JP4865411B2 - 有機発光素子、ディスプレイ装置および表示装置 - Google Patents

有機発光素子、ディスプレイ装置および表示装置 Download PDF

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Description

本発明は有機発光素子、該有機発光素子を具備したデイスプレイ装置および表示装置に関する。
有機発光素子のアプリケーションの1つとして、有機ELディスプレイが挙げられる。低消費電力性、高輝度性、長寿命などの性能が優れた有機ELデイスプレイを実現するためには、材料の更なる高性能化が必要である。また、低コストな有機ELデイスプレイを実現するために、高分子材料などを用いた塗布プロセスによる製造が主流になっている。
高分子材料の課題のとして、低分子型の有機発光素子に比べて高分子型の有機発光素子は素子駆動寿命が短いことが挙げられる。一般に高分子材料は、一種類または数種類のモノマーを重合することにより合成されるが、得られた高分子材料は分子量分布がありかつ精製が極めて困難である。このことが、素子駆動寿命に悪影響を及ぼしている主要因である。
また、高分子材料からなる薄膜は、その成膜方法や処理条件により、膜の平坦性や電子的特性が大きく変化してしまうことも問題である。
上述した高分子の課題を克服するために、中分子量のデンドリマーを用いることにより、素子駆動寿命を改善しようという試みがある(特許文献1)。
有機分子からなる薄膜の伝導は、電荷または電子のホッピング伝導で説明されている。一般に有機化合物ではアモルファス膜でありながらも、分子構造の平面性が高くπ電子の重なりの大きい化合物が高移動度を与える傾向がある。これは有機薄膜トランジスタ(有機TFT)において、ペンタセンやポルフィリンなどが高移動度を示すことからも推測できる。
これに関連して中分子量の化合物において、π−スタッキング型のフルオレン化合物が報告されている(非特許文献1)。これらの化合物では、光励起によりフルオレンエキシマーからの発光が観測されている。一般に、このようなエキシマー発光が起こる分子は、同じ分子内において発色団間の相互作用が大きい、すなわち発色団間の軌道の重なりが大きいことを意味する。したがって、このようなπ−スタッキング型分子は、電荷または電子がホッピング伝導する際に、分子間の軌道の重なりが大きい効果により、電荷または電子の移動度が高くなることが期待できる。
特開2003−231692号公報 "J.Am.Chem.Soc.",125,15474(2003)
以上のような技術的な課題を鑑み、本発明は、新規の有機発光材料を用いて、高発光効率で高輝度な光出力を有する有機発光素子を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記有機発光素子を具備したデイスプレイ装置および表示装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、一対の電極と、該電極間に一または複数の有機化合物を含む層を少なくとも有する有機発光素子において、前記有機化合物を含む層のうち少なくとも一層が、下記一般式[1]で示されるオリゴフルオレン化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする有機発光素子である。
Figure 0004865411
(式中、R1乃至R12はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアラルキル基、置換または無置換のシクロアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のシクロアルケニル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換の縮合多環芳香族基、置換または無置換のヘテロ環基、置換または無置換のアミノ基、置換または無置換のエステル基、置換または無置換のカルボニル基または置換または無置換のカルバモイル基を表す。nは1以上20以下の整数を表す。)
前記一般式[1]において、nが1以上10以下の整数であることが、溶剤に対する溶解性が高い、合成が容易である、という点で好ましい。
前記有機化合物を含む層のうち少なくとも発光層が、前記オリゴフルオレン化合物の少なくとも一種と、少なくとも一種の蛍光若しくは燐光を発する発光性化合物を含有することが好ましい。
前記蛍光若しくは燐光を発する発光性化合物(B)と、前記オリゴフルオレン化合物(A)の重量比(B/A)が、1/100以上100/100以下であることが好ましい。
前記有機化合物を含む層のうち少なくともホール輸送層が、前記オリゴフルオレン化合物の少なくとも一種と、少なくとも一種のホール輸送性化合物を含有することが好ましい。
前記オリゴフルオレン化合物(A)と、ホール輸送性化合物(C)の重量比(A/C)が、1/100以上100/100以下であることが好ましい。
