JP6417785B2 - 高分子化合物およびそれを用いた発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、高分子化合物およびそれを用いた発光素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「発光素子」ともいう。)は、発光効率が高く、駆動電圧が低いことから、ディスプレイの用途に好適に使用することが可能であり、近年注目されている。この発光素子は、発光層、電荷輸送層等の有機層を備える。高分子化合物を用いることで、インクジェット印刷法に代表される塗布法により有機層を形成することができるため、発光素子の製造に用いる高分子化合物が検討されている。
発光素子の正孔輸送層に用いる材料として、特許文献1には、アリールアミンから誘導された構成単位と、ベンゾシクロブタン構造を有する芳香族炭化水素から誘導された構成単位とを含む高分子化合物を、発光素子の正孔輸送層に用いることが記載されている。ベンゾシクロブタンは架橋基として機能する。そのため、該高分子化合物を塗布法により成膜後、加熱等によりベンゾシクロブタンを架橋させることにより、溶媒に対して実質的に不溶な正孔輸送層を形成することが可能である。そして、該正孔輸送層には、発光層等を塗布法により積層することが可能である。
特開2008-106241号公報
しかしながら、上記の特許文献1に記載された高分子化合物は、その架橋性が必ずしも十分ではなかった。
そこで、本発明は、架橋性に優れる高分子化合物を提供することを目的とする。本発明はまた、該高分子化合物を含有する組成物、および、該高分子化合物を用いて得られる発光素子を提供することを目的とする。本発明はさらに、該高分子化合物の製造に有用な化合物を提供することを目的とする。
本発明は、第一に、下記式(1)で表される基を有する構成単位を含む高分子化合物を提供する。
Figure 0006417785
[式中、
、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RとR、RとR、RとRは、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。
nAは0〜5の整数を表す。
は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’−で表される基、酸素原子または硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Lが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
本発明は、第二に、下記式(2M)または(2’M)で表される化合物を提供する。
Figure 0006417785
[式中、
Arは、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
nは1〜4の整数を表す。
は、前記式(1)で表される基を表す。Qが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
およびZは、それぞれ独立に、下記の置換基A群または置換基B群から選ばれる基を表す。]
Figure 0006417785
[式中、
mAは0〜5の整数を表し、mは1〜4の整数を表し、cは0または1を表す。mAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Arは、芳香族炭化水素基、複素環基、または、少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環とが直接結合した基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArおよびArは、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar、ArおよびArはそれぞれ、当該基が結合している窒素原子に結合している当該基以外の基と、直接または酸素原子もしくは硫黄原子を介して結合して、環を形成していてもよい。
は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’’−で表される基、酸素原子または硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Kが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
は、前記式(1)で表される基、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。但し、少なくとも1つのQは、前記式(1)で表される基である。
およびZは、それぞれ独立に、下記の置換基A群から選ばれる基または置換基B群から選ばれる基を表す。]
<置換基A群>
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−O−S(=O)2C1(式中、RC1は、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。)で表される基。
<置換基B群>
−B(ORC2)2(式中、RC2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRC2は同一でも異なっていてもよく、互いに連結して、それぞれが結合する酸素原子とともに環構造を形成していてもよい。)で表される基;
−BF3Q'(式中、Q'は、Li、Na、K、RbまたはCsを表す。)で表される基;
−MgY'(式中、Y'は、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。)で表される基;
−ZnY''(式中、Y''は、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。)で表される基;および、
−Sn(RC3)3(式中、RC3は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRC3は同一でも異なっていてもよく、互いに連結して、それぞれが結合するスズ原子とともに環構造を形成していてもよい。)で表される基。
本発明は、第三に、上記の高分子化合物と、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤および溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料とを含有する組成物を提供する。
本発明は、第四に、上記の高分子化合物を用いて得られる発光素子を提供する。
本発明によれば、架橋性に優れる高分子化合物を提供することができる。また、本発明によれば、該高分子化合物を含有する組成物、および、該高分子化合物を用いて得られる発光素子を提供することができる。さらに、本発明によれば、該高分子化合物の製造に有用な化合物を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
<共通する用語の説明>
本明細書で共通して用いられる用語は、特記しない限り、以下の意味である。
Meはメチル基、Etはエチル基、Buはブチル基、i-Prはイソプロピル基、t-Buはtert-ブチル基を表す。
水素原子は、重水素原子であっても、軽水素原子であってもよい。
金属錯体を表す式中、中心金属との結合を表す実線は、共有結合または配位結合を意味する。
「高分子化合物」とは、分子量分布を有し、ポリスチレン換算の数平均分子量が1×103〜1×108である重合体を意味する。
「低分子化合物」とは、分子量分布を有さず、分子量が1×104以下の化合物を意味する。
「構成単位」とは、高分子化合物中に1個以上存在する単位を意味する。
「アルキル基」は、直鎖および分岐のいずれでもよい。直鎖のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。分岐のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
アルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、2-エチルブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、3-プロピルヘプチル基、デシル基、3,7-ジメチルオクチル基、2-エチルオクチル基、2-ヘキシルデシル基、ドデシル基、および、これらの基における水素原子が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられ、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、3-フェニルプロピル基、3-(4-メチルフェニル)プロピル基、3-(3,5-ジ-ヘキシルフェニル)プロピル基、6-エチルオキシヘキシル基が挙げられる。
「シクロアルキル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
シクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基が挙げられる。
「アリール基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた残りの原子団を意味する。アリール基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜20であり、より好ましくは6〜10である。
アリール基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アントラセニル基、2-アントラセニル基、9-アントラセニル基、1-ピレニル基、2-ピレニル基、4-ピレニル基、2-フルオレニル基、3-フルオレニル基、4-フルオレニル基、2-フェニルフェニル基、3-フェニルフェニル基、4-フェニルフェニル基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「アルコキシ基」は、直鎖および分岐のいずれでもよい。直鎖のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜40であり、好ましくは4〜10である。分岐のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
アルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7-ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、および、これらの基における水素原子が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「シクロアルコキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
シクロアルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
「アリールオキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは7〜48である。
アリールオキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェノキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基、1-アントラセニルオキシ基、9-アントラセニルオキシ基、1-ピレニルオキシ基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「p価の複素環基」(pは、1以上の整数を表す。)とは、複素環式化合物から、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団を意味する。p価の複素環基の中でも、芳香族複素環式化合物から、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団である「p価の芳香族複素環基」が好ましい。
「芳香族複素環式化合物」は、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、ピロール、ホスホール、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、ジベンゾホスホール等の複素環自体が芳香族性を示す化合物、および、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、ベンゾピラン等の複素環自体は芳香族性を示さなくとも、複素環に芳香環が縮環されている化合物を意味する。
1価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常、2〜60であり、好ましくは4〜20である。
1価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、ピペリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基等で置換された基が挙げられる。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。
「アミノ基」は、置換基を有していてもよく、置換アミノ基が好ましい。アミノ基が有する置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基が好ましい。
置換アミノ基としては、例えば、ジアルキルアミノ基、ジシクロアルキルアミノ基およびジアリールアミノ基が挙げられる。
アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(4-メチルフェニル)アミノ基、ビス(4-tert-ブチルフェニル)アミノ基、ビス(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)アミノ基が挙げられる。
