊剤が被覆されており、該糊剤被覆に有機顔料及び/又はカーボンブラック(以下、「有機顔料等」という。)が付着している平均粒子径0.001〜1.0μmの複合粒子からなる。
【0022】
本発明における白色無機粒子としては、二酸化チタン、酸化亜鉛等の白色顔料、シリカ粉、ホワイトカーボン、微粉ケイ酸、珪藻土等のシリカ微粒子並びにクレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナホワイト、タルク及び透明性酸化チタン等の体質顔料が挙げられる。得られるブラックマトリックス用着色材料の黒色度を考慮すれば、体質顔料が好ましい。
【0023】
白色無機粒子の粒子形状は、球状、粒状、多面体状、針状、紡錘状、米粒状、フレーク状、鱗片状及び板状等のいずれの形状であってもよい。
【0024】
白色無機粒子の粒子サイズは、平均粒子径が0.0009〜0.99μm、好ましくは0.0014〜0.49μm、より好ましくは0.0019〜0.19μmである
【0025】
平均粒子径が0.99μmを超える場合には、得られるブラックマトリックス用着色材料が粗大粒子となり、着色力が低下するため好ましくない。
【0026】
本発明における白色無機粒子粉末の粒子径の幾何標準偏差値は2.0以下が好ましく、より好ましくは1.8以下、更に好ましくは1.5以下である。2.0を超える場合には、得られるブラックマトリックス用着色材料の粒度分布もまた広いものとなり、分散性が低下する。工業的な生産性を考慮すれば、白色無機粒子粉末の粒子径の幾何標準偏差値の下限値は1.01である。
【0027】
白色無機粒子のBET比表面積値は0.5m/g以上である。BET比表面積値が0.5m/g未満の場合には、白色無機粒子が粗大であったり、粒子及び粒子相互間で焼結が生じた粒子となっており、得られるブラックマトリックス用着色材料は粗大粒子となり着色力が低下する。ブラックマトリックス用着色材料の着色力を考慮すると、BET比表面積値は、好ましくは1.0m/g以上、より好ましくは1.5m/g以上である。白色無機粒子の粒子表面への糊剤による均一な被覆処理及び有機顔料等による均一な付着処理を考慮すると、その上限値は500m/gであり、好ましくは400m/g、より好ましくは300m/gである。
【0028】
本発明における白色無機粒子の色相は、L値が70.00以上であり、より好ましくは75.00以上であり、C値が18.00以下、好ましくは15.00以下、より好ましくは12.00以下である。L値、C値が上記範囲外の場合には、色相が白色を呈しているとは言い難く、本発明の目的とするブラックマトリックス用着色材料を得ることが困難となる。
【0029】
本発明における白色無機粒子の隠蔽力は、600cm/g未満が好ましい。得られるブラックマトリックス用着色材料の透明性を考慮すれば、隠蔽力は500cm/g以下がより好ましく、更に好ましくは400cm/g以下である。
【0030】
白色無機粒子の耐光性は、後述する評価方法により、ΔE値の下限値は通常5.0を超え、上限値は12.0、好ましくは11.0、より好ましくは10.0である。
【0031】
本発明における糊剤としては、白色無機粒子の粒子表面へ有機顔料等を付着できるものであれば何を用いてもよく、好ましくはアルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、ポリシロキサン等の有機ケイ素化合物、シラン系、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系の各種カップリング剤、オリゴマー又は高分子化合物の一種又は二種以上である。白色無機粒子の粒子表面への有機顔料等の付着強度を考慮すれば、より好ましくはアルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、ポリシロキサン等の有機ケイ素化合物、シラン系、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系の各種カップリング剤である。
【0032】
殊に、芯粒子粉末としてシリカ微粒子を用いた場合には、糊剤としては、有機ケイ素化合物もしくはシラン系カップリング剤を用いることが好ましい。
【0033】
本発明における有機ケイ素化合物としては、化1で表わされるアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物、化2で表わされるポリシロキサン、化3で表わされる変成ポリシロキサン、化4で表わされる末端変成ポリシロキサン並びに化5で表されるフルオロアルキルシラン又はこれらの混合物を用いることができる。
【0034】
【化1】
Figure 0004877444
【0035】
アルコキシシランとしては、具体的には、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0036】
白色無機粒子の粒子表面への有機顔料等の付着強度を考慮すると、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランから生成するオルガノシラン化合物がより好ましく、最も好ましくはメチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン及びフェニルトリエトキシシランから生成するオルガノシラン化合物である。
【0037】
【化2】
Figure 0004877444
【0038】
【化3】
Figure 0004877444
【0039】
【化4】
Figure 0004877444
【0040】
白色無機粒子の粒子表面への有機顔料等の付着強度を考慮すると、メチルハイドロジェンシロキサン単位を有するポリシロキサン、ポリエーテル変成ポリシロキサン及び末端がカルボン酸で変成された末端カルボン酸変成ポリシロキサンが好ましい。
【0041】
【化5】
Figure 0004877444
【0042】
フルオロアルキルシランとしては、具体的には、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルロデシルメチルジメトキシシラン、トリフルオロプロピルエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0043】
白色無機粒子の粒子表面への有機顔料等の付着強度を考慮すると、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシランから生成するフッ素含有オルガノシラン化合物が好ましく、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシランから生成するフッ素含有オルガノシラン化合物が最も好ましい。
【0044】
カップリング剤のうち、シラン系カップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0045】
