JP4858664B2 - W/o/w型複合エマルション - Google Patents

W/o/w型複合エマルション Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、保存安定性(特に高温安定性と凍結復元性、変温耐性)に優れ、特に外用剤組成物等として有用なW/O/W型複合エマルションに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
W/O/W型複合エマルションは、皮膚や粘膜からの薬物吸収性に優れた乳化基剤として、また、使用感や皮膚保護性に優れた外用基剤として知られているが、保存安定性に問題があった。特に、高温下で合一やクリーミング等を引き起こすばかりでなく、室温から高温もしくは低温への温度変化が繰り返される長期変温条件下や凍結解凍後においては、急激な粘度低下や相分離等の外観変化に加え、複合粒子中(内水相及び/又は油相)に保持された薬物が相外へ漏洩していくため、有効性が経時的に低下する問題があった。そのため、高温安定性と凍結復元性及び長期変温耐性を同時に付与し、外観の劣化防止のみならず保存後も高い有効性を維持できるW/O/W型複合エマルションが望まれていた。
【0003】
本発明者らは、特開2001−139459号、特開2001−151670号、特開2001−151938号公報などにおいて、生成率、保存安定性などが良好なW/O/W型複合エマルションを提案したが、高温安定性、凍結復元性に加えて、特に長期変温耐性については、改良の余地があった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、高温安定性、凍結復元性に加えて、特に長期変温耐性に優れたW/O/W型複合エマルションを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、少なくとも1種以上の薬物等の生理活性成分を含有するW/O/W型複合エマルションにおいて、特定のポリグリセリン脂肪酸エステルと特定の親油性界面活性剤とを併用することにより、従来困難とされていた高温安定性と凍結復元性及び長期変温耐性を同時に付与できることを見出し、本発明をなすに至った。
【0006】
即ち、本発明は、(A)生理活性成分と、
(B)下記▲1▼〜▲3▼の条件を満たすポリグリセリン脂肪酸エステルと、
▲1▼ポリグリセリンの平均重合度6〜15、
▲2▼脂肪酸残基の炭素数は、独立して8〜28、
▲3▼平均エステル化度5〜15、
(C)グリセリン脂肪酸エステル、親油性ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、親油性ポリオキシエチレンヒマシ油、親油性ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、親油性ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、親油性ポリオキシエチレンアルキルエーテルから選ばれる1種以上の親油性界面活性剤とを含有することを特徴とするW/O/W型複合エマルションを提供する。
【0007】
ここで、上記(B)ポリグリセリン脂肪酸エステルと上記(C)親油性界面活性剤との配合割合(質量比)が(B):(C)=1:3〜50:1であると、より好適であり、更に、(D)ポリオキシエチレン鎖を有さない親水性界面活性剤を含有するものであると、更に好適である。そして、2種以上の上記(A)生理活性成分を内水相に含有させると、より好適であり、上記(A)生理活性成分が油溶性生理活性成分である場合、該油溶性生理活性成分を油相に含有させると、より好適である。また、2種以上の上記(A)生理活性成分を内水相及び外水相に分割して含有させると、より好適である。そしてまた、上記W/O/W型複合エマルションが外用剤組成物であると、更に好適である。
【0008】
以下、本発明をより詳細に説明すると、本発明のW/O/W型複合エマルションは、(A)生理活性成分と、(B)ポリグリセリンの平均重合度が6〜15、脂肪酸残基の炭素数が、独立して8〜28であり、且つ平均エステル化度が5〜15のポリグリセリン脂肪酸エステル、及び(C)特定の親油性界面活性剤を含有するものである。
【0009】
ここで、本発明の(A)成分である生理活性成分としては、その種類が特に制限されるものではなく、例えば医薬品、医薬部外品、化粧品等の外用剤に配合される生理活性成分(薬物)が好適であり、水溶性、脂溶性(油溶性)を問わず配合できる。また、本発明の場合、各種生理活性成分を1種単独で使用してもよく、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。なお、本発明のW/O/W型複合エマルションの場合、水溶性生理活性成分は内水相に、脂溶性(油溶性)生理活性成分は油相に配合して、複合粒子(W/O型エマルション粒子)に保持させることが望ましい。
【0010】
また、2種以上の(A)成分の生理活性成分を含有する場合、これらを内水相及び外水相に分割して含有させても好適であり、特に、(A)成分の生理活性成分として、例えば水溶性酸性薬物及び水溶性塩基性薬物などのように、互いに相互作用する2種以上の水溶性薬物を配合する場合、それらを内水相と外水相に分けて含有させると、薬物の安定性が得られるので、より好ましい。
【0011】
上記生理活性成分として、具体的には、例えば以下の薬物等が挙げられる。
【0012】
消炎鎮痛成分として、トルフェナム酸、メフェナム酸、フルフェナム酸、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、アスピリン、サザピリン、アルクロフェナク、スプロフェン、イブプロフェン、イブプロフェンピコノール、フェンブフェン、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、インドメタシン、アセメタシン、メチアジン酸、プロチジン酸、スリンダク、プラノプロフェン、フェンチアザク、ジフルニサル、チアプロフェン酸、オキサプロジン、ジクロフェナクナトリウム、オキシフェンブタゾン、ピロキシカム、フェルビナク、ブフェキサマク、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、酢酸プレドニゾロン、プレドニゾロン、吉草酸酢酸プレドニゾロン、ウフェナマート等が挙げられる。
