JP6329757B2 - 外用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ピロロキノリンキノンを含み、化粧品、医薬部外品、又は医薬品として使用される外用組成物に関する。
ピロロキノリンキノン(以下、「PQQ」と略称することがある)は、植物、動物、及び微生物など広く生物界に存在し、エネルギー獲得に必須である酸化還元の補酵素として機能している。
PQQには、多くの生理活性があることが知られており、医薬品、医薬部外品、化粧品、又はサプリメントの有効成分としての使用が期待されている。このような生理活性として、活性酸素及びラジカルの消去作用、細胞増殖促進作用、紫外線吸収作用、神経成長因子産生促進作用、脳機能改善作用、育毛作用、顔色改善作用、メラニン産生抑制又は美白作用、ミトコンドリア賦活作用、及び抗疲労作用などが知られている。
一方で、PQQは非常に高い反応性を示すため、製剤を調製する際の配合成分の種類によっては、PQQ分解が促進されるなど非常に不安定であることが知られている。例えば、PQQは、アミノ酸、ペプチド、及びタンパク質などのアミノ基含有物質と容易に反応し、その構造内にイミダゾール骨格を形成してイミダゾロピロロキノリン(imidazolopyrroloquinoline)化合物になることが報告されている(非特許文献1、2)。
また、PQQは、光安定性が悪く、特に、紫外線照射によって分解が促進される。 PQQの分解により、製剤中のPQQ含量が低下すると、PQQの所期の効果が得られない。また、PQQの分解により、製剤が桃色から黄色に変色したり、製剤の性状が変化して使用感に悪影響を及ぼす場合がある。例えば、クリームや乳液では、製剤の変色、液だれ、成分の分離などが発生し、視覚的に、また使用感の点で、商品の価値を損ねる。
一般に、製剤中の特定の成分の安定性を向上させる試みとして、その特定成分やその成分を不安定にする成分に皮膜を形成させて両成分間の接触による分解反応を抑制する方法、誘導体にする方法、遮光容器に収容する方法、その特定成分を含む組成物とその成分を不安定にする成分を含む組成物とを別々の容器に収容しておき、使用前に両組成物を混合して使用する方法などが試みられている。
しかし、従来試みられている方法は、製剤化の自由度が著しく制限されたり、容器のコストが高くなったりするなど、商品化に難点がある。
Characterization of imidazopyrroloquinoline compounds synthesized from coenzyme PQQ and various amino acids.,BioFactors vol.5 No.2, P75-81, 1995/1996 Adduct formation of pyrroloquinol
本発明者は、PQQ又は生理学的若しくは薬学的に許容されるその塩(以下、「その塩」と略称することがある)を含む組成物に、ビタミン類、アミノ酸類、及び低分子コラーゲンからなる群より選ばれる成分を添加すると、PQQ又はその塩の含量が低下したり、組成物が変色する等、PQQ又はその塩の安定性が非常に悪くなるとの知見を得た。
従って、本発明は、PQQ又はその塩と、ビタミン類、アミノ酸類、及び低分子コラーゲンからなる群より選ばれる成分とを含む外用組成物であって、PQQ又はその塩の安定性に優れる組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために研究を重ね、PQQ又はその塩と、ビタミン類、アミノ酸類、及び低分子コラーゲンからなる群より選ばれる成分とを含む組成物に、ムコ多糖類を添加することにより、PQQ又はその塩の含量低下が抑制され、又は/さらに組成物の変色が抑制される等、PQQ又はその塩の安定性が向上することを見出した。
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、以下の外用組成物を提供する。
項1. (a)ピロロキノリンキノン、又は薬学的若しくは生理的に許容されるその塩、(b)ビタミン類、アミノ酸類、及び低分子コラーゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種、並びに(c)ムコ多糖類を含む外用組成物。
項2. (c)ムコ多糖類が、ヒアルロン酸、低分子ヒアルロン酸、アセチル化ヒアルロン酸、若しくはコンドロイチン硫酸、又はそれらの塩である項1に記載の外用組成物。
項3. (b)のビタミン類が、アスコルビン酸、ニコチンアミド、それらの誘導体、又はそれらの塩である項1又は2に記載の外用組成物。
項4. (a)ピロロキノリンキノン、又は薬学的若しくは生理的に許容されるその塩の1重量部に対して、(c)ムコ多糖類を0.1〜1000重量部含む項1〜3の何れかに記載の外用組成物。
項5. (b)ビタミン類、アミノ酸類、及び低分子コラーゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種の1重量部に対して、(c)ムコ多糖類を0.0001〜1000重量部含む項1〜4の何れかに記載の外用組成物。
項6. (c)ムコ多糖類を、組成物の全量に対して、0.001〜10重量%含む項1〜5の何れかに記載の外用組成物。
項7. (b)ビタミン類、アミノ酸類、及び低分子コラーゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種を、組成物の全量に対して、0.0001〜20重量%含む項1〜6の何れかに記載の外用組成物。
項8. (a)ピロロキノリンキノン、又は薬学的若しくは生理的に許容されるその塩を、組成物の全量に対して、0.00001〜1重量%含む項1〜7の何れかに記載の外用組成物。
PQQ又はその塩を含む化粧品などの外用組成物には、ビタミン類、アミノ酸、低分子コラーゲンを配合することが望まれる場合があるが、これらの混合によりPQQ又はその塩の分解、及び/又はPQQ又はその塩を混合した組成物の色調変化が促進される。例えば、0.01重量%PQQ水溶液は桃〜濃桃(ピンク〜強いピンク)を呈しているが、ビタミン類、アミノ酸、及び/又は低分子コラーゲンを配合すると変色する。
本発明の外用組成物は、ビタミン類、アミノ酸、及び低分子コラーゲンからなる群より選ばれる化合物に加えて、さらに、ムコ多糖類を含むため、PQQ又はその塩が安定に保たれる。また、PQQ又はその塩は光照射により一層変色や分解が促進されるが、本発明の外用組成物は、光照射した場合にも、PQQ又はその塩が安定に保たれる。
ムコ多糖類は、保湿作用や皮膚弾力の向上作用などが期待されるため、外用組成物の成分として汎用されている成分である。本発明によれば、汎用の成分を加えるだけで、簡単にPQQ又はその塩の安定性を向上させることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の外用組成物は、(a)PQQ又はその塩、(b)ビタミン類、アミノ酸類、及び低分子コラーゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種、並びに(c)ムコ多糖類を含む組成物である。
(a)PQQ又はその塩
PQQは動物、植物、及び細菌など多様な生物体内に存在するので、種々の生物から抽出できる。また、PQQは、市販品を購入できる。
PQQの生理学的又は薬学的に許容されるその塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、及びリチウム塩のようなアルカリ金属塩;カルシウム塩、及びマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩などが挙げられる。塩の中では、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩が好ましい。