チタネート系カップリング剤としては、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスフェイト)チタネート、テトラ(2−2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスフェイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
【0046】
アルミネート系カップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムジイソプロボキシモノエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等が挙げられる。
【0047】
ジルコネート系カップリング剤としては、ジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビスアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラキスエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシモノエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート等が挙げられる。
【0048】
オリゴマーとしては、分子量300以上、10,000未満のものが好ましく、高分子化合物としては、分子量10,000以上、100,000程度のものが好ましい。白色無機粒子への均一な被覆処理を考慮すれば、液状、もしくは、水又は各種溶剤に可溶なオリゴマー又は高分子化合物が好ましい。
【0049】
糊剤の被覆量は、糊剤被覆白色無機粒子に対してC換算で0.01〜15.0重量%が好ましく、より好ましくは0.02〜12.5重量%、最も好ましくは0.03〜10.0重量%である。
【0050】
0.01重量%未満の場合には、白色無機粒子100重量部に対して1重量部以上の有機顔料等を付着させることが困難である。15.0重量%を超える場合には、白色無機粒子100重量部に対して有機顔料等を1〜500重量部付着させることができるため、必要以上に被覆する意味がない。
【0051】
本発明における有機顔料としては、アニリンブラック、ペリレンブラック等の黒色の有機顔料を用いることができる。本発明におけるカーボンブラックとしては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラックを用いることができるが、樹脂表面にグラフトし、電気的に絶縁性とした絶縁性カーボンブラックが好ましい。
【0052】
なお、ブラックマトリックス用着色材料の黒色をより鮮明にするために他の有機顔料を併用してもよい。例えば、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー等のフタロシアニン系顔料からなる青色系有機顔料を使用することができる。
【0053】
有機顔料及びカーボンブラックの全付着量は、白色無機粒子100重量部に対して1〜500重量部である。
【0054】
1重量部未満の場合及び500重量部を超える場合には、本発明の目的とするブラックマトリックス用着色材料を得ることが困難となる。好ましくは3〜400重量部であり、より好ましくは5〜300重量部である。
【0055】
本発明に係るブラックマトリックス用着色材料の粒子形状や粒子サイズは、芯粒子である白色無機粒子の粒子形状や粒子サイズに大きく依存し、芯粒子に相似する粒子形態を有している。
【0056】
即ち、本発明に係るブラックマトリックス用着色材料は、平均粒子径が0.001〜1.0μm、好ましくは、0.0015〜0.5μm、より好ましくは0.002〜0.2μmである。
【0057】
本発明に係るブラックマトリックス用着色材料の平均粒子径が1.0μmを超える場合には、粒子サイズが大きすぎるため、着色力が低下する。平均粒子径が0.001μm未満の場合には、ビヒクル中への分散が困難となる場合がある。
【0058】
ブラックマトリックス用着色材料の粒子径の幾何標準偏差値は2.0以下であることが好ましく、より好ましくは1.8以下、更に好ましくは1.5以下である。2.0を超える場合には、粒度分布が広すぎるため、分散性が低下する。工業的な生産性を考慮すれば、ブラックマトリックス用着色材料の粒子径の幾何標準偏差値の下限値は1.01である。
【0059】
本発明に係るブラックマトリックス用着色材料のBET比表面積値は、1.0〜500m/gであり、好ましくは1.5〜400m/g、より好ましくは2.0〜300m/gである。BET比表面積値が1.0m/g未満の場合には、粒子が粗大であったり、粒子及び粒子相互間で焼結が生じた粒子となっており、着色力が低下する。
【0060】
本発明に係るブラックマトリックス用着色材料の体積固有抵抗値は、5.0×10Ω・cm以上であることが好ましく、より好ましくは7.5×10Ω・cm以上、更により好ましくは1.0×10Ω・cm以上である。体積固有抵抗値が5.0×10Ω・cm未満の場合には、高い電気抵抗値を有するブラックマトリックスを得ることが困難となる。
【0061】
本発明に係るブラックマトリックス用着色材料の黒色度は、上限値がL値で30.0が好ましく、より好ましくはL値が29.0、更により好ましくはL値が28.0である。L値が30.0を超える場合には、明度が高くなり、黒色度が十分とは言えない。ブラックマトリックス用着色材料の黒色度の下限値は、L値が15.0である。
【0062】
本発明に係るブラックマトリックス用着色材料の有機顔料等の脱離の程度は、後出評価方法における目視観察において、5又は4が好ましく、より好ましくは5である。有機顔料等の脱離の程度が3以下の場合には、脱離した有機顔料等によりビヒクル中での均一な分散が阻害される場合があるとともに、脱離した部分の白色無機粒子の色相が粒子表面に現れるため、均一な色相を得ることが困難となる。
【0063】
本発明に係るブラックマトリックス用着色材料の着色力は、後述する評価方法により110%以上が好ましく、115%以上がより好ましく、最も好ましくは120%以上である。
【0064】
本発明に係るブラックマトリックス用着色材料の隠蔽力は、700cm/g以上が好ましく、より好ましくは850cm/g以上であり、さらに好ましくは1000cm/g以上である。
【0065】
本発明に係るブラックマトリックス用着色材料の耐光性は、後述する評価方法において、ΔE値で5.0以下が好ましく、より好ましくは4.0以下である。
【0066】
なお、本発明に係るブラックマトリックス用着色材料は、芯粒子である白色無機粒子の粒子表面に有機顔料等からなる付着層を複数設けてもよい。例えば、白色無機粒子の粒子表面が糊剤で被覆され、該被覆に有機顔料等が付着している付着層が形成され、更に、第一付着層の表面に糊剤が被覆され、当該被覆に有機顔料等が付着している付着層が形成されている形態をいう。必要に応じて、同様にして、更に、付着層を形成してもよい。