また、本発明は、一対の電極とその電極間に、一または複数の有機化合物を含む層を少なくとも有する有機発光素子において、前記有機化合物層のうち少なくとも一層が、エキシマー発光またはエキシプレックス発光を有し、かつその極大ピークが350nm以上600nm以下である一般式[1]で示す有機化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする有機発光素子である。
また、本発明は、上記の有機発光素子を具備したディスプレイ装置である。
また、本発明は、上記の有機発光素子を具備した表示装置である。
本発明は、新規の有機発光材料を用いて、高発光効率で高輝度な光出力を有する有機発光素子を提供することができる。
また、本発明は、前記有機発光素子を具備したデイスプレイ装置および表示装置を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の有機発光素子は、一対の電極と、該電極間に一または複数の有機化合物を含む層を少なくとも有する有機発光素子において、前記有機化合物を含む層のうち少なくとも一層が、下記一般式[1]で示されるオリゴフルオレン化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする。
Figure 0004865411
まず、本発明の有機発光素子に用いるオリゴフルオレン化合物について説明する。
一般式[1]における置換基のR1乃至R12の具体的な例を次に示す。
1乃至R12は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または下記の置換基である。
置換あるいは未置換のアルキル基、アラルキル基としては、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、ter−ブチル基、オクチル基、2−エチルーオクチル基、ドデカン基、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
置換あるいは未置換のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、アダマンタニル基、メチルシクロヘキシル基等が挙げられる。
置換あるいは未置換のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基(2−プロペニル基)、1−プロペニル基、iso−プロペニル基、2−ブテニル基等が挙げられる。
置換あるいは未置換のシクロアルケニル基としては、シクロペンテニル基、シクロへキセニル基、シクロヘキセジエニル基、シクロオクテニル基等が挙げられる。
置換あるいは未置換のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、2−エチル−オクチルオキシ基、フェノキシ基、4−ブチルフェノキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
置換あるいは未置換のアリール基としては、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、ter−ブチルフェニル基、4−オクチルフェニル基、3−クロロフェニル基、3、5−ジメチルフェニル基、トリフェニルアミノ基、等が挙げられる。
置換あるいは未置換の縮合多環芳香族基としては、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フオレニル基、カルバゾイル基、フェナントリル基、アントラニル基、ピレニル基、ピリジル基、ビピリジル基等が挙げられる。
置換あるいは未置換のヘテロ環基としては、ピリジル基、ビピリジル基、メチルピリジル基、チエニル基、ターチエニル基、プロピルチエニル基、フリル基、キノリル基、カルバゾリル基、N−エチルカルバゾリル基等が挙げられる。
置換または未置換のアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ベンジルアミノ基、メチルベンジルアミノ基、アニリノ基、ジフェニルアミノ基、フェニルトリルアミノ基、ジトリルアミノ基等が挙げられる。
置換または未置換のカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基、イソブチリル基、メタクリロイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、アントライル基、トルオイル基等が挙げられる。
置換あるいは未置換のエステル基としては、メチルエステル基、エチルエステル基、イソプロピルエステル基、フェニルエステル基、フェニルエチルエステル基等が挙げられる。
置換あるいは未置換のカルバモイル基としては、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、イソプロカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、フェニルエチルカルバモイル基等が挙げられる。