【0013】
局所刺激成分として、l−メントール、dl−カンフル、ノニル酸ワニリルアミド、ハッカ油、ケイヒ油等が挙げられる。抗炎症成分として、グリチルレチン酸、β−グリチルレチン酸、グリチルリチン酸、グリチルリチン、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルリチン酸二アンモニウム、グリチルリチン酸二カリウム、グアイアズレン等が挙げられる。血行促進剤として、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸ベンジルエステル、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム、トウガラシ、塩化カルプロニウム等が挙げられる。
【0014】
抗ヒスタミン剤として、ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン等が挙げられる。生薬成分として、ユーカリ油、オウバク等、鎮痒成分として、クロタミトン等、角質溶解成分として、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム等、局所麻酔成分として、アミノ安息香酸エチル、リドカイン、塩酸リドカイン、ジブカイン、塩酸ジブカイン等が挙げられる。
【0015】
殺菌成分として、ヒノキチオール、アクリノール、イソプロピルメチルフェノール、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、フェノキシエタノール、レゾルシン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、イオウ等が挙げられる。
【0016】
抗菌剤(サルファ剤)として、スルファジアジン、スルフイソミジン、ホモスルファミン等、抗真菌剤として、クロトリマゾール、硝酸ミコナゾール、硝酸エコナゾール、硝酸オキシコナゾール、硝酸スルコナゾール、ビホナゾール、チオコナゾール、トルナフタート、トルシクラート、シクロピロクスオラミン、エキサラミド、シッカニン、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛、ピロールニトリン等が挙げられる。
【0017】
鎮痛剤として、アスピリン、アミノピリン、アセトアミノフェン、エテンザミド等、ビタミン類として、塩酸ピリドキシン、アスコルビン酸、パントテン酸、トコフェロール、酢酸トコフェロール、レチノール、ビタミンA等、組織修復・保湿剤として、ヘパリン類似物質、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、トリメチルグリシン、アラントイン、尿素等が挙げられる。
【0018】
創傷治癒剤として、アロエエキス、アロエベラ、アロエECW、ダービリアエキス、ムチン等、抗アレルギー剤として、コンフリー、シソエキス、ラクトフェリン等、血管収縮成分として、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン等が挙げられる。
【0019】
本発明のW/O/W型複合エマルションにおける上記(A)成分の生理活性成分の含有量は、特に制限されるものではないが、通常、W/O/W型複合エマルション全体に対して、好ましくは0.01〜20%(質量%、以下同様)、より好ましくは0.1〜18%、更に好ましくは0.5〜15%である。含有量が少なすぎると、生理活性成分の配合による十分な効果が得られ難い場合がある。
【0020】
本発明の(B)成分のポリグリセリン脂肪酸エステルは、平均重合度6〜15、好ましくは6〜12、特に好ましくは6〜10のポリグリセリンと、炭素数8〜28、好ましくは10〜22、特に好ましくは12〜18の脂肪酸とをエステル化した、平均エステル化度が5〜15、好ましくは5〜12、特に好ましくは5〜10の親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルである。
【0021】
ポリグリセリンの平均重合度が6未満、脂肪酸の炭素数が8未満、ポリグリセリンと脂肪酸の平均エステル化度が5未満の場合、複合粒子の生成率が低下したり、O/W型に転相する場合がある。また、ポリグリセリンの平均重合度が15、脂肪酸の炭素数が28、ポリグリセリンと脂肪酸の平均エステル化度が15を超えると、複合粒子の分散性が低下したり、使用感が悪化する場合がある。
【0022】
また、脂肪酸部分は、直鎖又は分岐の飽和脂肪酸あるいは直鎖の不飽和脂肪酸が好ましい。本発明の場合、分岐不飽和脂肪酸を有する親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルは、複合粒子の生成率や油相への溶解性が低下し、本発明の効果が十分に得られない場合がある。
【0023】
上記(B)ポリグリセリン脂肪酸エステルとして、より具体的には、ペンタラウリン酸デカグリセリル、ペンタミリスチン酸デカグリセリル、ペンタパルミチン酸デカグリセリル、ペンタステアリン酸デカグリセリル、ペンタオレイン酸デカグリセリル、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル、ヘプタラウリン酸デカグリセリル、ヘプタミリスチン酸デカグリセリル、ヘプタパルミチン酸デカグリセリル、ヘプタステアリン酸デカグリセリル、ヘプタオレイン酸デカグリセリル、ヘプタイソステアリン酸デカグリセリル、デカラウリン酸デカグリセリル、デカミリスチン酸デカグリセリル、デカパルミチン酸デカグリセリル、デカステアリン酸デカグリセリル、デカオレイン酸デカグリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル、ペンタラウリン酸ヘキサグリセリル、ペンタミリスチン酸ヘキサグリセリル、ペンタパルミチン酸ヘキサグリセリル、ペンタステアリン酸ヘキサグリセリル、ペンタオレイン酸ヘキサグリセリル、ペンタイソステアリン酸ヘキサグリセリル等が挙げられる。これらの中でも、ペンタオレイン酸デカグリセリル、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル、ヘプタオレイン酸デカグリセリル、ペンタステアリン酸ヘキサグリセリル、デカオレイン酸デカグリセリル等がより好ましい。
