JP2001089371A - ニトロイミダゾール系化合物を含むアトピー性皮膚炎治療用の外用剤 - Google Patents

ニトロイミダゾール系化合物を含むアトピー性皮膚炎治療用の外用剤

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JP2001089371A
JP2001089371A JP2000216912A JP2000216912A JP2001089371A JP 2001089371 A JP2001089371 A JP 2001089371A JP 2000216912 A JP2000216912 A JP 2000216912A JP 2000216912 A JP2000216912 A JP 2000216912A JP 2001089371 A JP2001089371 A JP 2001089371A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 副作用がなく優れた治療効果を得ることがで
きるアトピー性皮膚炎および/またはその関連する皮膚
疾患治療用の外用剤の提供。 【解決手段】 (A)請求項1記載の式(1)で示され
るニトロイミダソール誘導体またはその薬理学的に許容
される塩と、(B)抗真菌剤、副腎皮質ホルモン剤、抗
菌剤またはサルファ剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー
剤、抗炎症剤、抗生物質および局所麻酔剤から選ばれる
1種類以上の薬剤成分とを有効成分として含有する複合
製剤からなるアトピー性皮膚炎および/またはその関連
する皮膚疾患治療用の外用剤。前記(1)で示される化
合物は、、2−(2−メチル−5−ニトロ−1−イミダ
ゾリル)エタノール、すなわちメトロニダゾールである
ことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚疾患治療用お
よび/または皮膚組織改善用外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】皮膚疾患は炎症、蕁麻疹、IgEで表さ
れているアレルギー等や菌やウイルス等などによって様
々な原因がある。例えば、虫さされ、蕁麻疹、アトピー
性皮膚炎などの患者は、掻痒感やその違和感等によりそ
の部位を掻くため、菌やウイルス等によりさらに症状を
悪化させることも多い。そのような皮膚炎群は、1種類
の菌やウイルスでなく、各種複合的な菌やウイルス等の
存在によって起こることが知られているが、疾病の出
現、症状など個人差があり、また同一人であっても個所
等によりそれぞれ異なっている。症状が悪化した皮膚で
は例えば、代表的なものではMRSA、MSSA、CN
S、M. Furfur (Pityrosporum) などの菌やウイルス等
がみられる。
【0003】現在、皮膚疾患治療には主として副腎皮質
ホルモン剤が使用されており、症状に応じて多種多様な
副腎皮質ホルモン剤が使用されている。しかしながら副
腎皮質ホルモン剤は、優れた治療効果を有するものの、
長期にわたる使用あるいは治療の中での使用中止などに
より、顕著な副作用がみられ、その治療効果が現れても
複雑な副作用等に悩まされているのが現状である。しか
しながら一方、副作用の懸念により副腎皮質ホルモン剤
を微量に塗布した場合には、その治療効果がほとんど現
れないことが知られている。
【0004】たとえば、アトピー性皮膚炎及びその関連
する皮膚疾患やその他の皮膚疾患に最も使用されている
副腎皮質ホルモン剤すなわちステロイド系抗炎症剤は、
優れた治療効果を有するものの、長期にわたる経口投与
により腎不全、糖尿病、視床下部、下垂体、副腎皮質系
機能の抑制などが起こるなどの全身的副作用がみられ
る。また外用剤の形態であっても、局所的には皮膚感染
症の悪化、副腎皮質ホルモンに特有な挫瘡などの皮膚症
状の副作用を示すことが多く、投与期間中または投与中
止後における瘢痕、肝斑、雀卵斑等、また投与中止後に
おけるリバウンドの問題も厚生省及び医学会、薬学会に
おいて社会問題として指摘されている。
【0005】特にアトピー性皮膚炎に関しては、新聞、
雑誌などで社会問題として取り上げられ、本等出版物で
ステロイド剤について問題視されているように、この原
因の特定されていない疾患に関し、症状を持つ患者とそ
の家族は日々掻痒感や痛み、不眠等の諸症状に悩まさ
れ、病・医院での治療の他、民間治療等に頼っているの
が実状であり、各大学、病院等、治療機関もこれといっ
た治療法は確立されていない。
【0006】例えばステロイド剤を使用するに当たりそ
の使用方法の「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」
(平成8年度厚生省長期慢性疾患総合研究事業アレルギ
ー総合研究及び平成9・10年度厚生省科学研究:分担
研究「アトピー性皮膚炎治療ガイドラインの作成」より
(1999年発行))が、一部の医療機関に配布されて
いるように研究班まで存在し、一方、医療機関等で治癒
しないとする皮膚疾患を患っている患者が民間療法や宗
教等において行う数々の治療上の問題も発生しているの
が現状である。このため副作用のない、より有効なアト
ピー性皮膚炎などの皮膚疾患治療用および皮膚組織改善
用外用剤の開発が早急に望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な皮膚疾患治療の現状に鑑みて、副作用がなく優れた治
療効果を得ることができる皮膚疾患治療用および皮膚組
織改善用外用剤を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、皮膚疾患治
療および皮膚組織改善を目的として鋭意検討したとこ
ろ、トリコモナス症や赤痢アメーバに対する治療薬であ
り、これまでに何らアトピー性皮膚炎またはその関連す
る皮膚疾患に検討されていなかったメトロニダゾール
に、優れたアトピー性皮膚炎またはその関連する皮膚疾
患に治療効果があることを見出した。本発明者は、さら
に検討を重ねたところ、このメトロニダゾール系化合物
と、ステロイド剤などの他の特定薬剤成分とを安定に配
合して複合製剤とすることにより、他の特定薬剤成分の
使用量が、単剤での使用量に比べて極めて少量(例えば
10〜20分の1程度)であっても有効な治療効果を示
し、しかもたとえばこれまでのステロイド系抗炎症外用
剤に見られるような副作用(投与中止後のリバウンド
等)もみられないという知見を得た。また試験、治療の
結果、治療前より点在した皮膚組織の色素沈着、瘢痕、
肝斑、雀卵斑等が減少、消失する事も新発見して本発明
を完成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、
【化2】
【0010】(ここで、R1,R2は、それぞれ独立に、
直鎖または分枝鎖のアルキル基、アルキルアルコール基
であり、水酸基、ベンジル基、フェニル基、シクロアル
キル基、エーテル基、および/またはアミノ基を有して
いてもよい。)で示されるニトロイミダゾール誘導体ま
たはその薬理学的に許容される塩と、(B)抗真菌剤、
副腎皮質ホルモン剤、抗菌剤またはサルファ剤、抗ヒス
タミン剤、抗アレルギー剤、抗炎症剤、抗生物質および
局所麻酔剤から選ばれる1種類以上の薬剤成分とを有効
成分として含有する複合製剤からなる皮膚疾患治療用お
よび/または皮膚組織改善用外用剤を提供する。
【0011】前記(I)で示される化合物は、2-(2-met
hyl-5-nitro-1-imidazoly1)ethanolすなわちメトロニダ
ゾールであることが好ましい。上記外用薬のうちでも、
薬剤成分(B)が抗真菌剤および副腎皮質ホルモン剤で
あり、特に有効成分として(A)メトロニダゾールと、
抗真菌剤および副腎皮質ホルモン剤を含む外用剤が好ま
しい。
【0012】ニトロイミダゾール誘導体またはその薬理
学的に許容される塩(A)の含有量は、製剤中0.1〜
20重量%であることが望ましい。
【0013】(B)薬剤成分として配合されたときの各
成分の製剤中の含有量は、以下のとおりである。抗真菌
剤が含有されるときの量は、0.0005〜2重量%で
あることが望ましい。副腎皮質ホルモン剤が含有される
ときの量は、0.0001〜1重量%であることが望ま
しい。抗菌剤またはサルファ剤が含有されるときの量
は、0.001〜5重量%であることが望ましい。抗ヒ
スタミン剤が含有されるときの量は、0.001〜10
重量%であることが望ましい。抗アレルギー剤が含有さ
れるときの量は、0.001〜10重量%であることが
望ましい。抗炎症剤が含有されるときの量は、0.00
1〜5重量%であることが望ましい。抗生物質が含有さ
れるときの量は、0.0001〜5重量%であることが
望ましい。局所麻酔剤が含有されるときの量は、0.0
01〜5重量%であることが望ましい。
【0014】また製剤のpHは、3.0〜9.0の範囲内
にあることが望ましい。
【0015】上記のような外用剤は、皮膚真菌症(足部
白癬、体部白癬、股部白癬を含む白癬)、湿疹・皮膚炎
群(進行性指掌角皮症、女子顔面黒皮症、ビダール苔
癬、放射性皮膚炎、日光皮膚炎、皮膚欠乏性湿疹、接触
皮膚炎を含む)、皮膚そう痒症(蕁麻疹様苔癬、ストロ
フルス、固定蕁麻疹を含む)、虫さされ、乾癬、掌蹠膿
疱症、扁平苔癬、光沢苔癬、毛孔性紅色粃糠疹、ジベル
バラ色粃糠疹、紅斑症(多形滲出性紅斑、結節性紅斑、
ダリエ遠心性環状紅斑)、紅皮症(悪性リンパ腫による
紅皮症を含む)、慢性円板症エリテマトーデス、薬疹・
中毒疹、円形脱毛症、熱傷(瘢痕、ケロイドを含む)、
凍瘡、天疱瘡群、ジューリング疱疹状皮膚炎(類天疱瘡
を含む)、痔核、アトピー性皮膚炎、酒さ、脂漏性皮膚
炎、皮膚口内炎、腋臭、カンジダ症(指間びらん症、間
擦疹・皮膚カンジダ症、乳児寄生菌性紅斑、爪囲炎、外
陰カンジダ症)、癜風または外傷を含む皮膚疾患の治療
のために使用することができる。
【0016】また本発明に係る外用剤は、色素沈着、肝
斑、雀卵斑、瘢痕等の皮膚組織改善のために使用するこ
とができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明では、(A)下記式(I)
で示されるニトロイミダゾール誘導体またはその薬理学
的に許容される塩と、(B)抗真菌剤、副腎皮質ホルモ
ン剤、抗菌剤またはサルファ剤、抗ヒスタミン剤、抗ア
レルギー剤、抗炎症剤、抗生物質および局所麻酔剤から
選ばれる1種類以上の薬剤成分とを有効成分として含有
する複合製剤からなる皮膚疾患治療用および/または皮
膚組織改善用外用剤が提供される。
【0018】(A)メトロニダゾール系化合物
【化3】
【0019】ここで、R1,R2は、それぞれ独立に、直
鎖または分枝鎖のアルキル基、アルキルアルコール基で
あり、水酸基、ベンジル基、フェニル基などの芳香族
基、シクロアルキル基、エーテル基、および/またはア
ミノ基を有していてもよい。
【0020】上記置換基R1およびR2は、直鎖または分
枝鎖のアルキル基、アルキルアルコール基は、例えば、
メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブ
チル、イソブチル、t−ブチレンなどのアルキル基な
ど、またそれらのアルコール類などである。
【0021】本発明では、上記式(I)で示されるニト
ロイミダゾール誘導体のうちでも、特にメトロニダゾー
ル (2-(2-methyl-5-nitro-1-imidazoly1)ethanol) が好
ましい。メトロニダゾールは、下記式(II)で示され
る。
【0022】
【化4】
【0023】上式(I)で示されるニトロイミダゾール
誘導体は、その薬理学的に許容される塩を形成していて
もよい。塩は特に限定されないが、無機酸塩、有機酸塩
が例示でき、水酸基に他の保護基を有する場合も本発明
に含まれる。例えば、ハロゲン化水素酸、塩酸、硝酸、
硫酸、リン酸等の無機酸、酢酸、プロパン酸、安息香
酸、クエン酸、乳酸などの有機酸等またはそれらの塩を
挙げることができる。
【0024】本発明では、有効成分(A)として、ニト
ロイミダゾール誘導体およびその塩から選ばれる2種以
上を併用してもよい。なお本明細書では、ニトロイミダ
ゾール誘導体およびその塩を、単に「メトロニダゾール
系化合物」と称することもある。
【0025】化合物メトロニダゾール (2-(2-methy1-5-
nitro-1-imidazoly1)ethano1) については、1957年
ローヌ・プーラン・ローラー社(フランス)Jacobによ
って合成されたニトロイミダゾール誘導体のうち本剤メ
トロニダゾールが、前述したように強い抗トリコモナス
作用を有することがCosar 及びJulou によって発見され
た。1959年にDurel が初めてヒトトリコモナス症に
本剤を用いてトリコモナス原虫が消失したことを報告し
た。また赤痢アメーバに対しても強い抗菌力を持つ。さ
らに、その他の嫌気性菌に対しても経口投与および局所
的投与に対しても殺菌作用を有していることが報告さ
れ、その作用機序は、このメトロニダゾールのニトロ基
が微生物により還元され、これが微生物のDNAの二重
鎖切断などの機能障害を起こし、分裂増殖を制御するた
めと考えられている。しかしながら、これまでに何らア
トピー性皮膚炎またはその関連する皮膚疾患に検討され
ていなかった。
【0026】本発明の検討によれば、メトロニダゾール
は、単剤であっても塗布後、おだやかにその治療効果が
みられる(軽度のアトピー性皮膚炎を患っている患者で
あればその効果は1〜2日後に確認できるが、重度の患
者であれば効果は約3〜7日後にならないと確認できな
い)。ただし、治癒までの期間や治癒率はステロイド外
用剤と何ら変わらず、またステロイド外用剤の治療後に
おける色素沈着、瘢痕、角質の硬化等の副作用やリバウ
ンドといったような副作用はメトロニダゾール外用剤に
はみられない。
【0027】化合物メトロニダゾール系化合物は、毒性
の弱い物質であるが、強力な殺菌作用を有しており、ま
た皮膚科学的には毒性のない物質である。すなわちメト
ロニダゾールのニトロ基がアトピー性皮膚炎またはその
関連する皮膚疾患の原因となる原体に対して作用しヒト
の皮膚を改善するものと思われる。よって本発明は、こ
れまで何らアトピー性皮膚炎またはその関連する皮膚疾
患を含め、抗アレルギー剤として検討されていなかった
メトロニダゾールを、アトピー性皮膚炎などのの皮膚疾
患治療用および/または皮膚組織改善用外用剤中に必須
成分の1つとして含む点に特徴がある。
【0028】〔毒性試験〕メトロニダゾールは従来の経
口投与では副作用症例数は少ないが発疹などの過敏症、
舌苔、食欲不振、悪心、胃部不快感、下痢、腹痛など消
化器症状、白血球、暗赤色尿など、また、長期投与によ
りまれに末梢神経障害の副作用や、膣壁への投与では、
ときに掻痒感、膣壁充血などの局所刺激等の副作用が報
告されている(引用文献:第十三改正日本薬局方解説
書)。また、メトロニダゾールのその急性毒性は、経口
投与にてマウスにて4,300mg/kgと報告され(引用
文献:フラジール膣錠(塩野義)1998年6月改訂第
2版医薬品インタビューフォーム)、亜急性毒性ではラ
ットにメトロニダゾールを25,50mg/kg/日を1ヶ
月経口投与し体重曲線、一般状態、血液所見、肝・腎機
能、組織学的所見も対照群に比較し変化は認められなか
ったと報告され(引用文献:フラジール膣錠(塩野義)
1998年6月改訂第2版医薬品インタビューフォー
ム)、また、慢性毒性ではラットにメトロニダゾールを
75,150,300mg/kg/日を18週間経口投与し
たところ、体重増加は300mg/kg/日投与群に抑制が
みられたが、血液所見では正常であり、組織所見では3
00mg/kg/日投与群の雄に精子形成減少があったほか
はすベて正常であったことが報告されている(引用文
献:フラジール膣錠(塩野義)1998年6月改訂第2
版医薬品インタビューフォーム)。すなわちメトロニダ
ゾールは、過剰な経口投与においても毒性の少ない物質
であることが分かる。さらに本発明は、外用剤であり、
極めて安全性が高い。
【0029】(B)他の薬剤成分 本発明に係る外用剤は、上記のような(A)メトロニダ
ゾール系化合物とともに(B)抗真菌剤、副腎皮質ホル
モン剤、抗菌剤またはサルファ剤、抗ヒスタミン剤、抗
アレルギー剤、抗炎症剤、抗生物質および局所麻酔剤か
ら選ばれる1種類以上の薬剤成分を有効成分として含有
している。
【0030】抗真菌剤としては、例えば塩酸クロコナゾ
ール、塩酸ネチコナゾール、クロトリマゾール、ケトコ
ナゾール、硝酸イソコナゾール、硝酸エコナゾール、硝
酸オキシコナゾール、硝酸スルコナゾール、硝酸ミコナ
ゾール、チオコナゾール、ビホナゾール、ラノコナゾー
ルを含むイミダゾール系化合物などが挙げられる。
【0031】副腎皮質ホルモン剤としては、例えばアム
シノニド、オキシメトロン、カンレノ酸カリウム、吉草
酸酢酸プレドニゾロン、吉草酸ジフルコルトロン、吉草
酸デキサメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、コハク酸ヒド
ロコルチゾン、コハク酸プレドニゾロン、酢酸クロルマ
ジノン、酢酸コルチゾン、酢酸ジフロラゾン、酢酸ヒド
ロコルチゾン、酢酸パラメタゾン、酢酸フルドロコルチ
ゾン、酢酸プレドニゾロン、酢酸メテノロン、ジフルプ
レドナート、ジプロピオン酸ベタメタゾン、デキサメタ
ゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニ
ド、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、ピバル酸フルメ
タゾン、ファルネシル酸プレドニゾロンゲル、ブデソニ
ド、フランカルボン酸モメタゾン、フルオシノニド、フ
ルオシノロンアセトニド、フルオロメトロン、フルドロ
キシコルチド、プレドニゾロン、プロピオン酸アルクロ
メタゾン、プロピオン酸クロベタゾール、プロピオン酸
デキサメタゾン、プロピオン酸デプロドン、プロピオン
酸ベクロメタゾン、ベタメタゾン、メチルプレドニゾロ
ン、酪酸クロベタゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、酪酸プ