これらのR1乃至R12が有しても良い置換基としては、上記のようなアルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基、カルボニル基、エステル基、カルバモイル基、更にはハロゲン、ニトロ基、シアノ基等を挙げたが、もちろんこれらに限定されるものではない。
以下に一般式[1]で示されるオリゴフルオレン化合物を例示するが、本発明はもちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 0004865411
Figure 0004865411
Figure 0004865411
Figure 0004865411
Figure 0004865411
Figure 0004865411
但し、phおよびhpはフェニル基、FLはフルオレン基を表す。
一般式[1]におけるフルオレンユニットの繰り返し数nは1乃至20の整数であり、ユニット数によって発光波長を調整することが可能である。特に規定するものではないが、分子量の増加と共に膜安定性も良好となるため、本発明のオリゴフルオレン化合物の絶対分子量は300以上10000以下であることが好ましい。
一般式[1]で示されるオリゴフルオレン化合物が溶媒に対して十分な溶解度を得られない場合、該オリゴフルオレン化合物は、溶解度を上げる置換基、例えばアルキル基やトリフルオロメチル基を有してもよい。
昇華性を有すれば真空蒸着可能であるため、繰り返しユニット数nは真空蒸着プロセスか塗布プロセスかの素子製造プロセスによって制約されるものではない。
有機発光素子を製造するための塗布プロセスとしては、スピンコート法、インクジェット法、印刷法(オフセット、グラビア、凸、凹、スクリーン印刷など)、スプレー法、電子写真法を応用した液体現像法などが挙げられるが、これに限られるものではない。
一般式[1]で示されるオリゴフルオレン化合物の合成法は特に制限されないが、例えばオリゴフルオレン化合物の合成法については、たとえば以下の2つの文献をあげることが出来る。
(1)Takimiyaら(k.Takimiya、k.Kato、Y.Aso、F.Ogura、and T.Otsubo、Bull.Chem.Soc.Jpn.、75、1795−1805(2002))。
(2)Erikら(Erik Wiklund and Rolf Ha kansson、 Chemica Scripta.、3、220から225(1973))。
またオリゴフルオレンの一連の置換体やオリゴマー体の合成法については、例えば以下の3つの文献などをあげることが出来る。
(1)パラジウム触媒を用いたsuzuki coupling法(例えばChem.Rev.1995、95、2457−2483)。
(2)ニッケル触媒を用いたYamamoto法(例えばBull.Chem.Soc.Jpn.51、2091、1978)。
(3)アリールスズ化合物を用いて合成する方法(例えばJ.Org.Chem.、52、4296、1987)。
一般式[1]で示されるオリゴフルオレン化合物は発光層に含まれる材料として使用してよい。該オリゴフルオレン化合物と他の一種類以上の発光材料、もしくはホール輸送材料や電子輸送材料を含有してなる発光層において、特に発光スペクトル、発光効率、キャリアバランス等に対して、該オリゴフルオレン化合物の濃度は大きく影響する。
前記蛍光若しくは燐光を発する発光性化合物(B)と、前記オリゴフルオレン化合物(A)の重量比(B/A)が、1/100以上100/100以下、好ましくは1/100以上30/100以下であることが望ましい。蛍光若しくは燐光を発する発光性化合物と、前記オリゴフルオレン化合物の重量比は、1/100未満では発光材料からの十分な発光が得られない。また100/100をこえると発光材料が濃度消光を起こし発光効率が低下する。
また、該オリゴフルオレン化合物はホールまたは電子輸送層に含まれる材料としても使用してもよい。求める発光特性に応じて、ホールまたは電子輸送材料(C)と該オリゴフルオレン化合物(A)の重量比(C/A)が、1/100以上100/100以下、好ましくは10/100以上50/100以下であることが望ましい。
本発明におけるオリゴフルオレン化合物は、エキシマー発光もしくはエキシプレックス発光を有する。
エキシマー発光とは基底状態分子が光励起により生成した励起状態分子が、近傍にある同種化合物の基底状態分子と形成するエキシマーから放出される発光である。
エキシプレックス発光とは、基底状態分子が光励起により生成した励起状態分子が、近傍にある異種化合物の基底状態分子と形成するエキシプレックスから放出される発光である。
以降、エキシマー状態について説明する。
エキシマー発光は、例えば一般式[1]で示されるオリゴフルオレン化合物がクロロホルムやトルエン等の一般的な溶液中において、もしくは蒸着膜、スピンコート膜、その他の塗布膜において観測される。
エキシマー発光が観測されることは、エキシマー状態が形成されていることを示すものである。これは分子内において向かい合う同種の発色団同士が、一般式[1]のオリゴフルオレン化合物で示すような骨格を有しπ−スタッキングしていることで、各ユニットの発色団のπ軌道間にp軌道方向の強い相互作用が存在していることを意味する。