【0024】
上記(B)成分の親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、特に制限されるものではないが、通常、油相全量に対して、4〜20%、好ましくは5〜18%、より好ましくは6〜17%が好適であり、W/O/W型複合エマルション全体に対して、好ましくは0.5〜6%、より好ましくは0.8〜5%、更に好ましくは1〜4%である。この範囲外では本発明の効果が十分に得られない場合がある。
【0025】
本発明において上記(B)成分の親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルと組み合わせて使用する(C)成分の親油性界面活性剤は、グリセリン脂肪酸エステル、親油性ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、親油性ポリオキシエチレンヒマシ油、親油性ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、親油性ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、親油性ポリオキシエチレンアルキルエーテルから選ばれる1種以上であり、これらの中でも、グリセリン脂肪酸エステル、親油性ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、親油性ポリオキシエチレンヒマシ油から選ばれる1種以上が好ましく、特に好ましくはグリセリン脂肪酸エステルが使用される。また、親油性ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びグリセリン脂肪酸エステルを上記(B)成分の親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルと組み合わせて用いると、更に好ましい。
【0026】
また、本発明の上記(C)界面活性剤の中でも、HLBが1以上11未満、好ましくはHLBが1.5以上10未満の親油性界面活性剤が好適に使用される。HLBが高すぎると、複合粒子の生成率や油相への溶解性が低下し、本発明の効果が十分に得られない場合がある。
【0027】
以下に、本発明の(C)成分として使用される親油性界面活性剤について、より具体的に説明する。
【0028】
(1)グリセリン脂肪酸エステル
本発明のグリセリン脂肪酸エステルとしては、炭素数12〜22、特に14〜18の脂肪酸とグリセリンのエステルが好適である。平均エステル化度は0.5〜2が好ましい。好ましい成分はモノグリセリド(エステル化度1)であり、グリセリン脂肪酸エステル全量中のモノグリセリド含量が10〜80%、特に20〜75%であるグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。自己乳化型のものであっても良い。
【0029】
より具体的には、モノミリスチン酸グリセリル、モノパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノオリーブ油脂肪酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル等が挙げられ、これらの中でも、特に、モノパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル等がより好適に採用できる。
【0030】
(2)親油性ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油・親油性ポリオキシエチレンヒマシ油・親油性ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル
親油性ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、親油性ポリオキシエチレンヒマシ油、親油性ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルとしては、特にポリオキシエチレン付加モル数(EO)3〜20のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及び/又はポリオキシエチレンヒマシ油、EO5〜30のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルが好ましく使用される。
【0031】
より具体的には、ポリオキシエチレン(3)硬化ヒマシ油(カッコ内はEO付加モル数である。以下、同様)、ポリオキシエチレン(5)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(7)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(15)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(3)ヒマシ油、ポリオキシエチレン(5)ヒマシ油、ポリオキシエチレン(7)ヒマシ油、ポリオキシエチレン(10)ヒマシ油、ポリオキシエチレン(15)ヒマシ油、ポリオキシエチレン(20)ヒマシ油、ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油モノラウレート、ポリオキシエチレン(30)硬化ヒマシ油モノラウレート、ポリオキシエチレン(5)硬化ヒマシ油モノイソステアレート、ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油モノイソステアレート、ポリオキシエチレン(15)硬化ヒマシ油モノイソステアレート、ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油モノイソステアレート、ポリオキシエチレン(30)硬化ヒマシ油モノイソステアレート、ポリオキシエチレン(5)硬化ヒマシ油トリイソステアレート、ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油トリイソステアレート、ポリオキシエチレン(15)硬化ヒマシ油トリイソステアレート、ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油トリイソステアレート、ポリオキシエチレン(30)硬化ヒマシ油トリイソステアレート等が挙げられる。