組成物中のPQQ又はその塩の含有量は、組成物の全量に対して、0.00001重量%以上が好ましく、0.0001重量%以上がより好ましく、0.001重量%以上がさらにより好ましい。また、1重量%以下が好ましく、0.3重量%以下がより好ましく、0.1重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、化粧品、医薬部外品、医薬外用剤の通常使用量で、PQQ又はその塩の生理活性が十分に得られる。また、上記範囲であれば、製剤中での溶解性が良好で、また外用組成物としての外観という点において優れたものとなる。
(b)ビタミン類、アミノ酸類、低分子コラーゲン
ビタミン類の種類は、薬学的又は生理学的に許容され得る限り、特に制限されない。具体的には、ビタミンA類;ビタミンB類;ビタミンC類;エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)、コレカルシフェロール(ビタミンD3)などのビタミンD類、7−デヒドロコレステロール、エルゴステロールなどのプロビタミンD類;ビタミンE類;フィロキノン(ビタミンK1)、メナキノン(ビタミンK2)、メナジオン(ビタミンK3)などのビタミンK類;ユビキノン、グルクロラクトン、グルクロン酸アミド、オロチン酸、L-カルニチン、フェルラ酸、α−リポ酸、オロット酸等のビタミン類似物質(ビタミン様作用因子)などが挙げられる。
ビタミンA類としては、レチノール、レチナール、レチノイン酸、3−デヒドロレチノール、3−デヒドロレチナール、3−デヒドロレチノイン酸、水添レチノール等が挙げられ、さらにその誘導体として、パルミチン酸レチノール、プロピオン酸レチノール、リノール酸レチノール、酢酸レチノールなどが挙げられる。また、α−カロテン、β−カロテン、γ−カロテン、クリプトキサンチンなどのプロビタミンA類もビタミンA類に含まれる。
ビタミンB類としては、チアミン(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン(以上、ビタミンB6)、コバラミン(ビタミンB12)、ニコチン酸、ニコチンアミド、パントテン酸、ビオチン、及び葉酸などを挙げることができる。
ビタミンC類としては、アスコルビン酸(特に、L-アスコルビン酸)、その誘導体、又はそれらの塩が挙げられる。アスコルビン酸の誘導体は、化粧品、医薬品、又は医薬部外品の成分として用いられ得るものであれば特に限定されない。例えば、アスコルビン酸エチルのようなアスコルビン酸アルキルエステル;アスコルビン酸モノステアレート、アスコルビン酸モノパルミテート、アスコルビン酸モノオレート、テトラへキシルデカン酸アスコルビルなどのアスコルビン酸モノアルキルエステル類;アスコルビン酸ジステアレート、アスコルビン酸ジパルミテート、アスコルビン酸ジオレートなどのアスコルビン酸ジアルキルエステル類;アスコルビン酸トリステアレート、アスコルビン酸トリパルミテート、アスコルビン酸トリオレートなどのアスコルビン酸トリアルキルエステル類;アスコルビン酸モノリン酸エステル、アスコルビン酸ジリン酸エステル、アスコルビン酸トリリン酸エステルのようなアスコルビン酸リン酸エステル;アスコルビン酸−2−硫酸エステルなどのアスコルビン酸硫酸エステル等が挙げられる。
アスコルビン酸、又はその誘導体の塩としては、ナトリウム、及びカリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム、及びバリウム等のアルカリ土類金属塩、並びに鉄、アルミニウム等の多価金属塩などの金属塩;リン酸塩;アンモニウム、及びトリシクロヘキシルアンモニウム等のアンモニウム塩;並びにモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、及びトリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン塩を挙げることができる。
ビタミンE類としては、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノール、トコフェロール誘導体(酢酸トコフェロール、リン酸トコフェロール、リノール酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、(リノール酸/オレイン酸)トコフェロール、トコフェロール、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウムなど)などが挙げられる。
ビタミン類の中では、ビタミンC類が好ましく、中でも、アスコルビン酸、その誘導体、及びそれらの塩がより好ましい。アスコルビン酸、その誘導体、及びそれらの塩の中では、PQQ又はその塩の生理活性を効果的に発揮させ、かつムコ多糖類の配合によりPQQ又はその塩の安定性を一層効果的に向上させることができる点で、アスコルビン酸、エチルアスコルビン酸(3-O-エチルアスコルビン酸など)、テトラへキシルデカン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸リン酸マグネシウム塩、アスコルビン酸リン酸ナトリウム塩が好ましく、アスコルビン酸、エチルアスコルビン酸(3-O-エチルアスコルビン酸など)、アスコルビン酸リン酸マグネシウム塩、アスコルビン酸リン酸ナトリウム塩がより好ましい。
また、ビタミン類の中では、ビタミンB類も好ましく、中でも、ニコチンアミドがより好ましい。
ビタミン類は、動植物、藻類、微生物などの天然物由来のもの、および化学反応または酵素反応を利用して得た合成物のいずれも用いることができる。さらに、これらを含有する天然物の抽出物をそのまま用いてもよい。
ビタミン類は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
アミノ酸は、分子内にカルボキシル基とアミノ基とを含有する化合物の総称である。アミノ酸の種類は、薬学的又は生理学的に許容され得る限り、特に制限されない。具体的には、イプシロンアミノカプロン酸、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン、システイン、シスチン、γアミノ酪酸、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、クレアチン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、ヒスチジン、オルニチン等が例示される。
アミノ酸類(アミノ酸、その誘導体、及びそれらの塩)は、溶媒和物(例えば、水和物)の形態であってもよく、更にd体、l体、dl体の何れであってもよい。好ましくは、1体である。
アミノ酸類は1種を単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組合わせて使用してもよい。
低分子コラーゲンは、コラーゲン(通常、天然コラーゲン)を酵素(例えば、ペプシン、トリプシンなどのタンパク質加水分解酵素)、及び/又は酸若しくはアルカリで分解し低分子化したものをいう。低分子コラーゲンの出発原料となるコラーゲンの種類は、特に限定されず、I型〜XIII型のコラーゲンの何れも使用できる。原料コラーゲンの由来も特に限定されず、例えば、タラ、サケ、ヒラメ、サケ、イワシ、マグロ、サメのような魚類の皮、骨、腱、浮き袋、鱗、肉などの組織;ウシ、ブタ、鳥のような動物の腱、骨などの組織から得られるものを使用できる。
