JP6163030B2 - 医薬組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、医薬組成物に関する。より詳細には、本発明は、水溶性ビタミンの製剤安定性に優れた医薬組成物に関する。
医薬組成物の製剤化にあたり、配合成分の安定性は非常に重要である。配合成分が製剤化された後、種々の環境条件(例えば、高温下や低温下、露光下、多湿環境下等)で経時的に不安定となって、その含量が大きく低下すると、該成分が所期の効果を発揮し得なくなることが懸念される。とりわけ、配合成分の用量を厳密に管理すべき医薬組成物においては、より高度な製剤安定性が要求される。
医薬組成物にも配合されることが多い水溶性ビタミンは、一般に、熱や光といった環境因子の影響を受けて不安定となり、その含量低下を引き起こしやすいことが知られている。そしてこれまでに、不安定となり易い水溶性ビタミンの経時的安定性を高める試みとしては、冷所遮光下で保管したり、高価な遮光容器中に充填して保管したりするほか、ビタミンB類及び/又はビタミンB誘導体について、これらをジ第三ブチルパラクレゾール及び紫外線吸収剤と共に含んでなる皮膚外用剤として調製する方法等が提案されている(特許文献1)。また、共に水溶性ビタミンであるビタミンB2とビタミンB6とを一定の配合比で併用することにより、ビタミンB6の含量低下を防止することも提案されている(特許文献2)。
ところで、イブプロフェンピコノールは、消炎・鎮痛作用を示す非ステロイド性薬物として周知の薬物である。イブプロフェンピコノールは、より有効な抗炎症作用を発揮できるイブプロフェン誘導体の開発過程で見出されてきたイブプロフェンのピコノールエステル化合物である。現在、イブプロフェンピコノールは、急性湿疹、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、慢性湿疹、酒さ様皮膚炎、口囲皮膚炎、帯状疱疹、尋常性ざ瘡(いわゆるニキビ)等の外用治療薬として用いられている(特許文献3、非特許文献1〜2)。そして特許文献3では、イブプロフェンピコノールの熱安定性を高めるために、基剤として親水性ポリマー、非イオン性界面活性剤、油状物質、pH調節剤及び水を用いる技術が提案されている。しかしながら、特許文献3には、イブプロフェンピコノールが、他の成分の安定性に対して如何なる影響を及ぼすかについては何ら検討がなされていない。
特開平9−249545号公報 特開平6−145056号公報 特開昭62−223118号公報
早川律子ら、西日本皮膚科、47巻5号、p899〜908、1985年 谷口恭章ら、西日本皮膚科、47巻5号、p888〜898、1985年
本発明は、かかる従来技術に鑑みてなされたものであり、水溶性ビタミンの製剤安定性に優れた医薬組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、水溶性ビタミンと共にイブプロフェンピコノール及び/又はその塩を組み合わせて用いることにより、水溶性ビタミン(とりわけ、ビタミンB群に属する水溶性ビタミン)の熱及び/又は光に対する安定性が高度に改善することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
<1>(A)水溶性ビタミン(以下、「(A)成分」ともいう)、並びに(B)イブプロフェンピコノール及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種(以下、「(B)成分」ともいう)を含有する、医薬組成物。
<2>(A)水溶性ビタミンが、ビタミンB群に属する水溶性ビタミンである、<1>に記載の医薬組成物。
<3>ビタミンB群に属する水溶性ビタミンが、ビタミンB6類、パントテン酸類、ニコチン酸類、ビタミンB1類、ビタミンB2類、ビオチン類、葉酸類、及びビタミンB12類からなる群より選択される少なくとも1種である、<1>又は<2>に記載の医薬組成物。
<4>ビタミンB群に属する水溶性ビタミンが、ピリドキシン、パンテノール、ニコチン酸アミド、ニコチン酸、ピリドキサール、ピリドキサミン、パントテン酸、チアミン、リボフラビン、ビオチン、葉酸、シアノコバラミン、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種である、<1>〜<3>のいずれかに記載の医薬組成物。
<5>(B)成分の含有量が、医薬組成物100重量%中、0.1〜10.0重量%である、<1>〜<4>のいずれかに記載の医薬組成物。
<6>(A)水溶性ビタミンの含有量が、医薬組成物100重量%中、0.001〜10.0重量%である、<1>〜<5>のいずれかに記載の医薬組成物。
<7>(A)水溶性ビタミン1重量部に対して、(B)成分を0.05〜1000重量部の割合で含有する、<1>〜<6>のいずれかに記載の医薬組成物。
<8>水中油型組成物である、<1>〜<7>のいずれかに記載の医薬組成物。
<9>ニキビの治療及び/又は予防のために使用され得る、<1>〜<8>のいずれかに記載の医薬組成物。
<10>外用組成物である、<1>〜<9>のいずれかに記載の医薬組成物。
<11>更に、(C)清涼化剤、殺菌剤、油溶性ビタミン、抗炎症剤(但し、(B)成分を除く)及び有機酸(但し、(A)成分を除く)からなる群より選択される少なくとも1種(以下、「(C)成分」ともいう)を含有する、<1>〜<10>のいずれかに記載の医薬組成物。
本発明により、水溶性ビタミンの製剤安定性に優れた医薬組成物を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
