JP2005060230A - 乳化組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】尿素5〜35重量%、高級アルコール、分岐脂肪酸と直鎖高級アルコールからなるエステル油及び非イオン性界面活性剤0.1〜20重量%とを含有することによって、尿素や高級アルコールによる刺激がなく、かつ尿素が安定に保持されており、使用感も良好な組成物を提供できる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、尿素と高級アルコールを含有する刺激が改善された乳化組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
尿素は、例えば皮膚保湿剤、浸透補助剤、荒れ肌改善剤、皮膚軟化剤、細胞賦活剤等として、外用組成物に用いられる成分である。しかし、高い保湿力や皮膚軟化力を与えるために尿素を高濃度配合した組成物の処方設計においては、尿素は皮膚に対して刺激を与える場合があるので刺激を改善することが重要であった。また、乳化組成物を安定にするために配合される高級アルコールも皮膚に対して刺激を与える場合がある。そのため、尿素を高濃度に含み、かつ高級アルコールを配合した乳化組成物においては、皮膚への刺激を改善することが求められる。
【0003】
例えば、尿素10%とステアリルアルコール5%に、高級脂肪酸、ロウ類、炭水化物、トリグリセリド類及び非イオン性界面活性剤を配合することで皮膚に対する刺激を抑えた皮膚塗布剤組成物が知られている(特許文献1)。かかる組成物は、アトピー性皮膚炎などの乾燥肌のスキンケアに好適に使用できる。
【0004】
このような従来の組成物では、高級脂肪酸、ロウ類、トリグリセリド類といった油分を配合することによって、組成物の皮膚に対する付着力、被覆力、組成物の耐水性を付与できるだけでなく組成物の延びや滑らかなすべり感を調節して使用感を改善している。しかしながら、尿素や高級アルコールによって引き起こされる皮膚への刺激を十分に改善することができなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−213772号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、高濃度の尿素と高級アルコールを含有した組成物において、尿素と高級アルコールによる刺激を改善した乳化組成物の開発が望まれていた。また、高濃度に尿素を配合した組成物は、経時的に尿素の結晶が析出するため十分に水を配合する必要があるが、尿素は水の存在下で酸、アルカリ、熱などにより容易に加水分解を受け、アンモニアを発生して悪臭を生じることが問題となる。そのため、刺激を改善するとともに、尿素が安定に保持された組成物を提供することも課題であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行なった結果、尿素5〜35重量%、高級アルコール、分岐脂肪酸と直鎖高級アルコールからなるエステル油及び非イオン性界面活性剤0.1〜20重量%とを含有する乳化組成物は、刺激が改善され、尿素が安定に保持されることを見出した。また、本発明の組成物は、べとつき感がなく、滑らかなすべり感を有し、使用感が良好である。
【0008】
本発明はかかる知見に基づいて開発されたものである。
すなわち本発明は、下記(1)〜(6)に掲げる乳化組成物である:
(1)尿素5〜35重量%、高級アルコール、分岐脂肪酸と直鎖高級アルコールからなるエステル油、及び非イオン性界面活性剤0.1〜20重量%とを含有することを特徴とする乳化組成物、
(2)分岐脂肪酸と直鎖高級アルコールからなるエステル油が、2−エチルヘキサン酸セチルである(1)に記載の乳化組成物、
(3)非イオン性界面活性剤が、HLB3〜20である(1)または(2)に記載の乳化組成物、
(4)非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種である(1)乃至(3)のいずれかに記載の乳化組成物、
(5)さらに、ワセリン、パラフィン、流動パラフィン、イソパラフィン、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライト、セレシン、ポリエチレン、ポリエチレン末、α−オレフィンオリゴマー、ポリブデン、スクワラン及びスクワレンからなる群から選ばれる1種又は2種以上の炭化水素を含有する(1)乃至(4)のいずれかに記載の乳化組成物、