【0067】
複数の付着層を有するブラックマトリックス用着色材料においては、各付着層における有機顔料等の付着量は、所望の特性に応じて前記有機顔料等全体での付着量が前記上限値を超えない範囲で適量を付着させればよい。
【0068】
本発明に係るブラックマトリックス用着色材料は、必要により、白色無機粒子の粒子表面をあらかじめ、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物より選ばれる少なくとも1種からなる中間被覆物で被覆しておいてもよく、中間被覆物で被覆しない場合に比べ、白色無機粒子の粒子表面からの有機顔料等の脱離をより低減することができるとともに、耐光性が向上する。
【0069】
中間被覆物による被覆量は、中間被覆物が被覆された白色無機粒子に対してAl換算、SiO換算又はAl換算量とSiO換算量との総和で0.01〜20重量%が好ましい。
【0070】
0.01重量%未満である場合には、有機顔料等の脱離量の低減効果及び耐光性向上効果が得られない。0.01〜20重量%の被覆量により、有機顔料等の脱離量の低減効果及び耐光性向上が十分に得られるので、20重量%を超えて必要以上に被覆する意味がない。
【0071】
中間被覆物で被覆されている本発明に係るブラックマトリックス用着色材料は、中間被覆物で被覆されていない本発明に係るブラックマトリックス用着色材料の場合とほぼ同程度の粒子サイズ、BET比表面積値、黒色度、着色力及び隠蔽力を有している。また、有機顔料等の脱離の程度及び耐光性は中間被覆物を被覆することによって向上し、脱離の程度は5が好ましく、耐光性はΔE値で4.0以下が好ましく、より好ましくは3.0以下である。
【0072】
次に、本発明に係るブラックマトリックス用着色材料を用いたブラックマトリクス用着色組成物について述べる。
【0073】
本発明に係るブラックマトリックス用着色組成物は、本発明に係るブラックマトリックス用着色材料、バインダー樹脂及び溶剤から構成される。また、殊に、感光性の着色組成物とした場合には、前記に加えて、分散剤、反応性希釈剤であるモノマー及び重合開始剤等から構成される。
【0074】
前記ブラックマトリックス用着色組成物における有機顔料等の配合割合は、バインダー樹脂(感光性着色組成物の場合はバインダー樹脂及びモノマー)100重量部に対して5〜1000重量部の範囲で使用することができる。得られるブラックマトリックスの遮光性を考慮すれば、好ましくは10〜750重量部が好ましく、より好ましくは15〜500重量部である。
【0075】
バインダー樹脂としては、カラーフィルターの製造工程における加熱処理に耐えるものであれば、特に限定されるものではなく、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等、通常ブラックマトリックス用着色組成物に用いられる樹脂を用いることができる。
【0076】
熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂としては、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリウレタン系樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、エポキシ樹脂、セルロース系樹脂、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等を用いることができる。
【0077】
溶剤としては、シクロヘキサノン等の脂環族炭化水素系溶剤、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶剤、イソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、ミネラルスピリット等の石油系溶剤、セロソルブアセテート等を単独あるいは混合して用いることができる。
【0078】
分散剤としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン等のアニオン性界面活性剤、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ソルビタンモノステアレート等の非イオン性界面活性剤の1種又は2種以上を用いることができる。
【0079】
反応性希釈剤であるモノマーとしては、重合することにより塗膜を形成するモノマー又は/及びオリゴマーを用いることができる。
【0080】
上記モノマー及びオリゴマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ビニルアセテート、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルアミド、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、メチレンビスアクリルアミド、1,3,5−トリアクリロイル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン、ペンタエリスリトールトリアクリレート、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル等を用いることができる。
【0081】
重合開始剤としては、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチルオキサジアゾール、2,4,6−トリ(トリクロロメチル)トリアジン等のトリアジン系化合物、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾジンアルキルエーテル、チオアクリドン、ベンジル及びN−(アルキルスルホニルオキシ)−1,8−ナフタレンジカルボキシイミド等の光分解型重合開始剤、ベンゾフェノン、アントラキノン及び9−フェニルアクリジン等の水素移動型重合開始剤及びベンズアンスロン/トリエタノールアミン、メチレンブルー/ベンゼンスルフィン酸塩、トリアリルイミダゾリル二量体/ミヒラーズケトン及び四塩化炭素/マンガンカルボニル等の電子移動型複合系重合開始剤等を用いることができる。
【0082】
本発明に係るブラックマトリック用着色材料を用いて得られたブラックマトリックス層は、光沢度が75%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上であり、光学濃度が2.4以上、好ましくは2.5以上であり、体積固有抵抗値が1×10Ω・cm以上、好ましくは5.0×10Ω・cm以上であり、耐光性ΔE値は5.0以下が好ましく、より好ましくは4.0以下である。
【0083】