【0032】
これらの中でも、ポリオキシエチレン(5)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(7)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(15)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(3)ヒマシ油、ポリオキシエチレン(5)ヒマシ油、ポリオキシエチレン(7)ヒマシ油、ポリオキシエチレン(10)ヒマシ油、ポリオキシエチレン(15)ヒマシ油、ポリオキシエチレン(5)硬化ヒマシ油モノイソステアレート、ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油モノイソステアレート等がより好ましい。
【0033】
(3)ソルビタン脂肪酸エステル
炭素数8〜22、好ましくは10〜18の脂肪酸残基を有するソルビタン脂肪酸エステルが好ましく用いられる。
【0034】
より具体的には、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン等が挙げられる。これらの中でも、特にモノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン等がより好ましい。
【0035】
(4)親油性ポリエチレングリコール脂肪酸エステル
炭素数8〜22、好ましくは10〜18の脂肪酸にエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコール脂肪酸エステルが好ましく使用される。
【0036】
より具体的には、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(2E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(4E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(10E.O.)、モノオレイン酸ポリエチレングリコール(2E.O.)、モノオレイン酸ポリエチレングリコール(6E.O.)、モノオレイン酸ポリエチレングリコール(10E.O.)、ジステアリン酸エチレングリコール等が挙げられる。これらの中でも、特に、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(2E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(4E.O.)、モノオレイン酸ポリエチレングリコール(2E.O.)、モノオレイン酸ポリエチレングリコール(6E.O.)、ジステアリン酸エチレングリコール等がより好ましい。
【0037】
(5)親油性ポリオキシエチレンアルキルエーテル
炭素数8〜22、好ましくは10〜18のアルコールにエチレンオキサイドを付加したポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましく使用される。
【0038】
より具体的には、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(1)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(2)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(5.5)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(4)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(2)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(7)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(5)ベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン(10)ベヘニルエーテル等が挙げられる。
【0039】
これらの中でも、ポリオキシエチレン(1)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(2)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(4)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(2)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(5)ベヘニルエーテル等がより好ましい。
【0040】
本発明のW/O/W型複合エマルションにおける上記(C)成分の含有量は、特に制限されるものではないが、通常、油相全量に対して0.5〜7%、好ましくは1〜6%、より好ましくは1.5〜5%が好適であり、W/O/W型複合エマルション全体に対して好ましくは0.1〜2%、より好ましくは0.2〜1.8%、更に好ましくは0.3〜1.5%である。この範囲で、特に本発明の効果が良好に得られる。
