JP6002472B2 - 外用組成物 - Google Patents
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Description
しかし、これらの方法は、ハイドロキノンの酸化による着色を十分に抑制することができない。
特許文献1の皮膚外用剤は、着色は十分に抑制されているが、これらのポリオールの添加により、製剤の粘度が低下して、製剤の剤形によっては、使用時に液ダレして使い難い場合がある。また、液ダレ防止のために、水溶性高分子のような増粘剤を多量に添加すると、ベタツキが生じたり、塗布時にヨレなどを生じやすくなり、使用感の悪いものになる。
項1. (a)ハイドロキノン及びその誘導体、ビタミンA類、並びに、組成物の全量に対して3〜40重量%のアスコルビン酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物、及び(b)架橋型ポリグリセリン変性シリコーンを含む外用組成物。
項2. (b)成分を、組成物の全量に対して、0.01〜90重量%含む項1に記載の外用組成物。
項3. (a)成分としてハイドロキノン及び/又はその誘導体を含む場合、ハイドロキノン及び/又はその誘導体の1重量部に対して、(b)成分を0.0005〜9000重量部含む項1又は2に記載の外用組成物。
項3−1. ハイドロキノン及び/又はその誘導体を、組成物の全量に対して、0.01〜20重量%含む項1〜3の何れかに記載の外用組成物。
項4. (a)成分としてビタミンA類を含む場合、ビタミンA類の1重量部に対して、(b)成分を0.002〜900000重量部含む項1又は2に記載の外用組成物。
項4−1. ビタミンA類を、組成物の全量に対して、0.00001〜5重量%含む項1、2、又は4に記載の外用組成物。
項5. (a)成分として3〜40重量%のアスコルビン酸及び/又はその塩を含む場合、アスコルビン酸及び/又はその塩の1重量部に対して、(b)成分を0.00025〜30重量部含む項1又は2に記載の外用組成物。
項5−1. アスコルビン酸及び/又はその塩を、組成物の全量に対して、3〜40重量%含む項1、2、又は5に記載の外用組成物。
項6. さらに、架橋型オルガノポリシロキサンを含む項1〜3、3−1、4、4−1、5、及び5−1の何れかに記載の外用組成物。
項7. 架橋型オルガノポリシロキサンを、組成物の全量に対して、0.1〜95重量%含む項6に記載の外用組成物。
項8. (b)成分の1重量部に対して、架橋型ポリオルガノシロキサンを0.0001〜900重量部含む項6又は7に記載の外用組成物。
項8−1. 水を、組成物の全量に対して、20重量%以下含む項1〜3、3−1、4、4−1、5、5−1、及び6〜8の何れかに記載の外用組成物。
項9. (a)ハイドロキノン及びその誘導体、ビタミンA類、並びに、組成物の全量に対して3〜40重量%のアスコルビン酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する外用組成物に、(b)架橋型ポリグリセリン変性シリコーンを添加する、外用組成物の着色抑制方法。
また、本発明の外用組成物は、別途多量の水溶性高分子のような増粘剤を使用しなくても、適度な粘度を有して液ダレし難いものであり、また、ベタツキやヨレのない良好な使用感が得られる。
さらに、本発明の外用組成物は、経時的な成分分離が抑制されており、非常に安定である。
また、本発明の外用組成物は、調製時に熱を加えないコールドプロセスによって、各成分を均一に混合することができ、これにより、ハイドロキノン及びその誘導体、ビタミンA類、並びに約3〜40重量%のアスコルビン酸及びその塩からなる群より選ばれる化合物の、加熱による変性又は分解を回避することができる。
本発明の外用組成物は、(a)ハイドロキノン及びその誘導体、ビタミンA類、並びに約3〜40重量%のアスコルビン酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物、及び(b)架橋型ポリグリセリン変性シリコーンを含む組成物である。
ハイドロキノンは市販品を購入できる。
ハイドロキノン誘導体としては、ハイドロキノンと糖の縮合物、及びハイドロキノンに炭素数1〜4のアルキル基を一つ導入したアルキルハイドロキノンと糖の縮合物などの配糖体を好適なものとして例示できる。
配糖体の糖としては、D−グルコ−ス、D−ガラクト−ス、D−マンノ−ス、D−タガト−ス、D−フルクト−ス、L−ソルボ−ス、D−タガト−ス、及びD−プシコ−ス等の六炭糖;L−アラビノ−ス、D−キシロ−ス、D−リボ−ス、D−キシルロ−ス、D−リキソ−ス、及びD−リブロ−ス等の五炭糖;D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、シアル酸、及びムラミン酸等のアミノ糖;並びにD−グルクロン酸、D−ガラクツロン酸、D−マンヌロン酸、及びL−イズロン酸等のウロン酸(アセチル化等)などが挙げられる。