[医薬組成物]
本発明の医薬組成物は、(A)水溶性ビタミン及び(B)成分を含有する。当該医薬組成物においては、従来抗炎症作用や、各種皮膚疾患に対する有効性が知られている(B)成分を併用することで、意外にも(A)水溶性ビタミンの製剤安定性が向上している。当該医薬組成物は、(A)成分の製剤安定性を高めることができると共に、ニキビ等に対してより有効な治療及び/又は予防効果を発揮させ得るという観点から、(C)成分を含有してもよく、さらに本発明の効果を損なわない限り、その他の成分等を含有してもよい。以下、当該医薬組成物の必須成分である(A)成分及び(B)成分、並びに(C)成分及びその他の成分等について詳述する。
<(A)水溶性ビタミン>
本発明において(A)水溶性ビタミンは特に制限されず、天然、合成のいずれのものも使用可能である。水溶性ビタミンとしてはビタミンB群のビタミン及びビタミンC群のビタミンが代表的である。なお、これらの誘導体には水溶性ではなく油溶性のものもあり、そのようなビタミンは当然ながら本発明における(A)水溶性ビタミンに包含されない。また、本発明の効果発現の観点からは、ビタミンB群に属する水溶性ビタミンが好ましい。
前記ビタミンB群に属する水溶性ビタミンとしては、
ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン、5’−リン酸ピリドキサール、及びそれらの塩(例えば、塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、塩酸ピリドキサミン)等のビタミンB6類;
パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D−パンテサイン、D−パンテチン、補酵素A、パントテニルエチルエーテル、及びそれらの塩等のパントテン酸類;
ニコチン酸、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸メチル、ニコチン酸β−ブトキシエチル、ニコチン酸1−(4−メチルフェニル)エチル、ニコチン酸アミド、及びそれらの塩等のニコチン酸類;
γ−オリザノール、チアミン、ジベンゾイルチアミン、チアミンセチル、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミントリリン酸エステル、及びそれらの塩(例えば、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステルモノリン酸塩)等のビタミンB1類;
リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、リボフラビンテトラニコチン酸エステル、及びそれらの塩等のビタミンB2類;
ビオチン、ビオシチン、及びそれらの塩等のビオチン類;
葉酸、プテロイルグルタミン酸、及びそれらの塩等の葉酸類;
シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、デオキシアデノシルコバラミン、及びそれらの塩等のビタミンB12類;
が挙げられる。
これらの中でも本発明の効果発現の観点からは、ピリドキシン、パンテノール、ニコチン酸アミド、ニコチン酸、ピリドキサール、ピリドキサミン、パントテン酸、チアミン、リボフラビン、ビオチン、葉酸、シアノコバラミン、及びそれらの塩が好ましく、ピリドキシン、パンテノール、ニコチン酸アミド及びそれらの塩がより好ましい。これらの塩としては、前記の例示に示したように、例えば、硫酸、塩酸、チオシアン酸又はリン酸等の鉱酸の塩、酪酸、マレイン酸又はメタンスルホン酸等の有機酸の塩、リシン等の有機塩基との塩、ナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属塩、ならびにカルシウム等のアルカリ土類金属塩が挙げられる。
本発明の医薬組成物における(A)水溶性ビタミンの含有量は、特に制限されないが、本発明の効果発現の観点から、医薬組成物100重量%中、0.001〜10.0重量%が好ましく、0.005〜7.0重量%であることがより好ましく、0.01〜5.0重量%であることがさらに好ましい。また、本発明において(A)水溶性ビタミンは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。本発明によれば、(A)水溶性ビタミンの安定化を図ることができるので、特に光に対して含量低下を招きやすい上記のような低濃度の場合であっても、高い製剤安定化効果を得ることができる。
<(B)成分>
(B)成分は、イブプロフェンピコノール及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種である。(B)成分は従来使用されている通り、急性湿疹やニキビなど各種の皮膚疾患に有効な成分であるが、本発明においては(A)水溶性ビタミンの安定性を高める作用をも発揮する。
本発明におけるイブプロフェンピコノールは、通常の医薬品に使われるものであればよく、例えば日本薬局方医薬品規格収載品を使用することができる。イブプロフェンピコノールの塩としては、例えば、硫酸、塩酸又はリン酸等の鉱酸の塩、マレイン酸又はメタンスルホン酸等の有機酸の塩、ナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩が挙げられる。イブプロフェンピコノール及び/又はその塩は、合成によって入手してもよく、市販品を用いてもよい。