ホッピング機構の電荷移動を考えると、π軌道が重なっている一般式[1]のオリゴフルオレン化合物は電荷移動に非常に理想的な構造をとっている。
一方でこのようなエキシマー状態を有することは、発光分子の発光エネルギー準位よりも安定化した低エネルギー準位として、励起エネルギーの失活経路となって発光効率を低下させることが懸念される。
これらの分子は、J.Am.Chem.Soc.、125、15474(2003)の文献にも示されるように、多数の分子がπ−スタッキングしても、最初の二つの分子がπ−スタッキングしている化合物で見られるエキシマー発光と、ほとんど変わらない。即ち、エキシマー状態のエネルギー準位はnの数が大きくなっても、大きく変化しないと考えてよい。
従って蛍光発光素子である場合は、エキシマー発光の極大波長が350nm以上600nm以下付近に持つ場合は蛍光性化合物のホスト材料として用いる事が出来る。詳しく言えば青色蛍光材料のホスト材料として用いる際には、該オリゴフルオレン化合物は350以上470nm以下に発光極大波長を持つことが好ましい。緑色及び赤色蛍光材料のホスト材料として用いる場合は、該オリゴフルオレン化合物は、それぞれ500nm、600nmよりも短波長側に発光極大を持つことが望ましい。
燐光発光素子においてホスト材料として用いる場合は、該オリゴフルオレン化合物の三重項エネルギー準位が問題になる。フルオレン二量体については三重項エキシマーに関する研究報告がなされている。(J.Phys.Chem.A 2005、109、6799から6804)この文献によると、一般式[1]で示されるオリゴフルオレン化合物は三重項エキシマー状態を形成することが考えられる。
三重項エキシマー状態のエネルギー準位については、非発光性の状態であることが多いために明確な知見はない。よって、一般式[1]で示されるオリゴフルオレン化合物の三重項エキシマー状態形成による安定化エネルギーを、一般のエキシマーの安定化エネルギーと同等の4000cm-1と仮定する。この時、該オリゴフルオレン化合物の三重項エキシマーのエネルギー準位は概ね2.5eV程度と推定される。よって燐光発光素子における発光材料ホストとしては主に赤から緑のものを用いることが可能である。
青色の燐光材料のホスト材料としては2.7eV程度以上のT1エネルギー準位が必要である。モノマーであるフルオレンのT1エネルギーは2.93eVである(例えば、S.L.Murovら著による“Handbook of Photochemistry”のSection3参照)。先に述べたように、三重項エキシマーのエネルギー準位は、そのπ−スタッキングの程度に依存する。従って、主鎖であるエチレン骨格のコンフォメーションを制御することで青色燐光材料のホストとしても機能し得る。
以上、一重項および三重項状態のエキシマーについて説明したが、同様なことは一般式[1]で示されるオリゴフルオレン化合物のような、π−スタッキングした分子において、エキシプレックスにも適用できる。すなわち、π−スタッキング状態に伴うエネルギー準位の変動については、エキシマー及びエキシプレックスとも概ね同様に考えてもよい。
例えばπ−スタッキングの程度を変化させる方法としては、主鎖エチレン鎖に立体障害を有する基を導入や、エチレン鎖末端に置換基を導入することで可能である。これによりコンホメーション変化は抑制されエキシマー形成が促進されたり、抑制されたりする。よってπ−スタッキングを調製するためには、フルオレン部位に種々の置換基が導入されてもよい。
一般式[1]で示されるオリゴフルオレン化合物はホール輸送層に含まれる材料として使用してもよい。例えば、該オリゴフルオレン化合物と他の一種類以上のホール輸送材料からなるホール輸送層において、ホール輸送能、ホール注入性、キャリアバランスに該オリゴフルオレン化合物の濃度は大きく影響する。前記オリゴフルオレン化合物とホール輸送性化合物の重量比は、1/100以下ではホール輸送性向上の十分な効果が得られない。100/100以上ではホール輸送層へのホール注入性が低下するという理由から、1/100以上100/100以下であることが好ましい。
一般式[1]のオリゴフルオレン材料は電子輸送層に含まれる材料としても使用してもよい。例えば、該オリゴフルオレン化合物と他の一種類以上の電子輸送材料からなる電子輸送層において、電子輸送性、電子注入性、キャリアバランスに該オリゴフルオレン化合物の濃度は大きく影響する。前記オリゴフルオレン化合物と電子輸送性化合物の重量比は、1/100以下では電子輸送性向上の十分な効果が得られない、100/100以上では電子輸送層への電子注入性が低下するという理由から、1/100以上100/100以下であることが好ましい。
本発明の一般式[1]のオリゴフルオレン化合物について、例示化合物No.40乃至42に示すように、フルオレンそのものと、アミノ基等電子供与性置換基をもつフルオレンユニットを交互に繰り返す構造を持つような化合物であってもよい。この場合は、同一分子における、適度なホール輸送性を持った化合物になることと、アミノ基の電子供与性によるHOMO準位の上昇が起こるため、素子特性を制御することができる。
次に、図1乃至図6に本発明の有機発光素子の構成例を示す。
