JP2017186329A - 皮膚色素沈着抑制剤 - Google Patents

皮膚色素沈着抑制剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2017186329A
JP2017186329A JP2017071005A JP2017071005A JP2017186329A JP 2017186329 A JP2017186329 A JP 2017186329A JP 2017071005 A JP2017071005 A JP 2017071005A JP 2017071005 A JP2017071005 A JP 2017071005A JP 2017186329 A JP2017186329 A JP 2017186329A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
skin pigmentation
lidocaine
prednisolone
skin
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017071005A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7001356B2 (ja
Inventor
真 平野
Makoto Hirano
真 平野
尚子 原田
Naoko Harada
尚子 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd
Publication of JP2017186329A publication Critical patent/JP2017186329A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7001356B2 publication Critical patent/JP7001356B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

【課題】本発明の目的は、従来報告されていない新たな皮膚色素沈着抑制剤の探索し、優れた皮膚色素沈着抑制作用を有する外用組成物を提供することである。【解決手段】リドカイン及び/又はその塩には、優れた皮膚色素沈着抑制作用があり、皮膚色素沈着抑制剤として使用できる。また、リドカイン及び/又はその塩とプレドニゾロン及び/又はその誘導体を併用することによって、リドカインの皮膚色素沈着抑制作用が飛躍的に向上する。【選択図】なし

Description

本発明は、皮膚のシミ、そばかす、くすみ、黒ずみ、肝斑、老人性色素斑等の色素沈着を抑制できる皮膚色素沈着抑制剤に関する。
皮膚のシミ、そばかす、くすみ、黒ずみ、肝斑、老人性色素斑等の色素沈着は、紫外線曝露、ホルモンの異常や物理的な刺激等が原因となってメラニンが過剰に形成され、これが皮膚内に沈着することによって生じることが分かっている。このような皮膚の色素沈着は、特に女性にとって美容上の大きな悩みとなっている。
従来、皮膚の色素沈着を抑制して美肌をもたらす成分の探索は精力的に行われており、ビタミンC、ビタミンC誘導体、アルブチン、カミツレエキス等の成分には、皮膚の色素沈着を抑制できることが報告されている。しかしながら、従来、皮膚の色素沈着抑制作用が報告されている成分では、効果が緩慢で十分ではない、安定性が不十分で製剤化が困難である、等の欠点があり、必ずしも消費者ニーズを十分に満足できるものではない。このような従来技術を背景として、新たな皮膚色素沈着抑制剤の探索が切望されている。
一方、リドカイン及びその塩は、世界で最も使用されている局所麻酔薬であり、作用発現が速いことから様々な部位に使用される公知の薬剤である。局所麻酔の目的で外用のクリーム剤やテープ剤に配合できることが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。しかしながら、従来、局所麻酔作用と皮膚の色素沈着抑制作用との相関は報告されておらず、リドカイン及びその塩が皮膚の色素沈着抑制作用を有することについては一切知られていない。
また、プレドニゾロン及びその誘導体は、外用副腎皮質ホルモン剤として知られている。特に、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルは、皮膚表面の患部で優れた効果を示し、体内に吸収されると作用の弱い物質に分解することで副作用を低減できることが知られている。そこで、従来、プレドニゾロン及びその誘導体は、かゆみ止めや湿疹治療の目的で外用のクリーム剤に配合して使用されている(例えば、特許文献3参照)。一方で、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルには、メラニン産生量を増加させる作用があり、増加色素沈着抑制作用がないことが報告されている(特許文献4参照)。
特開平7−291856号公報 特開2005−23907号公報 特開2007−277194号公報 特開2011−178777号公報
本発明の目的は、従来報告されていない新たな皮膚色素沈着抑制剤を探索し、優れた皮膚色素沈着抑制作用を有する外用組成物を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、驚くべきことに、リドカイン及び/又はその塩には、優れた皮膚色素沈着抑制作用があることを見出した。更に、本発明者は、リドカイン及び/又はその塩と、プレドニゾロン及び/又はその誘導体とを併用することによって、リドカイン及び/又はその塩の皮膚色素沈着抑制作用が飛躍的に向上することをも見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. リドカイン、及びその薬学的に許容される塩よりなる群から選択される少なくとも1種のリドカイン類を含む、皮膚色素沈着抑制剤。
項2. 更に、プレドニゾロン、及びその薬学的に許容される誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種のプレドニゾロン類を含む、項1に記載の皮膚色素沈着抑制剤。
項3. 前記プレドニゾロン類が、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルである、項2に記載の皮膚色素沈着抑制剤。
項4. 前記リドカイン類100重量部当たり、プレドニゾロン類を0.1〜100000重量部含有する、項2又は3に記載の皮膚色素沈着抑制剤。
項5. 項1〜4のいずれかに記載の皮膚色素沈着抑制剤を含有する、皮膚色素沈着抑制用の外用組成物。
項6. 乳化製剤である、項5に記載の皮膚色素沈着抑制用の外用組成物。
本発明によれば、リドカイン及び/又はその塩を使用することにより、皮膚のシミ、そばかす、くすみ、黒ずみ、肝斑、老人性色素斑等の色素沈着を効果的に抑制することができる。更に、本発明によれば、リドカイン及び/又はその塩と共に、プレドニゾロン及び/又はその誘導体を併用することによって、格段に優れた皮膚色素沈着抑制作用を発揮させることができる。従って、従来にない新しい皮膚色素沈着抑制剤により、皮膚の色素沈着を効果的に抑制し、美肌をもたらすことが可能になる。
試験例1において、リドカイン単独、及びリドカインとプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルの併用によるチロシナーゼ阻害作用を評価した結果を示す図である。 試験例2において、各クリーム剤の色素沈着抑制作用を評価した結果を示す図である。
本発明の皮膚色素沈着抑制剤は、リドカイン及びその薬学的に許容される塩よりなる群から選択される少なくとも1種のリドカイン類を含むことを特徴とする。以下、本発明の皮膚色素沈着抑制剤について詳述する。
(利用する成分)
本発明の皮膚色素沈着抑制剤では、リドカイン及び/又はその塩を含む。
リドカインとは、局所麻酔効果を有することが知られており、キシロカインとも称される公知の薬剤である。また、リドカインの塩については、薬学的に許容されることを限度として、特に制限されないが、例えば、塩酸塩等の無機酸塩が挙げられる。
本発明の皮膚色素沈着抑制剤において、リドカイン及びその塩の中から1種を選択して単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。リドカイン及びその塩の中でも、好ましくはリドカイン及び塩酸リドカインが挙げられる。
