JP5468308B2 - 合成樹脂発泡体製容器 - Google Patents
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Description
合成樹脂発泡体からなる製品は、原料となる発泡性樹脂粒子を何倍の大きさに膨らませるか、いわゆる製品発泡倍率の大きさによってその性質が変わるため、製品発泡倍率によって容器の用途を変えて使用されている。
ここで製品発泡倍率は原料となる発泡性樹脂粒子を発泡させて発泡粒とし、これを成型して製品にした場合における発泡倍率をいう。
この場合は、蓋体の4つの角部近傍には、前記蓋体のおもて面側から裏面側へと貫かれた蓋体貫通孔が形成されており、前記蓋体のおもて面側は、蓋体中央部から前記蓋体貫通孔に向かって緩やかに傾斜するよう蓋体中央部が肉厚に形成されているものとすることができる。
またこの場合は、蓋体の前記おもて面の前記角部近傍には、前記蓋体貫通孔に向かって緩やかに傾斜した漏斗状の排水誘導部が設けられているものとすることができる。
さらにこの場合は、容器本体の角部には、前記蓋体で前記容器本体の前記開口部を閉塞した状態において、前記容器本体の前記底部貫通孔及び前記蓋体の前記蓋体貫通孔と連通し且つ、縦向きに貫かれた容器本体貫通孔が形成され、前記蓋体貫通孔、前記容器本体貫通孔、及び前記底部貫通孔によって、縦方向の水の排水路が形成されたものとすることができる。
前記容器本体の前記嵌合凸部における角部の内周部には、緩やかに凸状に湾曲した凸湾曲部が形成されているとともに、前記蓋体の前記嵌合凹部における角部の内方側壁部は、前記凸湾曲部を受け入れる凹湾曲部が形成されているものとすることができる。
これによれば、手掛部が設けられ脆弱になりがちな容器本体の側壁の厚みが、肉厚スカート部によって肉厚になり補強されるだけでなく、側壁内面の下端部、すなわち、側壁内面と底部内面との境目部分が肉厚スカート部のうち、もっとも幅広になる台形の底辺にあたるので、容器本体の強度の向上を図ることができる。
よって、容器本体と蓋体とが製品発泡倍率60倍〜70倍の合成樹脂発泡体からなるものとしても、底部が抜けることなく容器としての使用に耐えられる強度を備えたものとすることができる。もちろん上述の製品発泡倍率からなるので、容器の軽量化を図ることができる。
また、側壁から突出して形成された肉厚スカート部の突出角部がR加工されているので、容器本体内に収容された収容物が肉厚スカート部の突出角部にあたって、収容物を痛めてしまうことがなく、さらに側壁内面と底部内面との境目に水が溜まってしまうことも防止することができる。
なお、ここでいう水とは、保冷材として収容物といっしょに納められる氷が溶けて水になったものだけでなく、イカなどが吐いた墨などの液体を含むものとして説明する。以下の説明においても同様である。
製品発泡倍率が60倍より小さい場合は、従来のものと比べて軽量化を図ったといえるものにならない。また製品発泡倍率が70倍より大きい場合は、魚介類などを保管・輸送するための容器としての強度を備えたものにならず、壊れやすいものとなってしまう。また容器としての気密性が低下しすぎてしまう。
これによれば、肉厚スカート部の裾部をなだらかな凹湾曲面とすることで、段差が生じることなく、肉厚にすることができ、ねじれ強度を向上させることができる。よって、一対の手掛部を両側から使用者が持ったときに容器本体がねじれてしまうことを防止することができる。また上述のように肉厚スカート部の裾部をなだらかな凹湾曲面とすることで、水の流れ性がよくなり、肉厚スカート部の裾部に溜まってしまうことがない。さらに収容物を収容するに際して肉厚スカート部の裾部が邪魔になることもない。