【0041】
上記(B)成分と(C)成分の配合比は、B:C(質量比)=1:3〜50:1、好ましくは1:2〜45:1、より好ましくは1:1〜40:1であると好適である。質量比がこの範囲であると、複合粒子の生成率が良好で、しかも、高温安定性と凍結復元性及び変温耐性が良好なW/O/W型複合エマルションがより容易に得られる。
【0042】
本発明のW/O/W型複合エマルションは、上記(A)〜(C)成分に加えて、更に、(D)成分として、ポリオキシエチレン鎖を有さない親水性界面活性剤を配合すると、保存安定性、特に高温安定性が更に向上するので、より好適である。上記親水性界面活性剤のHLB値は、特に制限されるものではないが、通常、HLBが11以上が好ましく、より好ましくはHLBが11〜20、特に好ましくはHLBが11.5〜18である。HLB値が低すぎると、ポリオキシエチレン鎖を有さない親水性界面活性剤を併用する効果が十分に得られない場合がある。
【0043】
ポリオキシエチレン鎖を含有しない親水性界面活性剤の種類としては、特に制限されるものではなく、例えば親水性ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリンの平均重合度が6〜12、脂肪酸残基の炭素数が10〜22、平均エステル化度1〜2の親水性ポリグリセリン脂肪酸エステルなどが好適に使用でき、これらの中でも特に好ましくは、親水性ポリグリセリン脂肪酸エステルである。
【0044】
より具体的には、例えば、モノラウリン酸ショ糖エステル、モノオレイン酸ショ糖エステル、モノステアリン酸ショ糖エステル、モノパルミチン酸ショ糖エステル、モノミリスチン酸ショ糖エステル、モノイソステアリン酸ショ糖エステル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノパルミチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル等が挙げられる。これらの中でも、特に、モノステアリン酸ショ糖エステル、モノパルミチン酸ショ糖エステル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル等がより好ましい。
【0045】
本発明のW/O/W型複合エマルションに上記(D)成分のポリオキシエチレン鎖を有さない親水性界面活性剤を配合する場合、その含有量は、特に制限されるものではないが、通常、W/O/W型複合エマルション全体に対して好ましくは0.1〜2%、より好ましくは0.2〜1.5%、更に好ましくは0.3〜1.2%である。この範囲で、上記(D)成分を配合すると、特に安定性が良好となる。
【0046】
本発明のW/O/W型複合エマルションは、上記成分に加えて、更に、多価アルコールを配合すると、使用感がより向上し、また、W/O/W型複合エマルションの生成率、保存安定性もより良好にすることができる。ここで、多価アルコールとしては、その種類が特に制限されるものではなく、ポリグリセリン、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、糖アルコール(ソルビトールなど)等を挙げることができ、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。本発明の場合、これらの中でも特にポリグリセリンが、より好適であり、特に平均重合度2〜20、好ましくは6〜10のポリグリセリンがより好適である。
【0047】
油性基剤としては、例えば脂肪酸、高級アルコール、これら以外の油性基剤が挙げられる。上記脂肪酸としては、一般外用剤、化粧品に配合される脂肪酸類、好ましくは高級脂肪酸、より好ましくは炭素数8〜34、更に好ましくは10〜22の直鎖又は分岐炭化水素基を有する高級脂肪酸であり、ヒドロキシル基などで置換されていてもよい。具体的には、例えばラウリン酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,ベヘン酸等の飽和脂肪酸、オレイン酸,リノール酸,ウンデシレン酸等の不飽和脂肪酸、イソステアリン酸,イソパルミチン酸,イソトリデカン酸,イソノナン酸,2−エチルヘキサン酸,12−ヒドロキシステアリン酸,ラノリン脂肪酸等のその他の脂肪酸などが挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0048】
上記高級アルコールとしては、例えば下記一般式で表されるものを挙げることができる。
【0049】
1(−OH)n
ここで、上記式中、R1は、炭素数12〜33、好ましくは16〜22の飽和又は不飽和の直鎖、分岐、環状又はエーテル結合を有する炭化水素基を表す。nは、1又は2であり、好ましくは1である。n=2の場合、2つの水酸基が結合する炭素原子は、同一でも異なっていてもよいが、異なっている方が好ましい。
【0050】
本発明の場合、上記一般式で表される高級アルコールの中でも、特に一般外用剤、化粧品などに配合される高級アルコール類で、直鎖アルコール、環状アルコール、合成アルコールに分類されるものが好適であり、具体的には、直鎖アルコールとして、例えばラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、ホホバアルコール、キミルアルコール、バチルアルコール、セラキルアルコール、コッセリルアルコール等、環状アルコールとして、例えばコレステロール、ジヒドロコレステロール、フィトステロール、ラノリンアルコール、水素添加ラノリンアルコール等、合成アルコールとして、例えばオクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール等が挙げられる。これらの中でも、直鎖アルコール及び環状アルコールが好ましく、特にセタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、コレステロール、ラノリンアルコール等がより好適である。これらは、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0051】