(6)さらに、グリチルレチン酸類、グリチルリチン酸類及びビタミンE類からなる群から選ばれる1種又は2種以上を含有する(1)乃至(5)のいずれかに記載の乳化組成物。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の乳化組成物において、尿素の含有量は、乳化組成物全体に対して5〜35重量%で含有する。より好ましくは、5〜30重量%、さらに好ましくは5〜25重量%、特に好ましくは10〜20重量%以上である。尿素が35重量%を超えると、刺激を十分に改善することが困難となる。
【0010】
本発明における乳化組成物において、高級アルコールは、通常医薬品、医薬部外品、化粧品において用いられる高級アルコールを1種又は2種以上用いることができ、例えば、セタノール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール等が挙げられる。なかでも好ましくは、セタノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベヘニルアルコールである。
【0011】
本発明の乳化組成物において、高級アルコールの含有量は、本発明の目的を奏する限り限定されないが、0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、特に好ましくは1重量%以上で含有することができ、上限は15重量%以下、好ましくは10重量%以下、特に好ましくは8重量%以下で含有する。
【0012】
本発明における乳化組成物は、分岐脂肪酸と直鎖高級アルコールからなるエステル油を含有する。分岐脂肪酸と直鎖高級アルコールからなるエステル油は、通常医薬品、医薬部外品、化粧品において用いられるものであれば、特に限定されないが、例えば、2−エチルヘキサン酸ステアリル、2−エチルヘキサン酸セチル、イソステアリン酸ヘキシル等あげられる。分岐脂肪酸と直鎖高級アルコールからなるエステル油は1種または2種以上用いることができ、2−エチルヘキサン酸セトステアリルのような混合物を用いることもできる。なかでも好ましくは2−エチルヘキサン酸セチルである。
【0013】
本発明の乳化組成物において、分岐脂肪酸と直鎖高級アルコールからなるエステル油の含有量は、本発明の目的を奏する限り限定されないが、0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、特に好ましくは1.0重量%以上で含有することができ、上限は20重量%以下、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下で配合すると使用感改善の点から好ましい。
【0014】
本発明の乳化組成物において、非イオン性界面活剤は、通常医薬品、医薬部外品、化粧品において用いられる非イオン性界面活性剤を1種又は2種以上用いることができるが、2種以上用いるのが好ましい。本発明の非イオン性界面活性剤は、具体的には、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどが挙げられる。好ましくは、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルである。より具体的には、ポリオキシエチレン(以下POE)硬化ヒマシ油、POEヒマシ油、モノステアリン酸POEソルビタン、モノオレイン酸POEソルビタン、モノヤシ油脂肪酸POEソルビタン、モノパルミチン酸POEソルビタン、トリイソステアリン酸POEソルビタン、モノイソステアリン酸POEソルビタン、POEベヘニルエーテル、POEオレイルエーテル、POEラウリルエーテル、POEステアリルエーテル、POEセチルエーテル、セスキオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ペンタステアリン酸デカグリルが好ましい。
【0015】
さらに具体的には、POE(40)硬化ヒマシ油、POE(60)硬化ヒマシ油、POE(3)ヒマシ油、POE(20)ヒマシ油、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン、モノヤシ油脂肪酸POE(20)ソルビタン、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン、トリイソステアリン酸POE(20)ソルビタン、モノイソステアリン酸POE(20)ソルビタン、POE(5)ベヘニルエーテル、POE(10)ベヘニルエーテル、POE(20)ベヘニルエーテル、POE(9)ラウリルエーテル、POE(21)ラウリルエーテル、POE(25)ラウリルエーテル、POEオレイルエーテル(EOは、3,5,7,10,15,20,50)、POEステアリルエーテル、POEセチルエーテル、POE(1)ポリオキシプロピレン(以下POP)(4)セチルエーテル、POE(1)POP(1)セチルエーテル、POE(10)POP(4)セチルエーテル、POE(20)POP(4)セチルエーテル、POE(20)POP(8)セチルエーテル、POE(120)POP(40)グリコール、POE(160)POP(30)グリコール、POE(196)POP(67)グリコール、POE(20)POP(20)グリコール、POE(42)POP(67)グリコール、POE(54)POP(39)グリコール、セスキオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ペンタステアリン酸デカグリル、ペンタオレイン酸デカグリルなどが挙げられる。
