JP4871029B2 - 印刷ライナーまたは印刷段ボールの製造方法及びその印刷ライナーを用いた段ボール - Google Patents

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Description

本発明は、印刷ライナーまたは印刷段ボールの製造方法及びその印刷ライナーを用いた段ボールに関する。
一般に、ダンボール、紙袋への印刷においては、フレキソ印刷が行われているが、フレキソ印刷は経済性に優れ、さらに環境にやさしい水性インキが主流となっている。特に印刷ライナーはダンボール等に加工され、包装用として使用されているが、近年、内容製品の差別化のため、美粧印刷が施され、展示機能を持たせるという要求が多くなり、高い印刷品質が求められるようになってきている。しかしながら、特にライナーへフレキソ印刷をする場合は、ライナーの平滑性の低さにより印刷品質が問題となっている。
また、茶ライナーに白インキを多量に印刷した上に、他色を印刷するなどして美粧印刷が行われる場合もある。このような印刷方法の場合、茶ライナー表面を白くし、赤や藍など他色インキの仕上がりをよくするために、高価なインキを多量に印刷する必要があり、インキ付着量を減らした場合でも、白インキ印刷部の白色度が高く、他色インキの仕上がりがよいライナーが求められている。
上記のような印刷の優れたライナーを得る方法として、ライナー表面にカチオン性の樹脂を塗布することにより印刷効果を向上させる技術が開示されている。(特許文献1、2を参照)しかしながら、インキの発色や印刷面の仕上がりに関して、十分満足できるものではなかった。
特開2004−232158号公報 特開2004−231901号公報
また、前記文献には、カチオン性樹脂の塗布に際し、抄紙工程のサイズプレスや、バーコータなどの塗工機を用いて塗布する例のみが例示されている。抄紙工程のサイズプレスや塗工機を用いて塗布すると、印刷に関係のない部分にもカチオン性樹脂が塗布され、製函工程上での不具合が起こる可能性や経済的に効率が悪い。
本発明は、フレキソ印刷インキ、特に水性フレキソインキを用いた印刷ライナーまたは印刷段ボールの製造方法に関し、インキ発色性、印刷面の仕上がりの優れた印刷用ライナーまたは印刷段ボールの製造方法並びに、その製造方法により製造された印刷ライナーを用いた段ボールを提供するものである。
本発明における印刷ライナーまたは印刷段ボールの製造方法は、少なくとも一つの印刷ユニットでカチオン性樹脂を含有する水性組成物(カチオン化澱粉を含まない)を塗布し、続いて別の印刷ユニットでフレキソ印刷され、前記水性組成物の塗布工程と前記フレキソ印刷の工程との間で乾燥工程を通過し、かつ前記フレキソ印刷前のライナーまたは段ボールの表面温度が20〜120℃であることを特徴とする。
前記カチオン性樹脂が、水溶性のポリアミン系樹脂であることが好ましい。
前記水性組成物が、カチオン性樹脂とポリアクリルアミド系樹脂を含有することが好ましい。
ライナー原紙または段ボールの表面の一部の領域に前記水性組成物を印刷ユニットで塗布、乾燥し、さらに前記水性組成物が塗布、乾燥された領域上にフレキソ印刷されたものであることが好ましい。
フレキソ印刷された領域が、前記水性組成物が塗布、乾燥された領域より小さいことが好ましい。
本発明によって製造された印刷ライナーを用いて、段ボールにしてもよい。

本発明の製造方法によって、フレキソ印刷におけるインキ発色性に優れ、印刷仕上がりが良好な印刷ライナーまたは印刷段ボール及び前記印刷ライナーを用いた段ボールを提供することが可能となった。
本発明の製造方法で使用される水性組成物の濃度は、固形分として0.1〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。また、水性組成物がライナー原紙または段ボールに塗布される温度は、10〜50℃で行われるのが好ましい。本発明の水性組成物の塗布量は、原紙のサイズ度、及びその他の要素を勘案して適宜設定することができるが、通常は固形分で0.05〜3g/m、好ましくは0.1〜2g/mである。0.05〜3g/mの範囲であれば、インキ発色性が良好である。
本発明の製造方法で使用される水性組成物の粘度は、5〜25秒(ザーンカップNo.4での測定値)が好ましく、8〜20秒がより好ましい。5〜25秒の範囲であれば、ライナー原紙上に水性組成物が均一に塗布される。
水性組成物をフレキソ印刷版に供給する方法としては、ツーロール方式と、ドクターカット方式いずれの方法でも可能である。ツーロール方式とは、インキパンに漬けられたファウンテンゴムローラによるピックアップされたインキとファウンテンゴムロールと表面に細かな彫刻施されたメッシュロール間で塗布量を調整したインキをフレキソ印刷版に供給する方法であり、印刷速度が上がると、版へのインキ量転写が増加する特徴がある。一方、ドクターカット方式は、メッシュロールにインキを供給したのち、ドクターでかきとり、一定量をフレキソ印刷版に供給する方式であり、印刷速度にかかわらず、インキ転写量は一定となることが特徴であり、塗布量の調整が水性樹脂組成物の濃度で出来るので、安定した品質が得られ、より好ましい方法である。