本発明の医薬組成物における(B)成分の含有量は、特に制限されないが、本発明の効果発現の観点から、医薬組成物100重量%中、0.1〜10.0重量%が好ましく、0.1〜5.0重量%であることがより好ましく、0.5〜3.0重量%であることがさらに好ましい。
また、当該医薬組成物における(A)成分と(B)成分との含有割合については、本発明の効果発現の観点から(A)水溶性ビタミン1重量部に対して、(B)成分が0.05〜1000重量部であることが好ましく、0.1〜700重量部であることがより好ましく、0.2〜500重量部であることがさらに好ましい。
<(C)成分>
(C)成分は、清涼化剤、殺菌剤、油溶性ビタミン、抗炎症剤(但し、(B)成分を除く)及び有機酸(但し、(A)成分を除く)からなる群より選択される少なくとも1種である。本発明の医薬組成物に清涼化剤を配合した場合には、皮膚の引き締め効果による使用感向上や殺菌力向上が期待される。殺菌剤を配合した場合には、ニキビ等を悪化させる菌の異常増殖を抑制できることが期待される。油溶性ビタミンを配合した場合には、皮脂腺の機能亢進を抑制する作用が期待される。抗炎症剤を配合した場合には、ニキビ等に伴う炎症を抑制できることが期待される。そして、有機酸を配合した場合には、肌へのピーリング効果でターンオーバーを促進し、角質肥厚を改善して皮脂の排出促進に繋がることが期待される。従って、このような(C)成分を配合することによって、(A)水溶性ビタミンの製剤安定性が高められるだけでなく、使用感改善の他、ニキビ等に対する治療及び/又は予防効果も高められた医薬組成物とすることができる。
上記清涼化剤としては、例えば、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、アネトール、リモネン、オイゲノール等のテルペン類(これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。);ユーカリ油、ベルガモット油、ペパーミント油、クールミント油、スペアミント油、ウイキョウ油、ハッカ油、ケイヒ油、ローズ油、テレビン油等の精油等が挙げられる。
上記殺菌剤としては、例えば、イソプロピルメチルフェノール、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、エタノール、塩化ベンゼトニウム、クレゾール、グルコン酸及びその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2−ペンタンジオール、塩酸アルキルジアミノグリシン、ピロクトオラミン、ミコナゾール等が挙げられる。
上記油溶性ビタミンとしては、例えば、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム等のビタミンE類;アスコルビゲン−A、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、ジパルミチン酸L−アスコルビル、テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル等の油溶性のビタミンC類;エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類;フィロキノン、ファルノキノン等のビタミンK類;フェルラ酸等のビタミン様作用因子等が挙げられる。
上記(B)成分以外の抗炎症剤としては、アラントイン及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体、サリチル酸及びその誘導体、アズレン及びその誘導体、植物(例えば、コンフリー)に由来する成分、酸化亜鉛、酢酸トコフェロール、アミノカプロン酸及び、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン並びにそれらの塩等が挙げられる。具体的には、例えば、アラントイン、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、サリチル酸グリコール、サリチル酸メチル、イプシロンアミノカプロン酸、アズレン、グアイアズレン及びそれらの塩(例えば、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム)等が挙げられる。なお、「誘導体」とは、記載の化合物のエステル、エーテル、アルキル化物、配糖体等をいう。
上記(A)水溶性ビタミン以外の有機酸としては、例えば、グルコン酸、アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸、イプシロン−アミノカプロン酸、クエン酸、グルタミン酸、コハク酸、シュウ酸、フマル酸、プロピオン酸、リンゴ酸、サリチル酸、グリコール酸、フィチン酸、酒石酸、酢酸、乳酸、及びこれらの塩が挙げられる。塩としては、例えば、硫酸、塩酸又はリン酸等の鉱酸の塩、マレイン酸又はメタンスルホン酸等の有機酸の塩、ナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
本発明の医薬組成物における(C)成分の含有量は、当該成分の効果発現の観点から、医薬組成物100重量%中、0.01〜5重量%であることが好ましく、0.1〜5重量%であることがより好ましい。
<その他の成分>