低分子コラーゲンの調製方法を例示すれば、魚や動物の組織を粉砕し、熱水などによりコラーゲンを抽出した後、酸又はアルカリや、ペプシン、トリプシンのようなタンパク質加水分解酵素で処理し、さらに必要に応じて、塩析や透析等の公知の精製手段を施すことにより調製できる。また、市販のコラーゲン(例えば、新田ゼラチン社製「マリンジェンSP−03(PF)」)を、コラーゲンペプチドの出発原料とすることもできる。
低分子コラーゲンは市販品を用いることもできる。市販品として、成和化成製の「プロモイスW−32」、「プロモイスW−32LS」、「プロモイスW−32NO」、「プロモイスW−32R」(以上、重量平均分子量400)、成和化成製の「プロモイスW−52」、「プロモイスW−52P」、「プロモイスW−52Q」(以上、重量平均分子量2000)、一丸ファルコス社製の「ファルコニックスCTP−F(BG)」(重量平均分子量5000)、株式会社ニッピの「ニッピコラーゲン−AFD」、「ニッピコラーゲン−FCP」、「ニッピコラーゲン−FCP-G」(重量平均分子量3000〜5000)等が挙げられる。低分子コラーゲンの重量平均分子量は、約200〜20000が好ましく、約1000〜10000がより好ましく、約2000〜5000がさらに好ましい。
外用組成物中のビタミン類、アミノ酸類、及び低分子コラーゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種((b)成分)の含有量は、組成物の全量に対して、0.0001重量%以上が好ましく、0.001重量%以上がより好ましく、0.01重量%以上がさらにより好ましい。この範囲であれば、通常、(b)成分の生理活性が十分に得られる。また、外用組成物中の(b)成分の含有量は、組成物の全量に対して、20重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましく、1重量%以下がさらにより好ましい。
また、PQQ又はその塩の含有量に対する(b)成分の含有量の比率は、PQQ又はその塩1重量部に対して、0.01重量部以上が好ましく、0.1重量部以上がより好ましく、1重量部以上がさらにより好ましい。この範囲であれば、通常、(b)成分の生理活性が十分に得られる。また、PQQ又はその塩の含有量に対する(b)成分の含有量の比率は、PQQ又はその塩1重量部に対して、2000重量部以下が好ましく、1000重量部以下がより好ましく、100重量部以下がさらにより好ましい。
(c)ムコ多糖類
ムコ多糖類は、鶏冠、臍の緒、眼球、皮膚、軟骨などの動物組織、ストレプトコッカス属微生物などのムコ多糖類生産微生物、動物細胞又は植物細胞の培養物から常法により抽出したもの等が知られている。本発明では、ムコ多糖類の由来は限定されず、医薬品、医薬部外品、又は化粧品の分野で使用され得るものであれば使用できる。また、天然物からの抽出物から調製した塩や誘導体も用いることができる。ムコ多糖類は、市販品を購入することもできる。
ムコ多糖類の具体例としては、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸誘導体などのヒアルロン酸類;コンドロイチン、コンドロイチン-4-硫酸、コンドロイチン-6-硫酸などのコンドイチン硫酸類;デルマタン硫酸;ヘパラン硫酸;ヘパリン;キチン;キトサン;ケラタン硫酸等、及びこれらの塩が挙げられる。
ヒアルロン酸、ヒアルロン酸誘導体、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸等のムコ多糖類の塩は、薬学的、又は生理学的に許容される塩であればよく、例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;モノエタノールアミン等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。中でも、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
ヒアルロン酸誘導体としては、ヒアルロン酸のカルボキシル基の水素原子が、アルキル基、アルケニル基、アリール基などで置換されたエステル誘導体;ヒアルロン酸の水酸基の水素原子がアルカノイル基、アリールカルボニル基等のアシル基で置換されたエステル誘導体や、アルキル基、アルケニル基、アリール基などで置換されたエーテル誘導体;ヒアルロン酸のアミノ基の水素原子がアルカノイル基、アリールカルボニル基等のアシル基で置換されたアミド誘導体や、アルキル基、アルケニル基、アリール基などで置換されたアミン誘導体等が挙げられる。
アルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、炭素数2〜12のアルケニル基が挙げられ、好ましくは炭素数2〜6のアルケニル基である。具体例としては、ビニル基、アリル基等が挙げられる。
アルキル基及びアルケニル基は置換されていても良く、その置換基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、イソブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、アミノ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
アリール基としては、炭素数6〜12のアリール基が挙げられる。具体例としては、フェニル基、ナフチル基(1−ナフチル基、2−ナフチル基)等が挙げられる。また、アリール基は置換されていても良く、その置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、炭素数1〜6のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、イソブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、アミノ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
アルカノイル基としては炭素数1〜12のアルカノイル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜7のアルカノイル基である。具体例としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が挙げられる。また、アルカノイル基は置換されていても良く、その置換基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、イソブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、アミノ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
アリールカルボニル基としては炭素数7〜15のアリールカルボニル基が挙げられ、好ましくは炭素数7〜12のアリールカルボニル基である。具体例としては、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基(1−ナフチルカルボニル基、2−ナフチルカルボニル基)等が挙げられる。また、アリールカルボニル基は置換されていても良く、その置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、炭素数1〜6のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、イソブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、アミノ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