肉厚スカート部の裾部の凹湾曲面の曲率半径を25mmより小さくすると、肉厚スカート部の裾部をなだらかな凹湾曲面とすることができず、湾曲しすぎて水の溜まり場になってしまうおそれがある。また曲率半径が小さくなればなるほど、凹状にえぐれた状態となり肉厚部分を確保できなくなり、補強効果が期待できなくなる。肉厚スカート部の裾部の凹湾曲面の曲率半径を35mmより大きくすると、凹湾曲面がなだらかになりすぎて有効な収容スペースがせばめられてしまう。
これによれば、底部内面の中央部から底部貫通孔に向かって緩やかに傾斜するように形成されているので、中央部が他の部分より肉厚となり、上述のように製品発泡倍率を高くすることによる強度の低下を補うことができる。また底部貫通孔へ底部内面に溜まろうとする水を傾斜面を利用してスムーズに排水させることができる。さらに上述のように中央部を肉厚しながらも底部全体が肉厚に形成されているわけではないので、容器本体全体としての軽量化を阻害する構成とはなっていない。
そして容器本体の内面角部が、断面視において曲率半径20mm〜35mmの凹状にR加工されていることによっても、容器本体の角部分が肉厚になっているので、上述と同様に製品発泡倍率を高くすることによる強度の低下を補うことができ、随所に施された肉厚部分との相乗効果で容器本体の強度向上を図ることができる。
容器本体の内面角部のR加工具合を断面視において曲率半径を20mmより小さくすると、なだらかな凹状とすることができず、湾曲しすぎて水の溜まり場になってしまうおそれがある。また曲率半径が小さくなればなるほど、凹状にえぐれた状態となり肉厚部分を確保できなくなり、補強効果が期待できなくなる。容器本体の内面角部のR加工具合を断面視において曲率半径を35mmより大きくすると、凹湾曲面がなだらかになりすぎて有効な収容スペースがせばめられてしまう。
これによれば、蓋体の蓋体中央部が肉厚に形成されているので、蓋体においても、この肉厚に形成された蓋体中央部によって、上述のように製品発泡倍率を高くすることによる強度の低下を補うことができる。また蓋体も蓋体中央部から蓋体貫通孔に向かって緩やかに傾斜する傾斜面を備えているので、蓋体のおもて面に水が溜まることがなく排水性のよいものとすることができる。
これによれば、蓋体のおもて面の傾斜面をつたって蓋体貫通孔へと流れてきた水を排水誘導部によってスムーズに蓋体貫通孔へと導くことができ、より一層排水性が向上する。
これによれば、蓋体のおもて面に溜まろうとする水は蓋体貫通孔を通じ容器本体貫通孔へと排水され、該容器本体貫通孔を通じた水は底部貫通孔を経て容器本体外に排水することができる。よって蓋体のおもて面及び容器本体内に水が溜まることがなく、排水性に優れた容器を構成することができる。また同じ容器を多段に複数重ねた場合でも、縦方向の水の排水路が形成され、排水性のよいものとすることができる。
これによれば、嵌合凸部と嵌合凹部とによって蓋体と容器本体とを嵌合にする際に、その角部に形成された凸湾曲部が凹湾曲部に受け入れられ、その後、容器本体の凸湾曲部が蓋体の嵌合凹部の内方側壁部に押し当てられながら嵌め合わされるので、より強固に蓋体と容器本体とが嵌合されるので、蓋体が容易に外れてしまうことを防止できる。
これによれば、一対の手掛部を使用者が持って容器本体の両側から持ち上げる際に、手掛部の上辺部に設けられた指掛部に指の先を引掛けることができるので、非常に持ちやすいものとすることができる。
図1及び図2に示すように本発明に係る容器1は、上面に開口部29が設けられた容器本体2と、容器本体2の開口部29を塞ぐ蓋体3とで構成される直方体の箱型からなり、容器本体2及び蓋体3の双方が製品発泡倍率60倍〜70倍の合成樹脂発泡体からなるものである。