ロピオン酸ヒドロコルチゾン、酪酸プロピオン酸ベタメ
タゾン、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、リン酸ベ
タメタゾンナトリウムまたはそれらの誘導体などの副腎
皮質ホルモン剤(ステロイド剤)が挙げられる。
【0032】抗菌剤またはサルファ剤としては、例えば
エノキサシン、塩化メチルロザニリン、塩酸シプロフロ
キサシン、塩酸ロメフロキサシン、オフロキサシン、シ
ノキサシン、スパルフロキサシン、トシル酸トスフロキ
サシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、ピペミド酸
三水和物、ピロミド酸、フレロキサシン、レボフロキサ
シン、アセチルスルファメトキサゾール、サラゾスルフ
ァピリジン、スルファジアジン、スルファジアジン銀、
スルファジメトキシン、スルファチアゾール、スルファ
フェナゾール、スルファメトキサゾール、スルファメト
キシピリダジン、スルファメトピラジン、スルファメト
ミジン、スルファメチゾール、スルファメラジン、スル
ファモノメトキシン、スルフイソキサゾール、スルフイ
ソミジン、スルフイソミジンナトリウム、ホモスルファ
ミンを含むまたはそれらの誘導体などが挙げられる。
【0033】抗ヒスタミン剤としては、例えば塩酸シプ
ロヘプタジン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸トリプロ
リジン、塩酸ヒドロキシジン、塩酸プロメタジン、塩酸
ホモクロルシクリジン、シメチジン、酒石酸アリメマジ
ン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、テオクル酸ジフェ
ニルピラリン、パモ酸ヒドロキシジン、ファモチジン、
マレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸クレマスチ
ン、メキタジンを含むまたはそれらの誘導体などが挙げ
られる。
【0034】抗アレルギー剤としては、例えばアステミ
ゾール、アンレキサノクス、イブジラスト、エバスチ
ン、塩酸アゼラスチン、塩酸エピナスチン、塩酸オザグ
レル、塩酸セチリジン、オキサトミド、クロモグリク酸
ナトリウム、セラトロダスト、タザノラスト、テルフェ
ナジン、トシル酸スプラタスト、トラニラスト、フマル
酸エメダスチン、フマル酸ケトチフェン、プランルカス
ト水和物、ペミロラストカリウム、レピリナストを含む
またはそれらの誘導体などの抗アレルギー剤化合物など
が挙げられる。
【0035】抗炎症剤としては、例えばアクタリット、
アセメタシン、アスピリン、アルクロフェナク、アルミ
ノプロフェン、アンフェナクナトリウム、アンピロキシ
カム、イブプロフェン、イブプロフェンピコノール、イ
ンドメタシン、インドメタシンファルネシル、ウフェナ
マート、エトドラク、エピリゾール、エモルファゾン、
塩酸チアラミド、塩酸チノリジン、塩酸ブプレノルフィ
ン、塩酸ペンタゾシン、エンフェナム、オキサプロジ
ン、グリチルレチン酸、クロタミトン、ケトプロフェ
ン、ザルトプロフェン、ジフルニサル、ジクロフェナク
ナトリウム、スプロフェン、スリンダク、チアプロフェ
ン、テノキシカム、トリメチンナトリウム、ナブメト
ン、ナプロキセン、ニフルム酸、ピロキシカム、フェナ
セチン、フェニルブタゾン、フェノプロフェンカルシウ
ム、フェルビナク、フェンブフェン、ブコローム、ブフ
ェキサマク、プラノプロフェン、フルルビプロフェン、
フロクタフェニン、メシル酸ジメトチアジン、メチアジ
ン、ベンダザック、ヘパリン類似物質、マレイン酸プロ
グルメタシン、メクロフェナム、メフェナム酸、ロキソ
プロフェンナトリウム、ロベンザリット二ナトリウム、
ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出物を含むまた
はそれらの誘導体などの抗炎症剤化合物が挙げられる。
【0036】抗生物質としては、例えばアセチルキタサ
マイシン、アセチルスピラマイシン、アムホテリシン
B、アモキシシリン、アンピシリン、一硫酸カナマイシ
ン、エチルコハク酸エリスロマイシン、エリスロマイシ
ン、エリスロマイシンエストレート、塩酸アクラルビシ
ン、塩酸オキシテトラサイクリン、塩酸クリンダマイシ
ン、塩酸セフェタメトピボキシル、塩酸セフォチアムヘ
キセチル、塩酸セフカペンピボキシル、塩酸セフメノキ
シム、塩酸タランピシリン、塩酸テトラサイクリン、塩
酸デメチルクロルテトラサイクリン、塩酸テトラサイク
リン、塩酸バンコマイシン、塩酸ドキシサイクリン、塩
酸ドキソルビシン、塩酸バカンピシリン、塩酸パルミチ
ン酸クリンダマイシン、塩酸バンコマイシン、塩酸ピブ
メシリナム、塩酸ブレオマイシン、塩酸ミノサイクリ
ン、塩酸リンコマイシン、塩酸レナンピシリン、カルベ
ニシリンナトリウム、キタサマイシン、クラブラン酸カ
リウム、クラリスロマイシン、グリセオフルビン、クロ
キサシンナトリウム、クロラムフェニコール、コリスチ
ンメタンスルホン酸ナトリウム、サイクロセリン、酢酸
ミデカマイシン、シクラシリン、ジクロキサシリンナト
リウム、シッカニン、ジョサマイシン、ステアリン酸エ
リスロマイシン、スルベニシリンナトリウム、セファク
ロル、セファゾリン、セファトリジンプロピレングリコ
ール、セファドロキシル、セファピリン、セファマンド
ールナトリウム、セファレキシン、セファロチンナトリ
ウム、セファロリジン、セフィキシム、セフォキシチン
ナトリウム、セフォタキシムナトリウム、セフォテタ
ン、セフォペラゾンナトリウム、セフジトレンピボキシ
ル、セフジニル、セフスロジンナトリウム、セフチゾキ
シムナトリウム、セフチブテン、セフテラムピボキシ
ル、セフピラミドナトリウム、セフブペラゾンナトリウ
ム、セフポドキシムプロキセチル、セフメタゾールナト
リウム、セフラジン、セフロキサジン、セフロキシムア
キセチル、セフロキシムナトリウム、チカルシリンナト
リウム、テトラサイクリン、トシル酸スルタミシリン、
トブラマイシン、トリコマイシン、ナイスタチン、バリ
オチン、パルミチン酸クロラムフェニコール、ピペラシ
リンナトリウム、ピマリシン、ファロペネムナトリウ
ム、プロピオン酸ジョサマイシン、フェネチシリンカリ
ウム、フェノキシメチルペニシリンカリウム、ベンジル
ペニシリンカリウム、ベンジルペニシリンベンザチン、
ホスホマイシンカルシウム、マイトマイシンC、ミデカ
マイシン、メタリン酸テトラサイクリン、ラタモキセフ
ナトリウム、リファンピシン、硫酸アストロマイシン、
硫酸アミカシン、硫酸カナマイシン、硫酸ゲンタマイシ
ン、硫酸シソマイシン、硫酸ジベカシン、硫酸ストレプ
トマイシン、硫酸ネチルマイシン、硫酸フラジオマイシ
ン、硫酸ブレオマイシン、硫酸ベカナマイシン、硫酸ペ
プロマイシン、硫酸ポリミキシンB、硫酸ミクロノマイ
シン、硫酸リボスタマイシン、リン酸クリンダマイシ
ン、ロキシスロマイシン、ロキタマイシンを含むまたは
それらの誘導体などの抗生物質化合物が挙げられる。
【0037】局所麻酔剤としては、例えばアミノ安息香
酸エチル、塩酸オキシブプロカイン、塩酸ジブカイン、
塩酸テトラカイン、塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエ
チルアミノエチル、塩酸プロカイン、塩酸メピバカイ
ン、塩酸リドカイン、オキセサゼイン、リドカインを含
むまたはそれらの誘導体などの局所麻酔剤化合物が挙げ
られる。
【0038】本発明の外用剤は、薬剤成分(B)とし
て、上記のような抗真菌剤、副腎皮質ホルモン剤、抗菌
剤またはサルファ剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー
剤、抗炎症剤、抗生物質および局所麻酔剤から選ばれる
1種類を含んでいてもよく、また2種類以上を含有して
いてもよい。
【0039】<複合剤>本発明の外用剤は、上記のよう
な(A)メトロニダゾール系化合物と、(B)薬剤成分
とを有効成分として含む複合製剤からなる。この複合製
剤(外用剤)の(A)および(B)以外の成分について
は後述するが、複合製剤全重量を100重量%とすると
き、製剤中の上記(A)メトロニダゾール系化合物の含
有量は、0.1〜20重量%、好ましくは1〜20重量
%、さらには1.6〜20重量%であることが望まし
い。なおこの上限量は、外用剤調剤上からみると、より
好ましくは10重量%、さらに好ましくは5重量%であ
る。
【0040】また薬剤成分(B)として配合される各薬
剤成分の製剤中の配合量(含有量)は、メトロニダゾー
ル系化合物(A)の治療効果に基づき、メトロニダゾー
ル系化合物が覆いきれない菌やウイルス等の殺菌作用、
抗炎症作用等を補助、増強させ得る量であって、かつ薬
剤成分(B)の副作用等や薬理学的な薬理効果の所見に
基づき決定され、それぞれ違ってくるが、本発明では、
通常、以下の量であることが好ましい。
【0041】抗真菌剤が含有されるときの量は、製剤
中、0.0005〜2重量%、好ましくは0.01〜
0.5重量%であることが望ましい。副腎皮質ホルモン
剤が含有されるときの量は、製剤中、0.0001〜1
重量%、好ましくは0.001〜0.1重量%であるこ
とが望ましい。抗菌剤またはサルファ剤が含有されると
きの量は、製剤中、0.001〜5重量%、好ましくは
0.01〜0.5重量%であることが望ましい。抗ヒス
タミン剤が含有されるときの量は、製剤中、0.001
〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%であるこ
とが望ましい。抗アレルギー剤が含有されるときの量
は、製剤中、0.001〜10重量%、好ましくは0.
01〜5重量%であることが望ましい。抗炎症剤が含有
されるときの量は、製剤中、0.001〜5重量%、好
ましくは0.005〜0.5重量%であることが望まし
い。抗生物質が含有されるときの量は、製剤中、0.0
001〜5重量%、好ましくは0.001〜0.1重量
%であることが望ましい。局所麻酔剤が含有されるとき
の量は、製剤中、0.001〜5重量%、好ましくは
0.01〜5重量%であることが望ましい。
【0042】製剤中に薬剤成分(B)を上記配合量(含
有量)で含有していると、十分にその目的とする薬理効
果が認められる。しかも上記のような薬剤成分(B)の
量は、これを単剤などで用いる通常の使用量に比べて極
めて微量である。たとえば副腎皮質ホルモン剤の量は、
通常の副腎皮質ホルモン剤外用薬の量に比べて20分の
1程度であるが、後述の試験例で示すように同等の薬理
効果がある。
【0043】なお酒さ治療用または悪臭除去用治療治療
薬として、0.8〜1重量%のメトロニダゾール単剤
(例文献:病院薬局製剤 第4版日本病院薬剤師会編1
%フラジール軟膏、0.8%メトロニダゾールゲル)が
試験された例があるが、特に優れた治療効果を示すもの
ではなかった。
【0044】また薬剤成分(B)すなわち抗真菌剤、副
腎皮質ホルモン剤、抗菌剤またはサルファ剤、抗ヒスタ
ミン剤、抗アレルギー剤、抗炎症剤、抗生物質、局所麻
酔剤の薬効も知られている。この薬剤成分(B)は、現
在市販されている製剤または薬理学的に考えられる量よ
り微量であれば副作用もほとんど認められないが、しか
し皮膚疾患において効果的な治療は望めない。本発明は
メトロニダゾール系化合物(A)を主薬とし、上記の薬
剤成分(B)を効果的な治療は望めないと考えられてい
る微量で配合することで、副作用のない各種皮膚疾患の
治療により良き最適な外用剤が得られている。
【0045】このように(A)メトロニダゾール系化合
物と、薬剤成分(B)とを組合わせることによって、薬
剤成分(B)が通常使用量に比べて極めて少量でも、優
れた薬効があり、しかも副作用を示さないことは本発明
者によって初めて見出された知見である。また(B)薬
剤成分だけでは治療効果のあまり望めなかったものであ
っても、(A)メトロニダゾール系化合物との複合剤と
することによって治療効果が得られるもの、あるいは速
効性が得られるなどの効果もある。
【0046】本発明の複合剤(外用剤)の有効な皮膚疾
患などは、後述するが、上記薬剤成分(B)は、目的や
症状の程度によりなどに応じて適宜に選択し、組合わせ
ることもできるが、たとえばアトピー性皮膚炎等の重度
または難治性の皮膚疾患の治療には、抗真菌剤および微
量の副腎皮質ホルモン剤を配合することが好適であり、
特にこのとき(A)はメトロニダゾールであることが好
ましい。すなわち有効成分として、メトロニダゾール、
抗真菌剤および微量の副腎皮質ホルモン剤の三剤の組合
わせがその治療にもっとも適している。
【0047】さらに一例を挙げれば、潰瘍性皮膚疾患の
治療には、(B)薬剤成分として、抗生物質を含む複合
剤が適している。またたとえば(B)薬剤成分中の抗ヒ
スタミン剤は、(A)メトロニダゾール系化合物との複
合剤とすることによって、かゆみ止の速効性が得られ
た。
【0048】本発明の複合剤からなる外用剤は、(A)
および(B)を複合せず、メトロニダゾール単剤の外用
剤または(B)薬剤成分の外用剤よりも、より一層優れ
た治療効果があるが、これは皮膚疾患が多種多様な菌や
ウイルス等により引き起こされ、それぞれ1剤ではその
菌やウイルス等に対する抗炎症効果が限られ、複合剤に
することにより薬物がそれぞれにあった菌やウイルス等
に対して殺菌もしくは炎症を抑えるものと考えられる。
【0049】したがって症状の軽い白癬に罹患している
患者には、たとえばメトロニダゾール単剤の外用剤を用
いても治療効果があるが、症状が重度の患者には、本発
明のメトロニダゾール系化合物(A)と抗菌剤(B)と
の複合剤である外用剤を投与すると、メトロニダゾール
単剤よりも速効性、およびより効果的な治療効果が得ら
れ、望ましい。
【0050】本発明では、必要に応じて本発明の複合剤
(外用剤)と、メトロニダゾール単剤とを併用すること
もできる。例えば同じアトピー性皮膚炎に罹患している
同一患者であっても、罹患場所により化膿している部位
がある場合には、メトロニダゾールと抗生物質とを組合
わせた複合剤である本発明の外用剤を、一方化膿してな
い部位にはメトロニダゾール単剤の外用剤を投与するこ
とができる。
【0051】本発明の製剤のpHは、3〜9、好ましくは
4〜8の範囲内にあることが望ましい。このようなpHで
あれば、有効成分を製剤中に安定に融解、分散、配合す
ることができる。また皮膚刺激の発現は個人差があっ
て、まちまちであるが、上記pHの範囲内であれば、一般
に皮膚疾患を患い、皮膚組織の破損、皮膚組織の機能の
低下等が推測される患者でも皮膚刺激等が少なく使用す
ることができる。
【0052】外用製剤のpHを調整するために、例えば塩
酸、クエン酸、乳酸などの酸、あるいは水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、トリエタノールアミンなどのアル
カリ等を配合してもよい。
【0053】本発明の外用剤は、上記のような複合製剤
からなるが、その形態は、公知、周知の形態であればよ
く、特に限定されない。軟膏剤、クリーム剤、ジェル
剤、パスタ剤、ジェルなどの半固形物、化粧水、乳液、
パック、ローション剤、リンス剤、シャンプー剤などの
液剤、含水性または水を含まない貼付剤、石鹸剤の固形
物などの皮膚科学的に考え得ることができる外用剤の形
態である。また水性、アルコール性、油性もしくは中性
などの懸濁、融解状態の液、あるいはペーストなどの半
固形や粉末などの固形物など、何ら限定されない。特
に、頭部のアトピー性皮膚炎または難治性の皮膚疾患を
患っている患者の皮膚疾患の治療には、従来または公知
のクリームや軟膏などは使用し難いため、シャンプー、
ジェル、リンスなどの外用剤形態は極めて有用である。
【0054】したがって複合製剤は、上記有効成分
(A)および(B)に加えて、通常、各種外用剤を形成
するための他の任意成分を含むことができる。このよう
な他の成分としては、メトロニダゾール系化合物(A)
および(B)薬剤成分を均一に融解、配合、分散しう
る、製剤学的に汎用されている外用製剤基剤であればよ
く、特に限定されないが、例を挙げれば、オリーブ油、
ヒマシ油などの油脂;ミツロウ、ラノリン、ホホバ油な
どのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、セレシン、マ
イクロクリスタリン、ワックス、スクワランなどの炭化
水素;ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレ
イン酸などの高級脂肪酸;乳酸セチル、ミリスチン酸イ
ソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシルなどのエス
テル類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、ラ
ウリルアルコールなどの高級アルコール;非イオン性で
あれば、モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸
グリセリン、プロピレングリコールモノステアリン酸エ
ステル、ポリオキシエチレンセチルアルコールエーテル
などの界面活性剤;セチル硫酸ナトリウム、ステアリン
酸ナトリウム、N−アシルグルタミン酸ナトリウムなど
の陰イオン性;エタノール、イソプロパノールなどの低
級アルコール;精製水、蒸留水、水など、従来もしくは
公知の皮膚科学的に使用でき得る基剤等が挙げられる。
また目的に応じて微量の香料、着色剤等を配合してもよ
い。
【0055】本発明の外用製剤の製造に際しては、従来
の製剤学的に公知の製法に準じて製造することができ
る。外用剤の製造に際しては、有効成分(A)および
(B)は、前記した製剤中の好ましい含有量となる量で
配合することが好ましく、他の任意成分(外用基剤)
は、外用形態に応じて適宜量で配合することができる。
【0056】具体的に本発明の外用剤として、軟膏、ク
リーム剤、ローション剤等の製造にあっては、たとえ
ば、製剤重量全量に対して1.6〜5重量%のメトロニ
ダゾール系化合物(A)と、副作用や薬理学的な薬理効
果の所見に基づき薬剤によって変わるが、それぞれ製剤
に含有するとしたときの製剤重量全量に対する量で、
0.01〜0.5重量%の抗真菌剤、0.001〜0.