上記高級アルコールを配合する場合、その配合量は、特に制限されるものではないが、通常、油相全体に対して、好ましくは0.5〜55%、より好ましくは2〜45%、更に好ましくは5〜35%である。また、W/O/W型複合エマルション全体に対して、好ましくは0.1〜10%、より好ましくは0.3〜8%、更に好ましくは0.5〜7%である。
【0052】
更に、上記以外の油性基剤として、より具体的には、例えばオリーブ油、サフラワー油、大豆油、アルモンド油、ヒマシ油等の植物油、鯨ロウ、ラノリン等の動物性固体ロウ、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン等の脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの油性基剤の含有量は、W/O/W型複合エマルション全体に対して、好ましくは1〜45%であり、より好ましくは2〜25%である。
【0053】
本発明のW/O/W型複合エマルションは、更に、その他成分として、キレート剤、防腐剤、pH調整剤などを配合することもでき、上記キレート剤としては、例えばエデト酸二ナトリウム等のエチレンジアミン四酢酸塩、ピロリン酸塩等が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。キレート剤の含有量は、W/O/W型複合エマルション全体に対して、好ましくは0.05〜1%であり、より好ましくは0.05〜0.5%である。
【0054】
上記防腐剤としては、例えばパラベン類、安息香酸類、クロロブタノール、フェノキシエタノール等が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。防腐剤の含有量は、W/O/W型複合エマルション全体に対して、好ましくは0.01〜3%であり、より好ましくは0.05〜1%である。
【0055】
上記pH調整剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸水素カリウム等が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができ、これらのpH調整剤を用いて、本発明のW/O/W型複合エマルションのpHを5〜8に調整すると、より好適である。
【0056】
なお、本発明のW/O/W型複合エマルションは、上述したように外用剤組成物として有用であり、外用剤組成物として使用する場合、上記成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、外用剤に使用する通常の成分を配合することができる。
【0057】
本発明のW/O/W型複合エマルションは、上記各成分を適宜含有する内水相、油相、外水相とからなり、内水相が油相に内包されたW/O型エマルション粒子が外水相に分散したものである。ここで、本発明のW/O/W型複合エマルションにおける各相の配合割合は、特に制限されるものではないが、通常、W/O型エマルション粒子(内水相/油相)における内水相:油相(質量比)は、好ましくは40:60〜90:10、より好ましくは50:50〜85:15、更に好ましくは60:40〜80:20である。また、W/O型エマルション粒子:外水相(質量比)は、好ましくは20:80〜80:20、より好ましくは40:60〜70:30、更に好ましくは45:55〜60:40である。上記範囲以外では、本発明の目的とするエマルションの保存安定性が得られない場合がある。
【0058】
更に、本発明のW/O/W型複合エマルション全体に対する上記油相の含有量は、特に制限されるものではないが、W/O/W型複合エマルション全体に対する上記油相の含有量は、好ましくは5〜45%、より好ましくは10〜40%である。上記範囲以外では、本発明が目的とするW/O/W型複合エマルションの保存安定性が得られない場合がある。
【0059】
本発明のW/O/W型複合エマルションは、その用途、使用方法などが特に制限されるものではないが、上記W/O/W型複合エマルションの特性を考慮すれば、例えば皮膚、粘膜、毛髪等に適用する医薬品、医薬部外品、皮膚用化粧料,毛髪化粧料等の香粧品などの外用剤組成物として調製すると、より効果的である。
【0060】
本発明のW/O/W型複合エマルションは、その調製方法が特に制限されるものではなく、例えば水溶性生理活性成分等を含有する内水相用溶液と、親油性界面活性剤、油溶性生理活性成分等を含有する油相溶液とを混合してW/O型エマルションを形成させた後、このW/O型エマルションを親水性界面活性剤を含有する外水相用溶液に分散・乳化させることによって、W/O/W型複合エマルションを製造することができる。
【0061】
以下、本発明のW/O/W型複合エマルションを製造する方法について、W/O型エマルションの形成工程(一次乳化)と、W/O/W型複合エマルションの形成工程(二次乳化)とに分けて好適な条件などを例示して詳述するが、本発明のW/O/W型複合エマルションを製造する方法は、下記方法に限定されるものではない。
【0062】
▲1▼一次乳化(W/O型エマルションの形成)工程
必要に応じて水溶性生理活性成分等を含有する内水相用溶液(更に、任意に上記任意成分中の水溶性成分を含有してもよい)と上記親油性界面活性剤、必要に応じて油溶性生理活性成分等を含有する油相用溶液(更に、任意に上記任意成分中の油溶性成分を含有してもよい)を、好ましくは60〜85℃、特に好ましくは60〜80℃に加温し、それぞれ均一に溶解させる。溶解後、同温度条件下で油相用溶液をホモミキサー等で撹拌しながら、W/O/W型複合エマルションの内水相となる内水相用溶液と油相用溶液との配合量が例えば上述した内水相と油相との好適な配合割合となるように、内水相用溶液をゆっくり添加していき、W/O型エマルションを調製する。ここで、撹拌条件は、撹拌羽根の大きさや乳化組成によって適宜選定されるが、概ね3000〜6000rpmの回転数で5〜20分間乳化することが好ましい。乳化物の電気伝導度がほとんどゼロ(外相が油)であることによってW/O型エマルションの生成を確認することができる。