「アルケニル基」は、直鎖および分岐のいずれでもよい。直鎖のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜30であり、好ましくは3〜20である。分岐のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜30であり、好ましくは4〜20である。
「シクロアルケニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルケニル基およびシクロアルケニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、1-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基、7-オクテニル基、および、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
「アルキニル基」は、直鎖および分岐のいずれでもよい。アルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常2〜20であり、好ましくは3〜20である。分岐のアルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4〜30であり、好ましくは4〜20である。
「シクロアルキニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルキニル基およびシクロアルキニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、3-ペンチニル基、4-ペンチニル基、1-ヘキシニル基、5-ヘキシニル基、および、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
「アリーレン基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた残りの原子団を意味する。アリーレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常、6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
アリーレン基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、ナフタセンジイル基、フルオレンジイル基、ピレンジイル基、ペリレンジイル基、クリセンジイル基、および、これらの基が置換基を有する基が挙げられ、好ましくは、式(A-1)〜式(A-20)で表される基である。アリーレン基は、これらの基が複数結合した基を含む。
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
[式中、RおよびRaは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表す。複数存在するRおよびRaは、各々、同一でも異なっていてもよく、Ra同士は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよい。]
2価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常、2〜60であり、好ましくは、3〜20であり、より好ましくは、4〜15である。
2価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、アザナフタレン、ジアザナフタレン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾシロール、フェノキサジン、フェノチアジン、アクリジン、ジヒドロアクリジン、フラン、チオフェン、アゾール、ジアゾール、トリアゾールから、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合している水素原子のうち2個の水素原子を除いた2価の基が挙げられ、好ましくは、式(AA-1)〜式(AA-34)で表される基である。2価の複素環基は、これらの基が複数結合した基を含む。
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
[式中、RおよびRaは、前記と同じ意味を表す。]
「架橋基」とは、加熱処理、紫外線照射処理、ラジカル反応等に供することにより、新たな結合を生成することが可能な基であり、好ましくは、架橋基A群の式(XL-1)〜(XL-17)で表される架橋基である。
(架橋基A群)
Figure 0006417785
[式中、
XLは、メチレン基、酸素原子または硫黄原子を表し、nXLは、0〜5の整数を表す。RXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、nXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
*は結合位置を表す。
これらの架橋基は置換基を有していてもよい。]
「置換基」とは、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、置換アミノ基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基またはシクロアルキニル基を表す。置換基は架橋基であってもよい。
<本発明の高分子化合物>
[式(1)で表される基]
本発明の高分子化合物は、式(1)で表される基を有する構成単位を含む。
Figure 0006417785
、R、R、RおよびRは、本発明の高分子化合物の架橋性がより優れるので、好ましくは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、より好ましくはアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
、R、R、RおよびRで表される基が有していてもよい置換基は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基である。
nAは、本発明の高分子化合物の架橋性がより優れるので、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは0または1であり、更に好ましくは1である。
は、本発明の高分子化合物の架橋性がより優れるので、好ましくはアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基または2価の複素環基であり、より好ましくはアルキレン基またはアリーレン基であり、更に好ましくはアルキレン基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
で表されるアルキレン基は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜10であり、好ましくは1〜8であり、より好ましくは1〜6である。Lで表されるシクロアルキレン基は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜10である。
アルキレン基およびシクロアルキレン基は、置換基を有していてもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、シクロヘキシレン基、オクチレン基が挙げられる。
で表されるアリーレン基は、置換基を有していてもよく、例えば、o−フェニレン、m−フェニレン、p−フェニレンが挙げられる。
で表される基が有していてもよい置換基は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基である。
が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよいが、本発明の高分子化合物の製造が容易になるので、好ましくは同一の基または原子である。
が複数存在する場合、2個以上のLが−NR’−で表される基であってもよいが、−NR’−で表される基は隣り合わないことが好ましい。
が複数存在する場合、2個以上のLが酸素原子または硫黄原子であってもよいが、これらの原子は隣り合わないことが好ましい。
式(1)で表される基としては、式(1−1)〜式(1−32)で表される基が挙げれれ、本発明の高分子化合物の架橋性がより優れるので、好ましくは、式(1−1)、(1−4)、(1−6)、(1−8)、(1−20)、(1−23)および(1−26)で表される基であり、より好ましくは、式(1−1)、(1−4)および(1−6)で表される基である。
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785

[式中、Phはフェニル基を表し、*は結合位置を表す。]
式(1)で表される基を有する構成単位は、後述する式(2)で表される構成単位であることが好ましいが、下記で表される構成単位であってもよい。
Figure 0006417785
[式中、Qは、前記式(1)で表される基を表す。]
[式(2)で表される構成単位]
式(1)で表される基を有する構成単位は、本発明の高分子化合物の架橋性がより優れるので、式(2)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0006417785
[式中、
Arは、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
nは1〜4の整数を表す。
は、前記式(1)で表される基を表す。Qが複数個存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
Arは、本発明の高分子化合物の架橋性がより優れるので、好ましくは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。
Arで表される芳香族炭化水素基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
Arで表される芳香族炭化水素基のn個の置換基を除いたアリーレン基部分としては、好ましくは、式(A-1)〜式(A-20)で表される基であり、より好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-6)〜式(A-10)、式(A-19)または式(A-20)で表される基であり、さらに好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、または式(A-9)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Arで表される複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
Arで表される複素環基のn個の置換基を除いた2価の複素環基部分としては、好ましくは、式(AA-1)〜式(AA-34)で表される基である。
Arは、本発明の高分子化合物の架橋性がより優れるので、好ましくは、置換基を有していてもよいベンゼン環、置換基を有していてもよいフルオレン環、置換基を有していてもよいナフタレン環、置換基を有していてもよいフェナントレン環、または、置換基を有していてもよいジヒドロフェナントレン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子(2+n)個を除いた基であり、より好ましくは、置換基を有していてもよいベンゼン環、置換基を有していてもよいフルオレン環、または、置換基を有していてもよいナフタレン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子(2+n)個を除いた基であり、更に好ましくは、置換基を有していてもよいベンゼン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子(2+n)個を除いた基ある。
Arで表される芳香族炭化水素基および複素環基は置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基およびシアノ基が挙げられる。
nは、本発明の高分子化合物の合成が容易になるので、好ましくは1または2である。
は、前記式(1)で表される基を表す。Qが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよいが、本発明の高分子化合物の製造が容易になるので、好ましくは同一の基である。
式(2)で表される構成単位の含有量は、本発明の高分子化合物の安定性が優れるので、高分子化合物に含まれる構成単位の合計含有量に対して、好ましくは2〜90モル%であり、より好ましくは2〜70モル%であり、更に好ましくは3〜50モル%である。
式(2)で表される構成単位としては、例えば、式(2−1)〜式(2−12)で表される構成単位が挙げられ、好ましくは式(2−1)〜式(2−9)で表される構成単位であり、より好ましくは、式(2−1)〜式(2−3)で表される構成単位であり、更に好ましくは、式(2−1)で表される構成単位である。
Figure 0006417785
Figure 0006417785
[式中、Qは前記と同じ意味を表す。]
式(2)で表される構成単位は、高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
[式(2’)で表される構成単位]
式(1)で表される基を有する構成単位は、本発明の高分子化合物の架橋性がより優れるので、式(2’)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0006417785
[式中、
mAは0〜5の整数を表し、mは1〜4の整数を表し、cは0または1の整数を表す。mAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Arは、芳香族炭化水素基、複素環基、または、少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環が直接結合した基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArおよびArは、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar、ArおよびArはそれぞれ、当該基が結合している窒素原子に結合している当該基以外の基と、直接または酸素原子もしくは硫黄原子を介して結合して、環を形成していてもよい。