1重量%の副腎皮質ホルモン剤、0.01〜0.5重量
%の抗菌剤またはサルファ剤、0.01〜5重量%の抗
ヒスタミン剤、0.01〜5重量%の抗アレルギー剤、
0.005〜0.5重量%の抗炎症剤、0.001〜
0.1重量%の抗生物質、および0.01〜5重量%の
局所麻酔剤から選ばれる1種類以上の薬剤成分(B)
と、基剤として、0〜90重量%の炭化水素、0〜90
重量%の保湿剤、0〜90重量%の界面活性剤、0〜5
0重量%の増粘剤、0〜80重量%の蒸留水、精製水な
どの水、0〜2重量%の防腐剤、0〜5重量%の緩衝剤
またはpH調整剤、0.5〜20重量%の高級脂肪酸、0
〜50重量%の低級アルコール、0〜30重量%の高級
アルコールを配合することができ、さらにこれに目的に
応じて微量の香料、着色剤等を配合することができる。
【0057】これら抗真菌剤、副腎皮質ホルモン剤、抗
菌剤またはサルファ剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー
剤、抗炎症剤、抗生物質、局所麻酔剤の割合はそれぞれ
薬効・薬剤の種類、治療目的に応じて、また、基剤の割
合はその目的に応じた外用製剤により変化することがで
きるので、これに限定する物ではない。
【0058】本発明の外用剤は、医薬品に限定されず、
医薬部外品、化粧料等も含む。さらに本発明の外用剤
は、上記のような製製剤中のメトロニダゾール系化合
物、抗真菌剤、副腎皮質ホルモン剤、抗菌剤またはサル
ファ剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、抗炎症剤、
抗生物質、局所麻酔剤の効果を損なわない限り、これら
に加えて他の薬効成分を必要に応じて含んでもよい。こ
れらの薬効成分としては、公知の清涼成分、ビタミン
剤、角質剥離剤、皮質抑制剤、抗脂漏剤、消炎剤、殺菌
剤、鎮痒剤等、また、皮膚疾患に用いることのできる薬
物を例示することができ、具体的には、メントール、ビ
タミンA,B群,C,D,E剤等、サリチル酸、エスト
ラジオール、グリチルリチン酸、塩化ベンザルコニウ
ム、フェノール、カンフル等が挙げられる。また、抗ウ
イルス剤例えば、アシクロビル、イドクスウリジン、ガ
ンシクロビル、サニルブジン、ザルシタビン、ジダノシ
ン、ジドブジン、ビダラビン、ネビラピン、ホスカルネ
ットナトリウム水和物、メシル酸サキナビル、メシル酸
ネルフィナビル、ラミブジン、リトナビル、硫酸インジ
ナビル等、麻薬および覚醒剤類例えば、塩酸エチルモル
ヒネ、塩酸オキシコドン、塩酸コカイン、塩酸ペチジ
ン、塩酸メタンフェタミン、dl−塩酸メチルエフェド
リン、塩酸モルヒネ、クエン酸フェンタニル、酒石酸レ
バロルファン等、代謝拮抗剤例えば、アクチノマイシン
D、L−アスパラギナーゼ、アセグラトン、ウベニメク
ス、ウラシル、エトポシド、エノシタビン、塩酸アクラ
ルビシン、塩酸イダルビシン、塩酸イリノテカン、塩酸
エピルビシン、塩酸ドウノルビシン、塩酸ドキソルビシ
ン、塩酸ピラルビシン、塩酸ファドロゾール水和物、塩
酸ブレオマイシン、塩酸プロカルバジン、塩酸ミトキサ
ントロン、カルボプラチン、カルモフール、クエン酸タ
モキシフェン、クエン酸トレミフェン、シクロホスファ
ミド、シスプラチン、シゾフィラン、シタラビン、シタ
ラビンオクホスファート、ジノスタチンスチマラマー、
酒石酸ビノレルビン、ソブゾキサン、チオテパ、テガフ
ール、ドキシフルリジン、ドセタキセル水和物、トレチ
ノイン、ネオカルチノスタチン、ネダプラチン、パクリ
タキセル、ビカルタミド、ヒドロキシカルバミド、ホス
フェストロール、ブスルファン、フルオロウラシル、フ
ルタミド、プロピルチオウラシル、ペントスタチン、ポ
ルフィマーナトリウム、メチルテストステロン、メピチ
オスタン、G−メルカプトプリンリポシド、メルカプト
プリン、メトトレキサート、メルファラン、溶連菌抽出
物、硫酸ペプロマイシン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビ
ンブラスチン、レンチナン等もまた挙げられる。
【0059】本発明の外用剤を製造する際には、必要に
応じて、酸化防止剤例えばアスコルビン酸、トコフェロ
ール、クエン酸、ジブチルヒドロキシトルエンなど;防
腐剤、例えば、デヒドロ酢酸、サリチル酸、パラオキシ
安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、チモー
ルなど;保湿剤、例えば、グリセリン、ラノリン、プロ
ピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、尿
素、ヒアルロン酸ナトリウムなど;増粘剤、例えば、ポ
リエチレングリゴール、キサンタンゴム、カルボキシメ
チルセルロースナトリウム、カルボキシプロピルセルロ
ースなど;緩衝剤・pH調整剤、例えば、クエン酸、乳
酸、塩酸、ホウ酸などの酸、また、リン酸二水素ナトリ
ウム、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、トリエタノールアミンなどのアルカリ;脂質
吸収剤など;例えば、カオリン、ベントナイトなどの、
従来の外用剤において使用されている公知の製剤成分を
添加することもできる。
【0060】上記のような本発明の外用剤は、皮膚疾患
治療用および/または皮膚組織改善用として極めて有用
であり、各種の皮膚疾患に対し、例えば、一日2回ない
し3回程度皮膚に適用することによって、極めて良好に
それら疾患を治療または皮膚組織を改善し得るものであ
る。
【0061】このような本発明の外用剤は、具体的に皮
膚真菌症(足部白癬、体部白癬、股部白癬を含む白
癬)、湿疹、皮膚炎群(進行性指掌角皮症、女子顔面黒
皮症、ビダール苔癬、放射性皮膚炎、日光皮膚炎、皮膚
欠乏性湿疹、接触皮膚炎を含む)、皮膚そう痒症(蕁麻
疹様苔癬、ストロフルス、固定蕁麻疹を含む)、虫ささ
れ、乾癬、掌蹠膿疱症、扁平苔癬、光沢苔癬、毛孔性紅
色粃糠疹、ジベルバラ色粃糠疹、紅斑症(多形滲出性紅
斑、結節性紅斑、ダリエ遠心性環状紅斑)、紅皮症(悪
性リンパ腫による紅皮症を含む)、慢性円板症エリテマ
トーデス、薬疹・中毒疹、円形脱毛症、熱傷(瘢痕、ケ
ロイドを含む)、凍瘡、天疱瘡群、ジューリング疱疹状
皮膚炎(類天疱瘡を含む)、痔核、アトピー性皮膚炎、
酒さ、脂漏性皮膚炎、皮膚口内炎、カンジダ症(指間び
らん症、間擦疹・皮膚カンジダ症、乳児寄生菌性紅斑、
爪囲炎、外陰カンジダ症)、癜風、腋臭または外傷を含
む皮膚疾患の治療を目的として使用することができる。
【0062】また、本発明の外用剤は、皮膚疾患治療目
的だけでなく、瘢痕、色素沈着、肝斑、雀卵斑等の皮膚
組織改善剤としても利用できる。
【0063】
【実施例】次に本発明を実施例、試験例により具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例、試験例に限定され
るものではない。
【0064】 実施例1:外用クリーム剤 処方: (a)有効成分 メトロニダゾール 2g クロトリマゾール 0.1g プロピオン酸クロベタゾール 0.005g (b)油相 モノステアリン酸グリコール 10g セタノール 7g 流動パラフィン 9g 白色ワセリン 3.5g (C)水相 プロピレングリコール 6.5g ラウリル硫酸ナトリウム 1g 精製水 全量で100gとなる量 製造方法:(b)油相、(c)水相をそれぞれ約85℃
の温度に保ち、(c)水相を(b)油相に加え攪拌しな
がら(a)有効成分を添加する。その後、連続的に攪拌
しながら約25℃の温度に冷却する。生じたクリームを
適当な容器に採取する。
【0065】 実施例2:外用クリーム剤 (a)有効成分 メトロニダゾール 2g リドカイン 0.05g 吉草酸酢酸プレドニゾロン 0.005g (b)油相 モノステアリン酸グリコール 10g セタノール 7g 流動パラフィン 9g 白色ワセリン 3.5g (C)水相 プロピレングリコール 6.5g ラウリル硫酸ナトリウム 1g 精製水 全量で100gとなる量 製造方法:(b)油相、(c)水相をそれぞれ約85℃
の温度に保ち、(c)水相を(b)油相に加え攪拌しな
がら(a)有効成分を添加する。その後、連続的に攪拌
しながら約25℃の温度に冷却する。生じたクリームを
適当な容器に採取する。
【0066】 実施例3:外用クリーム剤 処方: (a)有効成分 メトロニダゾール 2g クロラムフェニコール 0.001g 酢酸ヒドロコルチゾン 0.001g (b)油相 モノステアリン酸グリコール 10g セタノール 7g 流動パラフィン 9g 白色ワセリン 3.5g (C)水相 プロピレングリコール 6.5g ラウリル硫酸ナトリウム 1g 精製水 全量で100gとなる量 製造方法:(b)油相、(c)水相をそれぞれ約85℃
の温度に保ち、(c)水相を(b)油相に加え攪拌しな
がら(a)有効成分を添加する。その後、連続的に攪拌
しながら約25℃の温度に冷却する。生じたクリームを
適当な容器に採取する。
【0067】 実施例4:クリーム基剤 処方: (a)有効成分 メトロニダゾール 2.5g ケトコナゾール 0.1g (b)油相 ステアリン酸 5g ステアリルアルコール 5g 流動パラフィン 5g ミリスチン酸イソプロピル 1g スパン60 1g チモール 0.2g (C)水相 ツィーン60 0.5g プロピレングリコール 5g トリエタノールアミン 0.4g 蒸留水 全量が100gとなる量 製造方法:(b)油相、(c)水相をそれぞれ約85℃
の温度に保ち、(c)水相を(b)油相に加え攪拌しな
がら(a)有効成分を添加する。その後、連続的に攪拌
しながら約25℃の温度に冷却する。生じたクリームを
適当な容器に採取する。
【0068】 実施例5:外用クリーム剤 処方: (a)有効成分 メトロニダゾール 3g ピペミド酸三水和物 0.1g プレドニゾロン 0.001g (b)油相 モノステアリン酸グリコール 5g ポリオキシエチレン(23)セチルエーテル 2g セタノール 6g 白色ワセリン 5g 流動パラフィン 5g トリ(カプリル酸カプロン酸)グリセリル 5g ミリスチン酸オクチルドデシル 3g パラオキシ安息香酸プロピル 0.1g (C)水相 プロピレングリコール 7g パラオキシ安息香酸メチル 0.1g 蒸留水 全量100gとする量 製造方法:(b)油相、(c)水相をそれぞれ約85℃
の温度に保ち、(c)水相を(b)油相に加え攪拌しな
がら(a)有効成分を添加する。その後、連続的に攪拌
しながら約25℃の温度に冷却する。生じたクリームを
適当な容器に採取する。
【0069】 実施例6:外用軟膏剤 処方: (a)有効成分 メトロニダゾール 2g クロタミトン 1g フルオシノロンアセトニド 0.001g (b)油相 白色ワセリン 45g セタノール 20g ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 5g ツィーン80 2g 流動パラフィン 5g パラオキシ安息香酸プロピル 0.1g (C)水相 パラオキシ安息香酸メチル 0.1g 蒸留水 全量が100gになる量 製造方法:(b)油相、(c)水相をそれぞれ約85℃
の温度に保ち、(c)水相を(b)油相に加え攪拌しな
がら(a)有効成分を添加する。その後、連続的に攪拌
しながら約25℃の温度に冷却する。生じた軟膏を適当
な容器に採取する。
【0070】 実施例7:外用軟膏剤 処方: (a)有効成分 メトロニダゾール 2g 塩酸ジフェンヒドラミン 0.2g リドカイン 0.1g (b)油相 ステアリルアルコール 7g セタノール 3g 白色ワセリン 30g モノステアリン酸グリコール 10g スパン80 1.5g 流動パラフィン 5g (C)水相 プロピレングリコール 5g Tween 80 1g 蒸留水 全量で100gとなる量 製造方法:(b)油相、(c)水相をそれぞれ約85℃
の温度に保ち、(b)油相を(C)水相に加え攪拌しな
がら(a)有効成分を添加する。その後、連続的に攪拌
しながら約25℃の温度に冷却する。生じた軟膏を適当
な容器に採取する。
【0071】 実施例8:外用軟膏剤 処方: (a)有効成分 メトロニダゾール 2g 硫酸ゲンタマイシン 0.005g (b)油相 モノステアリン酸グリコール 15g モノステアリン酸ポリオキシエチレングリコール 3g ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル 2g セタノール 5g ミツロウ 5g 白色ワセリン 20g (C)水相 蒸留水 全量で100gとなる量 製造方法:(b)油相、(c)水相をそれぞれ約85℃
の温度に保ち、(b)油相を(C)水相に加え攪拌しな
がら(a)有効成分を添加する。その後、連続的に攪拌
しながら約25℃の温度に冷却する。生じた軟膏を適当
な容器に採取する。
【0072】 実施例9:ローション剤 処方: (a)有効成分 メトロニダゾール 2g 吉草酸ベタメタゾン 0.005g ビホナゾール 0.05g (b)油相 ステアリン酸 2g セタノール 1.5g ワセリン 4g スクワラン 5g トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリン 2g モノオレイン酸ソルビタン 2g ポリエチレングリコール 5g (C)水相 ジプロピレングリコール 5g トリエタノールアミン 0.7g 精製水 60g (d)水相 イソプロパノール 10g 精製水 全量で100gとなる量 製造方法:(b)油相、(c)水相をそれぞれ約70℃
の温度に保ち、(b)油相を(C)水相に加え攪拌しな
がら(a)有効成分を添加する。その後、連続的に攪拌
しながら約40℃の温度に冷却後、(d)水相を添加し
攪拌しながら約25℃の温度に冷却する。生じたローシ
ョン剤を適当な気密容器に採取する。
【0073】 実施例10:貼付剤 処方: (a)有効成分 メトロニダゾール 3g クロタミトン 1g プレドニゾロン 0.05g (b)基剤 D−ソルビトール(70%) 30g 精製水 9g カオリン 13g 酸化チタン 1g (C)基剤 ゼラチン 1g 精製水 4g (d)基剤 メタリン酸ナトリウム 0.1g 精製水 1g (e)基剤 ポリアクリル酸ナトリウム 5g アクリル酸デンプン300 1g プロピレングリコール 5g ヒマシ油 1g 水酸化アルミナマグネシウム 0.25g モノオレイン酸ソルビタン 0.5g モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.5g (f)基剤 D−ソルビトール(70%) 14g ジブチルヒドロキシトルエン 0.2g (g)基剤 メタアクリル酸・アクリル酸n−ブチルコポリマー 3g (h)基剤 D−ソルビトール(70%) 4.9g 酒石酸 1.5g 製造方法:(b)基剤を約40℃の温度に調整し攪拌し
ながら(d)基剤を約60℃の温度に調整したものを添
加し、(c)基剤を添加し攪拌しながら、(g)基剤を
添加する。これに(a)有効成分および(e)基剤の良
く混合したものを添加し、(f)基剤を加え、攪拌しな
がら(h)基剤を少しずつ添加する。生じた膏体のうち
14gを量り、10cm×14cmの不織布に均−に塗布し
貼付剤を得た。
【0074】 実施例11:貼付剤(プラスター剤) 処方: (a)有効成分 メトロニダゾール 3g インドメタシン 1g (b)基剤 流動パラフィン 7g ミリスチン酸イソプロピル 3g ポリブデン 15g 1,3ペンタジエン共重合樹脂 26g (C)基剤 モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 1.5g 酸化亜鉛 3g 酸化チタン 2g ジブチルヒドロキシトルエン 0.2g クロタミトン 1g (d) カオリン 6g (e) 天然ゴムラテックス(固形分として) 15g 合成ゴムSBR(固形分として) 17g (f) グリセリン 0.25g 精製水 1g ポリアクリル酸ナトリウム 0.05g 製造方法:(b)基剤の約110℃の温度で混合融解し
