JP2018027911A - 抗掻痒剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた抗掻痒効果を有する新規の抗掻痒剤を提供する。【解決手段】Y1−AA1−AA2−AA3−AA4−Y2で表される化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む。Y1は、例えば、水素原子、メチル基、アミジノ基、又は、イミノエチル基であり、Y2は、例えば、ヒドロキシル基、又は、アミノ基であり、AA1は、例えば、チロシン残基であり、AA2は、例えば、D−アルギニン残基であり、AA3は、例えば、フェニルアラニン残基であり、AA4は、例えば、N−メチル−β−アラニン残基である。【選択図】図1

Description

本発明は、抗掻痒剤に関するものである。
痒みとは、「皮膚や粘膜を掻破したくなるような不快な感覚」と定義付けされる皮膚や粘膜に特有な感覚であり、その生物学的意義は病原体、昆虫、植物など、外部からの有害物に対する生体防御シグナルであると考えられている。この痒みは、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、蕁麻疹、乾癬、アレルギー疾患などの皮膚病、腎不全に伴う血液透析や胆汁うっ滞が原因で生じる黄疸や肝硬変などの肝疾患といった内臓疾患の症状の一つであり、これらの痒みは非常 に耐えがたく不快な感覚であることから、QOL(Quality Of Life)の低下を招く。また、帯状疱疹後神経痛や多発性硬化症など神経障害により生じる神経障害性掻痒、寄生虫症妄想やうつ病に伴う心因性掻痒なども存在する。さらに、この非常に耐えがたい痒みに対する掻破行動は、不快感を快感に導き、内因性の起痒物質の遊離を促進させ、さらなる痒みを引き起こすだけではなく、二次的な皮膚病変を形成する原因となる。このような痒みの悪循環を「itch・scratch cycle」と呼ぶ(非特許文献1参照)。そのため、痒みを抑えることは臨床において非常に重要であり、治療の目標とされている。しかしながら、問題となるこれらの皮膚疾患には、ヒスタミンH1受容体拮抗薬に抵抗性を示すものが多く(非特許文献2参照)、新規止痒薬の開発が望まれている。
痒みの研究は、近年までその動物モデルが欠如し評価法がなかったことから、主にヒトで行われてきた。ヒスタミンを始めとする様々な物質を健常人に皮内注射して痒みの有無を評価し、また皮膚病などの痒みを伴う疾患の場合は痒みよりむしろ皮膚炎などの病理的変化の解析が主であり、痒みの機序の詳細な解析は遅れていた。そのためH1受容体拮抗薬抵抗性のアトピー性皮膚炎など、難治性掻痒性皮膚疾患の痒みに対する新たな薬の開発が遅れている。現在では、主にヒスタミン(非特許文献3参照)、セロトニン(非特許文献4参照)、サブスタンスP(非特許文献5参照)、トリプターゼ(非特許文献6参照)などの起痒物質を用いた痒みのモデルマウスが使用されている。マウスでは、ヒスタミンは必ずしも強い起痒物質ではなく、明確な掻き行動を示すのはICR系など一部の系統に限られている(非特許文献7参照)。それに対してセロトニンおよび4−メチルヒスタミン(非特許文献8参照)は痒みを引き起こす作用が強く、ほとんどの系統のマウスにおいて掻き行動が観察される(非特許文献7参照)。その他にもアトピー性皮膚炎の痒みモデルマウスとして、自然発症型(非特許文献9及び非特許文献10参照)または化学物質誘導型(非特許文献11参照)のNC系マウス、DS−Nh系マウス(非特許文献12参照)、ヘアレスマウス(非特許文献13参照)などが存在する。
痒みはその伝達経路から末梢性の痒みと中枢性の痒みに分類される。末梢性の痒みは、表皮真皮境界部に分布するC線維神経終末が機械的、化学的、物理的刺激など外部からの刺激により興奮すると、生じた活動電位が脊髄、脊髄視 床路、視床を経由して大脳皮質の感覚野に達し、痒みとして認識される。一方、 中枢性の痒みは、内因性オピオイドペプチドが掻痒メディエーターとして中枢神経系に存在するオピオイドμ受容体に結合することによって惹起されると考えられている。モルヒネの副作用の1つとして、掻痒作用があるが、この作用は中枢のμ受容体を介して引きをこされるのである。
オピオイド受容体は、μ、δおよびκの3種に分類され、それらの薬理学的特徴が解析されるとともに、各種オピオイド受容体作動薬や拮抗薬の臨床応用が試みられている。オピオイドκ受容体作動薬が、種々の痒みモデルに対して抑制効果を示し(非特許文献14及び非特許文献15参照)、特に血液透析患者における難治性掻痒に対して極めて有効であることが報告されている(非特許文献16参照)。血液透析患者における掻痒の発症因子は、複数あると考えられており、カルシウムおよびリン代謝異常による副甲状腺機能亢進(非特許文献17参照)、皮膚への神経線維の異常伸長(非特許文献18参照)、乾燥やサイトカインの増加による微小炎症状態(非特許文献19及び非特許文献20参照)、ヒスタミンやサブスタンスP濃度の 上昇など、末梢性機能変化の関与が報告されている(非特許文献21及び非特許文献22参照)。オピオイドκ受容体作動薬は血液透析患者の掻痒に対してオピオイドκ受容体の活性化を介して、止痒作用を発現している可能性が考えられている。
一方、近年、オピオイドμ受容体には数多くのスプライスヴァリアンスが存在し、μ受容体を介して、生体内のκ受容体作動薬であるダイノルフィンA、ダイノルフィンBおよびネオエンドルフィンを遊離させ、薬理効果を引き起こすことが報告されている。これらのμ受容体作動薬はこれまでのmorphineを代表とするオピオイドとは異なった薬理作用機構を持つことが報告されている。
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本発明は、このような問題に基づきなされたものであり、優れた抗掻痒効果を有する新規の抗掻痒剤を提供することを目的とする。
本発明の抗掻痒剤は、下記の一般式(1)
−AA−AA−AA−AA−Y (1)
で表される化合物又はその薬学的に許容できる塩を含み、
上記Yは、水素原子、低級アルキル基、及び、下記の化学式(2)で表される基
N=C(R)− (2)
から選ばれる1つであり、化学式(2)においてRは、水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、及び、低級アルコキシル基から選ばれる1つであり、Rは、低級アルキル基、又は、アミノ基であり、
上記Yは、ヒドロキシル基、又は、下記の化学式(3)
−N(R)R (3)
で表される基であり、化学式(3)において、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、及び、低級アルコキシル基から選ばれる1つであるか、又は、R及びRはこれらが結合する窒素原子と一緒になった5員又は6員の含窒素複素環基であり、
上記AAは下記の化学式(4)
Figure 2018027911
で表されるα−アミノ酸残基であり、化学式(4)において、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、及び、ハロゲン化低級アルキル基から選ばれる1つであり、Xは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、下記の化学式(5)で表される基、及び、下記の化学式(6)で表される基
−O−CO−R (5)
−O−CO−O−R (6)
から選ばれる1つであり、化学式(5)のR、及び、化学式(6)のRは、それぞれ独立に、C1−16アルキル基、ヒドロキシC1−16アルキル基、アミノC1−16アルキル基、(モノ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基、(ジ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルキル置換低級アルキル基、C2−16アルケニル基、C2−16アルキニル基、複素環基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つであり、
上記AAは下記の化学式(7)
Figure 2018027911
で表されるD−α−アミノ酸残基であり、化学式(7)において、Rは、アミノ基、(モノ低級アルキル)アミノ基、低級アシルアミノ基、グアニジノ基、低級アルキル基置換グアニジノ基、イミノ低級アルキル基、ウレイド基、低級アルキル基置換ウレイド基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基、低級アシル基、及び、ヒドロキシ低級アルキル基から選ばれる1つであり、nは1〜4の整数であり、
上記AAは非置換フェニルアラニン残基、置換フェニルアラニン残基、非置換D−フェニルアラニン残基、及び、置換D−フェニルアラニン残基から選ばれる1つであり、
上記AAは、下記の化学式(8)
−N(R10)−CH(R11)−CO− (8)
で表されるα−アミノ酸残基、又は、下記の化学式(9)
−N(R10)−CH(R11)−CH(R12)−CO− (9)
で表されるβ−アミノ酸残基であり、化学式(8)及び化学式(9)において、R10及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つであり、R11は、水素原子、又は、下記の化学式(10)
−Z−N(R13)−R14 (10)
で表される基であり、化学式(10)において、Zは、低級アルキレン基、低級アルケニレン基、及び、低級アルキニレン基から選ばれる1つであり、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つ、又は、R13及びR14はこれらが結合する窒素原子と一緒になった5員又は6員の含窒素複素環基であることを特徴とするものである。
本発明の抗掻痒剤によれば、特に、中枢性の痒みに対して優れた抗掻痒作用を得ることができ、経口投与、及び、非経口投与のどちらにおいても高い効果を得ることができる。
実施例1の化合物を皮下投与後における引っ掻き行動の抑制率を表すグラフである。 実施例1の化合物を経口投与後における引っ掻き行動の抑制率を表すグラフである。 実施例1の化合物を経皮投与後における引っ掻き行動の抑制率を表すグラフである。 実施例2の化合物を皮下投与後における引っ掻き行動の抑制率を表すグラフである。 実施例2の化合物を経口投与後における引っ掻き行動の抑制率を表すグラフである。 実施例2の化合物を経皮投与後における引っ掻き行動の抑制率を表すグラフである。 実施例3の化合物を皮下投与後における引っ掻き行動の抑制率を表すグラフである。 実施例3の化合物を経口投与後における引っ掻き行動の抑制率を表すグラフである。 実施例3の化合物を経皮投与後における引っ掻き行動の抑制率を表すグラフである。 実施例4の化合物を皮下投与後における引っ掻き行動の抑制率を表すグラフである。 実施例4の化合物を経口投与後における引っ掻き行動の抑制率を表すグラフである。 実施例4の化合物を経皮投与後における引っ掻き行動の抑制率を表すグラフである。 実施例5の化合物を皮下投与後における引っ掻き行動の抑制率を表すグラフである。 実施例5の化合物を経口投与後における引っ掻き行動の抑制率を表すグラフである。 実施例5の化合物を経皮投与後における引っ掻き行動の抑制率を表すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本実施の形態に係る抗掻痒剤は、下記の一般式(1)で表される化合物又はその薬学的に許容できる塩を含むものである。
−AA−AA−AA−AA−Y (1)
一般式(1)において、Yは、水素原子、低級アルキル基、及び、下記の化学式(2)で表される基から選ばれる1つである。
N=C(R)− (2)
化学式(2)においてRは、水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、及び、低級アルコキシル基から選ばれる1つであり、Rは、低級アルキル基、又は、アミノ基である。
一般式(1)において、Yは、ヒドロキシル基、又は、下記の化学式(3)で表される基である。
−N(R)R (3)
化学式(3)において、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、及び、低級アルコキシル基から選ばれる1つであるか、又は、R及びRはこれらが結合する窒素原子と一緒になった5員又は6員の含窒素複素環基である。
一般式(1)において、AAは下記の化学式(4)で表されるα−アミノ酸残基である。
Figure 2018027911
