JP6499504B2 - 製氷皿 - Google Patents

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Description

本発明は、凍結用の凹部が不規則に配置されていたり凹部自体の形状が曲面を有する変則的なものであったりしても、簡単な動作で、どの凹部からも一度に凍結物を取り出すことのできる、優れた製氷皿に関するものである。
冷蔵庫(冷凍庫を含む、以下同じ)内で水や飲料等を凍らせて氷として取り出すための製氷皿として、以前より、例えば図6に示すような製氷皿が知られている。この製氷皿は、全体が樹脂成形品からなり、平面視長方形状の凹状枠1内を、仕切り壁2で前後左右に仕切ることにより、略立方体状の氷を、一度に多数(この例では12個)作ることができるようになっている。
この製氷皿から一度に氷を取り出す場合は、製氷皿を下向きにしてその長手方向の両端部を手に持ち、専用のトレイ等の容器の上で、その両端部を、互いに反対方向に捩じるようにして交差状に力をかければ、大抵の場合、全ての氷を一度に容器内に落下させることができる。ただし、製氷皿に用いられている樹脂材料の種類や、凍結用の凹部の形状等によっては、氷が外れにくい場合があり、その場合は、繰り返し製氷皿を捩ったり反らせたりしなければならないという問題がある。
そこで、簡単な動作で確実に氷を取り出すことができるよう工夫した製氷皿が、いくつか提案されている(下記の特許文献1〜3等を参照)。
実公昭62−1663号公報 特開2003−185311号公報 特開2003−322441号公報
例えば、上記特許文献1には、図7(a)に示す製氷皿3と、図7(b)に示す貯氷箱4とを組み合わせた離氷装置が記載されている。上記製氷皿3には、その長手方向両側周縁に、上方に突出した案内部5が設けられているとともに、凍結用の各凹部6に、切欠部6aが設けられている。また、上記貯氷箱4には、その上面開口の長手方向両縁に沿って、上方に突出したガイド7が設けられている。そして、製氷皿3から氷を取り出す際、この製氷皿3を上下反転させて、その案内部5で、貯氷箱4のガイド7を外側から挟んだ状態でスライドさせると、製氷皿3の幅が、ガイド7に沿って側方に広がり、凹部6内から氷を確実に取り出すことができるようになっている。しかし、この装置では、製氷皿3の構成が複雑で製造コストが高くなるとともに、製氷皿3を反転させた状態で正確に貯氷箱4の上に位置決めして一直線にスライドさせる必要があり、その操作が簡単とはいえない、という問題がある。
一方、上記特許文献2には、図8に示すように、製氷皿8の底面8aを軟質なシリコーン材で構成することにより、各凹部6内の氷を必要な数だけ確実に取り出すことができるようにしたものが記載されている。また、上記特許文献3には、図9に示すように、製氷皿9全体を軟質なシリコーン材で構成して、上記と同様の効果を奏するものが記載されている。これらの製氷皿8、9は、凍結用の凹部6自体が変形しやすいことから、全体を捩るだけで、全ての氷を一度に取り出すことも可能である。しかし、一般にシリコーン材は価格が高く、これを用いた製氷皿8、9は製造コストが高くなる。また、各凹部6が規則的かつ緻密に並ぶ構造の場合は、製氷皿8、9の両端部を捩るだけで、各凹部6の変形が一気に全体に伝達されて、全ての氷を取り出すことができるが、各凹部6の配置が不規則だったり、凹部の形状が曲線を有するような、変則的な形だったりすると、シリコーン材が柔軟であっても、場所によっては氷が残り、一度では取り出しにくいことがわかっている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、凍結用の凹部の配置や形が不規則であっても、全ての凍結物を凹部内から一度に取り出すことのできる、優れた製氷皿の提供を、その目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、樹脂材料の一体成形品からなり、全体の平面視形状が左右方向に長く、その上面に対象物凍結用の凹部が多数形成された浅皿状の製氷皿であって、上記各凹部が、互いの間隔の少なくとも一部が不規則になるよう配置されているとともに、製氷皿上面の、上記凹部が配置されていない部分を利用して、前後方向にのみ延びる上向き凸条のリブが複数列形成されており、製氷皿の左右両端部を把持し製氷皿上面を押し出すように反らして凹部内の凍結物を取り出すことができるようになっている製氷皿を第1の要旨とする。