たものを約90℃の温度に調整し、(a)有効成分を添
加し、約70℃の温度に調整後、これに(c)基剤と
(d)基剤を混合したものを添加する。これを攪拌しな
がら(f)基剤を添加し約70℃の温度で(e)基剤を
添加する。生じた膏体を不織布または織布等に1m2
たり100gで展延し、10cm×14cmの大きさに切断
する。
【0075】 実施例12:ジェル剤 処方: (a)有効成分 メトロニダゾール 3g 塩酸ジフェンヒドラミン 0.5g ベタメサゾン 0.01g (b)油相 ポリオキシエチレンオレイルアルコールエーテル 1g (c)水相 ポリエチレングリコール1500 6g ポリオキシエチレングリコール400 2g EDTA二ナトリウム 0.2g (d)水相 ジプロピレングリコール 8g (e)水相 水酸化カリウム 0.1g (f)水相 カルボキシビニルポリマー 0.5g メチルセルロース 0.2g 精製水 全量で100gとなる量 製造方法:(f)水相を均−に溶解させた後、(c)水
相を添加し、(a)有効成分を加え加温し、溶解、分散
させる。これに(d)水相に(b)油相を加え約60℃
の温度に加温融解したものを添加する。これを攪拌しな
がら(e)水相を加え中和させ、約25℃の温度に冷却
する。生じたジェル剤を適当な容器に採取する。
【0076】試験例1:臨床試験例 実際のアトピー性皮膚炎症患者に本発明の外用剤を適用
してその治療効果を検討した。本発明の外用剤として、
実施例1で調製した外用クリーム剤を用いた。なお有効
成分としてメトロニダゾールのみを用いた以外は、実施
例1と同様に調製した外用クリーム剤(メトロニダゾー
ル単剤)を参考試験例として用いた。対象患者は以下の
とおりである。 参考試験対象患者A:アトピー性皮膚炎に罹患している
年齢40歳の女性 試験対象患者B:アトピー性皮膚炎に罹患している年齢
38歳の女性 試験対象患者C:アトピー性皮膚炎に罹患している年齢
55歳の女性
【0077】試験方法:参考試験例として、対象患者A
へ、アトピー性皮膚炎症の顔面に、1日2回メトロニダ
ゾール単剤の外用クリーム剤を、連続4週間にわたり塗
布し、その炎症の状態を観察した。本発明の試験例とし
て、対象患者B及びCへは、アトピー性皮膚炎症の顔面
に、1日2回実施例1で製造した外用クリーム剤を、連
続3〜4週間にわたり塗布し、その炎症の状態を観察し
た。
【0078】治療効果は、治療開始時の赤疹、湿疹等の
皮膚炎症状、その後の経時的治癒状況を、3日後、1週
間後、2週間後、3週間後、4週間後にスコア化し評価
を行った。また、4週間後における皮膚表面の掻痒感の
有無、皮膚状態を評価した。結果を表1に示す。
【0079】なお、表1中の評価スコアは以下のとおり
である。 <皮膚の状態> 5:赤疹、湿疹等の皮膚炎症状が激しく、疼痛さえも患
っている。 4:赤疹、湿疹等の皮膚炎症状が激しいが、評価5ほど
のことはない。 3:赤疹、湿疹等の皮膚炎症状が確認できるが評価4ほ
どのことはない。 2:赤疹、湿疹等の皮膚炎症状はわずかに確認できる
が、それほど一般の正常な皮膚と変わらない程度。 1:赤疹、湿疹等の皮膚炎症状がなく、正常な皮膚状態
である。 <皮膚の掻痒感> 3:激しい掻痒感があり、無意識に皮膚を掻く状態。 2:少々蚤痒感があるが、皮膚を掻くのを留めおくこと
ができる状態。 1:全く掻痒感が感じない状態。
【0080】
【表1】
【0081】以上のように、4週後には患者A、B、C
ともに健康な人と変わらない皮膚状態になったが、メト
ロニダゾール単独の外用剤を塗布した患者Aより本発明
の複合剤である実施例1の外用クリーム剤を塗布した患
者B及びCの患者が早めに掻痒感がなくなり、また、皮
膚の改善も早かった。なお、患者Cは第三週の時点でア
トピー性皮膚炎の症状が確認できなかったため、本人の
希望により第二週の時点で塗布を終了した。また、臨床
試験の結果、患者Aより患者BおよびCの方がステロイ
ド剤などの副腎質ホルモンを使用していた患者の皮膚状
態にみられる肝斑、雀卵斑などの色素沈着、瘢痕などが
本発明による外用剤を使用したことにより、より減少ま
たは消失したことを確認できた。なお、塗布に際しても
製剤的な刺激性は全くなかった。また、投与中止後もス
テロイド系の外用剤に見られるようなリバウンド等は認
められなかった。
【0082】試験例2:臨床試験例 実際のアトピー性皮膚炎症患者に本発明の外用剤を適用
してその治療効果を検討した。本発明の外用剤として、
実施例3で調製した外用クリーム剤を用いた。なお有効
成分としてメトロニダゾールのみを用いた以外は、実施
例3と同様に調製した外用クリーム剤(メトロニダゾー
ル単剤)を参考試験例に用いた。
【0083】試験方法:参考試験例として、試験例1の
対象患者Aのアトピー性皮膚炎症を罹患している左腕
へ、1日2回外用クリーム剤(メトロニダゾール単剤)
を、連続4週間にわたり塗布し、その炎症の状態を観察
した。本発明の試験例として、対象患者Aのアトピー性
皮膚炎症を罹患している右腕へ、1日2回実施例3で製
造した外用クリーム剤を、連続4週間にわたり塗布し、
その炎症の状態を観察した。
【0084】治療効果は、治療開始時の赤疹、湿疹等の
皮膚炎症状、その後の経時的治癒状況を、3日後、1週
間後、2週間後、3週間後、4週間後にスコア化し評価
を行った。また、4週間後における皮膚表面の掻痒感の
有無、皮膚状態を評価した。結果を表2に示す。表2中
の評価スコアは表1と同様である。
【0085】
【表2】
【0086】以上のように、同一患者Aの同症状におい
て、左・右腕の皮膚状態は4週後には改善になったが、
メトロニダゾール単独の外用剤を塗布した左腕より本発
明の複合剤である実施例3の外用クリーム剤を塗布した
右腕の方が早めに掻痒感がなくなり、また、皮膚の改善
も早かった。また、臨床試験の結果、ステロイド剤など
の副腎質ホルモンを使用していた患者の皮膚状態にみら
れる肝斑、雀卵斑などの色素沈着、瘢痕などが本発明に
よる外用剤を使用したことにより、より健康人に近い皮
膚状態になったことを確認した。その後、左腕にも右腕
に使用した外用クリーム剤を塗布すると右腕と同じ皮膚
状態に改善した。なお、塗布に際しても製剤的な刺激性
は全くなかった。また、投与中止後もステロイド系の外
用剤に見られるようなリバウンド等は認められなかっ
た。
【0087】試験例3:臨床試験例 実施例で製造された外用剤を実際の湿疹/かぶれおよび
脂漏性皮膚炎等に罹患している患者に適用して、その治
療効果を検討した。対象患者として、以下の患者に適用
した。 対象患者D:化粧かぶれに罹患している年齢60歳の女
性 対象患者E:脂漏性皮膚炎に罹患している年齢34歳の
男性 対象患者F:腋臭症に罹患している年齢33歳の男性 対象患者G:虫刺症(だに)に罹患している45歳の男
性 対象患者H:白癬に罹患している年齢57歳の男性 対象患者1:アクネに罹患している年齢30歳の女性 対象患者J:頭部に化膿した皮膚炎を患っている年齢2
8歳の男性
【0088】対象患者K:首に疱疹状皮膚炎(水膨れ)
に罹患している年齢25歳の男性 対象患者L:上腕部にかぶれによる湿疹による化膿に罹
患している年齢24歳の男性 対象患者M:指間にカンジダ症に罹患している年齢45
歳の女性 対象患者N:背中に乾燥性湿疹に罹患している年齢63
歳の男性 対象患者O:肩に腫脹および湿疹に罹患している年齢6
3歳の男性 対象患者P:額に初期のヘルペスに罹患している年齢3
3歳の男性 対象患者Q:下肢に乾燥性湿疹に罹患している年齢23
歳の女性
【0089】試験方法:対象患者DおよびE、Fへは、
実施例3で製造した外用クリーム剤を1日2回連続4週
間にわたり塗布し、その効果を観察した。対象患者Gへ
は実施例6で製造した外用軟膏剤を1日2回症状が改善
するまで塗布し、その効果を観察した。対象患者Hへは
実施例4で製造した外用クリーム剤を1日2回連続4週
間にわたり塗布し、その効果を観察した。対象患者Iへ
は実施例2で製造した外用クリーム剤を1日2回症状が
改善するまで塗布し、その効果を観察した。対象患者J
へは実施例12で製造したジェル剤を1日2〜3回症状
が改善するまで塗布し、その効果を観察した。
【0090】対象患者Kへは実施例5で製造した外用ク
リーム剤を1日2〜3回症状が改善まで塗布し、その効
果を観察した。対象患者Lへは実施例8で製造した外用
軟膏剤を1日2回症状が改善するまで塗布し、その効果
を観察した。対象患者Mへは実施例9で製造したローシ
ョン剤を1日2〜3回症状が改善するまで塗布し、その
効果を観察した。対象患者Nへは実施例10で製造した
貼付剤を1日1〜2回連続3週間にわたり貼付し、その
効果を観察した。対象患者Oへは実施例11で製造した
プラスター剤を1日1〜2回連続3週間にわたり塗布
し、その効果を観察した。対象患者Pへは実施例1で製
造したクリーム剤を1日2〜4回症状が改善するまで塗
布し、その効果を観察した。対象患者Qへは実施例7で
製造した外用軟膏剤を1日2〜3回症状が改善するまで
塗布し、その効果を観察した。
【0091】治療効果は、治療開始時の赤疹、湿疹等の
皮膚炎症状、その後の経時的治癒状況を、3日後、1週
間後、2週間後、3週間後、4週間後にスコア化し評価
を行った。また、4週間後における皮膚表面の掻痒感の
有無、皮膚状態を評価した。結果を表3にホす。
【0092】なお、表3中の評価スコアは以下のとおり
である。 <皮膚の状態> 5:健康人の皮膚とは比較にならないほど皮膚炎症状が
激しい。 4:皮膚の炎症は評価5のほどはない。 3:皮膚の炎症は確認できるが評価4のほどはない。 2:皮膚炎症状はわずかに確認できるが、それほど一般
の正常な皮膚と変わらない程度。 1:健康人と比べてほとんど変わらない正常な皮膚状態
である。 <掻痒感の状態> 3:激しい掻痒感があり、無意識に皮膚を掻く状態。 2:少々掻痒感があるが、皮膚を掻くのを留めおくこと
ができる状態。 1:全く掻痒感が感じない状態。 <においまたは疼痛の状態> 3:いやなにおいがする。ジンジンする痛みがある。 2:気を付けるとにおいがある程度。さわらなければ気
にならない痛み。 1:全くいやなにおいがない。さわっても全く痛みがな
い。
【0093】
【表3】
【0094】以上のように、本発明の外用クリーム剤
は、多様な皮膚炎の治療に際し、塗布開始後3〜7日で
皮膚炎症状の改善が見られ、3から4週間後には正常皮
膚と変わりない状態になった。患者Dについては約6ヶ
月の長期間ステロイド剤を使用していたためその副作用
で皮膚がケロイド状になってはいるが、皮膚炎はおさま
っている。患者Hについては白癬における疾患が約40
年という長期のため4週間後では完治していないが皮膚
状態は数段良くなっている。なお、塗布に際しても製剤
的な刺激性は全くなかった。また、投与中止後もステロ
イド系の外用剤に見られるような副作用などのリバウン
ド等は認められなかった。
【0095】また、ここでは表記していないが、本発明
の実施例1の外用クリーム剤を使用すると蚊などの軽い
虫さされ、軽い発疹、草まけ等の炎症では約30〜60
分ぐらいでかゆみ、腫れなどがなくなり、ニキビ等の初
期であれば翌日にはその存在がなくなっている。また、
擦り傷等の軽いけが等も他の消毒剤例えば、市販のマー
キュロクロム等を使用するよりも短い時間で完治するこ
とが分かっている。
【0096】
【発明の効果】以上のようにメトロニダゾール系化合物
と、抗真菌剤、副腎皮質ホルモン剤、抗菌剤またはサル
ファ剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、抗炎症剤、
抗生物質、局所麻酔剤のうちの1種類以上の薬剤成分と
を有効成分として含有する複合剤からなる本発明の外用
剤は、副作用がなく優れた治療効果が得られた。
【0097】現在市販されている抗真菌剤、副腎皮質ホ
ルモン剤、抗生物質等含有されている外用剤は治療効果
もそれなりにあるが、副作用が発現する場合もある。本
発明のメトロニダゾールを主薬とする複合剤は、他の薬
剤の含有量が市販されているものより微量な量でそれら
複合剤の相互作用により、治療効果が顕著に現れるばか
りでなく、副作用も確認できなかった。よって、ステロ
イド系外用剤に代わる皮膚疾患の治療にメトロニダゾー
ル外用剤は極めて有用な外用剤であるが、本発明のメト
ロニダゾール系化合物を主体とする複合剤はさらに有用
な外用剤であり、その医学的、皮膚科学的な貢献は多大
なもので、現時点では皮膚疾患における治療上に最も利
用価値があるものと思える。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年7月18日(2000.7.1
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アトピー性皮膚炎
および/またはその関連する皮膚疾患治療用の外用剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】皮膚疾患は炎症、蕁麻疹、IgEで表さ
れているアレルギー等や菌やウイルス等などの様々な原
因に起因する。例えば、虫さされ、蕁麻疹、アトピー性
皮膚炎などの患者は、掻痒感やその違和感等によりその
部位を掻くため、菌やウイルス等によりさらに症状を悪
化させることも多い。そのような皮膚炎群は、1種類の
菌やウイルスでなく、各種複合的な菌やウイルス等の存
在によって起こることが知られているが、疾病の発現、
症状など個人差があり、また同一人であっても部位等に
よりそれぞれ異なっている。症状が悪化した皮膚におい
ては、例えば、代表的なものとしてMRSA、MSS
A、CNS、M. Furfur (Pityrosporum) などの菌やウ
イルス等がみられる。
【0003】現在、皮膚疾患治療には主として副腎皮質
ホルモン剤が使用されており、症状に応じて多種多様な
副腎皮質ホルモン剤が使用されている。しかしながら、
副腎皮質ホルモン剤は、優れた治療効果を有するが、長
期にわたる使用あるいは治療の中での使用中止などによ
り、顕著な副作用がみられ、また、その治療効果が現れ
ても複雑な副作用等に悩まされているのが現状である。
一方、副作用の懸念により副腎皮質ホルモン剤を微量に
塗布した場合には、その治療効果がほとんど現れないこ
とが知られている。
【0004】たとえば、アトピー性皮膚炎および/また
はその関連する皮膚疾患やその他の皮膚疾患に最も使用
されている副腎皮質ホルモン剤、すなわちステロイド系
抗炎症剤は、優れた治療効果を有するが、長期にわたる
経口投与により腎不全、糖尿病、視床下部、下垂体、副
腎皮質系機能の抑制などの全身的副作用がみられる。ま
た、外用剤の形態であっても、局所的には皮膚感染症の
悪化、副腎皮質ホルモンに特有な挫瘡などの副作用を起
こすことが多く、投与期間中または投与中止後における
瘢痕、肝斑、雀卵斑等、また投与中止後におけるリバウ
ンドの問題も厚生省、医学会、および薬学会において社
会問題として指摘されている。
【0005】特にアトピー性皮膚炎に関しては、新聞、
雑誌などで社会問題として取り上げられ、刊行物でステ
ロイド剤について問題視されているように、この原因の
特定されていない疾患に関し、症状を持つ患者とその家
族は、日々掻痒感や痛み、不眠等の諸症状に悩まされ、
病院での治療の他に、民間治療等に頼っているのが実状
