JP2015218147A - リラナフタート含有外用医薬組成物 - Google Patents

リラナフタート含有外用医薬組成物 Download PDF

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幸子 松本
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Abstract

【課題】リラナフタートの安定性が高く、色素沈着を防止することのできる外用医薬組成物を提供する。
【解決手段】(A)リラナフタートおよび/またはその薬学的に許容される塩、ならびに(B)局所麻酔剤、抗炎症剤、ビタミン剤、および殺菌剤からなる群より選択される1種または2種以上を含有する、外用医薬組成物を調製する。得られる外用医薬組成物中では、リラナフタートおよび/またはその薬学的に許容される塩が安定化する。さらに、本発明の外用医薬組成物によって、水虫に起因する色素沈着を抑制することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、リラナフタートおよび/またはその薬学的に許容できる塩(以下、「その塩」と略称することがある)を含む外用医薬組成物に関する。本発明はさらに、リラナフタートおよび/またはその薬学的に許容できる塩を含み、局所麻酔剤、抗炎症剤、ビタミン剤、および殺菌剤からなる群より選択される1種または2種以上を含有する外用医薬組成物に関する。
リラナフタート(化学名:O−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)−N−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオカーバメイト)は、チオカルバミン酸系抗真菌剤として知られており、広い抗菌スペクトルを有する。リラナフタートは、特に殺真菌作用を有することで、外用抗真菌剤として極めて有用性の高い成分である(非特許文献1〜2)。
リラナフタートは、その優れた薬理効果から、抗真菌剤として汎用され、特に、浅在性真菌症などの治療薬として使用されている。
これまでに、治療効果を期待して、リラナフタートとサリチル酸メチルやクロタミトンなどを合わせた角質貯留性の高い製剤(特許文献1)や抗真菌作用のあるピロールニトリンと合わせた抗真菌作用を高めた製剤(特許文献2)などが知られている。
皮膚真菌症としては、代表的なものとして、足白癬、爪白癬、体部白癬、股部白癬などを含む白癬症、カンジダ症、または癜風症などがある。
特開平08-20527号公報 特開2003-95943号公報
Iwata K, Yamashita T, Uehara H, NozawaY: In vitro thiocarbamate resistance ofTrichophyton mentagrophytes. Chemotherapy38 Page.435-443, 1990. 皮膚糸状菌に対するliranaftateの殺菌活性日本医真菌学会雑誌 Vol.50 No.1 Page.9-13, 2009
リラナフタートおよび/またはその塩は抗真菌性に優れた薬剤であり、当該成分単独では熱や光安定性に問題は生じにくいが、クリーム剤や外用液剤では熱負荷試験及び紫外線照射試験にて安定性が悪化し、分解物が生じる問題がある。
市販されている水虫薬(抗真菌薬)は、例えば、液剤、クリーム剤、スプレー剤などのような多様な剤形であり、即効性や使用感を考慮して、抗真菌剤以外の成分と共に配合することがなされる。水虫薬リラナフタートおよび/またはその塩は、製剤におけるリラナフタートおよび/またはその塩の含量が経時的に低下し、そのことに起因する治療の長期化なども問題となる。
本発明では、このような問題点を解決できるようなリラナフタートおよび/またはその塩を含む外用医薬組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、リラナフタートおよび/またはその塩に特定成分を組み合わせることによって、このような組み合わせを含む外用医薬組成物の安定性が増し、分解物の発生が最小限に抑えられることを見出し、さらに、このような外用医薬組成物によって、水虫やその治癒痕に見られる色素沈着を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、(A)リラナフタートおよび/またはその薬学的に許容される塩、および(B)局所麻酔剤、抗炎症剤、ビタミン剤、および殺菌剤からなる群より選択される1種または2種以上を含有する、外用医薬組成物、に関する。
上記局所麻酔剤は、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、ジブカイン、ブピバカイン、メピバカイン、ロピバカイン、レボブピバカイン、およびそれらの薬学的に許容される塩、およびアミノ安息香酸エチルからなる群より選択される1種または2種以上であり;
上記抗炎症剤は、アラントイン、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸二カリウム、プレドニゾロン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、ウフェナマート、ブフェキサマク、イブプロフェンピコノール、インドメタシン、ジクロフェナク、ピロキシカム、ε−アミノカプロン酸、ベルベリン、リゾチーム、アズレン、ブロメライン、セラペプターゼ、セミアルカリプロティナーゼ、トラネキサム酸およびそれらの薬理学的に許容される塩からなる群より選択される1種または2種以上であり;
上記ビタミン剤は、ビタミンB群およびビタミンE群から選択される1種または2種以上であり;かつ