は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’’−で表される基、酸素原子または硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Kが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
は、架橋基A群から選ばれる架橋基、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。但し、少なくとも1つのQは、前記式(1)で表される基である。]
mAは、本発明の高分子化合物の架橋性がより優れるため、0または1であることが好ましく、1であることがより好ましい。
mは、本発明の高分子化合物の合成が容易となるので、1であることが好ましい。
cは、本発明の高分子化合物の合成が容易となるので、0であることが好ましい。
Arは、本発明の高分子化合物の架橋性がより優れるので、芳香族炭化水素基であることが好ましい。
Arで表される芳香族炭化水素基のm個の置換基を除いたアリーレン基部分の定義や例は、後述の式(X)におけるArX2で表されるアリーレン基の定義や例と同じである。
Arで表される少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環が直接結合した基のm個の置換基を除いた2価の基の定義や例は、後述の式(X)におけるArX2で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基の定義や例と同じである。
ArおよびArは、本発明の高分子化合物の架橋性がより優れるので、アリーレン基であることが好ましい。
ArおよびArで表されるアリーレン基の定義や例は、後述の式(X)におけるArX1およびArX3で表されるアリーレン基の定義や例と同じである。
ArおよびArで表される2価の複素環基の定義や例は、後述の式(X)におけるArX1およびArX3で表される2価の複素環基の定義や例と同じである。
Ar、ArおよびArで表される基は置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基およびシアノ基が挙げられる。
で表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義や例は、それぞれ、Lで表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義や例と同じである。
は、本発明の高分子化合物の合成が容易となるため、フェニレン基またはメチレン基であることが好ましい。
は、本発明の高分子化合物の合成が容易となるため、前記式(1)で表される基、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることが好ましく、前記式(1)で表される基、水素原子、アルキル基またはアリール基であることがより好ましく、前記式(1)で表される基、水素原子またはアルキル基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。但し、少なくとも1つのQは、前記式(1)で表される基である。
式(2’)で表される構成単位の含有量は、本発明の高分子化合物の安定性が優れるので、高分子化合物に含まれる構成単位の合計含有量に対して、好ましくは2〜90モル%であり、より好ましくは2〜70モル%であり、更に好ましくは3〜50モル%である。
式(2’)で表される構成単位としては、例えば、式(2’−1)〜式(2’−12)で表される構成単位が挙げられ、好ましくは式(2’−2)〜式(2’−9)で表される構成単位であり、より好ましくは、式(2’−7)〜式(2’−9)で表される構成単位である。
Figure 0006417785
[式中、Qは前記と同じ意味を表す。]
式(2’)で表される構成単位は、高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
[その他の構成単位]
本発明の高分子化合物は、正孔輸送性が優れるので、更に、下記式(X)で表される構成単位を含むことが好ましい。
Figure 0006417785
[式中、
X1およびaX2は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
ArX1およびArX3は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2およびArX4は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
X1、RX2およびRX3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
X1は、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命が優れるので、好ましくは2以下であり、より好ましくは1である。
X2は、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命が優れるので、好ましくは2以下であり、より好ましくは0である。
X1、RX2およびRX3は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1およびArX3で表されるアリーレン基は、より好ましくは式(A-1)または式(A-9)で表される基であり、更に好ましくは式(A-1)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1およびArX3で表される2価の複素環基は、より好ましくは式(AA-1)、式(AA-2)または式(AA-7)〜式(AA-26)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1およびArX3は、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
ArX2およびArX4で表されるアリーレン基は、より好ましくは式(A-1)、式(A-6)、式(A-7)、式(A-9)〜式(A-11)または式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2およびArX4で表される2価の複素環基のより好ましい範囲は、ArX1およびArX3で表される2価の複素環基のより好ましい範囲と同じである。
ArX2およびArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基および2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲は、それぞれ、ArX1およびArX3で表されるアリーレン基および2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲と同じである。
ArX2およびArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられ、これらは置換基を有していてもよい。
Figure 0006417785
[式中、RXXは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
XXは、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2およびArX4は、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
ArX1〜ArX4およびRX1〜RX3で表される基が有してもよい置換基としては、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(X)で表される構成単位としては、好ましくは式(X-1)〜(X-7)で表される構成単位であり、より好ましくは式(X-3)〜(X-7)で表される構成単位であり、更に好ましくは式(X-3)〜(X-6)で表される構成単位である。
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
[式中、RX4およびRX5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基またはシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRX4は、同一でも異なっていてもよい。複数存在するRX5は、同一でも異なっていてもよく、隣接するRX5同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
式(X)で表される構成単位は、正孔輸送性が優れるので、高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.1〜90モル%であり、より好ましくは1〜70モル%であり、更に好ましくは5〜50モル%である。
式(X)で表される構成単位としては、例えば、式(X1-1)〜(X1-19)で表される構成単位が挙げられ、好ましくは式(X1-6)〜(X1-14)で表される構成単位である。
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
本発明の高分子化合物において、式(X)で表される構成単位は、1種のみ含まれていても、2種以上含まれていてもよい。
本発明の高分子化合物は、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命が優れるので、更に、式(Y)で表される構成単位を含むことが好ましい。
本発明の高分子化合物は、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の発光効率がより優れるので、更に、式(X)で表される構成単位および式(Y)で表される構成単位を含むことが好ましい。
Figure 0006417785
[式中、ArY1は、アリーレン基、2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
ArY1で表されるアリーレン基は、より好ましくは式(A-1)、式(A-6)、式(A-7)、式(A-9)〜式(A-11)、式(A-13)または式(A-19)で表される基であり、更に好ましくは式(A-1)、式(A-7)、式(A-9)または式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表される2価の複素環基は、より好ましくは式(AA-4)、式(AA-10)、式(AA-13)、式(AA-15)、式(AA-18)または式(AA-20)で表される基であり、更に好ましくは式(AA-4)、式(AA-10)、式(AA-18)または式(AA-20)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基および2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲は、それぞれ、前述のArY1で表されるアリーレン基および2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲と同様である。
ArY1で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基としては、式(X)のArX2およびArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基と同様のものが挙げられる。
ArY1で表される基が有してもよい置換基は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(Y)で表される構成単位としては、例えば、式(Y-1)〜(Y-7)で表される構成単位が挙げられ、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命の観点からは、好ましくは式(Y-1)または(Y-2)で表される構成単位であり、電子輸送性の観点からは、好ましくは式(Y-3)または(Y-4)で表される構成単位であり、正孔輸送性の観点からは、好ましくは式(Y-5)〜(Y-7)で表される構成単位である。
Figure 0006417785
[式中、RY1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY1は、同一でも異なっていてもよく、隣接するRY1同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
Y1は、好ましくは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y-1)で表される構成単位は、好ましくは、式(Y-1')で表される構成単位である。
Figure 0006417785
[式中、RY11は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY1は、同一でも異なっていてもよい。]
Y11は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、より好ましくは、アルキル基またはシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 0006417785
[式中、RY1は前記と同じ意味を表す。XY1は、−C(RY2)2−、−C(RY2)=C(RY2)−または−C(RY2)2−C(RY2)2−で表される基を表す。RY2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY2は、同一でも異なっていてもよく、RY2同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