次に、本発明に係るブラックマトリックス用着色材料を用いたカラーフィルターについて述べる。
【0084】
本発明におけるカラーフィルターは、透明基板上に形成されたブラックマトリックス層、カラー表示用のR(赤)、G(緑)、B(青)からなる着色層及び透明導電膜(ITO)から構成される。なお、必要に応じて着色層上に透明保護膜を形成してもよい。また、横電界によって液晶を駆動する方式の表示装置の場合には、ITO透明導電膜を省略することもできる。
【0085】
本発明に係るカラーフィルターは、各色の透過領域において、光透過率が70%以上であり、好ましくは72%以上、より好ましくは74%以上を有している。
【0086】
次に、本発明に係るブラックマトリックス用着色材料の製造法について述べる。
【0087】
本発明に係るブラックマトリックス用着色材料は、白色無機粒子と糊剤とを混合し、白色無機粒子の粒子表面を糊剤によって被覆し、次いで、糊剤によって被覆された白色無機粒子と有機顔料等を混合することによって得ることができる。
【0088】
本発明に係るブラックマトリックス用着色材料の粒子表面への糊剤による被覆は、白色無機粒子と糊剤又は糊剤の溶液とを機械的に混合攪拌したり、白色無機粒子に糊剤の溶液又は糊剤を噴霧しながら機械的に混合攪拌すればよい。添加した糊剤は、ほぼ全量が白色無機粒子の粒子表面に被覆される。
【0089】
なお、糊剤としてアルコキシシラン又はフルオロアルキルシランを用いた場合、被覆されたアルコキシシラン又はフルオロアルキルシランは、その一部が被覆工程を経ることによって生成する、アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物又はフルオロアルキルシランから生成するフッ素含有オルガノシラン化合物として被覆されていてもよい。この場合においてもその後の有機顔料等の付着に影響することはない。
【0090】
糊剤を均一に白色無機粒子の粒子表面に被覆するためには、白色無機粒子の凝集をあらかじめ粉砕機を用いて解きほぐしておくことが好ましい。
【0091】
白色無機粒子と糊剤との混合攪拌、有機顔料等と粒子表面に糊剤が被覆されている白色無機粒子との混合攪拌をするための機器としては、粉体層にせん断力を加えることのできる装置が好ましく、殊に、せん断、へらなで及び圧縮が同時に行える装置、例えば、ホイール型混練機、ボール型混練機、ブレード型混練機、ロール型混練機を用いることができ、ホイール型混練機がより効果的に使用できる。
【0092】
前記ホイール型混練機としては、エッジランナー(「ミックスマラー」、「シンプソンミル」、「サンドミル」と同義語である)、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、コナーミル、リングマラー等があり、好ましくはエッジランナー、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、リングマラーであり、より好ましくはエッジランナーである。前記ボール型混練機としては、振動ミル等がある。前記ブレード型混練機としては、ヘンシェルミキサー、プラネタリーミキサー、ナウターミキサー等がある。前記ロール型混練機としては、エクストルーダー等がある。
【0093】
白色無機粒子と糊剤との混合攪拌時における条件は、白色無機粒子の粒子表面に糊剤ができるだけ均一に被覆されるように、線荷重は19.6〜1960N/cm(2〜200Kg/cm)、好ましくは98〜1470N/cm(10〜150Kg/cm)、より好ましくは147〜980N/cm(15〜100Kg/cm)、処理時間は5分〜24時間、好ましくは10分〜20時間の範囲で処理条件を適宜調整すればよい。なお、撹拌速度は2〜2000rpm、好ましくは5〜1000rpm、より好ましくは10〜800rpmの範囲で処理条件を適宜調整すればよい。
【0094】
糊剤の添加量は、白色無機粒子100重量部に対して0.15〜45重量部が好ましい。0.15〜45重量部の添加量により、白色無機粒子100重量部に対して有機顔料等を1〜500重量部付着させることができる。
【0095】
白色無機粒子の粒子表面に糊剤を被覆した後、有機顔料等を添加し、混合攪拌して糊剤被覆に有機顔料等を付着させる。必要により更に、乾燥乃至加熱処理を行ってもよい。
【0096】
有機顔料等は、少量ずつを時間をかけながら、殊に5分〜24時間、好ましくは5分〜20時間程度をかけて添加するか、若しくは、白色無機粒子100重量部に対して5〜25重量部の有機顔料等を、所望の添加量となるまで分割して添加することが好ましい。
【0097】
混合攪拌時における条件は、有機顔料等が均一に付着するように、線荷重は19.6〜1960N/cm(2〜200Kg/cm)、好ましくは98〜1470N/cm(10〜150Kg/cm)、より好ましくは147〜980N/cm(15〜100Kg/cm)、処理時間は5分〜24時間、好ましくは10分〜20時間の範囲で処理条件を適宜調整すればよい。なお、撹拌速度は2〜2000rpm、好ましくは5〜1000rpm、より好ましくは10〜800rpmの範囲で処理条件を適宜調整すればよい。
【0098】
有機顔料等の添加量は、白色無機粒子100重量部に対して1〜500重量部であり、好ましくは3〜400重量部、より好ましくは5〜300重量部である。有機顔料等の添加量が上記範囲外の場合には、目的とするブラックマトリックス用着色材料が得られない。
【0099】
乾燥乃至加熱処理を行う場合の加熱温度は、通常40〜150℃が好ましく、より好ましくは60〜120℃であり、加熱時間は、10分〜12時間が好ましく、30分〜3時間がより好ましい。
【0100】
なお、糊剤としてアルコキシシラン及びフルオロアルキルシランを用いた場合には、これらの工程を経ることにより、最終的にはアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物又はフルオロアルキルシランから生成するフッ素含有オルガノシラン化合物となって被覆されている。
【0101】
白色無機粒子は、必要により、糊剤との混合撹拌に先立って、あらかじめ、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物より選ばれる少なくとも一種からなる中間被覆物で被覆しておいてもよい。
【0102】
中間被覆物による被覆は、白色無機粒子を分散して得られる水懸濁液に、アルミニウム化合物、ケイ素化合物又は当該両化合物を添加して混合攪拌することにより、又は、必要により、混合攪拌後にpH値を調整することにより、前記白色無機粒子の粒子表面を、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物より選ばれる少なくとも一種からなる中間被覆物で被覆し、次いで、濾別、水洗、乾燥、粉砕する。必要により、更に、脱気・圧密処理等を施してもよい。
【0103】