【0016】
特に好ましい非イオン性界面活性剤は、POE(40)硬化ヒマシ油、POE(60)硬化ヒマシ油、POE(3)ヒマシ油、POE(20)ヒマシ油、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン、モノヤシ油脂肪酸POE(20)ソルビタン、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン、トリイソステアリン酸POE(20)ソルビタン、モノイソステアリン酸POE(20)ソルビタン、POE(5)ベヘニルエーテル、POE(10)ベヘニルエーテル、POE(20)ベヘニルエーテル、POE(50)オレイルエーテル、POE(21)ラウリルエーテル、POE(9)ラウリルエーテル、POE(25)ラウリルエーテル、POEステアリルエーテル、POEセチルエーテル、セスキオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ペンタステアリン酸デカグリルである。
【0017】
また、本発明において用いるこれらの非イオン性界面活性剤のHLBは特に限定されないが、安定性の観点からHLBは3〜20が好ましい。
【0018】
本発明の乳化組成物において、非イオン性界面活性剤の含有量は0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜12重量%、より好ましくは0.5〜8重量%、特に好ましくは0.5〜5重量%の範囲で用いる。非イオン性界面活性剤が20重量%を超えると尿素の刺激を改善する効果に劣り、皮膚適用時にベタツキ感が生じて使用感が劣りやすく、0.1重量%よりも少ないと尿素を安定的に保持できにくくなる傾向にある。
【0019】
本発明の乳化組成物には、尿素及び高級アルコールの刺激がさらに軽減されることから炭化水素をさらに含有することが好ましい。本発明における乳化組成物において、炭化水素は、通常医薬品、医薬部外品、化粧品において用いられる炭化水素を1種又は2種以上用いることができ、例えば、ワセリン、パラフィン、流動パラフィン、イソパラフィン、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライト、セレシン、ポリエチレン、ポリエチレン末、α−オレフィンオリゴマー、ポリブデン、スクワラン、スクワレン等が挙げられる。なかでも好ましくは、ワセリン、流動パラフィン、スクワランである。
【0020】
本発明の乳化組成物において、炭化水素の含有量は、本発明の目的を奏する限り限定されないが、1重量%以上、好ましくは2重量%以上、特に好ましくは5重量%以上で含有することができ、上限は40重量%以下、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下で含有する。
【0021】
本発明の乳化組成物には、グリチルレチン酸類、グリチルリチン酸類、ビタミンE類からなる群から選ばれる1種又は2種以上の助剤をさらに含有して用いることができ、安定性の観点から好ましい。
【0022】
本発明の助剤において用いることができる薬理学上許容される塩としては、例えば、有機酸塩(例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、アスパラギン酸塩、シュウ酸塩など)、無機酸塩(例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩など)、有機塩基との塩(例えば、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、モノエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ピリジン塩などの第3級アミンとの塩など)、無機塩基との塩(例えば、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩など)が挙げられる。
【0023】