Y2は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y1において、−C(RY2)2−で表される基中の2個のRY2の組み合わせは、好ましくは双方がアルキル基もしくはシクロアルキル基、双方がアリール基、双方が1価の複素環基、または、一方がアルキル基もしくはシクロアルキル基で他方がアリール基もしくは1価の複素環基であり、より好ましくは一方がアルキル基もしくはシクロアルキル基で他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRY2は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよく、RY2が環を形成する場合、−C(RY2)2−で表される基としては、好ましくは式(Y-A1)〜(Y-A5)で表される基であり、より好ましくは式(Y-A4)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 0006417785
Y1において、−C(RY2)=C(RY2)−で表される基中の2個のRY2の組み合わせは、好ましくは双方がアルキル基もしくはシクロアルキル基、または、一方がアルキル基もしくはシクロアルキル基で他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y1において、−C(RY2)2−C(RY2)2−で表される基中の4個のRY2は、好ましくは置換基を有していてもよいアルキル基またはシクロアルキル基である。複数あるRY2は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよく、RY2が環を形成する場合、−C(RY2)2−C(RY2)2−で表される基は、好ましくは式(Y-B1)〜(Y-B5)で表される基であり、より好ましくは式(Y-B3)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 0006417785
[式中、RY2は前記と同じ意味を表す。]
式(Y-2)で表される構成単位は、式(Y-2')で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0006417785
[式中、RY1およびXY1は前記と同じ意味を表す。]
Figure 0006417785
[式中、RY1は前記と同じ意味を表す。RY3は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
Y3は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 0006417785
[式中、RY1は前記を同じ意味を表す。RY4は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
Y4は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y)で表される構成単位としては、例えば、式(Y-11)〜(Y-55)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
式(Y)で表される構成単位であって、ArY1がアリーレン基である構成単位は、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の輝度寿命が優れるので、高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜80モル%であり、より好ましくは30〜60モル%である。
式(Y)で表される構成単位であって、ArY1が2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基である構成単位は、本発明の高分子化合物を用いた発光素子の電荷輸送性が優れるので、高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜30モル%であり、より好ましくは3〜40モル%である。
式(Y)で表される構成単位は、高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
本発明の高分子化合物の安定性が優れるので、更に、式(3)で表される構成単位および式(3’)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位を含むことが好ましい。
[式(3)で表される構成単位]
Figure 0006417785
[式中、
nCは0〜5の整数を表し、pは1または2の整数を表す。
Arは、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’’’−で表される基、酸素原子または硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’’’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Lが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
は、架橋基A群から選ばれる架橋基を表す。Qが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
nCは、本発明の高分子化合物の架橋性がより優れるので、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。
pは、本発明の高分子化合物の架橋性がより優れるので、好ましくは1または2であり、より好ましくは2である。
Arは、本発明の高分子化合物の架橋性がより優れるので、好ましくは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。
Arで表される芳香族炭化水素基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
Arで表される芳香族炭化水素基のp個の置換基を除いたアリーレン基部分としては、好ましくは、式(A-1)〜式(A-20)で表される基であり、より好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-6)〜式(A-10)、式(A-19)または式(A-20)で表される基であり、さらに好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-7)、式(A-9)または式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Arで表される複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
Arで表される複素環基のp個の置換基を除いた2価の複素環基部分としては、好ましくは、式(AA-1)〜式(AA-34)で表される基である。
Arで表される芳香族炭化水素基および複素環基は置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基およびシアノ基が挙げられる。
で表されるアルキレン基は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜10であり、好ましくは1〜5であり、より好ましくは1〜3である。Lで表されるシクロアルキレン基は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜10である。
アルキレン基およびシクロアルキレン基は、置換基を有していてもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、シクロヘキシレン基、オクチレン基が挙げられる。
で表されるアルキレン基およびシクロアルキレン基は、置換基を有していてもよい。アルキレン基およびシクロアルキレン基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ハロゲン原子およびシアノ基が挙げられる。
で表されるアリーレン基は、置換基を有していてもよい。アリーレン基としては、o−フェニレン、m−フェニレン、p−フェニレンが挙げられる。アリール基が有してもよい置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子、シアノ基および架橋基A群から選ばれる架橋基が挙げられる。
は、本発明の高分子化合物の製造が容易になるため、好ましくはフェニレン基またはアルキレン基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
で表される架橋基としては、本発明の高分子化合物の架橋性が優れるので、好ましくは式(XL-1)、(XL-3)、(XL-5)または(XL-7)で表される架橋基であり、より好ましくは式(XL-1)で表される架橋基である。
式(3)で表される構成単位は、本発明の高分子化合物の安定性が優れるので、高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜50モル%であり、より好ましくは3〜30モル%であり、更に好ましくは3〜20モル%である。
Figure 0006417785
[式中、
mCは0〜5の整数を表し、m’’は1〜4の整数を表し、m’は0または1を表す。mCが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Arは、芳香族炭化水素基、複素環基、または、少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環が直接結合した基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArおよびArは、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar、ArおよびArはそれぞれ、当該基が結合している窒素原子に結合している当該基以外の基と、直接または酸素原子もしくは硫黄原子を介して結合して、環を形成していてもよい。
は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’’’’−で表される基、酸素原子または硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’’’’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Kが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
は、架橋基A群から選ばれる架橋基、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。但し、少なくとも1つのQは、架橋基A群から選ばれる架橋基である。]
mCは、本発明の高分子化合物の架橋性がより優れるため、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
m’’は、本発明の高分子化合物の合成が容易となるので、2であることが好ましい。
m’は、本発明の高分子化合物の合成が容易となるので、0であることが好ましい。
Arは、本発明の高分子化合物を用いて得られる発光素子の発光効率がより優れるので、芳香族炭化水素基であることが好ましい。
Arで表される芳香族炭化水素基のm’’個の置換基を除いたアリーレン基部分の定義や例は、前述の式(X)におけるArX2で表されるアリーレン基の定義や例と同じである。
Arで表される複素環基のm’’個の置換基を除いた2価の複素環基部分の定義や例は、前述の式(X)におけるArX2で表される2価の複素環基部分の定義や例と同じである。
Arで表される少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環が直接結合した基のm’’個の置換基を除いた2価の基の定義や例は、前述の式(X)におけるArX2で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基の定義や例と同じである。
ArおよびArは、本発明の高分子化合物の架橋性がより優れるので、アリーレン基であることが好ましい。
ArおよびArで表されるアリーレン基の定義や例は、前述の式(X)におけるArX1およびArX3で表されるアリーレン基の定義や例と同じである。
ArおよびArで表される2価の複素環基の定義や例は、前述の式(X)におけるArX1およびArX3で表される2価の複素環基の定義や例と同じである。
Ar、ArおよびArで表される基は置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基およびシアノ基が挙げられる。
で表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義や例は、それぞれ、Lで表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義や例と同じである。
は、本発明の高分子化合物の合成が容易となるため、フェニレン基またはメチレン基であることが好ましい。
で表される架橋基の好ましい範囲、より好ましい範囲およびさらに好ましい範囲は、Qで表される架橋基A群から選ばれる架橋基の好ましい範囲、より好ましい範囲およびさらに好ましい範囲と同様である。
式(3’)で表される構成単位は、本発明の高分子化合物の安定性が優れるので、高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、0.5〜50モル%であることが好ましく、3〜30モル%であることがより好ましく、3〜20モル%であることがさらに好ましい。
式(3)で表される構成単位および式(3’)で表される構成単位は、それぞれ、高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
式(3)で表される構成単位としては、例えば、式(3−1)〜式(3−20)で表される構成単位が挙げられ、式(3’)で表される構成単位としては、例えば、式(3’−1)〜式(3’−9)で表される構成単位が挙げられる。これらの中でも、本発明の高分子化合物の架橋性が優れるので、好ましくは、式(3−1)〜式(3−7)、式(3−11)、式(3−12)または式(3−15)〜式(3−20)で表される構成単位であり、より好ましくは、式(3−1)〜式(3−4)、式(3−7)、式(3−11)、式(3−12)、式(3−15)または式(3−17)で表される構成単位であり、更に好ましくは、式(3−1)〜式(3−4)、式(3−11)または式(3−15)で表される構成単位である。