ヒアルロン酸誘導体は、2糖からなる構成単位当たりの置換数が1〜6のものが好ましく、2〜4のものがより好ましい。中でも、ヒアルロン酸の2位、3位、4位、及び/又は5位の水素原子がアシル基、特にアセチル基で置換され、さらに7位の水素原子がアルカリ金属原子に置換されたヒドロキシアルキル化誘導体が好ましい。特に、2糖からなる構成単位当たりのアシル基の置換数が2〜4のものが特に好ましい。
ムコ多糖類の誘導体としては、天然品の分解物も挙げられる。
例えば、ヒアルロン酸誘導体としては、天然のヒアルロン酸(高分子ヒアルロン酸)を、例えば、塩酸のような酸の存在下で加水分解したり、ヒアルロニダーゼなどの酵素を用いて処理したり、又は超音波や剪断によって物理的に切断することにより、調製した分解ないしは低分子ヒアルロン酸も挙げられる。分解ないしは低分子ヒアルロン酸は、ヒアロオリゴ(キユーピー(株))などの市販品を購入することもできる。
本発明に用いられるムコ多糖類の好ましい例としては、ヒアルロン酸;ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸カリウム、ヒアルロン酸マグネシウム、ヒアルロン酸カルシウムのようなヒアルロン酸塩;アセチル化ヒアルロン酸;アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム、アセチル化ヒアルロン酸カリウム、アセチル化ヒアルロン酸マグネシウム、アセチル化ヒアルロン酸カルシウムのようなアセチル化ヒアルロン酸塩;低分子ヒアルロン酸;低分子ヒアルロン酸ナトリウム、低分子ヒアルロン酸カリウム、低分子ヒアルロン酸マグネシウム、低分子ヒアルロン酸カルシウムのような低分子ヒアルロン酸;低分子アセチル化ヒアルロン酸、低分子アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム、低分子アセチル化ヒアルロン酸カリウム、低分子アセチル化ヒアルロン酸マグネシウム、低分子アセチル化ヒアルロン酸カルシウムのような低分子アセチル化ヒアルロン酸;コンドロイチン硫酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム等が挙げられる。
中でも、保水性が良好である点で、ヒアルロン酸、アセチル化ヒアルロン酸、低分子ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、及びこれらの塩(ヒアルロン酸の塩としては、ヒアルロン酸ナトリウム等)がより好ましい。
ムコ多糖類の重量平均分子量は特に制限されないが、例えば約500〜800万であればよく、好ましくは約1000〜250万、より好ましくは約2000〜180万、さらにより好ましくは約3000〜120万であればよい。
但し、例えば、分解ないしは低分子ヒアルロン酸のような分解ないしは低分子ムコ多糖類の場合、重量平均分子量は、例えば100万以下、好ましくは10万以下、より好ましくは2万以下、さらにより好ましくは1万以下であればよい。分解ないしは低分子ヒアルロン酸のような分解ないしは低分子ムコ多糖類の重量平均分子量の下限値は、通常、10000程度とすればよい。
ムコ多糖類は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
外用組成物中のムコ多糖類の含有量は、組成物の全量に対して、0.001重量%以上が好ましく、0.01重量%以上がより好ましく、0.1重量%以上がさらにより好ましい。この範囲であれば、PQQ又はその塩の安定性が良好になる。また、外用組成物中のムコ多糖類の含有量は、組成物の全量に対して、10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、1重量%以下がさらにより好ましい。この範囲であれば、べたつかず、使用感のよい組成物(製剤)を調製できる。
また、PQQ又はその塩の含有量に対するムコ多糖類の含有量の比率は、PQQ又はその塩1重量部に対して、0.1重量部以上が好ましく、1重量部以上がより好ましく、10重量部以上がさらにより好ましい。この範囲であれば、PQQ又はその塩の安定性が良好になる。また、PQQ又はその塩の含有量に対するムコ多糖類の含有量の比率は、PQQ又はその塩1重量部に対して、約1000重量部以下が好ましく、500重量部以下がより好ましく、100重量部以下がさらにより好ましい。この範囲であれば、べたつかず、使用感のよい組成物(製剤)を調製できる。
また、ビタミン類、アミノ酸類、及び低分子コラーゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種((b)成分)の含有量に対するムコ多糖類の含有量の比率は、(b)成分1重量部に対して、0.0001重量部以上が好ましく、0.001重量部以上がより好ましく、0.01重量部以上がさらにより好ましく、0.1重量部以上がさらにより好ましい。この範囲であれば、PQQ又はその塩の安定性が良好になる。また、(b)成分の含有量に対するムコ多糖類の含有量の比率は、ムコ多糖類1重量部に対して、1000重量部以下が好ましく、500重量部以下がより好ましく、100重量部以下がさらにより好まく、10重量部以下が最も好ましい。この範囲であれば、べたつかず、使用感のよい組成物(製剤)を調製できる。
pH
本発明の組成物のpHは、2.5以上が好ましく、3以上がより好ましく、4以上がさらにより好ましい。また、9以下が好ましく、8.5以下がより好ましく、8以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、PQQ又はその塩が安定に保たれる。
製剤形態
本発明の外用組成物は、(a)PQQ又はその塩、(b)ビタミン類、アミノ酸類、及び低分子コラーゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種、並びに(c)ムコ多糖類を、医薬品、医薬部外品、又は化粧品等の外用組成物に通常使用される、薬学的又は生理学的に許容される基剤又は担体、及び必要に応じて医薬品、医薬部外品、又は化粧品等の外用組成物に通常使用される添加剤と共に混合して、医薬品、医薬部外品、又は化粧品用の外用組成物とすることができる。
医薬品用の外用組成物の形態は特に限定されず、例えば、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、及びエアゾール剤などが挙げられる。これらの製剤は、第16改正日本薬局方製剤総則に記載の方法等に従い製造することができる。
医薬部外品又は化粧品用の外用組成物とする場合も、上記の医薬品と同様の形態にすることができる。また、それ以外にも、スティック剤、及び不織布に薬液を含浸させたシート剤等が挙げられる。
医薬部外品又は化粧品用の外用組成物とする場合の用途としては具体的には、例えば、化粧水、乳液、ジェル、クリーム、美容液、日焼け止め用化粧料、パック、マスク、ハンドクリーム、ボディローション、及びボディークリームのような基礎化粧料;ファウンデーション、口紅、チークカラー、及びアイカラーのようなメークアップ化粧料;並びに洗顔料、メイク落とし、ボディーシャンプー、シャンプー、リンス、及びトリートメントのような洗浄用化粧料などが挙げられる。また、これら基礎化粧料、メイクアップ化粧料、及び洗浄用化粧料などの製剤機能を少なくとも2つ以上を1つの製剤にまとめた多機能型製
剤も挙げられる。
基剤又は担体