また、本発明は、そのなかでも、特に、上記上向き凸条のリブの少なくとも一部は、互いに独立した複数本のリブが同一線上に揃った配置になっている製氷皿を第2の要旨とする。そして、上記凹部が形成された上面の周縁端から所定幅の立ち上がり壁が形成され、さらにその周縁端から水平方向に延びるフランジ部が設けられている製氷皿を第の要旨とし、それらのなかでも、特に、上記製氷皿が、Aタイプデュロメータによる硬度(JIS K 7215に準拠)が70〜100である樹脂成形品からなる製氷皿を第の要旨とする。
さらに、本発明は、それらのなかでも、特に、上記各凹部の周壁部が、凹部の底面にいくほどその平面視開口が小さくなるようテーパ状に形成されている製氷皿を第の要旨とし、上記各凹部の、底部から立ち上がる周壁の立ち上がり角部に、アールが付けられている製氷皿を第の要旨とする。
そして、本発明は、それらのなかでも、特に、上記製氷皿上面に形成されるリブの、リブが延びる方向を横切る横断面形状の幅が0.2〜5mm、同じくその高さが0.2〜10mmに設定されている製氷皿を第の要旨とし、全体の平面視形状において、その長手方向の少なくとも片方の端部における前後方向の幅が、全体のなかで前後方向の幅が最も広い部分における幅の1/2〜1/10の寸法に設定されている製氷皿を第の要旨とする。
すなわち、本発明の製氷皿は、樹脂材料の一体成形品からなり、しかも、その上面に、対象物凍結用の各凹部が、互いの間隔の少なくとも一部が不規則になるよう配置され、さらに、その製氷皿上面の、上記凹部が配置されていない部分を利用して、前後方向にのみ延びる上向き凸条のリブが複数列形成されている。したがって、この製氷皿の上面を押し出すように反らせると、互いの間隔が比較的狭い凹部同士では、上面の反りに応じて各凹部に適度な撓み変形が生じてスムーズに凍結物が取り出される。また、隣り合う間隔が広すぎる凹部同士では、その間に設けられたリブが支点となって、リブの左右両側が大きく撓むため、これに引きずられて各凹部同士が充分に撓み、やはりスムーズに凍結物が取り出される。
このように、上記の構成によれば、凹部が不規則に配置されていたり、凹部自体の形状が曲面を含むような変則的なものであったりしても、全ての凍結物を、各凹部内から一括して、簡単に取り出すことができる。これが、本発明の最大の特徴である。そして、本発明の製氷皿は、樹脂材料の一体成形品からなり、高価なシリコーンゴム等を用いる必要がないことから、これを低コストで提供することができるという利点を有する。
そして、本発明のなかでも、特に、上記凹部が形成された上面の周縁端から所定幅の立ち上がり壁が形成され、さらにその周縁端から水平方向に延びるフランジ部が設けられている製氷皿は、上記立ち上がり壁で囲われた部分に、凹部内に入りきらない余剰の凍結対象物を溜めることができ、これを周囲にこぼさないため、衛生的であるという利点を有する。しかも、上記立ち上がり壁からさらに、水平方向にフランジ部が延びているため、製氷皿の長手方向両端部を把持して反らせる動作がしやすいという利点を有する。
なお、製氷皿に、このような立ち上がり壁を設けること自体は、従来知られている。しかし、一般的な製氷皿の場合、各凹部から溢れた凍結対象物が層状に凍結すると、その凍結層によって製氷皿全体が一層硬くなって凍結物を取り出しにくいという問題がある。これに対し、本発明では、製氷皿の上面に、前後方向に延びるリブが設けられており、リブによって凍結層が仕切られる形になっているため、製氷皿を反らせる動作によって凍結層は容易に崩れて、凹部からの凍結物取り出しを妨げることがない。
また、本発明のなかでも、特に、上記製氷皿が、Aタイプデュロメータによる硬度(JIS K 7215に準拠)が70〜100である樹脂成形品からなる製氷皿は、シリコーン系といった柔軟な材料とは異なる、比較的剛性の高い樹脂成形品からなるものであっても、凍結物が取り出しやすく、しかも材料コストを低く抑えることができる。
さらに、本発明のなかでも、特に、上記各凹部の周壁部が、凹部の底面にいくほどその平面視開口が小さくなるようテーパ状に形成されている製氷皿、あるいは、上記各凹部の、底部から立ち上がる周壁の立ち上がり角部に、アールが付けられている製氷皿は、製氷皿を反らした状態において、とりわけ各凹部から凍結物を取り出しやすくなっており、好適である。
そして、本発明のなかでも、特に、上記製氷皿上面に形成されるリブの、リブが延びる方向を横切る横断面形状の幅が0.2〜5mm、同じくその高さが0.2〜10mmに設定されている製氷皿は、リブの両側にある凹部同士の撓み変形を促す作用が、より効果的に発揮されるため、好適である。