化学式(4)において、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、及び、ハロゲン化低級アルキル基から選ばれる1つである。Xは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、下記の化学式(5)で表される基、及び、下記の化学式(6)で表される基から選ばれる1つである。
−O−CO−R (5)
−O−CO−O−R (6)
化学式(5)のR、及び、化学式(6)のRは、それぞれ独立に、C1−16アルキル基、ヒドロキシC1−16アルキル基、アミノC1−16アルキル基、(モノ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基、(ジ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルキル置換低級アルキル基、C2−16アルケニル基、C2−16アルキニル基、複素環基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つである。
一般式(1)において、AAは下記の化学式(7)で表されるD−α−アミノ酸残基である。
Figure 2018027911
化学式(7)において、Rは、アミノ基、(モノ低級アルキル)アミノ基、低級アシルアミノ基、グアニジノ基、低級アルキル基置換グアニジノ基、イミノ低級アルキル基、ウレイド基、低級アルキル基置換ウレイド基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基、低級アシル基、及び、ヒドロキシ低級アルキル基から選ばれる1つである。なお、nは1〜4の整数である。
一般式(1)において、AAは非置換フェニルアラニン残基、置換フェニルアラニン残基、非置換D−フェニルアラニン残基、及び、置換D−フェニルアラニン残基から選ばれる1つである。
一般式(1)において、AAは、下記の化学式(8)で表されるα−アミノ酸残基、又は、下記の化学式(9)で表されるβ−アミノ酸残基である。
−N(R10)−CH(R11)−CO− (8)
−N(R10)−CH(R11)−CH(R12)−CO− (9)
化学式(8)及び化学式(9)において、R10及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つである。R11は、水素原子、又は、下記の化学式(10)で表される基である。
−Z−N(R13)−R14 (10)
化学式(10)において、Zは、低級アルキレン基、低級アルケニレン基、及び、低級アルキニレン基から選ばれる1つであり、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つ、又は、R13及びR14はこれらが結合する窒素原子と一緒になった5員又は6員の含窒素複素環基である。
本実施の形態の抗掻痒剤は、アミノ末端に水素原子、低級アルキル基、又は、化学式(2)「RN=C(R)−」で表される非置換もしくは置換イミノ低級アルキル基を有しい、かつ、カルボキシル末端にヒドロキシル基、又は、化学式(3)「−N(R)R」で表される非置換もしくは置換アミド基を有する化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む点に特徴がある。このような構造を有するペプチド誘導体は、優れた抗掻痒効果を有する。
一般式(1)において、Yの好ましい例は、水素原子、及び、メチル基から選ばれる1つ、又は、化学式(2)においてRが水素原子であり、Rが低級アルキル基又はアミノ基の基であるが、本抗掻痒剤はこれに限定されない。Rのより好ましい例は、メチル基、エチル基、又は、アミノ基である。
一般式(1)において、Yの好ましい例は、ヒドロキシル基、又は、化学式(3)においてR及びRがともに水素原子であるか、あるいは、一方が水素原子であって他方がメチル基である組合せであり、すなわち、化学式(3)の好ましい例は−NH又は−NH−CHであるが、本抗掻痒剤はこれに限定されない。
AAを表す化学式(4)におけるR及びRと、化学式(11)又は(12)にお
けるR15及びR16とのベンゼン環上における置換位置は特に限定されない。
一般式(1)において、AAの好ましい例としては、チロシン残基、2,6−ジメチル−チロシン残基、o−アシル−チロシン残基、o−アルコキシカルボニル−チロシン残基、o−フェノキシカルボニル−チロシン残基、o−アセチルチロシン残基、2,6−ジメチル−フェニルアラニン残基等が挙げられるが、本抗掻痒剤はこれに限定されない。
一般式(1)において、AAの好ましい例としては、D−アルギニン残基、D−メチオニンスルホキシド残基、D−N5−アセチルオルニチン残基、D−5−オキソノルロイ
シン残基、D−シトルリン残基、D−5−ヒドロキシノルロイシン残基等が挙げられるが、本抗掻痒剤はこれに限定されない。
一般式(1)において、AAは下記の化学式(11)又は(12)で表されるα−アミノ酸残基又はD−α−アミノ酸残基の場合がある。
Figure 2018027911
Figure 2018027911
化学式(11)及び(12)において、R15及びR16は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、及び、ハロゲン化低級アルキル基から選ばれる1つである。
一般式(1)において、AAの好ましい例としては、フェニルアラニン残基、p−フルオロフェニルアラニン残基及びo−トリフルオロメチルフェニルアラニン残基、2,6
−ジメチル−フェニルアラニン残基、D−フェニルアラニン残基、D−p−フルオロフェニルアラニン残基、D−o−トリフルオロメチルフェニルアラニン残基等が挙げられるが、本抗掻痒剤はこれに限定されない。
一般式(1)において、AAの好ましい例としては、リシン残基、N−メチル−β−アラニン残基等が挙げられるが、本抗掻痒剤はこれに限定されない。
本明細書に記載のアミノ酸、その残基について、D−体とL−体とが存在する場合、特にD−と表示していない場合には、そのアミノ酸、その残基はL−アミノ酸を意味する。
本明細書に記載の「低級アルキル」、「低級アルコキシル」、「低級アシル」及び「低級アルキレン」の用語において、「低級」とは、1、2、3、4、5又は6個の炭素原子を含むことを意味する。本明細書に記載の「低級アルケニル」、「低級アルキニル」、「低級アルケニレン」及び「低級アルキニレン」の用語において、「低級」とは、2、3、4、5又は6個の炭素原子を含むことを意味する。
本明細書に記載の「アルキル」、「アルコキシル」、「アシル」、「アルキレン」、「アルケニル」、「アルキニル」、「アルケニレン」及び「アルキニレン」は、直鎖型異性体及び分岐鎖型異性体のいずれの場合であってもよい。分岐鎖型異性体としては、第2級炭素を含む分岐鎖型異性体と第3級炭素を含む分岐鎖型異性体とのいずれの場合であってもよい。
前記低級アルキル基の好ましい例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基等があるが、これらの例に限定されない。また、本明細書に記載の「C1−16アルキル基」、「ヒドロキシC1−16アルキル基」、「アミノC1−16アルキル基」、「(モノ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基」、「(ジ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基」等における「C1−16アルキル基」の好ましい例としては、前記低級アルキル基の好ましい例に加えて、直鎖又は分岐鎖のヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基等があるが、これらの例に限定されない。C1−16アルキル基としては直鎖又は分岐鎖型のC6−12アルキル基が好ましく、C8−10アルキル基がより好ましい。特に好ましいのはC及びC10の直鎖又は分岐鎖型アルキル基である。
本明細書に記載の「低級アルコキシル基」は、1、2、3、4、5又は6個の炭素原子数のアルコキシル基を指す。前記低級アルコキシル基の好ましい例としては、メトキシ基、エトキシ基等があるが、これらの例に限定されない。
本明細書に記載の「C3−10シクロアルキル基」と、「C3−10シクロアルキル置換低級アルキル基」における「C3−10シクロアルキル基」とは、ともに炭素原子の数が3、4、5、6、7、8、9又は10個のシクロアルキル基を指す。前記C3−10シクロアルキル基の好ましい例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等があるが、これらの例には限定されない。本明細書に記載の「C3−10シクロアルキル置換低級アルキル基」における「C3−10シクロアルキル基」は低級アルキル基のどの炭素原子に置換していてもよく、低級アルキル基の炭素原子のうち何個の炭素原子に置換していてもよい。例えば1ないし4個、より好ましくは1ないし2個、特に好ましくは1個のC3−10シクロアルキル基が任意の位置の炭素原子に置換される場合がある。
本明細書に記載の「C2−16アルケニル基」及び「C2−16アルキニル基」は、それぞれ、炭素原子の数が2個から16個までのいずれかのアルケニル基及びアルキニル基であって、直鎖又は分岐鎖型のものを指す。前記C2−16アルケニル基及びC2−16アルケニル基にそれぞれ含まれる二重結合及び三重結合の位置及び数は特に限定されない,前記C2−16アルケニル基の好ましい例としては、ビニル基すなわちエテニル基、2−プロペニル基、cis−1−プロペニル基、trans−1−プロペニル基等があるが、これらの例に限定されない。前記C2−16アルキニル基の好ましい例としては、エチニル基、2−プロピニル基等があるが、本発明はこれらの例には限定されない。
本明細書に記載の「複素環基」は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなるグループから選択される少なくとも1種類の原子と炭素原子とからなる、飽和、不飽和又は部分不鉋和の環状化合物を指す。前記複素環基の好ましい例は、ピリジル基、フラニル基、チオフェニル基等があるが、これらの例に限定されない。化学式(3)におけるR及びRと、化学式(10)におけるR13及びR14とは、これらが結合する窒素原子と一緒になった5員又は6員の含窒素複素環基を表す場合がある。該含窒素複素環基は、例えば、環を再成する原子として1個又は2個以上の窒素原子を含む5ないし6員の飽和又は部分不飽和の複素環基である場合がある。前記含窒素複素環基の好ましい例としては、ピロリジノ基、ピペリジノ基、3,4−デヒドロピロリジノ基、ピリジニオ基等が挙げられるが、本発明はこれらの例には限定されない。
本明細書に記載の「アリール基」と、「アリール置換低級アルキル基」における「アリール基」とは、1個または2個以上の環からなる芳香族置換基を指す。前記アリール基の好ましい例としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニリル基、フェナントリル基等があるが、これらの例に限定されない。本明細書に記載の「アリール置換低級アルキル基」における「アリール基」は、低級アルキル基のどの炭素原子に置換していてもよく、低級アルキル基の炭素原子のうち何個の炭素原子に置換していてもよい。例えば1ないし4個、より好ましくは1ないし2個、特に好ましくは1個のアリール基が任意の位置の炭素原子に置換される場合がある。前記アリール置換低級アルキル基の好ましい例としては、ベンジル基、フェネチル基等があるが、これらの例に限定されない。
本明細書に記載の「低級アシル基」と、「低級アシルアミノ基」における「低級アシル基」とは、ともに1、2、3、4、5又は6個の炭素原子数のアシル基すなわちアルカノイル基を指す。前記低級アシル基の好ましい例としては、ホルミル基、アセチル基等があるが、これらの例に限定されない。基本明細書に記載の「低級アシルアミノ基」における「低級アシル基」は、アミノ基の水素原子の一方又は両方を置換する。前記低級アシルアミノ基の好ましい例としては、モノアセチルアミノ基、ジアセチルアミノ基等があるが、これらの例に限定されない。
本明細書に記載の「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素のいずれでもよい。本明細書に記載の「ハロゲン化低級アルキル基」に置換するハロゲン原子の置換位置、個数及び種類は特に制限されず、モノハロゲン化低級アルキル基からパーハロゲン化低級アルキル基までいずれも利用可能である。2個以上のハロゲン原子が存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。前記ハロゲン化低級アルキル基の好ましい例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、フルオロメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基等があるが、本発明はこれらの例には限定されない。