本発明の医薬組成物は、以上説明した(A)水溶性ビタミン及び(B)成分を含有し、必要に応じて(C)成分を含有し、さらにその他、種々の目的に応じて、保湿成分、多価アルコール、スクラブ剤、紫外線吸収成分、紫外線散乱成分、収斂成分、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、洗浄成分、角質柔軟成分、細胞賦活化成分、老化防止成分、血行促進作用成分、美白成分等のその他の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で含んでいてもよい。なかでも、本発明の医薬組成物が多価アルコールを含有することが好ましい。なお、これらのその他の成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、その他の成分であって上記(C)成分としても挙げられているものは、本発明において(C)成分としての機能も果たす。
上記保湿成分としては、例えば、ジグリセリントレハロース;ヒアルロン酸ナトリウム、ヘパリン類似物質、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、キチン、キトサン等の高分子化合物;グリシン、アスパラギン酸、アルギニン等のアミノ酸;乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等の天然保湿因子;セラミド、コレステロール、リン脂質等の脂質;カミツレエキス、ハマメリスエキス、チャエキス、シソエキス等の植物抽出エキス等が挙げられる。
上記多価アルコールとしては、炭素数2〜10のものが好ましく、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、イソプレングリコール、1、3−ブチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
これらの中でも、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、イソプレングリコール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオールが好ましく、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、イソプレングリコール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールがより好ましい。
上記スクラブ剤としては、例えば、アプリコット核粉末、アーモンド殻粉末、アンズ核粉末、塩化ナトリウム粒、オリーブ核粉末、海水乾燥物粒、キャンデリラワックス、くるみ殻粉末、さくらんぼ核粉末、サンゴ粉末、炭粉末、はしばみ殻粉末、ポリエチレン末、無水ケイ酸等が挙げられる。
上記紫外線吸収成分としては、例えば、オクチルトリアゾン、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸等が挙げられる。
上記紫外線散乱成分としては、例えば、含水ケイ酸、ケイ酸亜鉛、ケイ酸セリウム、ケイ酸チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化チタン、酸化鉄、無水ケイ酸等の無機化合物、これらの無機化合物を含水ケイ酸、水酸化アルミニウム、マイカやタルク等の無機粉体で被覆したり、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂粉体に複合化したもの、さらにシリコーン油や脂肪酸アルミニウム塩等で処理したもの等が挙げられる。
上記収斂成分としては、例えば、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、塩化アルミニウム、スルホ石炭酸亜鉛、タンニン酸等が挙げられる。
上記ペプチド又はその誘導体としては、例えば、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、コラーゲン、魚由来コラーゲン、アテロコラーゲン、ゼラチン、エラスチン、エラスチン分解ペプチド、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、加水分解大豆蛋白、小麦蛋白、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチド、アシル化ペプチド(パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルペンタペプチド、パルミトイルテトラペプチド等)等が挙げられる。
上記アミノ酸又はその誘導体としては、例えば、ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、β−アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、ヒスチジン、タウリン、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、カルニチン、カルノシン、クレアチン等が挙げられる。