アルミニウム化合物としては、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等のアルミニウム塩や、アルミン酸ナトリウム等のアルミン酸アルカリ塩等が使用できる。
【0104】
ケイ素化合物としては、3号水ガラス、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等が使用できる。
【0105】
次に、本発明に係るブラックマトリックス用着色組成物の製造法について述べる。
【0106】
本発明に係るブラックマトリックス用着色組成物は、まず、本発明に係るブラックマトリックス用着色材料、バインダー樹脂、溶剤及び分散剤とを混合・分散する。次いで、得られた混練物に、反応性希釈剤であるモノマー又は/及びオリゴマーと重合開始剤及び溶剤を添加し、更に混練を行うことによって得ることができる。混合・分散方法としては、ボールミル、エッジランナー、2本又は3本ロールミル、エクストルーダー及び高速度衝撃ミル等を用いることができる。
【0107】
次に、本発明に係るカラーフィルターの製造法について述べる。
【0108】
本発明に係るカラーフィルターは、透明基板上にブラックマトリックスを形成し、次いで、カラー表示用のR(赤)、G(緑)、B(青)からなる着色層を形成し、必要に応じて着色層状上に透明保護膜を形成した後、透明導電膜を形成することにより得られる。
【0109】
カラーフィルターの透明基板としては、ノンアルカリガラス、ソーダライムガラス、低アルカリガラス、石英ガラス等のガラス基板や、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリアクリレート、ポリアリレート等のフィルムを用いることができる。
【0110】
ブラックマトリックス層は、上記透明基板上にブラックマトリックス用着色組成物を印刷することにより得ることができる。
【0111】
ブラックマトリックス層を印刷・形成する方法としては、凸版印刷、平版印刷、凹版印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、電着塗装、電子印刷、熱転写等が挙げられる。
【0112】
カラーフィルターの製造において着色層の形成は、常法に従って行えばよく、例えば、エッチング法又は転写法等の顔料分散法、インクジェット法、印刷法、電着法等によって作製することができる。
【0113】
例えば、顔料分散法であれば、ブラックマトリックスを形成した透明基板上に、着色組成物を塗布し、露光、現像、焼き付け工程を繰り返すことによって、R、G、Bの着色パターンを形成する。
【0114】
【発明の実施の形態】
本発明の代表的な実施の形態は、次の通りである。
【0115】
粒子の平均粒子径は、いずれも電子顕微鏡写真に示される粒子350個の粒子径をそれぞれ測定し、その平均値で示した。
【0116】
粒子の粒子径の粒度分布は、下記の方法により求めた幾何標準偏差値で示した。
【0117】
即ち、上記拡大写真に示される粒子の粒子径を測定した値を、その測定値から計算して求めた粒子の実際の粒子径と個数から統計学的手法に従って対数正規確率紙上に横軸に粒子径を、縦軸に所定の粒子径区間のそれぞれに属する粒子の累積個数(積算フルイ下)を百分率でプロットする。そして、このグラフから粒子の個数が50%及び84.13%のそれぞれに相当する粒子径の値を読みとり、幾何標準偏差値=積算フルイ下84.13%における粒子径/積算フルイ下50%における粒子径(幾何平均径)に従って算出した値で示した。幾何標準偏差値が1に近いほど、粒子の粒子径の粒度分布が優れていることを意味する。
【0118】
比表面積値は、BET法により測定した値で示した。
【0119】
中間被覆物によって被覆された白色無機粒子末の粒子表面に存在するAl量及びSi量は、「蛍光X線分析装置3063M型」(理学電機工業株式会社製)を使用し、JIS K0119の「けい光X線分析通則」に従って測定した。
【0120】
また、白色無機粒子の粒子表面に被覆されている糊剤の被覆量及び本発明に係るブラックマトリックス用着色材料に付着している有機顔料等の被覆量は、「堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−2200型」(株式会社堀場製作所製)を用いて炭素量を測定することにより求めた。
【0121】
ブラックマトリックス用着色材料からの有機顔料等の脱離の程度は、下記方法によって目視により5段階で評価した。5がブラックマトリックス用着色材料の粒子表面からの有機顔料等の脱離量が少ないことを示す。
【0122】
被測定粒子粉末2gとエタノール20mlを50mlの三角フラスコに入れ、60分間超音波分散を行った後、回転数10,000rpmで15分間遠心分離を行い、被測定粒子粉末と溶剤部分とを分離した。得られた被測定粒子粉末を80℃で1時間乾燥させ、電子顕微鏡写真(×50,000)に示される視野の中に存在する、脱離して再凝集した有機顔料等の個数を目視で観察し、白色無機粒子と有機顔料等を、糊剤を介さず単に混合しただけの混合粒子粉末の電子顕微鏡写真(×50,000)と比較して5段階で評価した。
【0123】
1:白色無機粒子と有機顔料等を、糊剤を介さず単に混合した場合と同程度。
2:ブラックマトリックス用着色材料100個当たりに30個以上50個未満。
3:ブラックマトリックス用着色材料100個当たりに10個以上30個未満。
4:ブラックマトリックス用着色材料100個当たりに5個以上10個程度。
5:ブラックマトリックス用着色材料100個当たりに5個未満。
【0124】
白色無機粒子、有機顔料、カーボンブラック及びブラックマトリックス用着色材料の色相は、試料0.5gとヒマシ油0.5mlとをフーバー式マーラーで練ってペースト状とし、このペーストにクリアラッカー4.5gを加え、混練、塗料化してキャストコート紙上に150μm(6mil)のアプリケーターを用いて塗布した塗布片(塗膜厚み:約30μm)を作製し、該塗布片について、「多光源分光測色計MSC−IS−2D」(スガ試験機株式会社製)を用いて測定を行い、JIS Z 8929に定めるところに従って表色指数(L値、a値、b値)で示した。なお、C値は彩度を表し、下記数1に従って求めることができる。
【0125】
【数1】
値=((a値)+(b値)1/2
【0126】
ブラックマトリックス用着色材料の着色力は、まず下記に示す方法に従って作製した原色エナメルと展色エナメルのそれぞれを、キャストコート紙上に150μm(6mil)のアプリケーターを用いて塗布して塗布片を作製し、該塗布片について、「多光源分光測色計MSC−IS−2D」(スガ試験機株式会社製)を用いてL値を測色し、その差をΔL値とした。
【0127】
次いで、ブラックマトリックス用着色材料の標準試料として、ブラックマトリックス用着色材料と同様の割合で有機顔料等と白色無機粒子とを単に混合した混合顔料を用いて、上記と同様にして原色エナメルと展色エナメルの塗布片を作製し、各塗布片のL値を測色し、その差をΔLs値とした。
