JP7514598B2 - 皮膚外用組成物 - Google Patents

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本発明は、ジフェンヒドラミン及び/又はその塩、並びにトコフェロール及び/又はその誘導体を含有し、鎮痒効果が向上した皮膚外用組成物に関する。
ジフェンヒドラミン塩酸塩等のジフェンヒドラミン類は、皮膚の痒みなどのアレルギー症状を引き起こすヒスタミンの作用を抑制し得ることが知られ、抗ヒスタミン剤として医薬品又は医薬部外品の皮膚外用剤に配合して用いられている。
例えば、特許文献1には、有効成分として、吉草酸酢酸プレドニゾロンと、ジフェンヒドラミン及びその塩類等の抗ヒスタミン剤とを含む、湿疹、皮膚炎、虫さされ、かゆみ、あせも、かぶれ及びじんましん等に対する治療効果を有する皮膚外用剤が開示されている。
また、特許文献2には、ジフェンヒドラミンのような鎮痒剤が、ヒアルロン酸又はその塩の存在下で、更にトコフェロール又はその誘導体と共存させることで、鎮痒作用が増強されることも開示されている。
特開2002-356430号公報 特開2008-081505号公報
痒みは耐え難い不快な感覚であり、不可避的に掻破行動を起こさせる。掻破行動は皮膚に物理的刺激を与えるため、痒みが強いほど、掻破行動による物理刺激が角質層を傷め、皮膚のバリア機能の低下、痒みに対する一層の敏感性の増強といった悪循環を招来しやすくなる。これまでのジフェンヒドラミンを含有する皮膚外用組成物は、未だに鎮痒効果が十分とはいえない。従って、痒みに対しては、不快感の低減のみならず、掻破行動による悪循環を抑止する観点からも、鎮痒効果をより一層高める製剤処方が求められる。
本発明は、鎮痒効果がより一層高められた皮膚外用組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、ジフェンヒドラミン類とトコフェロール類とを含有する皮膚外用組成物にレチノール類を配合したところ、レチノール類が単独では皮膚掻痒に対する有効成分でないにも関わらず、鎮痒効果が向上するという驚くべき知見を見出した。本発明は、この知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. (A)ジフェンヒドラミン及び/又はその塩、(B)トコフェロール及び/又はその誘導体、並びに(C)レチノール及び/又はその誘導体を含有する皮膚外用組成物。
項2. 鎮痒用途で使用される、項1に記載の皮膚外用組成物。
項3. 前記(A)成分1重量部当たりの前記(C)成分の含有量が0.1万~1000万I.U.である、項1又は2に記載の皮膚外用組成物。
項4. (A)ジフェンヒドラミン及び/又はその塩並びに(B)トコフェロール及び/又はその誘導体を含む皮膚外用組成物において、鎮痒効果を向上させる方法であって、
皮膚外用組成物に、前記(A)成分及び前記(B)成分とともに(C)レチノール及び/又はその誘導体を配合する、鎮痒効果向上方法。
本発明の皮膚外用組成物は、ジフェンヒドラミン類及びトコフェロール類にレチノール類を配合することによって、鎮痒効果を向上させることができる。
1.皮膚外用組成物
本発明の皮膚外用組成物は、(A)ジフェンヒドラミン及び/又はその塩(以下、「(A)成分」とも記載する。)、(B)トコフェロール及び/又はその誘導体(以下、「(B)成分」とも記載する。)、及び(C)レチノール及び/又はその誘導体(以下「(C)成分」とも記載する。)を含有することを特徴とする。以下、本発明の皮膚外用組成物について詳述する。
(A)ジフェンヒドラミン及び/又はその塩
本発明の皮膚外用組成物は、(A)成分としてジフェンヒドラミン及び/又はその塩(以下において、ジフェンヒドラミン類とも記載する)を含有する。ジフェンヒドラミンは、抗ヒスタミン作用があることが知られている公知の薬剤である。(A)成分は単独でも鎮痒作用を奏するが、本発明の皮膚外用組成物は、更に向上した鎮痒性を発揮することが可能である。
ジフェンヒドラミンの塩としては、薬学的に許容されるものである限り特に制限されないが、具体的には、塩酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、サリチル酸塩、ジフェニルジスルホン酸塩、タンニン酸塩、ラウリル硫酸塩、硫酸塩等の酸付加塩が挙げられる。これらの塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の皮膚外用組成物において、(A)成分として、ジフェンヒドラミン及びその塩の中から1種を選択して使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の皮膚外用組成物における(A)成分の含有量については、付与すべき薬効等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、総量で0.01~10重量%、好ましくは0.1~5重量%、より好ましくは0.5~3重量%が挙げられる。