本発明で使用されるメッシュロールとしては、メッシュ部分がクロム製とセラミック製があり、いずれの材質でも使用できる。近年は、耐久性、彫刻の精密性の優れているセラミック製が多く使用されており、本発明においても、高い塗布精度を得ることができるので、良好な実施形態である。
本発明の製造方法で使用される水性組成物塗布後に、乾燥工程を通過させると、インキ発色性のより優れた効果を得ることができる。乾燥方法としては、塗布面に冷風または室温の風を当てる方法、熱風ドライヤーを使用して熱風を当てる方法、IRドライヤーを使用して赤外線を照射する方法等が使用できるが、なかでも、熱風ドライヤーを使用して熱風を当てる方法、IRドライヤーを使用して赤外線を照射する方法を使用し、次工程のインキを転写(インキを印刷)させる面の紙面温度を20〜120℃にすれば、より優れたインキ発色性や印刷ムラの改良効果が得られと同時にフレキソ印刷版の耐久性が低下する問題はほとんど生じない。25〜80℃がより好ましい。
本発明の製造方法に使用されるカチオン性樹脂としては、前出の特許文献1及び2に記載に示された、樹脂中に1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも一種のカチオン性の官能基を有し、且つ樹脂全体としてカチオン性であればノニオン性及び/又はアニオン性の官能基を有していても良いが、官能基のうちカチオン性の官能基を主として有していること、つまりノニオン性官能基及びアニオン性官能基をほとんど含有しないことが好ましい。
カチオン性樹脂の具体例としては、例えば、アミン類とエピハロヒドリン類とを反応して得られる樹脂(例えばジメチルアミンエピクロロヒドリン樹脂)、カチオン性ビニルモノマーを単独で重合した樹脂(例えばポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリアリルアミン塩)、ポリビニルアミン系樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリアルキレンポリアミド系樹脂、ポリアミドポリ尿素系樹脂等を挙げることができる。これらの中でも、アミン類とエピハロヒドリン類とを反応して得られるカチオン性樹脂、ジアリルアミン類を重合して得られるカチオン性樹脂が好ましい。
<アミン類とエピハロヒドリン類とを反応して得られるカチオン性樹脂の説明>
本発明における、アミン類とエピハロヒドリン類とを反応して得られるカチオン性樹脂において、アミン類として用いることのできるアミンは、分子中に少なくとも1個のエピハロヒドリンと反応可能なアミノ基を有するアミンであれば特に制限はないが、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、ポリアルキレンポリアミン、アンモニア及びアルカノールアミンからなる群から選択された一種以上のアミンを用いることができる。
前記アミン類は、少なくとも一種類の第2級アミンを含有していることが好ましく、又、前記第2級アミンと前記第2級アミン以外のアミン類、例えば、第1級アミン、第3級アミン、ポリアルキレンポリアミン、及びアルカノールアミンから選択された一種以上のアミン(以下「第1級アミン等」という)を含有していることも好ましい。
前記第2級アミン類としては、例えば脂肪族第2級アミン、芳香族第2級アミン、脂環式第2級アミン、ヘテロ環式第2級アミン等が挙げられ、中でも脂肪族第2級アミンを好ましい例として挙げられる。また、これらの第2級アミンは、一種のみ用いてもよいし、二種以上併用することも可能である。
脂肪族第2級アミンとしては、具体的にはジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルブチルアミン、メチルオクチルアミン、メチルラウリルアミン、及びジベンジルアミン等が挙げられる。なかでもジメチルアミン、ジエチルアミンが好ましく、ジメチルアミンがより好ましく、さらにはジメチルアミンを単独で用いることが特に好ましい。
芳香族第2級アミンとしては、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、N−ブチルアニリン、N−ペンチルアニリン、N−ヘキシルアニリン、N−オクチルアニリン、N−デシルアニリン、N−ラウリルアニリン、及びN−ベンジルアニリン等のN−アルキルアニリン、N−メチルトルイジン、N−エチルトルイジン、N−プロピルトルイジン、N−ブチルトルイジン、N−ペンチルトルイジン、N−ヘキシルトルイジン、N−オクチルトルイジン、N−デシルトルイジン、N−ラウリルトルイジン、及びN−ベンジルトルイジン等のN−アルキルトルイジン、並びに、N−メチルナフチルアミン、N−エチルナフチルアミン、N−プロピルナフチルアミン、N−ブチルナフチルアミン、N−ペンチルナフチルアミン、N−デシルナフチルアミン、N−ラウリルナフチルアミン、及びN−ベンジルナフチルアミン等のN−アルキルナフチルアミン等が挙げられる。
その他の芳香族第2級アミンとしては、ジフェニルアミン、N−フェニル−o−トルイジン、N−フェニル−m−トルイジン、N−フェニル−p−トルイジン、N−トルイル−o−トルイジン、N−トルイル−m−トルイジン、N−トルイル−p−トルイジン、N−フェニルナフチルアミン、及びN−トルイルナフチルアミン等の芳香環が窒素原子に2個結合してなるアミンが挙げられる。
脂環式第2級アミンとしては、N−メチルシクロヘキシルアミン、N−エチルシクロヘキシルアミン、N−プロピルシクロヘキシルアミン、N−オクチルシクロヘキシルアミン、N−デシルシクロヘキシルアミン、及びN−ラウリルシクロヘキシルアミン等のN−アルキルシクロヘキシルアミン、N−メチルシクロオクチルアミン、N−エチルシクロオクチルアミン、N−プロピルシクロオクチルアミン、N−ブチルシクロオクチルアミン、N−ヘキシルシクロオクチルアミン、N−オクチルシクロオクチルアミン、N−デシルシクロオクチルアミン、N−ラウリルシクロオクチルアミン等のN−アルキルシクロオクチルアミン、並びにジシクロヘキシルアミン、及びジシクロオクチルアミン等のジシクロアルキルアミンを挙げられる。
ヘテロ環式第2級アミンとしては、ピペリジン、ピロリジン、2−メチルピペリジン、及び4−メチルピペリジン等が挙げられる。
前記第1級アミン等であるところの、第1級アミン、第3級アミン、ポリアルキレンポリアミン、及びアルカノールアミンから選択された一種以上のアミンとして、脂肪族第1級アミン、芳香族第1級アミン、脂環式第1級アミン等の第1級アミン、脂肪族第3級アミン、芳香族第3級アミン、脂環式第3級アミン等の第3級アミン、アルカノールアミン、アルキレンジアミン、ポリアルキレンポリアミン、その他のアミン等を挙げることができる。
脂肪族第1級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、アリルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、2−ペンタンアミン、ヘキシルアミン、2−アミノヘキサン、3−アミノヘキサン、モノオクチルアミン、及びベンジルアミン等が挙げられる。芳香族第1級アミンとしては、シクロヘキシルアミン、シクロオクチルアミン等を挙げることができる。
芳香族第1級アミンとしては、アニリン、トルイジン、ビフェニルアミン、ナフチルアミン、及びフェニルアミン等を挙げることができる。
脂環式第1級アミンとしては、シクロヘキシルアミン、及びシクロオクチルアミン等を挙げることができる。
脂肪族第3級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリ−tert−ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、及びトリベンジルアミン等が挙げられる。
芳香族第3級アミンとしては、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、ジメチルトルイジン、ジエチルトルイジン、N−メチルジフェニルアミン、N−エチルジフェニルアミン、N−メチルジトリルアミン、N−エチルジトリルアミン、トリフェニルアミン等を挙げることができる。
脂環式第3級アミンとしては、ジメチルアミノシクロヘキサン、ジシクロヘキシルアミノメタン、ジメチルアミノシクロオクタン、ジシクロオクチルアミノメタン、トリシクロヘキシルアミン、トリシクロオクチルアミン等を挙げることができる。
アルカノールアミンとしては、エタノールアミン、n−プロパノールアミン、及びイソプロパノールアミン等のモノアルカノールアミン、ジエタノールアミン、及びジイソプロパノールアミン等のジアルカノールアミン、トリエタノールアミン、及びトリイソプロパノールアミン等のトリアルカノールアミン、N−メチルエタノールアミン、及びN−エチルエタノールアミン等のN−アルキルアルカノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等のN−アルキルジアルカノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、及びN,N−ジブチルエタノールアミン等のN,N−ジアルキルアルカノールアミン、並びにN−(2−アミノエチル)エタノールアミン等が挙げられる。
アルキレンジアミンとしては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、プロピレンジアミン、及びヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