また、ハイドロキノン配糖体の薬学的に許容される塩も使用でき、例えば、ナトリウム塩、及びカリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、及びマグネシウム塩等のアルカリ土類金属;アンモニウム塩;トリエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩、及びモノエタノ−ルアミン塩等の有機アミン塩;並びにリジン塩、及びアルギン酸塩等の塩基性アミノ酸塩などが挙げられる。
また、ハイドロキノン配糖体は、糖をアセチル化することにより得られるアセチル化糖とハイドロキノンとを、グリコシダーゼの存在下でグリコシド結合させて、さらにアセチル基をアルカリ加水分解で除去することにより得られる。
また、ハイドロキノン配糖体は、各種植物から抽出することができ、例えば、アルブチンは、ウワウルシやコケモモから抽出できる。
ハイドロキノン及びその誘導体は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
また、組成物中のハイドロキノン及び/又はその誘導体の含有量は、組成物の全量に対して、約20重量%以下が好ましく、約10重量%以下がより好ましく、約5重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、組成物の経時的な着色又は変色が抑制され、充分な生理活性作用を得ながら、コストメリットのある組成物が得られる。
本発明におけるビタミンA類には、レチノール、レチナール、レチノイン酸、これらのデヒドロ体、これらのエステル、及びプロビタミンA等が含まれる。
エステルとしては、酢酸レチノール、プロピオン酸レチノール、酪酸レチノール、オクチル酸レチノール、ラウリル酸レチノール、パルミチン酸レチノール、ステアリン酸レチノール、ミリスチン酸レチノール、オレイン酸レチノール、リノレン酸レチノール、リノール酸レチノール、パルミチン酸レチナール、酢酸レチナール、プロピオン酸レチナール、レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノール、及びレチノン酸トコフェロール(α、β、γ、δのいずれの異性体であってもよい。)などが挙げられる。プロビタミンAとしては、α-カロチン、β-カロチン、γ-カロチン、δ-カロチン、リコピン、ゼアキサンチン、β-クリプトキサンチン、及びエキネノン等が挙げられる。
中でも、レチノール、レチノイン酸、及びそれらのエステル(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等)が好ましい。
ビタミンA類は、動物材料などの天然物から単離したもの、化学合成したものの何れであってもよい。また、ビタミンA類は、ビタミンA油の形態で用いることもできる。ビタミンA油は、動物から抽出、精製した天然油でもよく、また、ビタミンA類を植物油などに溶解させたものでもよい。後者の代表例として、日本薬局方記載のビタミンA油(1gにつき30000ビタミンA単位(IU)以上を含む)が挙げられ、1gにつき100万IU、150万IU、又は170万IUのものが好適に利用される。
ビタミンA類は、1種を単独で、又は2種以上を組合わせて使用できる。
また、ビタミンA類を含む場合の含有量は、組成物の全量に対して、5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましく、2重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、充分な生理作用を得ながら、コストメリットのある組成物が得られる。
上記のビタミンA類の含有量及び比率は、ビタミンA類がビタミンA油の形態で組成物に含まれる場合は、ビタミンA類を植物油などに溶解させたビタミンA油の重量である。
アスコルビン酸は、L−体、D−体、及びそれらの混合物の何れであっても良い。中でも、美白作用、及びコラーゲンの生成促進作用などの生理活性効果が高い点で、L−アスコルビン酸が好ましい。アスコルビン酸は市販品を購入できる。
また、アスコルビン酸塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、リン酸塩、及び鉄塩などが挙げられる。
また、組成物中のアスコルビン酸及び/又はその塩の含有量は、組成物の全量に対して、約40重量%以下であり、約30重量%以下が好ましい。上記範囲であれば、充分な生理作用を得ながら、コストメリットのある組成物が得られる。
例えば、ハイドロキノン及び/又はその誘導体と、ビタミンA類とを含む場合のように、(i)ハイドロキノン及び/又はその誘導体、(ii)ビタミンA類、並びに(iii)アスコルビン酸又はその塩について、(i)(ii)(iii)の2以上を含む場合、合計量は、組成物の全量に対して、約0.00001重量%以上が好ましく、約0.001重量%以上がより好ましく、約0.01重量%以上がさらにより好ましい。また、合計量は、組成物の全量に対して、約65重量%以下が好ましく、約30重量%以下がより好ましく、約25重量%以下がさらにより好ましい。
架橋型ポリグリセリン変性シリコーンは、グリセリン基を有する架橋型オルガノポリシロキサン重合物である。本発明において、架橋型ポリグリセリン変性シリコーンは、架橋型ポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンなどの共変性シリコーンも含む。