【0063】
▲2▼二次乳化(W/O/W型複合エマルションの形成)工程
必要に応じて上記親水性界面活性剤を含有する外水相用溶液(更に、任意に上記任意成分中の水溶性成分を含有してもよい)を上記内水相用溶液、油相用溶液と同様の温度で溶解させておき、この外水相用溶液をホモミキサー等で撹拌しながら、上記▲1▼工程で得られたW/O型エマルションを添加していき、W/O/W型複合エマルションを調製する。或いは、上記▲1▼工程で得られたW/O型エマルションへ外水相用溶液を添加しても良い。乳化条件は、一度生成した複合粒子(W/O型エマルション粒子)が破壊されないように、適宜選定することが好ましいが、概ね500〜3000rpmの回転数で20〜90分間乳化することが好ましい。なお、この工程において上記複合粒子が破壊若しくは内水相の漏洩があると、本発明の効果が十分発揮されない場合がある。
【0064】
【発明の効果】
本発明の上記W/O/W型複合エマルションは、過酷条件下保存後の外観の劣化を防止するのみならず、複合粒子自体の破壊を抑制することによって、薬物等の生理活性成分の有効性を維持することができ、更に、皮膚刺激性や使用感に優れた性能を有し、特に外用剤組成物として有用である。
【0065】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0066】
[実施例1〜3及び比較例1〜5]
表1に示す組成に従って下記調製法により実施例及び比較例のW/O/W型複合エマルションを調製し、下記方法に従って、凍結復元性、高温安定性及び変温耐性試験を行った。結果を表1に示す。
【0067】
<調製法>
内水相、油相、外水相を個別に調製し、それぞれを60℃〜70℃に加温攪拌し、均一に溶解させた。60℃〜70℃の温度下でホモミキサーを用いて4000rpm〜5000rpmで油相を攪拌しながら、内水相をゆっくり添加していき、5〜10分間乳化し、W/O型エマルションを得た。続いて外水相を500〜1000rpmで攪拌しながら該W/O型エマルションをゆっくり添加していき30〜60分間乳化し、W/O/W型複合エマルションを得た。
【0068】
<凍結復元性試験>
調製したW/O/W型複合エマルションを−15℃に24時間保存し、凍結させた後、25℃で24時間放置し、自然解凍した。解凍後、エマルションの外観及び粘度を観察し、下記の5段階で評価した。◎及び○を良好と判断した。
【0069】
<評価基準>
外観変化なし :◎
粘度やや低下 :○
粘度低下 :△
表面に油しみだし:▲
相分離 :×
【0070】
<高温安定性及び変温耐性試験>
調製したW/O/W型複合エマルションを45℃/75%RHの条件下に4ヶ月、40℃/75%RH、20℃⇔40℃/48時間サイクル、25℃⇔−5℃/48時間サイクルの条件下に6ヵ月保存した後、25℃で24時間放冷した。放冷後、エマルションの外観及び粘度を観察し、下記の5段階で評価した。◎及び○を良好と判断した。
【0071】
<評価基準>
外観変化なし :◎
粘度やや低下 :○
粘度低下 :△
表面に油しみだし:▲
相分離 :×
【0072】
【表1】
Figure 0004858664
【0073】
実施例1〜3の場合、高温安定性、変温耐性及び凍結復元性のいずれにも優れるものであった。一方、W/O/W型複合エマルションの油相に配合する界面活性剤を本発明以外の組み合わせで使用した場合(比較例1〜5)、乳化安定性が著しく低下した。
【0074】
[実施例4〜10]
表2に示す組成に従って上記実施例1と同様の調製法により実施例のW/O/W型複合エマルションを調製し、有効成分(ヘパリン類似物質)の血液凝固抑制作用の評価(有効性評価)を下記方法に従って行った。また、上記実施例1と同様に凍結復元性、高温安定性及び変温耐性試験を行った後、再び下記方法に従って、有効性評価を行ない、調製直後の有効性評価の結果より有効性維持率を求めた。結果を表2に示す。
【0075】
<薬物の有効性試験>
上記の調製法に従い、有効成分:ヘパリン類似物質(血液凝固抑制剤)を複合粒子の内水相に配合したW/O/W型複合エマルションを調製した。ウサギ背部を剃毛した後、W/O/W型複合エマルション10gを塗布し、2時間後に心臓採血した。採取した血液にクエン酸ナトリウム水溶液を添加して遠心分離し、上層の血漿を分取した。この血漿に凝固開始剤として塩化カルシウムを添加し、一定条件下で血液が凝固するまでの時間を測定して、塗布前の凝固時間に対する塗布後の凝固時間から、凝固遅延率を求めた。(ヘパリン類似物質の血中濃度が高いほど凝固時間が遅れることをDose−responseの関係から確認した。)上記の安定性試験(凍結復元性試験、高温安定性及び変温耐性試験)を終えた後、再び血液凝固抑制作用の評価を行ない、保存試験前後の血液凝固遅延率を比較し、下記の5段階で有効性の維持率を評価した。◎及び○を良好と判断した。
【0076】
保存前の有効性を85%以上維持:◎
65%以上〜85%未満 :○
40%以上〜65%未満 :△
25%以上〜40%未満 :▲
25%未満に低下 :×
【0077】
【表2】
Figure 0004858664
【0078】
実施例4〜10の場合、高温安定性、変温耐性及び凍結復元性のいずれにも優れるものであった。また、これらの保存安定性試験後においても調製直後と同等の優れた有効性(血液凝固抑制作用)が認められた。
【0079】
[実施例11〜17]
表3の組成に従って上記実施例1の調製法において、内水相、油相、外水相をそれぞれ均一に溶解させる際の温度を70℃〜80℃とし、油相を攪拌しながら、内水相を添加する際の温度を70℃〜80℃とした以外は、実施例1と同様の調製法により実施例11〜17のW/O/W型複合エマルションを調製し、有効成分(局麻剤:塩酸ジブカイン)の皮膚透過率を下記方法に従って測定した。また、上記実施例1と同様に凍結復元性、高温安定性及び変温耐性試験を行った後、再び皮膚透過率の測定を行ない、皮膚透過能維持率を求めた。結果を表3に示す。
【0080】
<薬物の皮膚透過率測定>