【0128】
得られたブラックマトリックス用着色材料のΔL値と標準試料のΔLs値を用いて下記数2に従って算出した値を着色力(%)として示した。
【0129】
【数2】
着色力(%)=100+{(ΔLs値−ΔL値)×10}
【0130】
原色エナメルの作製:
上記試料粉体10gとアミノアルキッド樹脂16g及びシンナー6gとを配合して3mmφガラスビーズ90gと共に140mlのガラスビンに添加し、次いで、ペイントシェーカーで45分間混合分散した後、アミノアルキッド樹脂50gを追加し、更に5分間ペイントシェーカーで分散させて、原色エナメルを作製した。
【0131】
展色エナメルの作製:
上記原色エナメル12gとアミラックホワイト(二酸化チタン分散アミノアルキッド樹脂)40gとを配合し、ペイントシェーカーで15分間混合分散して、展色エナメルを作製した。
【0132】
白色無機粒子、有機顔料、カーボンブラック及びブラックマトリックス用着色材料の隠蔽力は、上記で得られた原色エナメルを用いて、JIS K 51018.2のクリプトメーター法に従って得られた値で示した。
【0133】
白色無機粒子、有機顔料、カーボンブラック及びブラックマトリックス用着色材料の耐光性は、前述の着色力を測定するために作製した原色エナメルを、冷間圧延鋼板(0.8mm×70mm×150mm)(JIS G−3141)に150μmの厚みで塗布、乾燥して塗膜を形成し、得られた測定用塗布片の半分を金属製フォイルで覆い、「アイ スーパーUVテスター」(SUV−W13(岩崎電気株式会社製))を用いて、紫外線を照射強度100mW/cmで6時間連続照射した後、金属製フォイルで覆うことによって紫外線が照射されなかった部分と紫外線照射した部分との色相(L値、a値、b値)をそれぞれ測定し、紫外線が照射されなかった部分の測定値を基準に、下記数3に従って算出したΔE値によって示した。
【0134】
【数3】
ΔE値=((ΔL値)+(Δa値)+(Δb値)1/2
ΔL値: 比較する試料の紫外線照射有無のL値の差
Δa値: 比較する試料の紫外線照射有無のa値の差
Δb値: 比較する試料の紫外線照射有無のb値の差
【0135】
有機顔料、カーボンブラック及びブラックマトリックス用着色材料の各粒子粉末の体積固有抵抗値は、まず、粒子粉末0.5gを測り取り、KBr錠剤成形器(株式会社島津製作所)を用いて、1.372×10Pa(140Kg/cm)の圧力で加圧成形を行い、円柱状の被測定試料を作製した。
【0136】
次いで、被測定試料を温度25℃、相対温度60%の環境下に12時間以上暴露した後、この被測定試料をステンレス電極の間にセットし、電気抵抗測定装置(model 4329A 横河北辰電気株式会社製)で15Vの電圧を印加して抵抗値R(Ω)を測定した。
【0137】
次いで、被測定(円柱状)試料の上面の面積A(cm)と厚みt(cm)を測定し、下記数4にそれぞれの測定値を挿入して、体積固有抵抗値(Ω・cm)を求めた。
【0138】
【数4】
体積固有抵抗値(Ω・cm)=R×(A/t
【0139】
ブラックマトリックス用着色組成物の光学濃度は、後述する処方によって調製したブラックマトリックス用着色組成物をノンアルカリガラス基板上に印刷し、得られたブラックマトリックス層の550nmにおける光透過率を、「自記光電分光光度計UV−2100」(株式会社島津製作所製)を用いて測定し、下記数5に従って光学濃度OD値を算出した。
【0140】
【数5】
OD値=log(1/T)
T:550nmにおける光透過率(%)
【0141】
ブラックマトリックス層の光沢度は、前記測定用塗布片を「グロスメーター UGV−5D」(スガ試験機株式会社製)を用いて入射角60°の時の光沢度で示した。光沢度が高いほど、ブラックマトリックス用着色材料を配合したブラックマトリックス用着色組成物の分散性が優れていることを示す。
【0142】
ブラックマトリックス層の耐光性は、前述のノンアルカリ基板上に形成したブラックマトリックス層の半分を金属製フォイルで覆い、「アイ スーパーUVテスター」(SUV−W13(岩崎電気株式会社製))を用いて、紫外線を照射強度100mW/cmで6時間連続照射した後、金属製フォイルで覆うことによって紫外線が照射されなかった部分と紫外線照射した部分との色相(L値、a値、b値)をそれぞれ測定し、紫外線が照射されなかった部分の測定値を基準に、前記数3に従って算出したΔE値によって示した。
【0143】
ブラックマトリックス層の電気抵抗値は、後述する処方によって調製したブラックマトリックス用着色組成物をクリアフィルム上に150μm(6mil)のアプリケーターを用いて塗布して塗布片を作製し、被測定塗布膜を温度25℃、相対湿度60%の環境下に12時間以上暴露した後、幅6.5mmの金属製の電極に、幅6mmにスリットした塗布膜を、塗布面が金属製電極に接触するように置き、その両端に各170gのおもりを付け、電極に塗布膜を密着させた後、電極間に500Vの直流電圧をかけて電気抵抗値を測定した。
【0144】
カラーフィルターの光透過率は、後述する方法によって作製したカラーフィルターを用いて、620nm、550nm及び460nmの各波長の光透過率を、「自記光電分光光度計UV−2100」(株式会社島津製作所製)を用いて測定した。
【0145】
<ブラックマトリックス用着色材料の製造>
図1の電子顕微鏡写真(×50,000)に示すシリカ粒子粉末(粒子形状:球状、平均粒子径0.022μm、BET比表面積値193.8m/g、幾何標準偏差値1.22、L値92.4、a値0.2、b値0.4、C値0.4、隠蔽力10cm/g、耐光性8.14)7.0kgに、メチルハイドロジェンポリシロキサン(商品名:TSF484:GE東芝シリコーン株式会社製)350gを、エッジランナーを稼動させながらシリカ粒子粉末に添加し、588N/cm(60Kg/cm)の線荷重で30分間混合攪拌を行った。なお、このときの攪拌速度は22rpmで行った。
【0146】
次に、図2の電子顕微鏡写真(×50,000)に示す有機顔料C−2(種類:アニリンブラック、粒子形状:棒状、平均粒子径0.31μm、BET比表面積値56.8m/g、L値16.20、a値−1.03、b値0.46、隠蔽力210cm/g、体積固有抵抗値3.6×1011Ω・cm、耐光性ΔE値15.21)7.0kgを、エッジランナーを稼動させながら30分間かけて添加し、更に588N/cm(60Kg/cm)の線荷重で120分間混合攪拌を行い、メチルハイドロジェンポリシロキサン被覆に有機顔料C−2を付着させた後、乾燥機を用いて80℃で60分間乾燥を行い、ブラックマトリックス用着色材料を得た。なお、このときの攪拌速度は22rpmで行った。
【0147】