合成樹脂発泡体としては、ポリスチレン発泡体(いわゆる発泡スチロール材)、ポリウレタン発泡体、ポリプロピレン発泡体などが挙げられる。
上述したように合成樹脂発泡体からなる容器は、その製品発泡倍率によって用途が異なり、従来は製品発泡倍率が60倍〜70倍の高い製品発泡倍率とした場合は、クッション性を活かしておもに家電製品の梱包材として使用されていたが、容器1は、魚介類などを収容し、保管或いは輸送する際に使用可能な強度を備えたものとするため、以下のような構造としている。
容器本体2は平面視略長方形状の直方体からなり、底部22と、対向して配置される一対の長手側壁21と、対向して配置される一対の短手側壁20と、上述の開口部29とを備えている。
短手側壁20の外面には、その下半部を一部切り欠いて手掛部4が形成されている。そして手掛部4が設けられている部位の反対面となる短手側壁20の内面側には、短手側壁20内面の上端部20a近傍から短手側壁20内面の下端部20bに向かって次第にテーパー状に広がる台形の肉厚スカート部6が突出して形成されている。また短手側壁20内面から突出して形成された肉厚スカート部6の突出角部は、図3の平面図或いは図4(a)及び(b)などからもわかるようにすべてR加工され、肉厚スカート部6の裾部60には、図1の拡大図及び図4(a)に示すように曲率半径25mm〜35mmの凹湾曲面が形成されている。
ここで肉厚スカート部6の寸法は特に限定されるものではないが、例えば容器本体2の大きさが585mm×355mm×138mmのものであれば、短手側壁20の内面から容器本体2内方に8mm〜13mm程度突出させたものとすれば、肉厚スカート部6が容器本体2の収容量に影響を与えないものとすることができる。また、肉厚スカート部6の上端部の位置が手掛部4の上辺部40の位置からは少なくとも18mm〜54mm離れた位置で且つ肉厚スカート部6の両側端部が手掛部4の両側辺部41の位置からは少なくともそれぞれ8mm〜12mm離れた位置となるよう形成されたものとすれば、短手側壁20の強度を補うことができ、ねじれ強度を向上させることができる。よって、一対の手掛部4を両側から使用者が持ったときに容器本体2がねじれてしまうことを防止することができる。なお、肉厚スカート部6の具体的な寸法は、上述の例に限定されず、容器本体2の大きさや手掛部4の構成によって適宜決められる。
肉厚スカート部6の形状は、上述のように短手側壁20内面の上端部近傍から短手側壁20内面の下端部に向かって次第にテーパー状に広がる台形となっている。よって、短手側壁20内面と底部内面22aとの境目部分(下端部20b)が肉厚スカート部6のもっとも幅広に形成された台形の底辺にあたり、肉厚部分が多く形成されることによる。また肉厚スカート部6の裾部60が、曲率半径25mm〜35mmの凹湾曲面に形成されているので、図4(b)に示すように肉厚部分を形成しながらも突出して形成された肉厚スカート部6の裾部60の凹湾曲面から底部内面22a側へと段差が形成されることなく、連なった面を形成することができる。よって、収容物を収容した状態の容器本体2を持ち上げる際などに荷重がかかる短手側壁20内面と底部内面22aとの境目部分の補強がなされた構造となっているので、容器本体2に収容される収容物の重みで底部22が抜けることがなく容器本体2全体の強度の向上を図ることができる。
肉厚スカート部6の裾部60の凹湾曲面の曲率半径を25mmより小さくすると、肉厚スカート部6の裾部60をなだらかな凹湾曲面とすることができず、湾曲しすぎて裾部60が水の溜まり場になってしまうおそれがある。また曲率半径が小さくなればなるほど、凹状にえぐれた状態となり肉厚部分を確保できなくなり、補強効果が期待できなくなる。肉厚スカート部6の裾部60の凹湾曲面の曲率半径を35mmより大きくすると、凹湾曲面がなだらかになりすぎて有効な収容スペースがせばめられてしまう。