(B)トコフェロール及び/又はその誘導体
本発明の皮膚外用組成物は、(B)成分としてトコフェロール及び/又はその誘導体(以下において、トコフェロール類とも記載する)を含有する。
トコフェロールは、ビタミンEとしても知られている公知の成分である。本発明で使用されるトコフェロールは、d体又はdl体のいずれであってもよく、またα、β、γ、δの構造のいずれであってもよい。本発明で使用されるトコフェロールとして、具体的には、d-α-トコフェロール、d-β-トコフェロール、d-γ-トコフェロール、d-δ-トコフェロール、l-α-トコフェロール、l-β-トコフェロール、l-γ-トコフェロール、l-δ-トコフェロール、それらの混合物であるdl-α-トコフェロール、dl-β-トコフェロール、dl-γ-トコフェロール、dl-δ-トコフェロール等が挙げられる。
トコフェロールの誘導体とは、トコフェロールと同じ骨格を有し、トコフェロールに置換基を付加することによって得られる成分である。
本発明で使用されるトコフェロールの誘導体は、トコフェロールと同様に、d体又はdl体のいずれであってもよく、またα、β、γ、δの構造のいずれであってもよい。
トコフェロールの誘導体の種類については、薬学的に許容されることを限度として、特に制限されないが、例えば、トコフェロールと有機酸とのエステル等が挙げられる。トコフェロールと有機酸とのエステルとして、具体的には、トコフェロール酢酸エステル、トコフェロールニコチン酸エステル、トコフェロールコハク酸エステル、トコフェロールリノレン酸エステル等が挙げられる。これらのトコフェロールの誘導体は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の皮膚外用組成物において、(B)成分として、トコフェロール及びトコフェロールの誘導体の中から、1種を選択して使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの(B)成分の中でも、より一層向上した鎮痒性を得る観点から、好ましくはトコフェロールの誘導体、更に好ましくはトコフェロール酢酸エステルが挙げられる。
本発明の皮膚外用組成物において、(B)成分の含有量については、特に制限されないが、例えば、0.01~10重量%、好ましくは0.1~5重量%、より好ましくは0.5~3重量%が挙げられる。
本発明の皮膚外用組成物において、(A)成分と(B)成分の比率については特に制限されず、前述する(A)成分及び(B)成分の各含有量に応じて決定されるが、より一層向上した鎮痒性を得る観点から、(A)成分1重量部当たり、(B)成分が総量で0.1~10重量部、好ましくは0.5~5重量部、更に好ましくは1~3重量部が挙げられる。
(C)レチノール及び/又はその誘導体
本発明の皮膚外用組成物は、(C)成分としてレチノール及び/又はその誘導体を含有する。レチノール及び/又はその誘導体(以下において、レチノール類とも記載する)は、単独で鎮痒作用を有しないが、皮膚外用組成物において(A)成分及び(B)成分と共に配合されることによって、鎮痒効果を向上させることができる。
レチノールは、ビタミンAの1種であり、ビタミンAアルコールとも称されることがある成分である。
レチノールの誘導体とは、レチノールと同じ骨格を有し、レチノールに置換基を付加することによって得られる成分である。レチノール誘導体の種類については、薬学的に許容されることを限度として、特に制限されないが、例えば、レチノールと脂肪酸とのエステル、レチノールと酢酸とのエステル(即ち、レチノール酢酸エステル)、レチノールの酸化物、及び当該酸化物のエステル等が挙げられる。
レチノールと脂肪酸とのエステルとしては、具体的には、レチノールと、炭素数1~30、好ましくは2~18の脂肪酸とのエステルが挙げられる。レチノールと脂肪酸とのエステルとして、より具体的には、レチノール酢酸エステル、レチノールプロピオン酸エステル、レチノール酪酸エステル、レチノールオクチル酸エステル、レチノールラウリル酸エステル、レチノールパルミチン酸エステル、レチノールステアリン酸エステル、レチノールミリスチン酸エステル、レチノールオレイン酸エステル、レチノールリノレン酸エステル、レチノールリノール酸エステル等が挙げられる。これらのレチノールと脂肪酸とのエステルは、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