その他のアミンとして、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、1,3(又は2,4)−ビス−(アミノメチル)シクロヘキサン、オクタハイドロ−4,7−メタノインデン−1(2),5(6)−ジメタンアミン、2,2’−ビス−(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン、4,4’−オキシビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−スルホンビス(シクロヘキシルアミン)、1,3,5−トリアミノシクロヘキサン、2,4’−又は4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラアルキルジシクロヘキシルアルカン、及びN−アミノプロピルシクロヘキシルアミン等の脂環式アミン類、アミノピリジン、アミノピコリン、N−フェニルアミノピリジン、及びN−トルイルアミノピリジン等の芳香族アミン類、ピペラジン、N−メチルピペリジン、及びアミノエチルピペラジン等のヘテロ環式アミン類が挙げられる。
ポリアルキレンポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘプタエチレンオクタミン、及びノナンエチレンデカミン等のポリエチレンポリアミン、ポリプロピレンポリアミン、ポリブチレンポリアミン、並びにトリエチレンビス(トリメチレン)ヘキサミン等が挙げられる。
本発明における、アミン類とエピハロヒドリン類を反応して得られるカチオン性樹脂を製造する際の重合反応に使用するエピハロヒドリン類としては、エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリン、及びメチルエピクロロヒドリン等が挙げられる。また、これらを二種以上混合して用いることもできる。これらのエピハロヒドリン類の中でも、エピクロロヒドリンが特に好ましい。
<ジアリルアミン類を重合して得られるカチオン性樹脂の説明>
本発明における、ジアリルアミン類を重合して得られるカチオン性樹脂は、ジアリルアミン類を単独重合して得られる樹脂は勿論のこと、少なくとも前記ジアリルアミン類と他のモノマー類とを共重合して得られる樹脂であればよく、ジアリルアミン類とジアリルアミン類以外のカチオン性モノマー、ノニオン性モノマーとを含んだモノマー混合物を共重合させた樹脂であってもよい。
ジアリルアミン類としては、ジ(2−プロペニル)アミン(即ち、ジアリルアミン)、N−メチル−N,N−ジ(2−プロペニル)アミン(即ち、ジアリルメチルアミン)、N,N−ジメチル−N,N−ジ(2−プロペニル)アンモニウムクロライド(即ち、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、及びN,N−ジエチル−N,N−ジ(2−プロペニル)アンモニウムブロマイド(即ち、ジアリルジエチルアンモニウムブロマイド)などが挙げられ、下記一般式(1)であらわされるジアリルアミン類を重合して得られるカチオン性樹脂が好ましく、特に、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドが好ましい。
Figure 0004871029
式中、R及びRはそれぞれ水素又はメチル基を表す。R及びRはそれぞれ水素原子又は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、R及びRは同一であっても相違していても良い。Xは無機酸類、又は有機酸類のアニオンを表す。
ジアリルアミン類を重合して得られるカチオン性樹脂は、ジアリルアミン類を、又はジアリルアミン類とアクリルアミド類以外のモノマーとを、通常の方法により重合することにより得ることができる。
<ポリアクリルアミド系樹脂の説明>
本発明のポリアクリルアミド系樹脂は、アクリルアミド類とカチオン性モノマー類、ノニオン性モノマー類、アニオン性モノマー類、架橋剤等を重合して得られる。
アクリルアミド類としては、2−プロペンアミド(即ち、アクリルアミド)、2−メチルプロペンアミド(即ち、メタクリルアミド)が好ましく、またN−メチルプロペンアミド(即ち、N−メチルアクリルアミド)、N−メチル−2−メチルプロペンアミド(即ち、N−メチルメタクリルアミド)、N−エチルプロペンアミド(即ち、N−エチルアクリルアミド)、N−エチル−2−メチルプロペンアミド(即ち、N−エチルメタクリルアミド)、N−(2−プロピル)プロペンアミド(即ち、N−イソプロピルアクリルアミド)、N−(2−プロピル)−2−メチルプロペンアミド(即ち、N−イソプロピルアクリルアミド)、N−(2−プロピル)−2−メチルプロペンアミド(即ち、N−イソプロピルメタクリルアミド)、N−(t−オクチル)プロペンアミド(即ちN−t−オクチルメタクリルアミド)等のN−置換−プロペンアミド(即ち、N−置換−アクリルアミド)、N−置換−2−メチルプロペンアミド(即ち、N−置換−メタクリルアミド)のいずれか一種以上をアクリルアミド、メタクリルアミド等が挙げられ、これらを1種叉は2種以上併用することができる。
アクリルアミド類と共重合するモノマーのなかで、アニオン性モノマーとしては、例えばアクリル酸,メタクリル酸,クロトン酸等のモノカルボン酸,マレイン酸,フマル酸,イタコン酸,シトラコン酸,ムコン酸等のジカルボン酸およびそれらの塩類があげられる。その他、ビニルスルホン酸,スチレンスルホン酸,2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等の有機スルホン酸およびそれらの塩類を使用する事も可能である。