本明細書に記載の「ヒドロキシ低級アルキル基」又は「ヒドロキシC1−16アルキル基」における「ヒドロキシル基」は、アルキル基の炭素原子のうちどの炭素原子に置換していてもよく、アルキル基の炭素原子のうち何個の炭素原子に置換していてもよい。例えば1ないし4個、より好ましくは1ないし2個、特に好ましくは1個のヒドロキシル基が任意の位置の炭素原子に置換される場合がある。前記「ヒドロキシ低級アルキル基」及び「ヒドロキシC1−16アルキル基」の好ましい例としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基等があるが、これらの例に限定されない。
本明細書に記載の「アミノC1−16アルキル基」における「アミノ基」は、C1−16アルキル基の炭素原子のうちどの炭素原子に置換していてもよく、アルキル基の炭素原子のうち何個の炭素原子に置換していてもよい。例えば1ないし4個、より好ましくは1ないし2個、特に好ましくは1個のアミノ基が任意の位置の炭素原子に置換される場合がある。前記「アミノC1−16アルキル基」の好ましい例としては、アミノメチル基、2−アミノエチル基等があるが、これらの例に限定されない。
本明細書に記載の「(モノ低級アルキル)アミノ基」と、「(モノ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基」における「(モノ低級アルキル)アミノ基」とは、ともに、炭素原子の数が1、2、3、4、5又は6個のアルキル基がアミノ基の1個の水素原子を置換したものを指す。本明細書に記載の「(モノ低級アルキル)アミノ基」と、「(モノ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基」における「(モノ低級アルキル)アミノ基」との好ましい例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基等があるが、これらの例に限定されない。本明細書に記載の「(ジ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基」における「(ジ低級アルキル)アミノ基」とは、1、2、3、4、5又は6個の炭素原子数のアルキル基がアミノ基の2個の水素原子のそれぞれを置換したものを指す。それぞれの水素原子を置換する低級アルキル基は、同じ低級アルキル基であっても、異なる低級アルキル基であってもかまわない。前記(ジ低級アルキル)アミノ基の例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等があるが、これらの例に限定されない。本明細書に記載の「(モノ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基」は、前記(モノ低級アルキル)アミノ基が、C1−16アルキル基の炭素原子のどこに置換していてもよく、該アミノ基はさらに前記低級アルキル基1個で置換されていることを表す。前記(モノ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基の好ましい例としては、3−(メチルアミノ)−n−プロニル基、2−(エチルアミノ)−n−ペンチル基等があるが、これらの例に限定されない。本明細書に記載の「(ジ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基」は、前記(ジ低級アルキル)アミノ基が、C1−16アルキル基の炭素原子のどこに置換していてもよく、該アミノ基はさらに前記低級アルキル基2個で置換されていることを表す。前記(ジ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基の好ましい例としては、2−(ジメチルアミノ)エチル基、2−(ジエチルアミノ)エチル基等があるが、これらの例には限定されない。
一般式(1)で表される化合物は、Yがメチル基であり、Yが−NHであるとき、メチル−AA−AA−AA−AA−アミド又はメチル−AA−AA−AA−AA−NHと表される。一般式(1)で表される化合物は、Yが化学式(2)の「RN=C(R)−」で表され、Rが水素原子であり、Rがメチル基であり、Yが−NHであるとき、1−イミノエチル−AA−AA−AA−AA−アミド又は1−イミノエチル−AA−AA−AA−AA−NHと表される。一般式(1)で表される化合物は、Yが化学式(2)の「RN=C(R)−」で表され、R及びRが共に水素原子であり、Yが−NHであるとき、1−イミノメチル−AA−AA−AA−AA−アミド又は1−イミノメチル−AA−AA−AA−AA−NHと表される。一般式(1)で表される化合物は、Yが化学式(2)の「RN=C(R)−」で表され、Rが水素原子であり、Rが−NHであり、Yが−NHであるとき、アミジノ−AA−AA−AA−AA−アミド又はアミジノ−AA−AA−AA−AA−NHと表される。
一般式(1)で表される化合物は、Yがメチル基であり、Yが−NH−CHであるとき、メチル−AA−AA−AA−AA−メチルアミド又はメチル−AA−AA−AA−AA−NH−CHと表される。一般式(1)で表される化合物は、Yが化学式(2)の「RN=C(R)−」で表され、Rが水素原子であり、Rがメチル基であり、Yが−NH−CHであるとき、1−イミノエチル−AA−AA−AA−AA−メチルアミド又は1−イミノエチル−AA−AA−AA−AA−NH−CHと表される。一般式(1)で表される化合物は、Yが化学式(2)の「RN=C(R)−」で表され、R及びRが共に水素原子であり、Yが−NH−CHであるとき、1−イミノメチル−AA−AA−AA−AA−メチルアミド又は1−イミノメチル−AA−AA−AA−AA−NH−CHと表される。一般式(1)で表される化合物は、Yが化学式(2)の「RN=C(R)−」で表され、Rが水素原子であり、Rが−NHであり、Yが−NH−CHであるとき、アミジノ−AA−AA−AA−AA−メチルアミド又はアミジノ−AA−AA−AA−AA−NH−CHと表される。
本明細書において、一般式(1)においてYが水素原子である場合には、ペプチド誘導体の構造の最も左端に「H−」を記載せず、アミノ末端のアミノ酸のアミノ基は無置換であることを示す。また、本明細書において、一般式(1)においてYがヒドロキシル基であり、ペプチド誘導体のカルボキシル末端に「−OH」と記載される場合には、カルボキシル末端のアミノ酸のカルボキシル基は無置換であることを示す。
本明細書において、「アミノ酸残基」という用語はペプチド化学の分野における通常の意味で用いられており、より具体的には、αアミノ酸においてα位の関係にあるアミノ基及びカルボキシル基、又はβアミノ酸においてβ位の関係にあるアミノ基及びカルボキシル基から、それぞれ水素原子及びヒドロキシル基を除いた残りの構造を意味する。アミノ酸残基の表記法は、生化学辞典(第3版、東京化学同人、1998年10月8日発行)、WIPO標準ST.25及び平成14年7月に特許庁が公表した「塩基配列又はアミノ酸配列を含む明細書等の作成のためのガイドライン」に準じる。D−アミノ酸残基を含む場合にはその旨を表示する。すなわち、化学式(1)において、「−AA−」(iは1ないし4の整数)と表記される第i番目のアミノ酸残基が例えばチロシン残基のときには、「−[Tyr]−」、D−アルギニン残基のときには、「−[D−Arg]−」のようにアルファベット3文字による省略表記で表されるが、修飾アミノ酸残基の場合には、2,6−ジメチル−チロシン残基のときには、「−[2,6−ジメチル−Tyr]−」、N−メチルリジン残基のときには、「−[N−MeLys]−」、N−メチル−β−アラニン残基のときには、「−[N−MeβAla]−」、D−メチオニンスルホキシド残基のときには、「−[D−Met(O)]−」とそれぞれ表される。
本明細書におけるリシン残基又はLysは以下の化学式(13)で表される構造を有する。
Figure 2018027911
本発明におけるN−メチル−β−アラニン残基又はN−MeβAlaは以下の化学式(14)で表される構造を有する。
Figure 2018027911
本発明におけるD−メチオニンスルホキシド残基又はD−Met(O)は以下の化学式(15)で表される構造を有する。
Figure 2018027911
一般式(1)で表される化合物は、Yが、水素原子、及び、メチル基から選ばれる1つ、又は、化学式(2)で表され、化学式(2)におけるRは水素原子であり、Rはメチル基、エチル基、及び、アミノ基から選ばれる1つである場合がある。すなわち、一般式(1)におけるYが、水素原子、及び、メチル基から選ばれる1つ、又は、化学式(2)で表される基であり、化学式(2)におけるRは水素原子であり、Rはメチル基、エチル基、及び、アミノ基から選ばれる1つであって、Yは、ヒドロキシル基、又は、化学式(3)で表される基であり、化学式(3)におけるR及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、及び、低級アルコキシル基から選ばれる1つであるか、又は、R及びRはこれらが結合する窒素原子と一緒になった5員又は6員の含窒素複素環基であり、AAは化学式(4)で表されるα−アミノ酸残基であり、化学式(4)におけるR及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、及び、ハロゲン化低級アルキル基から選ばれる1つであり、Xは、水素原子、ハロゲン原子及びヒドロキシル基と、化学式(5)及び(6)とからなるグループから選択され、化学式(5)又は(6)のR又はRは、それぞれ独立に、C1−16アルキル基、ヒドロキシC1−16アルキル基、アミノC1−16アルキル基、(モノ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基、(ジ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルキル置換低級アルキル基、C2−16アルケニル基、C2−16アルキニル基、複素環基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基からなるグループから選択され、AAは化学式(7)で表されるD−α−アミノ酸残基であり、化学式(7)におけるRは、アミノ基、(モノ低級アルキル)アミノ基、低級アシルアミノ基、グアニジノ基、低級アルキル基置換グアニジノ基、イミノ低級アルキル基、ウレイド基、低級アルキル基置換ウレイド基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基、低級アシル基、及び、ヒドロキシ低級アルキル基からなるグループから選択され、化学式(7)におけるnは1〜4の整数であり、AAは非置換フェニルアラニン残基、置換フェニルアラニン残基、非置換D−フェニルアラニン残基、及び、置換D−フェニルアラニン残基から選ばれる1つであり、AAは化学式(8)で表されるα−アミノ酸残基、又は、化学式(9)で表されるβ−アミノ酸残基であり、化学式(8)及び(9)におけるR10及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つであり、R11は、水素原子、又は、化学式(10)で表される基であり、化学式(10)におけるZは、低級アルキレン基、低級アルケニレン基、及び、低級アルキニレン基から選ばれる1つであり、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つ、又は、R13及びR14はこれらが結合する窒素原子と一緒になった5員又は6員の含窒素複素環基である場合がある。本抗掻痒剤は、これらの化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む場合がある。