であり、各大学、病院等、および治療機関においてもこ
れといった治療法が確立されていない。
【0006】例えばステロイド剤を使用するに当たりそ
の使用方法についての「アトピー性皮膚炎治療ガイドラ
イン」(平成8年度厚生省長期慢性疾患総合研究事業ア
レルギー総合研究および平成9・10年度厚生省科学研
究:分担研究「アトピー性皮膚炎治療ガイドラインの作
成」より(1999年発行))が一部の医療機関に配布
されているように、研究班まで存在する一方、医療機関
等で治癒しないとする皮膚疾患を患っている患者が民間
療法や宗教等において行う数々の治療上の問題も発生し
ているのが現状である。このため副作用のない、より有
効なアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患治療用の早急な開
発が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な皮膚疾患治療の現状に鑑みて、副作用がなく優れた治
療効果を得ることができるアトピー性皮膚炎および/ま
たはその関連する皮膚疾患治療用の外用剤を提供するこ
とを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、アトピー性
皮膚炎および/またはその関連する皮膚疾患の治療を目
的として鋭意検討したところ、トリコモナス症や赤痢ア
メーバに対する治療薬であり、これまでに何らアトピー
性皮膚炎および/またはその関連する皮膚疾患に検討さ
れていなかったメトロニダゾールが、優れたアトピー性
皮膚炎および/またはその関連する皮膚疾患に治療効果
のあることを見出した。本発明者は、さらに検討を重ね
たところ、このメトロニダゾール系化合物と、ステロイ
ド剤などの他の特定薬剤成分とを安定に配合して複合製
剤とすることにより、他の特定薬剤成分の使用量が、単
剤での使用量に比べて極めて少量(例えば10〜20分
の1程度)であっても有効な治療効果を示し、しかもた
とえばこれまでのステロイド系抗炎症外用剤に見られる
ような副作用(投与中止後のリバウンド等)もみられな
いという知見を得た。また試験または治療の結果、治療
前より点在した皮膚組織の色素沈着、瘢痕、肝斑、雀卵
斑等が減少、消失する事も新発見して本発明を完成する
に至った。
【0009】すなわち本発明は、(A)式(I):
【0010】
【化2】
【0011】(ここで、R1およびR2は、それぞれ独立
に、直鎖または分枝鎖状のアルキル基またはアルキルア
ルコール基であり、水酸基、ベンジル基、フェニル基、
シクロアルキル基、エーテル基、および/またはアミノ
基を有していてもよい。)で示されるニトロイミダゾー
ル誘導体またはその薬理学的に許容される塩と、(B)
抗真菌剤、副腎皮質ホルモン剤、抗菌剤またはサルファ
剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、抗炎症剤、抗生
物質および局所麻酔剤から選ばれる1種類以上の薬剤成
分とを有効成分として含有する複合製剤からなるアトピ
ー性皮膚炎および/またはその関連する皮膚疾患治療用
の外用剤を提供する。
【0012】式(I)で示される化合物は、2−(2−
メチル−5−ニトロイミダゾール−1−イル)エタノー
ル、すなわちメトロニダゾールであることが好ましい。
上記外用薬のうちでも、薬剤成分(B)が抗真菌剤およ
び副腎皮質ホルモン剤であり、特に有効成分として
(A)メトロニダゾールと、抗真菌剤および副腎皮質ホ
ルモン剤を含む外用剤が好ましい。
【0013】ニトロイミダゾール誘導体またはその薬理
学的に許容される塩(A)の含有量は、製剤中0.1〜
20重量%であることが望ましい。
【0014】(B)薬剤成分として配合されたときの各
成分の製剤中の含有量は、以下のとおりである。抗真菌
剤が含有されるときの量は、0.0005〜2重量%で
あることが望ましい。副腎皮質ホルモン剤が含有される
ときの量は、0.0001〜1重量%であることが望ま
しい。抗菌剤またはサルファ剤が含有されるときの量
は、0.001〜5重量%であることが望ましい。抗ヒ
スタミン剤が含有されるときの量は、0.001〜10
重量%であることが望ましい。抗アレルギー剤が含有さ
れるときの量は、0.001〜10重量%であることが
望ましい。抗炎症剤が含有されるときの量は、0.00
1〜5重量%であることが望ましい。抗生物質が含有さ
れるときの量は、0.0001〜5重量%であることが
望ましい。局所麻酔剤が含有されるときの量は、0.0
01〜5重量%であることが望ましい。
【0015】また製剤のpHは、3.0〜9.0の範囲内
にあることが望ましい。
【0016】上記のような外用剤は、アトピー性皮膚炎
および/またはその関連する皮膚疾患の治療のために使
用することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明では、(A)下記式(I)
で示されるニトロイミダゾール誘導体またはその薬理学
的に許容される塩と、(B)抗真菌剤、副腎皮質ホルモ
ン剤、抗菌剤またはサルファ剤、抗ヒスタミン剤、抗ア
レルギー剤、抗炎症剤、抗生物質および局所麻酔剤から
選ばれる1種類以上の薬剤成分とを有効成分として含有
する複合製剤からなるアトピー性皮膚炎および/または
その関連する皮膚疾患治療用の外用剤が提供される。
【0018】(A)メトロニダゾール系化合物
【0019】
【化3】
【0020】ここで、R1およびR2は、それぞれ独立
に、直鎖または分枝鎖状のアルキル基またはアルキルア
ルコール基であり、水酸基、ベンジル基、フェニル基な
どの芳香族基、シクロアルキル基、エーテル基、および
/またはアミノ基を有していてもよい。
【0021】上記置換基R1およびR2は、直鎖または分
枝鎖状のアルキル基、または、アルキルアルコール基、
例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチレンなどのアル
キル基など、または、それらのアルコール類などであ
る。
【0022】本発明では、上記式(I)で示されるニト
ロイミダゾール誘導体のうちでも、特にメトロニダゾー
ル(2−(2−メチル−5−ニトロイミダゾール−1−
イル)エタノール)が好ましい。メトロニダゾールは、
下記式(II)で示される。
【0023】
【化4】
【0024】上式(I)で示されるニトロイミダゾール
誘導体は、その薬理学的に許容される塩を形成していて
もよい。塩は特に限定されないが、無機酸塩、有機酸塩
を例示でき、水酸基に他の保護基を有する場合も本発明
に含まれる。例えば、ハロゲン化水素酸、塩酸、硝酸、
硫酸、リン酸等の無機酸、酢酸、プロパン酸、安息香
酸、クエン酸、乳酸などの有機酸等またはそれらの塩を
挙げることができる。
【0025】本発明では、有効成分(A)として、ニト
ロイミダゾール誘導体およびその塩から選ばれる2種以
上を併用してもよい。なお本明細書では、ニトロイミダ
ゾール誘導体およびその塩を、単に「メトロニダゾール
系化合物」と称することもある。
【0026】化合物メトロニダゾール(2−(2−メチ
ル−5−ニトロイミダゾール−1−イル)エタノール)
は、1957年ローヌ・プーラン・ローラー社(フラン
ス)Jacobによって合成された。ニトロイミダゾール誘
導体のうち本剤メトロニダゾールが、前述したように強
い抗トリコモナス作用を有することがCosar およびJulo
u によって発見された。1959年にヒトトリコモナス
症に本剤を用いてトリコモナス原虫が消失したことをDu
rel が初めて報告した。また赤痢アメーバに対しても強
い抗菌力を示す。さらに、その他の嫌気性菌に対しても
経口投与および局所的投与により殺菌作用を示すことが
報告され、その作用機序は、このメトロニダゾールのニ
トロ基が微生物により還元され、これが微生物のDNA
の二重鎖切断などの機能障害を起こし、分裂増殖を制御
することであると考えられている。しかしながら、これ
までに何らアトピー性皮膚炎および/またはその関連す
る皮膚疾患に検討されていなかった。
【0027】本発明について検討したところ、メトロニ
ダゾールは、単剤であっても塗布後、おだやかにその治
療効果がみられる(軽度のアトピー性皮膚炎を患ってい
る患者であれば、その効果は1〜2日後に確認できる
が、重度の患者であれば、その効果は約3〜7日後にな
らないと確認できない)。ただし、治癒までの期間や治
癒率はステロイド外用剤と何ら変わらず、またステロイ
ド外用剤の治療後における色素沈着、瘢痕、角質の硬化
等の副作用やリバウンドのような副作用は、メトロニダ
ゾール外用剤にはみられない。
【0028】メトロニダゾール系化合物は、毒性の弱い
物質であるが、強力な殺菌作用を示し、また皮膚科学的
には毒性のない物質である。すなわちメトロニダゾール
のニトロ基がアトピー性皮膚炎および/またはその関連
する皮膚疾患の原因となる原体に対して作用し、ヒトの
皮膚を改善するものと考えられる。よって、これまで何
らアトピー性皮膚炎および/またはその関連する皮膚疾
患を含め、抗アレルギー剤として検討されていなかった
メトロニダゾールを、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患
治療用の外用剤中に必須成分の1つとして含む点に本発
明の特徴がある。
【0029】〔毒性試験〕メトロニダゾールは、従来の
経口投与では副作用症例数は少ないが、発疹などの過敏
症、舌苔、食欲不振、悪心、胃部不快感、下痢、腹痛な
ど消化器症状、白血球、暗赤色尿など、また、長期投与
によりまれに末梢神経障害の副作用や、膣壁への投与で
は、ときに掻痒感、膣壁充血などの局所刺激等の副作用
が報告されている(引用文献:第十三改正日本薬局方解
説書)。また、メトロニダゾールの急性毒性は、経口投
与した場合、マウスにおいて4,300mg/kgと報告さ
れ(引用文献:メトロニダゾール(フラジール(登録商
標))膣錠(塩野義)1998年6月改訂第2版医薬品
インタビューフォーム)、亜急性毒性ではラットにメト
ロニダゾールを25,50mg/kg/日を1ヶ月経口投与
したところ、体重曲線、一般状態、血液所見、肝・腎機
能、組織学的所見のいずれも対照群に比較して変化は認
められなかったと報告され(引用文献:メトロニダゾー
ル(フラジール(登録商標))膣錠(塩野義)1998
年6月改訂第2版医薬品インタビューフォーム)、ま
た、慢性毒性ではラットにメトロニダゾールを75,1
50,300mg/kg/日を18週間経口投与したとこ
ろ、体重増加は300mg/kg/日投与群に抑制がみられ
たが、血液所見では正常であり、組織所見では300mg
/kg/日投与群の雄に精子形成減少があったほかはすベ
て正常であったことが報告されている(引用文献:メト
ロニダゾール(フラジール(登録商標))膣錠(塩野
義)1998年6月改訂第2版医薬品インタビューフォ
ーム)。すなわちメトロニダゾールは、過剰な経口投与
においても毒性の少ない物質であることが分かる。さら
に本発明は、外用剤であるため、極めて安全性が高い。
【0030】(B)他の薬剤成分 本発明に係る外用剤は、上記のような(A)メトロニダ
ゾール系化合物とともに(B)抗真菌剤、副腎皮質ホル
モン剤、抗菌剤またはサルファ剤、抗ヒスタミン剤、抗
アレルギー剤、抗炎症剤、抗生物質および局所麻酔剤か
ら選ばれる1種類以上の薬剤成分を有効成分として含有
している。
【0031】抗真菌剤としては、例えば塩酸クロコナゾ
ール、塩酸ネチコナゾール、クロトリマゾール、ケトコ
ナゾール、硝酸イソコナゾール、硝酸エコナゾール、硝
酸オキシコナゾール、硝酸スルコナゾール、硝酸ミコナ
ゾール、チオコナゾール、ビホナゾール、ラノコナゾー
ルを含むイミダゾール系化合物などが挙げられる。
【0032】副腎皮質ホルモン剤としては、例えばアム
シノニド、オキシメトロン、カンレノ酸カリウム、吉草
酸酢酸プレドニゾロン、吉草酸ジフルコルトロン、吉草
酸デキサメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、コハク酸ヒド
ロコルチゾン、コハク酸プレドニゾロン、酢酸クロルマ
ジノン、酢酸コルチゾン、酢酸ジフロラゾン、酢酸ヒド
ロコルチゾン、酢酸パラメタゾン、酢酸フルドロコルチ
ゾン、酢酸プレドニゾロン、酢酸メテノロン、ジフルプ
レドナート、ジプロピオン酸ベタメタゾン、デキサメタ
ゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニ
ド、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、ピバル酸フルメ
タゾン、ファルネシル酸プレドニゾロンゲル、ブデソニ
ド、フランカルボン酸モメタゾン、フルオシノニド、フ
ルオシノロンアセトニド、フルオロメトロン、フルドロ
キシコルチド、プレドニゾロン、プロピオン酸アルクロ
メタゾン、プロピオン酸クロベタゾール、プロピオン酸
デキサメタゾン、プロピオン酸デプロドン、プロピオン
酸ベクロメタゾン、ベタメタゾン、メチルプレドニゾロ
ン、酪酸クロベタゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、酪酸プ
ロピオン酸ヒドロコルチゾン、酪酸プロピオン酸ベタメ
タゾン、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、リン酸ベ
タメタゾンナトリウムまたはそれらの誘導体などの副腎
皮質ホルモン剤(ステロイド剤)が挙げられる。
【0033】抗菌剤またはサルファ剤としては、例えば
エノキサシン、塩化メチルロザニリン、塩酸シプロフロ
キサシン、塩酸ロメフロキサシン、オフロキサシン、シ
ノキサシン、スパルフロキサシン、トシル酸トスフロキ
サシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、ピペミド酸
三水和物、ピロミド酸、フレロキサシン、レボフロキサ
シン、アセチルスルファメトキサゾール、サラゾスルフ
ァピリジン、スルファジアジン、スルファジアジン銀、
スルファジメトキシン、スルファチアゾール、スルファ
フェナゾール、スルファメトキサゾール、スルファメト
キシピリダジン、スルファメトピラジン、スルファメト
ミジン、スルファメチゾール、スルファメラジン、スル
ファモノメトキシン、スルフイソキサゾール、スルフイ
ソミジン、スルフイソミジンナトリウム、ホモスルファ
ミンまたはそれらの誘導体などが挙げられる。
【0034】抗ヒスタミン剤としては、例えば塩酸シプ
ロヘプタジン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸トリプロ
リジン、塩酸ヒドロキシジン、塩酸プロメタジン、塩酸
ホモクロルシクリジン、シメチジン、酒石酸アリメマジ
ン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、テオクル酸ジフェ
ニルピラリン、パモ酸ヒドロキシジン、ファモチジン、
マレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸クレマスチ
ン、メキタジンまたはそれらの誘導体などが挙げられ
る。
【0035】抗アレルギー剤としては、例えばアステミ
ゾール、アンレキサノクス、イブジラスト、エバスチ
ン、塩酸アゼラスチン、塩酸エピナスチン、塩酸オザグ
レル、塩酸セチリジン、オキサトミド、クロモグリク酸
ナトリウム、セラトロダスト、タザノラスト、テルフェ
ナジン、トシル酸スプラタスト、トラニラスト、フマル
酸エメダスチン、フマル酸ケトチフェン、プランルカス
ト水和物、ペミロラストカリウム、レピリナストまたは