また、本発明の皮膚色素沈着抑制剤は、前記リドカイン類と共に、プレドニゾロン及びその薬学的に許容される誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種のプレドニゾロン類を組み合わせて使用してもよい。このように、リドカイン類とプレドニゾロン類とを併用することによって、より一層効果的に皮膚色素沈着抑制作用を発揮させることが可能になる。
プレドニゾロンは、外用副腎皮質ホルモン剤として、公知の薬剤である。また、プレドニゾロンの誘導体としては、薬学的に許容されることを限度として、特に制限されないが、例えば、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、プレドニゾロン酢酸エステル、プレドニゾロンコハク酸エステル等のプレドニゾロンとモノ又はジカルボン酸(炭素数2〜7)とのエステル体;メチルプレドニゾロン;メチルプレドニゾロン酢酸エステル、メチルプレドニゾロンコハク酸エステル等のメチルプレドニゾロンとモノ又はジカルボン酸(炭素数2〜7)とのエステル体等が挙げられる。
プレドニゾロン類の中でも、好ましくはプレドニゾロン、プレドニゾロンとモノ又はジカルボン酸(炭素数2〜7)とのエステル体、更に好ましくはプレドニゾロンとモノ又はジカルボン酸(炭素数2〜7)とのエステル体、特に好ましくはプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルが挙げられる。
本発明の皮膚色素沈着抑制剤において、プレドニゾロン及び/又はその誘導体の中から、1種の化合物を選択して単独で使用してもよく、また2種以上の化合物を組み合わせて使用してもよい。
本発明の皮膚色素沈着抑制剤において、リドカイン類とプレドニゾロン類とを併用する場合、これらの比率については、特に制限されないが、例えば、リドカイン類の総量100重量部当たり、プレドニゾロン類が総量で0.1〜100000重量部、好ましくは0.625〜10000重量部、更に好ましくは1〜500重量部が挙げられる。
(使用態様)
本発明の皮膚色素沈着抑制剤は、皮膚外用医薬品、化粧料、皮膚洗浄料等の外用組成物に、皮膚色素沈着抑制作用を付与する目的で添加して使用される。
外用組成物における本発明の皮膚色素沈着抑制剤の含有量については、特に制限されないが、例えば、リドカイン類の含有量として0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜8重量%、更に好ましくは1〜5重量%が挙げられる。また、本発明の皮膚色素沈着抑制剤がプレドニゾロン類を含む場合には、外用組成物におけるプレドニゾロン類の含有量として、例えば、0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜10重量%、更に好ましくは0.05〜5重量%が挙げられる。
(外用組成物に配合可能な成分)
本発明の皮膚色素沈着抑制剤を含む外用組成物は、当該皮膚色素沈着抑制剤以外に、必要に応じて、他の薬理成分を含有していてもよい。このような薬理成分としては、例えば、鎮痒剤(ジフェンヒドラミン、ジフェンヒドラミン塩酸塩、マレイン酸クロルフェニラミン、クロタミトン等)、局所麻酔剤(ジブカイン、アミノ安息香酸メチル、プロカイン、テトラカイン、ブピパカイン、メピパカイン、クロロプロカイン、プロパラカイン、メプリルカイン又はこれらの塩、オルソカイン、オキセサゼイン、オキシポリエントキシデカン、ロートエキス、ペルカミンパーゼ、テシットデシチン等)、抗炎症剤(アラントイン、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸メチル、グリチルリチン酸ステアリル、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ピリドキシン、グリチルレチン酸ステアリル、グリチルレチン酸グリセリル、グリチルレチン酸モノグルクロニド、サリチル酸、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、インドメタシン、フェルビナク、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム、ウフェナマート、イブプロフェンピコノール、スプロフェン、ベンダザック、スプロフェン、ブフェキサマク等)、殺菌剤(ベンザルコニウム塩化物、デカリニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物、セチルピリジニウム塩化物、クロルヘキシジン塩化物、グルコン酸クロルヘキシジン、イソプロピルメチルフェノール、アンモニア水、スルファジアジン、乳酸、フェノール等)、皮膚保護剤(コロジオン、ヒマシ油等)、血行促進剤(ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、カプサイシン、トウガラシエキス等)、清涼化剤(メントール、カンフル等)、ビタミン類(ビタミンA、B、C、D等)、ムコ多糖類(へパリン類似物質、コンドロイチン硫酸ナトリウム、グルコサミン、ヒアルロン酸等)等が挙げられる。
また、本発明の皮膚色素沈着抑制剤を含む外用組成物は、所望の製剤形態にするために、必要に応じて、基剤や添加剤が含まれていてもよい。