上記洗浄成分としては、例えば、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム又はステアリン酸カリウム等のアルカリ金属塩、アルカノールアミド塩又はアミノ酸塩等から選ばれる石けん類;ココイルグルタミン酸Na、ココイルメチルタウリンNa等のアミノ酸系界面活性剤;ラウレス硫酸Na等のエーテル硫酸エステル塩;ラウリルエーテル酢酸Na等のエーテルカルボン酸塩;アルキルスルホコハク酸エステルNa等のスルホコハク酸エステル塩;ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド;ラウリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム等のモノアルキルリン酸エステル塩;ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン及びラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピルリン酸ナトリウム等のベタイン型両性界面活性剤;ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等のアミノ酸型両性界面活性剤等が挙げられる。
上記角質柔軟成分としては、例えば、サリチル酸、サリチル酸グリコール、グルコン酸、リンゴ酸、フルーツ酸、フィチン酸、尿素、イオウ等が挙げられる。
上記細胞賦活化成分としては、例えば、γ−アミノ酪酸、ε-アミノカプロン酸等のアミノ酸類;レチノール等の油溶性ビタミン類;グリコール酸、乳酸等のα−ヒドロキシ酸類;タンニン、フラボノイド、サポニン、感光素301号等が挙げられる。
上記老化防止成分としては、例えば、パンガミン酸、カイネチン、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N−メチル−L−セリン、メバロノラクトン等が挙げられる。
上記血行促進作用成分としては、植物(例えば、オタネニンジン、アシタバ、アルニカ、イチョウ、ウイキョウ、エンメイソウ、オランダカシ、カミツレ、ローマカミツレ、カロット、ゲンチアナ、ゴボウ、コメ、サンザシ、シイタケ、ショウガ、セイヨウサンザシ、セイヨウネズ、センキュウ、センブリ、タイム、チョウジ、チンピ、トウガラシ、トウキ、トウニン、トウヒ、ニンジン、ニンニク、ブッチャーブルーム、ブドウ、ボタン、マロニエ、メリッサ、ユズ、ヨクイニン、リョクチャ、ローズマリー、ローズヒップ、チンピ、トウキ、トウヒ、モモ、アンズ、クルミ、トウモロコシ等)に由来する成分;アセチルコリン、イクタモール、カンタリスチンキ、ガンマーオリザノール、セファランチン、トラゾリン、ニコチン酸トコフェロール、グルコシルヘスペリジン等が挙げられる。
上記美白成分としては、例えば、トコフェロール、トラネキサム酸等が挙げられる。
<pH>
本発明の医薬組成物のpHは特に制限されるものではないが、本発明の効果を損なわず、また後述する各種の疾患に適用した場合に、より高い治療及び/又は予防効果が期待できるという観点からは、通常pH3.0〜10.0、好ましくはpH3.0〜8.0の範囲である。
<医薬組成物の製造方法>
本発明の医薬組成物の製造方法は特に制限されず、必須成分である(A)水溶性ビタミン及び(B)成分、必要に応じて配合される(C)成分の他、通常の、医薬組成物を製造するのに必要な各種成分(その他の成分、後述する基剤又は担体、添加剤等)を適宜選択、配合して、常法により、製造することができる。
なお、本発明の医薬組成物は乳化を行った組成物であってもよいし、可溶化させた組成物であってもよい。その場合水中油型でも油中水型のいずれでもよいが、本発明の効果発現の観点及び当該医薬組成物の使用感(べたつき、のび、しっとり感等)の観点から水中油型の組成物であることが好ましい。
<医薬組成物の用途>
本発明の医薬組成物は、以上説明したとおり、(A)水溶性ビタミン及び(B)成分を含有している。(B)成分は従来、抗炎症剤として使用されたり、急性湿疹、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、慢性湿疹、酒さ様皮膚炎、口囲皮膚炎、帯状疱疹、ニキビなどの各種皮膚疾患に有効な成分として使用されているものであるが、本発明においては、(A)水溶性ビタミンの製剤安定性を高めるという予想外な効果を発揮する。(A)水溶性ビタミン、特にビタミンB群に属する水溶性ビタミンはその皮脂抑制効果、消炎効果、賦活効果、血行促進効果などから各種の皮膚炎症状等に広く使用されている成分である。
従って、これら(A)水溶性ビタミン及び(B)成分を含有する本発明の医薬組成物は、上記の各種皮膚疾患の治療・予防等のための医薬組成物として使用することができ、とりわけ皮膚外用剤として好適に使用することができる。そして(A)水溶性ビタミンの製剤安定性が向上しているので、当該医薬組成物は長期間これらに対して有効に使用できるものと期待される。また、上記の皮膚疾患の中でも、(A)成分の有する皮脂腺機能亢進抑制作用や代謝促進作用に加え、(B)成分の有する抗炎症作用やリパーゼ活性抑制作用等も期待できるので、当該医薬組成物はニキビに有効である。
なお、本発明の医薬組成物の用法・用量等は特に制限されず、例えば皮膚外用剤として外皮へ用いられる。その適用量や用法は特に制限されず、また、使用対象の年齢や症状の程度等によって異なるが、通常、一日数回(例えば、朝と晩の一日2回程度)、適量(例えば、約0.01〜1g程度)を皮膚等の外皮(特に、症状の気になる患部、例えばニキビの発生する部位)に適用(例えば、塗布、噴霧、貼付)する等して用いることができる。
<製剤>
本発明の医薬組成物は、その必須成分及び上記で説明した(C)成分やその他の成分等を、医薬品に通常使用される基剤又は担体、及び必要に応じて、後述する添加剤と共に常法に従い混合して、必要に応じて乳化又は可溶化を行い、各種の製剤形態の医薬組成物とすることができる。