医薬品、医薬部外品、又は化粧品等の外用組成物に通常使用される、薬学的又は生理学的に許容される基剤又は担体としては、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ゲル化炭化水素(プラスチベースなど)、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、及び軽質流動パラフィンのような炭化水素;メチルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、架橋型アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコン、フェニル変性シリコーン、及びシリコーンレジンのようなシリコーン油;セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、及びベヘニルアルコールのような高級アルコール;コレステロール、フィトステロール、及びヒドロキシステアリン酸フィトステリルのようなステロール類;ホホバ油、メドフォーム油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、椿油、スクワラン、シアバター、及びコメ胚芽油のような植物油;ラノリン、オレンジラフィー油、スクワラン、及び馬油のような動物油;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カチオン化グアガム、及びアセチル化ヒアルロン酸のような天然高分子誘導体;ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、及びアクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体のような合成高分子;カラギーナン、アルギン酸、セルロース、グアーガム、クインスシード、デキストラン、ジェランガム、及びヒアルロン酸のような天然高分子;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、ホホバ油、及びトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルのようなエステル類;デキストリン、及びマルトデキストリンのような多糖類;エタノール、及びイソプロパノールのような低級アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピル
エーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノプロピルエーテルのようなグリコールエーテル;ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、イソプレングリコール、ジグリセリン、及びジプロピレングリコールなどの多価アルコール;コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、及びクエン酸などの有機酸;並びに水などの水系基剤などが挙げられる。
中でも、多価アルコール、高級アルコール、炭化水素、エステル類、シリコーン油、及び有機酸が好ましく、多価アルコールがより好ましい。多価アルコールの中では、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、及びジプロピレングリコールが好ましく、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、及びジグリセリンがさらに好ましい。本発明の組成物の好ましい例として、基剤として低級アルコール及び/又は多価アルコールを含む液剤、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、乳剤、及び軟膏が挙げられる。
基剤又は担体は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
添加剤
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、医薬品、医薬部外品、又は化粧品等の外用組成物に添加される添加剤、例えば、酸化防止剤、界面活性剤、増粘剤、保存剤、pH調整剤、安定化剤、刺激軽減剤、防腐剤、着色剤、香料、及び/又はパール光沢付与剤等を添加することができる。
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸、及びL−システイン塩酸塩などが挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、及びテトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタンのようなソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸プロピレングリコールのようなプロピレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(HCO−40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO−50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO−60)、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80などの硬化ヒマシ油誘導体;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、及びイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタンのようなポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル;グリセリンアルキルエーテル;アルキルグルコシド;ポリオキシエチレンセチルエーテルのようなポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ステアリルアミン、及びオレイルアミンのようなアミン類;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、及びPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンのようなシリコーン系界面活性剤;リン脂質、サーファクチン、及びサポニンなどの天然界面活性剤;ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、及びステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミドなどの脂肪酸アミドアミン;トリラウリルアミン、ジメチルステアリルアミン、及びジ-2-エチルヘキシルアミンなどのアルキルアミン;並びにステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、及びラウリルヒドロキシスルホベタインなどのベタイン系両性界面活性剤などが挙げられる。
増粘剤としては、例えば、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリエチレングリコール、ベントナイト、アルギン酸、マクロゴール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、並びにセルロース系増粘剤(メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及びカルボキシエチルセルロースなど)などが挙げられる。
