JP7299683B2 - 皮膚外用組成物 - Google Patents
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Description
項1. (A)ジフェンヒドラミン及び/又はその塩、(B)リドカイン及び/又はその塩、並びに(C)ウフェナマートを含有する皮膚外用組成物。
項2. 鎮痒用途で使用される、項1に記載の皮膚外用組成物。
項3. (A)ジフェンヒドラミン及び/又はその塩並びに(B)リドカイン及び/又はその塩を含む皮膚外用組成物において、鎮痒効果を向上させる方法であって、
皮膚外用組成物に、前記(A)成分及び前記(B)成分とともに(C)ウフェナマートを配合する、鎮痒効果向上方法。
本発明の皮膚外用組成物は、(A)ジフェンヒドラミン類(以下、「(A)成分」とも記載する。)、(B)リドカイン類(以下、「(B)成分」とも記載する。)、及び(C)ウフェナマート(以下「(C)成分」とも記載する。)を含有することを特徴とする。以下、本発明の皮膚外用組成物について詳述する。
本発明の皮膚外用組成物は、(A)成分としてジフェンヒドラミン及び/又はその塩を含有する。ジフェンヒドラミンは、抗ヒスタミン作用があることが知られている公知の薬剤である。(A)成分は単独では鎮痒効果を発現するまでに時間がかかるため、皮膚外用組成物適用後の初期段階では有効な鎮痒性を生じさせず、却って掻痒を悪化させる作用すらあるが、本発明の皮膚外用組成物は、速やかに有効な掻痒性を発揮することが可能である。
本発明の皮膚外用組成物は、(B)成分としてリドカイン及び/又はその塩を含有する。リドカインは、キシロカインとも称され、局所麻酔効果を有することが知られている公知の薬剤である。(B)成分はその作用発現が速いことが知られている一方で、(A)成分と組み合わせても鎮痒作用を有効に速めることはできないが、本発明の皮膚外用組成物は、速やかに鎮痒効果を発揮することが可能である。
本発明の皮膚外用組成物は、(C)成分としてウフェナマートを含有する。ウフェナマートは、フルフェナム酸ブチルとも呼ばれ、脂溶性の非ステロイド性抗炎症薬として公知の成分である。ウフェナマートは、それ自体は有効な鎮痒性を発揮せず、むしろ単独では適用後の初期段階で鎮痒性を悪化させる作用すらあるが、本発明の皮膚外用組成物においては、(A)成分及び(B)成分とともに組み合わされることによって、(A)成分の単独配合による欠点(つまり、鎮痒効果を発現するまでに時間がかかるため、皮膚外用組成物適用の初期段階では有効な鎮痒性を生じさせず、却って掻痒を悪化させる作用すらあること)及び(B)成分を(A)成分に組み合わせることによる欠点(つまり、鎮痒効果の発現を有効に速められないこと)さえも解消し、速やかに有効な掻痒性を発揮することが可能である。
本発明の皮膚外用組成物は、前述する成分の他に、必要に応じて、他の薬理成分を含んでもよい。このような薬理成分としては、例えば、抗ヒスタミン剤(マレイン酸クロルフェニラミン等)、局所麻酔剤(ジブカイン、プロカイン、テトラカイン、ブピパカイン、メピパカイン、クロロプロカイン、プロパラカイン、メプリルカイン又はこれらの塩、安息香酸アルキルエステル(例えばアミノ安息香酸エチル、塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル)、オルソカイン、オキセサゼイン、オキシポリエントキシデカン、ロートエキス、ペルカミンパーゼ、テシットデシチン等)、抗炎症剤(グリチルレチン酸、グリチルレチン酸塩、アラントイン、サリチル酸、サリチル酸グリコール、サリチル酸メチル、インドメタシン、フェルビナク、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム等)、殺菌剤(酸化亜鉛、塩化ベンザルコニウム、塩化デカリニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、イソプロピルメチルフェノール、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、アンモニア水、スルファジアジン、乳酸、フェノール等)、鎮痒剤(クロタミトン、チアントール等)、皮膚保護剤(コロジオン、ヒマシ油等)、血行促進成分(ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、カプサイシン、トウガラシエキス等)、清涼化剤(メントール、カンフル等)、ビタミン類(ビタミンA,B,C,D等)、ムコ多糖類(コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸等)等が挙げられる。
本発明の皮膚外用組成物の性状としては特に限定されず、水性液状組成物、水性ゲル状組成物、油性ゲル状組成物、乳化組成物等が挙げられる。この中でも、製剤安定性の観点から、好ましくは、水性ゲル状組成物、油性ゲル状組成物、乳化組成物が挙げられ、より好ましくは、乳化組成物が挙げられる。乳化組成物の乳化状態については、水中油型又は油中水型のいずれであってもよいが、ベタツキ抑制等の使用感の観点から、好ましくは水中油型が挙げられる。
