JP2007182656A - 段ボール用ライナー紙および段ボール - Google Patents

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康宏 荒井
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Yuka Agatahama
由香 阿潟浜
Tetsuya Hirabayashi
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Abstract

【課題】フレキソ印刷インキ、特に水性フレキソインキを用いた印刷において、フレキソ印刷適性に優れた段ボール用ライナー紙及び前記ライナー紙を用いた段ボールを提供することにある。
【解決手段】段ボール用ライナー紙において、表面塗被層がカチオン性樹脂とカチオン化澱粉とを含有する水性組成物を塗被、乾燥して得られた層であることを特徴とする。前記カチオン化澱粉は冷水可溶性のカチオン化澱粉が好ましく、前記カチオン性樹脂100質量部に対して、カチオン化澱粉が10〜900質量部であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、段ボール用ライナー紙および段ボールに関し、特に、フレキソ印刷適性に優れたライナー紙及び前記ライナー紙を用いた段ボールに関するものである。
従来より、段ボール用ライナー紙への印刷においては、主にフレキソ印刷が行われているが、フレキソ印刷は、経済性に優れること、及び環境に優しい水性フレキソインキが主流であることから、今後さらに普及すると考えられる。しかしながら、フレキソ印刷には上記の利点があるものの、従来から印刷品質の低さが問題とされてきた。
近年、段ボールにもディスプレー機能が求められており、美粧印刷に対応した段ボール用ライナー紙が求められてきている。これまで、美粧印刷に対応するライナー紙としては、印刷面に、顔料及びバインダーを含む塗被層を設ける方法などが用いられている。しかし、そのような塗被層を設けることにより、紙の美粧化や印刷効果の向上を図ることはできるものの、製造コストが大きくなるばかりか、外観も一般的な茶ライナーから大きく変化してしまうことになる。
また、茶ライナーに白インキを多量に印刷した上に、他色を印刷するなどして美粧印刷が行われる場合もある。このような印刷方法の場合、茶ライナー表面を白くし、赤や藍など他色インキの仕上がりを良くするために、高価な白インキを多量に印刷する必要があり、白インキ付着量を減らした場合でも、白インキ印刷部の白色度が高く、他色インキの仕上がりが良い段ボール用ライナー紙が求められていた。
上記のような印刷適性の向上を図る方法として、ライナー表面にカチオン性の樹脂を塗被することにより、印刷効果を向上させる技術が開示されている。(特許文献1、2を参照)しかしながら、インキの発色や印刷面の仕上がり、印刷における操業性に関して、十分満足できるものではなかった。
特開2004−232158号公報 特開2004−231901号公報
また、前記文献には、カチオン性樹脂の塗被に際し、抄紙工程において、バーコーターなどの塗工機を用いて塗被を行う例のみが例示されているが、抄紙工程で塗被を行うと、ライナー表面全面にカチオン樹脂が塗被されるため、印刷に関係のない部分にも塗被が行われ効率が悪くなる。このため、印刷に関係のある部分だけに塗被液を塗被する技術も求められている。
本発明は、フレキソ印刷インキ、特に水性フレキソインキを用いた印刷において、フレキソ印刷適性に優れた段ボール用ライナー紙及び前記ライナー紙を用いた段ボールを提供するものである。
本発明における段ボール用ライナー紙は、表面塗被層がカチオン性樹脂とカチオン化澱粉とを含有する水性組成物を塗被、乾燥して得られた層であることを特徴とする。
前記カチオン化澱粉を冷水可溶性のカチオン化澱粉とすることにより、前記水性組成物の調製において、澱粉のクッキングの必要が無くなり、水性組成物の調製がフレキソ印刷工程で行える利点がある。
本発明における段ボール用ライナー紙は、表面塗被層の直下に、別の塗被層が設けられていても設けられていなくてもよい。
前記水性組成物中のカチオン性樹脂100質量部に対して、カチオン化澱粉が10〜900質量部であることが好ましい。
前記水性組成物中のpH=2でのカチオン価が、1〜10ミリ当量/g(固形分)であることが好ましい。
前記カチオン価が、片面当たり0.3〜20ミリ当量/mであることが好ましい。
前記水性組成物をフレキソ印刷機で塗被、乾燥後、インラインで更にフレキソ印刷を行うことにより、フレキソインキで印刷をおこなう部分だけに水性組成物を塗被、乾燥させればよい利点がある。
本発明における段ボール用ライナー紙は、段ボールにされてもよい。
本発明によって、フレキソ印刷インキ、特に水性フレキソインキを用いた印刷において、フレキソ印刷適性に優れた段ボール用ライナー紙及び前記ライナー紙を用いた段ボールを提供することが可能となった。
本発明者らは、段ボール用ライナー紙について鋭意検討を重ねた結果、基材上にカチオン性樹脂とカチオン化澱粉とを含有する水性組成物を原紙表面もしくは顔料塗被層上に塗被することにより、フレキソ印刷インキ、特に水性フレキソインキを用いた印刷において、フレキソ印刷適性に優れた段ボール用ライナー紙が得られることを見出した。