前記殺菌剤は、イソプロピルメチルフェノール、塩化デカリニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルへキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、塩化セチルピリジニウム、安息香酸ナトリウム、クロロブタノール、サリチル酸、グルコン酸、テルビナフィン塩酸塩、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、およびビグアニド化合物からなる群より選択される1種または2種以上であり得る。
上記ビタミンB群およびビタミンE群は、トコフェロール及びそれらの薬学的に許容される塩、ピリドキシン、およびパントテニルアルコールからなる群より選ばれる1種又は2種以上であり得る。
上記(A)成分の含有量が、組成物全体の0.01〜20質量%であり得る。
上記(B)成分の含有量が、組成物全体の0.0001〜31質量%であり得る。
上記(A)成分と上記(B)成分との含有質量比は、1:0.001〜1:10であり得る。
本発明はまた、(A)リラナフタートおよび/またはその薬学的に許容される塩、および(B)局所麻酔剤、抗炎症剤、ビタミン剤、および殺菌剤からなる群より選択される1種または2種以上を含有する、表在性真菌治療剤または白癬治療剤に関する。
本発明はまた、(A)リラナフタートおよび/またはその薬学的に許容される塩、および(B)局所麻酔剤、抗炎症剤、ビタミン剤、および殺菌剤からなる群より選択される1種または2種以上を含有する、色素沈着防止剤。
本発明はまた、(A)リラナフタート及びそれらの塩に(B)局所麻酔剤、抗炎症剤、ビタミン剤、および殺菌剤からなる群より選ばれる1種又は2種以上を加えることによる、外用医薬組成物の安定性を向上させる方法に関する。
本発明はまた、水虫の色素沈着の抑制、防止または改善用薬剤の製造の為の、(A)リラナフタート及びそれらの塩ならびに(B)局所麻酔剤、殺菌剤、抗炎症剤、およびビタミン剤からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有する外用医薬組成物の使用、に関する。
本発明の外用医薬組成物中では、リラナフタートおよび/またはその塩が安定化し、リラナフタートおよび/またはその塩の抗真菌作用等の生理活性が良好に保持される。
さらに、本発明の外用医薬組成物は、水虫またはその治癒痕の色素沈着を抑制、予防、または改善することができる。
本発明のリラナフタートおよび/またはその薬学的に許容される塩を含有する外用医薬組成物は、(A)リラナフタートおよび/またはその薬学的に許容される塩に対し、(B)局所麻酔剤、抗炎症剤、ビタミン剤、および殺菌剤からなる群より選択される1種または2種以上を含有する。
本明細書において、(A)成分のリラナフタートとは、化学名:O−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)N−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオカーバメイトの化合物を指す。リラナフタートおよび/またはその塩は、公知の方法により合成して使用しても、市販の薬剤を入手して使用してもよい。
本発明の(A)成分のリラナフタートおよび/またはその塩は、抗真菌薬の有効成分として使用されている。リラナフタートは、例えば、商品名ゼフナートクリーム製剤(鳥居薬品株式会社製)中に2%含まれる。またはリラナフタートは、商品名ゼフナート外用液製剤(鳥居薬品株式会社製)中に2%含まれる。
本発明の外用医薬組成物において、(A)成分のリラナフタートおよび/またはその薬学的に許容される塩の外用医薬組成物全体に占める割合は、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは、0.1質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上である。また、(A)成分のリラナフタートおよび/またはその薬学的に許容される塩の外用医薬組成物全体に占める割合は、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である。
本発明の外用医薬組成物において、(B)成分の合計の外用医薬組成物に占める割合は、好ましくは0.0001質量%以上あり、より好ましくは0.001質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上である。また、(B)成分の合計の外用医薬組成物に占める割合は、好ましくは31質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。
リラナフタートおよび/またはその塩に対する(B)成分の配合量の比率は、リラナフタートおよび/またはその塩1質量部に対して、0.001質量部以上が好ましく、0.005質量部がより好ましく、0.01質量部以上がより好ましい。また、リラナフタートおよび/またはその塩の含有量に対する(B)成分の配合量の比率は、リラナフタートおよび/またはその塩1質量部に対して、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、3質量部以下が更に好ましい。
本発明の外用医薬組成物において用いられる局所麻酔剤としては、限定はされないが、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、ジブカイン、ブピバカイン、メピバカイン、ロピバカイン、レボブピバカイン、およびこれらの薬学的に許容される塩、アミノ安息香酸エチルを好ましく用いることができる。これらの薬剤から1種または2種以上を適宜組み合わせて使用することもできる。中でも、局所麻酔剤としては、リドカイン、ジブカインまたはこれらの薬学的に許容される塩から選択される1種または2種以上が好ましく、特には、リドカイン、塩酸リドカインが好ましい。