本発明においてグリチルリチン酸類とは、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸の誘導体又はこれらの薬理学上許容される塩であり、具体的にはグリチルリチン酸メチル、グリチルリチン酸ステアリル、グリチルリチン酸の硝酸若しくは酢酸エステル、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸三ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、またはグリチルリチン酸三カリウムなどのアルカリ金属塩、グリチルリチン酸モノアンモニウム等のアンモニウム塩が例示できる。これらのグリチルリチン酸類は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。なかでも好ましくは、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ステアリルである。
【0024】
本発明の乳化組成物において、グリチルリチン酸類の含有量は、特に限定されることなく適宜選択することができるが、乳化組成物全重量に対して通常0.01〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%、特に好ましくは0.05〜3重量%の範囲で用いることができる。0.01重量%以下では十分な安定性を得ることができず、また10重量%以上では刺激などの問題を起こしやすくなる。
【0025】
本発明においてグリチルレチン酸類とは、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸の誘導体又はこれらの薬理学上許容される塩である。具体的にはグリチルレチン酸ステアリル、グリチルレチン酸ピリドキシン、グリチルレチン酸グリセリン、グリチルレチン酸の硝酸若しくは酢酸エステル、グリチルレチン酸二ナトリウム、グリチルレチン酸三ナトリウム、グリチルレチン酸二カリウム、グリチルレチン酸三カリウム、グリチルレチン酸モノアンモニウム等が例示できる。これらのグリチルレチン酸類は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。なかでも好ましくはグリチルレチン酸ステアリル、グリチルレチン酸二カリウムを挙げることができる。
【0026】
本発明の乳化組成物において、グリチルレチン酸類の含有量は、特に限定されることなく適宜選択することができるが、乳化組成物全重量に対して通常0.01〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%、特に好ましくは0.05〜3重量%の範囲で用いることができる。0.01重量%以下では十分な安定性を得ることができず、また10重量%以上では刺激などの問題を起こしやすくなる。
【0027】
本発明のビタミンE類は、トコフェロール、トコフェロール誘導体又はこれらの薬理学上許容される塩があげられる。ビタミンE類は、天然品、合成品のいずれも利用することができ、具体的には、d−α−トコフェロール、dl−α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、ビタミンE酢酸エステル(酢酸トコフェロール)、ビタミンEニコチン酸エステル、ビタミンEコハク酸エステル、ビタミンEリノレン酸エステル、コハク酸トコフェロールカルシウム等が挙げられ、これらのビタミンE類は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。なかでも、酢酸トコフェロール(酢酸d−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール等)またはその塩が好ましい。
【0028】
本発明の乳化組成物において、ビタミンE類の含有量は、特に限定されることなく適宜選択することができるが、乳化組成物全重量に対して通常0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%の範囲で用いることができる。0.01重量%以下では十分な安定性を得ることができず、また10重量%以上では刺激などの問題を起こしやすくなる。
【0029】
本発明において、上記した助剤は、単独で使用しても、また任意に組み合わせて使用することもでき、組み合わせて使用する場合にはより可溶化又は安定性が高まることから好ましい。かかる組合せの態様としては、特に制限されないが、グリチルレチン類とビタミンE類、グリチルリチン類とビタミンE類、の組み合わせが好ましい。
【0030】