容器本体2の内面角部28のR加工具合を断面視において曲率半径を20mmより小さくすると、なだらかな凹状とすることができず、湾曲しすぎて水の溜まり場になってしまうおそれがある。また曲率半径が小さくなればなるほど、凹状にえぐれた状態となり肉厚部分を確保できなくなり、補強効果が期待できなくなる。容器本体2の内面角部28のR加工具合を断面視において曲率半径を35mmより大きくすると、凹湾曲面がなだらかになりすぎて有効な収容スペースがせばめられてしまう。
これによれば、指掛部がなく手掛部4の切欠部分が平坦に形成されたものと比べて、非常に持ちやすいものとすることができる。
また短手側壁20及び長手側壁21の外面の角部近傍には、容器本体2の開口部29を閉塞した蓋体3を開ける際に、指を掛けやすいように切欠部27が形成されている。図例のものは、短手側壁20及び長手側壁21のそれぞれに2ヶ所ずつ形成されたものを示している。
これによれば、上述のように容器本体2と蓋体3とが強固に嵌合とされた場合でも、柔らかな容器1の外面を傷つけることなく、蓋体3を容器本体2から楽に取り外すことができる。
なお、切欠部27は、蓋体3を開ける際に指先が掛けやすい場所であればどこでもよく例えば容器本体2の角部に形成してもよい。要は、手掛部4の形成箇所の邪魔にならず、容器本体2の強度に影響を与えない場所であればよい。
この嵌合凸部25に対応して、蓋体3の裏面32の周縁部には、図2などに示すように溝状の嵌合凹部33が環状に形成されている。上述の嵌合凸部25が嵌合凹部33に嵌め入れられることにより、容器本体2の開口部29が蓋体3によって塞がれる。
また蓋体3の嵌合凹部33における角部の内方側壁部34は、嵌合凸部25における角部の内周部26と嵌合するよう平面視して傾斜した傾斜面とされており、蓋体3を閉塞状態とした場合の容器本体2側には、凸湾曲部26aを受け入れる凹湾曲部34aが形成されている(図9の拡大図参照)。
容器貫通孔24を通じた水は、底部貫通孔23を経て容器本体2外へ排水される。また底部内面22aの傾斜面を伝って底部貫通孔23に向かって流れてきた水も底部貫通孔23を経て容器本体2外へ排水される。
蓋体3は容器本体2の開口部29を塞ぐため、容器本体2と同じく平面視略長方形状に形成され、蓋体3の4つの角部近傍には、蓋体3のおもて面31側から裏面32側へと貫かれた蓋体貫通孔35が形成されている。図中30は蓋体本体を示している。
蓋体3のおもて面31側の周縁部には、蓋体本体30より4mm〜6mm突出した段差状の周壁部36が形成されており、おもて面31の中央部から蓋体貫通孔35に向かって緩やかに傾斜するよう蓋体中央部が肉厚に形成され、蓋体3の裏面32側は平坦に形成されている。図7(b)には、蓋体3のおもて面31の中央部の位置とおもて面31の基準面となる位置の差を一点鎖線で示しており、例えば蓋体3の大きさが585mm×355mm×35mmのものであれば、この差を0.8mm〜1.1mmとすれば、図例のような緩やかな傾斜面を形成することができる。
また蓋体3のおもて面31の角部近傍、詳しくは周壁部36の内方側には、蓋体貫通孔35に向かって緩やかに傾斜した漏斗状の排水誘導部7が設けられている。排水誘導部7は図7の拡大図や図8に示すように、蓋体3のおもて面31をつたう水がスムーズに蓋体貫通孔35に流れ込むように、段差面を形成することなく、おもて面31の傾斜面より若干傾斜角度が大きく形成されている。
容器本体2内に氷を保冷材として魚介類を収容した場合について説明する。