このような基剤や添加剤については、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、水、低級アルコール(エタノール、イソプロパノール等)、多価アルコール(グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等)等の水性基剤;油類(オリーブ油、サフラワー油、大豆油、つばき油、とうもろこし油、なたね油、ひまわり油、綿実油、落花生油、ラード、スクワラン、魚油等)、鉱物油(流動パラフィン、パラフィン、ゲル化炭化水素、ワセリン等)、ワックス類・ロウ類(ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、セレシン、ライスワックス、マイクロクリスタリンワックス等)、エステル油(ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸イソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、オレイン酸エチル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル等)、脂肪酸アルキルエステル、脂肪酸(ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、リノール酸、ラノリン等)、脂肪酸エステル(パルミチン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、リノール酸エチル等)、中鎖脂肪酸トリグリセリド、高級アルコール(ステアリルアルコール、セタノール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ラノリンアルコール、コレステロール、ジヒドロコレステロール、フィトステロール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、リノレイルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール等)、2−エチルヘキサン酸セチル、シリコーンオイル(ジメチルポリシロキサン、環状シリコーン等)等の油性基剤;POE(10〜50モル)フィトステロールエーテル、POE(10〜50モル)ジヒドロコレステロールエーテル、POE(10〜50モル)2−オクチルドデシルエーテル、POE(10〜50モル)デシルテトラデシルエーテル、POE(10〜50モル)オレイルエーテル、POE(2〜50モル)セチルエーテル、POE(5〜50モル)ベヘニルエーテル、POE(5〜30モル)ポリオキシプロピレン(5〜30モル)2−デシルテトラデシルエーテル、POE(10〜50モル)ポリオキシプロピレン(2〜30モル)セチルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル、これらのリン酸・リン酸塩(POEセチルエーテルリン酸ナトリウムなど)、POE(20〜60モル)ソルビタンモノオレート、POE(10〜60モル)ソルビタンモノイソステアレート、POE(10〜80モル)グリセリルモノイソステアレート、POE(10〜30モル)グリセリルモノステアレート、POE(20〜100モル)・ポリオキシプロピレン変性シリコーン、POE・アルキル変性シリコーン、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノパルミチン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジラウリン酸ポリエチレングリコール、ジパルミチン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸ポリエチレングリコール、ジリシノレイン酸ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(5〜100)、ポリソルベート(20〜85)、グリセリン脂肪酸エステル(モノステアリン酸グリセリン等)、水素添加大豆リン脂質、水素添加ラノリンアルコール等の界面活性剤;清涼化剤(メントール、カンフル、ボルネオール、ハッカ水、ハッカ油等)、防腐剤(メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸等)、着香剤(シトラール、1,8−シオネール、シトロネラール、ファルネソール等)、着色剤(タール色素(褐色201号、青色201号、黄色4号、黄色403号等)、カカオ色素、クロロフィル、酸化アルミニウム等)、粘稠剤(カルボキシビニルポリマー、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、カラギーナン等)、pH調整剤(リン酸、塩酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、酒石酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)、湿潤剤(dl−ピロリドンカルボン酸ナトリウム液、D−ソルビトール液、マクロゴール等)、安定化剤(ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エデト酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、L−アルギニン、L−アスパラギン酸、DL−アラニン、グリシン、エリソルビン酸ナトリウム、没食子酸プロピル、亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、クロロゲン酸、カテキン、ローズマリー抽出物等)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、粘着剤、緩衝剤、溶解補助剤、可溶化剤、保存剤等の添加剤が挙げられる。
(外用組成物の用途・製剤形態)
本発明の皮膚色素沈着抑制剤を含む外用組成物は、皮膚外用剤として、色素沈着の抑制(予防や改善等)が求められる皮膚部位に適用し、美白等の用途で使用される。本発明の皮膚色素沈着抑制剤及び前記外用組成物の抑制対象となる皮膚色素沈着の種類については、特に制限されないが、例えば、皮膚のシミ、そばかす、くすみ、肝斑、老人性色素斑、物理的刺激による黒ずみ等が挙げられる。
前記外用組成物は、経皮適用できる剤型である限り、その製剤形態については、特に制限されず、液状、固形状、半固形状(クリーム状、ゲル状、軟膏状、ペースト状)等のいずれであってもよい。また、前記外用組成物は、水中油型乳化製剤、油中水型乳化製剤等の乳化製剤であってもよく、また水性製剤、油性製剤等の非乳化製剤であってもよい。
前記外用組成物の剤型として、より一層効果的に色素沈着抑制作用を発揮させるという観点から、好ましくは乳化製剤、更に好ましくはクリーム状の乳化製剤が挙げられる。