本発明の乳化組成物は、尿素を大量に含むことから、老人性の乾皮症や、サメ肌、角化症、肌あれを伴う皮膚に使用するための皮膚外用乳化組成物、例えば、保湿剤、角質軟化剤、皮膚炎治療剤、乾燥肌用治療剤等に用いるのが好適である。また、本発明の効果により、刺激に対して敏感になった上記皮膚疾患を伴う皮膚にも安全に使用できる。
【0031】
本発明の乳化組成物は、通常pH5〜10の液性を備えていればよいが、安定性の観点と、皮膚に対する効果、及び皮膚使用感のよさという観点から、好ましくはpH6〜10、より好ましくはpH6〜9、特に好ましくはpH7〜9であることが望ましい。また、粘度はBL型粘度計、No.4ローターで6rpmで測定した場合に、5000〜100000mPa・sの粘度を備えていればよいが、指取り性や塗布しやすさなどの観点から、好ましくは10000〜80000mPa・s、さらに好ましくは、10000〜50000mPa・sが好ましい。
【0032】
本発明の乳化組成物の調製方法は、特に制限されず、通常の乳化組成物を調製するのに必要な各種成分などを適宜選択、配合して、常法によりクリーム、乳液、ローション、ゲルなどの剤型に調製することができる。また、本発明の乳化組成物の外皮への適用量や用法は特に制限されず、通常、一日数回、適量を皮膚等の外皮に塗布するなどして用いることができる。
【0033】
本発明の乳化組成物には、医薬品、医薬部外品において使用される有効成分を1種または2種以上組み合わせて配合することができる。これらの各成分としては、外用剤に用いられる薬効成分であれば特に制限されず、例えば、鎮痒薬、創傷治癒薬、消炎鎮痛薬、殺菌消毒薬、保湿薬、角質軟化薬、にきび治療薬、腋臭防止薬、水虫治療薬などを任意に使用することができる。
【0034】
本発明の乳化組成物は、保存安定性や粘度等の品質を損なわず、また本発明の効果を損なわない量的及び質的範囲内で、必要に応じて医薬品、医薬部外品または化粧品分野において一般的に用いられる各種の成分、例えば界面活性剤、多価アルコール、安定化剤、刺激軽減剤、増粘剤、防腐剤、着色剤、分散剤、pH調整剤、香料等を配合することができる。なお、これらの成分は1種単独で、または2種以上を任意に組み合わせて配合することができる。
【0035】
【実施例】
以下に本発明を実施例及び試験例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例等に限定されるものではない。なお、下記の各処方において%とは、特に言及しない限り、重量(W/W)%を意味するものとする。
実施例 1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.01(g)
酢酸トコフェロール 0.5
dl−メントール 0.1
パラベン 0.1
尿素 20.0
ワセリン 5.0
2−エチルヘキサン酸セチル 2.0
POE(21)ラウリルエーテル 3.0
セスキオレイン酸ソルビタン 3.0
ステアリルアルコール 2.0
キサンタンガム 0.1
カラギーナン 0.04
1,3−ブチレングリコール 10.0
グリセリン 5.0
トリエタノールアミン 0.2
精製水 適 量
合計 100.0g
【0036】
実施例 2
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1(g)
酢酸トコフェロール 0.5
dl−メントール 0.1
パラベン 0.1
尿素 10.0
ワセリン 5.0
2−エチルヘキサン酸セチル 1.0
POE(50)オレイルエーテル 10.0
ミリスチン酸グリセリル 1.0
セタノール 1.0
カルボキシビニルポリマー 1.0
ヒドロキシエチルセルロース 0.4
1,3−ブチレングリコール 10.0
グリセリン 5.0
トリエタノールアミン 0.2
精製水 適 量
合計 100.0g
【0037】
実施例 3
グリチルリチン酸ジカリウム 0.2(g)
酢酸トコフェロール 2.0
dl−メントール 0.1
パラベン 0.1
尿素 5.0
ワセリン 5.0
2−エチルヘキサン酸セチル 5.0
モノヤシ油脂肪酸POE(20)ソルビタン 8.0
ペンタステアリン酸デカグリル 2.0
セタノール 3.0
カルボキシビニルポリマー 0.5
ヒドロキシエチルセルロース 0.4
1,3−ブチレングリコール 10.0
グリセリン 5.0
トリエタノールアミン 0.2
精製水 適 量
合計 100.0g
【0038】
実施例 4
グリチルリチン酸ジカリウム 0.3(g)
酢酸トコフェロール 1.0
dl−メントール 0.1
パラベン 0.1
尿素 35.0
ワセリン 5.0
2−エチルヘキサン酸セチル 2.0
POE(20)ベヘニルエーテル 5.0
POE(3)ヒマシ油 5.0
ベヘニルアルコール 1.5
アクリル酸・メタクリル酸(C10〜C30)アルキルコポリマー 1.0