本発明におけるカチオン性樹脂としては、特許文献1及び2に記載の通り、樹脂中に1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも一種のカチオン性の官能基を有し、且つ樹脂全体としてカチオン性であればノニオン性及び/又はアニオン性の官能基を有していても良いが、官能基のうちカチオン性の官能基を主として有していること、つまりノニオン性官能基及びアニオン性官能基をほとんど含有しないことが好ましい。
本発明で用いられるカチオン性樹脂の具体例としては、例えば、アミン類とエピハロヒドリン類とを反応して得られる樹脂(例えばジメチルアミンエピクロロヒドリン樹脂)、カチオン性ビニルモノマーを単独で重合した樹脂(例えばポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリアリルアミン塩)、カチオン性モノマーと他の共重合性モノマーとを共重合させた樹脂(例えばカチオン性アクリルアミド系樹脂)、ポリビニルアミン系樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、ホフマン変性を行ったアクリルアミド系樹脂、マンニッヒ変性を行ったアクリルアミド系樹脂、ポリアルキレンポリアミド系樹脂、ポリアミドポリ尿素系樹脂等を挙げることができる。
これらの中でも、アミン類とエピハロヒドリン類とを反応して得られるカチオン性樹脂、ジアリルアミン類を重合して得られるカチオン性樹脂、カチオン性ポリアクリルアミド系樹脂が好ましい。
<アミン類とエピハロヒドリン類とを反応して得られるカチオン性樹脂の説明>
本発明における、アミン類とエピハロヒドリン類とを反応して得られるカチオン性樹脂において、アミン類として用いることのできるアミンは、分子中に少なくとも1個のエピハロヒドリンと反応可能なアミノ基を有するアミンであれば特に制限はないが、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、ポリアルキレンポリアミン、アンモニア及びアルカノールアミンからなる群から選択された一種以上のアミンを用いることができる。
前記アミン類は、少なくとも一種類の第2級アミンを含有していることが好ましく、又、前記第2級アミンと前記第2級アミン以外のアミン類、例えば、第1級アミン、第3級アミン、ポリアルキレンポリアミン、及びアルカノールアミンから選択された一種以上のアミン(以下「第1級アミン等」という)を含有していることも好ましい。
前記第2級アミン類としては、例えば脂肪族第2級アミン、芳香族第2級アミン、脂環式第2級アミン、ヘテロ環式第2級アミン等が挙げられ、中でも脂肪族第2級アミンを好ましい例として挙げられる。また、これらの第2級アミンは、一種のみ用いてもよいし、二種以上併用することも可能である。
脂肪族第2級アミンとしては、具体的にはジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルブチルアミン、メチルオクチルアミン、メチルラウリルアミン、及びジベンジルアミン等が挙げられる。なかでもジメチルアミン、ジエチルアミンが好ましく、ジメチルアミンがより好ましく、さらにはジメチルアミンを単独で用いることが特に好ましい。
芳香族第2級アミンとしては、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、N−ブチルアニリン、N−ペンチルアニリン、N−ヘキシルアニリン、N−オクチルアニリン、N−デシルアニリン、N−ラウリルアニリン、及びN−ベンジルアニリン等のN−アルキルアニリン、N−メチルトルイジン、N−エチルトルイジン、N−プロピルトルイジン、N−ブチルトルイジン、N−ペンチルトルイジン、N−ヘキシルトルイジン、N−オクチルトルイジン、N−デシルトルイジン、N−ラウリルトルイジン、及びN−ベンジルトルイジン等のN−アルキルトルイジン、並びに、N−メチルナフチルアミン、N−エチルナフチルアミン、N−プロピルナフチルアミン、N−ブチルナフチルアミン、N−ペンチルナフチルアミン、N−デシルナフチルアミン、N−ラウリルナフチルアミン、及びN−ベンジルナフチルアミン等のN−アルキルナフチルアミン等が挙げられる。
その他の芳香族第2級アミンとしては、ジフェニルアミン、N−フェニル−o−トルイジン、N−フェニル−m−トルイジン、N−フェニル−p−トルイジン、N−トルイル−o−トルイジン、N−トルイル−m−トルイジン、N−トルイル−p−トルイジン、N−フェニルナフチルアミン、及びN−トルイルナフチルアミン等の芳香環が窒素原子に2個結合してなるアミンが挙げられる。
脂環式第2級アミンとしては、N−メチルシクロヘキシルアミン、N−エチルシクロヘキシルアミン、N−プロピルシクロヘキシルアミン、N−オクチルシクロヘキシルアミン、N−デシルシクロヘキシルアミン、及びN−ラウリルシクロヘキシルアミン等のN−アルキルシクロヘキシルアミン、N−メチルシクロオクチルアミン、N−エチルシクロオクチルアミン、N−プロピルシクロオクチルアミン、N−ブチルシクロオクチルアミン、N−ヘキシルシクロオクチルアミン、N−オクチルシクロオクチルアミン、N−デシルシクロオクチルアミン、N−ラウリルシクロオクチルアミン等のN−アルキルシクロオクチルアミン、並びにジシクロヘキシルアミン、及びジシクロオクチルアミン等のジシクロアルキルアミンを挙げられる。
ヘテロ環式第2級アミンとしては、ピペリジン、ピロリジン、2−メチルピペリジン、及び4−メチルピペリジン等が挙げられる。
前記第1級アミン等であるところの、第1級アミン、第3級アミン、ポリアルキレンポリアミン、及びアルカノールアミンから選択された一種以上のアミンとして、脂肪族第1級アミン、芳香族第1級アミン、脂環式第1級アミン等の第1級アミン、脂肪族第3級アミン、芳香族第3級アミン、脂環式第3級アミン等の第3級アミン、アルカノールアミン、アルキレンジアミン、ポリアルキレンポリアミン、その他のアミン等を挙げることができる。
脂肪族第1級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、アリルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、2−ペンタンアミン、ヘキシルアミン、2−アミノヘキサン、3−アミノヘキサン、モノオクチルアミン、及びベンジルアミン等が挙げられる。芳香族第1級アミンとしては、シクロヘキシルアミン、シクロオクチルアミン等を挙げることができる。
芳香族第1級アミンとしては、アニリン、トルイジン、ビフェニルアミン、ナフチルアミン、及びフェニルアミン等を挙げることができる。
脂環式第1級アミンとしては、シクロヘキシルアミン、及びシクロオクチルアミン等を挙げることができる。
脂肪族第3級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリ−tert−ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、及びトリベンジルアミン等が挙げられる。
芳香族第3級アミンとしては、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、ジメチルトルイジン、ジエチルトルイジン、N−メチルジフェニルアミン、N−エチルジフェニルアミン、N−メチルジトリルアミン、N−エチルジトリルアミン、トリフェニルアミン等を挙げることができる。
脂環式第3級アミンとしては、ジメチルアミノシクロヘキサン、ジシクロヘキシルアミノメタン、ジメチルアミノシクロオクタン、ジシクロオクチルアミノメタン、トリシクロヘキシルアミン、トリシクロオクチルアミン等を挙げることができる。
アルカノールアミンとしては、エタノールアミン、n−プロパノールアミン、及びイソプロパノールアミン等のモノアルカノールアミン、ジエタノールアミン、及びジイソプロパノールアミン等のジアルカノールアミン、トリエタノールアミン、及びトリイソプロパノールアミン等のトリアルカノールアミン、N−メチルエタノールアミン、及びN−エチルエタノールアミン等のN−アルキルアルカノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等のN−アルキルジアルカノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、及びN,N−ジブチルエタノールアミン等のN,N−ジアルキルアルカノールアミン、並びにN−(2−アミノエチル)エタノールアミン等が挙げられる。
アルキレンジアミンとしては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、プロピレンジアミン、及びヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
その他のアミンとして、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、1,3(又は2,4)−ビス−(アミノメチル)シクロヘキサン、オクタハイドロ−4,7−メタノインデン−1(2),5(6)−ジメタンアミン、2,2’−ビス−(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン、4,4’−オキシビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−スルホンビス(シクロヘキシルアミン)、1,3,5−トリアミノシクロヘキサン、2,4’−又は4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラアルキルジシクロヘキシルアルカン、及びN−アミノプロピルシクロヘキシルアミン等の脂環式アミン類、アミノピリジン、アミノピコリン、N−フェニルアミノピリジン、及びN−トルイルアミノピリジン等の芳香族アミン類、ピペラジン、N−メチルピペリジン、及びアミノエチルピペラジン等のヘテロ環式アミン類が挙げられる。
ポリアルキレンポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘプタエチレンオクタミン、及びノナンエチレンデカミン等のポリエチレンポリアミン、ポリプロピレンポリアミン、ポリブチレンポリアミン、並びにトリエチレンビス(トリメチレン)ヘキサミン等が挙げられる。
本発明における、アミン類とエピハロヒドリン類を反応して得られるカチオン性樹脂を製造する際の重合反応に使用するエピハロヒドリン類としては、エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリン、及びメチルエピクロロヒドリン等が挙げられる。また、これらを二種以上混合して用いることもできる。これらのエピハロヒドリン類の中でも、エピクロロヒドリンが特に好ましい。
<ジアリルアミン類を重合して得られるカチオン性樹脂の説明>