また、前記外用組成物は、皮膚に適用されるものである限り、皮膚外用医薬品、化粧料、皮膚洗浄料等のいずれの製剤形態であってもよい。
前記外用組成物の製剤形態として、具体的には、クリーム剤、ローション剤、ジェル剤、乳液剤、液剤、パップ剤、貼付剤、リニメント剤、エアゾール剤、軟膏剤、パック剤等の皮膚外用医薬品;軟膏、クリーム、乳液、化粧水、ローション、パック、ゲル等の化粧料;ボディーシャンプー、ヘアシャンプー、リンス等の皮膚洗浄料等が挙げられる。これらの製剤形態の中でも、好ましくは皮膚外用医薬品、更に好ましくはクリーム剤が挙げられる。
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
試験例1:チロシナーゼ活性阻害効果の測定
<酵素、基質溶液の調製>
チロシナーゼ(マッシュルーム由来、Sigma製)を20%エタノール1/15Mリン酸緩衝液(pH7.2)を用いて55units/mlとなるように調製し、酵素溶液とした。また、L-DOPA(3,4-dihydroxy-L-phenylalanine、Sigma製)を20%エタノール1/15Mリン酸緩衝液を用いて0.61mMとなるように調製し、基質溶液とした。
<被験溶液の調製>
リドカインを100%エタノールに溶解し、酵素溶液との反応直前に1/15Mリン酸緩衝液で希釈して、最終的にwell中で1.32mg/ml、5.32mg/ml、8.00mg/ml、13.32mg/mlとなるように調製し、被験溶液とした。また、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルも同様に、100%エタノールに溶解したものを、酵素溶液との反応直前に1/15Mリン酸緩衝液で希釈して、最終的にwell中で0.40mg/mlとなるように調製し、被験溶液とした。なお、リドカインとプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルを混合した場合のために、それぞれ倍の濃度の被験溶液も調製した。
<阻害活性測定>
96ウェルプレートに被験溶液を50μl/wellとなるように添加した後、酵素溶液を50μl/wellとなるように添加し、37℃で10分間インキュベートを行った。その後、基質溶液を100μl/wellとなるように添加し、更に37℃で10分間インキュベートを行い、波長475nmにおける吸光度を測定した。被験溶液Blankとしては、前記基質溶液に代えて20%エタノール1/15Mリン酸緩衝液を100μl添加し、測定を行った。なお、リドカインとプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルを混合した場合の評価は、倍の濃度で調製した被験溶液を25μl/wellずつ添加することで測定した。
対照溶液としては、96ウェルプレートに被験溶液に代えて20%エタノール1/15Mリン酸緩衝液を50μl/wellで添加した後、酵素溶液を50μl/wellとなるように添加し、37℃で10分間インキュベートを行った。その後、基質溶液を100μl/wellとなるように添加し、更に37℃で10分間インキュベートを行い、波長475nmにおける吸光度を測定した。対照溶液blankとしては、前記基質溶液に代えて20%エタノール1/15Mリン酸緩衝液を100μl添加し、測定を行った。
波長475nmにおける吸光度の測定値に基づいて、下記式1に従って、チロシナーゼ活性阻害率(%)を算出した。
<結果>
得られた結果を表1及び図1に示す。この結果から、リドカインは、濃度依存的にチロシナーゼ活性を阻害できることが確認され、皮膚色素沈着抑制剤に使用可能であることが明らかになった(実施例1〜4)。また、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルは、皮膚色素沈着抑制作用がないことが知られているが、リドカインと併用することによって、リドカインのチロシナーゼ活性阻害作用を飛躍的に増強できることも明らかとなった(実施例5〜8)。
試験例2:色素沈着抑制作用の評価
表2に示す組成の水中油型クリーム剤を常法に従って調製した。
各水中油型クリーム剤について、以下の方法に従って、テープストリッピングにより誘発させた色素沈着の抑制効果を評価した。被験者の下腕部(約1.5cm×1.5cm四方)(試験部位)の5か所に粘着テープを貼って剥がす操作を50回行い、試験部位に色素沈着を誘発させた。次いで、各試験部位に、各水中油型クリーム剤を1回当たり約0.1gとなる量で、1日3回の頻度で8日間塗布した。クリーム剤の塗布1日後、4日後、及び7日後に、各試験部位のメラニン値をマルチプローブアダプターMPA6(Courage-Khazaka Electronic, Koln社製)で測定した。また、本試験では、コントロールとして、試験部位にクリーム剤を塗布しなかった試験部位のメラニン値についても、同様に測定を行った。なお、マルチプローブアダプターMPA6で測定されるメラニン値は、皮膚に沈着しているメラニン量を反映しており、その値が多い程、皮膚に沈着しているメラニン量が多いことを意味する。
次いで、クリーム剤の塗布前のメラニン値を基準としたときの各試験部位のメラニン値の変化量を算出した。なお、本試験では、コントロールとして、試験部位にクリーム剤を塗布しなかった試験部位のメラニン値についても、同様に測定を行った。
得られた結果を表3及び図2に示す。この結果から、リドカインを含むクリーム剤(実施例9〜11)では、コントロールやリドカインを含まないクリーム(比較例1)に比べて、メラニン変化量が少なく、メラニンの沈着を抑制できており、リドカインには、優れた皮膚色素沈着抑制作用があることが明らかとなった。また、リドカインと共にプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルを含むクリーム剤(実施例11)では、リドカインを単独で使用した場合(実施例1〜2)に比して、皮膚色素沈着抑制作用が飛躍的に向上していることも明らかとなった。