図1は、本発明の有機発光素子の一例を示す断面図である。図1は、基板1上に、陽極2、発光層3及び陰極4を順次設けた構成のものである。この場合は、ここで使用する発光材料は、それ自身でホール輸送能、電子輸送能及び発光性の性能を単一で有している場合や、それぞれの特性を有する化合物を混ぜて使う場合に有用である。
図2は、本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図2は、基板1上に、陽極2、ホール輸送層5、電子輸送層6及び陰極4を順次設けた構成のものである。この場合は、発光物質はホール輸送性かあるいは電子輸送性のいずれか、あるいは両方の機能を有している材料をそれぞれの層に用い、発光性の無い単なるホール輸送物質あるいは電子輸送物質と組み合わせて用いる場合に有用である。また、この場合、発光層3は、ホール輸送層5あるいは電子輸送層6のいずれかから成る。
図3は、本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図3は、基板1上に、陽極2、ホール輸送層5、発光層3、電子輸送層6及び陰極4を順次設けた構成のものである。これは、キャリヤ輸送と発光の機能を分離したものである。そしてこれはホール輸送性、電子輸送性、発光性の各特性を有した化合物と適時組み合わせて用いられ、極めて材料選択の自由度が増すとともに、発光波長を異にする種々の化合物が使用できるため、発光色相の多様化が可能になる。さらに、中央の発光層3に各キャリヤあるいは励起子を有効に閉じこめて、発光効率の向上を図ることも可能になる。
図4は、本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図4は、図3に対して、ホール注入層7を陽極2側に挿入した構成であり、陽極2とホール輸送層5の密着性改善あるいはホールの注入性改善に効果があり、低電圧化に効果的である。
図5は、本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図5は、図3の各輸送層に代わって、ホール注入層7を陽極2側に、電子注入層9を陰極側に挿入した構成であり、正孔と電子のそれぞれの注入性が改善されて、低電圧化に効果的である。
図6は、本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図6は、図3に対してホールあるいは励起子(エキシトン)を陰極4側に抜けることを阻害する層(ホールブロッキング層8)を、発光層3、電子輸送層6間に挿入した構成である。イオン化ポテンシャルの非常に高い化合物をホールブロッキング層8として用いる事により、発光効率の向上に効果的な構成である。
ただし、図1乃至図6はあくまで、ごく基本的な素子構成であり、本発明の化合物を用いた有機発光素子の構成はこれらに限定されるものではない。例えば、電極と有機層界面に絶縁性層を設ける、接着層あるいは干渉層を設ける、ホール輸送層がイオン化ポテンシャルの異なる2層から構成される、など多様な層構成をとることができる。
本発明は上記の多様な構成の発光層または、発光領域に関するものであり、いずれの構成でも実施可能である。その他の構成成分としては、これまで知られているホール輸送性化合物、電子輸送性化合物などを必要に応じて用いることができる。
陽極材料としては、仕事関数がなるべく大きなものがよい。例えば、金、白金、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム等の金属単体あるいはこれらの合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物が使用できる。また、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフェニレンスルフィド等の導電性ポリマーも使用できる。これらの電極物質は単独で用いてもよく、複数併用することもできる。
一方、陰極材料としては、仕事関数の小さなものがよく、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、インジウム、銀、鉛、錫、クロム等の金属単体あるいは複数の合金として用いることができる。酸化錫インジウム(ITO)等の金属酸化物の利用も可能である。また、陰極は一層構成でもよく、多層構成をとることもできる。
本発明で用いる基板としては、特に限定するものではないが、金属製基板、セラミックス製基板等の不透明性基板、ガラス、石英、プラスチックシート等の透明性基板が用いられる。また、基板にカラーフィルター膜、蛍光色変換フィルター膜、誘電体反射膜などを用いて発色光をコントロールする事も可能である。
なお、作成した素子に対して、酸素や水分等との接触を防止する目的で保護層あるいは封止層を設けることもできる。保護層としては、ダイヤモンド薄膜、金属酸化物、金属窒化物等の無機材料膜、フッ素樹脂、ポリパラキシレン、ポリエチレン、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂等の高分子膜、さらには、光硬化性樹脂等が挙げられる。また、ガラス、気体不透過性フィルム、金属などをカバーし、適当な封止樹脂により素子自体をパッケージングすることもできる。