架橋型ポリグリセリン変性シリコーンは、液状油剤を含んだ組成物(例えばペースト状)の形態で使用してもよい。例えば、架橋型ポリグリセリン変性シリコーンを、自重以上の0.65mm2/秒(25℃)〜100.0mm2/秒(25℃)の低粘度シリコーン、流動パラフィン、スクワラン、若しくはイソドデカン等の炭化水素油、又はトリオクタノイン等のグリセライド油若しくはエステル油に膨潤させてもよい。
架橋型ポリグリセリン変性シリコーンは1種を単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて使用できる。
具体的には、下記一般式(1)で表される架橋型ポリグリセリン変性シリコーンが挙げられる。
R1 aR2 bSiO(4−a−b)/2 (1)
式中、R1は炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、及びフッ素置換アルキル基で表される有機基から選択される同種又は異種の有機基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、及びデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、及びトリル基等のアリール基;ベンジル基、及びフェネチル基等のアラルキル基;並びにトリフロロプロピル基、及びヘプタデカフロロデシル基等のフッ素置換アルキル基等を挙げることができる。また、aは1.0≦a≦2.5の数、bは0.001≦b≦1.5の数である。
−CmH2m−O−(C2H4O)c(C3H6O)dR3 (2)
式中、R3は炭素数5〜30の1価炭素水素基又はR4−(CO)−で表される有機基であり、R4は炭素数1〜30の炭化水素基であり、c及びdはそれぞれ0〜50の整数、mは0〜15の整数である。即ち、R1はアルコキシ基、エステル基、アルケニルエーテル残基、又はアルケニルエステル残基である。ここで、c及びdが何であっても、mが0の時は耐加水分解性に劣る場合があり、mが15以上であると油臭が強いため、mは3〜11であることが好ましい。
R2は下記一般式(3)で表される親水性基である。
−Q−O−X (3)
式中、Qはエーテル結合及びエステル結合を含有してもよい炭素数3〜20の二価炭化水素基を示しており、たとえば−(CH2)2−、−(CH2)3−、−CH2CH(CH3)CH2−、−(CH2)4−、−(CH2)5−、−(CH2)6−、−(CH2)7−、−(CH2)8−、−(CH2)2−CH(CH2CH2CH3)−、−CH2−CH(CH2CH3)−、−(CH2)3−O−(CH2)2−、−(CH2)3−O−(CH2)2−O−(CH2)2−、−(CH2)3−O−CH2CH(CH3)−、及び−CH2CH(CH3)−COO(CH2)2−等を例示することができる。
R2としては下記の残基があげられる。
(a1):R1 aR2 bHcSiO(4−a−b−c)/2
(a2):R1 dHeSiO(4−d−e)/2
(b1):
(b3):R3(CH2)rR3
−(CH2)2−、−(CH2)3−、−CH2CH(CH3)CH2−、−(CH2)4−、−(CH2)5−、−(CH2)6−、−(CH2)7−、−(CH2)8−、−(CH2)2−CH(CH2CH2CH3)−、及び−CH2−CH(CH2CH3)−等が挙げられる。
(a1)成分の具体例としては下記式で表される化合物が挙げられる。
0≦l≦100、0≦m≦100、0≦n≦100、0≦w≦100、
0≦l+m+n≦200である。)
Qは酸素原子又は炭素数2〜20の二価炭化水素基を表す。)
(a2)成分の具体例としては下記式で表される化合物が挙げられる。
(b3)成分は一般式R3(CH2)rR3で表される。R3は(b1)成分で記載したアルケニル基である。rは0〜20の整数である。(b3)成分としては、ブタジエン、ペンタジエン、ヘキサジエン、ヘプタジエン、オクタジエン、及びノナジエン等のジエンなどが例示されるが、特にヘキサジエンが好ましい。
また、架橋型ポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンの具体例としては、(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマーなどが挙げられる。ラウリルジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマーを含む商品として、KSG−810、KSG−820、KSG−830、及びKSG−840などが信越化学工業社から市販されている。また、(ポリグリセリル−3/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマーなども挙げられる。(ポリグリセリル−3/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマーを含む商品としては、KSG−820Z、及びKSG−850Zなどが信越化学工業社から市販されている。