防腐剤、保存剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、ソルビン酸及びその塩、グルコン酸クロルヘキシジン、アルカンジオール、並びにグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、無機酸(塩酸、及び硫酸など)、有機酸(乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、及びコハク酸ナトリウムなど)、無機塩基(水酸化カリウム、及び水酸化ナトリウムなど)、並びに有機塩基(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、及びトリイソプロパノールアミンなど)などが挙げられる。
安定化剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、及びビチルヒドロキシアニソールなどが挙げられる。
刺激低減剤としては、甘草エキス、及びアルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。
添加剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
その他の有効成分
本発明の外用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の有効成分((a)PQQ又はその塩、(b)ビタミン類、アミノ酸類、及び低分子コラーゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種、並びに(c)ムコ多糖類以外の薬理活性成分又は生理活性成分)を含むことができる。
その他の有効成分の具体例としては、例えば、保湿成分、抗炎症成分、抗菌又は殺菌成分、ビタミン類、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、細胞賦活化成分、老化防止成分、血行促進成分、角質軟化成分、及び収斂成分などが挙げられる。
保湿成分としては、例えば、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、及びジグリセリンのような多価アルコール;グルコース、マルトース、及びトレハロースのような糖類;ヘパリン類似物質、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、キチン、及びキトサンのような高分子化合物;グリシン、及びアスパラギン酸のようなアミノ酸;乳酸ナトリウム、尿素、及びピロリドンカルボン酸ナトリウムのような天然保湿因子;セラミド、コレステロール、及びリン脂
質のような脂質;並びにカミツレエキス、ハマメリスエキス、チャエキス、及びシソエキスのような植物抽出エキスなどが挙げられる。
抗炎症成分としては、例えば、植物(例えば、コンフリー)に由来する成分、アラントイン、グリチルリチン酸又はその誘導体、酸化亜鉛、塩酸ピリドキシン、酢酸トコフェロール、サリチル酸又はその誘導体、及びε-アミノカプロン酸などが挙げられる。
抗菌又は殺菌成分としては、例えば、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、イオウ、レゾルシン、エタノール、塩化ベンゼトニウム、アダパレン、過酸化ベンゾイル、クリンダマイシン、クレゾール、グルコン酸及びその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2-ペンタンジオール、アルカンジオール、グリセリン脂肪酸エステル、塩酸アルキルジアミノグリシン、グルコン酸クロルヘキシジン、パラフェノールスルホン酸亜鉛、及びアゼライン酸等が挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のレチノール誘導体、レチナール、レチノイン酸、レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノール、d−δ−トコフェリルレチノエート、α−トコフェリルレチノエート、及びβ−トコフェリルレチノエート等のビタミンA類;dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、及びコハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム等のビタミンE類;リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リ
ボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、及びリボフラビンテトラニコチン酸エステル等のビタミンB2類;ニコチン酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸メチル、ニコチン酸β−ブトキシエチル、及びニコチン酸1−(4−メチルフェニル)エチル等のニコチン酸類;アスコルビゲン−A、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、及びジパルミチン酸L−アスコルビルなどのビタミンC類;メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、及びコレカルシフェロールなどのビタミンD類;フィロキノン、及びファルノキノン等のビタミンK類;ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステル、及びチアミントリリン酸エステルモノリン酸塩等のビタミンB1類;塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、5’−リン酸ピリドキサール、及び塩酸ピリドキサミン等のビタミンB6類;シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、及びデオキシアデノシルコバラミン等のビタミンB12類;葉酸、及びプテロイルグルタミン酸等の葉酸類;ニコチン酸、及びニコチンアミドなどのニコチン酸類;パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D−パンテサイン、D−パンテチン、補酵素A、及びパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類;ビオチン、及びビオチシン等のビオチン類;アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、及びアスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム等のアスコルビン酸誘導体のようなビタミンC類;並びにカルニチン、フェルラ酸、α−リポ酸、オロット酸、γ−オリザノール等のビタミン様作用因子などが挙げられる。
ペプチド又はその誘導体としては、例えば、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、コラーゲン、魚由来コラーゲン、アテロコラーゲン、ゼラチン、エラスチン、エラスチン分解ペプチド、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、加水分解大豆蛋白、小麦蛋白、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチド、並びにアシル化ペプチド(パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルペンタペプチド、及びパルミトイルテトラペプチド等)などが挙げられる。
