JP4863060B2 - 合成樹脂製角型壜体 - Google Patents
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Description
また、把手を付設しない場合には、胴部に手で掴持し易いようにくびれ部を設けたりすることがあり、また、角型壜体では胴部の中央高さ位置に形成されたウエスト部の一部に指掛となる凹部を形成する方法が一般的である(たとえば特許文献1の図1参照)。
また、逆に掴持性を十分に発揮せしめるように胴部に単に大きな凹部を形成しようとすると、壜体形状を大きく変える必要があり、また加圧充填法で内容液を充填する場合には、当該工程に伴う加圧により壜体が大きく膨張変形してしまうと云う問題が起こる。
平断面形状が長方形状の胴部を有し、胴部の中央高さ位置に周溝状のウエスト部を有する角型壜体であって、
長方形状の長辺側を形成する一対の平坦壁において、段部により周囲を囲って、このウエスト部の下方に一対の減圧吸収パネルを陥没形成すること、
減圧吸収パネルにおいて、この減圧吸収パネルの底壁を指先による引掛けが可能に平断面で見て凹状にして、減圧吸収パネルの左右中央位置に膨出変形を抑制するための、また第3指、第4指および第5指のうち少なくとも何れか1指による引掛けが可能に、平断面形状がコの字状の角溝形状とした1本の縦溝リブを縦断形成すること、
ウエスト部の、減圧吸収パネルの上方位置に、このウエスト部の横溝状の形状を深く、幅広にして、一対の指掛け用の凹部を形成すること、
減圧吸収パネルの底壁の陥没深さの平均値を、長方形状の胴部の短辺側の幅の4〜15%の範囲とすること、
これら一対の減圧吸収パネルと一対の指掛け用の凹部により壜体を掴持するための掴持部分を構成すること、
にある。
ここで減圧吸収パネルは、段部における段差を大きくすることにより指先を係止したり引っ掛け易くできるので、掴持性の点からはその陥没深さを大きくすることが望ましい。
一方、陥没深さを大きくしすぎると、内圧の上昇による反転状の膨出変形の回復が困難となる、減圧吸収機能が低下する、ブロー成形時における賦形性が低下する、そして容量にバラツキが発生する等の問題が生じるが、
減圧吸収パネルの底壁の陥没深さの平均値を、長方形状の胴部の短辺側の幅の4〜15%の範囲とすることにより、このような問題をクリアしながら掴持性を十分に発揮させることができる。
そして、大型の角形壜体では減圧吸収パネルを大きく形成することができるので、ウエスト部だけで掴持部を構成する場合に比較して、手の平全体で壜体を掴持することができ、特に内容液の残量が多く、重量が重い場合でも安定して壜体を掴持し、内容液を注ぐことができる。
また、縦溝リブの幅、高さ、断面形状、減圧吸収パネル内で配設する左右位置等は、膨出変形の抑制効果、掴持部分としての機能、さらには減圧吸収機能等を考慮して適宜決めることができる設計事項であり、さまざまなバリエーションがある。また縦溝リブは1ケに限定されるものではなく、抑制効果、減圧吸収機能、掴持性等を総合的に考慮して複数形成することもできる。
また、縦溝リブを平断面形状がコの字状の角溝形状とすることにより、掴持する指先の横方向への滑りに係る防止効果がより確実に発揮される。
なお、横リブとしては横突条、横溝、階段状の凸部、あるいは凹部等を適宜形成することができるが、縦溝リブに比較してその凹凸の程度を低く設定して減圧時に陥没変形の程度が制限されないようにする。
請求項1記載の発明にあっては、ウエスト部の指掛け用の凹部と共に、減圧吸収パネルを利用して掴持部分とするので、壜体の形状を大きく変更することなく掴持部分を構成することができ、凹部、減圧吸収パネルの段部あるいは縦溝リブを利用して各指先に上下方向あるいは左右方向への係止機能が発揮され、壜体を、正立、倒立、あるいは斜め等のいろんな姿勢で安定して掴持することができる。