上記基剤又は担体としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ゲル化炭化水素(プラスチベース等)、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、軽質流動パラフィン等の炭化水素;メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコーン、フェニル変性シリコーン、シリコーンレジン等のシリコーン油;ヤシ油、オリーブ油、コメヌカ油、シアバター等の油脂;ホホバ油、ミウロウ、キャンデリラロウ、ラノリン等のロウ類;セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、フィトステロール、コレステロール等の高級アルコール;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;カラギーナン;ポリビニルブチラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット等のエステル類;デキストリン、マルトデキストリン等の多糖類;カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等のグリコールエーテル;水等が挙げられる。本発明の医薬組成物が多価アルコールを含む場合、多価アルコールは基剤又は担体としての役割も果たす場合がある。なかでも、本発明の医薬組成物は水及び/又は低級アルコールを含むものとすることが好ましく、水を含むものとすることがより好ましい。このように水分を含有する製剤は一般に、(A)水溶性ビタミンを不安定にさせてその含量低下を招くことが懸念されるが、本発明によればこのように水分を含む製剤であっても(A)成分の安定性を改善することができる。かかる観点に鑑みれば、本発明の医薬組成物は、医薬組成物100重量%中、水を30重量%以上含むものであってもよく、50重量%以上含むものであってもなおよい。
本発明の医薬組成物が水及び低級アルコール以外の基剤又は担体を含む場合、上記基剤または担体としては、例えば、高級アルコール、炭化水素、油脂、エステル類、シリコーン油、ロウ類、ビニル系高分子が好ましく、高級アルコール、エステル油、シリコーン油、ビニル系高分子がより好ましい。これらの成分の中では、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、ジメチコン、シクロメチコン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、カルボキシビニルポリマーがさらに好ましい。
以上説明した基剤又は担体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。またそれらの使用量は当業者に公知の範囲から適宜選択される。
<製剤形態>
本発明の医薬組成物の製剤形態は特に限定されず、例えば、軟膏剤、液剤、懸濁剤、乳化剤(乳液及びクリーム)、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、パップ剤、エアゾール剤、固形剤等が挙げられる。これらのうち、液状〜半固体状の製剤形態が好ましく、特に、液剤、ローション剤、軟膏剤、ゲル剤、乳化剤に適用すると有用である。これらの製剤は、常法、例えば第16改正日本薬局方製剤総則に記載の方法等に従い製造することができる。
<添加剤>
本発明の医薬組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、医薬品に添加される公知の添加剤、例えば、界面活性剤、安定化剤、酸化防止剤、着色剤、パール光沢付与剤、分散剤、キレート剤、pH調整剤、保存剤、増粘剤、刺激低減剤等を添加することができる。なかでも、界面活性剤、増粘剤を添加することが好ましい。これらの添加剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。また、添加剤であって上記(C)成分としても挙げられているものは、本発明において(C)成分としての機能も果たす。
上記界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等のいずれでもよく、例えば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(HCO−40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO−50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO−60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80等の硬化ヒマシ油誘導体;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル;グリセリンアルキルエーテル;アルキルグルコシド;ポリオキシエチレンセチルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ステアリルアミン、オレイルアミン等のアミン類;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン等のシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。これらのうち、非イオン性界面活性剤が好ましく、硬化ヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルがより好ましい。