本発明の高効率な発光素子は、省エネルギーや高輝度が必要な製品に応用が可能である。応用例としては表示装置・照明装置やプリンターの光源、液晶表示装置のバックライトなどが考えられる。表示装置としては、省エネルギーや高視認性・軽量なフラットパネルディスプレイが可能となる。また、プリンターの光源としては、現在広く用いられているレーザビームプリンタのレーザー光源部を、本発明の発光素子に置き換えることができる。独立にアドレスできる素子をアレイ上に配置し、感光ドラムに所望の露光を行うことで、画像形成する。本発明の素子を用いることで、装置体積を大幅に減少することができる。照明装置やバックライトに関しては、本発明による省エネルギー効果が期待できる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
合成例1
[例示化合物No.1の合成]
下記に示す反応により、例示化合物No.1を合成した。
Figure 0004865411
500ml三ツ口フラスコに、フルオレン[1]10g(60.2mmol)およびジエチルエーテル300mlを入れ、窒素雰囲気中、−78℃で15% n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液40.6ml(62.8mmol)を滴下した。室温まで除々に昇温後1時間攪拌した後、−78℃でジヨードメタン2.2ml(27.3mmol)のジエチルエーテル10ml溶液を滴下し、室温まで徐々に昇温後8時間攪拌した。反応後、有機層をクロロホルムで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、シリカゲルカラム(ヘキサン+トルエン混合展開溶媒)で精製し、2量体[1](白色結晶)5.6g(収率60%)を得た。
300ml三ツ口フラスコに、2量体[1]2.2g(6.4mmol)およびジエチルエーテル150mlを入れ、窒素雰囲気中、−78℃で15% n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液4.3ml(6.7mmol)を滴下した。室温まで除々に昇温後1時間攪拌した後、−78℃でジヨードメタン0.78g(2.9mmol)のジエチルエーテル5ml溶液を滴下し、室温まで徐々に昇温後8時間攪拌した。反応後、有機層をクロロホルムで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、シリカゲルカラム(ヘキサン+トルエン混合展開溶媒)で精製し、4量体[2](白色結晶)1.4g(収率69%)を得た。
200ml三ツ口フラスコに、4量体[2]1.0g(1.4mmol)およびジエチルエーテル120mlを入れ、窒素雰囲気中、−78℃で15% n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液2.1ml(3.3mmol)を滴下した。室温まで除々に昇温後1時間攪拌した後、−78℃でヨードエタン0.62g(4.0mmol)のジエチルエーテル5ml溶液を滴下し、室温まで徐々に昇温後8時間攪拌した。反応後、有機層をクロロホルムで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、シリカゲルカラム(ヘキサン+トルエン混合展開溶媒)で精製し、例示化合物No.1(白色結晶)0.8g(収率73%)を得た。
200ml三ツ口フラスコに、2量体[1]1.0g(1.4mmol)およびジエチルエーテル120mlを入れ、窒素雰囲気中、−78℃で15% n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液4.3ml(6.7mmol)を滴下した。室温まで除々に昇温後1時間攪拌した後、−78℃でヨードエタン1.27g(8.1mmol)のジエチルエーテル5ml溶液を滴下し、室温まで徐々に昇温後8時間攪拌した。反応後、有機層をクロロホルムで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、シリカゲルカラム(ヘキサン+トルエン混合展開溶媒)で精製し、[3](白色結晶)0.77g(収率66%)を得た。
合成例2
[例示化合物No.3の合成]
下記に示す反応により、例示化合物No.3を合成した。
Figure 0004865411
200ml三ツ口フラスコに、4量体[2]1.0g(1.4mmol)およびジエチルエーテル150mlを入れ、窒素雰囲気中、−78℃で15% n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液1.0ml(1.5mmol)を滴下した。室温まで除々に昇温後1時間攪拌した後、−78℃でジヨードメタン0.17g(0.65mmol)のジエチルエーテル5ml溶液を滴下し、室温まで徐々に昇温後8時間攪拌した。反応後、有機層をクロロホルムで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、シリカゲルカラム(ヘキサン+トルエン混合展開溶媒)で精製し、8量体[4](白色結晶)0.38g(収率41%)を得た。