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
本発明の高分子化合物としては、例えば、表3に示す高分子化合物P−1〜P−10が挙げられる。ここで、「その他の構成単位」とは、式(2)、式(2’)、式(X)、式(Y)、式(3)および式(3’)で表される構成単位以外の構成単位を意味する。
Figure 0006417785

[表中、q、r、s、t、u、vおよびwは、各構成単位のモル比率を表す。q+r+s+t+u+v+w=100であり、かつ、70≦q+r+s+t+w≦100である。]
高分子化合物P−1〜P−10における、式(2)、式(2’)、式(X)、式(Y)、式(3)および式(3’)で表される構成単位の例および好ましい範囲は、上述のとおりである。
本発明の高分子化合物の末端基は、重合活性基がそのまま残っていると、高分子化合物を発光素子の作製に用いた場合に発光特性や輝度寿命が低下する可能性があるので、好ましくは安定な基である。この末端基としては、主鎖と共役結合している基が好ましく、炭素−炭素結合を介してアリール基または1価の複素環基と結合している基が挙げられる。
本発明の高分子化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよいが、複数種の原料モノマーを共重合してなる共重合体であることが好ましい。
<高分子化合物の製造方法>
次に、本発明の高分子化合物の製造方法について説明する。
本発明の高分子化合物は、例えば、式(2M)で表される化合物および/または(2’M)で表される化合物と、式(M−1)で表される化合物および/または式(M−2)で表される化合物と、他の化合物(例えば、式(M−3)および/または式(M−3’)で表される化合物)とを縮合重合させることにより製造することができる。本明細書において、本発明の高分子化合物の製造に使用される化合物を総称して、「原料モノマー」ということがある。
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
[式中、
Ar、n、Q、mA、m、c、Ar、Ar、Ar、K、Q2、aX1、aX2、ArX1〜ArX4、RX1〜RX3、ArY1、nC、p、Ar、L、Q、mC、m’’、m’、Ar、Ar、Ar、KおよびQは、前記と同じ意味を表す。
〜Z10は、それぞれ独立に、置換基A群から選ばれる基または置換基B群から選ばれる基を表す。]
例えば、Z、Z、Z、Z、Z7およびZ8が置換基A群から選ばれる基である場合、Z5、Z6、Z9、Z10、Z11およびZ12は、置換基B群から選ばれる基を選択する。
例えば、Z、Z、Z、Z、Z7およびZ8が置換基B群から選ばれる基である場合、Z5、Z6、Z9、Z10、Z11およびZ12は、置換基A群から選ばれる基を選択する。
<置換基A群>
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−O−S(=O)2C1(式中、RC1は、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。)で表される基。
<置換基B群>
−B(ORC2)2(式中、RC2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRC2は同一でも異なっていてもよく、互いに連結して、それぞれが結合する酸素原子とともに環構造を形成していてもよい。)で表される基;
−BF3Q'(式中、Q'は、Li、Na、K、RbまたはCsを表す。)で表される基;
−MgY'(式中、Y'は、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。)で表される基;
−ZnY''(式中、Y''は、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。)で表される基;および、
−Sn(RC3)3(式中、RC3は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRC3は同一でも異なっていてもよく、互いに連結して、それぞれが結合するスズ原子とともに環構造を形成していてもよい。)で表される基。
−B(ORC2)2で表される基としては、下記式で表される基が例示される。
Figure 0006417785
置換基A群から選ばれる基を有する化合物と置換基B群から選ばれる基を有する化合物とは、公知のカップリング反応により縮合重合して、置換基A群から選ばれる基および置換基B群から選ばれる基と結合する炭素原子同士が結合する。そのため、置換基A群から選ばれる基を2個有する化合物と、置換基B群から選ばれる基を2個有する化合物を公知のカップリング反応に供すれば、縮合重合により、これらの化合物の縮合重合体を得ることができる。
縮合重合は、通常、触媒、塩基および溶媒の存在下で行なわれるが、必要に応じて、相間移動触媒を共存させて行ってもよい。
触媒としては、例えば、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム、パラジウムアセテート等のパラジウム錯体、ニッケル[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、[1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ジクロロニッケル、[ビス(1,4-シクロオクタジエン)]ニッケル等のニッケル錯体等の遷移金属錯体;これらの遷移金属錯体が、更にトリフェニルホスフィン、トリ-o-トリルホスフィン、トリ-tert-ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ジフェニルホスフィノプロパン、ビピリジル等の配位子を有する錯体が挙げられる。触媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
触媒の使用量は、原料モノマーのモル数の合計に対する遷移金属の量として、通常、0.00001〜3モル当量である。
塩基および相間移動触媒としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、リン酸三カリウム等の無機塩基;フッ化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の有機塩基;塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム等の相間移動触媒が挙げられる。塩基および相間移動触媒は、それぞれ、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
塩基および相間移動触媒の使用量は、それぞれ、原料モノマーの合計モル数に対して、通常0.001〜100モル当量である。
溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド等の有機溶媒、水が挙げられる。溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
溶媒の使用量は、通常、原料モノマーの合計100重量部に対して、10〜100000重量部である。
縮合重合の反応温度は、通常-100〜200℃である。縮合重合の反応時間は、通常1時間以上である。
重合反応の後処理は、公知の方法、例えば、分液により水溶性不純物を除去する方法、メタノール等の低級アルコールに重合反応後の反応液を加えて、析出させた沈殿を濾過した後、乾燥させる方法等を単独、または組み合わせて行う。高分子化合物の純度が低い場合、例えば、再結晶、再沈殿、ソックスレー抽出器による連続抽出、カラムクロマトグラフィー等の通常の方法にて精製することができる。
[式(2M)で表される化合物]
本発明の化合物は、式(2M)で表される化合物であり、上記の本発明の高分子化合物の製造方法において、好適に使用することができる。
およびZは、それぞれ独立に、上記の置換基A群または置換基B群から選ばれる基を表す。ZおよびZは、本発明の化合物の製造が容易になるので、好ましくは同一の基である。
[式(2M)で表される化合物の製造方法]
式(2M)で表される化合物は、例えば、下記スキーム1に記載の方法で製造することができる。
Figure 0006417785
スキーム1中、
、R、R、R、R、L、nA、Arおよびnは、前記と同じ意味を表す。
D1は、アルカリ金属原子、または、−M101Hで表される基を表す。M10は、マグネシウム原子または亜鉛原子を表し、Z1Hは、ハロゲン原子を表す。
E1は、置換基A群から選ばれる基を表す。
1aおよびZ2aは、それぞれ独立に、水素原子または置換基A群から選ばれる基を表す。
D1で表されるアルカリ金属原子としては、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子が挙げられる。
E1で表されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が挙げられる。
スキーム1において、まず、式(2M−1)で表される化合物と、式(2M−2)で表される化合物とを求核置換反応させることにより、式(2M)で表される化合物を合成することができる。
1aおよびZ2aが水素原子である式(2M)で表される化合物は、ブロモ化反応等の反応により、水素原子を置換基A群から選ばれる基に変換することができる。
1aおよびZ2aが置換基A群から選ばれる基である式(2M)で表される化合物は、ビスピナコラートジボロンや2-アルコキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランを使用したボロン酸エステル化等の公知の反応により、置換基A群から選ばれる基を置換基B群から選ばれる基に変換することができる。
[式(2’M)で表される化合物]
本発明の化合物は、式(2’M)で表される化合物であり、上記の本発明の高分子化合物の製造方法において、好適に使用することができる。
およびZは、それぞれ独立に、上記の置換基A群または置換基B群から選ばれる基を表す。ZおよびZは、本発明の化合物の製造が容易になるので、好ましくは同一の基である。
[式(2’M)で表される化合物の製造方法]
式(2’M)で表される化合物は、例えば、下記スキーム2に記載の方法で製造することができる。
Figure 0006417785
スキーム2中、
、R、R、R、R、mA、m、c、Ar、Ar、Ar、K、Q2およびZD1は、前記と同じ意味を表す。
E2は、置換基A群から選ばれる基を表す。
1aおよびZ2aは、それぞれ独立に、水素原子または置換基A群から選ばれる基を表す。
E2で表されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が挙げられる。
スキーム2において、まず、式(2M−3)で表される化合物と、式(2M−2)で表される化合物とを求核置換反応させることにより、式(2’M)で表される化合物を合成することができる。
3aおよびZ4aが水素原子である式(2’M)で表される化合物は、ブロモ化反応等の反応により、水素原子を置換基A群から選ばれる基に変換することができる。
3aおよびZ4aが置換基A群から選ばれる基である式(2’M)で表される化合物は、ビスピナコラートジボロンや2-アルコキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランを使用したボロン酸エステル化等の公知の反応により、置換基A群から選ばれる基を置換基B群から選ばれる基に変換することができる。
<組成物>
本発明の組成物は、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤および溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料と、本発明の高分子化合物とを含有する。
本発明の高分子化合物および溶媒を含有する組成物(以下、「インク」ということがある。)は、インクジェットプリント法、ノズルプリント法等の印刷法を用いた発光素子の作製に好適である。
インクの粘度は、印刷法の種類によって調整すればよいが、インクジェットプリント法等の溶液が吐出装置を経由する印刷法に適用する場合には、吐出時の目づまりと飛行曲がりを防止するために、好ましくは25℃において1〜20mPa・sである。
インクに含まれる溶媒は、該インク中の固形分を溶解または均一に分散できる溶媒が好ましい。溶媒としては、例えば、1,2-ジクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール、4-メチルアニソール等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、n-ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-へプタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、n-ドデカン、ビシクロヘキシル等の脂肪族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、安息香酸メチル、酢酸フェニル等のエステル系溶媒;エチレングリコール、グリセリン、1,2-ヘキサンジオール等の多価アルコール系溶媒;イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が挙げられる。溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
インクにおいて、溶媒の配合量は、本発明の高分子化合物100重量部に対して、通常、1000〜100000重量部であり、好ましくは2000〜20000重量部である。
[正孔輸送材料]
正孔輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類され、高分子化合物が好ましく、架橋基を有する高分子化合物がより好ましい。