本発明の外用医薬組成物において、外用医薬組成物に占める局所麻酔剤の含有量は、組成物の全量に対して、0.005質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上が更により好ましく、0.5質量%以上が最も好ましい。また、外用医薬組成物に占める局所麻酔剤の含有量は、組成物の全量に対して、10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、6質量%以下が更により好ましく、5質量%以下が最も好ましい。上記の範囲であれば、医薬部外品、医薬品の通常使用量で、前述した本発明の効果が十分に得られる。また、リラナフタートおよび/またはその塩に対する局所麻酔剤の配合量の比率は、リラナフタートおよび/またはその塩1質量部に対して、0.001質量部以上が好ましく、0.01質量部以上がより好ましく、0.05質量部以上が更により好ましく、0.25質量部以上が最も好ましい。またリラナフタートおよび/またはその塩の含有量に対する局所麻酔剤の配合量の比率は、リラナフタートおよび/またはその塩1質量部に対して、8質量部以下がより好ましく、5質量部以下が更に好ましく、3質量部以下が最も好ましい。上記範囲であれば、リラナフタートおよび/またはその塩の安定化効果を発揮することができ、エアゾール剤、クリーム剤、ゲル剤、軟膏剤、液剤を調製するにあたり使用感のよい製剤が得られる。
本発明の外用医薬組成物において用いられる抗炎症剤としては、ステロイド系抗炎症剤、または非ステロイド系抗炎症剤のいずれも用いることができる。具体的には、アラントイン、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、デキサメタゾン、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾンまたはその薬学的に許容できる塩が挙げられる。より具体的には、吉草酸酢酸デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、デキサメタゾン、吉草酸酢酸プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、プレドニゾロン、酢酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン、ウフェナマート、ブフェキサマク、イブプロフェンピコノール、サリチル酸グリコールが例示されるが、これに限定されない。さらに、例えば、インドメタシン、ジクロフェナク、ピロキシカム、ε−アミノカプロン酸、ベルベリン、リゾチーム、アズレン、ブロメライン、セラペプターゼ、セミアルカリプロティナーゼ、トラネキサム酸、およびそれらの薬理学的に許容される塩が例示される。中でも、組成物安定化の点から、アラントイン、グリチルリチン酸、およびグリチルレチン酸二カリウムから選択される1種または2種以上が好ましい。
本発明の外用医薬組成物において、外用医薬組成物に占める抗炎症剤の含有量は、0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましい。また、外用医薬組成物に占める抗炎症剤の含有量は、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましい。上記の範囲であれば、医薬部外品、医薬品の通常使用量で、前述した本発明の効果が十分に得られる。また、リラナフタートおよび/またはその塩に対する抗炎症剤の配合量の比率は、リラナフタートおよび/またはその塩1質量部に対して、0.001質量部以上が好ましく、0.01質量部以上がより好ましく、0.05質量部以上が更に好ましい。またリラナフタートおよび/またはその塩の含有量に対する抗炎症剤の配合量の比率は、リラナフタートおよび/またはその塩1質量部に対して、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましく、2質量部以下が更に好ましくい。上記範囲であれば、リラナフタートおよび/またはその塩の安定化効果を発揮することができ、エアゾール剤、クリーム剤、ゲル剤、軟膏剤、液剤を調製するにあたり使用感のよい製剤が得られる。
本発明の外用医薬組成物において用いられるビタミン剤としては、ビタミンB類、ビタミンC類、ビタミンD類、ビタミンE類、その他のビタミン類のいずれも用いうるが、特にビタミンB群またはE群から選択される1種または2種以上であることが好ましい。
ビタミン類としては、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム等、ユビキノン誘導体およびその薬理学的に許容される塩のビタミンE類;リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、リボフラビンテトラニコチン酸エステル等のビタミンB2類;ニコチン酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸メチル、ニコチン酸β−ブトキシエチル、ニコチン酸1−(4−メチルフェニル)エチル等のニコチン酸類;アスコルビゲン−A、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、ジパルミチン酸L−アスコルビルなどのビタミンC類;メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロールなどのビタミンD類;フィロキノン、ファルノキノン等のビタミンK類、γ−オリザノール、ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩;チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステル、チアミントリリン酸エステルモノリン酸塩等のビタミンB1類;塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、5’−リン酸ピリドキサール、塩酸ピリドキサミン等のビタミンB6類;シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、デオキシアデノシルコバラミン等のビタミンB12類;葉酸、プテロイルグルタミン酸等の葉酸類;ニコチン酸、ニコチン酸アミドなどのニコチン酸類;パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(D-パンテノール)、D−パンテサイン、D−パンテチン、補酵素A、パントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類;ビオチン、ビオチシン等のビオチン類;アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸ナトリウム塩、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム等のアスコルビン酸誘導体であるビタミンC類;カルニチン、フェルラ酸、α−リポ酸、オロット酸、ヘスペリジン、γ−オリザノール、オロチン酸、ルチン、エリオシトリン、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等およびその薬理学的に許容される塩等のビタミン様作用因子などが挙げられる。このうち、限定はされないが、組成物安定化の点から、塩酸ピリドキシンや酢酸ピリドキシンなどのピリドキシン、トコフェロールおよびパントテニルアルコールから選択される1種または2種以上が特に好ましい。
本発明の外用医薬組成物において、外用医薬組成物に占めるビタミン剤の含有量は、0.0001質量%以上が好ましく、0.001質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましい。また、ビタミン剤の含有量は、8質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい、3質量%以下が更により好ましい。上記の範囲であれば、医薬部外品、医薬品の通常使用量で、前述した本発明の効果が十分に得られる。
また、リラナフタートおよび/またはその塩に対するビタミン剤の配合量の比率は、リラナフタートおよび/またはその塩1質量部に対して、0.0001質量部以上が好ましく、0.005質量部以上がより好ましく、0.001質量部以上が更により好ましい。またリラナフタートおよび/またはその塩の含有量に対するビタミン剤の配合量の比率は、リラナフタートおよび/またはその塩1質量部に対して、8質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、3質量部以下が更に好ましい。上記範囲であれば、リラナフタートおよび/またはその塩の安定化効果を発揮することができ、エアゾール剤、クリーム剤、ゲル剤、軟膏剤、液剤を調製するにあたり使用感のよい製剤が得られる。
本発明の外用医薬組成物において用いられる殺菌剤としては、例えば、イソプロピルメチルフェノール、塩化デカリニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルへキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、塩化セチルピリジニウム、安息香酸ナトリウム、クロロブタノール、サリチル酸、グルコン酸、テルビナフィン塩酸塩、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(ポリヘキサメチレンビグアニド等)が例示されるが、これに限定はされない。中でも、イソプロピルメチルフェノール、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、およびクロロブタノールから選択される1種または2種以上が好ましい。
本発明の外用医薬組成物において、外用医薬組成物に占める殺菌剤の含有量は、組成物の全量に対して、0.0001質量%以上が好ましく、0.001質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更により好ましい。また、殺菌剤の含有量は、組成物の全量に対して、8質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更により好ましい。上記の範囲であれば、医薬部外品、医薬品の通常使用量で、前述した本発明の効果が十分に得られる。また、リラナフタートおよび/またはその塩に対するビタミン剤の配合量の比率は、リラナフタートおよび/またはその塩1質量部に対して、0.0001質量部以上が好ましく、0.001質量部以上がより好ましく、0.01質量部以上が更により好ましい。またリラナフタートおよび/またはその塩の含有量に対するビタミン剤の配合量の比率は、リラナフタートおよび/またはその塩1質量部に対して、8質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、3質量部以下が更に好ましい。上記範囲であれば、リラナフタートおよび/またはその塩の安定化効果を発揮することができ、エアゾール剤、クリーム剤、ゲル剤、軟膏剤、液剤を調製するにあたり使用感のよい製剤が得られる。