また、架橋型ポリグリセリン変性シリコーンの含有量は、組成物の全量に対して、約90重量%以下が好ましく、約50重量%以下がより好ましく、約20重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、十分な着色抑制効果を得ながら、経時的な成分分離を抑制し、使用感のよい組成物が得られる。
また、架橋型ポリグリセリン変性シリコーンの含有量は、ハイドロキノン及び/又はその誘導体の1重量部に対して、約9000重量部以下が好ましく、約900重量部以下がより好ましく、約10重量部以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、十分な着色抑制効果を得ながら、経時的な成分分離を抑制し、使用感のよい組成物が得られる。
また、架橋型ポリグリセリン変性シリコーンの含有量は、ビタミンA類の1重量部に対して、約900000重量部以下が好ましく、約10000重量部以下がより好ましく、約1000重量部以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、十分な着色抑制効果を得ながら、経時的な成分分離を抑制し、使用感のよい組成物が得られる。
また、架橋型ポリグリセリン変性シリコーンの含有量は、アスコルビン酸及び/又はその塩の1重量部に対して、約30重量部以下が好ましく、約20重量部以下がより好ましく、約5重量部以下がさらにより好ましい。十分な着色抑制効果を得ながら、経時的な成分分離を抑制し、使用感のよい組成物が得られる。
本発明の外用組成物は、さらに、架橋型オルガノポリシロキサン(架橋型ポリグリセリン変性シリコーンを除く)を含むことができ、これにより、着色抑制が一層増強され、また使用感が一層良い組成物となる。架橋型オルガノポリシロキサンは、変性の架橋型オルガノポリシロキサン(架橋型ポリグリセリン変性シリコーンを除く)でも、非変性の架橋型オルガノポリシロキサンでもよいが、非変性の架橋型オルガノポリシロキサンであることが好ましい。
更に、この架橋型オルガノポリシロキサンは、ポリオキシアルキレン部分、アルキル部分、アルケニル部分、アリール部分、及びフルオロアルキル部分からなる群から選択される少なくとも1種の部分を分子中に含有して変性されていてもよい。
また、架橋型オルガノポリシロキサンは、0.65〜10.0mm2/sの低粘度シリコーンに対し、自重以上の低粘度シリコーンを含み膨潤されたものであることが好ましい。
また、架橋型オルガノポリシロキサンの含有量は、組成物の全量に対して、約95重量%以下が好ましく、約70重量%以下がより好ましく、約60重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、ベトツキ感が抑制された使用感のよい、経時的な成分分離を抑制する組成物が得られる。
また、架橋型ポリグリセリン変性シリコーンの含有量は、架橋型ポリグリセリン変性シリコーンの1重量部に対して、約900重量部以下が好ましく、約100重量部以下がより好ましく、約30重量部以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、経時的な成分分離が抑制され、ベトツキ感が抑制された使用感のよい組成物が得られる。
本発明の外用組成物は、水を含んでいても良く、含まなくてもよいが、水を含むことが好ましい。水を含む場合の水の含有量は、組成物の全量に対して、0重量%を超えていればよく、0.5重量%以上が好ましく、1重量%以上がより好ましい。上記範囲であれば、経時的な成分の析出が抑制されて、安定な組成物となる。
また、水の含有量は、組成物の全量に対して、20重量%以下が好ましく、15重量%以下がより好ましく、10重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、十分な着色抑制効果を得ながら、経時的な成分分離が抑制され、使用感の良い組成物となる。
本発明の外用組成物のpHは、約1〜10が好ましく、約2〜8がより好ましく、約2〜7の酸性領域がさらにより好ましい。この範囲であれば、充分な効果が得られる。
本発明の外用組成物の硬度は特に限定されないが、約1〜200gが好ましく、約10〜180gがより好ましく、約30〜140gがさらにより好ましい。この範囲であれば液ダレがなく、良好な使用感が得られる。
本発明における硬度は、レオメーター(商品名「NRM-2002J」、不動工業株式会社製)を用いて測定した値である。具体的には、製剤をプラスチック製50gジャーに入れたものをサンプルとし、上記レオメーターで円柱状の直径30mmの圧縮弾性アダプターを、2cm/minの速度で1cm進入させた時までの最高値を硬度とする。
本発明の外用組成物は、ハイドロキノン及びその誘導体、ビタミンA類、並びに約3〜40重量%のアスコルビン酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物、架橋型ポリグリセリン変性シリコーン、さらに必要に応じて、架橋型オルガノポリシロキサンを、化粧品、又は医薬部外品に通常使用される基剤又は担体、及び必要に応じて添加剤と共に混合して、化粧品、又は医薬部外品用の外用組成物とすることができる。
クリーム剤、乳剤のように、油性基剤と水性基剤とを含む場合は、W/O型でもよく、O/W型でもよいが、W/O型が好ましい。