本発明における、ジアリルアミン類を重合して得られるカチオン性樹脂は、ジアリルアミン類を単独重合して得られる樹脂は勿論のこと、少なくとも前記ジアリルアミン類と他のモノマー類とを共重合して得られる樹脂であればよく、ジアリルアミン類とジアリルアミン類以外のカチオン性モノマー、ノニオン性モノマーとを含んだモノマー混合物を共重合させた樹脂であってもよい。
ジアリルアミン類としては、ジ(2−プロペニル)アミン(即ち、ジアリルアミン)、N−メチル−N,N−ジ(2−プロペニル)アミン(即ち、ジアリルメチルアミン)、N,N−ジメチル−N,N−ジ(2−プロペニル)アンモニウムクロライド(即ち、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、及びN,N−ジエチル−N,N−ジ(2−プロペニル)アンモニウムブロマイド(即ち、ジアリルジエチルアンモニウムブロマイド)などが挙げられ、下記一般式(1)であらわされるジアリルアミン類を重合して得られるカチオン性樹脂が好ましく、特に、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドが好ましい。
Figure 2007182656
式中、R及びRはそれぞれ水素又はメチル基を表す。R及びRはそれぞれ水素原子又は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、R及びRは同一であっても相違していても良い。Xは無機酸類、又は有機酸類のアニオンを表す。
ジアリルアミン類を重合して得られるカチオン性樹脂は、ジアリルアミン類を、又はジアリルアミン類とアクリルアミド類以外のモノマーとを、通常の方法により重合することにより得ることができる。
<カチオン性ポリアクリルアミド系樹脂の説明>
本発明のカチオン性ポリアクリルアミド系樹脂は、アクリルアミド類とカチオン性ビニルモノマーと要すればこれら以外のモノマーとを重合して得られるカチオン性樹脂であり、ノニオン性モノマー類、アニオン性モノマー類、架橋剤等を樹脂全体としてカチオン性を有する範囲で使用できる。また、例えば、ビニルホルムアミドとアクリルアミドとを重合し、次いで加水分解して最終的に得られたカチオン性樹脂もこの発明におけるカチオン性樹脂に含まれる。
カチオン性ビニルモノマー類としては、1級アミノ基を有するビニルモノマー、2級アミノ基を有するビニルモノマー、3級アミノ基を有するビニルモノマー、及び4級アンモニウム塩類を有するビニルモノマー等が挙げられる。
前記1級アミノ基を有するビニルモノマーとしては、2−プロペニルアミン(即ち、アリルアミン)、2−メチル−2−プロペニルアミン(即ち、メタミルアミン)等、及びこれらの塩類を挙げることができる。これらの塩類としては塩酸塩、及び硫酸塩等の無機酸塩類、並びにギ酸塩、及び酢酸塩等の有機酸塩類が挙げられる。
前記2級アミノ基を有するビニルモノマーとしては、ジ(2−プロペニル)アミン(即ち、ジメタリルアミン)、及びこれらの塩等を挙げることができる。これらの塩類としては塩酸塩、及び硫酸塩等の無機酸塩類、並びにギ酸塩、及び酢酸塩等の有機酸塩類が挙げられる。
また、前記2級アミノ基を有するビニルモノマーとして、2−プロペニルアミン(即ち、アリルアミン)、及び2−メチル−2−プロペニルアミン(即ち、メタアリルアミン)等の前記1級アミノ基を有するビニルモノマーとメチルクロライド、及びメチルブロマイド等のアラルキルハライド、ベンジルクロライド、ジメチル硫酸、およびジエチル硫酸等のジアルキル硫酸、エピクロロヒドリン等のいずれかとの反応により第2級アミンの酸塩としたモノマーが挙げられる。
前記3級アミノ基を有するビニルモノマーとしては、例えばN,N−ジメチル−2−プロペロイロキシエチルアミン(即ち、ジメチルアミノエチルアクリレート)、N,N−ジメチル−2−(2−メチルプロペロイロキシ)エチルアミン(即ち、ジメチルアミノエチルメタクリレート)、N,N−ジエチル−2−プロペロイロキシエチルアミン(即ち、ジエチルアミノエチルメタクリレート)、N,N−ジメチル−3−プロペロイロキシプロピルアミン(即ちジメチルアミノプロピルメタクリレート)、N,N−ジメチル−3−(2−メチルプロペロイロキシ)プロピルアミン(即ち、ジメチルアミノプロピルメタクリレート)、N,N−ジエチル−3−プロペロイロキシプロピルアミン(即ち、ジエチルアミノプロピルアクリレート)、及びN,N−ジエチル−3−(2−メチルプロペロイロキシ)プロピルアミン(即ち、ジエチルアミノプロピルメタクリレート)等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アルキレート類、N,N−ジメチル−3−プロペロイルアミノプロピルアミン(即ち、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド)、N,N−ジメチル−3−(2−メチルプロペロイルアミノ)プロピルアミン(即ち、ジエチルアミノプロピルメタクリルアミド)、N,N−ジエチル−3−プロペロイルアミノプロピルアミン(即ち、ジエチルアミノプロピルアクリルアミド)、及びN,N−ジエチル−3−(2−メチルプロペロイルアミノ)プロピルアミン(即ち、ジエチルアミノプロピルメタクリルアミド)等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類、並びにこれらの塩等を挙げることができる。これらの塩類としては塩酸塩、及び硫酸塩等の無機酸塩類、並びにギ酸塩、及び酢酸塩等の有機酸塩類が挙げられる。