一般式(1)で表される化合物は、Yが、ヒドロキシル基、又は、化学式(3)で表され、化学式(3)におけるR及びRがともに水素原子であるか、あるいは、一方が水素原子であって他方がメチル基の組合せである場合がある。すなわち、一般式(1)におけるYが、水素原子、低級アルキル基、及び、化学式(2)で表される基から選ばれる1つであり、化学式(2)におけるRは、水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、及び、低級アルコキシル基から選ばれる1つであり、Rは、低級アルキル基、又は、アミノ基であり、Yは、ヒドロキシル基、又は、化学式(3)で表される基であり、化学式(3)におけるR及びRがともに水素原子であるか、あるいは、一方が水素原子であって他方がメチル基の組合せであり、AAは化学式(4)で表されるα−アミノ酸残基であり、化学式(4)におけるR及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、及び、ハロゲン化低級アルキル基から選ばれる1つであり、Xは、水素原子、ハロゲン原子及びヒドロキシル基と、化学式(5)及び(6)とからなるグループから選択され、化学式(5)又は(6)のR又はRは、それぞれ独立に、C1−16アルキル基、ヒドロキシC1−16アルキル基、アミノC1−16アルキル基、(モノ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基、(ジ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルキル置換低級アルキル基、C2−16アルケニル基、C2−16アルキニル基、複素環基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基からなるグループから選択され、AAは化学式(7)で表されるD−α−アミノ酸残基であり、化学式(7)におけるRは、アミノ基、(モノ低級アルキル)アミノ基、低級アシルアミノ基、グアニジノ基、低級アルキル基置換グアニジノ基、イミノ低級アルキル基、ウレイド基、低級アルキル基置換ウレイド基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基、低級アシル基、及び、ヒドロキシ低級アルキル基からなるグループから選択され、化学式(7)におけるnは1〜4の整数であり、AAは非置換フェニルアラニン残基、置換フェニルアラニン残基、非置換D−フェニルアラニン残基、及び、置換D−フェニルアラニン残基から選ばれる1つであり、AAは化学式(8)で表されるα−アミノ酸残基、又は、化学式(9)で表されるβ−アミノ酸残基であり、化学式(8)及び(9)におけるR10及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つであり、R11は、水素原子、又は、化学式(10)で表される基であり、化学式(10)におけるZは、低級アルキレン基、低級アルケニレン基、及び、低級アルキニレン基から選ばれる1つであり、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つ、又は、R13及びR14はこれらが結合する窒素原子と一緒になった5員又は6員の含窒素複素環基である場合がある。本抗掻痒剤は、これらの化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む場合がある。
一般式(1)で表される化合物は、AAが化学式(4)で表されるα−アミノ酸残基であり、化学式(4)におけるXがヒドロキシル基である場合がある。すなわち、一般式(1)におけるYが、水素原子、低級アルキル基、及び、化学式(2)で表される基から選ばれる1つであり、化学式(2)におけるRは、水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、及び、低級アルコキシル基から選ばれる1つであり、Rは、低級アルキル基、又は、アミノ基であり、Yは、ヒドロキシル基、又は、化学式(3)で表される基であり、化学式(3)におけるR及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、及び、低級アルコキシル基から選ばれる1つであるか、又は、R及びRはこれらが結合する窒素原子と一緒になった5員又は6員の含窒素複素環基であり、AAは化学式(4)で表されるα−アミノ酸残基であり、化学式(4)におけるXはヒドロキシル基であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、及び、ハロゲン化低級アルキル基から選ばれる1つであり、AAは化学式(7)で表されるD−α−アミノ酸残基であり、化学式(7)におけるRは、アミノ基、(モノ低級アルキル)アミノ基、低級アシルアミノ基、グアニジノ基、低級アルキル基置換グアニジノ基、イミノ低級アルキル基、ウレイド基、低級アルキル基置換ウレイド基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基、低級アシル基、及び、ヒドロキシ低級アルキル基からなるグループから選択され、化学式(7)におけるnは1〜4の整数であり、AAは非置換フェニルアラニン残基、置換フェニルアラニン残基、非置換D−フェニルアラニン残基、及び、置換D−フェニルアラニン残基から選ばれる1つであり、AAは化学式(8)で表されるα−アミノ酸残基、又は、化学式(9)で表されるβ−アミノ酸残基であり、化学式(8)及び(9)におけるR10及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つであり、R11は、水素原子、又は、化学式(10)で表される基であり、化学式(10)におけるZは、低級アルキレン基、低級アルケニレン基、及び、低級アルキニレン基から選ばれる1つであり、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つ、又は、R13及びR14はこれらが結合する窒素原子と一緒になった5員又は6員の含窒素複素環基である場合がある。本抗掻痒剤は、これらの化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む場合がある。
一般式(1)で表される化合物は、AAが化学式(4)で表されるα−アミノ酸残基であり、化学式(4)におけるXが水素原子又はハロゲン原子の場合がある。すなわち、一般式(1)におけるYが、水素原子、低級アルキル基、及び、化学式(2)で表される基から選ばれる1つであり、化学式(2)におけるRは、水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、及び、低級アルコキシル基から選ばれる1つであり、Rは、低級アルキル基、又は、アミノ基であり、Yは、ヒドロキシル基、又は、化学式(3)で表される基であり、化学式(3)におけるR及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、及び、低級アルコキシル基から選ばれる1つであるか、又は、R及びRはこれらが結合する窒素原子と一緒になった5員又は6員の含窒素複素環基であり、AAは化学式(4)で表されるα−アミノ酸残基であり、化学式(4)におけるXは水素原子又はハロゲン原子であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、及び、ハロゲン化低級アルキル基から選ばれる1つであり、AAは化学式(7)で表されるD−α−アミノ酸残基であり、化学式(7)におけるRは、アミノ基、(モノ低級アルキル)アミノ基、低級アシルアミノ基、グアニジノ基、低級アルキル基置換グアニジノ基、イミノ低級アルキル基、ウレイド基、低級アルキル基置換ウレイド基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基、低級アシル基、及び、ヒドロキシ低級アルキル基からなるグループから選択され、化学式(7)におけるnは1〜4の整数であり、AAは非置換フェニルアラニン残基、置換フェニルアラニン残基、非置換D−フェニルアラニン残基、及び、置換D−フェニルアラニン残基から選ばれる1つであり、AAは化学式(8)で表されるα−アミノ酸残基、又は、化学式(9)で表されるβ−アミノ酸残基であり、化学式(8)及び(9)におけるR10及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つであり、R11は、水素原子、又は、化学式(10)で表される基であり、化学式(10)におけるZは、低級アルキレン基、低級アルケニレン基、及び、低級アルキニレン基から選ばれる1つであり、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つ、又は、R13及びR14はこれらが結合する窒素原子と一緒になった5員又は6員の含窒素複素環基である場合がある。本抗掻痒剤は、これらの化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む場合がある。
一般式(1)で表される化合物は、AAがチロシン残基又は2,6−ジメチル−チロシン残基の場合がある。すなわち、一般式(1)におけるYが、水素原子、低級アルキル基、及び、化学式(2)で表される基から選ばれる1つであり、化学式(2)におけるRは、水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、及び、低級アルコキシル基から選ばれる1つであり、Rは、低級アルキル基、又は、アミノ基であり、Yは、ヒドロキシル基、又は、化学式(3)で表される基であり、化学式(3)におけるR及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、及び、低級アルコキシル基から選ばれる1つであるか、又は、R及びRはこれらが結合する窒素原子と一緒になった5員又は6員の含窒素複素環基であり、AAはチロシン残基又は2,6−ジメチル−チロシン残基であり、AAは化学式(7)で表されるD−α−アミノ酸残基であり、化学式(7)におけるRは、アミノ基、(モノ低級アルキル)アミノ基、低級アシルアミノ基、グアニジノ基、低級アルキル基置換グアニジノ基、イミノ低級アルキル基、ウレイド基、低級アルキル基置換ウレイド基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基、低級アシル基、及び、ヒドロキシ低級アルキル基からなるグループから選択され、化学式(7)におけるnは1〜4の整数であり、AAは非置換フェニルアラニン残基、置換フェニルアラニン残基、非置換D−フェニルアラニン残基、及び、置換D−フェニルアラニン残基から選ばれる1つであり、AAは化学式(8)で表されるα−アミノ酸残基、又は、化学式(9)で表されるβ−アミノ酸残基であり、化学式(8)及び(9)におけるR10及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つであり、R11は、水素原子、又は、化学式(10)で表される基であり、化学式(10)におけるZは、低級アルキレン基、低級アルケニレン基、及び、低級アルキニレン基から選ばれる1つであり、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つ、又は、R13及びR14はこれらが結合する窒素原子と一緒になった5員又は6員の含窒素複素環基である場合がある。本抗掻痒剤は、これらの化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む場合がある。
一般式(1)で表される化合物は、AAがo−アシル−チロシン残基、o−アルコキシカルボニル−チロシン残基、o−フェノキシカルボニル−チロシン残基、o−アセチルチロシン残基又は2,6−ジメチル−フェニルアラニン残基の場合がある。すなわち、一般式(1)におけるYが、水素原子、低級アルキル基、及び、化学式(2)で表される基から選ばれる1つであり、化学式(2)におけるRは、水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、及び、低級アルコキシル基から選ばれる1つであり、Rは、低級アルキル基、又は、アミノ基であり、Yは、ヒドロキシル基、又は、化学式(3)で表される基であり、化学式(3)におけるR及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、及び、低級アルコキシル基から選ばれる1つであるか、又は、R及びRはこれらが結合する窒素原子と一緒になった5員又は6員の含窒素複素環基であり、AAはo−アシル−チロシン残基、o−アルコキシカルボニル−チロシン残基、o−フェノキシカルボニル−チロシン残基、o−アセチルチロシン残基又は2,6−ジメチル−フェニルアラニン残基であり、AAは化学式(7)で表されるD−α−アミノ酸残基であり、化学式(7)におけるRは、アミノ基、(モノ低級アルキル)アミノ基、低級アシルアミノ基、グアニジノ基、低級アルキル基置換グアニジノ基、イミノ低級アルキル基、ウレイド基、低級アルキル基置換ウレイド基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基、低級アシル基、及び、ヒドロキシ低級アルキル基からなるグループから選択され、化学式(7)におけるnは1〜4の整数であり、AAは非置換フェニルアラニン残基、置換フェニルアラニン残基、非置換D−フェニルアラニン残基、及び、置換D−フェニルアラニン残基から選ばれる1つであり、AAは化学式(8)で表されるα−アミノ酸残基、又は、化学式(9)で表されるβ−アミノ酸残基であり、化学式(8)及び(9)におけるR10及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つであり、R11は、水素原子、又は、化学式(10)で表される基であり、化学式(10)におけるZは、低級アルキレン基、低級アルケニレン基、及び、低級アルキニレン基から選ばれる1つであり、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つ、又は、R13及びR14はこれらが結合する窒素原子と一緒になった5員又は6員の含窒素複素環基である場合がある。本抗掻痒剤は、これらの化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む場合がある。