本発明において、リラナフタートまたはその他の化合物の「薬学的に許容される塩」とは、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、有機塩基等との塩が例示され、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、またはジエタノールアミン、エチレンジアミン等との塩が挙げられる。これらの塩は、たとえば、リラナフタート等に存在する硫酸基やカルボキシル基を公知の方法により塩に変換することで得られる。さらには、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)ピペラジン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、エタノールアミン、N−メチルグルカミン、L−グルカミン等のアミンの塩;又はリジン、δ−ヒドロキシリジン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸との塩などが挙げられる。また、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸の塩;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、吉草酸、吉草酸酢酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、ケイ皮酸、乳酸、グリコール酸、グルクロン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、サリチル酸等の有機酸との塩;又はアスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸との塩なども挙げられる。
本発明でいう「薬学的に許容される塩」には、塩の溶媒和物または水和物を含んでいてもよい。
本発明の外用医薬組成物は、医薬品、医薬部外品として幅広く利用可能な任意の形態で提供される。好ましくは、抗真菌用皮膚外用剤として利用可能な製剤として提供される。特には、表在性真菌治療剤または白癬治療剤として用いられ得る。
本発明の外用医薬組成物はまた、水虫または水虫治療痕に起因する色素沈着を抑制、防止、または改善することができる。
本発明の外用医薬組成物は、リラナフタートおよび/またはその塩の安定性に優れる。ここで、リラナフタートおよび/またはその塩の安定性とは、代表的には、リラナフタートの経時的な分解が抑制されることをいう。リラナフタートの経時的分解は、熱や光などの外部刺激によって、起こり得る。すなわち、リラナフタートの残存率が、(B)成分を含まない場合の同一条件下と比較して、リラナフタート含有量(質量)の比較で、少なくとも5%以上、好ましくは10%以上、さらに好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上改善されることを言う。
(皮膚外用剤形態)
本発明の外用医薬組成物は、皮膚外用剤の形態で使用され得る。これらの外用剤形態は、皮膚外用剤(医薬部外品、医薬品)に添加される公知の基剤又は担体を混合して使用することができる。このような皮膚外用剤にはまた、例えば、経皮吸収促進剤、界面活性剤、油分、アルコール類、増粘剤、細胞賦活化成分、分散剤、香料、着色剤、色素、パール光沢付与剤、血行促進成分、紫外線吸収成分、紫外線散乱成分、洗浄成分、収斂成分、ペプチド又はその誘導体、角質柔軟成分、溶解補助剤、水等を配合することができる。添加剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の外用医薬組成物である薬剤は、医薬品又は医薬部外品の公知の形態として、例えば、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、リニメント剤、エアゾール剤、パップ剤、不織布等のシートに薬液を含浸させたシート剤などが挙げられる。中でも、好ましくは、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、の形態で用いられる。かかる形態とすることにより、本発明の外用医薬組成物が抗真菌作用と色素沈着防止作用を十分に発揮することができる。
(基剤又は担体)
基剤又は担体としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン、ゲル化炭化水素(プラスチベースなど)、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、軽質流動パラフィンのような炭化水素;メチルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、架橋型アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコン、フェニル変性シリコーン、シリコーンレジンのようなシリコーン油;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;カラギーナン;ポリビニルブチラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリットのようなエステル類;デキストリン、マルトデキストリンのような多糖類;エタノール、イソプロパノールのような低級アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルのようなグリコールエーテル;ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、イソプレングリコールなどの多価アルコール;水などの水系基剤などが挙げられる。
基剤又は担体は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