また、前記3級アミノ基を有するビニルモノマーとして、ジ(2−プロペニル)アミン(即ち、ジアリルアミン)、及びジ(2−メチル−2−プロペニル)アミン(即ち、ジメタリルアミン)等の前記2級アミノ基を有するビニルモノマーと、メチルクロライド、及びメチルブロマイド等のアルキルハライド、ベンジルクロライド、及びベンジルブロマイド等のアラルキルハライド、ジメチル硫酸、及びジエチル硫酸等のアルキル硫酸、エピクロロヒドリン等のいずれかとの反応により第3級アミンの酸塩としたモノマーが挙げられる。
前記4級アンモニウム塩類を有するビニルモノマーとしては、N,N−ジメチル−N,N−ジ(2−プロペニル)アンモニウムクロライド(即ち、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、N,N−ジメチル−N,N−ジ(2−メチル−2−プロペニル)アンモニウムクロライド(即ち、ジメタリルジメチルアンモニウムクロライド)、N,N−ジエチル−N,N−ジ(2−プロペニル)アンモニウムクロライド(即ち、ジアリルジエチルアンモニウムクロライド)、及びN,N−ジエチル−N,N−ジ(2−メチル−2−プロペニル)アンモニウムクロライド(即ち、ジエチルジメタリルアンモニウムクロライド)等が挙げられる。
また、前記4級アンモニウム塩類を有するビニルモノマーとして、前記3級アミノ基を有するビニルモノマーと4級化剤との反応によって得られるビニルモノマーが挙げられる。前記4級化剤としては、メチルクロライド、及びメチルブロマイド等のアルキルハライド、ベンジルクロライド、及びベンジルブロマイド等のアラルキルハライド、ジメチル硫酸、及びジエチル硫酸等のアルキル硫酸、エピクロロヒドリン、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、並びにグリシジルトリアルキルアンモニウムクロライド等が挙げられる。具体的には、N,N,N−トリメチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]エタンアミニウムクロライド(即ち、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド)、N,N,N−トリメチル−2−[(2−メチル−1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]エタンアミニウムクロライド(即ち、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド)、N,N−ジメチル−N−[2[(1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]エチル]ベンゼンメタンアミニウムクロライド(即ち、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド)、N,N−ジメチル−N−[2[(2−メチル−1−オキソ−2−2−プロペニル)オキシ]エチル]ベンゼンメタンアミニウムクロライド(即ち、メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド)、N,N−ジメチル−N−[2[(1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]プロピル]ベンゼンメタンアミニウムクロライド(即ち、アクリロイルオキシプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロライド)、N,N−ジメチル−N−[2[(1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]プロピル]ベンゼンメタンアミニウムクロライド(即ち、アクリロイルオキシプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロライド)、及びN,N−ジメチル−N−[2[(2−メチル−1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]プロピル]ベンゼンメタンアミニウムクロライド(即ち、メタクリロイルオキシプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロライド)等が挙げられる。
さらに、カチオン性ビニルモノマー類として、一般式(2)で表されるアンモニウム塩を用いることが好ましい。
Figure 2007182656
式中、Rは炭素数1〜4のアルキレン基、R〜Rはそれぞれ水素原子又は、置換基を有しても良い炭素数22以下のアルキル基である(但し、R〜Rのいずれか二種及び三種が水素原子である場合を除く。)。Xは無機酸類、又は有機酸類のアニオンを表す。
一般式(2)で表されるアンモニウム塩として、例えば、2−プロペン−1−アミニウム,N,N,N,2−テトラメチル,クロライド、2−プロペン−1−アミニウム,N,N−ジエチル−2−メチル,ハイドロクロライド、2−プロペン−1−アミニウム,N,N,N−トリエチル−2−メチル,クロライド、2−プロペン−1−アミニウム,N,N,N−トリブチル−2−メチル,クロライド、2−プロペン−1−アミニウム,N,N−2−トリメチル−N−オクタデシル,クロライド、N−メチル−N−(2−メチル−2−プロペニル)モルホリニウムクロライド、2−プロペン−1−アミニウム,N−ヒドロキシエチル−N,N,2−トリメチル,クロライド、2−プロペン−1−アミニウム,N,N−ジヒドロキシエチル−N,2−ジメチル,クロライド、2−プロペン−1−アミニウム,N−ヒドロキシエチル−N,2−ジメチル,ハイドロクロライド等を挙げることができる。