また、本発明のなかでも、特に、全体の平面視形状において、その長手方向の少なくとも片方の端部における前後方向の幅が、全体のなかで前後方向の幅が最も広い部分における幅の1/2〜1/10の寸法に設定されている製氷皿は、従来の製氷皿のように、凍結物取り出し時に、その長手方向両端部を把持して互いに反対方向に捩る動作がしにくい形状であることから、その長手方向両端部を把持して上面を押し出すように反らして凍結物を取り出す、という本発明の使用形態に最適な形状である。
(a)は本発明の一実施の形態を示す平面図、(b)はその左側面図、(c)は(a)のA−A′断面図である。 上記実施の形態において、凍結物を取り出す態様の説明図である。 上記実施の形態におけるリブの横断面を拡大して示す説明図である。 本発明の他の実施の形態を示す平面図である。 (a)は本発明の変形例の説明図、(b)は本発明のさらに他の変形例の説明図である。 従来の製氷皿の一例を示す斜視図である。 (a)は先行技術の一例である離氷装置に用いられる製氷皿の斜視図、(b)は上記離氷装置に用いられる貯氷箱の斜視図である。 先行技術の他の例である製氷皿の部分断面を示す説明図である。 先行技術のさらに他の例である製氷皿の部分断面を示す説明図である。
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。ただし、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
図1(a)は、本発明の製氷皿の一実施の形態を上から見た平面図であり、図1(b)は、その左側面図である。また、図1(c)は、図1(a)のA−A′断面図である。この製氷皿は、樹脂材料(この例ではポリプロピレン)を射出成形して得られた一体成形品からなり、その平面視形状が、左右方向に長いボート形状をしている。そして、そのボート形状の輪郭をなす外周部分は、一段高いフランジ部20によって構成され、その内側の、一段低い面(この面を「上面」という、以下同じ)10に、水等を凍結するための凹部11が多数、並んで形成されている。なお、凹部11には、その開口の平面視形状が円形のもの11aとハート形のもの11bの2種類あり、その配置がランダムなため、互いの間隔が、狭かったり広かったりして、不規則になっている。
また、この製氷皿の上面10には、上記凹部11が配置されていない部分を利用して、前後方向に延びる上向き凸条のリブ12が、それぞれ3本ずつ、前後方向に同一直線上に揃うような配置で、全部で15本設けられている。なお、全てのリブ12の長さ、幅、高さは、同じ寸法に統一されている。
そして、上記凹部11が形成されている上面10の周囲には、その周縁端から所定幅で立ち上がる立ち上がり壁13が全周にわたって形成されており、さらにその上端縁から水平方向に延びるフランジ部20が設けられている。このフランジ部20の張り出した部分の輪郭によって、先に述べたように、全体の平面視形状がボート状になっている。そして、上記フランジ部20の周端縁からさらに垂直下向きに、折り返し壁21が延設されており、その下端面21aが、製氷皿の上面10と同じ高さになるよう設定されている。
この製氷皿は、例えばつぎのようにして用いることができる。すなわち、まず、水等の凍結対象物(通常、液状もしくはペースト状)を、製氷皿の各凹部11内に注ぎ入れて充填し、その状態で、冷蔵庫の冷凍室もしくは製氷室に入れて冷凍する。そして、冷凍した凍結物を用いる場合は、製氷皿を取り出し、貯氷箱等の容器の上で、上下反対にしてその長手方向両端部を把持する。
そして、図2に示すように、その下向きになった上面10を、下方に押し出すように反らして、全体を、正面からみて略円弧状に湾曲させる。これにより、湾曲した上面10に連なる各凹部11の開口が、左右方向に引っ張られて変形する。このとき、凹部11同士の左右方向の間隔が適度にあいているものでは、湾曲した上面10の引っ張り力によって適度な撓み変形が生じる。一方、凹部11同士の、左右方向の間隔が広すぎる部分では、この部分を左右に仕切るように、前後方向にのみ延びるリブ12が設けられているため、リブ12の横断面を拡大して示す図3において一点鎖線で示すように、上記リブ12が支点となって、リブ12の左右両側が大きく撓む(撓みの程度は誇張して示している)。この大きな撓み変形に引きずられて、左右両側の、間隔のあいた凹部11同士においても、充分に、その開口の変形が引き起こされる。このようにして、凹部11の不規則な配置や、互いの形状の違い等にかかわらず、どの凹部11内からも、凍結物を一括して、スムーズに取り出すことができる。