200ml三ツ口フラスコに、8量体[4]0.3g(0.21mmol)およびジエチルエーテル150mlを入れ、窒素雰囲気中、−78℃で15% n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液0.3ml(0.48mmol)を滴下した。室温まで除々に昇温後1時間攪拌した後、−78℃でヨードエタン0.09g(0.59mmol)のジエチルエーテル5ml溶液を滴下し、室温まで徐々に昇温後8時間攪拌した。反応後、有機層をクロロホルムで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、シリカゲルカラム(ヘキサン+トルエン混合展開溶媒)で精製し、例示化合物No.3(白色結晶)0.18g(収率59%)を得た。
実施例1
図7に、例示化合物No.1のスピンコート膜のPLスペクトルを示す。また図8に比較例として、合成例1で合成した化合物[3]のスピンコート膜のPLスペクトルを示す。375nm付近に発光ピークを示す両者の発光はエキシマー発光である。これに対して短波長側325nm付近に見られる肩が、モノマー発光由来のピークである。この分子は第一吸収帯の極大波長を303nm付近に持つ。モノマー蛍光、エキシマー蛍光のそれぞれのストークスシフトは2234cm-1、6337cm-1である。エキシマー状態はモノマー状態に対して遷移エネルギーで概ね4000cm-1少ないエネルギーを持つことがわかる。
エキシマー発光強度に対するモノマー発光強度を比べると、図7に示す例示化合物No.1の方が小さいことが分かる。一方でエキシマー発光ピークは大きなシフトは見られていない。即ち、エキシマー状態が生成する収率は、nが大きいほど大きいことを示している。
実施例2
例示化合物No.1を赤色燐光材料のホスト材料として用いた素子を作成し評価を行った。ガラス基板上に酸化錫インジウム(ITO)をスパッタ法にて120nmの膜厚で成膜したものを透明導電性支持基板として用いた。これをアセトン、イソプロピルアルコール(IPA)で順次超音波洗浄し、IPAで煮沸洗浄、乾燥をした。さらに、UV/オゾン洗浄した。
この基板上に、まず、ホール注入材料として、PEDOT/PSS(H.C.Stark社製、Baytron P AI 4083)をスピンコートして330Åの薄膜を形成した。次に発光層として、例示化合物No.1に示されるオリゴフルオレン化合物と、下記構造式の赤色燐光材料(化合物2)をそれぞれ重量濃度1.2wt%、0.1wt%で混合されたキシレン溶液を1000回転でスピンコートし800Åの膜を形成した。電子注入層には真空蒸着により金属Caを用いて50nm積層し、次いで陰極として真空蒸着により金属Alを100nm程度積層した。
Figure 0004865411
蒸着時の真空度は3×10-6Torrであり、Caの成膜速度は0.5nm/sec、Alの成膜速度は2乃至3Å/secである。
この様にして得られた素子のITO電極を正極、Al電極を負極にして、直流5mA/cm2で駆動したところ、輝度が約202cd/m2の赤発光が得られた。
実施例3乃至43
例示化合物No.1に代えて、表1に示す化合物を用いた他は実施例2と同様に素子を作成し、5mA/cm2において同様な評価を行った。その結果を表1および表2に示す。
Figure 0004865411
Figure 0004865411
実施例44
例示化合物No.1を緑色燐光材料のホスト材料として用いた素子を作成し評価を行った。ガラス基板上に酸化錫インジウム(ITO)をスパッタ法にて120nmの膜厚で成膜したものを透明導電性支持基板として用いた。これをアセトン、イソプロピルアルコール(IPA)で順次超音波洗浄し、IPAで煮沸洗浄、乾燥をした。さらに、UV/オゾン洗浄した。
この基板上に、まず、ホール注入材料として、PEDOT/PSS(H.C.Stark社製、Baytron P AI 4083)をスピンコートして330Åの薄膜を形成した。次に発光層として、例示化合物No.1に示されるオリゴフルオレン化合物と、下記の化合物3に示す緑色燐光材料をそれぞれ重量濃度1.2wt%、0.1wt%で混合されたキシレン溶液を1000回転でスピンコートし800Åの膜を形成した。電子注入層には真空蒸着により金属Caを用いて50nm積層し、次いで陰極として真空蒸着により金属Alを100nm程度積層した。
Figure 0004865411
蒸着時の真空度は3×10-6Torrであり、Caの成膜速度は0.5nm/sec、Alの成膜速度は2乃至3Å/secである。
この様にして得られた素子のITO電極を正極、Al電極を負極にして、直流5mA/cm2で駆動したところ、輝度が850cd/m2の緑色発光が得られた。
実施例45乃至85
その他の例示化合物について実施例44と同様な素子を作製し評価を行った。結果を表3および表4に示す。
Figure 0004865411
Figure 0004865411
比較例1