本発明の皮膚外用組成物は、鎮痒用途に使用することができ、痒みを感じる皮膚の部位又はそれを防止すべき皮膚の部位に塗布することにより使用される。本発明の皮膚外用組成物が適用される皮膚の部位における皮膚症状としては、痒みが惹起される症状であれば特に限定されないが、毛穴炎症、赤み、湿疹、かぶれに対して好ましく適用される。このような赤みや湿疹は、好ましくは、脱毛・剃毛の刺激、その他の刺激、蒸れ等により生じる皮膚症状である。
更に、本発明はジフェンヒドラミン類及びリドカイン類を含む皮膚外用組成物の鎮痒効果を向上させる方法を提供する。具体的には、本発明の鎮痒効果向上方法は、皮膚外用組成物に、(A)ジフェンヒドラミン及び/又はその塩、並びに(B)リドカイン及び/又はその塩とともに(C)ウフェナマートを配合することを特徴とする。本発明の鎮痒効果向上方法において、使用される成分の種類や配合量、皮膚外用組成物の性状・製剤形態、使用方法等については、前記「1.皮膚外用組成物」の欄に記載の通りである。
表1に示す組成の皮膚外用組成物を調製し、掻痒惹起物質を投与して作製した掻痒モデルマウスに適用し、掻痒試験を行った。掻痒試験では、マウスの掻き動作の回数をカウントすることで鎮痒効果を評価した。掻痒モデルマウス、適用方法及び掻き動作回数のカウント方法の詳細は以下の通りである。
使用動物
種 マウス
系統 Slc:ICR
週齢 5週齢
入手元 日本エスエルシー(株)
掻痒惹起物質の投与
掻痒惹起物質 Compound 48/80
入手元 Sigma-Aldrich Co.
投与経路 皮内投与
投与用量 50μg/site
投与方法 ガラス製注射筒((株)トップ)及び30Gニードル((株)デントロニクス)を用いて、剃毛し皮膚外用組成物を塗布した直後の背部に投与した。
投与回数 1回
投与経路 塗布
投与用量 100mg/マウス
投与方法 掻痒惹起物質投与直前に、ゴム手袋をした指で、剃毛した背部全体に塗り広げた。
投与回数 1回
Windows Media Player(バージョン:12.0.7601.23517)によりビデオ映像中のマウスの行動を観察し、マウス後肢によるマウスの背部への掻き動作を、掻痒惹起物質投与直後~掻痒惹起物質投与後5分経過時の間と、掻痒惹起物質投与直後~掻痒惹起物質投与後15分経過時とで、何回行ったかをカウントした。掻き動作の回数は、マウスが引っ掻くために後肢を上げ、引っ掻き行動を行って再び後肢を下す一連の動作を完了した時点で1回とした。カウントには連式数取器(DS-404:高野計器(株))を使用し、映像が途中で切れていないことを映像中のタイマー表示で確認した。掻き動作のカウント結果を表1及び図1に示す。
表2に示す組成の皮膚外用組成物を水中油型乳化組成物として調製した。調製した皮膚外用組成物を、脚の付け根付近(Vゾーン)の剃毛処理による毛穴炎症と当該部位の痛痒さを訴える対象者に対して適用した。塗布量としては、100cm2当たり約0.2gとし、塗布頻度としては、1日に2回とした。その結果、塗布後5分くらいから痛痒さの低減を実感した。さらに、塗布後2時間くらいには、毛穴炎症の皮膚症状の改善も認められた。
Claims (3)
- (A)ジフェンヒドラミン及び/又はその塩、(B)リドカイン及び/又はその塩、並びに(C)ウフェナマートを含有する皮膚外用組成物(但し、以下の場合を除く:
[1]ポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステル、アニオン界面活性剤、グリセリン脂肪酸エステル及び水を含む場合、
[2]ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、塩基により中和されてアニオン界面活性剤として機能する脂肪酸石鹸を構成する脂肪酸、前記塩基、水溶性高分子、油及び水を含む場合、
[3]グリチルレチン酸又はそのエステルを含む場合、並びに
[4]イソプロピルメチルフェノール、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する場合)。 - 鎮痒用途で使用される、請求項1に記載の皮膚外用組成物。
- (A)ジフェンヒドラミン及び/又はその塩並びに(B)リドカイン及び/又はその塩を含む皮膚外用組成物(但し、以下の場合を除く:
[1]ポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステル、アニオン界面活性剤、グリセリン脂肪酸エステル及び水を含む場合、
[2]ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、塩基により中和されてアニオン界面活性剤として機能する脂肪酸石鹸を構成する脂肪酸、前記塩基、水溶性高分子、油及び水を含む場合、
[3]グリチルレチン酸又はそのエステルを含む場合、並びに
[4]イソプロピルメチルフェノール、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する場合)において、鎮痒効果を向上させる方法であって、
皮膚外用組成物に、前記(A)成分及び前記(B)成分とともに(C)ウフェナマートを配合する、鎮痒効果向上方法。
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