上記の調製法に従い、有効成分:塩酸ジブカイン(局所麻酔剤)を複合粒子の内水相に配合したW/O/W型複合エマルションを調製した。ヘアレスマウス(雄6週齢)の腹部皮膚を縦型フランツ拡散セル(容量30mL)に固定し、レシーバー側を0.1M等張リン酸緩衝液(pH7.4)で満たした。皮膚表面(有効表面積4.9cm2)にW/O/W型複合エマルション0.5mLを塗布した後、4時間後にレシーバー液をサンプリングし、レシーバー側に透過してきた塩酸ジブカイン量を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。実験は32℃恒温下で行なった。上記の保存安定性試験(凍結復元性試験、高温安定性及び変温耐性試験)を終えた後、再び塩酸ジブカインの皮膚透過率測定を行ない、保存安定性試験前後の皮膚透過率を比較し、下記の5段階で有効性の維持率を評価した。◎及び○を良好と判断した。
【0081】
<評価基準>
保存前の有効性を85%以上維持:◎
65%以上〜85%未満 :○
40%以上〜65%未満 :△
25%以上〜40%未満 :▲
25%未満に低下 :×
【0082】
【表3】
Figure 0004858664
【0083】
実施例11〜17の場合、高温安定性、変温耐性及び凍結復元性のいずれにも優れるものであった。また、これらの保存安定性試験後においても調製直後と同等の優れた皮膚透過性(経皮吸収性)が認められた。
【0084】
[実施例18〜23]
表4の組成に従って上記実施例1と同様の調製法により実施例18から23のW/O/W型複合エマルションを調製し、有効成分(消炎鎮痛剤:ケトプロフェン)の鎮痛作用の評価を下記方法に従って行った。また、上記実施例1と同様に凍結復元性、高温安定性及び変温耐性試験を行った後、再び有効性評価を行ない、有効性維持率を求めた。結果を表4に併記する。
【0085】
<薬物の鎮痛試験>
上記の調製法に従い、有効成分:ケトプロフェン(鎮痛剤)を複合粒子の油相に配合したW/O/W型複合エマルションを調製した。イースト起炎ランダール・リセット法により、鎮痛作用の評価を行った。起炎剤投与3日前から1日1回ラット(雄5週齢)右足の圧痛閾値を測定し、測定値の安定しているラットを選択した。また、起炎剤は投与当日に調製した20%Brewer’sイースト生理食塩水懸濁液を用いた。選定したラットの右後肢足蹠皮下に起炎剤0.1mLを投与し、その後、W/O/W型複合エマルション1gを良く塗擦した。起炎3時間後の痛覚閾値を痛覚測定装置(ユニコム社製:TK−201)を用いて測定した。上記の安定性試験(凍結復元性試験、高温安定性及び変温耐性試験)を終えた後、再び鎮痛試験を行い、保存安定性試験前後の痛覚閾値を比較し、下記の5段階で有効性の維持率を評価した。◎及び○を良好と判断した。
【0086】
<評価基準>
保存前の有効性を85%以上維持:◎
65%以上〜85%未満 :○
40%以上〜65%未満 :△
25%以上〜40%未満 :▲
25%未満に低下 :×
【0087】
【表4】
Figure 0004858664
【0088】
実施例18〜24の場合、高温安定性、変温耐性及び凍結復元性のいずれにも優れるものであった。また、これらの保存安定性試験後においても調製直後と同等の優れた有効性(鎮痛作用)が認められた。
【0089】
下記組成に従って上記実施例1の調製法に準じて本発明のW/O/W型複合エマルションを各種外用剤組成物として調製した。これらは、いずれも高温安定性、変温耐性及び凍結復元性のいずれにも優れるものであった。
【0090】
Figure 0004858664
【0091】
Figure 0004858664
【0092】
Figure 0004858664
【0093】
Figure 0004858664
【0094】
Figure 0004858664
【0095】
Figure 0004858664
【0096】
Figure 0004858664
【0097】
Figure 0004858664
【0098】
Figure 0004858664
【0099】
Figure 0004858664

Claims (7)

  1. (A)生理活性成分と、
    (B)下記▲1▼〜▲3▼の条件を満たすポリグリセリン脂肪酸エステルと、
    ▲1▼ポリグリセリンの平均重合度6〜15、
    ▲2▼脂肪酸残基の炭素数は、独立して8〜28、
    ▲3▼平均エステル化度5〜15、
    (C)グリセリン脂肪酸エステル、親油性ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、親油性ポリオキシエチレンヒマシ油、親油性ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、親油性ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、親油性ポリオキシエチレンアルキルエーテルから選ばれる1種以上の親油性界面活性剤とを含有することを特徴とするW/O/W型複合エマルション。
  2. 上記(B)ポリグリセリン脂肪酸エステルと上記(C)親油性界面活性剤との配合割合(質量比)が(B):(C)=1:3〜50:1である請求項1記載のW/O/W型複合エマルション。
  3. 更に、(D)ポリオキシエチレン鎖を有さない親水性界面活性剤を含有する請求項1又は2記載のW/O/W型複合エマルション。
  4. 上記(A)生理活性成分が水溶性生理活性成分である場合、該水溶性生理活性成分を内水相に含有する請求項1、2又は3記載のW/O/W型複合エマルション。
  5. 上記(A)生理活性成分が油溶性生理活性成分である場合、該油溶性生理活性成分を油相に含有する請求項1乃至4のいずれか1項記載のW/O/W型複合エマルション。
  6. 2種以上の上記(A)生理活性成分を内水相及び外水相に分割して含有する請求項1乃至5のいずれか1項記載のW/O/W型複合エマルション。
  7. 外用剤組成物である請求項1乃至6のいずれか1項記載のW/O/W型複合エマルション。
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