カチオン性モノマーとしては、例えば、カチオン性ビニルモノマー、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート,ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート,ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド,ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド,アリルアミン,ジアリルアミン等の3級アミン系モノマーまたは塩酸,硫酸,酢酸などの無機酸もしくは有機酸の塩類、または3級アミン系モノマーを塩化メチル,塩化ベンジル,ジメチル硫酸,エピクロルヒドリン等との反応で4級化したアンモニウム塩系のモノマーなどをあげることができる。これらのイオン性モノマーは1種を単独でまたは2種以上を使用できるが、ジアリルアミンを重合して得られるポリアクリルアミド樹脂が好ましい。
カチオン性ビニルモノマー類としては、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、及び4級アンモニウム塩を有するビニルモノマー等が挙げられる。
1級アミノ基を有するビニルモノマーとしては、2−プロペニルアミン(即ち、アリルアミン)、2−メチル−2−プロペニルアミン(即ち、メタミルアミン)等、及びこれらの塩類を挙げることができる。これらの塩類としては塩酸塩、及び硫酸塩等の無機酸塩類、並びにギ酸塩、及び酢酸塩等の有機酸塩類が挙げられる。
2級アミノ基を有するビニルモノマーとしては、ジ(2−プロペニル)アミン(即ち、ジメタリルアミン)、及びこれらの塩等を挙げることができる。これらの塩類としては塩酸塩、及び硫酸塩等の無機酸塩類、並びにギ酸塩、及び酢酸塩等の有機酸塩類が挙げられる。、また、2−プロペニルアミン(即ち、アリルアミン)、及び2−メチル−2−プロペニルアミン(即ち、メタアリルアミン)等の前記1級アミノ基を有するビニルモノマーとメチルクロライド、及びメチルブロマイド等のアラルキルハライド、ベンジルクロライド、ジメチル硫酸、およびジエチル硫酸等のジアルキル硫酸、エピクロロヒドリン等のいずれかとの反応により第2級アミンの酸塩としたモノマーが挙げられる。
3級アミノ基を有するビニルモノマーとしては、例えばN,N−ジメチル−2−プロペロイロキシエチルアミン(即ち、ジメチルアミノエチルアクリレート)、N,N−ジメチル−2−(2−メチルプロペロイロキシ)エチルアミン(即ち、ジメチルアミノエチルメタクリレート)、N,N−ジエチル−2−プロペロイロキシエチルアミン(即ち、ジエチルアミノエチルメタクリレート)、N,N−ジメチル−3−プロペロイロキシプロピルアミン(即ちジメチルアミノプロピルメタクリレート)、N,N−ジメチル−3−(2−メチルプロペロイロキシ)プロピルアミン(即ち、ジメチルアミノプロピルメタクリレート)、N,N−ジエチル−3−プロペロイロキシプロピルアミン(即ち、ジエチルアミノプロピルアクリレート)、及びN,N−ジエチル−3−(2−メチルプロペロイロキシ)プロピルアミン(即ち、ジエチルアミノプロピルメタクリレート)等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アルキレート類、N,N−ジメチル−3−プロペロイルアミノプロピルアミン(即ち、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド)、N,N−ジメチル−3−(2−メチルプロペロイルアミノ)プロピルアミン(即ち、ジエチルアミノプロピルメタクリルアミド)、N,N−ジエチル−3−プロペロイルアミノプロピルアミン(即ち、ジエチルアミノプロピルアクリルアミド)、及びN,N−ジエチル−3−(2−メチルプロペロイルアミノ)プロピルアミン(即ち、ジエチルアミノプロピルメタクリルアミド)等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類、並びにこれらの塩等を挙げることができる。これらの塩類としては塩酸塩、及び硫酸塩等の無機酸塩類、並びにギ酸塩、及び酢酸塩等の有機酸塩類が挙げられる。また、ジ(2−プロペニル)アミン(即ち、ジアリルアミン)、及びジ(2−メチル−2−プロペニル)アミン(即ち、ジメタリルアミン)等の前記2級アミノ基を有するビニルモノマーと、メチルクロライド、及びメチルブロマイド等のアルキルハライド、ベンジルクロライド、及びベンジルブロマイド等のアラルキルハライド、ジメチル硫酸、及びジエチル硫酸等のアルキル硫酸、エピクロロヒドリン等のいずれかとの反応により第3級アミンの酸塩としたモノマーが挙げられる。