上記安定化剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
上記酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸、L−システイン塩酸塩等が挙げられる。
上記着色剤としては、例えば、無機顔料、天然色素等が挙げられる。
上記パール光沢付与剤としては、例えば、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸トリエチレングリコール等が挙げられる。
上記分散剤としては、例えば、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸架橋コポリマー等が挙げられる。
上記キレート剤としては、例えば、EDTA・2ナトリウム塩、EDTA・カルシウム・2ナトリウム塩等が挙げられる。
上記pH調整剤としては、例えば、無機酸(塩酸、硫酸等)、有機酸の塩(乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム等)、無機塩基(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)等が挙げられる。なかでも、有機塩基が好ましく、トリエタノールアミンがより好ましい。
上記保存剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
上記増粘剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等のビニル系増粘剤、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等のセルロース系増粘剤、グアーガム、ペクチン、プルラン、ゼラチン、ローカストビーンガム、カラギーナン、寒天、キサンタンガム、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリエチレングリコール、ベントナイト、アルギン酸、アルギン酸プロピレングリコール、マクロゴール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー等が挙げられる。これらのうち、ビニル系増粘剤、セルロース系増粘剤が好ましく、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロースがより好ましい。
上記刺激低減剤としては、例えば、甘草エキス、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
[(A)水溶性ビタミンの安定性改善作用]
後述の試験例の結果に示される通り、(A)成分及び(B)成分を併用することにより、(A)成分の製剤安定性を改善できる。従って、本発明は更に別の観点から、(A)水溶性ビタミンに、(B)イブプロフェンピコノール及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を添加することを特徴とする、該(A)成分の安定性改善方法、をも提供する。本方法において使用され得る(A)成分及び(B)成分の種類や量、その他に併用され得る成分等については、上記[医薬組成物]について記載されたものと同様である。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[試験例1:熱安定性試験]
下記の表1〜5に記載の処方に従い、常法にて、実施例及び比較例の組成物を調製した。具体的には、先ず、油溶性成分と水溶性成分をそれぞれ別々に70〜80℃で混合溶解し、油相及び水相を調製した。次いで、用意した水相をディスパー(ロボミックス、プライミクス(株)製)で十分に攪拌しながら、そこに予め調製した油相を徐々に添加し、均一になるように十分に混合させながら、室温まで冷却した。トリエタノールアミンを適量添加することによりpHの調整を行い、各実施例及び比較例の組成物を得た。なお、下記表1〜5(及び後述の試験例2における表6及び7、並びに参考試験例1における表8)において、「残量」とは組成物全体の量を100重量%とする量である。
その後、各実施例及び比較例の組成物をそれぞれ、ガラス製の容量10mLのねじ口ビンに5g充填し、それらを遮光下にて所定温度(50℃又は60℃)にて保存した。表1〜5の各表に示した試験期間の終了後、各組成物を半日25℃にて室温まで冷ましてから、水溶性ビタミン(塩酸ピリドキシン、パンテノール及びニコチン酸アミド)の含量を下記定量条件下でHPLCにて定量した。下記表1〜5には、上記保存前の各水溶性ビタミンの初期含量を100%としたときの、各水溶性ビタミンの残存率(%)を示した。
<水溶性ビタミンの定量条件>
・検出器:紫外吸光光度計(測定波長:220nm)
・カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんしたカラム(Inertsil ODS2、GLサイエンス社製)を使用した。
・カラム温度:40℃付近の一定温度
・移動相:0.01M 1−ヘプタンスルホン酸Na溶液(pH3)/アセトニトリル=9/1
Figure 0006163030
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<評価>
上記表1〜5の最下欄に示された結果(水溶性ビタミン残存率)から明らかなように、塩酸ピリドキシン、パンテノール及びニコチン酸アミドに代表されるビタミンB群に属するビタミンなどの水溶性ビタミンと共にイブプロフェンピコノール及び/又はその塩を配合することにより、水溶性ビタミンの熱安定性が高度に改善し、安定な医薬組成物を提供することができる。