一般式(1)で表される化合物は、AAがD−アルギニン残基又はD−メチオニンスルホキシド残基の場合がある。すなわち、一般式(1)におけるYが、水素原子、低級アルキル基、及び、化学式(2)で表される基から選ばれる1つであり、化学式(2)におけるRは、水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、及び、低級アルコキシル基から選ばれる1つであり、Rは、低級アルキル基、又は、アミノ基であり、Yは、ヒドロキシル基、又は、化学式(3)で表される基であり、化学式(3)におけるR及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、及び、低級アルコキシル基から選ばれる1つであるか、又は、R及びRはこれらが結合する窒素原子と一緒になった5員又は6員の含窒素複素環基であり、AAは化学式(4)で表されるα−アミノ酸残基であり、化学式(4)におけるR及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、及び、ハロゲン化低級アルキル基から選ばれる1つであり、Xは、水素原子、ハロゲン原子及びヒドロキシル基と、化学式(5)及び(6)とからなるグループから選択され、化学式(5)又は(6)のR又はRは、それぞれ独立に、C1−16アルキル基、ヒドロキシC1−16アルキル基、アミノC1−16アルキル基、(モノ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基、(ジ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルキル置換低級アルキル基、C2−16アルケニル基、C2−16アルキニル基、複素環基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基からなるグループから選択され、AAはD−アルギニン残基又はD−メチオニンスルホキシド残基であり、AAは非置換フェニルアラニン残基、置換フェニルアラニン残基、非置換D−フェニルアラニン残基、及び、置換D−フェニルアラニン残基から選ばれる1つであり、AAは化学式(8)で表されるα−アミノ酸残基、又は、化学式(9)で表されるβ−アミノ酸残基であり、化学式(8)及び(9)におけるR10及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つであり、R11は、水素原子、又は、化学式(10)で表される基であり、化学式(10)におけるZは、低級アルキレン基、低級アルケニレン基、及び、低級アルキニレン基から選ばれる1つであり、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つ、又は、R13及びR14はこれらが結合する窒素原子と一緒になった5員又は6員の含窒素複素環基である場合がある。本抗掻痒剤は、これらの化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む場合がある。
一般式(1)で表される化合物は、AAがD−N−アセチルオルニチン残基、D−5−オキソノルロイシン残基、D−シトルリン残基又はD−5−ヒドロキシノルロイシン残基の場合がある。すなわち、一般式(1)におけるYが、水素原子、低級アルキル基、及び、化学式(2)で表される基から選ばれる1つであり、化学式(2)におけるRは、水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、及び、低級アルコキシル基から選ばれる1つであり、Rは、低級アルキル基、又は、アミノ基であり、Yは、ヒドロキシル基、又は、化学式(3)で表される基であり、化学式(3)におけるR及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、及び、低級アルコキシル基から選ばれる1つであるか、又は、R及びRはこれらが結合する窒素原子と一緒になった5員又は6員の含窒素複素環基であり、AAは化学式(4)で表されるα−アミノ酸残基であり、化学式(4)におけるR及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、及び、ハロゲン化低級アルキル基から選ばれる1つであり、Xは、水素原子、ハロゲン原子及びヒドロキシル基と、化学式(5)及び(6)とからなるグループから選択され、化学式(5)又は(6)のR又はRは、それぞれ独立に、C1−16アルキル基、ヒドロキシC1−16アルキル基、アミノC1−16アルキル基、(モノ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基、(ジ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルキル置換低級アルキル基、C2−16アルケニル基、C2−16アルキニル基、複素環基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基からなるグループから選択され、AAはD−N−アセチルオルニチン残基、D−5−オキソノルロイシン残基、D−シトルリン残基又はD−5−ヒドロキシノルロイシン残基であり、AAは非置換フェニルアラニン残基、置換フェニルアラニン残基、非置換D−フェニルアラニン残基、及び、置換D−フェニルアラニン残基から選ばれる1つであり、AAは化学式(8)で表されるα−アミノ酸残基、又は、化学式(9)で表されるβ−アミノ酸残基であり、化学式(8)及び(9)におけるR10及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つであり、R11は、水素原子、又は、化学式(10)で表される基であり、化学式(10)におけるZは、低級アルキレン基、低級アルケニレン基、及び、低級アルキニレン基から選ばれる1つであり、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つ、又は、R13及びR14はこれらが結合する窒素原子と一緒になった5員又は6員の含窒素複素環基である場合がある。本抗掻痒剤は、これらの化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む場合がある。
一般式(1)で表される化合物は、AAがフェニルアラニン残基の場合がある。すなわち、一般式(1)におけるYが、水素原子、低級アルキル基、及び、化学式(2)で表される基から選ばれる1つであり、化学式(2)におけるRは、水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、及び、低級アルコキシル基から選ばれる1つであり、Rは、低級アルキル基、又は、アミノ基であり、Yは、ヒドロキシル基、又は、化学式(3)で表される基であり、化学式(3)におけるR及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、及び、低級アルコキシル基から選ばれる1つであるか、又は、R及びRはこれらが結合する窒素原子と一緒になった5員又は6員の含窒素複素環基であり、AAは化学式(4)で表されるα−アミノ酸残基であり、化学式(4)におけるR及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、及び、ハロゲン化低級アルキル基から選ばれる1つであり、Xは、水素原子、ハロゲン原子及びヒドロキシル基と、化学式(5)及び(6)とからなるグループから選択され、化学式(5)又は(6)のR又はRは、それぞれ独立に、C1−16アルキル基、ヒドロキシC1−16アルキル基、アミノC1−16アルキル基、(モノ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基、(ジ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルキル置換低級アルキル基、C2−16アルケニル基、C2−16アルキニル基、複素環基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基からなるグループから選択され、AAは化学式(7)で表されるD−α−アミノ酸残基であり、化学式(7)におけるRは、アミノ基、(モノ低級アルキル)アミノ基、低級アシルアミノ基、グアニジノ基、低級アルキル基置換グアニジノ基、イミノ低級アルキル基、ウレイド基、低級アルキル基置換ウレイド基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基、低級アシル基、及び、ヒドロキシ低級アルキル基からなるグループから選択され、化学式(7)におけるnは1〜4の整数であり、AAはフェニルアラニン残基であり、AAは化学式(8)で表されるα−アミノ酸残基、又は、化学式(9)で表されるβ−アミノ酸残基であり、化学式(8)及び(9)におけるR10及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つであり、R11は、水素原子、又は、化学式(10)で表される基であり、化学式(10)におけるZは、低級アルキレン基、低級アルケニレン基、及び、低級アルキニレン基から選ばれる1つであり、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つ、又は、R13及びR14はこれらが結合する窒素原子と一緒になった5員又は6員の含窒素複素環基である場合がある。本抗掻痒剤は、これらの化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む場合がある。
一般式(1)で表される化合物は、AAがp−フルオロフェニルアラニン残基、o−トリフルオロメチルフェニルアラニン残基、2,6−ジメチルフェニルアラニン残基、D−フェニルアラニン残基、D−p−フルオロフェニルアラニン残基又はD−o−トリフルオロメチルフェニルアラニン残基の場合がある。すなわち、一般式(1)におけるYが、水素原子、低級アルキル基、及び、化学式(2)で表される基から選ばれる1つであり、化学式(2)におけるRは、水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、及び、低級アルコキシル基から選ばれる1つであり、Rは、低級アルキル基、又は、アミノ基であり、Yは、ヒドロキシル基、又は、化学式(3)で表される基であり、化学式(3)におけるR及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、及び、低級アルコキシル基から選ばれる1つであるか、又は、R及びRはこれらが結合する窒素原子と一緒になった5員又は6員の含窒素複素環基であり、AAは化学式(4)で表されるα−アミノ酸残基であり、化学式(4)におけるR及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、及び、ハロゲン化低級アルキル基から選ばれる1つであり、Xは、水素原子、ハロゲン原子及びヒドロキシル基と、化学式(5)及び(6)とからなるグループから選択され、化学式(5)又は(6)のR又はRは、それぞれ独立に、C1−16アルキル基、ヒドロキシC1−16アルキル基、アミノC1−16アルキル基、(モノ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基、(ジ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルキル置換低級アルキル基、C2−16アルケニル基、C2−16アルキニル基、複素環基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基からなるグループから選択され、AAは化学式(7)で表されるD−α−アミノ酸残基であり、化学式(7)におけるRは、アミノ基、(モノ低級アルキル)アミノ基、低級アシルアミノ基、グアニジノ基、低級アルキル基置換グアニジノ基、イミノ低級アルキル基、ウレイド基、低級アルキル基置換ウレイド基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基、低級アシル基、及び、ヒドロキシ低級アルキル基からなるグループから選択され、化学式(7)におけるnは1〜4の整数であり、AAはp−フルオロフェニルアラニン残基、o−トリフルオロメチルフェニルアラニン残基、2,6−ジメチルフェニルアラニン残基、D−フェニルアラニン残基、D−p−フルオロフェニルアラニン残基又はD−o−トリフルオロメチルフェニルアラニン残基であり、AAは化学式(8)で表されるα−アミノ酸残基、又は、化学式(9)で表されるβ−アミノ酸残基であり、化学式(8)及び(9)におけるR10及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つであり、R11は、水素原子、又は、化学式(10)で表される基であり、化学式(10)におけるZは、低級アルキレン基、低級アルケニレン基、及び、低級アルキニレン基から選ばれる1つであり、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つ、又は、R13及びR14はこれらが結合する窒素原子と一緒になった5員又は6員の含窒素複素環基である場合がある。本抗掻痒剤は、これらの化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む場合がある。