経皮吸収促進剤としては、例えば、炭素数6〜20の脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、脂肪酸エーテルなどが挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタンのようなソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸プロピレングリコールのようなプロピレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(HCO−40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO−50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO−60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80などの硬化ヒマシ油誘導体;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタンのようなポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル;グリセリンアルキルエーテル;アルキルグルコシド;ポリオキシエチレンセチルエーテルのようなポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ステアリルアミン、オレイルアミンのようなアミン類;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンのようなシリコーン系界面活性剤;ラウリン酸塩、パルミチン酸塩、ココイルグルタミン酸塩、ヤシ油メチルアラニン塩、アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンラウリル硫酸塩のようなアニオン性界面活性剤、ラウリルジアミノエチルグリシン塩、ヤシ油脂肪酸ベタイン塩などの両性界面活性剤などが挙げられる。
増粘剤としては、例えば、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリエチレングリコール、ベントナイト、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、カルメロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられる。
保存剤としては、安息香酸、デヒドロ酢酸、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、フェノキシエタノールなどが挙げられる。
溶解補助剤としては、メチルエチルケトン、N-メチル-2-ピロリドンなどが挙げられる。
保湿成分としては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジグリセリンのような多価アルコール;トレハロース、キシリトール、オリゴ糖のような糖類;ヒアルロン酸ナトリウム、ヘパリン類似物質、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、キチン、キトサンのような高分子化合物;グリシン、アスパラギン酸、アルギニンのようなアミノ酸;乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウムのような天然保湿因子;セラミド、コレステロール、リン脂質のような脂質;カミツレエキス、ハマメリスエキス、チャエキス、シソエキスのような植物抽出エキスなどが挙げられる。
ペプチド又はその誘導体としては、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、コラーゲン、魚由来コラーゲン、アテロコラーゲン、ゼラチン、エラスチン、エラスチン分解ペプチド、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、加水分解大豆蛋白、小麦蛋白、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチド、アシル化ペプチド(パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルペンタペプチド、パルミトイルテトラペプチド等)などが挙げられる。
アミノ酸又はその誘導体としては、ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、β−アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、ヒスチジン、タウリン、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、カルノシン、クレアチン等が挙げられる。
細胞賦活化成分としては、γ-アミノ酪酸、ε-アミノプロン酸などのアミノ酸類;パルミチン酸レチノールなどのレチノール、;グリコール酸、乳酸などのα-ヒドロキシ酸類;タンニン、フラボノイド、サポニン、感光素301号などが挙げられる。
血行促進成分としては、植物由来成分が好ましく例示される。例えば、オタネニンジン、アシタバ、アルニカ、イチョウ、エンメイソウ、オランダカシ、カミツレ、ローマカミツレ、カロット、ゲンチアナ、ゴボウ、コメ、サンザシ、シイタケ、セイヨウサンザシ、セイヨウネズ、センキュウ、センブリ、タイム、チョウジ、チンピ、トウキ、トウニン、トウヒ、ニンジン、ニンニク、ブッチャーブルーム、ブドウ、ボタン、マロニエ、メリッサ、ユズ、ヨクイニン、ローズマリー、ローズヒップ、チンピ、トウキ、トウヒ、モモ、アンズ、クルミ、トウモロコシに由来する成分;グルコシルヘスペリジンなどが挙げられる。
本発明の外用医薬組成物の色素沈着防止作用は、細胞を用いたインビトロの試験において、本発明の組成物を使用しない場合の対照と比較して、メラニン産生量が抑制されている状態によって検知することができる。