本発明の外用組成物の具体的な用途としては、例えば、化粧水、乳液、ジェル、クリーム、美容液、日焼け止め用化粧料、パック、マスク、ハンドクリーム、ボディローション、及びボディークリームのような基礎化粧料;並びに洗顔料、メイク落とし、ボディーシャンプー、シャンプー、リンス、及びトリートメントのような洗浄用化粧料などが挙げられる。
基剤又は担体としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ゲル化炭化水素(プラスチベースなど)、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、及び軽質流動パラフィンのような炭化水素;メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコーン、フェニル変性シリコーン、及びシリコーンレジンのようなシリコーン油;セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、及びベヘニルアルコールのような高級アルコール;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;カラギーナン;ポリビニルブチラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、及びホホバ油のようなエステル類;デキストリン、及びマルトデキストリンのような多糖類;エタノール、及びイソプロパノールのような低級アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノプロピルエーテルのようなグリコールエーテル;ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、イソプレングリコール、ジグリセリン、及びジプロピレングリコールなどの多価アルコール;並びに水などの水系基剤などが挙げられる。
ハイドロキノン及びその誘導体、ビタミンA類、並びにアスコルビン酸及びその塩は、特に、水中で不安定になることから、本発明の外用組成物は、基剤又は担体として、水を含む組成物に好適であるが、水を含まない組成物でも効果が得られる。
中でも、多価アルコール、高級アルコール、炭化水素、エステル類、及びシリコーン油が好ましく、多価アルコールがより好ましい。多価アルコールの中では、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、及び1,2-ペンタンジオールが好ましく、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、及び1,2-ペンタンジオールがさらに好ましい。本発明の組成物の好ましい例として、基剤として多価アルコールを含むクリーム剤、ゲル剤、及び乳剤が挙げられる。
基剤又は担体は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の外用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧品、又は医薬部外品に添加される公知の添加剤、例えば、酸化防止剤、界面活性剤、増粘剤、保存剤、pH調整剤、安定化剤、刺激軽減剤、防腐剤、着色剤、香料、及びパール光沢付与剤等を添加することができる。
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、トコフェロール、トコフェロール誘導体、エリソルビン酸、及びL−システイン塩酸塩などが挙げられる。
刺激低減剤としては、例えば、甘草エキス、及びアルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。
本発明の外用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の有効成分を含むことができる。有効成分の具体例としては、例えば、保湿成分、抗炎症成分、抗菌成分、ビタミン類、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、細胞賦活化成分、老化防止成分、血行促進成分、角質軟化成分、美白成分、及び収斂成分などが挙げられる。
老化防止成分としては、例えば、パンガミン酸、カイネチン、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N−メチル−L−セリン、及びメバロノラクトン等が挙げられる。
美白成分としては、例えば、トコフェロールなどが挙げられる。
収斂成分としては、例えば、パラフェノールスルホン酸亜鉛、酸化亜鉛、メントール、及びエタノールなどが挙げられる。
本発明の外用組成物の使用方法は、使用対象の皮膚の状態、年齢、及び性別などによって異なるが、例えば以下の方法とすればよい。
即ち、1日数回(例えば、約1〜5回、好ましくは1〜3回)、1回当たり適量(例えば、約0.05〜5g)を皮膚に塗布すればよい。また、ハイドロキノン及び/又はその誘導体の1日使用量が、例えば約0.005〜5000mgとなるように組成物を塗布すればよく、ビタミンA類の1日使用量が、例えば約0.00005〜5000mgとなるように組成物を塗布すればよく、約3〜40重量%のアスコルビン酸及び/又はその塩の1日使用量が、例えば約1〜100000mgとなるように組成物を塗布すればよい。塗布期間は、例えば約3〜365日間、好ましくは約7〜180日間とすればよい。