一般式(1)で表される化合物は、AAがリシン残基又はn−メチル−β−アラニン残基の場合がある。すなわち、一般式(1)におけるYが、水素原子、低級アルキル基、及び、化学式(2)で表される基から選ばれる1つであり、化学式(2)におけるRは、水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、及び、低級アルコキシル基から選ばれる1つであり、Rは、低級アルキル基、又は、アミノ基であり、Yは、ヒドロキシル基、又は、化学式(3)で表される基であり、化学式(3)におけるR及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、及び、低級アルコキシル基から選ばれる1つであるか、又は、R及びRはこれらが結合する窒素原子と一緒になった5員又は6員の含窒素複素環基であり、AAは化学式(4)で表されるα−アミノ酸残基であり、化学式(4)におけるR及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、及び、ハロゲン化低級アルキル基から選ばれる1つであり、Xは、水素原子、ハロゲン原子及びヒドロキシル基と、化学式(5)及び(6)とからなるグループから選択され、化学式(5)又は(6)のR又はRは、それぞれ独立に、C1−16アルキル基、ヒドロキシC1−16アルキル基、アミノC1−16アルキル基、(モノ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基、(ジ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルキル置換低級アルキル基、C2−16アルケニル基、C2−16アルキニル基、複素環基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基からなるグループから選択され、AAは化学式(7)で表されるD−α−アミノ酸残基であり、化学式(7)におけるRは、アミノ基、(モノ低級アルキル)アミノ基、低級アシルアミノ基、グアニジノ基、低級アルキル基置換グアニジノ基、イミノ低級アルキル基、ウレイド基、低級アルキル基置換ウレイド基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基、低級アシル基、及び、ヒドロキシ低級アルキル基からなるグループから選択され、化学式(7)におけるnは1〜4の整数であり、AAは非置換フェニルアラニン残基、置換フェニルアラニン残基、非置換D−フェニルアラニン残基、及び、置換D−フェニルアラニン残基から選ばれる1つであり、AAはリシン残基又はn−メチル−β−アラニン残基である場合がある。本抗掻痒剤は、これらの化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む場合がある。
一般式(1)で表される化合物は、Yが、水素原子、及び、メチル基から選ばれる1つ、又は、化学式(2)で表される基であり、化学式(2)におけるRは水素原子であり、Rはメチル基、エチル基、及び、アミノ基から選ばれる1つであり、Yは、ヒドロキシル基、又は、化学式(3)で表される基であり、化学式(3)におけるR及びRがともに水素原子であるか、あるいは、一方が水素原子であって他方がメチル基の組合せであり、AAはチロシン残基、2,6−ジメチル−チロシン残基、o−アシル−チロシン残基、o−アルコキシカルボニル−チロシン残基、o−フェノキシカルボニル−チロシン残基、o−アセチルチロシン残基又は2,6−ジメチル−フェニルアラニン残基であり、AAはD−メチオニンスルホキシド残基、D−アルギニン残基、D−シトルリン残基、D−N5−アセチルオルニチン残基、D−5−オキソノルロイシン残基又はD−5−ヒドロキシノルロイシン残基であり、AAはフェニルアラニン残基、D−フェニルアラニン残基、p−フルオロフェニルアラニン残基、D−p−フルオロフェニルアラニン残基、o−トリフルオロメチルフェニルアラニン残基又はD−o−トリフルオロメチルフェニルアラニン残基であり、AAはリシン残基又はn−メチル−β−アラニン残基である場合がある。本抗掻痒剤は、これらの化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む場合がある。
一般式(1)で表される好ましい化合物としては、Yが水素原子であり、Yがヒドロキシル基である、[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[N−MeβAla]−OH、[Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[N−MeβAla]−OH、[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[N−MeβAla]−OH、[Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[N−MeβAla]−OH、[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[Lys]−OH、[Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[Lys]−OH、[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[Lys]−OH、[Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[Lys]−OHがあるが、これらに限定されない。本抗掻痒剤は、これらの化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む場合がある。
一般式(1)で表される好ましい化合物としては、Yが水素原子であり、Yがアミノ基である、[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[N−MeβAla]−アミド、[Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[N−MeβAla]−アミド、[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[N−MeβAla]−アミド、[Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[N−MeβAla]−アミド、[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[Lys]−アミド、[Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[Lys]−アミド、[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[Lys]−アミド、[Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[Lys]−アミドがあるが、これらに限定されない。本抗掻痒剤は、これらの化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む場合がある。
一般式(1)で表される好ましい化合物としては、Yがメチル基であり、Yがヒドロキシル基である、メチル−[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[N−MeβAla]−OH、メチル−[Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[N−MeβAla]−OH、メチル−[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[N−MeβAla]−OH、メチル−[Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[N−MeβAla]−OH、メチル−[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[Lys]−OH、メチル−[Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[Lys]−OH、メチル−[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[Lys]−OH、メチル−[Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[Lys]−OHがあるが、これらに限定されない。本抗掻痒剤は、これらの化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む場合がある。
一般式(1)で表される好ましい化合物としては、Yがメチル基であり、Yがアミノ基である、メチル−[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[N−MeβAla]−アミド、メチル−[Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[N−MeβAla]−アミド、メチル−[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[N−MeβAla]−アミド、メチル−[Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[N−MeβAla]−アミド、メチル−[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[Lys]−アミド、メチル−[Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[Lys]−アミド、メチル−[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[Lys]−アミド、メチル−[Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[Lys]−アミドがあるが、これらに限定されない。本抗掻痒剤は、これらの化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む場合がある。
一般式(1)で表される好ましい化合物としては、Yが1−イミノエチル基であり、Yがヒドロキシル基である、1−イミノエチル−[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[N−MeβAla]−OH、1−イミノエチル−[Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[N−MeβAla]−OH、1−イミノエチル−[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[N−MeβAla]−OH、1−イミノエチル−[Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[N−MeβAla]−OH、1−イミノエチル−[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[Lys]−OH、1−イミノエチル−[Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[Lys]−OH、1−イミノエチル−[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[Lys]−OH、1−イミノエチル−[Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[Lys]−OHがあるが、これらに限定されない。本抗掻痒剤は、これらの化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む場合がある。