なお、リラナフタートおよび/またはその塩を含む薬剤を、キットの形態で用いても良い。具体的には、医薬組成物を構成する異種の構成成分を、予め、別々の容器またはパック中に包装しておき、使用直前に混合して使用する態様が挙げられる。容器としては、例えば、封着されたアンプル、試験管、バイアル、フラスコ、ボトル、シリンジ、またはこれらの類似物が挙げられる。
本発明の外用医薬組成物は、単独あるいはキットの形態において、特定の容器内に収容されて提供され得る。このような容器は特に限定はされないが、単層または複数層からなる樹脂容器、ガラス容器、または内表面をコーティングしたガラス容器などが例示される。限定はされないが、単層または複数層の樹脂容器が好ましく用いられ、特には、ポリオレフィン系樹脂を含む容器が好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂またはポリエチレン系樹脂が特に好ましい。このような容器を用いることによって、本願発明のリラナフタートおよび/またはその塩の安定性効果がより良く発揮され得る。
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜13)
(A)リラナフタートを2%含む液(ゼフナート外用液、鳥居薬品株式会社製)またはリラナフタートを2%含むクリーム製剤(ゼフナートクリーム2%、鳥居薬品株式会社)に、各種(B)成分を単独で、それぞれ最終濃度が表に示す値となるように添加した。すなわち、ゼフナート液あるいはクリーム以外の下記表1及び2に記載の水溶性成分・油溶性成分をそれぞれ70〜80℃で混合溶解した。次にホモミキサーで攪拌しながら油相を徐々に水相に添加して、十分に混合させたのち、そのまま室温になるまで攪拌しながら冷却した。その後、ゼフナート液あるいはクリームと十分混合して各試験製剤を得た。
(比較例1〜2)
実施例1〜13と同様に、各試験製剤を得た。但し、(B)成分は添加しなかった。
(実施例14〜15)
下記表3に記載のゼフナートクリーム以外の成分を無水エタノールに溶解した。次に攪拌しながらエタノール相とゼフナートクリームとを十分に混合させて各試験製剤を得た。
(比較例3)
実施例14〜15と同様にして各試験製剤を得た。但し(B)成分は添加しなかった。
(試験方法)
下記表の実施例および比較例の試験製剤をそれぞれ10mLガラス製容器または10mLポリエチレン製容器に5gずつ充填し、サンテスターにて500kJ/W/hの条件下で計30000kJ/W照射した後、リラナフタートの含量を下記測定条件でHPLCにて定量し、各試験製剤の保存前の初期含量を基準(100%)とした含量残存率を式1により求めた。
(式1) リラナフタート残存率(%)
=(エージング
品のリラナフタート含有量)/(スタート品のリラナフタート含有量)×100
定量条件としては、以下の方法を用いた。
検出器 : 紫外吸光光度計(測定波長:254nm)
カラム : 内径4.6mm、長さ15cmのステンレス管に、粒子径5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんしたカラム(Inertsil ODS2、GLサイエンス社製)
カラム温度: 40℃付近の一定温度
移動相溶液: メタノール/pH4.0の酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液混液(4:1)
このようにして行った試験の結果を表1〜表3に示す。
Figure 2015218147
Figure 2015218147
Figure 2015218147
これらの表に示す通り、リラナフタート単独配合製剤と比較して、各(B)成分を併用した場合には、いずれもリラナフタート残存率が向上し、光安定性が良くなることがわかった。
(実施例16〜25)
実施例1〜15と同様にして、表4および5に示す組成の試験製剤を調製した。
(比較例4〜5)
実施例16〜25と同様にして各試験製剤を得た。但し(B)成分は添加しなかった。
(光安定性試験(D65ランプ))
実施例および比較例の試験製剤をそれぞれ10mLポリエチレン製容器に5gずつ充填し、フェードメーター 蛍光灯照射試験機にて、D65ランプで5000lux/hの条件下で計120万lux・hr照射した後、リラナフタートの含量をサンテスター使用時と同様の測定条件でHPLCにて定量し、各試験製剤の保存前の初期含量を基準(100%)とした含量残存率を(式1)により求めた。
このようにして行った試験の結果を表4〜表5に示す。
Figure 2015218147
Figure 2015218147
これらの表に示す通り、リラナフタート単独配合製剤と比較して、各(B)成分を併用した場合には、いずれもリラナフタート残存率が向上し、光安定性が良くなることがわかった。
(実施例26〜36)
実施例1〜15と同様にして、表6〜8に示す組成の試験製剤を調製した。
(比較例6〜8)
実施例26〜36と同様にして各試験製剤を得た。但し(B)成分は添加しなかった。
(熱安定性試験(70℃))
実施例および比較例の試験製剤をそれぞれ10mLポリエチレン製容器に5gずつ充填し、70℃の恒温槽にて遮光下で1週間保存した。保存後の各試験製剤を25℃恒温槽にて半日保管し、十分に製剤を室温に戻した後、リラナフタートの含量を上記測定条件でHPLCにて定量し、各試験製剤の保存前の初期含量を基準(100%)とした含量残存率を求めた。
Figure 2015218147
Figure 2015218147
Figure 2015218147
これらの表に示す通り、リラナフタート単独配合製剤と比較して、各(B)成分を併用した場合には、いずれもリラナフタート残存率が向上し、熱安定性が良くなることがわかった。
(実施例37〜39)
実施例1〜15と同様にして、表9に示す濃度となるよう試験製剤を調製した。1wellが3mL=3000μL、に対して最終濃度に合わせて培地で段階希釈により調製された液を60μL添加した(50倍希釈)。