本発明は、ハイドロキノン及びその誘導体、ビタミンA類、並びに約3〜40重量%のアスコルビン酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む組成物に、架橋型ポリグリセリン変性シリコーンを添加することで、ベタツキ、又は成分分離を抑制しながら、経時的な組成物の着色又は変色を抑制する方法を包含する。各成分の種類や使用量、組成物の性状などは、本発明の外用組成物について説明した通りである。
(1)組成物の調製
常温下で、後掲の表1〜3に示すA成分をB成分に混合し、この混合物を架橋型オルガノポリシロキサンに混合することにより、外用組成物を調製した。
上記の各組成物を、ガラス製のねじ口瓶に入れ、25℃又は60℃の恒温槽で2日間静置した。
60℃で2日間の加熱の前後で、外観を目視観察した。また、20代〜30代の男女パネル2名が、腕又は顔に塗布し、使用感を評価した。
結果を、表1〜3に併せて示す。また、加熱前後の組成物の写真を図1〜4に示す。
KSG-710:(ジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマーとジメチコンとの混合物
KSG-810:(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマーとミネラルオイルとの混合物
KSG-210:(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマーとジメチコンとの混合物
KF-6104:ポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
KSG-15:(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとシクロペンタシロキサンとの混合物
KSG-045Z:(ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビスビニルジメチコン)クロスポリマーとシクロペンタシロキサンとの混合物
KSG-16:(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとジメチコンとの混合物
KSG-19:(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとジメチコンとの混合物
KSG-016F:(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとジメチコンとの混合物
KSG-43:(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマーとトリエチルヘキサノインとの混合物
製剤実施例1 クリーム
架橋型ポリグリセリン変性シリコーン(KSG−820) 15.00
プロピレングリコール 15.00
濃グリセリン 13.00
水 5.00
ハイドロキノン 1.00
ツボクサエキス 0.05
ピロ亜硫酸ナトリウム 0.05
香料 0.1
架橋型オルガノポリシロキサン 50.8
100
架橋型ポリグリセリン変性シリコーン(KSG−830) 18.00
プロピレングリコール 65.00
アスコルビン酸 3.00
香料 0.1
トコフェロール 0.5
架橋型オルガノポリシロキサン 13.4
100
架橋型ポリグリセリン変性シリコーン(KSG−820Z) 18.00
プロピレングリコール 5.00
ブチレングリコール 2.00
濃グリセリン 1.00
水 20.00
パルミチン酸レチノール(100万IU/g) 0.075
架橋型オルガノポリシロキサン 53.925
100
Claims (9)
- (a)ハイドロキノン、及び(b)架橋型ポリグリセリン変性シリコーンを含む外用組成物。
- (b)成分を、組成物の全量に対して、0.01〜90重量%含む請求項1に記載の外用組成物。
- ハイドロキノンの1重量部に対して、(b)成分を0.0005〜9000重量部含む請求項1又は2に記載の外用組成物。
- 水を含まない、又は水の含有量が20重量%以下である請求項1〜3の何れかに記載の外用組成物。
- さらに、多価アルコールを含む請求項1〜4の何れかに記載の外用組成物。
- さらに、架橋型オルガノポリシロキサンを含む請求項1〜5の何れかに記載の外用組成物。
- 架橋型オルガノポリシロキサンを、組成物の全量に対して、0.1〜95重量%含む請求項6に記載の外用組成物。
- (b)成分の1重量部に対して、架橋型ポリオルガノシロキサンを0.0001〜900重量部含む請求項6又は7に記載の外用組成物。
- (a)ハイドロキノンを含有する外用組成物に、(b)架橋型ポリグリセリン変性シリコーンを添加する、外用組成物の着色抑制方法。
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