これらの1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、又は4級アンモニウム塩類を有するビニルモノマーは一種単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。これらのカチオン性ビニルモノマーのうち、4級アンモニウム塩を含有するビニルモノマーが好ましく、前記一般式(1)及び前記一般式(2)で表される化合物がより好ましく、ジアリルジメチルアンモニウム塩が更に好ましい。
本発明で使用するアクリルアミド類としては、2−プロペンアミド(即ち、アクリルアミド)、2−メチルプロペンアミド(即ち、メタクリルアミド)が好ましく、またN−メチルプロペンアミド(即ち、N−メチルアクリルアミド)、N−メチル−2−メチルプロペンアミド(即ち、N−メチルメタクリルアミド)、N−エチルプロペンアミド(即ち、N−エチルアクリルアミド)、N−エチル−2−メチルプロペンアミド(即ち、N−エチルメタクリルアミド)、N−(2−プロピル)プロペンアミド(即ち、N−イソプロピルアクリルアミド)、N−(2−プロピル)−2−メチルプロペンアミド(即ち、N−イソプロピルアクリルアミド)、N−(2−プロピル)−2−メチルプロペンアミド(即ち、N−イソプロピルメタクリルアミド)、N−(t−オクチル)プロペンアミド(即ちN−t−オクチルメタクリルアミド)等のN−置換−プロペンアミド(即ち、N−置換−アクリルアミド)、N−置換−2−メチルプロペンアミド(即ち、N−置換−メタクリルアミド)のいずれか一種以上をアクリルアミド、メタクリルアミドと併用して使用することができる。
カチオン性ポリアクリルアミド系樹脂に使用するカチオン性ビニルモノマー類及びアクリルアミド類の外にも上記カチオン性ビニルモノマー類及びアクリルアミド類と共重合可能なノニオン性ビニルモノマー、アニオン性ビニルモノマー、及び架橋剤を、樹脂全体としてカチオン性である範囲内で使用することができる。
本発明におけるカチオン化澱粉は、澱粉にカチオン化剤を反応させて得られるが、例えばタピオカ、コーン、ポテト、米、小麦等の公知の澱粉種を使用したカチオン化澱粉を使用することができる。カチオン化剤に関しても、特に限定されずいずれも使用可能である。公知のカチオン化剤としては、例えば、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルジメチルアミン、2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等の3級、4級のアミノ基を有するカチオン化剤が好ましい。カチオン化澱粉の置換度(グルコース単位1ユニット当たり、カチオン基が何個導入されているか)に関しては、0.001〜0.3の範囲が好ましく、更に0.003〜0.2の範囲が特に好ましい。0.001未満の場合は、得られる効果が十分ではない場合があり、0.3を越える場合は、カチオン化剤の使用量が多くなり経済的には好ましくない。
本発明におけるカチオン化澱粉は冷水可溶性のカチオン化澱粉であることが好ましい。通常、カチオン化澱粉は、冷水に不溶なベーター澱粉であるが、これに水を加え加熱し、澱粉分子を大きく膨れた状態(アルファー化)にしたまま急速に脱水乾燥すると、冷水可溶性のカチオン化澱粉となる。カチオン化澱粉が冷水可溶性であると、本発明の水性組成物の調製において、澱粉のクッキング工程が必要ないため、フレキソ印刷工程で水性組成物の調製が行える利点がある。
本発明の水性組成物において、前記カチオン性樹脂100質量部に対して、カチオン化澱粉が10〜900質量部であることが好ましい。更に好ましくは、10〜240質量部であることが好ましく、更に好ましくは、20〜100質量部が好ましい。10〜900質量部の範囲であると、インキ発色性が良好であり、印刷ムラおよび印刷作業性が良好である。
本発明における水性組成物は、pH=2におけるカチオン価が1〜10ミリ当量/g(固形分)の範囲にあることが好ましく、2〜10ミリ当量/g(固形分)の範囲にあることがより好ましい。1〜10ミリ当量/g(固形分)の範囲であると、水性組成物の塗被量を増大させる必要がなく、併せて水性組成物の反応性が抑えられて、塗工機の腐食など操業上のトラブルが起こることがない。
カチオン価の測定方法:イオン交換水に希釈した水性組成物を、pH=2に調整後、0.1%トルイジンブルーを指示薬として、1/400N−ポリビニル硫酸カリウムで滴定した。ポリビニル硫酸カリウムの滴定量から(式1)を用いて、カチオン価を計算した。
カチオン価(ミリ当量/g不揮発分)=1/400×f×V/(W×C/100)(式1)
W:水性組成物の採取量(g)
C:水性組成物の不揮発分(%)
f:ポリビニル硫酸カリウムのファクター(濃度補正値)
V:ポリビニル硫酸カリウムの滴定量(ml)
本発明者らは、更に水性組成物のカチオン価について検討を重ねた。水性組成物をライナー表面に塗被する際、pH=2におけるカチオン価が片面当たり0.3〜20ミリ当量/mとなるよう塗被することが好ましい。更に好ましくは、1〜20ミリ当量/mとなるよう塗被することが好ましい。0.3〜20ミリ当量/mの範囲であれば、所望の効果が得られる。