一般式(1)で表される好ましい化合物としては、Yが1−イミノエチル基であり、Yがアミノ基である、1−イミノエチル−[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[N−MeβAla]−アミド、1−イミノエチル−[Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[N−MeβAla]−アミド、1−イミノエチル−[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[N−MeβAla]−アミド、1−イミノエチル−[Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[N−MeβAla]−アミド、1−イミノエチル−[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[Lys]−アミド、1−イミノエチル−[Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[Lys]−アミド、1−イミノエチル−[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[Lys]−アミド、1−イミノエチル−[Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[Lys]−アミドがあるが、これらに限定されない。本抗掻痒剤は、これらの化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む場合がある。
一般式(1)で表される好ましい化合物としては、Yがアミジノ基であり、Yがヒドロキシル基である、アミジノ−[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[N−MeβAla]−OH、アミジノ−[Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[N−MeβAla]−OH、アミジノ−[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[N−MeβAla]−OH、アミジノ−[Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[N−MeβAla]−OH、アミジノ−[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[Lys]−OH、アミジノ−[Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[Lys]−OH、アミジノ−[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[Lys]−OH、アミジノ−[Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[Lys]−OHがあるが、これらに限定されない。本抗掻痒剤は、これらの化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む場合がある。
一般式(1)で表される好ましい化合物としては、Yがアミジノ基であり、Yがアミノ基である、アミジノ−[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[N−MeβAla]−アミド、アミジノ−[Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[N−MeβAla]−アミド、アミジノ−[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[N−MeβAla]−アミド、アミジノ−[Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[N−MeβAla]−アミド、アミジノ−[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[Lys]−アミド、アミジノ−[Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[Lys]−アミド、アミジノ−[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[Lys]−アミド、アミジノ−[Tyr]−[D−Met(O)]−[Phe]−[Lys]−アミドがあるが、これらに限定されない。本抗掻痒剤は、これらの化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む場合がある。
一般式(1)で表される化合物は、任意の光学活性体またはラセミ体、ジアステレオ異性体またはそれらの任意の混合物がすべて含まれる。また、一般式(1)で表される化合物の薬学的に許容できる塩の好ましい例としては、塩酸塩、酢酸塩、又はパラトルエンスルホン酸などの酸付加塩、アンモニウム塩又は有機アミン塩などの塩基付加塩、遊離形態及び塩の形態のペプチド誘導体の任意の水和物及び溶媒和物等があるが、これらに限定されない。一般式(1)で表される化合物には、一般式(1)で表されるペプチド誘導体の2量体ないし多量体である化合物と、これらのペプチド誘導体のC−末端とn−末端が結合した環状の化合物も含まれる場合がある。
本抗掻痒剤は、一般式(1)で表される化合物又はその薬学的に許容できる塩の少なくとも1つを有効成分として含む。本抗掻痒剤は、少なくとも1つの一般式(1)で表される化合物又はその薬学的に許容できる塩と、少なくとも1つの薬学的に許容できる担体とを含む場合がある。本抗掻痒剤は、経口投与でも、非経口投与でも適用可能であり、非経口投与の場合、例えば、静脈内投与、皮下投与、直腸内投与、経粘膜投与、又は経皮投与により適用可能である。これらの投与経路に適する剤形は当業者に種々知られており、当業者は所望の投与形態に適する剤形を適宜選択し、必要に応じて当業界で利用可能な1又は2以上の薬学的に許容できる担体又は製剤用添加物を用いて抗掻痒剤の形態の製剤を製造することが可能である。本抗掻痒剤の有効成分として、一般式(1)で表される化合物又はその薬学的に許容できる塩の水和物又は溶媒和物が用いられる場合がある。投与量は特に限定されないが、例えば、経皮投与又は経粘膜投与の場合には単回投与量を0.1〜10mgとし、経口投与の場合には単回投与量を1〜100mgとして、一日あたり2〜3回投与することができる。あるいは、通常成人1日あたり約0.1〜1,000mg、好ましくは、約1〜300mg投与することができる。また、投与量を患者の体重、年齢、遺伝子型、病状等のパラメータと関連づけて設定することができる。
本抗掻痒剤は、錠剤、顆粒剤(細粒)、カプセル剤、注射剤(点滴静注剤)、貼布剤、坐剤、懸濁液及びエマルジョン、ペースト、軟膏、クリーム、ローション、点鼻剤、点眼剤等の剤形で提供される場合があるが、これらに限定されない。本抗掻痒剤は、持続時間を長時間維持することを目的として徐放化される場合がある。
本抗掻痒剤に含まれる薬学的に許容できる担体又は製剤用添加物には、安定化剤、界面活性剤、可溶化剤、吸着剤等が含まれるが、これらに限定されない。本抗掻痒剤に含まれる薬学的に許容できる担体又は製剤用添加物は、上記に列挙される抗掻痒剤の剤形に対応して選択される。
一般式(1)で表される化合物の製造方法は特に限定されないが、通常のペプチド合成に通常用いられる固相法および液相法で合成することができる。アミノ基等の保護基および縮合反応の縮合剤等は、優れたものが種々知られており、以下の実施例を参考に、また、例えば:鈴木紘一編「タンパク質工学−基礎と応用」丸善(株)(1992)及びそこに引用された文献;M.Bondanszky,etal.,“PeptideSynthesis”,JohnWiley&Sons,n.Y.,1976;並びにJ.M.StewartandD.J.Young,”SolidPhasePeptideSynthesis”,W.H.FreemanandCo.,SanFrancisco,1969等を参照して適宜選択使用することができる。固相法では市販の各種ペプチド合成装置、例えば株式会社パーキン・エルマー・ジャパン製モデル430A、株式会社島津製作所製PSSM−8等を利用するのが便利な場合がある。合成に使用する樹脂、試薬等は市販品等を容易に入手できる。
起痒物質である4−メチル−ヒスタミンが誘発する掻痒関連行動(scratching)を指標として、オピオイドμ受容体作動薬の抗掻痒作用について検討を行った。
(実施例1〜5)
1.1使用動物
実験には体重21g〜24gのddY系雄性マウスを用いた。マウスは実験に供するまで室温22±2℃、湿度50±5%、明暗サイクル(明期7:00〜19:00、暗期19:00〜7:00)の一定環境下で飼育し、固形飼料(F2:株式会社船橋農場製)及び水道水を自由に摂取させた。なお、実験は東北薬科大学実験規定に従い、東北薬科大学動物実験委員会の承認を受けた実験計画に従って行った。
1.2使用薬物
起痒物質には、実施例1〜実施例5のいずれについても4−メチル−ヒスタミン(TOCRIS社製)を用いた。抗掻痒剤には、実施例1〜実施例5において、表1に示した合成ペプチドをそれぞれ用いた。また、実施例1〜実施例5で用いた化合物の構造は化学式(16)〜化学式(20)でそれぞれ表される。これらの薬物は頚部皮下投与(s.c.)及び経口投与(p.o.)については生理食塩水(扶桑薬品工業株式会社製)に溶解し、経皮投与(application)についてはホホバ油(和光純薬工業株式会社製)に溶解し使用した。
Figure 2018027911
Figure 2018027911
Figure 2018027911
Figure 2018027911
Figure 2018027911
Figure 2018027911
なお、実施例4で用いた合成ペプチドは、次のようにして合成した。ペプチド合成用の試薬としてFmoc・Meβ・Ala・OH、Fmoc・Phe・OH、Fmoc・D・Arg(Pbf)・OH、Fmoc・Dmt(tBu)・OH、及び、Rink Amide Resin(C末端合成開始樹脂)(いずれも渡辺化学工業株式会社製)を用意した。固相法自動ペプチド合成装置PSSM−8(株式会社島津製作所製)を用いてFmoc/PyBOP/HOBt法によりH・Dmt(tBu)−D・Arg(Pbf)−Phe− Meβ・Ala・NH・Resinを合成した。合成後、N末端を1MのO−Methylisourea(Sigma・Aldrich製)と4℃、24時間反応させ、Amidino−Dmt(tBu)−D・Arg(Pbf)−Phe−Meβ・Ala・NH・Resinを合成した。次いで、90%TFA/5%anisole/5%thioanisole(v/v/v)溶液中、室温、3時間反応させResinからの切り出しと側鎖の脱保護を行った。その後、HPLCを用いて切り出したペプチドを精製した(精製純度98 %以上)。得られたペプチドについてMALDI−TOF−MS或いはLC−MSにて質量数を確認した。その結果、m/z;理論値638.5(M+H)、実験値638.7であった。
また、実施例5で用いた合成ペプチドは、次のようにして合成した。ペプチド合成用の試薬としてFmoc・Lys(Boc)・OH、及び、Rink Amide Resin(C末端合成開始樹脂)(いずれも渡辺化学工業株式会社製)を用意した。実施例4の合成ペプチドと同様の方法でH・Dmt(tBu)−D・Arg(Pbf)−Phe− Lys(Boc)・NH・Resinを合成した。次いで、実施例4と同様の方法でResinからの切り出しと側鎖の脱保護を行った。その後、HPLCを用いて切り出したペプチドを精製した(精製純度98 %以上)。得られたペプチドについてMALDI−TOF−MS或いはLC−MSにて質量数を確認した。その結果、m/z; 理論値639.7(M+H)、実験値639.7であった。
1.3投与方法