Claims (6)

  1. リドカイン、及びその薬学的に許容される塩よりなる群から選択される少なくとも1種のリドカイン類を含む、皮膚色素沈着抑制剤。
  2. 更に、プレドニゾロン、及びその薬学的に許容される誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種のプレドニゾロン類を含む、請求項1に記載の皮膚色素沈着抑制剤。
  3. 前記プレドニゾロン類が、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルである、請求項2に記載の皮膚色素沈着抑制剤。
  4. 前記リドカイン類100重量部当たり、プレドニゾロン類を0.1〜100000重量部含有する、請求項2又は3に記載の皮膚色素沈着抑制剤。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の皮膚色素沈着抑制剤を含有する、皮膚色素沈着抑制用の外用組成物。
  6. 乳化製剤である、請求項5に記載の皮膚色素沈着抑制用の外用組成物。
JP2017071005A 2016-03-31 2017-03-31 皮膚色素沈着抑制剤 Active JP7001356B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016070555 2016-03-31
JP2016070555 2016-03-31

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017186329A true JP2017186329A (ja) 2017-10-12
JP7001356B2 JP7001356B2 (ja) 2022-01-19

Family

ID=60044577

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017071005A Active JP7001356B2 (ja) 2016-03-31 2017-03-31 皮膚色素沈着抑制剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7001356B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7465066B2 (ja) 2019-06-17 2024-04-10 小林製薬株式会社 乳化安定化剤

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001089371A (ja) * 2000-07-18 2001-04-03 Shoei:Kk ニトロイミダゾール系化合物を含むアトピー性皮膚炎治療用の外用剤
JP2001288083A (ja) * 1999-07-21 2001-10-16 Shoei:Kk 皮膚の色素異常症、瘢痕等の治療用又は予防用外用剤
JP2002179516A (ja) * 2000-12-13 2002-06-26 Pola Chem Ind Inc 美白用組成物
CN1515268A (zh) * 2003-01-02 2004-07-28 吕四发 一种治疗雀斑、黑痣的酊剂
WO2012141255A1 (ja) * 2011-04-12 2012-10-18 株式会社 資生堂 美白剤およびメラニン生成抑制剤
JP2015218147A (ja) * 2014-05-20 2015-12-07 ロート製薬株式会社 リラナフタート含有外用医薬組成物

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001288083A (ja) * 1999-07-21 2001-10-16 Shoei:Kk 皮膚の色素異常症、瘢痕等の治療用又は予防用外用剤
JP2001089371A (ja) * 2000-07-18 2001-04-03 Shoei:Kk ニトロイミダゾール系化合物を含むアトピー性皮膚炎治療用の外用剤
JP2002179516A (ja) * 2000-12-13 2002-06-26 Pola Chem Ind Inc 美白用組成物
CN1515268A (zh) * 2003-01-02 2004-07-28 吕四发 一种治疗雀斑、黑痣的酊剂
WO2012141255A1 (ja) * 2011-04-12 2012-10-18 株式会社 資生堂 美白剤およびメラニン生成抑制剤
JP2015218147A (ja) * 2014-05-20 2015-12-07 ロート製薬株式会社 リラナフタート含有外用医薬組成物

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
"ID 10212135", DATABASE GNPD [ONLINE],MINTEL, JPN6021023555, March 2005 (2005-03-01), ISSN: 0004530501 *
"ID 1171364", DATABASE GNPD [ONLINE],MINTEL, JPN6021023553, September 2009 (2009-09-01), ISSN: 0004530502 *
"ID 1415442", DATABASE GNPD [ONLINE],MINTEL, JPN6021023552, October 2010 (2010-10-01), ISSN: 0004530503 *

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7465066B2 (ja) 2019-06-17 2024-04-10 小林製薬株式会社 乳化安定化剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP7001356B2 (ja) 2022-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8679552B2 (en) Acne vulgaris treatment regimen
CN106659713B (zh) 外用组合物
JP6666068B2 (ja) 外用組成物
JP6725207B2 (ja) 皮膚色素沈着抑制剤
JP6765299B2 (ja) 水性製剤
JP7001356B2 (ja) 皮膚色素沈着抑制剤
JP2007262030A (ja) 皮膚外用剤
JP7446711B2 (ja) 皮膚外用組成物
JP2018203674A (ja) 皮脂分泌促進剤及び外用組成物
JP7361448B2 (ja) トランスグルタミナーゼ発現促進剤
JP2001322990A (ja) 活性酸素消去剤及びそれを含有する活性酸素消去用の組成物
JP6920031B2 (ja) 慢性角化型湿疹改善剤
JP2019006697A (ja) 活性酸素消去剤
WO2018123004A1 (ja) メラニン生成抑制用の外用組成物
WO2018123003A1 (ja) メラニン生成抑制用の外用組成物
JP7153429B2 (ja) 活性酸素消去剤
JP2005170913A (ja) 抗真菌性外用組成物
JPH10265365A (ja) ニキビ用皮膚外用剤
JP7329910B2 (ja) 皮膚外用組成物
JP7417347B2 (ja) 慢性角化型湿疹改善剤
JP7299683B2 (ja) 皮膚外用組成物
JP2017088541A (ja) 異常瘢痕形成抑制剤
JP2021195323A (ja) 外用組成物
JP2017171643A (ja) 外用組成物
JP6735587B2 (ja) 外用組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200206

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210106

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210622

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211130

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211224

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7001356

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150