本発明の水性組成物は、公知の方法により塗被することができる。例えば、サイズプレス、フィルムプレス、ゲートロールコーター、ブレードコーター、キャレンダー、バーコーター、ナイフコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、スプレーコーター等を用いることができる。また、フレキソ印刷機を用いて塗被することも可能であり、例えば、多色印刷のできるフレキソ印刷機を用いて、本発明の水性組成物を塗被した後、インラインで、フレキソ印刷を行うことができる。
本発明の水性組成物を塗被する際の塗被液濃度は、固形分として0.1〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。また、塗被温度は、20〜80℃で行われるのが好ましい。本発明の水性組成物の塗被量は、原紙のサイズ度、及びその他の要素を勘案して適宜設定することができるが、通常は固形分で0.05〜3g/m、好ましくは0.1〜2g/mである。0.05g/mより少ないと、満足する効果が得られないし、3g/mより多いと、乾燥や印刷でのトラブルの原因となる。
本発明の水性組成物は、カルボキシメチルセルロース等のセルロース類、ポリビニルアルコール等の天然または合成の水溶性高分子と併用することも、可能である。また、表面サイズ剤、防滑剤、粘度調整剤、染料等の添加剤を併用してもかまわない。
本発明の段ボール用ライナー原紙を構成するパルプとしては特に限定するものではなく、例えば化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプ等の一種、又は二種以上を適宜混合して使用される。更に、二層以上のパルプ層を抄き合わせて多層構成になる原紙を使用することもできる。その他、原紙には必要に応じて、サイズ剤、紙力剤、薬品定着剤、濾水剤、填料、染料等を適宜添加することもできる。
本発明の段ボール用ライナー紙には、表面塗被層の直下に、別の塗被層を設けても良く、この場合の塗被層を構成する材料としては、カオリン、炭酸カルシウム、プラスチックピグメント等の無機及び有機顔料、スチレン・ブタジエン系、酢ビ・アクリル系等の各種ラテックス、ポリビニルアルコール、澱粉、ポリアクリルアミド等の各種表面紙力剤、スチレン系、オレフィン系等の各種表面サイズ剤、増粘剤、消泡剤、耐水化剤、離型剤、防錆剤等の各種助剤など、塗被ライナー紙の製造に使用される公知公用の材料を必要に応じて用いることができる。
本発明の段ボール用ライナー紙を用いた段ボールは、一般的には、コルゲーターマシーンで、ライナー紙と中芯紙を貼り合わせた後で、適当な大きさに裁断され、段ボールとなる。段ボールの印刷においては、事前に印刷されたライナー紙と中芯紙を貼り合わせて段ボールとする場合と、段ボールに成形された後、印刷が施される場合があるが、後者の場合でも、本発明の段ボール用ライナー紙の効用は、そのまま適用され、フレキソ印刷適性に優れた段ボールを提供することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論、本発明はそれらの範囲に限定されるものでない。なお、例中の「部」、「%」は特に断わらない限り、質量部、質量%を示す。
実施例1
・塗被液の調製
カチオン性樹脂(商品名:DK6854、成分:アミン類とエピハロヒドリン類を反応して得られるカチオン性樹脂、カチオン価:6.4、星光PMC社製)100部、カチオン化澱粉(商品名:ピラーP−3Y、置換度0.019、ピラー社製)を43部(いずれも固形分換算)からなる塗被液を、濃度7%となるよう調製した。カチオン化澱粉については、別工程にて、水にカチオン化澱粉を分散させ、90℃で30分加熱し糊化させた澱粉糊液を塗被液の調製に用いた。
・段ボール用ライナー紙の作成
茶ライナー原紙(キンド:0.8g/cm、米坪160g/m、白色度15%)上に前記塗被液を乾燥重量で0.9g/mの塗被量となるようにバー塗被装置にて塗被速度500m/min.で片面塗被、乾燥を行って段ボール用ライナー紙を得た。
実施例2
実施例1の塗被液の調製において、カチオン化澱粉を100部とした以外は、実施例1と同様に段ボール用ライナー紙を得た。
実施例3
実施例1の塗被液の調製において、カチオン化澱粉を5部とした以外は、実施例1と同様に段ボール用ライナー紙を得た。
実施例4
実施例1の塗被液の調製において、カチオン化澱粉を400部とした以外は、実施例1と同様に段ボール用ライナー紙を得た。
実施例5
実施例1の塗被液濃度を1.6%、塗被量を乾燥重量で0.2g/mとした以外は、実施例1と同様に段ボール用ライナー紙を得た。
実施例6
実施例1の塗被液の調製において、カチオン化澱粉を240部、塗被液濃度を2.3%、塗被量を乾燥重量で0.3g/mとした以外は、実施例1と同様に段ボール用ライナー紙を得た。
実施例7
・塗被液の調製
実施例1の塗被液の調製において、濃度を20%とした以外は、実施例1と同様に塗被液を調製した。
・段ボール用ライナー紙の作成及び印刷
茶ライナー原紙(キンド:0.8g/cm、米坪160g/m、白色度15%)上に前記塗被液を乾燥重量で0.9g/mの塗被量となるように、実機フレキソ印刷機にて塗被速度150m/min.で片面塗被、乾燥を行った後、インラインで、フレキソインキ(白)を乾燥重量で6g/m印刷した。
実施例8