また、減圧吸収パネルの底壁の陥没深さの平均値を、長方形状の胴部の短辺側の幅の4〜15%の範囲とすることにより、反転状の膨出変形の発生、減圧吸収機能の低下、ブロー成形時における賦形性の低下等の問題を効果的にクリアしながら、掴持性を十分に発揮させることができる。
図1〜図6は本発明の合成樹脂製角型壜体の一実施例を示すものである。図1は正面図、図2は側面図、図3は図1中のA−A線、B−B線に沿って示す平断面図、また、図4(a)は図1中のC−C線に沿って示す平断面図であり、(b)は手で掴持した状態を示す説明図である。
そして、図5は図1中の減圧吸収パネル近傍の正面図、図6(a)は図5中のL−L線、(b)はM−M線に沿って示す縦断面、そして図7(a)は図5中のE−E線、(b)はF−F線に沿って示す縦断面である。
この構成により、掴持した指の一部をこの凹部6aに嵌入状に当てることができ、上下方向への係止機能が発揮され、壜体1の上下方向の滑りを確実に防ぐことができる。
なお通常の減圧吸収パネル、たとえば本実施例の壜体の減圧吸収パネル19の陥没深さは2mmである。ここで、本実施例の壜体1の高さは303mm、胴部4の長辺側幅W1は106mm、そして短辺側幅W2は90mmであり、底壁13bの陥没深さDは短辺側の幅W2の10%で、4〜15%の範囲内としている。
そして、このように陥没深さDを、短辺側の幅W2の4〜15%の範囲の深さとすることにより、減圧吸収パネル13を形成する段部10の段差を大きくして、この段差を利用して、掴持する指先の係止機能が十分発揮される。
そして、この縦溝リブ16は縦リブとしての機能を発揮して、加圧充填工程で内容液を充填する場合にも内圧上昇による減圧吸収パネル13の反転状の膨出変形を防止することができる。
但し、勿論のことではあるが、壜体1の掴持の仕方は限定的なものではなく、使用する人により、また内容液の残量によりさまざまな態様とすることができる。
たとえば、本発明はPET樹脂製以外の合成樹脂製の壜体にも適用でき、壜体の容量も2Lに限定されるものではなくさまざまな容量の壜体に適用できる。
2 ;口筒部
3 ;肩部
4 ;胴部
5 ;底部
6 ;ウエスト部
6a;凹部
10;段部
11;平坦壁
11L;平坦壁(長辺側)
11S;平坦壁(短辺側)
12;角壁
13;減圧吸収パネル
13b;底壁
14;横リブ
16;縦溝リブ
19;減圧吸収パネル
W1、W2;幅
D;陥没深さ
H;手
G;グリップ部
Claims (2)
- 平断面形状が長方形状の胴部(4)を有し、該胴部(4)の中央高さ位置に周溝状のウエスト部(6)を有する角型壜体であって、前記長方形状の長辺側を形成する一対の平坦壁(11L)において、段部(10)により周囲を囲って、ウエスト部(6)の下方に一対の減圧吸収パネル(13)を陥没形成し、
該減圧吸収パネル(13)において該減圧吸収パネル(13)の底壁(13b)を指先による引掛けが可能に平断面で見て凹状にして、該減圧吸収パネル(13)の左右中央位置に膨出変形を抑制するための、また第3指、第4指および第5指のうち少なくとも何れか1指による引掛けが可能に、平断面形状がコの字状の角溝形状とした1本の縦溝リブ(16)を縦断形成し、
前記ウエスト部(6)の、前記減圧吸収パネルの上方位置に、該ウエスト部(6)の横溝状の形状を深く、幅広にして一対の指掛け用の凹部(6a)を形成し、
前記減圧吸収パネル(13)の底壁(13b)の陥没深さの平均値を、長方形状の胴部(4)の短辺側の幅(W2)の4〜15%の範囲とし、
前記一対の減圧吸収パネル(13)と一対の凹部(6a)により壜体を掴持するための掴持部分を構成した合成樹脂製角型壜体。 - 底壁(13b)において、縦溝リブ(16)の左右位置に複数の横リブを並列状に形成した請求項1記載の合成樹脂製角型壜体。
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