アミノ酸又はその誘導体としては、例えば、ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリン、ヒドロキシプロリン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、β−アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、ヒスチジン、タウリン、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、カルニチン、カルノシン、及びクレアチン等が挙げられる。
細胞賦活化成分としては、例えば、γ-アミノ酪酸、及びε-アミノプロン酸などのアミノ酸類;レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、及びパントテン酸類などのビタミン類;グリコール酸、及び乳酸などのα-ヒドロキシ酸類;タンニン、フラボノイド、サポニン、アラントイン、並びに感光素301号などが挙げられる。
老化防止成分としては、例えば、パンガミン酸、カイネチン、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N−メチル−L−セリン、及びメバロノラクトン等が挙げられる。
血行促進作用成分としては、例えば、植物(例えば、オタネニンジン、アシタバ、アルニカ、イチョウ、ウイキョウ、エンメイソウ、オランダカシ、カミツレ、ローマカミツレ、カロット、ゲンチアナ、ゴボウ、コメ、サンザシ、シイタケ、セイヨウサンザシ、セイヨウネズ、センキュウ、センブリ、タイム、チョウジ、チンピ、トウキ、トウニン、トウヒ、ニンジン、ニンニク、ブッチャーブルーム、ブドウ、ボタン、マロニエ、メリッサ、ユズ、ヨクイニン、ローズマリー、ローズヒップ、チンピ、トウキ、トウヒ、モモ、アンズ、クルミ、及びトウモロコシ)に由来する成分;並びにグルコシルヘスペリジンなどが挙げられる。
角質軟化成分としては、例えば、尿素、サリチル酸、グリコール酸、フルーツ酸、フィチン酸、及びイオウなどが挙げられる。
収斂成分としては、例えば、パラフェノールスルホン酸亜鉛、酸化亜鉛、メントール、及びエタノールなどが挙げられる。
その他の有効成分は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
使用方法
本発明の外用組成物(皮膚外用剤)は、使用対象の皮膚の状態、年齢、性別などによって異なるが、例えば以下の方法とすればよい。即ち、1日数回(例えば、約1〜5回、好ましくは1〜3回)、1回当たり適量(例えば、約0.05〜5g)を皮膚に適用(塗布、噴霧、貼付など)すればよい。また、PQQ又はその塩の1日使用量が、例えば、約0.0005〜0.05g、好ましくは約0.001〜0.02g、より好ましくは約0.002〜0.01gとなるように組成物を適用すればよい。
また、適用期間は、例えば、約2週間〜6ヶ月、好ましくは約1〜6ヶ月間とすればよい。
本発明の外用組成物は、PQQ又はその塩の生理活性を期待して、種々の皮膚疾患や皮膚トラブルを有する人に好適に使用できる。特に、シワ、タルミを有する人、肌のキメが乱れている人、敏感肌の人が好適な対象となる。また、皮膚トラブルの予防のため、正常な肌を有する人も好適な使用対象となる。
その他
本発明は、(a)PQQ若しくはその塩、並びに(b)ビタミン類、アミノ酸類、及び低分子コラーゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む組成物に、(c)ムコ多糖類を添加する、PQQ若しくはその塩の安定性の向上方法、PQQ若しくはその塩の含有量低下防止方法、又は組成物の変色防止方法を包含する。
各成分の種類、各成分の使用量、組成物のpH、組成物の性状などは、上記説明した本発明の外用組成物の場合と同じである。
以下、本発明を、実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)調製直後の色味変化の評価
後掲の表1に示す組成に従い、各試験液を調製後、ガラス製スクリューバイアル(容量10mL)に7mLずつ充填した。すなわち、実施例1〜2の組成物については、PQQ・2Naにヒアルロン酸ナトリウムを加えた後に、(b)成分である3-O-アスコルビン酸エチル、又は低分子コラーゲン(ニッピコラーゲン−FCP、ニッピ社、重量平均分子量:3000〜5000)を容器に加え、比較例1〜2の組成物については、PQQ・2Naに、(b)成分である3-O-アスコルビン酸エチル、又は低分子コラーゲン(ニッピコラーゲン−FCP、ニッピ社、重量平均分子量:3000〜5000)を容器中で加えた。参考例1の組成物については、PQQ・2Naにヒアルロン酸ナトリウムを加えた。
調製した試験液について、目視にて色味判定(色調評価)を行った結果を表1に示す。
(2)光安定性試験(光照射後の色調)(No.1)
上記(1)「調製直後の色味変化の評価」で作製した実施例、比較例、又は参考例の組成物に対して、D65ランプで5000lxを約60時間(合計30万lx・hr)の条件下で光照射を行った後に、目視でこれらの組成物の色味を判定(色調評価)した。結果を表1に示す。
Figure 0006329757
比較例1および比較例2は調製直後から製剤の色調変化がみられ、更に比較例2は光照射後に更に著明な色調変化が認められた。しかし、ヒアルロン酸ナトリウムを含む実施例1および実施例2は、調製直後および光照射後ともに製剤の色調に変化は認められなかった。
(3)光安定性試験(光照射後の色調)(No.2)
後掲の表2に示す組成に従い、各試験液を調製後、ガラス製スクリューバイアル(容量10mL)に7mLずつ充填した。すなわち、実施例3〜6の組成物については、PQQ・2Naにヒアルロン酸ナトリウムを加えた後に、(b)成分である3−O−アスコルビン酸エチルを容器に加え、比較例3〜5の組成物については、PQQ・2Naに、(b)成分である3−O−アスコルビン酸エチルを容器中で加えた。
これらの試験液に対して、D65ランプで5000lxで約120時間(合計60万lx・hr)の光照射を行った。光照射の後に目視でこれらの組成物の色味を判定した結果を表2に示す。
Figure 0006329757
表2に示す通り、PQQ・2Naのみの組成物は桃色である(比較例3)。実施例3〜6の組成物は何れも桃色の色調を維持するが、比較例3〜5の組成物は淡黄色または黄色に変色することが確認された。
以上より、ムコ多糖の添加により、PQQ又はその塩と、ビタミン類、アミノ酸類又は低分子コラーゲンを含む組成物の変色が防止されたことが分かる。
(4)調製直後のPQQ・2Na含有量変化の評価(No.1)
表3に示す試験液を定法に従い調製し、室温にて24時間遮光保管した後に、下記条件の液体クロマトグラフィーでPQQ・2Na残存量を測定し、式1を用いて残存率を算出した。
<液体クロマトグラフィーの試験条件>
検出器:紫外吸光光度計(測定波長;350nm)
カラム:Inertsil ODS-3(4.6×150mm,5μm) GLサイエンス
カラム温度:40℃
移動相:テトラブチルアンモニウムを15mMとなるように水1000mLに溶かし、リン酸でpH3.5に調製した液とメタノール混液(容量比1:1)
流量:PQQの保持時間が約6〜8分になるように調整する。(c.f. 1.0mL/min)
<式1>
残存率(%)=
(PQQ・2Na含有量/対応する参考例のPQQ・2Na含有量)×100
Figure 0006329757
Figure 0006329757
Figure 0006329757
表3〜5より、アスコルビン酸を配合することによりPQQ・2Naの安定性が低下するが、それにヒアルロン酸ナトリウムを配合することでその安定性が向上することが確認された。
(5)調製直後のPQQ・2Na含有量変化の評価(No.2)
表6に示す試験液を定法に従い調製し、室温にて24時間遮光保管した後に、「(4)調製直後のPQQ・2Na含有量変化の評価(No.1)」と同様にしてPQQ・2Naの残存率を算出した。