得られたブラックマトリックス用着色材料は、平均粒子径が0.026μmの粒状粒子であった。BET比表面積値は120.1m/g、粒子径の幾何標準偏差値は1.23、色相のうちL値は23.48、a値は−0.25、b値は0.52であり、着色力は156%、隠蔽力は2,470cm/g、体積固有抵抗値は2.2×1011Ω・cm、耐光性ΔE値は1.98、有機顔料の脱離の程度は5であり、メチルハイドロジェンポリシロキサンの被覆量はC換算で2.02重量%であった。付着している有機顔料C−2量はC換算で40.81重量%(シリカ粒子粉末100重量部に対して100重量部に相当する)であった。
【0148】
得られたブラックマトリックス用着色材料の電子顕微鏡写真の観察結果を図3に示す。電子顕微鏡観察の結果、添加した有機顔料C−2の粒子がほとんど認められないことから、有機顔料C−2のほぼ全量がメチルハイドロジェンポリシロキサン被覆に付着していることが認められた。また、有機顔料C−2は添加時の粒子形状及び粒子サイズを維持しておらず、芯粒子よりもはるかに微細化された状態で芯粒子の粒子表面に付着層を形成していることが認められた。
【0149】
<ブラックマトリックス用着色組成物の製造>
前記ブラックマトリックス用着色材料、メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体及びシクロヘキサノンを下記組成割合で3本ロールミルを用いて混練した。
【0150】
ブラックマトリックス用着色材料 10.0重量部、
メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 10.0重量部、
カチオン性高分子分散剤(ソルスパース24000) 2.5重量部、
シクロヘキサノン 12.5重量部。
【0151】
得られた混練物に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを下記組成割合で添加し、サンドグラインダーを用いて分散した。
【0152】
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 16.5重量部、
【0153】
得られた混練物を1μmのグラスフィルターで濾過した。
【0154】
次いで、ジペンタエリストールペンタアクリレート、2,4,6−トリ(トリクロロメチル)トリアジン、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを下記組成割合で添加して、カラーフィルター用着色組成物を得た。
【0155】
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 10.0重量部、
2,4,6−トリ(トリクロロメチル)トリアジン 1.0重量部、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 37.5重量部。
【0156】
前記ブラックマトリックス用着色組成物をノンアルカリガラス基板上に塗布し、60℃で乾燥を行い、次いで超高圧水銀灯250Wを用い、400mJ/cmの光量で露光を行った。得られたブラックマトリックス層の光学濃度は2.5であり、光沢度が94%、耐光性ΔEが1.97であった。
【0157】
次に、前記ブラックマトリックス用着色組成物をクリアベースフィルムに150μm(6mil)の厚みで塗布、乾燥して電気抵抗値測定用塗膜を得た。得られた塗膜の電気抵抗値は8.7×1011Ω/sqであった。
【0158】
<カラーフィルターの作製>
上記で得られたブラックマトリックス用着色組成物を、ノンアルカリガラス基板上に塗布し、60℃で乾燥を行った後、ストライプ状のパターンを有するフォトマスクを掛け、超高圧水銀灯250Wを用い、400mJ/cmの光量で露光を行った。次いで、現像液で未露光部分を洗い流した後乾燥させ、膜厚1.0μmのブラックマトリックスのパターンを形成した。
【0159】
得られたブラックマトリックス層が形成された透明基板上に、後述する組成のR(赤)、G(緑)、B(青)の各色着組成物を用いてブラックマトリックス層を形成した場合と同様の操作を繰り返し、ストライプ状のR(赤)、G(緑)、B(青)パターンを有するカラーフィルターを得た。
【0160】
赤(緑、青)色有機顔料 10.0重量部、
メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 10.0重量部、
カチオン性高分子分散剤(ソルスパース24000) 2.5重量部、
シクロヘキサノン 12.5重量部、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 16.5重量部、
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 10.0重量部、
2,4,6−トリ(トリクロロメチル)トリアジン 1.0重量部、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 54.0重量部。
【0161】
得られたカラーフィルターの透過率は、波長620nmが79.4%、波長550nmが81.3%、波長460nmが78.5%であった。
【0162】
【作用】
本発明において最も重要な点は、白色無機粒子の粒子表面が糊剤によって被覆されていると共に、該被覆に有機顔料及び/又はカーボンブラックが付着しているカラーフィルター用着色材は、シャープな粒度分布及び高い電気抵抗値を有すると共に、遮光性及び耐光性に優れているという事実である。
【0163】
本発明において、シャープな粒度分布を有するブラックマトリックス用着色材料が得られる理由として、本発明者は、芯粒子としてシャープな粒度分布を有する白色無機粒子粉末を用いたこと、及び、付着させる有機顔料等が微細な状態で均一に付着しているためと考えている。
【0164】
本発明に係るブラックマトリック用着色材料の耐光性が優れている理由として、本発明者は、比較的耐光性に優れている芯粒子の粒子表面に、耐光性に優れた糊剤を介して染料と比べて格段に耐光性に優れている有機顔料等を付着させたことによるものと推定している。
【0165】
また、本発明に係るブラックマトリックス用着色材料を用いて得られたブラックマトリックス用着色組成物は、高い光学濃度と電気抵抗値及び優れた分散性を有しているという事実である。
【0166】
本発明に係るブラックマトリックス用着色組成物が優れた分散性を有する理由として、本発明者は、芯粒子の粒子表面からの有機顔料等の脱離が抑制された本発明に係るブラックマトリックス用着色材料を用いたことにより、ブラックマトリックス用着色組成物の製造時におけるビヒクル中への分散が、脱離した有機顔料等によって阻害されることがないためと考えている。
【0167】
本発明に係るブラックマトリックス用着色組成物が高い光学濃度を有する理由として、本発明者は、高い黒色度を有する本発明に係るブラックマトリックス用着色材料を用いたためと考えている。また、通常はビヒクル中で自己凝集又は結晶成長を起こして大粒子として挙動する有機顔料等が、本発明に係るブラックマトリックス用着色材料の場合は、芯粒子の粒子表面に微細な状態で均一に付着していることによって、大粒子化することなくビヒクル中に存在することができるためと考えている。