4級アンモニウム塩類を有するビニルモノマーとしては、N,N−ジメチル−N,N−ジ(2−プロペニル)アンモニウムクロライド(即ち、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、N,N−ジメチル−N,N−ジ(2−メチル−2−プロペニル)アンモニウムクロライド(即ち、ジメタリルジメチルアンモニウムクロライド)、N,N−ジエチル−N,N−ジ(2−プロペニル)アンモニウムクロライド(即ち、ジアリルジエチルアンモニウムクロライド)、及びN,N−ジエチル−N,N−ジ(2−メチル−2−プロペニル)アンモニウムクロライド(即ち、ジエチルジメタリルアンモニウムクロライド)等が挙げられる。また、3級アミノ基を有するビニルモノマーと4級化剤との反応によって得られるビニルモノマーが挙げられる。前記4級化剤としては、メチルクロライド、及びメチルブロマイド等のアルキルハライド、ベンジルクロライド、及びベンジルブロマイド等のアラルキルハライド、ジメチル硫酸、及びジエチル硫酸等のアルキル硫酸、エピクロロヒドリン、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、並びにグリシジルトリアルキルアンモニウムクロライド等が挙げられる。具体的には、N,N,N−トリメチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]エタンアミニウムクロライド(即ち、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド)、N,N,N−トリメチル−2−[(2−メチル−1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]エタンアミニウムクロライド(即ち、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド)、N,N−ジメチル−N−[2[(1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]エチル]ベンゼンメタンアミニウムクロライド(即ち、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド)、N,N−ジメチル−N−[2[(2−メチル−1−オキソ−2−2−プロペニル)オキシ]エチル]ベンゼンメタンアミニウムクロライド(即ち、メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド)、N,N−ジメチル−N−[2[(1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]プロピル]ベンゼンメタンアミニウムクロライド(即ち、アクリロイルオキシプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロライド)、N,N−ジメチル−N−[2[(1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]プロピル]ベンゼンメタンアミニウムクロライド(即ち、アクリロイルオキシプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロライド)、及びN,N−ジメチル−N−[2[(2−メチル−1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]プロピル]ベンゼンメタンアミニウムクロライド(即ち、メタクリロイルオキシプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロライド)等が挙げられる。
さらに、カチオン性ビニルモノマー類として、一般式(2)で表されるアンモニウム塩を用いることが好ましい。
Figure 0004871029
式中、Rは炭素数1〜4のアルキレン基、R〜Rはそれぞれ水素原子又は、置換基を有しても良い炭素数22以下のアルキル基である(但し、R〜Rのいずれか二種及び三種が水素原子である場合を除く。)。Xは無機酸類、又は有機酸類のアニオンを表す。
一般式(2)で表されるアンモニウム塩として、例えば、2−プロペン−1−アミニウム,N,N,N,2−テトラメチル,クロライド、2−プロペン−1−アミニウム,N,N−ジエチル−2−メチル,ハイドロクロライド、2−プロペン−1−アミニウム,N,N,N−トリエチル−2−メチル,クロライド、2−プロペン−1−アミニウム,N,N,N−トリブチル−2−メチル,クロライド、2−プロペン−1−アミニウム,N,N−2−トリメチル−N−オクタデシル,クロライド、N−メチル−N−(2−メチル−2−プロペニル)モルホリニウムクロライド、2−プロペン−1−アミニウム,N−ヒドロキシエチル−N,N,2−トリメチル,クロライド、2−プロペン−1−アミニウム,N,N−ジヒドロキシエチル−N,2−ジメチル,クロライド、2−プロペン−1−アミニウム,N−ヒドロキシエチル−N,2−ジメチル,ハイドロクロライド等を挙げることができる。
これらの1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、又は4級アンモニウム塩類を有するビニルモノマーは一種単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。これらのカチオン性ビニルモノマーのうち、4級アンモニウム塩を含有するビニルモノマーが好ましく、前記一般式(1)及び前記一般式(2)で表される化合物がより好ましく、ジアリルジメチルアンモニウム塩が更に好ましい。