蓋体3を容器本体2から取り外し、開蓋状態として魚介類と氷を容器本体2内に収容する。容器本体2の嵌合凸部25に蓋体3の嵌合凹部33が嵌め合わされるように蓋体3を容器本体2に取付け、閉蓋状態とする。同じ要領で2個の容器1に収容物を入れた状態として上下2段に容器1を積み重ねる。時間が経つとともに氷が水となり、容器本体2内に水が溜まってくると、その水は底部内面22aの傾斜面をつたって底部貫通孔23に排水される。上段に置かれた容器本体2の底部貫通孔23から排水された水は、下段に置かれた蓋体3のおもて面31に排水される。下段に置かれた容器1の蓋体3のおもて面31に溜まろうとする上段の容器本体2から排水された水は、蓋体貫通孔35を通じ容器本体貫通孔24へと排水され、該容器本体貫通孔24を通じた水は底部貫通孔23を経て容器本体2外に排水される。このとき、上段の容器本体2から排水された水は下段の容器本体2内に排水されることなく、容器本体貫通孔24を通じることになるので、上段の容器1の排水で下段の容器本体2内に収容された魚介類が痛んでしまうことがない。
そして下段の容器本体2内に溜まった水は、底部内面22aの傾斜面をつたって底部貫通孔23に排水される。
なお、図10では容器1が2個積み重ねられた例について説明しているがこれに限定されるものではなく、3個以上積み重ねることができる。
この測定において使用した容器の大きさは以下のとおりである。
容器本体の大きさ:585mm×355mm×113mm
蓋体の大きさ:585mm×355mm×35mm
製品発泡倍率は以下のとおりである。
実施例1:製品発泡倍率60倍
実施例2:製品発泡倍率64倍
比較例1:製品発泡倍率55倍(現行品)
肉厚スカート部(6)及びその周辺の細かな寸法は表1に示すとおりである。
これらについて、容器(容器本体と蓋体)の重量、挫屈強度、引張強度、底抜強度を同じ条件で測定したところ以下の結果が得られた。
(重量)
実施例1の重量118gで比較例1の132gと比べて14g軽量化された。
実施例2の重量111gで比較例1の132gと比べて21g軽量化された。
(挫屈強度)
実施例1の挫屈強度4560Nで比較例1の4450Nと比べて+110Nの差がでた。これは挫屈強度が比較例1より増したことを示している。
実施例2の挫屈強度4420Nで比較例1の4450Nと比べて−30Nの差がでた。これは挫屈強度が比較例1より若干弱まったことを示しているが使用に耐えられる強度は十分に備えている数値といえる。
(引張強度)
実施例1の引張強度340Nで比較例1の220Nと比べて+120Nの差がでた。これは引張強度が比較例1より飛躍的に増したことを示している。
実施例2の引張強度334Nで比較例1の220Nと比べて+114Nの差がでた。これは引張強度が比較例1より飛躍的に増したことを示している。
(底抜強度)
実施例1の底抜強度426Nで比較例1の430Nと比べて−4Nの差がでた。これは底抜強度が比較例1より若干弱まったことを示しているが使用に耐えられる強度は十分に備えている数値といえる。
実施例2の底抜強度420Nで比較例1の430Nと比べて−10Nの差がでた。これは底抜強度が比較例1より若干弱まったことを示しているが、単に比較例1の製品発泡倍率を60倍に変更したものよりは高く、使用に耐えられる強度は十分に備えている数値といえる。
(測定結果まとめ)
以上の測定結果より、挫屈強度及び引張強度は現行品である比較例1よりも優れた数値を示した。また高製品発泡倍率からなることにより、一番の弱点となることが懸念されていた底抜強度は肉厚スカート部(6)の構造効果が奏して比較例1と変わらない強度を維持することに成功した。
軽量化に関しては14g、21gの軽量化が図れた。この数値は多段に重ねての使用を考慮すれば、大きな軽量化といえる。
これら測定結果からも、高い製品発泡倍率からなり、軽量化を図ったものでありながら、使用に耐え得る強度を備えた合成樹脂発泡体製容器であるといえる。