そして、上記製氷皿は、ポリプロピレンを射出成形した一体成形品からなり、高価なシリコーンゴム等を用いたものに比べて、これを低コストで提供することができるという利点を有する。
しかも、この製氷皿は、その上面10の周縁端から所定幅の立ち上がり壁13が形成されているため、この立ち上がり壁13で囲われた部分に、凹部11内に入りきらない余剰の凍結対象物を溜めることができる。したがって、凍結対象物を凹部11内に注ぎ入れる際に、これを周囲にこぼすことがなく、衛生的であるという利点を有する。そして、一般的な製氷皿の場合、各凹部11から溢れた凍結対象物が層状に凍結すると、その凍結層によって製氷皿全体が一層硬くなって凍結物を取り出しにくいという問題が生じるが、本発明の、上記製氷皿によれば、製氷皿の上面に、前後方向にのみ延びるリブ12が設けられており、リブ12によって凍結層が仕切られる形になるため、製氷皿を反らせる動作によって凍結層は容易に崩れて、凹部11からの凍結物取り出し動作を妨げることがない。
また、上記製氷皿は、その周縁部において、上記立ち上がり壁13からさらに、水平方向にフランジ部20が延びているため、製氷皿の長手方向両端部を把持して反らせる動作がしやすいという利点を有する。
なお、上記の例において、製氷皿は、ポリプロピレン(PP)製の射出成形品が用いられているが、その材料は、樹脂材料であれば、特に限定するものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂があげられる。なかでも、Aタイプデュロメータによる硬度(JIS K 7215に準拠)が70〜100の樹脂成形品であることが、本発明の効果を得る上で、とりわけ好適である。
そして、上記製氷皿の成形方法は、射出成形に限らず、目的とする形状が得られる成形方法であれば、真空成形、圧空成形、ブロー成形等、どのような成形方法を用いてもよい。
また、成形される製氷皿の上面10、フランジ部20、各凹部11の底壁、側壁等、リブ12以外の部分の厚みは、樹脂材料の可撓性や全体形状、凹部11の大きさ等に応じて、適宜に設定されるが、いずれの部分も同一の厚みにする方が、全体を反らしたときの反り方に偏りが生じにくく、好ましい。そして、剛性の高い樹脂を用いる場合は、その強度を確保しつつ、その厚みをできるだけ薄く設定することが、反りやすさの点で好ましい。ちなみに、樹脂材料としてPPを用いた上記の例では、各部分の厚みは、0.8〜2.5mmに統一することが好適である。厚みが0.8mm未満では、繰り返し使用する過程で、割れや欠けが生じるおそれがあり、逆に、厚みが2.5mmを超えると、全体をあまり反らせることができず、凍結物を一度に全部取り出しにくくなるおそれがあるからである。
一方、製氷皿の上面10に形成されるリブ12は、全体を充分に反らせて各凹部11に対して有効な撓み変形を与えることができるか否かを考慮して、その厚みや高さ、配置等が決められる。ちなみに、樹脂材料としてPPを用いた上記の例では、リブ12の、リブ12が延びる方向を横切る横断面形状の幅(図3においてWで示す)は、0.2〜5mm、なかでも、1〜3mmに設定することが好適である。すなわち、リブ12の幅Wが小さすぎると、製氷皿の上面10を反らして凹部11内から凍結物を取り出す際に、湾曲しようとする力の支点となる力が弱くなって、充分な効果を果たすことができなくなるおそれがあり、逆に、リブ12の幅Wが大きすぎると、リブ12自身が撓んでリブ12の内側に歪み応力が発生するため、リブ12の左右の端面と製氷皿の上面10との境界部に応力が集中せず、上面10の反り幅が小さくなって、やはり充分な効果を果たすことができなくなるおそれがある。
また、上記リブ12の高さ(図3においてTで示す)は、0.2〜10mm、なかでも、1〜5mmに設定することが好適である。すなわち、リブ12の高さTが低すぎると、上面10を左右に仕切る力が弱くなって、充分な効果を果たすことができなくなるおそれがあり、逆に、リブ12の高さTが10mmを超えても、それ以上の効果はさほど得られない。