ノニオン性モノマーは重合物の水溶性を阻害しない程度で使用する事が可能で、例えば(メタ)アクリルニトリル,スチレン,酢酸ビニル等があげられる。
ポリアクリルアミド系樹脂としては、カチオン性ポリアクリルアミド系樹脂およびカチオン基とアニオン基を有する両性のポリアクリルアミド系樹脂から選ばれる少なくとも一種のポリアクリルアミド系樹脂が好ましい。
また、カチオン性樹脂とポリアクリルアミド系樹脂を含有する水性組成物については、カチオン性樹脂100質量部に対して、ポリアクリルアミド系樹脂を2〜1000質量部、より好ましくは10〜500質量部であり、15〜200質量部が特に好ましい。
本発明で使用されるフレキソインキとしては、特に制限はなく、アルコール型、コソルベント型、水性型、およびUV硬化型等があげられるが、これらのフレキソインキの中でも水性型が安全性、作業性及び経済性の面でも優れており、最も好ましい。
本発明の製造方法で使用されるフレキソ印刷機は、印刷ユニットの並び方により、スタック型、ライン型、セントラルインプレッション型の3タイプに分けられるが、いずれのタイプも本発明の製造方法に使用できる。複数ある印刷ユニットのうち、水性組成物を塗布する印刷ユニットは、色インキを供給する前、すなわち紙に最初に塗布する場所に設置するのが好ましいが、特定のインキ部分の発色性をより高めるため、色インキ用ユニットの間に設置することも可能である。
インキ発色性向上、印刷面仕上がりに関しての効果を阻害しない範囲において、本発明の製造方法で使用される水性組成物に、カルボキシメチルセルロース等のセルロース類、ポリビニルアルコール等の天然または合成の水溶性高分子を添加することも、可能である。また、表面サイズ剤、防滑剤、粘度調整剤、染料等の添加剤を併用してもよい。
本発明の製造方法で使用される印刷用ライナー原紙については、構成するパルプとしては特に限定するものではなく、例えば化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプ等の一種、又は二種以上を適宜混合して使用される。更に、二層以上のパルプ層を抄き合わせて多層構成になる原紙を使用することもできる。また、本発明の製造方法で使用される段ボールについては、上記のライナー原紙を使用した段ボールが使用される。その他、ライナー原紙、段ボールには必要に応じて、インキ発色性向上、印刷面仕上がりに関しての効果を阻害しない範囲において、サイズ剤、紙力剤、薬品定着剤、濾水剤、填料、染料等を適宜添加することもできる。
本発明の製造方法で使用される印刷ライナー原紙または段ボールには、塗被層を設けても良く、この場合の塗被層を構成する材料としては、カオリン、炭酸カルシウム、プラスチックピグメント等の無機及び有機顔料、スチレン・ブタジエン系、酢ビ・アクリル系等の各種ラテックス、ポリビニルアルコール、澱粉、ポリアクリルアミド等の各種表面紙力剤、スチレン系、オレフィン系等の各種表面サイズ剤、増粘剤、消泡剤、耐水化剤、離型剤、防錆剤等の各種助剤など、塗被ライナー紙の製造に使用される公知公用の材料を必要に応じて用いることができる。
本発明の製造方法で得られた印刷ライナーを用いた段ボールは、一般的には、コルゲーターマシーンで、ライナー紙と中芯紙を貼り合わせた後で、適当な大きさに裁断され、段ボールとなる。したがって、本願発明の印刷段ボールとしては、印刷ライナーを用いた段ボールおよび段ボールに直接、印刷を施したものが含まれる。また、本発明の製造方法で作成された印刷ライナーを使用した段ボール上に、さらに印刷が施される場合でも、その効果が損なわれることはなく、優れた印刷品質を持った段ボールを提供できる。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論、本発明はそれらの範囲に限定されるものでない。なお、例中の「部」、「%」は特に断わらない限り、質量部、質量%を示す。なお、水性組成物の粘度については、以下の方法(ザーンカップ法)で測定をおこなった。
25℃に保った水性組成物中に、オリフィス径4mmのザーンカップNo.4を沈め、沈めたカップを素早く一定の動作で引き上げ、カップ底面が液面から離れる瞬間から、オリフィスから流出する水性組成物の流れが途切れるまでの時間を測定する。時間が長いほど、粘度は高い。
実施例1
・水性組成物の調製
水溶性変性ポリアミン系樹脂(商品名:DK6852、星光PMC社製)80部、カチオン性ポリアクリルアミド系樹脂(商品名:HG5303、星光PMC社製)20部(いずれも固形分換算)からなる塗被液を、濃度20%となるよう調製した。
・印刷ライナーの作製