高分子化合物としては、例えば、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体;側鎖または主鎖に芳香族アミン構造を有するポリアリーレンおよびその誘導体が挙げられる。高分子化合物は、電子受容性部位が結合された化合物でもよい。電子受容性部位としては、例えば、フラーレン、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン、トリニトロフルオレノン等が挙げられ、好ましくはフラーレンである。
本発明の組成物において、正孔輸送材料の配合量は、本発明の高分子化合物100重量部に対して、通常、1〜400重量部であり、好ましくは5〜150重量部である。
正孔輸送材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[電子輸送材料]
電子輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。電子輸送材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、8-ヒドロキシキノリンを配位子とする金属錯体、オキサジアゾール、アントラキノジメタン、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、テトラシアノアントラキノジメタン、フルオレノン、ジフェニルジシアノエチレン、および、ジフェノキノン、並びに、これらの誘導体が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、ポリフェニレン、ポリフルオレン、および、これらの誘導体が挙げられる。高分子化合物は、金属でドープされていてもよい。
本発明の組成物において、電子輸送材料の配合量は、本発明の高分子化合物100重量部に対して、通常、1〜400重量部であり、好ましくは5〜150重量部である。
電子輸送材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[正孔注入材料および電子注入材料]
正孔注入材料および電子注入材料は、各々、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。正孔注入材料および電子注入材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン;カーボン;モリブデン、タングステン等の金属酸化物;フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム、フッ化カリウム等の金属フッ化物が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリキノリン、および、ポリキノキサリン、並びに、これらの誘導体;芳香族アミン構造を主鎖または側鎖に含む重合体等の導電性高分子が挙げられる。
本発明の組成物において、正孔注入材料および電子注入材料の配合量は、各々、本発明の高分子化合物100重量部に対して、通常、1〜400重量部であり、好ましくは5〜150重量部である。
正孔注入材料および電子注入材料は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[イオンドープ]
正孔注入材料または電子注入材料が導電性高分子を含む場合、導電性高分子の電気伝導度は、好ましくは、1×10-5S/cm〜1×103S/cmである。導電性高分子の電気伝導度をかかる範囲とするために、導電性高分子に適量のイオンをドープすることができる。
ドープするイオンの種類は、正孔注入材料であればアニオン、電子注入材料であればカチオンである。アニオンとしては、例えば、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンが挙げられる。カチオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンが挙げられる。
ドープするイオンは、一種のみでも二種以上でもよい。
[発光材料]
発光材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。発光材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、ナフタレンおよびその誘導体、アントラセンおよびその誘導体、ペリレンおよびその誘導体、並びに、イリジウム、白金またはユーロピウムを中心金属とする三重項発光錯体が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、フルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、式(X)で表される基、カルバゾールジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、アントラセンジイル基、ピレンジイル基等を含む高分子化合物が挙げられる。
発光材料は、低分子化合物および高分子化合物を含んでいてもよく、好ましくは、三重項発光錯体および高分子化合物を含む。
三重項発光錯体としては、式Ir-1〜Ir-5で表される金属錯体等のイリジウム錯体が好ましい。
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
[式中、
D1〜RD8、RD11〜RD20、RD21〜RD26およびRD31〜RD37は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RD1〜RD8、RD11〜RD20、RD21〜RD26およびRD31〜RD37が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
−AD1---AD2−は、アニオン性の2座配位子を表し、AD1およびAD2は、それぞれ独立に、イリジウム原子と結合する炭素原子、酸素原子または窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。−AD1---AD2−が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
D1は、1、2または3を表し、nD2は、1または2を表す。]
式Ir-1で表される三重項発光錯体において、RD1〜RD8の少なくとも1つは、好ましくは、式(D-A)で表される基である。
Figure 0006417785
[式中、
DA1、mDA2およびmDA3は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
DAは、窒素原子、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArDA1、ArDA2およびArDA3は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2およびArDA3が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
DAは、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるTDAは、同一でも異なっていてもよい。]
DA1、mDA2およびmDA3は、通常10以下の整数であり、好ましくは5以下の整数であり、より好ましくは0または1である。mDA1、mDA2およびmDA3は、同一の整数であることが好ましい。
DA1は、好ましくは式(GDA-11)〜(GDA-15)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 0006417785
[式中、
*、**および***は、各々、ArDA1、ArDA2、ArDA3との結合を表す。
DAは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は更に置換基を有していてもよい。RDAが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
DAは、好ましくは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基またはシクロアルコキシ基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArDA1、ArDA2およびArDA3は、好ましくは式(ArDA-1)〜(ArDA-3)で表される基である。
Figure 0006417785
[式中、
DAは前記と同じ意味を表す。
DBは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RDBが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
DAは、好ましくは式(TDA-1)〜(TDA-3)で表される基である。
Figure 0006417785
[式中、RDAおよびRDBは前記と同じ意味を表す。]
式Ir-2において、好ましくはRD11〜RD20の少なくとも1つは式(D-A)で表される基である。
式Ir-3において、好ましくはRD1〜RD8およびRD11〜RD20の少なくとも1つは式(D-A)で表される基である。
式Ir-4において、好ましくはR21〜RD26の少なくとも1つは式(D-A)で表される基である。
式Ir-5において、好ましくはRD31〜RD37の少なくとも1つは式(D-A)で表される基である。
式(D-A)で表される基は、好ましくは式(D-A1)〜(D-A3)で表される基である。
Figure 0006417785
[式中、
p1、Rp2およびRp3は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基またはハロゲン原子を表す。Rp1およびRp2が複数ある場合、それらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
np1は、0〜5の整数を表し、np2は0〜3の整数を表し、np3は0または1を表す。複数あるnp1は、同一でも異なっていてもよい。]
np1は、好ましくは0または1であり、より好ましくは1である。np2は、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。np3は好ましくは0である。
p1、Rp2およびRp3は、好ましくはアルキル基またはシクロアルキル基である。
−AD1---AD2−で表されるアニオン性の2座配位子としては、例えば、下記式で表される配位子が挙げられる。
Figure 0006417785
[式中、*は、Irと結合する部位を表す。]
式Ir-1で表される金属錯体としては、好ましくは式Ir-11〜Ir-13で表される金属錯体である。式Ir-2で表される金属錯体としては、好ましくは式Ir-21で表される金属錯体である。式Ir-3で表される金属錯体としては、好ましくは式Ir-31〜Ir-33で表される金属錯体である。式Ir-4で表される金属錯体としては、好ましくは式Ir-41〜Ir-43で表されるイリジウム錯体である。式Ir-5で表される金属錯体としては、好ましくは式Ir-51〜Ir-53で表されるイリジウム錯体である。
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
[式中、Dは、式(D-A)で表される基を表す。複数存在するDは、同一でも異なっていてもよい。nD2は、1または2を表す。RDCは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRDCは、同一でも異なっていてもよい。RDDは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRDDは、同一でも異なっていてもよい。]
三重項発光錯体としては、例えば、以下に示す金属錯体が挙げられる。
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
Figure 0006417785
本発明の組成物において、発光材料の含有量は、本発明の高分子化合物100重量部に対して、通常、0.1〜400重量部である。
[酸化防止剤]
酸化防止剤は、本発明の高分子化合物と同じ溶媒に可溶であり、発光および電荷輸送を阻害しない化合物であればよく、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。
本発明の組成物において、酸化防止剤の配合量は、本発明の高分子化合物100重量部に対して、通常、0.001〜10重量部である。
酸化防止剤は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
<膜>
膜は、本発明の高分子化合物を含有する。
膜には、本発明の高分子化合物を架橋により溶媒に対して不溶化させた、不溶化膜も含まれる。不溶化膜は、本発明の高分子化合物を加熱、光照射等の外部刺激により架橋させて得られる膜である。不溶化膜は、溶媒に実質的に不溶であるため、発光素子の積層化に好適に使用することができる。
膜を架橋させるための加熱の温度は、通常、25〜300℃であり、発光効率が良好になるので、好ましくは50〜250℃であり、より好ましくは150〜200℃である。
膜を架橋させるための光照射に用いられる光の種類は、例えば、紫外光、近紫外光、可視光である。
膜は、発光素子における正孔輸送層または正孔注入層として好適である。
膜は、インクを用いて、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、キャピラリ−コート法、ノズルコート法により作製することができる。
膜の厚さは、通常、1nm〜10μmである。
<発光素子>
本発明の発光素子は、本発明の高分子化合物を用いて得られる有機エレクトロルミネッセンス等の発光素子であり、該発光素子には、例えば、本発明の高分子化合物を含む発光素子、本発明の高分子化合物が分子内、分子間、または、それらの両方で架橋した発光素子がある。
本発明の発光素子の構成としては、例えば、陽極および陰極からなる電極と、該電極間に設けられた本発明の高分子化合物を用いて得られる層とを有する。
[層構成]