このように、スムーズに凍結物を取り出すには、製氷皿の上面10が充分に反って各凹部11の開口に変形を与えることが重要であり、そのために、上記リブ12の幅Wや高さT、そしてリブ12の配置等が調整される。ちなみに、樹脂材料としてPPを用いた上記の例において、製氷皿から凍結物を取り出す際の製氷皿上面10の最大反り幅(図2においてHで示す)は、製氷皿の左右方向の全長を1とすると、0.005〜0.2に設定されていることが好適であり、より好ましくは0.01〜0.1である。すなわち、製氷皿の全長が20cmである場合、その最大反り幅Hは、1mm〜4cmの範囲となるよう設定することが好適であり、より好ましくは2mm〜2cmである。
また、製氷皿から全ての凍結物を、一度に取り出すには、上面10における凹部11の配置が、従来の製氷皿のように、規則的で緊密に並んだものではないことも重要である。すなわち、凹部11の互いの間隔の少なくとも一部が不規則になっていることと、上記リブ12の配置との組み合わせによって、製氷皿の上面10を充分に反らして各凹部11の開口を変形させることが、本発明のポイントである。したがって、凹部11の配置に疎密の偏りを与えることが必要である。したがって、例えば、製氷皿の上面10の全面積を1とすると、この上面10に開口する全ての凹部11の開口面積の総和が、0.3〜0.85程度となるよう設定することが好適である。上記開口面積の割合が小さすぎると、製氷皿の嵩に比べて得られる凍結物の量が少ないものとなって好ましくない。また、上記開口面積の割合が大きすぎると、凹部11の周壁同士の距離が近くて自由度が小さくなるため、好ましくない。
なお、上記の例では、凹部11が形成された上面10の周囲に、立ち上がり壁13と、フランジ部20と、折り返し壁21とを設けたが、これらは、必ずしも必要ではなく、平坦な上面10に対し、凹部11が形成された構成になっていても差し支えない。ただし、その周縁部に、上記の例のように立ち上がり壁13が設けられていると、凍結対象物を凹部11内に充填する際、余剰分が周囲にこぼれることがなく、好適である。
また、上記の例では、各凹部11の周壁部は、凹部の底面にいくほどその平面視開口が小さくなるようテーパ状に形成されているが、これは、凹部11内の凍結物を取り出しやすいよう考慮したものである。テーパ状にすることは必ずしも必要ではないが、テーパ状にする場合は、そのテーパ角度[図1(c)においてθで示す]を、垂直方向に対し、2〜20°に設定することが好適である。
さらに、上記の例では、各凹部11の、底部から立ち上がる周壁の立ち上がり角部に、アールが付与されているが、これも、上記と同じく、凹部11内の凍結物を取り出しやすいよう考慮したものであり、必ずしも必要ではない。アールを付与する場合は、そのアールの大きさ[図1(c)においてRで示す]を、0.5〜2.0mmに設定することが好適である。
そして、上記の例では、対象物の凍結に用いる凹部11は、その開口形状が円形のもの11aとハート形のもの11bの2種類であったが、全て同一形状であっても、2種類に限らず、さまざまな形状のものが混じっていてもよい。例えば、全て同一の円形のものがランダムに配置されている例を、図4に示す。他の構成は、図1に示す例と同様であり、同一部分に同一の符号を付してその説明を省略する。
この例においても、上記各凹部11の互いの間隔が不規則で、上面10の、凹部11が配置されていない部分を利用して、前後方向に延びるリブ12が設けられているため、図1に示す製氷皿と同様の効果を奏する。なお、図1に示す例では、全てのリブ12の長さを同一に設定したが、この例では、凹部11が配置されていない部分が前後方向に広く延びている部分では、リブ12を長く延ばして、その部分における撓み変形が大きくなるようにしている。
また、上記の図1、図4の例では、全体の平面視形状を、左右方向に長いボート形状としたが、その形状は、左右方向に長く、その長手方向の両端部を手に持って反らせることにより凍結物を取り出すことができるものであれば、どのような形状であっても差し支えない。ただし、図6に示す、平面視が長方形状の製氷皿のように、その左右両端部が、前後方向に充分な幅を有している場合は、これを互いに反対方向に捩ることによって、大半の凍結物を一度に取り出すことができることから、本発明が、より実効性を発揮するのは、製氷皿の形状が、ボート形状のように、その左右両端部のうち少なくとも一方の前後方向の幅が狭くなっていて、製氷皿を斜めに捩りにくい形状である場合である。
なお、上記製氷皿の形状において、前後方向の幅が狭くなっている部分の、幅の狭さの程度は、製氷皿全体のなかで、前後方向の幅が最も広い部分における幅を1として、その1/2〜1/10の寸法に設定されていることが好適である。