実施例7の塗被液の調製において、カチオン化澱粉を冷水可溶性のアルファー化したカチオン化澱粉(商品名:ペトロサイズJ、日澱化学製)とし、実機フレキソ印刷機のインキ供給工程上で20℃の水に溶解し、カチオン性樹脂と混合して塗被液を調製した以外は、実施例7と同様に段ボール用ライナー紙の作成及び印刷を行った。
比較例1
実施例1において、塗被液を塗被、乾燥せず、茶ライナー原紙をそのまま使用した。
比較例2
実施例1の塗被液の調製において、カチオン化澱粉(商品名:ピラーP−3Y、前出)を使用せず、カチオン性樹脂を100部にした以外は、実施例1と同様に段ボール用ライナー紙を得た。
比較例3
実施例1の塗被液の調製において、カチオン化澱粉を酸化澱粉(商品名:王子エースA、王子コーンスターチ社製)にした以外は、実施例1と同様に段ボール用ライナー紙を得た。
比較例4
実施例1の塗被液の調製において、カチオン化澱粉を燐酸エステル化澱粉(商品名:王子エースP−140、王子コーンスターチ社製)した以外は、実施例1と同様に段ボール用ライナー紙を得た。
比較例5
実施例1の塗被液の調製において、カチオン化澱粉をポリビニルアルコール(商品名:PVA105、クラレ社製)にした以外は、実施例1と同様に段ボール用ライナー紙を得た。
かくして得られた段ボール用ライナー紙について、下記のごとき評価を行い、得られた結果を表1にまとめて示した。なお、本発明における段ボール用ライナー紙の測定及び評価については特に記載のない限り、23℃、50%RHの環境下で行った。
<カチオン価(水性組成物)>
イオン交換水に希釈した水性組成物を、pH=2に調整後、0.1%トルイジンブルーを指示薬として、1/400N−ポリビニル硫酸カリウムで滴定した。ポリビニル硫酸カリウムの滴定量から式1を用いて、カチオン価を計算した。
カチオン価(ミリ当量/g不揮発分)=1/400×f×V/(W×C/100)(式1)
W:水性組成物の採取量(g)
C:水性組成物の不揮発分(%)
f:ポリビニル硫酸カリウムのファクター(濃度補正値)
V:ポリビニル硫酸カリウムの滴定量(ml)
<カチオン価(表面塗被層)>
水性組成物のカチオン価(ミリ当量/g不揮発分)×表面塗被層の乾燥塗被量(g/m)で算出される。
<インキ発色性>
実施例1〜6、比較例1〜5の段ボール用ライナー紙について、実機フレキソ印刷機を用いてフレキソインキ(白)を乾燥重量で6g/m印刷した。その後、JIS P8148:2001に準じて、印刷面について、分光白色度測色計(スガ試験機製)にてISO白色度を測定し、インキ発色性を評価した。実施例7、8については、フレキソインキ(白)の印刷面のISO白色度をそのまま測定し、インキ発色性を評価した。数値が高いほど、インキ発色性に優れることを示す。
<印刷ムラ>
段ボール用ライナー紙について、実機フレキソ印刷機にて、白インキを印刷した後、他色インキを印刷し、重色部の印刷ムラについて下記の通り目視評価した。
◎:印刷ムラが無く、印刷仕上がりが特に優れている。
○:印刷ムラが僅かに見られるが、印刷仕上がりについて、品質上問題ではない。
△:印刷ムラが見られ、品質上問題となる。
×:印刷ムラがひどい。
<印刷操業性>
実施例1〜6、比較例1〜5の段ボール用ライナー紙について、実機フレキソ印刷機にて、150m/minの印刷速度で、5000m連続で印刷し、印刷操業性について下記の通り目視評価した。実施例7、8については、水性組成物の塗被、乾燥及びフレキソインキ印刷時の印刷操業性を同様に評価した。
◎:紙粉の発生や、インキの版への逆転写などが無く、印刷操業性が特に優れている。
○:紙粉の発生や、インキの版への逆転写などが僅かに見られるが、印刷操業上問題ではない。
△:紙粉の発生や、インキの版への逆転写などが見られ、印刷操業上問題となる。
×:紙粉の発生や、インキの版への逆転写などがひどく、印刷操業上問題となる。
Figure 2007182656
実施例8は実施例7と比較して、インキ発色性、印刷ムラ、印刷作業性において同等であり、塗被液の調製において、冷水可溶性の澱粉を用いることで、フレキソ印刷工程上での塗被液の調製が可能となった。

Claims (8)

  1. 表面塗被層がカチオン性樹脂とカチオン化澱粉とを含有する水性組成物を塗被、乾燥して得られた層であることを特徴とする段ボール用ライナー紙。
  2. 前記カチオン化澱粉が冷水可溶性のカチオン化澱粉である、請求項1に記載の段ボール用ライナー紙。
  3. 表面塗被層の直下に別の塗被層が設けられた、または設けられていない、請求項1または2に記載の段ボール用ライナー紙。
  4. 前記カチオン性樹脂100質量部に対して、カチオン化澱粉が10〜900質量部である、請求項1から3のいずれか一項に記載の段ボール用ライナー紙。
  5. 前記水性組成物のpH=2でのカチオン価が、1〜10ミリ当量/g(固形分)である、請求項1から4のいずれか一項に記載の段ボール用ライナー紙。
  6. 前記カチオン価が、片面あたり0.3〜20ミリ当量/mである、請求項1から5のいずれか一項に記載の段ボール用ライナー紙。
  7. フレキソ印刷機で前記水性組成物を塗被、乾燥して得られた、請求項1から6のいずれか一項に記載の段ボール用ライナー紙にさらにインラインでフレキソ印刷された、印刷つきの段ボール用ライナー紙。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の段ボール用ライナー紙を用いた段ボール。
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