セントラルインプレッション型フレキソ印刷機(商品名:プレファイン、Ficher&Krecke社製)の第一番目の印刷ユニットに、調製した水性組成物を355線/インチのメッシュロールに供給し、ドクターでかきとって塗布量を計量した後、フレキソ用刷版に転写し、茶ライナー原紙(密度:0.8g/cm、米坪160g/m、白色度15%)に150m/minの印刷速度で印刷した。続けて、熱風ドライヤーで紙面温度が50℃となるように乾燥させ、その後、白インキ(商品名:SN−15G、サカタインクス社製)、藍インキ(商品名:CB−712、サカタインクス社製)赤インキ(商品名:紅赤CR−708、サカタインクス社製)、墨インキ(商品名:OJI#3、サカタインクス社製)をそれぞれ250線/インチのメッシュロールを用いて順に印刷した。それぞれのインキを印刷後、熱風ドライヤーで乾燥させ、印刷ライナーを得た。なお、水性組成物の乾燥後の塗布量は0.7g/mであった。
実施例2
・段ボールシートの作製
茶ライナー原紙(商品名:OFK210、王子板紙社製)をコルゲーターにて中芯(商品名:S120、王子板紙社製)と裏ライナー(商品名:SF210、王子板紙社製)を使用して貼合し、Aフルート形態で段ボールシートを得た。
・印刷段ボールの作製
実施例1において、茶ライナー原紙の代わりに上記の段ボールシートを使用し、ライン型ユニットタイプの印刷機を用いて第一番目のユニットで水性組成物を180線/インチのメッシュロールに供給し、ドクターでかきとって塗布量を計量した後、フレキソ用刷版に転写し、作製した段ボールシートに印刷を行った。続けて、紙面温度が25℃となるように乾燥させ、その後、白インキ(商品名:SN−15G、前出)、藍インキ(商品名:CB−712、前出)をそれぞれ250線/インチのメッシュロールを用いて順に印刷した。それぞれのインキを印刷後、熱風ドライヤーで乾燥させ、印刷段ボールを得た。なお、水性組成物の乾燥後の塗布量は1.1g/mであった。
参考例1
実施例1において、水性組成物塗布後に熱風ドライヤーの代わりに、室温の風を送った以外は、同じ方法で印刷ライナーを得た。
実施例3
実施例1の水性組成物の調製において、ポリアクリルアミド系樹脂(商品名:HG5303、前出)を除き、16%の濃度に調製した以外は、実施例1と同様な方法で印刷ライナーを得た。
比較例1
実施例1において、水性組成物を塗布しない以外は、同様な方法で印刷ライナーを得た。
得られた印刷ライナー、印刷段ボールについて、下記の評価を行い、得られた結果を表1に示した。なお、本発明における印刷ライナー、印刷段ボールの測定及び評価については特に記載のない限り、23℃、50%RHの環境下で行った。
・インキ発色性
JIS P8148:2001に準じて、印刷面について、白インキが印刷された部分を分光白色度測色計(スガ試験機製)にてISO白色度を測定し、インキ発色性を評価した。数値が高いほど、インキ発色性に優れることを示す。
・印刷ムラ
印刷ライナー、印刷段ボールの重色部の印刷ムラについて下記の通り目視評価した。
◎:印刷ムラが無く、印刷仕上がりが特に優れている。
○:印刷ムラが僅かに見られるが、印刷仕上がりについて、品質上問題ではない。
△:印刷ムラが見られ、品質上問題となる。
×:印刷ムラがひどい。
Figure 0004871029
実施例1、比較例1を比較すると、カチオン性樹脂を含有する水性組成物を塗布したものが、インキ発色性が良好であり、印刷ムラも良好であった。
実施例1、参考例1により、カチオン性樹脂を含有する水性組成物を塗布し、フレキソ印刷される前の原紙表面温度が高い方が、インキの発色性が良好であり、印刷ムラが良好であることがわかった。
実施例1、を比較すると、カチオン性樹脂を含有する水性組成物にポリアクリルアミド系樹脂を添加しない場合、その粘度が低く、ライナー原紙表面に水性組成物が留まらず、浸透したため、インキ発色性、印刷ムラは、やや低いレベルとなった。

Claims (5)

  1. フレキソ印刷機により印刷された、ライナーまたは段ボールの製造方法において、少なくとも一つの印刷ユニットでカチオン性樹脂を含有する水性組成物(カチオン化澱粉を含まない)を塗布し、続いて別の印刷ユニットでフレキソ印刷され、前記水性組成物の塗布工程と前記フレキソ印刷の工程との間で乾燥工程を通過し、かつ前記フレキソ印刷前のライナーまたは段ボールの表面温度が20〜120℃であることを特徴とする印刷ライナーまたは印刷段ボールの製造方法。
  2. 前記カチオン性樹脂が水溶性のポリアミン系樹脂である、請求項1記載の印刷ライナーまたは印刷段ボールの製造方法。
  3. 水性組成物がカチオン性樹脂とポリアクリルアミド系樹脂、を含有する、請求項1記載の印刷ライナーまたは印刷段ボールの製造方法。
  4. ライナー原紙または段ボールの表面の一部の領域に前記水性組成物を印刷ユニットで塗布、乾燥し、さらに前記水性組成物が塗布、乾燥された領域上にフレキソ印刷されたものである、請求項1からのいずれか一項に記載の印刷ライナーまたは印刷段ボールの製造方法。
  5. フレキソ印刷された領域が、前記水性組成物が塗布、乾燥された領域より小さい、請求項1からのいずれか一項に記載の印刷ライナーまたは印刷段ボールの製造方法。
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