起痒物質である4−メチル−ヒスタミンの投与は、測定24時間前にマウス背頚部を1cm×1cmの大きさで抜毛し、そこに50μl/マウスの割合で皮内投与(i.d.)した。抗掻痒剤は、頚部皮下投与(s.c.)、経口投与(p.o.)、又は、経皮投与(application)を行った。抗掻痒剤の頚部皮下投与(s.c.)及び経口投与(p.o.)は、0.1ml/10gの割合で行い、経皮投与(application)はマイクロピペットを用いて、20μl/マウスの割合で抜毛した背頚部に塗布することで行った。抗掻痒剤の投与量は、溶液における抗掻痒剤の濃度を変えることに調整した。
1.4行動観察
掻痒関連行動の観察は、後肢による引っ掻き行動(Scratching)を指標として観察した。マウスをあらかじめ測定用の透明プラスチックゲージ(22cm×15cm×12.5cm)に1匹ずつ入れ、約1時間放置して自発行動の消失を確認した後に、抗掻痒剤を投与し、所定時間経過後に、起痒物質である4−メチル−ヒスタミンを投与した。抗掻痒剤を投与した後、4−メチル−ヒスタミンを投与するまでの時間は、30分、60分、120分、又は、180分とし、表2に、After30min、After60min、After120min、又は、After180minと記載した。掻痒行動は4−メチル−ヒスタミンを皮内投与(i.d.)投与し、投与直後から30分間における引っ掻き行動(Scratching)の持続時間を計測した。
1.5実験結果
図1〜図15は、各実施例において抗掻痒剤を皮下投与(s.c.)、経口投与(p.o.)又は経皮投与 (application)した時の用量反応曲線を示したものである。表2は、抗掻痒剤を皮下投与(s.c.)、経口投与(p.o.)及び経皮投与 (application)した時における4−メチル−ヒスタミンによる誘発性引っ掻き行動(scratching) の秒数に対する抑制のID50値を示したものである。なお、表2において、括弧の前に記載した数字は平均値であり、括弧の中に記載した数字は信頼限界値である。
Figure 2018027911
図1〜図15及び表2に示したように、各実施例についていずれも抗掻痒効果が見られた。中でも、皮下投与(s.c.)及び経口投与(p.o.)の場合には、実施例2のアミジノ−[Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[N−MeβAla]−OHにおいて極めて強力な引っ掻き行動(scratching)の抑制が見られた。また、経皮投与 (application)の場合には、実施例5の[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Arg]−[Phe]−[Lys]−アミドにおいて極めて強力な引っ掻き行動(scratching)の抑制が見られた。すなわち、本抗掻痒剤によれば、優れた抗掻痒作用を得ることができ、経口投与、及び、非経口投与のいずれにおいても高い効果を得ることができることが分かった。
(比較例1)
抗掻痒剤として、アミジノ−[2,6−ジメチル−Tyr]−[D−Arg]−[NH(CH]−Ph(Phはフェニル基を表す)を用いたことを除き、他は実施例1〜5と同様にして抗掻痒作用を調べた。20μg/20μL貼付時及び10mg/kg経口投与時には抗掻痒作用が認められなかった。
以上、実施の形態及び実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。
抗掻痒剤に用いることができる。

Claims (13)

  1. 下記の一般式(1)
    −AA−AA−AA−AA−Y (1)
    で表される化合物又はその薬学的に許容できる塩を含み、
    上記Yは、水素原子、低級アルキル基、及び、下記の化学式(2)で表される基
    N=C(R)− (2)
    から選ばれる1つであり、化学式(2)においてRは、水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、及び、低級アルコキシル基から選ばれる1つであり、Rは、低級アルキル基、又は、アミノ基であり、
    上記Yは、ヒドロキシル基、又は、下記の化学式(3)
    −N(R)R (3)
    で表される基であり、化学式(3)において、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、及び、低級アルコキシル基から選ばれる1つであるか、又は、R及びRはこれらが結合する窒素原子と一緒になった5員又は6員の含窒素複素環基であり、
    上記AAは下記の化学式(4)
    Figure 2018027911
    で表されるα−アミノ酸残基であり、化学式(4)において、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、及び、ハロゲン化低級アルキル基から選ばれる1つであり、Xは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、下記の化学式(5)で表される基、及び、下記の化学式(6)で表される基
    −O−CO−R (5)
    −O−CO−O−R (6)
    から選ばれる1つであり、化学式(5)のR、及び、化学式(6)のRは、それぞれ独立に、C1−16アルキル基、ヒドロキシC1−16アルキル基、アミノC1−16アルキル基、(モノ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基、(ジ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルキル置換低級アルキル基、C2−16アルケニル基、C2−16アルキニル基、複素環基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つであり、
    上記AAは下記の化学式(7)
    Figure 2018027911
    で表されるD−α−アミノ酸残基であり、化学式(7)において、Rは、アミノ基、(モノ低級アルキル)アミノ基、低級アシルアミノ基、グアニジノ基、低級アルキル基置換グアニジノ基、イミノ低級アルキル基、ウレイド基、低級アルキル基置換ウレイド基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基、低級アシル基、及び、ヒドロキシ低級アルキル基から選ばれる1つであり、nは1〜4の整数であり、
    上記AAは非置換フェニルアラニン残基、置換フェニルアラニン残基、非置換D−フェニルアラニン残基、及び、置換D−フェニルアラニン残基から選ばれる1つであり、
    上記AAは、下記の化学式(8)
    −N(R10)−CH(R11)−CO− (8)
    で表されるα−アミノ酸残基、又は、下記の化学式(9)
    −N(R10)−CH(R11)−CH(R12)−CO− (9)
    で表されるβ−アミノ酸残基であり、化学式(8)及び化学式(9)において、R10及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つであり、R11は、水素原子、又は、下記の化学式(10)
    −Z−N(R13)−R14 (10)
    で表される基であり、化学式(10)において、Zは、低級アルキレン基、低級アルケニレン基、及び、低級アルキニレン基から選ばれる1つであり、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、アリール基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つ、又は、R13及びR14はこれらが結合する窒素原子と一緒になった5員又は6員の含窒素複素環基である
    ことを特徴とする抗掻痒剤。
  2. 上記Yは、水素原子、及び、メチル基から選ばれる1つ、又は、化学式(2)で表され、化学式(2)におけるRは水素原子であり、Rはメチル基、エチル基、及び、アミノ基から選ばれる1つである
    ことを特徴とする請求項1記載の抗掻痒剤。
  3. 上記AAは、下記の化学式(11)

    Figure 2018027911
    で表されるα−アミノ酸残基、又は、化学式(12)
    Figure 2018027911
    で表されるD−α−アミノ酸残基であり、上記化学式(11)及び(12)において、R15及びR16は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、及び、ハロゲン化低級アルキル基から選ばれる1つである
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の抗掻痒剤。
  4. 上記AAは、フェニルアラニン残基、D−フェニルアラニン残基、p−フルオロフェニルアラニン残基、D−p−フルオロフェニルアラニン残基、o−トリフルオロメチルフェニルアラニン残基、D−o−トリフルオロメチルフェニルアラニン残基、及び、2,6−ジメチルフェニルアラニン残基からなる群から選ばれるアミノ酸残基であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1に記載の抗掻痒剤。
  5. 上記AAはリジン残基、又は、N−メチル−β−アラニン残基であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1に記載の抗掻痒剤。
  6. 上記化学式(4)において、Xが、ヒドロキシル基であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1に記載の抗掻痒剤。
  7. 上記化学式(4)において、Xは、水素原子、又は、ハロゲン原子であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1に記載の抗掻痒剤。
  8. 上記化学式(4)において、Xは、化学式(5)、又は、化学式(6)で表され、化学式(5)におけるR、および、化学式(6)におけるRは、それぞれ独立に、C1−16アルキル基、ヒドロキシC1−16アルキル基、アミノC1−16アルキル基、(モノ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基、(ジ低級アルキル)アミノC1−16アルキル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルキル置換低級アルキル基、C2−16アルケニル基、C2−16アルキニル基、アリール基、複素環基、及び、アリール置換低級アルキル基から選ばれる1つであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1に記載の抗掻痒剤。
  9. 上記AAは、チロシン残基、2,6−ジメチル−チロシン残基、o−アシル−チロシン残基、o−アルコキシカルボニル−チロシン残基、o−フェノキシカルボニル−チロシン残基、o−アセチルチロシン残基、及び、2,6−ジメチル−フェニルアラニン残基から選ばれる1つであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1に記載の抗掻痒剤。
  10. 上記AAは、D−メチオニンスルホキシド残基、D−アルギニン残基、及び、D−シトルリン残基から選ばれる1つであることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1に記載の抗掻痒剤。
  11. 上記AAは、D−N5−アセチルオルニチン残基、D−5−オキソノルロイシン残基、及び、D−5−ヒドロキシノルロイシン残基から選ばれる1つであることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1に記載の抗掻痒剤。
  12. 上記Yは、ヒドロキシル基、又は、化学式(3)で表され、化学式(3)におけるR及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、及び、低級アルコキシル基から選ばれる1つであることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1に記載の抗掻痒剤。
  13. 上記Yは水素原子、メチル基、アミジノ基、又は、イミノエチル基であり、上記AAはチロシン残基、又は、2,6−ジメチル−チロシン残基であり、上記AAはD−アルギニン残基であり、上記AAはフェニルアラニン残基であり、上記AAはリジン残基又はN−メチル−β−アラニン残基であり、上記Yはヒドロキシル基、又は、アミノ基であることを特徴とする請求項1記載の抗掻痒剤。
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