ヒドロキシエチルセルロース 0.4
1,3−ブチレングリコール 10.0
グリセリン 5.0
トリエタノールアミン 0.2
精製水 適 量
合計 100.0g
【0039】
実施例 5
グリチルリチン酸ジカリウム 0.5(g)
酢酸トコフェロール 0.5
dl−メントール 0.1
パラベン 0.1
尿素 5.0
ワセリン 5.0
2−エチルヘキサン酸セチル 10.0
POE(21)ラウリルエーテル 3.0
ペンタステアリン酸デカグリル 3.0
ステアリルアルコール 0.5
ヒドロキシエチルセルコース 1.0
ヒドロキシエチルセルロース 0.4
1,3−ブチレングリコール 10.0
グリセリン 5.0
トリエタノールアミン 0.2
精製水 適 量
合計 100.0g
【0040】
実施例 6
グリチルリチン酸ジカリウム 0.5(g)
酢酸トコフェロール 0.1
dl−メントール 0.1
パラベン 0.1
尿素 5.0
ワセリン 5.0
POE(50)オレイルエーテル 0.5
ミリスチン酸グリセリル 2.0
セタノール 2.5
モノステアリン酸グリセリル 2.0
カルボキシビニルポリマー 3.0
ヒドロキシエチルセルロース 1.0
1,3−ブチレングリコール 10.0
グリセリン 5.0
トリエタノールアミン 0.2
精製水 適 量
合計 100.0g
【0041】
実施例 7
グリチルリチン酸ジカリウム 1.0(g)
酢酸トコフェロール 0.01
dl−メントール 0.1
パラベン 0.1
尿素 5.0
ワセリン 5.0
2−エチルヘキサン酸セチル 0.1
モノヤシ油脂肪酸POE(20)ソルビタン 1.0
セスキオレイン酸ソルビタン 1.0
ベヘニルアルコール 1.0
カルボキシビニルポリマー 1.0
ヒドロキシエチルセルロース 0.4
1,3−ブチレングリコール 10.0
グリセリン 5.0
トリエタノールアミン 0.2
精製水 適 量
合計 100.0g
【0042】
試験例1 刺激・使用感試験
比較例1〜3及び実施例8〜10を表1に示す処方に従って常法により調整した。30代女性20名に比較例1〜3、実施例8〜10の乳化組成物を1週間連続使用してもらい、皮膚へのチクチク・ピリピリと感じる刺激感、しっとり感、滑らかなすべり感等の使用感を評価してもらい、その評価を以下のように判定した。
【0043】
評価基準 、評価記号
良いと答えた人が17名以上の場合 ◎
〃 12〜16名の場合 ○
〃 8名〜11名の場合 △
〃 7人以下の場合 ×
【0044】
【表1】
【0045】
表1の結果から明らかなように、本発明の乳化組成物である実施例8〜10のクリームは、皮膚への刺激が十分に改善されており、優れた使用感を有していることが確認された。
一方、比較例1は、皮膚への刺激が十分に改善されておらず、滑らかなすべり感が少なく使用感に劣っていた。比較例2(2−エチルへキサン酸イソセチルは、分岐脂肪酸と分岐高級アルコールからなるエステル油である)は、皮膚へ適用したときにチクチク・ピリピリした刺激感があり、しっとり感が少なく使用感が良好でなかった。比較例3(パルミチン酸セチルは、直鎖脂肪酸と直鎖高級アルコールからなるエステル油である)は、皮膚への刺激が十分に改善されておらず、しっとり感・滑らかなすべり感が少なく使用感に劣っていた。
【0046】
試験例2 安定性試験
実施例1〜10の各乳化組成物を常法により調製し、40℃で3カ月保存した後、以下の(1)及び(2)の方法によって尿素安定性を評価した。
(1)各実施例を0.5gとり、ガラス平板上で薄く均一に塗り広げて尿素の析出を目視にて確認した。
(2)各実施例を1.0gとり、アンモニア臭の有無を官能にて評価した。
【0047】
安定性試験の結果、本発明の実施例1〜10の乳化組成物は、いずれも尿素の析出、アンモニア臭が観察されず、尿素が安定に保持されていることが確認された。
【0048】
発明の効果
本発明の乳化組成物は、皮膚への刺激が改善され、尿素が安定に保持され、滑らなすべり感,しっとり感といった使用感の良好な優れた組成物である。
Claims (4)
- 尿素5〜35重量%、高級アルコール、分岐脂肪酸と直鎖高級アルコールからなるエステル油及び非イオン性界面活性剤0.1〜20重量%とを含有することを特徴とする乳化組成物。
- 分岐脂肪酸と直鎖高級アルコールからなるエステル油が、2−エチルヘキサン酸セチルである請求項1に記載の乳化組成物。
- 非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1または2に記載の乳化組成物。
- さらに炭化水素を含有する請求項1乃至3のいずれかに記載の乳化組成物。
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