本発明の高分子化合物を用いて得られる層は、通常、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層の1種以上の層であり、好ましくは、正孔輸送層である。これらの層は、各々、発光材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料を含む。これらの層は、各々、発光材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料を、上述した溶媒に溶解させ、インクを調製して用い、上述した膜の作製と同じ方法を用いて形成することができる。
発光素子は、陽極と陰極の間に発光層を有する。本発明の発光素子は、正孔注入性および正孔輸送性の観点からは、陽極と発光層との間に、正孔注入層および正孔輸送層の少なくとも1層を有することが好ましく、電子注入性および電子輸送性の観点からは、陰極と発光層の間に、電子注入層および電子輸送層の少なくとも1層を有することが好ましい。
正孔輸送層、電子輸送層、発光層、正孔注入層、および、電子注入層の材料としては、本発明の高分子化合物の他、各々、上述した正孔輸送材料、電子輸送材料、発光材料、正孔注入材料、および、電子注入材料が挙げられる。
正孔輸送層の材料、電子輸送層の材料、および、発光層の材料は、発光素子の作製において、各々、正孔輸送層、電子輸送層、および、発光層に隣接する層の形成時に使用される溶媒に溶解する場合、該溶媒に該材料が溶解することを回避するために、該材料が架橋基を有することが好ましい。架橋基を有する材料を用いて各層を形成した後、該架橋基を架橋させることにより、該層を不溶化させることができる。
本発明の発光素子において、発光層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層、電子注入層等の各層の形成方法としては、低分子化合物を用いる場合、例えば、粉末からの真空蒸着法、溶液または溶融状態からの成膜による方法が挙げられ、高分子化合物を用いる場合、例えば、溶液または溶融状態からの成膜による方法が挙げられる。
積層する層の順番、数、および、厚さは、発光効率および素子寿命を勘案して調整すればよい。
[基板/電極]
発光素子における基板は、電極を形成することができ、かつ、有機層を形成する際に化学的に変化しない基板であればよく、例えば、ガラス、プラスチック、シリコン等の材料からなる基板である。不透明な基板の場合には、基板から最も遠くにある電極が透明または半透明であることが好ましい。
陽極の材料としては、例えば、導電性の金属酸化物、半透明の金属が挙げられ、好ましくは、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ;インジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等の導電性化合物;銀とパラジウムと銅との複合体(APC);NESA、金、白金、銀、銅である。
陰極の材料としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム等の金属;それらのうち2種以上の合金;それらのうち1種以上と、銀、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1種以上との合金;並びに、グラファイトおよびグラファイト層間化合物が挙げられる。合金としては、例えば、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。
陽極および陰極は、各々、2層以上の積層構造としてもよい。
[用途]
発光素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。パターン状の発光を得るためには、面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部にしたい層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極もしくは陰極、または両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字、文字等を表示できるセグメントタイプの表示装置が得られる。ドットマトリックス表示装置とするためには、陽極と陰極を共にストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子化合物を塗り分ける方法、カラーフィルターまたは蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス表示装置は、パッシブ駆動も可能であるし、TFT等と組み合わせてアクティブ駆動も可能である。これらの表示装置は、コンピュータ、テレビ、携帯端末等のディスプレイに用いることができる。面状の発光素子は、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、または、面状の照明用光源として好適に用いることができる。フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源、および、表示装置としても使用できる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例において、高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)およびポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、サイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC)(島津製作所製、商品名:LC-10Avp)により求めた。なお、SECの測定条件は、次のとおりである。
[測定条件]
測定する高分子化合物を約0.05重量%の濃度でTHFに溶解させ、SECに10μL注入した。SECの移動相としてTHFを用い、2.0mL/分の流量で流した。カラムとして、PLgel MIXED-B(ポリマーラボラトリーズ製)を用いた。検出器にはUV-VIS検出器(島津製作所製、商品名:SPD-10Avp)を用いた。
液体クロマトグラフ質量分析(LC-MS)は、下記の方法で行った。
測定試料を約2mg/mLの濃度になるようにクロロホルムまたはTHFに溶解させ、LC-MS(アジレントテクノロジー製、商品名:1100LCMSD)に約1μL注入した。LC-MSの移動相には、アセトニトリルおよびTHFの比率を変化させながら用い、0.2mL/分の流量で流した。カラムは、L-column 2 ODS(3μm)(化学物質評価研究機構製、内径:2.1mm、長さ:100mm、粒径3μm)を用いた。
NMRの測定は、下記の方法で行った。
5〜10mgの測定試料を約0.5mLの重クロロホルム(CDCl3)、重ジメチルスルホオキシド(DMSO-d6)、重テトラヒドロフラン(THF-d8)または重塩化メチレン(CD2Cl2)に溶解させ、NMR装置(バリアン(Varian, Inc.)製、商品名:MERCURY 300)を用いて測定した。
化合物の純度の指標として、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)面積百分率の値を用いた。この値は、特に記載がない限り、HPLC(島津製作所製、商品名:LC-20A)での254nmにおける値とする。この際、測定する化合物は、0.01〜0.2重量%の濃度になるようにTHFまたはクロロホルムに溶解させ、HPLCに、濃度に応じて1〜10μL注入した。HPLCの移動相には、アセトニトリルおよびTHFを用い、1mL/分の流速で、アセトニトリル/THF=100/0〜0/100(容積比)のグラジエント分析で流した。カラムは、Kaseisorb LC ODS 2000(東京化成工業製)または同等の性能を有するODSカラムを用いた。検出器には、フォトダイオードアレイ検出器(島津製作所製、商品名:SPD-M20A)を用いた。
<合成例1> 化合物Mb3の合成
Figure 0006417785
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物Mb1(185.0g)、化合物Mb2(121.1g)、CuI(3.2g)、ジクロロメタン(185ml)およびトリエチルアミン(2.59L)を加え、還流温度に昇温した。その後、還流温度で0.5時間撹拌し、室温まで冷却した。そこへ、ジクロロメタン(1.85L)を加えた後、セライトを敷き詰めたろ過器でろ過した。得られたろ液に10重量%炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、水層を分離した。得られた有機層を水で2回洗浄し、飽和NaCl水で洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えた。得られた混合物をろ過し、得られたろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(展開溶媒:クロロホルムおよび酢酸エチルの混合溶媒)を用いて精製することで、粗生成物を得た。得られた粗生成物をエタノール(1.4L)に溶解させた後、活性炭(5g)を加え、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮して、得られた残渣をヘキサンで再結晶することで、白色固体として化合物Mb3を99.0g得た。得られた化合物Mb3のHPLC面積百分率値(UV254nm)は99.5%以上であった。この操作を繰り返し行うことで、化合物Mb3の必要量を得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 300MHz) δ(ppm):1.52-1.55 (8H, m), 2.42 (4H, t), 3.38-3.44 (4H, m), 4.39-4.43(2H, m), 7.31 (4H, s).
<合成例2> 化合物Mb4の合成
Figure 0006417785
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物Mb3(110.0g)、エタノール(1.65L)およびパラジウム/炭素(Pd重量10%)(11.0g)を加え、30℃まで昇温した。その後、フラスコ内の気体を水素ガスで置換した。その後、フラスコ内に水素ガスを供給しながら、30℃で3時間撹拌した。その後、フラスコ内の気体を窒素ガスで置換した。得られた混合物をろ過し、得られたろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(展開溶媒:クロロホルムおよび酢酸エチルの混合溶媒)を用いて精製することで、粗生成物を得た。得られた粗生成物をヘキサンで再結晶することで、白色固体として化合物Mb4を93.4g得た。得られた化合物Mb4のHPLC面積百分率値(UV254nm)は98.3%であった。
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):1.30-1.40 (8H, m), 1.55-1.65 (8H, m), 2.58 (4H, t), 3.64 (4H, t), 7.09 (4H, s).
13C-NMR(CDCl3, 75MHz) δ(ppm):25.53, 28.99, 31.39, 32.62, 35.37, 62.90, 128.18, 139.85.
<合成例3> 化合物Mb5の合成
Figure 0006417785
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物Mb4(61.0g)、ピリジン(0.9g)およびトルエン(732ml)を加え、60℃に昇温した。そこへ、塩化チオニル(91.4g)を1.5時間かけて滴下した後、60℃で5時間撹拌した。得られた混合物を室温まで冷却した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(展開溶媒:ヘキサンおよび酢酸エチルの混合溶媒)を用いて精製することで、無色油状物として化合物Mb5を64.3g得た。得られた化合物Mb5のHPLC面積百分率値(UV254nm)は97.2%であった。
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):1.35-1.40 (4H, m), 1.41-1.50 (4H, m), 1.60-1.68 (4H, m), 1.75-1.82 (4H, m), 2.60 (4H, t), 3.55 (4H, t), 7.11 (4H, s).
<合成例4> 化合物Mb6の合成
Figure 0006417785
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、化合物Mb5(42.0g)、鉄粉(1.7g)、ヨウ素(0.3g)およびジクロロメタン(800ml)を加えた。その後、フラスコ全体を遮光し、0〜5℃に冷却した。そこへ、臭素(44.7g)およびジクロロメタン(200ml)の混合液を1時間かけて滴下した後、0〜5℃にて一晩撹拌した。得られた混合液を、0〜5℃に冷却した水(1.2L)に加えた後、有機層を分離した。得られた有機層を10重量%チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、さらに、飽和塩化ナトリウム水、水の順番で洗浄した。得られた有機層に硫酸ナトリウムを加えた後、ろ過し、得られたろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(展開溶媒:ヘキサン)を用いて精製することで、粗生成物を得た。得られた粗生成物をヘキサンで再結晶することで、白色固体として化合物Mb6を47.0g得た。得られた化合物Mb6のHPLC面積百分率値(UV254nm)は98.3%であった。
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):1.38-1.45 (4H, m), 1.47-1.55 (4H, m), 1.57-1.67 (4H, m), 1.77-1.84(4H, m), 2.66 (4H, t), 3.55 (4H, t), 7.36 (2H, s).