それらの誘導体などの抗アレルギー剤化合物などが挙げ
られる。
【0036】抗炎症剤としては、例えばアクタリット、
アセメタシン、アスピリン、アルクロフェナク、アルミ
ノプロフェン、アンフェナクナトリウム、アンピロキシ
カム、イブプロフェン、イブプロフェンピコノール、イ
ンドメタシン、インドメタシンファルネシル、ウフェナ
マート、エトドラク、エピリゾール、エモルファゾン、
塩酸チアラミド、塩酸チノリジン、塩酸ブプレノルフィ
ン、塩酸ペンタゾシン、エンフェナム、オキサプロジ
ン、グリチルレチン酸、クロタミトン、ケトプロフェ
ン、ザルトプロフェン、ジフルニサル、ジクロフェナク
ナトリウム、スプロフェン、スリンダク、チアプロフェ
ン、テノキシカム、トリメチンナトリウム、ナブメト
ン、ナプロキセン、ニフルム酸、ピロキシカム、フェナ
セチン、フェニルブタゾン、フェノプロフェンカルシウ
ム、フェルビナク、フェンブフェン、ブコローム、ブフ
ェキサマク、プラノプロフェン、フルルビプロフェン、
フロクタフェニン、メシル酸ジメトチアジン、メチアジ
ン、ベンダザック、ヘパリン類似物質、マレイン酸プロ
グルメタシン、メクロフェナム、メフェナム酸、ロキソ
プロフェンナトリウム、ロベンザリット二ナトリウム、
ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出物またはそれ
らの誘導体などの抗炎症剤化合物が挙げられる。
【0037】抗生物質としては、例えばアセチルキタサ
マイシン、アセチルスピラマイシン、アムホテリシン
B、アモキシシリン、アンピシリン、一硫酸カナマイシ
ン、エチルコハク酸エリスロマイシン、エリスロマイシ
ン、エリスロマイシンエストレート、塩酸アクラルビシ
ン、塩酸オキシテトラサイクリン、塩酸クリンダマイシ
ン、塩酸セフェタメトピボキシル、塩酸セフォチアムヘ
キセチル、塩酸セフカペンピボキシル、塩酸セフメノキ
シム、塩酸タランピシリン、塩酸テトラサイクリン、塩
酸デメチルクロルテトラサイクリン、塩酸テトラサイク
リン、塩酸バンコマイシン、塩酸ドキシサイクリン、塩
酸ドキソルビシン、塩酸バカンピシリン、塩酸パルミチ
ン酸クリンダマイシン、塩酸バンコマイシン、塩酸ピブ
メシリナム、塩酸ブレオマイシン、塩酸ミノサイクリ
ン、塩酸リンコマイシン、塩酸レナンピシリン、カルベ
ニシリンナトリウム、キタサマイシン、クラブラン酸カ
リウム、クラリスロマイシン、グリセオフルビン、クロ
キサシンナトリウム、クロラムフェニコール、コリスチ
ンメタンスルホン酸ナトリウム、サイクロセリン、酢酸
ミデカマイシン、シクラシリン、ジクロキサシリンナト
リウム、シッカニン、ジョサマイシン、ステアリン酸エ
リスロマイシン、スルベニシリンナトリウム、セファク
ロル、セファゾリン、セファトリジンプロピレングリコ
ール、セファドロキシル、セファピリン、セファマンド
ールナトリウム、セファレキシン、セファロチンナトリ
ウム、セファロリジン、セフィキシム、セフォキシチン
ナトリウム、セフォタキシムナトリウム、セフォテタ
ン、セフォペラゾンナトリウム、セフジトレンピボキシ
ル、セフジニル、セフスロジンナトリウム、セフチゾキ
シムナトリウム、セフチブテン、セフテラムピボキシ
ル、セフピラミドナトリウム、セフブペラゾンナトリウ
ム、セフポドキシムプロキセチル、セフメタゾールナト
リウム、セフラジン、セフロキサジン、セフロキシムア
キセチル、セフロキシムナトリウム、チカルシリンナト
リウム、テトラサイクリン、トシル酸スルタミシリン、
トブラマイシン、トリコマイシン、ナイスタチン、バリ
オチン、パルミチン酸クロラムフェニコール、ピペラシ
リンナトリウム、ピマリシン、ファロペネムナトリウ
ム、プロピオン酸ジョサマイシン、フェネチシリンカリ
ウム、フェノキシメチルペニシリンカリウム、ベンジル
ペニシリンカリウム、ベンジルペニシリンベンザチン、
ホスホマイシンカルシウム、マイトマイシンC、ミデカ
マイシン、メタリン酸テトラサイクリン、ラタモキセフ
ナトリウム、リファンピシン、硫酸アストロマイシン、
硫酸アミカシン、硫酸カナマイシン、硫酸ゲンタマイシ
ン、硫酸シソマイシン、硫酸ジベカシン、硫酸ストレプ
トマイシン、硫酸ネチルマイシン、硫酸フラジオマイシ
ン、硫酸ブレオマイシン、硫酸ベカナマイシン、硫酸ペ
プロマイシン、硫酸ポリミキシンB、硫酸ミクロノマイ
シン、硫酸リボスタマイシン、リン酸クリンダマイシ
ン、ロキシスロマイシン、ロキタマイシンまたはそれら
の誘導体などの抗生物質化合物が挙げられる。
【0038】局所麻酔剤としては、例えばアミノ安息香
酸エチル、塩酸オキシブプロカイン、塩酸ジブカイン、
塩酸テトラカイン、塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエ
チルアミノエチル、塩酸プロカイン、塩酸メピバカイ
ン、塩酸リドカイン、オキセサゼイン、リドカインまた
はそれらの誘導体などの局所麻酔剤化合物が挙げられ
る。
【0039】本発明の外用剤は、薬剤成分(B)とし
て、上記のような抗真菌剤、副腎皮質ホルモン剤、抗菌
剤またはサルファ剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー
剤、抗炎症剤、抗生物質および局所麻酔剤から選ばれる
1種類を含んでいてもよく、また2種類以上を含有して
いてもよい。
【0040】<複合剤>本発明の外用剤は、上記のよう
な(A)メトロニダゾール系化合物と、(B)薬剤成分
とを有効成分として含む複合製剤からなる。この複合製
剤(外用剤)の(A)および(B)以外の成分について
は後述するが、複合製剤全重量を100重量%とすると
き、製剤中の上記(A)メトロニダゾール系化合物の含
有量は、0.1〜20重量%、好ましくは1〜20重量
%、さらに好ましくは1.6〜20重量%であることが
望ましい。なおこの上限量は、外用剤調剤上からみる
と、より好ましくは10重量%、さらに好ましくは5重
量%である。
【0041】また薬剤成分(B)として配合される各薬
剤成分の製剤中の配合量(含有量)は、メトロニダゾー
ル系化合物(A)の治療効果に基づき、メトロニダゾー
ル系化合物が覆いきれない菌やウイルス等の殺菌作用、
抗炎症作用等を補助、増強させ得る量であって、かつ薬
剤成分(B)の副作用等や薬理学的な薬理効果の所見に
基づき決定され、それぞれ違ってくるが、本発明では、
通常、以下の量であることが好ましい。
【0042】抗真菌剤が含有されるときの量は、製剤
中、0.0005〜2重量%、好ましくは0.01〜
0.5重量%であることが望ましい。副腎皮質ホルモン
剤が含有されるときの量は、製剤中、0.0001〜1
重量%、好ましくは0.001〜0.1重量%であるこ
とが望ましい。抗菌剤またはサルファ剤が含有されると
きの量は、製剤中、0.001〜5重量%、好ましくは
0.01〜0.5重量%であることが望ましい。抗ヒス
タミン剤が含有されるときの量は、製剤中、0.001
〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%であるこ
とが望ましい。抗アレルギー剤が含有されるときの量
は、製剤中、0.001〜10重量%、好ましくは0.
01〜5重量%であることが望ましい。抗炎症剤が含有
されるときの量は、製剤中、0.001〜5重量%、好
ましくは0.005〜0.5重量%であることが望まし
い。抗生物質が含有されるときの量は、製剤中、0.0
001〜5重量%、好ましくは0.001〜0.1重量
%であることが望ましい。局所麻酔剤が含有されるとき
の量は、製剤中、0.001〜5重量%、好ましくは
0.01〜5重量%であることが望ましい。
【0043】製剤中に薬剤成分(B)を上記配合量(含
有量)で含有していると、その目的とする薬理効果が十
分に認められる。しかも上記のような薬剤成分(B)の
量は、これを単剤などで用いる通常の使用量に比べて極
めて微量である。たとえば副腎皮質ホルモン剤の量は、
通常の副腎皮質ホルモン剤外用薬の量に比べて20分の
1程度であるが、後述の試験例で示すように同等の薬理
効果がある。
【0044】なお酒さ治療用または悪臭除去用治療薬と
して、0.8〜1重量%のメトロニダゾール単剤(例文
献:病院薬局製剤 第4版日本病院薬剤師会編1%メト
ロニダゾール(フラジール(登録商標))軟膏、0.8
%メトロニダゾールゲル)が試験された例があるが、特
に優れた治療効果を示すものではなかった。
【0045】また薬剤成分(B)すなわち抗真菌剤、副
腎皮質ホルモン剤、抗菌剤またはサルファ剤、抗ヒスタ
ミン剤、抗アレルギー剤、抗炎症剤、抗生物質、局所麻
酔剤の薬効も知られている。この薬剤成分(B)は、現
在市販されている製剤または薬理学的に考えられる量よ
り微量であれば副作用もほとんど認められないが、しか
し皮膚疾患において効果的な治療を望めない。本発明は
メトロニダゾール系化合物(A)を主薬とし、上記の薬
剤成分(B)を効果的な治療を望めないと考えられてい
る微量で配合することで、副作用のない各種皮膚疾患の
治療に最適な外用剤が得られている。
【0046】このように(A)メトロニダゾール系化合
物と、薬剤成分(B)とを組合わせることによって、薬
剤成分(B)が通常使用量に比べて極めて少量でも、優
れた薬効があり、しかも副作用を示さないことは本発明
者によって初めて見出された知見である。また(B)薬
剤成分だけでは治療効果のあまり望めなかったものであ
っても、(A)メトロニダゾール系化合物との複合剤と
することによって治療効果が得られるか、あるいは速効
性が得られるなどの効果もある。
【0047】本発明の複合剤(外用剤)の有効な皮膚疾
患などは、後述するが、上記薬剤成分(B)は、目的や
症状の程度によりなどに応じて適宜に選択し、組合わせ
ることもできるが、たとえばアトピー性皮膚炎等の重度
または難治性の皮膚疾患の治療には、抗真菌剤および微
量の副腎皮質ホルモン剤を配合することが好適であり、
このとき(A)はメトロニダゾールであることが特に好
ましい。すなわち有効成分として、メトロニダゾール、
抗真菌剤および微量の副腎皮質ホルモン剤の三剤の組合
わせがその治療にもっとも適している。
【0048】さらに一例を挙げれば、潰瘍性皮膚疾患の
治療には、(B)薬剤成分として、抗生物質を含む複合
剤が適している。また、たとえば(B)薬剤成分中の抗
ヒスタミン剤は、(A)メトロニダゾール系化合物との
複合剤とすることによって、かゆみ止めの速効性が得ら
れた。
【0049】本発明の複合剤からなる外用剤は、(A)
および(B)を複合しない、メトロニダゾール単剤の外
用剤または(B)薬剤成分の外用剤よりも、より一層優
れた治療効果を示す。これは、皮膚疾患が多種多様な菌
やウイルス等により引き起こされ、それぞれ1剤ではそ
の菌やウイルス等に対する抗炎症効果が限られ、複合剤
にすることにより薬物がそれぞれにあった菌やウイルス
等に対して殺菌作用を示すか、もしくは炎症を抑えるた
めであると考えられる。
【0050】したがって、症状の軽い白癬に罹患してい
る患者には、たとえばメトロニダゾール単剤の外用剤を
用いても治療効果があるが、症状が重度の患者には、本
発明のメトロニダゾール系化合物(A)と抗菌剤(B)
との複合剤である外用剤を投与すると、メトロニダゾー
ル単剤よりも速効性のある、かつ、より効果的な治療効
果が得られ、望ましい。
【0051】本発明では、必要に応じて本発明の複合剤
(外用剤)と、メトロニダゾール単剤とを併用すること
もできる。例えば、同じアトピー性皮膚炎に罹患してい
る同一患者であっても、罹患場所により化膿している部
位には、メトロニダゾールと抗生物質とを組合わせた複
合剤である本発明の外用剤を投与し、一方、化膿してな
い部位には、メトロニダゾール単剤の外用剤を投与する
ことができる。
【0052】本発明の製剤のpHは、3〜9、好ましくは
4〜8の範囲内にあることが望ましい。このようなpHで
あれば、有効成分を製剤中に安定に融解、分散、配合す
ることができる。また皮膚刺激の発現は個人差があっ
て、まちまちであるが、上記pHの範囲内であれば、一般
に皮膚疾患を患い、皮膚組織の破損、皮膚組織の機能の
低下等が推測される患者でも皮膚刺激等を少なくして使
用することができる。
【0053】外用製剤のpHを調整するために、例えば塩
酸、クエン酸、乳酸などの酸、あるいは水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、トリエタノールアミンなどのアル
カリ等を配合してもよい。
【0054】本発明の外用剤は、上記のような複合製剤
からなるが、その形態は、公知、周知の形態であればよ
く、特に限定されない。例えば、軟膏剤、クリーム剤、
ジェル剤、パスタ剤、ジェルなどの半固形物、化粧水、
乳液、パック、ローション剤、リンス剤、シャンプー剤
などの液剤、含水性または水を含まない貼付剤、石鹸剤
の固形物などの皮膚科学的に考えることができる外用剤
の形態がある。また水性、アルコール性、油性もしくは
中性などの懸濁、融解状態の液、あるいはペーストなど
の半固形や粉末などの固形物などのいずれにも、何ら限
定されない。特に、頭部のアトピー性皮膚炎または難治
性の皮膚疾患を患っている患者の皮膚疾患の治療には、
従来または公知のクリームや軟膏などを使用し難いた
め、シャンプー、ジェル、リンスなどの外用剤形態は極
めて有用である。
【0055】したがって複合製剤は、上記有効成分
(A)および(B)に加えて、通常、各種外用剤を形成
するための他の任意成分を含むことができる。このよう
な他の任意成分としては、メトロニダゾール系化合物
(A)および(B)薬剤成分を均一に融解、配合、分散
することができる、製剤学的に汎用されている外用製剤
基剤であればよく、特に限定されないが、例を挙げれ
ば、オリーブ油、ヒマシ油などの油脂;ミツロウ、ラノ
リン、ホホバ油などのロウ類;流動パラフィン、ワセリ
ン、セレシン、マイクロクリスタリン、ワックス、スク
ワランなどの炭化水素;ラウリン酸、ミリスチン酸、ス
テアリン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸;乳酸セチ
ル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチル
ドデシルなどのエステル類;セチルアルコール、ステア
リルアルコール、ラウリルアルコールなどの高級アルコ
ール;モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸グ
リセリン、プロピレングリコールモノステアリン酸エス
テル、ポリオキシエチレンセチルアルコールエーテルな
どの非イオン性界面活性剤;セチル硫酸ナトリウム、ス
テアリン酸ナトリウム、N−アシルグルタミン酸ナトリ
ウムなどの陰イオン性界面活性剤;エタノール、イソプ
ロパノールなどの低級アルコール;精製水、蒸留水、水
など、従来もしくは公知の皮膚科学的に使用できる基剤
等が挙げられる。また目的に応じて微量の香料、着色剤
等を配合してもよい。
【0056】本発明の外用製剤の製造に際しては、従来
の製剤学的に公知の製法に準じて製造することができ
る。外用剤の製造に際しては、有効成分(A)および
(B)は、前記した製剤中の好ましい含有量となる量で
配合することが好ましく、他の任意成分(外用基剤)
は、外用形態に応じて適当な量で配合することができ
る。
【0057】具体的に本発明の外用剤として、軟膏、ク
リーム剤、ローション剤等の製造にあっては、たとえ
ば、製剤重量全量に対して1.6〜5重量%のメトロニ
ダゾール系化合物(A)と、副作用や薬理学的な薬理効
果の所見に基づき、また薬剤によって変わるが、それぞ