例示化合物No.1に代えて、比較化合物としてポリフルオレン(American Dye Source社製、化合物4)を用いた他は実施例2と同様に素子を作成し、同様な結果を行った。
Figure 0004865411
本素子において5mA/cm2駆動にて、輝度が約50cd/m2であった。
比較例2
例示化合物No.1に代えて、比較化合物としてポリビニルカルバゾール(Aldrich社製、分子量110000)を用いた他は実施例44と同様に素子を作成し、同様な結果を行った。
本素子において5mA/cm2駆動にて、輝度が約500cd/m2であった。
本発明は、オリゴフルオレン化合物を用いた、高発光効率で高輝度な光出力を有する有機発光素子に利用することができる。また、本発明の有機発光素子は表示素子として、例えばデイスプレイ装置および表示装置などに利用することができる。
本発明における有機発光素子の一例を示す断面図である。 本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。 本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。 本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。 本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。 本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。 本発明における例示化合物No.1の化合物のPLスペクトルを示す図である。 本発明中で合成例1中の化合物[3]のPLスペクトルを示す図である。
符号の説明
1 基板
2 陽極
3 発光層
4 陰極
5 ホール輸送層
6 電子輸送層
7 ホール注入層
8 ホール/エキシトンブロッキング層
9 電子注入層

Claims (9)

  1. 一対の電極と、該電極間に一または複数の有機化合物を含む層を少なくとも有する有機発光素子において、前記有機化合物を含む層のうち少なくとも一層が、下記一般式[1]で示されるオリゴフルオレン化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする有機発光素子。
    Figure 0004865411

    (式中、R乃至R12はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアラルキル基、置換または無置換のシクロアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のシクロアルケニル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換の縮合多環芳香族基、置換または無置換のヘテロ環基、置換または無置換のアミノ基、置換または無置換のエステル基、置換または無置換のカルボニル基または置換または無置換のカルバモイル基を表す。nは1以上20以下の整数を表す。)
  2. 前記一般式[1]において、nが1以上10以下の整数であることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
  3. 前記有機化合物を含む層のうち少なくとも発光層が、前記オリゴフルオレン化合物の少なくとも一種と、少なくとも一種の蛍光若しくは燐光を発する発光性化合物を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の有機発光素子。
  4. 前記蛍光若しくは燐光を発する発光性化合物(B)と、前記オリゴフルオレン化合物(A)の重量比(B/A)が、1/100以上100/100以下であることを特徴とする請求項3に記載の有機発光素子。
  5. 前記有機化合物を含む層のうち少なくともホール輸送層が、前記オリゴフルオレン化合物の少なくとも一種と、少なくとも一種のホール輸送性化合物を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の有機発光素子。
  6. 前記オリゴフルオレン化合物(A)と、ホール輸送性化合物(C)の重量比(A/C)が、1/100以上100/100以下であることを特徴とする請求項5に記載の有機発光素子。
  7. 記有機化合物を含む層のうち少なくとも一層が、エキシマー発光またはエキシプレックス発光を有し、かつその極大ピークが350nm以上600nm以下である請求項1乃至6のいずれか一項に記載の前記オリゴフルオレン化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする有機発光素子。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の有機発光素子を具備したディスプレイ装置。
  9. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の有機発光素子を具備した表示装置。
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