レチノールの酸化物としては、具体的には、レチノイン酸(「トレチノイン」と称することもある)、レチナール等が挙げられる。これらのレチノールの酸化物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
レチノールの酸化物のエステルとしては、具体的には、レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノール、レチノイン酸トコフェロール(トコフェロールは、α、β、γ、又はδのいずれであってもよい)等が挙げられる。これらのレチノールの酸化物のエステルは、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの(C)成分は、その原料、製造方法、精製方法等は特に制限されず、動物等から自ら単離及び精製したものを用いてもよく、或いは市販品を用いてもよい。また、本発明の皮膚外用組成物において、(C)成分レチノール及びレチノールの誘導体の中から、1種を選択して使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、本発明において、レチノール類は、植物油等の油中に溶解させた状態で使用してもよい。このようにレチノール類を油中に溶解させたものは、「ビタミンA油」として知られている。ビタミンA油は、例えば日本薬局方に記載の方法に従って製造することができる。ビタミンA油としては、通常、レチノール及び/又はその誘導体の含有量が10万~200万I.U./g、好ましくは50万~170万I.U./g、更に好ましくは50万~100万I.U./gのものを使用できる。なお、本明細書において、レチノール及び/又はその誘導体の含有量の単位「I.U.」は、国際単位を示す。
これらの(C)成分の中でも、より一層向上した鎮痒性を得る観点から、好ましくはレチノールの誘導体、更に好ましくはレチノールと脂肪酸とのエステル、特に好ましくはレチノールパルミチン酸エステルが挙げられる。
本発明の皮膚外用組成物において、(C)成分の含有量については、特に制限されないが、例えば、本発明の皮膚外用組成物100g当たり、(C)成分が、0.1万~1000万I.U.、好ましくは1万~500万I.U.、より好ましくは10万~300万I.U.、更に好ましくは10万~150万I.U.、特に好ましくは25万~100万I.U.が挙げられる。
また、(C)成分としてビタミンA油を使用する場合、本発明の皮膚外用組成物におけるビタミンA油の含有量については、ビタミンA油中のレチノール類の含有量に応じて、本発明の皮膚外用組成物中でレチノール類が前述する含有量を充足するように設定すればよい。具体的には、100万I.U./gのレチノール類を含有するビタミンA油を用いる場合であれば、本発明の皮膚外用組成物におけるビタミンA油の含有量については、0.001~10重量%、好ましくは0.01~5重量%、より好ましくは0.1~2重量%に設定すればよい。
本発明の皮膚外用組成物において、(A)成分と(C)成分の比率については特に制限されず、前述する(A)成分及び(C)成分の各含有量に応じて決定されるが、より一層向上した鎮痒性を得る観点から、(A)成分1重量部当たり、(C)成分が総量で0.1万~1000万I.U.、好ましくは1万~500万I.U.、より好ましくは10万~300万I.U.、更に好ましくは10万~150万I.U.、一層好ましくは25万~100万I.U.、特に好ましくは40~60万I.U.が挙げられる。
その他の成分
本発明の皮膚外用組成物は、前述する成分の他に、必要に応じて、他の薬理成分を含んでもよい。このような薬理成分としては、例えば、抗ヒスタミン剤(マレイン酸クロルフェニラミン等)、局所麻酔剤(リドカイン、ジブカイン、プロカイン、テトラカイン、ブピバカイン、メピバカイン、クロロプロカイン、プロパラカイン、メプリルカイン又はこれらの塩、安息香酸アルキルエステル(例えばアミノ安息香酸エチル、塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル)、オルソカイン、オキセサゼイン、オキシポリエントキシデカン、ロートエキス、ペルカミンパーゼ、テシットデシチン等)、抗炎症剤(ウフェナマート、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸塩、アラントイン、サリチル酸、サリチル酸グリコール、サリチル酸メチル、インドメタシン、フェルビナク、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム等)、殺菌剤(酸化亜鉛、塩化ベンザルコニウム、塩化デカリニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、イソプロピルメチルフェノール、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、アンモニア水、スルファジアジン、乳酸、フェノール等)、鎮痒剤(クロタミトン、チアントール等)、皮膚保護剤(コロジオン、ヒマシ油等)、血行促進成分(ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、カプサイシン、トウガラシエキス等)、清涼化剤(メントール、カンフル等)、ビタミン類(ビタミンB,C,D等)、ムコ多糖類(コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸等)等が挙げられる。
前述する成分の他に、必要に応じて、皮膚外用剤等に通常使用される他の基剤や添加剤を含んでもよい。このような基材や添加剤としては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、水、低級アルコール(例えば、イソプロパノール)、多価アルコール(グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール等)等の水性基剤;油類(オリーブ油、サフラワー油、大豆油、つばき油、とうもろこし油、なたね油、ひまわり油、綿実油、落花生油、ラード、スクワラン、魚油等)、鉱物油(流動パラフィン、パラフィン、ゲル化炭化水素、ワセリン等)、ワックス類・ロウ類(ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、セレシン、ライスワックス、マイクロクリスタリンワックス等)、エステル油(ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸イソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、オレイン酸エチル等)、脂肪酸アルキルエステル、脂肪酸(ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、リノール酸、ラノリン等)、脂肪酸エステル(パルミチン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、リノール酸エチル等)、高級アルコール(ステアリルアルコール、セタノール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ラノリンアルコール等)、コレステロール、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、2-エチルヘキサン酸セチル、シリコーンオイル(ジメチルポリシロキサン、環状シリコーン等)等の油性基剤;POE(10~50モル)フィトステロールエーテル、POE(10~50モル)ジヒドロコレステロールエーテル、POE(10~50モル)2-オクチルドデシルエーテル、POE(10~50モル)デシルテトラデシルエーテル、POE(10~50モル)オレイルエーテル、POE(2~50モル)セチルエーテル、POE(5~50モル)ベヘニルエーテル、POE(5~30モル)ポリオキシプロピレン(5~30モル)2-デシルテトラデシルエーテル、POE(10~50モル)ポリオキシプロピレン(2~30モル)セチルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル、これらのリン酸・リン酸塩(POEセチルエーテルリン酸ナトリウムなど)、POE(20~60モル)ソルビタンモノオレート、POE(10~60モル)ソルビタンモノイソステアレート、POE(10~80モル)グリセリルモノイソステアレート、POE(10~30モル)グリセリルモノステアレート、POE(20~100モル)・ポリオキシプロピレン変性シリコーン、POE・アルキル変性シリコーン、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノパルミチン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジラウリン酸ポリエチレングリコール、ジパルミチン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸ポリエチレングリコール、ジリシノレイン酸ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(5~100)、ポリソルベート(20~85)、グリセリン脂肪酸エステル(モノステアリン酸グリセリン等)、水素添加大豆リン脂質、水素添加ラノリンアルコール等の界面活性剤;清涼化剤(メントール、カンフル、ボルネオール、ハッカ水、ハッカ油等)、防腐剤(メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸等)、着香剤(シトラール、1,8-シオネール、シトロネラール、ファルネソール等)、着色剤(タール色素(褐色201号、青色201号、黄色4号、黄色403号等)、カカオ色素、クロロフィル、酸化アルミニウム等)、粘稠剤(カルボキシビニルポリマー、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、カラギーナン等)、pH調整剤(リン酸、塩酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、酒石酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)、湿潤剤(dl-ピロリドンカルボン酸ナトリウム液、D-ソルビトール液、マクロゴール等)、安定化剤(ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エデト酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、L-アルギニン、L-アスパラギン酸、DL-アラニン、グリシン、エリソルビン酸ナトリウム、没食子酸プロピル、亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、クロロゲン酸、カテキン、ローズマリー抽出物等)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、粘着剤、緩衝剤、溶解補助剤、可溶化剤、保存剤等の添加剤が挙げられる。
性状・製剤形態等
本発明の皮膚外用組成物の性状としては特に限定されず、水性液状組成物、水性ゲル状組成物、油性ゲル状組成物、油性組成物、乳化組成物等が挙げられる。これらの性状の中でも、好ましくは乳化組成物が挙げられる。
本発明の皮膚外用組成物の製剤形態については特に制限されず、例えば、ローション剤、乳液剤、軟膏剤、クリーム剤等が挙げられる。これらの製剤形態の中でも、好ましくはクリーム剤が挙げられる。
本発明の皮膚外用組成物としては、具体的には、医薬品、医薬部外品、化粧品等が挙げられる。これらの製剤形態の中でも、好ましくは医薬品、医薬部外品が挙げられる。
使用方法
本発明の皮膚外用組成物は、鎮痒用途に使用することができ、痒みを感じる皮膚の部位又は掻痒を防止すべき皮膚の部位に塗布することにより使用される。本発明の皮膚外用組成物が適用される皮膚の部位における皮膚症状としては、痒みが惹起される症状であれば特に限定されないが、毛穴炎症、赤み、湿疹、かぶれに対して好ましく適用される。
本発明の皮膚外用組成物は、皮膚部位100cm2当たり、例えば0.1~0.5gを、1日に1~2回塗布することで適用することができる。
2.鎮痒効果向上方法
上述するように、レチノール類は、ジフェンヒドラミン類及びトコフェロール類を含む皮膚外用組成物の鎮痒効果を向上させる。従って、本発明は、更に、ジフェンヒドラミン類及びトコフェロール類を含む皮膚外用組成物の鎮痒効果を向上させる方法を提供する。具体的には、本発明の鎮痒効果向上方法は、皮膚外用組成物に、(A)ジフェンヒドラミン及び/又はその塩、並びに(B)トコフェロール及び/又はその誘導体とともに(C)レチノール及び/又はその誘導体を配合することを特徴とする。本発明の鎮痒効果向上方法において、使用される成分の種類や配合量、皮膚外用組成物の性状・製剤形態、使用方法等については、前記「1.皮膚外用組成物」の欄に記載の通りである。
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
試験例1
表1に示す組成の皮膚外用組成物を調製した。具体的には、表1に示す各成分を秤量及び混合し、65~75℃で均一溶解状態とした。その後、放置して室温まで冷却し、皮膚外用組成物を得た。
得られた皮膚外用組成物を、掻痒惹起物質を投与して作製した掻痒モデルマウスに適用し、掻痒試験を行った。掻痒試験では、マウスの掻き動作の回数をカウントし、鎮痒指数を導出することで鎮痒効果を評価した。掻痒モデルマウス、適用方法、掻き動作回数のカウント方法、及び鎮痒指数の導出方法の詳細は以下の通りである。
・掻痒モデルマウス
使用動物
種 マウス
系統 Slc:ICR
週齢 5週齢
入手元 日本エスエルシー(株)
掻痒惹起物質の投与
掻痒惹起物質 Compound 48/80
入手元 Sigma-Aldrich Co.