れ製剤に含有するとしたときの製剤重量全量に対する量
で、0.01〜0.5重量%の抗真菌剤、0.001〜
0.1重量%の副腎皮質ホルモン剤、0.01〜0.5
重量%の抗菌剤またはサルファ剤、0.01〜5重量%
の抗ヒスタミン剤、0.01〜5重量%の抗アレルギー
剤、0.005〜0.5重量%の抗炎症剤、0.001
〜0.1重量%の抗生物質、および0.01〜5重量%
の局所麻酔剤から選ばれる1種類以上の薬剤成分(B)
と、基剤として、0〜90重量%の炭化水素、0〜90
重量%の保湿剤、0〜90重量%の界面活性剤、0〜5
0重量%の増粘剤、0〜80重量%の蒸留水、精製水な
どの水、0〜2重量%の防腐剤、0〜5重量%の緩衝剤
またはpH調整剤、0.5〜20重量%の高級脂肪酸、0
〜50重量%の低級アルコール、0〜30重量%の高級
アルコールを配合することができ、さらにこれに目的に
応じて微量の香料、着色剤等を配合することができる。
【0058】これら抗真菌剤、副腎皮質ホルモン剤、抗
菌剤またはサルファ剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー
剤、抗炎症剤、抗生物質、局所麻酔剤の割合は、それぞ
れ薬効・薬剤の種類、治療目的に応じて変化させること
ができ、また、基剤の割合は、その目的に応じた外用製
剤により変化させることができるので、これに限定する
ものではない。
【0059】本発明の外用剤は、医薬品に限定されず、
医薬部外品、化粧料等も含む。さらに本発明の外用剤
は、上記のような製剤中のメトロニダゾール系化合物、
抗真菌剤、副腎皮質ホルモン剤、抗菌剤またはサルファ
剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、抗炎症剤、抗生
物質、局所麻酔剤の効果を損なわない限り、これらに加
えて他の薬効成分を必要に応じて含んでもよい。これら
の薬効成分としては、公知の清涼成分、ビタミン剤、角
質剥離剤、皮質抑制剤、抗脂漏剤、消炎剤、殺菌剤、鎮
痒剤等、また、皮膚疾患に用いることのできる薬物を例
示することができ、具体的には、メントール、ビタミン
A,B群,C,D,E剤等、サリチル酸、エストラジオ
ール、グリチルリチン酸、塩化ベンザルコニウム、フェ
ノール、カンフル等が挙げられる。また、抗ウイルス
剤、例えば、アシクロビル、イドクスウリジン、ガンシ
クロビル、サニルブジン、ザルシタビン、ジダノシン、
ジドブジン、ビダラビン、ネビラピン、ホスカルネット
ナトリウム水和物、メシル酸サキナビル、メシル酸ネル
フィナビル、ラミブジン、リトナビル、硫酸インジナビ
ル等;麻薬および覚醒剤類、例えば、塩酸エチルモルヒ
ネ、塩酸オキシコドン、塩酸コカイン、塩酸ペチジン、
塩酸メタンフェタミン、dl−塩酸メチルエフェドリ
ン、塩酸モルヒネ、クエン酸フェンタニル、酒石酸レバ
ロルファン等;代謝拮抗剤、例えば、アクチノマイシン
D、L−アスパラギナーゼ、アセグラトン、ウベニメク
ス、ウラシル、エトポシド、エノシタビン、塩酸アクラ
ルビシン、塩酸イダルビシン、塩酸イリノテカン、塩酸
エピルビシン、塩酸ドウノルビシン、塩酸ドキソルビシ
ン、塩酸ピラルビシン、塩酸ファドロゾール水和物、塩
酸ブレオマイシン、塩酸プロカルバジン、塩酸ミトキサ
ントロン、カルボプラチン、カルモフール、クエン酸タ
モキシフェン、クエン酸トレミフェン、シクロホスファ
ミド、シスプラチン、シゾフィラン、シタラビン、シタ
ラビンオクホスファート、ジノスタチンスチマラマー、
酒石酸ビノレルビン、ソブゾキサン、チオテパ、テガフ
ール、ドキシフルリジン、ドセタキセル水和物、トレチ
ノイン、ネオカルチノスタチン、ネダプラチン、パクリ
タキセル、ビカルタミド、ヒドロキシカルバミド、ホス
フェストロール、ブスルファン、フルオロウラシル、フ
ルタミド、プロピルチオウラシル、ペントスタチン、ポ
ルフィマーナトリウム、メチルテストステロン、メピチ
オスタン、G−メルカプトプリンリポシド、メルカプト
プリン、メトトレキサート、メルファラン、溶連菌抽出
物、硫酸ペプロマイシン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビ
ンブラスチン、レンチナン等もまた挙げられる。
【0060】本発明の外用剤を製造する際には、必要に
応じて、酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸、トコフ
ェロール、クエン酸、ジブチルヒドロキシトルエンな
ど;防腐剤、例えば、デヒドロ酢酸、サリチル酸、パラ
オキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、
チモールなど;保湿剤、例えば、グリセリン、ラノリ
ン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコー
ル、尿素、ヒアルロン酸ナトリウムなど;増粘剤、例え
ば、ポリエチレングリゴール、キサンタンゴム、カルボ
キシメチルセルロースナトリウム、カルボキシプロピル
セルロースなど;緩衝剤・pH調整剤、例えば、クエン
酸、乳酸、塩酸、ホウ酸などの酸、また、リン酸二水素
ナトリウム、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、トリエタノールアミンなどのアルカ
リ;脂質吸収剤など;カオリン、ベントナイトなどの、
従来の外用剤において使用されている公知の製剤成分を
添加することもできる。
【0061】上記のような本発明の外用剤は、アトピー
性皮膚炎および/またはその関連する皮膚疾患治療用と
して極めて有用であり、各種の皮膚疾患に対し、例え
ば、一日2回ないし3回程度皮膚に適用することによっ
て、極めて良好にそれら疾患を治療し得るものである。
【0062】このような本発明の外用剤は、アトピー性
皮膚炎および/またはその関連する皮膚疾患の治療を目
的として使用することができる。
【0063】
【実施例】次に本発明を実施例、試験例により具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例、試験例に限定され
るものではない。
【0064】 実施例1:外用クリーム剤 処方: (a)有効成分 メトロニダゾール 2g クロトリマゾール 0.1g プロピオン酸クロベタゾール 0.005g (b)油相 モノステアリン酸グリコール 10g セタノール 7g 流動パラフィン 9g 白色ワセリン 3.5g (C)水相 プロピレングリコール 6.5g ラウリル硫酸ナトリウム 1g 精製水 全量で100gとなる量 製造方法:(b)油相、(c)水相をそれぞれ約85℃
の温度に保ち、(c)水相を(b)油相に加え攪拌しな
がら(a)有効成分を添加する。その後、連続的に攪拌
しながら約25℃の温度に冷却する。生じたクリームを
適当な容器に採取する。
【0065】 実施例2:外用クリーム剤 (a)有効成分 メトロニダゾール 2g リドカイン 0.05g 吉草酸酢酸プレドニゾロン 0.005g (b)油相 モノステアリン酸グリコール 10g セタノール 7g 流動パラフィン 9g 白色ワセリン 3.5g (C)水相 プロピレングリコール 6.5g ラウリル硫酸ナトリウム 1g 精製水 全量で100gとなる量 製造方法:(b)油相、(c)水相をそれぞれ約85℃
の温度に保ち、(c)水相を(b)油相に加え攪拌しな
がら(a)有効成分を添加する。その後、連続的に攪拌
しながら約25℃の温度に冷却する。生じたクリームを
適当な容器に採取する。
【0066】 実施例3:外用クリーム剤 処方: (a)有効成分 メトロニダゾール 2g クロラムフェニコール 0.001g 酢酸ヒドロコルチゾン 0.001g (b)油相 モノステアリン酸グリコール 10g セタノール 7g 流動パラフィン 9g 白色ワセリン 3.5g (C)水相 プロピレングリコール 6.5g ラウリル硫酸ナトリウム 1g 精製水 全量で100gとなる量 製造方法:(b)油相、(c)水相をそれぞれ約85℃
の温度に保ち、(c)水相を(b)油相に加え攪拌しな
がら(a)有効成分を添加する。その後、連続的に攪拌
しながら約25℃の温度に冷却する。生じたクリームを
適当な容器に採取する。
【0067】 実施例4:クリーム基剤 処方: (a)有効成分 メトロニダゾール 2.5g ケトコナゾール 0.1g (b)油相 ステアリン酸 5g ステアリルアルコール 5g 流動パラフィン 5g ミリスチン酸イソプロピル 1g スパン60 1g チモール 0.2g (C)水相 ツィーン60 0.5g プロピレングリコール 5g トリエタノールアミン 0.4g 蒸留水 全量が100gとなる量 製造方法:(b)油相、(c)水相をそれぞれ約85℃
の温度に保ち、(c)水相を(b)油相に加え攪拌しな
がら(a)有効成分を添加する。その後、連続的に攪拌
しながら約25℃の温度に冷却する。生じたクリームを
適当な容器に採取する。
【0068】 実施例5:外用クリーム剤 処方: (a)有効成分 メトロニダゾール 3g ピペミド酸三水和物 0.1g プレドニゾロン 0.001g (b)油相 モノステアリン酸グリコール 5g ポリオキシエチレン(23)セチルエーテル 2g セタノール 6g 白色ワセリン 5g 流動パラフィン 5g トリ(カプリル酸カプロン酸)グリセリル 5g ミリスチン酸オクチルドデシル 3g パラオキシ安息香酸プロピル 0.1g (C)水相 プロピレングリコール 7g パラオキシ安息香酸メチル 0.1g 蒸留水 全量100gとする量 製造方法:(b)油相、(c)水相をそれぞれ約85℃
の温度に保ち、(c)水相を(b)油相に加え攪拌しな
がら(a)有効成分を添加する。その後、連続的に攪拌
しながら約25℃の温度に冷却する。生じたクリームを
適当な容器に採取する。
【0069】 実施例6:外用軟膏剤 処方: (a)有効成分 メトロニダゾール 2g クロタミトン 1g フルオシノロンアセトニド 0.001g (b)油相 白色ワセリン 45g セタノール 20g ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 5g Tween 80 2g 流動パラフィン 5g パラオキシ安息香酸プロピル 0.1g (C)水相 パラオキシ安息香酸メチル 0.1g 蒸留水 全量が100gになる量 製造方法:(b)油相、(c)水相をそれぞれ約85℃
の温度に保ち、(c)水相を(b)油相に加え攪拌しな
がら(a)有効成分を添加する。その後、連続的に攪拌
しながら約25℃の温度に冷却する。生じた軟膏を適当
な容器に採取する。
【0070】 実施例7:外用軟膏剤 処方: (a)有効成分 メトロニダゾール 2g 塩酸ジフェンヒドラミン 0.2g リドカイン 0.1g (b)油相 ステアリルアルコール 7g セタノール 3g 白色ワセリン 30g モノステアリン酸グリコール 10g スパン80 1.5g 流動パラフィン 5g (C)水相 プロピレングリコール 5g Tween 80 1g 蒸留水 全量で100gとなる量 製造方法:(b)油相、(c)水相をそれぞれ約85℃
の温度に保ち、(b)油相を(C)水相に加え攪拌しな
がら(a)有効成分を添加する。その後、連続的に攪拌
しながら約25℃の温度に冷却する。生じた軟膏を適当
な容器に採取する。
【0071】 実施例8:外用軟膏剤 処方: (a)有効成分 メトロニダゾール 2g 硫酸ゲンタマイシン 0.005g (b)油相 モノステアリン酸グリコール 15g モノステアリン酸ポリオキシエチレングリコール 3g ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル 2g セタノール 5g ミツロウ 5g 白色ワセリン 20g (C)水相 蒸留水 全量で100gとなる量 製造方法:(b)油相、(c)水相をそれぞれ約85℃
の温度に保ち、(b)油相を(C)水相に加え攪拌しな
がら(a)有効成分を添加する。その後、連続的に攪拌
しながら約25℃の温度に冷却する。生じた軟膏を適当
な容器に採取する。
【0072】 実施例9:ローション剤 処方: (a)有効成分 メトロニダゾール 2g 吉草酸ベタメタゾン 0.005g ビホナゾール 0.05g (b)油相 ステアリン酸 2g セタノール 1.5g ワセリン 4g スクワラン 5g トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリン 2g モノオレイン酸ソルビタン 2g ポリエチレングリコール 5g (C)水相 ジプロピレングリコール 5g トリエタノールアミン 0.7g 精製水 60g (d)水相 イソプロパノール 10g 精製水 全量で100gとなる量 製造方法:(b)油相、(c)水相をそれぞれ約70℃
の温度に保ち、(b)油相を(C)水相に加え攪拌しな
がら(a)有効成分を添加する。その後、連続的に攪拌
しながら約40℃の温度に冷却後、(d)水相を添加し
攪拌しながら約25℃の温度に冷却する。生じたローシ
ョン剤を適当な気密容器に採取する。
【0073】 実施例10:貼付剤 処方: (a)有効成分 メトロニダゾール 3g クロタミトン 1g プレドニゾロン 0.05g (b)基剤 D−ソルビトール(70%) 30g 精製水 9g カオリン 13g 酸化チタン 1g (C)基剤 ゼラチン 1g 精製水 4g (d)基剤 メタリン酸ナトリウム 0.1g 精製水 1g (e)基剤 ポリアクリル酸ナトリウム 5g アクリル酸デンプン300 1g プロピレングリコール 5g ヒマシ油 1g 水酸化アルミナマグネシウム 0.25g モノオレイン酸ソルビタン 0.5g モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.5g (f)基剤 D−ソルビトール(70%) 14g ジブチルヒドロキシトルエン 0.2g (g)基剤 メタアクリル酸・アクリル酸n−ブチルコポリマー 3g (h)基剤 D−ソルビトール(70%) 4.9g 酒石酸 1.5g 製造方法:(b)基剤を約40℃の温度に調整し攪拌し
ながら(d)基剤を約60℃の温度に調整したものを添
加し、(c)基剤を添加し攪拌しながら、(g)基剤を
添加する。これに(a)有効成分および(e)基剤の良
く混合したものを添加し、(f)基剤を加え、攪拌しな
がら(h)基剤を少しずつ添加する。生じた膏体のうち
14gを量り、10cm×14cmの不織布に均一に塗布し
貼付剤を得た。
【0074】 実施例11:貼付剤(プラスター剤) 処方: (a)有効成分 メトロニダゾール 3g インドメタシン 1g (b)基剤 流動パラフィン 7g ミリスチン酸イソプロピル 3g ポリブテン 15g 1,3ペンタジエン共重合樹脂 26g (C)基剤 モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 1.5g 酸化亜鉛 3g 酸化チタン 2g ジブチルヒドロキシトルエン 0.2g クロタミトン 1g (d) カオリン 6g (e) 天然ゴムラテックス(固形分として) 15g 合成ゴムSBR(固形分として) 17g (f) グリセリン 0.25g 精製水 1g ポリアクリル酸ナトリウム 0.05g 製造方法:(b)基剤の約110℃の温度で混合融解し
たものを約90℃の温度に調整し、(a)有効成分を添
加し、約70℃の温度に調整後、これに(c)基剤と
(d)基剤を混合したものを添加する。これを攪拌しな
がら(f)基剤を添加し約70℃の温度で(e)基剤を
添加する。生じた膏体を不織布または織布等に1m2
たり100gで展延し、10cm×14cmの大きさに切断
する。