2 容器本体
20 (短手)側壁
21 (長手)側壁
22 底部
23 底部貫通孔
24 容器本体貫通孔
25 嵌合凸部
28 内面角部
29 開口部
3 蓋体
30 おもて面
31 裏面
33 嵌合凹部
34 内方側壁部
35 蓋体貫通孔
4 手掛部
42 指掛部
5 入隅部
6 肉厚スカート部
60 裾部
7 排水誘導部
Claims (7)
- 上面に開口部が設けられた容器本体と前記開口部を塞ぐ蓋体とで構成された直方体の合成樹脂発泡体製容器であって、
前記容器本体と前記蓋体とが製品発泡倍率60倍〜70倍の前記合成樹脂発泡体からなり、
前記容器本体の対向する一対の側壁の外面側には、一対の手掛部が設けられ、該手掛部が設けられている部位の反対面となる前記側壁の内面側には、該側壁内面の上端部近傍から前記側壁内面の下端部に向かって次第にテーパー状に広がる台形の肉厚スカート部が突出して形成され、該肉厚スカート部の突出角部がR加工されており、前記肉厚スカート部の幅方向両下端部の裾部には、曲率半径25mm〜35mmの凹湾曲面が形成されていることを特徴とする合成樹脂発泡体製容器。 - 請求項1に記載の合成樹脂発泡体製容器において、
前記容器本体の底部内面側における4つの入隅部には、該底部内面側から底部外面側へと貫かれた底部貫通孔が形成され、前記底部内面は、中央部から前記底部貫通孔に向かって緩やかに傾斜するよう中央部が肉厚に形成されるとともに、
前記側壁の内面から前記底部内面へ連なる容器本体の内面角部が、断面視において曲率半径20mm〜35mmの凹状にR加工されていることを特徴とする合成樹脂発泡体製容器。 - 請求項2に記載の合成樹脂発泡体製容器において、
前記蓋体の4つの角部近傍には、前記蓋体のおもて面側から裏面側へと貫かれた蓋体貫通孔が形成されており、前記蓋体のおもて面側は、蓋体中央部から前記蓋体貫通孔に向かって緩やかに傾斜するよう蓋体中央部が肉厚に形成されていることを特徴とする合成樹脂発泡体製容器。 - 請求項3に記載の合成樹脂発泡体製容器において、
前記蓋体の前記おもて面の前記角部近傍には、前記蓋体貫通孔に向かって緩やかに傾斜した漏斗状の排水誘導部が設けられていることを特徴とする合成樹脂発泡体製容器。 - 請求項3又は請求項4に記載の合成樹脂発泡体製容器において、
前記容器本体の角部には、前記蓋体で前記容器本体の前記開口部を閉塞した状態において、
前記容器本体の前記底部貫通孔及び前記蓋体の前記蓋体貫通孔と連通し且つ、縦向きに貫かれた容器本体貫通孔が形成され、
前記蓋体貫通孔、前記容器本体貫通孔、及び前記底部貫通孔によって、縦方向の水の排水路が形成されていることを特徴とする合成樹脂発泡体製容器。 - 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の合成樹脂発泡体製容器において、
前記容器本体の側壁の上縁部には、前記蓋体の裏面の周縁部に形成された嵌合凹部に嵌め合わされる嵌合凸部が形成されており、
前記容器本体の前記嵌合凸部における角部の内周部には、緩やかに凸状に湾曲した凸湾曲部が形成されているとともに、前記蓋体の前記嵌合凹部における角部の内方側壁部は、前記凸湾曲部を受け入れる凹湾曲部が形成されていることを特徴とする合成樹脂発泡体製容器。 - 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の合成樹脂発泡体製容器において、
前記手掛部が、前記側壁の外面側の下半部を一部切り欠いて形成されており、
前記手掛部の上辺部には、指掛部が設けられていることを特徴とする合成樹脂発泡体製容器。
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