Figure 0006329757
表6に示す通り、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウムを用いた場合も、PQQ・2Naのアスコルビン酸による分解を防ぐことが確認された。
(6)光安定性試験(光照射後のPQQ含量)(No.1)
表7〜8に示す試験液を定法に従い調製し、容量10mLのガラスバイアルに各試験液を10mLずつ充填した。次いで、D65ランプで、5000lxで約120時間(合計60万lx・hr)の光照射を行った。照射前後で、PQQ・2Naの含有量を前述の条件の液体クロマトグラフィーで定量し、式2を用いてPQQ・2Na残存率を算出した。
<式2>
残存率(%)=
(光照射後のPQQ・2Na含有量/光照射前のPQQ・2Na含有量)×100
Figure 0006329757
表7に示す通り、3−O−エチルアスコルビン酸および低分子コラーゲンは、PQQ・2Naの光分解を促進するが、ヒアルロン酸ナトリウム及びコンドロイチン硫酸ナトリウムにより、その光分解を抑制することが確認された。
(7)光安定性試験(光照射後のPQQ含量)(No.2)
表8に示す試験液を定法に従い調製し、容量10mLのガラスバイアルに各試験液を10mLずつ充填した。次いで、D65ランプで、5000lxで約120時間(合計60万lx・hr)の光照射を行った。照射前後で、PQQ・2Naの含有量を前述の条件の液体クロマトグラフィーで定量し、「(6)光安定性試験(光照射後のPQQ含量)(No.1)」と同様の方法でPQQ・2Naの残存率を算出した。
Figure 0006329757
表8に示す通り、アスコルビン酸リン酸マグネシウム塩およびニコチンアミドも、PQQ・2Naの光分解を促進するが、コンドロイチン硫酸ナトリウムを用いた場合にその分解が抑制されることが確認された。
(8)光安定性試験(光照射後のPQQ含量)(No.3)
表9に示す試験液を定法に従い調製し、容量10mLのガラスバイアルに各試験液を10mLずつ充填した。次いで、D65ランプで、5000lxで約60時間(合計30万lx・hr)の光照射を行った。照射前後で、PQQ・2Naの含有量を前述と同様にして液体クロマトグラフィーで定量し、「(6)光安定性試験(光照射後のPQQ含量)(No.1)」と同様の方法でPQQ・2Naの残存率を算出した。
Figure 0006329757
表9に示す通り、高濃度の3−O−アスコルビン酸エチルを用いた場合にも、ヒアルロン酸ナトリウムによってPQQ・2Naの分解が抑制されることが確認された。
以下に、本発明の外用組成物の処方例を示す。
Figure 0006329757
本発明の外用組成物は、PQQ又はその塩を含み、保存安定性に優れるため、商品価値が高いものである。

Claims (12)

  1. (a)ピロロキノリンキノン、又は薬学的若しくは生理的に許容されるその塩、(b)ビタミン類、アミノ酸類、及び低分子コラーゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種、並びに(c)ムコ多糖類を含む外用組成物であり、(b)ビタミン類、アミノ酸類、及び低分子コラーゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種を、組成物の全量に対して、1重量%以下含む外用組成物
  2. (a)ピロロキノリンキノン、又は薬学的若しくは生理的に許容されるその塩、(b)ビタミン類、アミノ酸類、及び低分子コラーゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種、並びに(c)ムコ多糖類を含む外用組成物(ただし、ピロロキノリンキノン、POE(60)硬化ヒマシ油、1,2−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、フェノキシフェノール、ヒアルロン酸ナトリウム、アスコルビン酸グルコシド、及びポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを含む外用組成物を除く)。
  3. (a)ピロロキノリンキノン、又は薬学的若しくは生理的に許容されるその塩、(b)ビタミン類、アミノ酸類、及び低分子コラーゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種、並びに(c)ムコ多糖類を含む外用組成物であり、(b)成分が、アミノ酸類及び低分子コラーゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む外用組成物。
  4. (c)ムコ多糖類が、ヒアルロン酸、低分子ヒアルロン酸、アセチル化ヒアルロン酸、若しくはコンドロイチン硫酸、又はそれらの塩である請求項1〜3の何れかに記載の外用組成物。
  5. (b)のビタミン類が、アスコルビン酸、ニコチンアミド、それらの誘導体、又はそれらの塩である請求項1〜4の何れかに記載の外用組成物。
  6. (a)ピロロキノリンキノン、又は薬学的若しくは生理的に許容されるその塩の1重量部に対して、(c)ムコ多糖類を0.1〜1000重量部含む請求項1〜の何れかに記載の外用組成物。
  7. (b)ビタミン類、アミノ酸類、及び低分子コラーゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種の1重量部に対して、(c)ムコ多糖類を0.0001〜1000重量部含む請求項1〜の何れかに記載の外用組成物。
  8. (c)ムコ多糖類を、組成物の全量に対して、0.001〜10重量%含む請求項1〜の何れかに記載の外用組成物。
  9. (b)ビタミン類、アミノ酸類、及び低分子コラーゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種を、組成物の全量に対して、0.0001〜20重量%含む請求項の何れかに記載の外用組成物。
  10. (a)ピロロキノリンキノン、又は薬学的若しくは生理的に許容されるその塩を、組成物の全量に対して、0.00001〜1重量%含む請求項1〜の何れかに記載の外用組成物。
  11. (a)ピロロキノリンキノン、又は薬学的若しくは生理的に許容されるその塩と、(b)ビタミン類、アミノ酸類、及び低分子コラーゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種とを含む組成物に、(c)ムコ多糖類を添加し、(a)成分の安定性を向上させる方法。
  12. 下記(1)、(2)及び(3)から選択された少なくとも1つを充足する請求項11記載の方法。
    (1)組成物が、(b)ビタミン類、アミノ酸類、及び低分子コラーゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種を、組成物の全量に対して、1重量%以下含む
    (2)組成物が、ピロロキノリンキノン、POE(60)硬化ヒマシ油、1,2−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、フェノキシフェノール、ヒアルロン酸ナトリウム、アスコルビン酸グルコシド、及びポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを含む組成物を含まない
    (3)(b)成分が、アミノ酸類及び低分子コラーゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む
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