【0075】 実施例12:ジェル剤 処方: (a)有効成分 メトロニダゾール 3g 塩酸ジフェンヒドラミン 0.5g ベタメサゾン 0.01g (b)油相 ポリオキシエチレンオレイルアルコールエーテル 1g (c)水相 ポリエチレングリコール1500 6g ポリオキシエチレングリコール400 2g EDTA二ナトリウム 0.2g (d)水相 ジプロピレングリコール 8g (e)水相 水酸化カリウム 0.1g (f)水相 カルボキシビニルポリマー 0.5g メチルセルロース 0.2g 精製水 全量で100gとなる量 製造方法:(f)水相を均一に溶解させた後、(c)水
相を添加し、(a)有効成分を加え加温し、溶解、分散
させる。これに(d)水相および(b)油相を加え約6
0℃の温度に加温融解したものを添加する。これを攪拌
しながら(e)水相を加え中和させ、約25℃の温度に
冷却する。生じたジェル剤を適当な容器に採取する。
【0076】試験例1:臨床試験例 実際のアトピー性皮膚炎症患者に本発明の外用剤を適用
してその治療効果を検討した。本発明の外用剤として、
実施例1で調製した外用クリーム剤を用いた。なお有効
成分としてメトロニダゾールのみを用いた以外は、実施
例1と同様に調製した外用クリーム剤(メトロニダゾー
ル単剤)を参考試験例として用いた。対象患者は以下の
とおりである。 参考試験対象患者A:アトピー性皮膚炎に罹患している
年齢40歳の女性 試験対象患者B:アトピー性皮膚炎に罹患している年齢
38歳の女性 試験対象患者C:アトピー性皮膚炎に罹患している年齢
55歳の女性
【0077】試験方法:参考試験例として、対象患者A
に対して、アトピー性皮膚炎症の顔面に、1日2回メト
ロニダゾール単剤の外用クリーム剤を、連続4週間にわ
たり塗布し、その炎症の状態を観察した。本発明の試験
例として、対象患者BおよびCに対しては、アトピー性
皮膚炎症の顔面に、1日2回実施例1で製造した外用ク
リーム剤を、連続3〜4週間にわたり塗布し、その炎症
の状態を観察した。
【0078】治療開始時の赤疹、湿疹等の皮膚炎症状、
その後の経時的治癒状況を、3日後、1週間後、2週間
後、3週間後、4週間後にスコア化し、治療効果の評価
を行った。また、4週間後における皮膚表面の掻痒感の
有無、皮膚状態を評価した。結果を表1に示す。
【0079】なお、表1中の評価スコアは以下のとおり
である。 <皮膚の状態> 5:赤疹、湿疹等の皮膚炎症状が激しく、疼痛さえも患
っている。 4:赤疹、湿疹等の皮膚炎症状が激しいが、評価5ほど
のことはない。 3:赤疹、湿疹等の皮膚炎症状が確認できるが、評価4
ほどのことはない。 2:赤疹、湿疹等の皮膚炎症状はわずかに確認できる
が、それほど一般の正常な皮膚と変わらない程度。 1:赤疹、湿疹等の皮膚炎症状がなく、正常な皮膚状態
である。 <皮膚の掻痒感> 3:激しい掻痒感があり、無意識に皮膚を掻く状態。 2:少々蚤痒感があるが、皮膚を掻くのを留めおくこと
ができる状態。 1:全く掻痒感が感じない状態。
【0080】
【表1】
【0081】以上のように、4週後には患者A、B、C
ともに健康な人と変わらない皮膚状態になったが、メト
ロニダゾール単独の外用剤を塗布した患者Aより本発明
の複合剤である実施例1の外用クリーム剤を塗布した患
者BおよびCの患者の方が早めに掻痒感がなくなり、ま
た、皮膚の改善も早かった。なお、患者Cにおいては第
三週の時点でアトピー性皮膚炎の症状が確認できなかっ
たため、本人の希望により第二週の時点で塗布を終了し
た。また、臨床試験の結果、ステロイド剤などの副腎質
ホルモンを使用していた患者の皮膚状態にみられる肝
斑、雀卵斑などの色素沈着、瘢痕などは、本発明による
外用剤を使用したことにより、患者Aより患者Bおよび
Cの方がより減少するかまたは消失したことが確認でき
た。なお、塗布に際しても製剤的な刺激性は全くなかっ
た。また、投与中止後もステロイド系の外用剤に見られ
るようなリバウンド等は認められなかった。
【0082】試験例2:臨床試験例 実際のアトピー性皮膚炎症患者に本発明の外用剤を適用
してその治療効果を検討した。本発明の外用剤として、
実施例3で調製した外用クリーム剤を用いた。なお有効
成分としてメトロニダゾールのみを用いた以外は、実施
例3と同様に調製した外用クリーム剤(メトロニダゾー
ル単剤)を参考試験例に用いた。
【0083】試験方法:参考試験例として、試験例1の
対象患者Aのアトピー性皮膚炎症を罹患している左腕
へ、1日2回外用クリーム剤(メトロニダゾール単剤)
を、連続4週間にわたり塗布し、その炎症の状態を観察
した。本発明の試験例として、対象患者Aのアトピー性
皮膚炎症を罹患している右腕へ、1日2回実施例3で製
造した外用クリーム剤を、連続4週間にわたり塗布し、
その炎症の状態を観察した。
【0084】治療開始時の赤疹、湿疹等の皮膚炎症状、
その後の経時的治癒状況を、3日後、1週間後、2週間
後、3週間後、4週間後にスコア化し、治療効果の評価
を行った。また、4週間後における皮膚表面の掻痒感の
有無、皮膚状態を評価した。結果を表2に示す。表2中
の評価スコアは表1と同様である。
【0085】
【表2】
【0086】以上のように、同一患者Aの同症状におい
て、左・右腕の皮膚状態は4週後には改善されたが、メ
トロニダゾール単独の外用剤を塗布した左腕より本発明
の複合剤である実施例3の外用クリーム剤を塗布した右
腕の方が早めに掻痒感がなくなり、また、皮膚の改善も
早かった。また、臨床試験の結果、ステロイド剤などの
副腎皮質ホルモンを使用していた患者の皮膚状態にみら
れる肝斑、雀卵斑などの色素沈着、瘢痕などが、本発明
による外用剤を使用したことにより、より健康人に近い
皮膚状態になったことを確認した。その後、左腕にも右
腕に使用した外用クリーム剤を塗布すると右腕と同じ皮
膚状態に改善した。なお、塗布に際しても製剤的な刺激
性は全くなかった。また、投与中止後もステロイド系の
外用剤に見られるようなリバウンド等は認められなかっ
た。
【0087】試験例3:臨床試験例 実施例で製造された外用剤を実際の湿疹/かぶれおよび
脂漏性皮膚炎等に罹患している患者に適用して、その治
療効果を検討した。対象患者として、以下の患者に適用
した。 対象患者D:化粧かぶれに罹患している年齢60歳の女
性 対象患者E:脂漏性皮膚炎に罹患している年齢34歳の
男性 対象患者F:腋臭症に罹患している年齢33歳の男性 対象患者G:虫刺症(だに)に罹患している45歳の男
性 対象患者H:白癬に罹患している年齢57歳の男性 対象患者1:アクネに罹患している年齢30歳の女性 対象患者J:頭部に化膿した皮膚炎を患っている年齢2
8歳の男性
【0088】対象患者K:首に疱疹状皮膚炎(水膨れ)
に罹患している年齢25歳の男性 対象患者L:上腕部にかぶれによる湿疹で化膿に罹患し
ている年齢24歳の男性 対象患者M:指間にカンジダ症に罹患している年齢45
歳の女性 対象患者N:背中に乾燥性湿疹に罹患している年齢63
歳の男性 対象患者O:肩に腫脹および湿疹に罹患している年齢6
3歳の男性 対象患者P:額に初期のヘルペスに罹患している年齢3
3歳の男性 対象患者Q:下肢に乾燥性湿疹に罹患している年齢23
歳の女性
【0089】試験方法:対象患者DおよびE、Fに対し
ては、実施例3で製造した外用クリーム剤を1日2回連
続4週間にわたり塗布し、その効果を観察した。対象患
者Gに対しては実施例6で製造した外用軟膏剤を1日2
回症状が改善するまで塗布し、その効果を観察した。対
象患者Hに対しては実施例4で製造した外用クリーム剤
を1日2回連続4週間にわたり塗布し、その効果を観察
した。対象患者Iに対しては実施例2で製造した外用ク
リーム剤を1日2回症状が改善するまで塗布し、その効
果を観察した。対象患者Jに対しては実施例12で製造
したジェル剤を1日2〜3回症状が改善するまで塗布
し、その効果を観察した。
【0090】対象患者Kに対しては実施例5で製造した
外用クリーム剤を1日2〜3回症状が改善まで塗布し、
その効果を観察した。対象患者Lに対しては実施例8で
製造した外用軟膏剤を1日2回症状が改善するまで塗布
し、その効果を観察した。対象患者Mに対しては実施例
9で製造したローション剤を1日2〜3回症状が改善す
るまで塗布し、その効果を観察した。対象患者Nに対し
ては実施例10で製造した貼付剤を1日1〜2回連続3
週間にわたり貼付し、その効果を観察した。対象患者O
に対しては実施例11で製造したプラスター剤を1日1
〜2回連続3週間にわたり塗布し、その効果を観察し
た。対象患者Pに対しては実施例1で製造したクリーム
剤を1日2〜4回症状が改善するまで塗布し、その効果
を観察した。対象患者Qに対しては実施例7で製造した
外用軟膏剤を1日2〜3回症状が改善するまで塗布し、
その効果を観察した。
【0091】治療開始時の赤疹、湿疹等の皮膚炎症状、
その後の経時的治癒状況を、3日後、1週間後、2週間
後、3週間後、4週間後にスコア化し、治療効果の評価
を行った。また、4週間後における皮膚表面の掻痒感の
有無、皮膚状態を評価した。結果を表3にホす。
【0092】なお、表3中の評価スコアは以下のとおり
である。 <皮膚の状態> 5:健康人の皮膚とは比較にならないほど皮膚炎症状が
激しい。 4:皮膚の炎症は評価5のほどはない。 3:皮膚の炎症は確認できるが、評価4のほどはない。 2:皮膚炎症状はわずかに確認できるが、それほど一般
の正常な皮膚と変わらない程度。 1:健康人と比べてほとんど変わらない正常な皮膚状態
である。 <掻痒感の状態> 3:激しい掻痒感があり、無意識に皮膚を掻く状態。 2:少々掻痒感があるが、皮膚を掻くのを留めおくこと
ができる状態。 1:全く掻痒感が感じない状態。 <においまたは疼痛の状態> 3:いやなにおいがする。ジンジンする痛みがある。 2:気を付けるとにおいがある程度。さわらなければ気
にならない痛み。 1:全くいやなにおいがない。さわっても全く痛みがな
い。
【0093】
【表3】
【0094】以上のように、本発明の外用クリーム剤
は、多様な皮膚炎の治療に際し、塗布開始後3〜7日で
皮膚炎症状の改善が見られ、3から4週間後には正常皮
膚と変わりない状態になった。患者Dについては約6ヶ
月の長期間ステロイド剤を使用していたためその副作用
で皮膚がケロイド状になってはいるが、皮膚炎はおさま
っている。患者Hについては白癬における疾患が約40
年という長期のため4週間後では完治していないが皮膚
状態は数段良くなっている。なお、塗布に際しても製剤
的な刺激性は全くなかった。また、投与中止後もステロ
イド系の外用剤に見られるような副作用などのリバウン
ド等は認められなかった。
【0095】また、ここでは表記していないが、本発明
の実施例1の外用クリーム剤を使用すると蚊などの軽い
虫さされ、軽い発疹、草まけ等の炎症については、約3
0〜60分ぐらいでかゆみ、腫れなどがなくなり、ニキ
ビ等の初期の場合には、翌日にはその存在がなくなって
いる。また、擦り傷等の軽いけが等についても、他の消
毒剤例えば、市販のマーキュロクロム等を使用するより
も短い時間で完治することが分かっている。
【0096】
【発明の効果】以上のようにメトロニダゾール系化合物
と、抗真菌剤、副腎皮質ホルモン剤、抗菌剤またはサル
ファ剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、抗炎症剤、
抗生物質および局所麻酔剤のうちの1種類以上の薬剤成
分とを有効成分として含有する複合剤からなる本発明の
外用剤は、副作用がなく優れた治療効果が得られた。
【0097】現在市販されている抗真菌剤、副腎皮質ホ
ルモン剤、抗生物質等含有されている外用剤は治療効果
もそれなりにあるが、副作用が発現する場合もある。本
発明のメトロニダゾールを主薬とする複合剤では、他の
薬剤の含有量が市販されているものより微量な量でそれ
ら複合剤の相互作用により、治療効果が顕著に現れるば
かりでなく、副作用も確認できなかった。よって、ステ
ロイド系外用剤に代わる皮膚疾患の治療にメトロニダゾ
ール外用剤は極めて有用な外用剤であるが、本発明のメ
トロニダゾール系化合物を主体とする複合剤はさらに有
用な外用剤であり、その医学的、皮膚科学的な貢献は多
大なもので、現時点では皮膚疾患における治療上に最も
利用価値があるものと思える。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)式(I): 【化1】 (式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、直鎖または
    分枝鎖状のアルキル基またはアルキルアルコール基であ
    り、水酸基、ベンジル基、フェニル基、シクロアルキル
    基、エーテル基、および/またはアミノ基を有していて
    もよい。)で示されるニトロイミダゾール誘導体または
    その薬理学的に許容される塩と、 (B)抗真菌剤、副腎皮質ホルモン剤、抗菌剤またはサ
    ルファ剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、抗炎症
    剤、抗生物質および局所麻酔剤から選ばれる1種類以上
    の薬剤成分とを有効成分として含有する複合製剤からな
    るアトピー性皮膚炎および/またはその関連する皮膚疾
    患治療用の外用剤。
  2. 【請求項2】 式(I)で示される化合物が、2−(2
    −メチル−5−ニトロ−1−イミダゾリル)エタノール
    である請求項1に記載の外用剤。
  3. 【請求項3】 薬剤成分(B)が抗真菌剤および副腎皮
    質ホルモン剤である請求項1または2に記載の外用剤。
  4. 【請求項4】 ニトロイミダゾール誘導体またはその薬
    理学的に許容される塩(A)の含有量が製剤中0.1〜
    20重量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    外用剤。
  5. 【請求項5】 抗真菌剤の含有量が製剤中0.0005
    〜2重量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    外用剤。
  6. 【請求項6】 副腎皮質ホルモン剤の含有量が製剤中
    0.0001〜1重量%である請求項1〜5のいずれか
    1項に記載の外用剤。
  7. 【請求項7】 抗菌剤またはサルファ剤の含有量が製剤
    中0.001〜5重量%である請求項1〜6のいずれか
    1項に記載の外用剤。
  8. 【請求項8】 抗ヒスタミン剤の含有量が製剤中0.0
    01〜10重量%である請求項1〜7のいずれか1項に
    記載の外用剤。
  9. 【請求項9】 抗アレルギー剤の含有量が製剤中0.0
    01〜10重量%である請求項1〜8のいずれか1項に
    記載の外用剤。
  10. 【請求項10】 抗炎症剤の含有量が製剤中0.001
    〜5重量%である請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    外用剤。
  11. 【請求項11】 抗生物質の含有量が製剤中0.000
    1〜5重量%である請求項1〜10のいずれか1項に記
    載の外用剤。
  12. 【請求項12】 局所麻酔剤の含有量が製剤中0.00
    1〜5重量%である請求項1〜11のいずれか1項に記
    載の外用剤。
  13. 【請求項13】 製剤のpHが3.0〜9.0の範囲内に
    ある請求項1〜12のいずれか1項に記載の外用剤。
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