<合成例5> 化合物Mb7の合成
Figure 0006417785
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、ヨウ化ナトリウム(152.1g)およびアセトン(600ml)を加え、室温で0.5時間撹拌した。そこへ、Mb6(40.0g)を加えた後、還流温度まで昇温し、還流温度で24時間撹拌した。その後、室温まで冷却し、得られた混合液を水(1.2L)に加えた。析出した固体をろ別した後、水で洗浄することで粗生成物を得た。得られた粗生成物をトルエンおよびメタノールの混合液で再結晶することで、白色固体として化合物Mb7を46.0g得た。得られた化合物Mb7のHPLC面積百分率値(UV254nm)は99.4%であった。この操作を繰り返し行うことで、化合物Mb7の必要量を得た。
1H-NMR(CDCl3, 300MHz) δ(ppm):1.35-1.50 (8H, m), 1.57-1.65 (4H, m), 1.80-1.89 (4H, m), 2.65 (4H, t), 3.20 (4H, t), 7.36 (2H, s).
<合成例6> 化合物Mb8の合成
Figure 0006417785
撹拌器を備えたフラスコ内の気体を窒素ガスで置換した後、1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエン(24.41g)およびテトラヒドロフラン(330mL)を加え、フラスコをドライアイス/メタノールバスで冷却した。そこへ、n−ブチルリチウム(1.6M、100mL)を加え、フラスコをドライアイス/メタノールバスで冷却しながら0.5時間撹拌した。そこへ、化合物Mb7(22.08g)およびテトラヒドロフラン(200mL)を加えた後、フラスコをドライアイス/メタノールバスで冷却しながら5時間撹拌した。そこへ、メタノール(100mL)を加えた後、室温まで昇温させた。そこへ、水およびヘプタンを加えた後、有機層と水層とを分離した。得られた有機層を塩化ナトリウム水溶液、水の順番で洗浄した。得られた有機層に硫酸ナトリウムを加えた後、ろ過し、得られたろ液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をメタノールで2回洗浄処理することで、白色固体として化合物Mb8を17.0g得た。得られた化合物Mb8のHPLC面積百分率値(UV254nm)は97.1%であった。
1H-NMR(CD2Cl2, 300MHz) δ(ppm):0.50-0.66 (4H, m), 0.85 (6H, s), 1.12-1.32 (8H, m), 1.34-1.43 (4H, m), 1.44-1.57 (4H, m), 1.66 (12H, s), 1.76 (12H, s), 2.60 (4H, t, d = 7.8Hz), 7.35 (2H, s).
<合成例7> 化合物MM10〜MM13の合成
化合物MM10は、特開2008−106241号公報記載の合成法に従い合成した。
化合物MM11は、国際公開第2012/086669号記載の合成法に従い合成した。
化合物MM12は、国際公開第2005/049546号記載の合成法に従い合成した。
化合物MM13は、特開2010−215886号公報記載の合成法に従い合成した。
Figure 0006417785
<実施例1> 高分子化合物1の合成
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物MM11(1.1g)、化合物MM12(920mg)、化合物MM13(58mg)、化合物Mb8(84mg)、ジブチルヒドロキシトルエン(11mg)、ジクロロビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.1mg)およびトルエン(50mL)を加え、105℃に加熱した。
(工程2)反応液に、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(8.0mL)を滴下し、5時間還流させた。
(工程3)反応後、そこに、フェニルボロン酸(16mg)、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(8.0mL)およびジクロロビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.1mg)を加え、15時間還流させた。
(工程4)反応後、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。冷却後、反応液を、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱が生じた。沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物1を1.3g得た。高分子化合物1のMnは3.7×10であり、Mwは2.0×10であった。
高分子化合物1は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物MM11から誘導される構成単位と、化合物MM12から誘導される構成単位と、化合物MM13から誘導される構成単位と、化合物Mb8から誘導される構成単位とが、50:40:5:5のモル比で構成されてなる共重合体である。
<比較例1> 高分子化合物2の合成
高分子化合物1の合成における(工程1)を、「反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物MM11(8.4g)、化合物MM12(6.9g)、化合物MM10(500mg)、化合物MM13(430mg)、、ジクロロビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(5.0mg)およびトルエン(220mL)を加え、105℃に加熱した。」とする以外は、高分子化合物1の合成と同様にすることで、高分子化合物2を11g得た。高分子化合物2のMnは6.4×10であり、Mwは3.1×10であった。
高分子化合物2は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物MM11から誘導される構成単位と、化合物MM12から誘導される構成単位と、化合物MM10から誘導される構成単位と、化合物MM13から誘導される構成単位が、50:40:5:5のモル比で構成されてなる共重合体である。
<残膜率の評価実施例1>
高分子化合物1をキシレンに溶解させ、0.7重量%のキシレン溶液を調製した。ガラス基板に、このキシレン溶液を用いてスピンコートにより20nmの厚さで成膜した後、窒素ガス雰囲気中において、ホットプレート上で160℃、60分間加熱した。その後、室温まで冷却することで測定試料1−1を作製した。
次に、測定試料1−1の光透過率を測定し、測定試料1−1の最小透過率(T)を得た。測定試料1−1のTは0.727であった。なお、測定には光透過率測定装置(バリアン(Varian, Inc.)製、商品名:Cary 5E 紫外・可視分光光度計)を用い、光透過率測定時の波長掃引は300〜600nmとした。
次に、測定試料1−1をキシレンに浸漬させ、60分間攪拌した後、キシレンから取り出した。その後、スピンコーターに設置し、1000rpmで10秒間回転させて乾燥させることにより、測定試料1−2を作製した。
次に、測定試料1−1と同様に、測定試料1−2の光透過率を測定し、測定試料1−2の最小透過率(T)を得た。測定試料1−2のTは0.834であった。
下記式を用いて、高分子化合物1を用いた膜の残膜率を計算したところ、56.9%であった。
残膜率(%)=(log/log)×100
<残膜率の評価比較例1>
残膜率の評価実施例1における高分子化合物1に代えて、高分子化合物2を用いたこと以外は、残膜率の評価実施例1と同様にしてキシレン浸漬前の測定試料2−1を作製し、測定試料2−1の最小透過率(T)を得た。測定試料2−1のTは0.692であった。次に、キシレン浸漬後の測定試料2−2を作製し、測定試料2−2の最小透過率(T)を得た。測定試料2−2のTは0.856であった。そして、上記式を用いて、高分子化合物2を用いた膜の残膜率を計算したところ、42.2%であった。
これらの結果から、高分子化合物1を用いた膜の残膜率は、高分子化合物2を用いた膜の残膜率よりも優れるため、高分子化合物1の架橋性は、高分子化合物2の架橋性よりも優れることがわかる。

Claims (9)

  1. 下記式()で表される基を有する繰り返し単位を含む高分子化合物。
    Figure 0006417785
    [式中、
    Ar は、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    nは2を表す。
    は、下記式(1)で表される基を表す。Q が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
    Figure 0006417785
    [式中、
    、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。RとR、RとR、RとRは、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。
    nAはを表す。
    は、置換基を有していてもよいアルキレン基を表す。
  2. 前記Arが、置換基を有していてもよいベンゼン環、置換基を有していてもよいフルオレン環、置換基を有していてもよいナフタレン環、置換基を有していてもよいフェナントレン環、または、置換基を有していてもよいジヒドロフェナントレン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子(2+n)個を除いた基である、請求項に記載の高分子化合物。
  3. 前記Arが、置換基を有していてもよいベンゼン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子(2+n)個を除いた基である、請求項に記載の高分子化合物。
  4. 更に、下記式(X)で表される繰り返し単位を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の高分子化合物。
    Figure 0006417785
    [式中、
    1およびa2は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
    ArX1およびArX3は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    ArX2およびArX4は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    X1、RX2およびRX3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
  5. 更に、下記式(Y)で表される繰り返し単位を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の高分子化合物。
    Figure 0006417785
    [式中、ArY1は、アリーレン基、2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
  6. 前記式(Y)で表される繰り返し単位が、下記式(Y−1)で表される繰り返し単位または下記式(Y−2)で表される繰り返し単位である、請求項に記載の高分子化合物。
    Figure 0006417785
    [式中、RY1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY1は、同一でも異なっていてもよく、隣接するRY1同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
    Figure 0006417785
    [式中、RY1は前記と同じ意味を表す。XY1は、−C(RY2)2−、−C(RY2)=C(RY2)−またはC(RY2)2−C(RY2)2−で表される基を表す。RY2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY2は、同一でも異なっていてもよく、RY2同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
  7. 前記式(2)で表される繰り返し単位の含有量が、高分子化合物に含まれる繰り返し単位の合計含有量に対して、2〜90モル%である、請求項のいずれか一項に記載の高分子化合物。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の高分子化合物と、
    正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤および溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料とを含有する組成物。
  9. 請求項1〜のいずれか一項に記載の高分子化合物を用いて得られる発光素子。
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