したがって、本発明の製氷皿は、図1、図4に示すボート形状の他、例えば図5(a)に示すように、全体の平面視形状が楕円形状や、これに近い形状のものに適用することが好適である。また、例えば図5(b)に示すように、長手方向の途中において、部分的に前後の幅が狭くなっている形状のものも、従来のようにその両端部を互いに反対方向に捩っても、その変形が途中でうまく伝達されないため、本発明の構成を適用して、上面10全体を反らせるようにすることが好適である。なお、図5(a)、(b)においては、凹部11とリブ12の図示を省略している。
なお、本発明の製氷皿は、水やジュース等の液体から氷をつくるだけでなく、果実ペーストや離乳食等、半加工品や加工品、調理品等を小分けして凍結する場合等にも利用することができるのであり、凍結対象物によって限定されるものではない。
つぎに、本発明の実施例について、比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるわけではない。
[実施例1]
樹脂材料としてポリプロピレンを用い、射出成形によって、図1に示す製氷皿を作製した。リブ12の幅Wは1mm、高さTは4mm、長さは12mmとした。また、他の部分の厚みは全て1.5mm、各凹部11の周壁のテーパ角θは10°、各凹部11内のアールの大きさRは1.5mmとした。
この製氷皿を用い、水を凍結させ、図2に示すように、その上面を反らせて氷を取り出す動作を、モニター10名に、それぞれ行わせたところ、10名とも、1回の動作で15個の氷を全て簡単に取り出すことができた。
[比較例1]
図1に示す製氷皿においてリブ12が全くないものを、上記実施例1と同様にして作製した。この製氷皿を用い、上記実施例1と同様、モニター10名に氷を取り出す動作を行わせたところ、1回の取り出し動作では、製氷皿に氷が残ることが判明した。その残った氷の、モニター1名当たりの平均を求めたところ、4.2個であった。
上記の結果から、凹部11の配置に偏りのある製氷皿において、氷を一括して取り出すには、製氷皿の上面に、前後方向に延びるリブ12を設けることが不可欠であることがわかった。
本発明は、簡単な動作で、どの凹部からも一括して氷等の凍結物を取り出すことのできる優れた製氷皿として、広く利用することができる。
10 上面
11 凹部
12 リブ

Claims (8)

  1. 樹脂材料の一体成形品からなり、全体の平面視形状が左右方向に長く、その上面に対象物凍結用の凹部が多数形成された浅皿状の製氷皿であって、上記各凹部が、互いの間隔の少なくとも一部が不規則になるよう配置されているとともに、製氷皿上面の、上記凹部が配置されていない部分を利用して、前後方向にのみ延びる上向き凸条のリブが複数列形成されており、製氷皿の左右両端部を把持し製氷皿上面を押し出すように反らして凹部内の凍結物を取り出すことができるようになっていることを特徴とする製氷皿。
  2. 上記上向き凸条のリブの少なくとも一部は、互いに独立した複数本のリブが同一線上に揃った配置になっている請求項1記載の製氷皿。
  3. 上記凹部が形成された上面の周縁端から所定幅の立ち上がり壁が形成され、さらにその周縁端から水平方向に延びるフランジ部が設けられている請求項1または2記載の製氷皿。
  4. 上記製氷皿が、Aタイプデュロメータによる硬度(JIS K 7215に準拠)が70〜100である樹脂成形品からなる請求項1〜3のいずれか一項に記載の製氷皿。
  5. 上記各凹部の周壁部が、凹部の底面にいくほどその平面視開口が小さくなるようテーパ状に形成されている請求項1〜のいずれか一項に記載の製氷皿。
  6. 上記各凹部の、底部から立ち上がる周壁の立ち上がり角部に、アールが付けられている請求項1〜のいずれか一項に記載の製氷皿。
  7. 上記製氷皿上面に形成されるリブの、リブが延びる方向を横切る横断面形状の幅が0.2〜5mm、同じくその高さが0.2〜10mmに設定されている請求項1〜のいずれか一項に記載の製氷皿。
  8. 全体の平面視形状において、その長手方向の少なくとも片方の端部における前後方向の幅が、全体のなかで前後方向の幅が最も広い部分における幅の1/2〜1/10の寸法に設定されている請求項1〜のいずれか一項に記載の製氷皿。
JP2015091259A 2015-04-28 2015-04-28 製氷皿 Active JP6499504B2 (ja)

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