[試験例2:光安定性試験]
下記表6、7に記載の処方に従い、常法にて、各実施例及び比較例の組成物を調製した。具体的には、上記試験例1の組成物の調製方法と同様の方法にて調製した。
その後、各実施例及び比較例の組成物をそれぞれ、透明ガラス製の容量10mLのねじ口ビンに5g充填し、それらを光照射機に保管し、D65蛍光ランプを光源として積算照射量が30万luxとなる条件下で各組成物に光照射を行った。光照射の終了後、各組成物を半日25℃にて室温まで冷ましてから、水溶性ビタミン(塩酸ピリドキシン及びパンテノール)の含量を下記定量条件下でHPLCにて定量した。下記表6及び7には、上記保管前の各水溶性ビタミンの初期含量を100%としたときの、各水溶性ビタミンの残存率(%)を示した。
<水溶性ビタミンの定量条件>
・検出器:紫外吸光光度計(測定波長:220nm)
・カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんしたカラム(Inertsil ODS2、GLサイエンス社製)を使用した。
・カラム温度:40℃付近の一定温度
・移動相:0.01M 1−ヘプタンスルホン酸Na溶液(pH3)/アセトニトリル=9/1
Figure 0006163030
Figure 0006163030
<評価>
上記表6、7の最下欄に示された結果(水溶性ビタミン残存率)から明らかなように、水溶性ビタミンと共にイブプロフェンピコノール及び/又はその塩を配合することにより、熱安定性のみならず、光安定性も高度に改善されることが明らかとなった。
[参考試験例1:油溶性ビタミンに対する熱安定性評価]
イブプロフェンピコノールによるビタミン安定化効果が、水溶性ビタミンに特異的なものであるかを確認するために、油溶性ビタミンに対する安定化効果についても、試験例1と同様の手順により評価を行った。
具体的には、油溶性ビタミンの代表として、ビタミンE群に属する油溶性ビタミンの一種である酢酸トコフェロールを用いて、以下の試験を行った。先ず、下記表8に記載の処方に従い、常法にて、参考例1及び2の組成物を調製した。
次いで、参考例の組成物をそれぞれ、ガラス製の容量10mLのねじ口ビンに5g充填し、それらを60℃遮光下にて1週間保存した。1週間後、各組成物を半日25℃にて室温まで冷ましてから、下記定量条件下でHPLCにて酢酸トコフェロールについて定量を行った。下記表8には、上記保存前の酢酸トコフェロールの初期含量を100%としたときの、酢酸トコフェロールの残存率(%)を示した。
<油溶性ビタミンの定量条件>
・検出器:紫外吸光光度計(測定波長:270nm)
・カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんしたカラム(Inertsil ODS2、GLサイエンス社製)を使用した。
・カラム温度:40℃付近の一定温度
・移動相:メタノール
Figure 0006163030
<評価>
上記表8の最下欄に示された結果から明らかなように、油溶性のビタミンE類である酢酸トコフェロールは本試験において非常に安定であり、よってイブプロフェンピコノールによる安定性改善効果も認められなかった。従って、イブプロフェンピコノール及び/又はその塩によるビタミン安定化効果は、水溶性ビタミンに特異的な効果であることが明らかとなった。
以下に、本発明の医薬組成物の製剤処方例を示す。
Figure 0006163030
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Claims (8)

  1. (A)水溶性ビタミン、並びに
    (B)イブプロフェンピコノール及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、医薬組成物であって、
    (A)水溶性ビタミンが、ピリドキシン、パンテノール、ニコチン酸アミド、ニコチン酸、ピリドキサール、ピリドキサミン、パントテン酸、チアミン、リボフラビン、ビオチン、葉酸、シアノコバラミン、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種である、医薬組成物
  2. (B)成分の含有量が、医薬組成物100重量%中、0.1〜10.0重量%である、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. (A)水溶性ビタミンの含有量が、医薬組成物100重量%中、0.001〜10.0重量%である、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
  4. (A)水溶性ビタミン1重量部に対して、(B)成分を0.05〜1000重量部の割合で含有する、請求項1〜のいずれかに記載の医薬組成物。
  5. さらに、多価アルコール、基剤又は担体、界面活性剤、pH調整剤からなる群より選択される少なくとも1以上を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の医薬組成物。
  6. 水中油型組成物である、請求項1〜のいずれかに記載の医薬組成物。
  7. ニキビの治療及び/又は予防のために使用される、請求項1〜のいずれかに記載の医薬組成物。
  8. 外用組成物である、請求項1〜のいずれかに記載の医薬組成物。
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