【0168】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を示す。
【0169】
芯粒子1〜3:
芯粒子粉末として表1に示す特性を有する白色無機粒子を用意した。
【0170】
【表1】
Figure 0004877444
【0171】
芯粒子4:
芯粒子1のシリカ粒子粉末20kgと水150lとを用いて、シリカ粒子粉末を含むスラリーを得た。得られたシリカ粒子粉末を含む再分散スラリーのpH値を、水酸化ナトリウム水溶液を用いて10.5に調整した後、該スラリーに水を加えスラリー濃度を98g/lに調整した。このスラリー150lを加熱して60℃とし、このスラリー中に1.0mol/lのアルミン酸ナトリウム溶液2722ml(シリカ粒子粉末に対してAl換算で0.5重量%に相当する)を加え、30分間保持した後、酢酸を用いてpH値を7.5に調整した。この状態で30分間保持した後、濾過、水洗、乾燥、粉砕して粒子表面がアルミニウムの水酸化物により被覆されているシリカ粒子粉末を得た。
【0172】
このときの製造条件を表2に、得られた表面処理済みシリカ粒子粉末の諸特性を表3に示す。
【0173】
芯粒子5、6
芯粒子2〜5の各白色無機粒子を用い、表面被覆物の種類及び量を種々変化させた以外は、前記芯粒子6と同様にして粒子表面が被覆物で被覆されている白色無機粒子を得た。
【0174】
このときの製造条件を表2に、得られた表面処理済み白色無機粒子の諸特性を表3に示す。
【0175】
【表2】
Figure 0004877444
【0176】
【表3】
Figure 0004877444
【0177】
尚、表面処理工程における被覆物の種類のAはアルミニウムの水酸化物であり、Sはケイ素の酸化物を表わす。
【0178】
有機顔料、カーボンブラック:
有機顔料として表4に示す諸特性を有する有機顔料及びカーボンブラックを用意した。
【0179】
【表4】
Figure 0004877444
【0180】
実施例1〜11、比較例1〜6:
糊剤による被覆工程における添加物の種類、添加量、エッジランナー処理の線荷重及び時間、有機顔料等の付着工程における有機顔料等の種類、添加量、エッジランナー処理の線荷重及び時間を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様にしてブラックマトリックス用着色材料を得た。
【0181】
このときの製造条件を表5に、得られたブラックマトリックス用着色材料の諸特性を表6に示す。
【0182】
なお、実施例1〜3では、芯粒子100.0重量部に対して、各有機顔料100.0重量部を20.0重量部づつ5回に分けて添加した。実施例4及び5では、芯粒子粉末100.0重量部に対して、各有機顔料をあらかじめヘンシェルミキサー等で混合した後、該混合顔料100.0重量部を100分かけて添加した。実施例4では、芯粒子粉末100.0重量部に対して、各有機顔料をあらかじめヘンシェルミキサー等で混合した後、該混合顔料150.0重量部を150分かけて添加した。実施例7〜9では、芯粒子粉末100.0重量部に対して、各有機顔料を15.0重量部づつ10回に分けて添加した。実施例10及び11では、芯粒子100.0重量部に対して、各有機顔料200.0重量部を200分かけて添加した。
【0183】
【表5】
Figure 0004877444
【0184】
【表6】
Figure 0004877444
【0185】
<ブラックマトリックス用着色組成物>
実施例12〜22、比較例7〜15:
ブラックマトリックス用着色材料の種類を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様にしてブラックマトリックス用着色組成物を得た。
【0186】
このときの製造条件及び得られたブラックマトリックス層の諸特性を表7に示す。
【0187】
【表7】
Figure 0004877444
【0188】
<カラーフィルター>
実施例23〜33、比較例16〜24:
ブラックマトリックス用着色組成物の種類を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様にしてカラーフィルターを得た。
【0189】
用いた有機顔料を表8に、このときの製造条件及び得られたカラーフィルターの諸特性を表9に示す。
【0190】
【表8】
Figure 0004877444
【0191】
【表9】
Figure 0004877444
【0192】
【発明の効果】
本発明に係るブラックマトリックス用着色材料は、シャープな粒度分布及び高い電気抵抗値を有すると共に、遮光性及び耐光性に優れているのでブラックマトリックス用着色材料として好適である。
【0193】
本発明におけるブラックマトリックス用着色組成物は、前記ブラックマトリックス用着色材料を用いたことにより、高い光学濃度と電気抵抗値及び優れた分散性を有しているので、ブラックマトリックス用着色組成物として好適である
【0194】
本発明におけるカラーフィルターは、高い電気抵抗値を有すると共に、遮光性及び耐光性に優れたブラックマトリックスを用いているので、カラーフィルターとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発明の実施の形態で用いたシリカ粒子の電子顕微鏡写真である(×50,000)。
【図2】 発明の実施の形態で用いた有機顔料C−2の電子顕微鏡写真である(×50,000)。
【図3】 発明の実施の形態で得られたブラックマトリックス用着色材料の電子顕微鏡写真である(×50,000)。

Claims (4)

  1. 白色無機粒子の粒子表面が糊剤によって被覆されていると共に該被覆に有機顔料及び/又はカーボンブラックが付着している平均粒子径0.001〜1.0μmの複合粒子粉末からなり、前記有機顔料及び/又はカーボンブラックの全付着量が前記白色無機粒子100重量部に対して1〜500重量部であることを特徴とするブラックマトリックス用着色材料。
  2. 請求項1記載の白色無機粒子の粒子表面が、あらかじめアルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物より選ばれる少なくとも一種からなる中間被覆物によって被覆されていることを特徴とするブラックマトリックス用着色材料。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のブラックマトリックス用着色材料を含むブラックマトリックス用着色組成物。
  4. 請求項1又は請求項2に記載のブラックマトリックス用着色材料を含むカラーフィルター。
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