投与経路 皮内投与
投与用量 50μg/site
投与方法 ガラス製注射筒((株)トップ)及び30Gニードル((株)デントロニクス)を用いて、剃毛し皮膚外用組成物を塗布した直後の背部に投与した。
投与回数 1回
・皮膚外用組成物の適用
投与経路 塗布
投与用量 100mg/マウス
投与方法 掻痒惹起物質投与直前に、ゴム手袋をした指で、剃毛した背部全体に塗り広げた。
投与回数 1回
・掻き動作のカウント
Windows Media Player(バージョン:12.0.7601.23517)によりビデオ映像中のマウスの行動を観察し、マウス後肢によるマウスの背部への掻き動作を、掻痒惹起物質投与直後~掻痒惹起物質投与後15分経過時の間で、何回行ったかをカウントした。掻き動作の回数は、マウスが引っ掻くために後肢を上げ、引っ掻き行動を行って再び後肢を下す一連の動作を完了した時点で1回とした。カウントには連式数取器(DS-404:高野計器(株))を使用し、映像が途中で切れていないことを映像中のタイマー表示で確認した。
・鎮痒指数の導出
カウントした掻き動作回数と、参考例1(コントロール)における掻き動作回数と、比較例1における掻き動作回数とから、以下に基づいて鎮痒指数を導出した。鎮痒指数が高いほど、鎮痒効果が高いことを示す。結果を表1に示す。
Figure 0007514598000001
Figure 0007514598000002
ジフェンヒドラミン及び酢酸トコフェロールを含む皮膚外用組成物(比較例1)は、参考例1(コントロール)に比べて鎮痒効果を奏した。しかしながら、その鎮痒効果は不十分であった。表1から明らかなように、ジフェンヒドラミン及び酢酸トコフェロールに更にビタミンA油を含む皮膚外用組成物(実施例1)では、比較例1をはるかに凌ぐ鎮痒効果を示した。

Claims (3)

  1. (A)ジフェンヒドラミン及び/又はその塩、(B)トコフェロール、トコフェロール酢酸エステル、トコフェロールニコチン酸エステル、トコフェロールコハク酸エステル、及び/又はトコフェロールリノレン酸エステル、並びに(C)レチノール、レチノールと炭素数1~30の脂肪酸とのエステル、及び/又はレチノールの酸化物を含有し、皮膚(但し、乾燥を伴うものを除く)の痒用途で使用される皮膚外用組成物(但し、カンフル及びイソプロピルメチルフェノールを含むもの、並びに、グリチルレチン酸、アラントイン、及びイソプロピルメチルフェノールを含むものを除く)。
  2. 前記(A)成分1重量部当たり、前記(B)成分が0.1~10重量部含まれる、請求項1に記載の皮膚外用組成物。
  3. (A)ジフェンヒドラミン及び/又はその塩、並びに(B)トコフェロール、トコフェロール酢酸エステル、トコフェロールニコチン酸エステル、トコフェロールコハク酸エステル、及び/又はトコフェロールリノレン酸エステルを含む皮膚外用組成物(但し、カンフル及びイソプロピルメチルフェノールを含むもの、並びに、グリチルレチン酸、アラントイン、及びイソプロピルメチルフェノールを含むものを除く)において、皮膚(但し、乾燥を伴うものを除く)の痒効果を向上させる方法であって、
    皮膚外用組成物に、前記(A)成分及び前記(B)成分とともに(C)レチノール、レチノールと炭素数1~30の脂肪酸とのエステル、及び/又はレチノールの酸化物を配合する、鎮痒効果向上方法。
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