(比較例9〜12)
実施例37〜39と同様にして各試験製剤を得た。但し(B)成分は添加しなかった。
<試験方法>
マウス由来メラノーマ細胞を、10%FBS含有DMEM培地を用いて、1.0×104 cells/mLの密度で6ウェルプレートに播種し、37℃、5%炭酸ガス及び95%空気の環境下で1日間培養した。その後、培地交換を行うと共に10%FBS含有DMEM培地を用いて調製した被験製剤を以下表に示した終濃度になるように添加し、さらに3日間培養した(最終液量約3mL)。
培養後、各ウェルの上清を除去し、PBS(−)で1回洗浄後、1N NaOHを600μL添加し、室温にて24時間静置して細胞を溶解させ、得られた細胞溶解液の475nmにおける吸光度を測定することにより、上記マウス由来メラノーマ細胞のメラニン産生量を求めた。さらにBCA蛋白定量キットにより蛋白定量を行い、蛋白量当たりのメラニン産生率を算出した。
Figure 2015218147
この表に示す通り、リラナフタート単独、およびリドカイン、グリチルリチン酸二カリウム、イソプロピルメチルフェノールそれぞれの単独ではメラニン産生の促進または抑制効果が見られなかったが、リラナフタートと各(B)成分を合わせて併用した場合にメラニン産生率が著しく低下することがわかった。
なお、実施例に記載したリラナフタート液及びクリームの製剤の処方は表10に示す通りである。
Figure 2015218147
(組成物調製例)エアゾール剤
以下のエアゾール剤を調製する。処方例中の数値の単位は「質量%」である。以下のリラナフタートとは、実施例で使用した市販品ではなく、リラナフタート化合物自体をいう。
Figure 2015218147
(組成物調製例)クリーム剤
Figure 2015218147
(組成物調製例)液剤
Figure 2015218147
(組成物調製例)ゲル剤
Figure 2015218147

Claims (10)

  1. (A)リラナフタートおよび/またはその薬学的に許容される塩、および(B)局所麻酔剤、抗炎症剤、ビタミン剤、および殺菌剤からなる群より選択される1種または2種以上を含有する、外用医薬組成物。
  2. 前記局所麻酔剤が、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、ジブカイン、ブピバカイン、メピバカイン、ロピバカイン、レボブピバカイン、およびそれらの薬学的に許容される塩、およびアミノ安息香酸エチルからなる群より選択される1種または2種以上であり;
    前記抗炎症剤が、アラントイン、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸二カリウム、プレドニゾロン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、ウフェナマート、ブフェキサマク、イブプロフェンピコノール、インドメタシン、ジクロフェナク、ピロキシカム、ε−アミノカプロン酸、ベルベリン、リゾチーム、アズレン、ブロメライン、セラペプターゼ、セミアルカリプロティナーゼ、トラネキサム酸およびそれらの薬理学的に許容される塩からなる群より選択される1種または2種以上であり;
    前記ビタミン剤が、ビタミンB群およびビタミンE群から選択される1種または2種以上であり;かつ
    前記殺菌剤が、イソプロピルメチルフェノール、塩化デカリニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルへキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、塩化セチルピリジニウム、安息香酸ナトリウム、クロロブタノール、サリチル酸、グルコン酸、テルビナフィン塩酸塩、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、およびビグアニド化合物からなる群より選択される1種または2種以上である、請求項1記載の外用医薬組成物。
  3. 前記ビタミンB群およびビタミンE群が、トコフェロール及びそれらの薬学的に許容される塩、ピリドキシン、およびパントテニルアルコールからなる群より選ばれる1種又は2種以上である請求項2記載の外用医薬組成物。
  4. 前記(A)成分の含有量が、組成物全体の0.01〜20質量%である、請求項1〜3のいずれか1項記載の外用医薬組成物。
  5. 前記(B)成分の含有量が、組成物全体の0.0001〜31重量%である、請求項1〜4のいずれか1項記載の外用医薬組成物。
  6. 前記(A)成分と前記(B)成分との含有質量比が、1:0.001〜1:10である、請求項1〜5のいずれか1項記載の外用医薬組成物。
  7. (A)リラナフタートおよび/またはその薬学的に許容される塩、および(B)局所麻酔剤、抗炎症剤、ビタミン剤、および殺菌剤からなる群より選択される1種または2種以上を含有する、表在性真菌治療剤または白癬治療剤。
  8. (A)リラナフタートおよび/またはその薬学的に許容される塩、および(B)局所麻酔剤、抗炎症剤、ビタミン剤、および殺菌剤からなる群より選択される1種または2種以上を含有する、色素沈着防止剤。
  9. (A)リラナフタート及びそれらの塩に(B)局所麻酔剤、抗炎症剤、ビタミン剤、および殺菌剤からなる群より選ばれる1種又は2種以上を加えることによる、外用医薬組成物の安定性を向上させる方法。
  10. 水虫の色素沈着の抑制、防止または改善用薬剤の製造の為の、(A)リラナフタート及びそれらの塩ならびに(B)局所麻酔剤、抗炎症剤、ビタミン剤、および殺菌剤からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有する外用医薬組成物の使用。
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