JPH11269093A - 油性アジュバントワクチン製剤 - Google Patents

油性アジュバントワクチン製剤

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JPH11269093A
JPH11269093A JP34213598A JP34213598A JPH11269093A JP H11269093 A JPH11269093 A JP H11269093A JP 34213598 A JP34213598 A JP 34213598A JP 34213598 A JP34213598 A JP 34213598A JP H11269093 A JPH11269093 A JP H11269093A
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JP
Japan
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oil
fatty acid
adjuvant vaccine
vaccine preparation
acid ester
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Application number
JP34213598A
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English (en)
Inventor
Tadayuki Iwakura
唯之 岩倉
Shinichi Fukanogi
信一 深野木
Hiroki Tsuji
弘樹 辻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shionogi and Co Ltd
Original Assignee
Shionogi and Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 免疫増強効果を維持しつつ、接種反応が軽減
され、かつ製剤安定性に優れた油性アジュバントワクチ
ン製剤を提供する。 【解決手段】 親油性界面活性剤の主成分としてポリグ
リセリン脂肪酸エステル1種または2種以上、および鉱
物油を油相中に、抗原1種または2種以上を水相中に、
親水性界面活性剤として非イオン性界面活性剤を外水相
中に含有する水中油中水型エマルションであることを特
徴とする油性アジュバントワクチン製剤により、高い抗
体産生力および製剤安定性を維持したまま、接種反応が
軽減され、筋肉内接種可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生もしくは不活化
された細菌および/またはウイルスを抗原として含む優
れた有効性と安定性を有し、かつ注射局所の反応を軽減
した家畜・家禽用または愛玩動物用油性アジュバントワ
クチン製剤を提供する。
【0002】
【従来の技術】油性アジュバントワクチン製剤として
は、古く1942年にJ. FreundがペイオールF(鉱物油)
とアラセルA(マンニトールモノオレイン酸エステル)
に結核死菌を加えてツベルクリン反応を強めることに成
功したことが知られており、油性アジュバントを用いて
高い免疫増強効果を得、抗原量の低減および接種回数削
減を図ることが公知技術となっている。しかしながら、
非油型のワクチンに比較して免疫増強効果がより高い場
合には、接種反応も著しく接種部位周辺に無菌化膿巣や
肉芽腫の形成を引き起こし、外面的には浮腫、腫脹、硬
結、壊死が観察されることや残留性が懸念されており、
例えば養鶏業界では接種部位が限定されるなどの欠点が
あった。以上のような背景から、畜産業界、特に養鶏業
界では、経済性、省力化、鶏へのストレス軽減の立場か
ら、少ない抗原量で、かつ筋肉内接種可能な投与システ
ム・投与剤型の開発を待望していた。
【0003】特表平7−509733では、鉱物油が人
体では代謝されず一部分は接種位置に滞留してしまうこ
とから鉱物油の代りに代謝可能な油を使用し粘度が低い
エマルションとする解決手段を提供している。また、特
開平9−268130号公報でも、同様に代謝可能な油
を使用しつつポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エ
ステル等の特定の親水性界面活性剤を用いた油中水型の
エマルションが示されてはいる。このように鉱油の代り
に代謝可能な油を選択しなければ目的は達成されていな
かった。
【0004】また、これらの油性アジュバントワクチン
は使用するエマルションや親水性界面活性剤が限定され
ることから、いかなる型のエマルションにも幅広く適用
でき、免疫増強作用および製剤安定性に優れた油性アジ
ュバントワクチン製剤が望まれていた。
【0005】なお、油性アジュバントワクチン製剤では
界面活性剤や油成分の種類等によって免疫増強作用の面
だけでなく製剤としての長期安定性の面にも差が生じる
ことが知られているため多くの解決方法が模索されてき
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来、局所
反応や残留性のために筋肉内接種が制限されていた油性
アジュバントワクチン製剤に関し、鉱物油の持つ高い免
疫効果の長期間持続という利点を維持したまま局所反応
を軽減することにより筋肉内接種を可能とし、かつ製剤
安定性にすぐれた油性アジュバントワクチン製剤を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するために鋭意検討を重ねた結果、親油性界面活
性剤の主成分としてポリグリセリン脂肪酸エステル1種
または2種以上、および鉱物油を油相中に、抗原1種ま
たは2種以上を水相中に、親水性界面活性剤として非イ
オン性界面活性剤を外水相中に含有する水中油中水型エ
マルションであることを特徴とする油性アジュバントワ
クチン製剤が、すぐれた抗体産生力を長期間発揮し安定
性に優れ、かつ従来の同タイプのものに比べ接種反応が
軽減することを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、(1)親油性界面活
性剤の主成分としてポリグリセリン脂肪酸エステル1種
または2種以上、および鉱物油を油相中に、抗原1種ま
たは2種以上を水相中に、親水性界面活性剤として非イ
オン性界面活性剤を外水相中に含有する水中油中水型エ
マルションであることを特徴とする油性アジュバントワ
クチン製剤、(2)抗原1種または2種以上を内水相中
に含有する請求項1記載の油性アジュバントワクチン製
剤。(3)ポリグリセリン脂肪酸エステルが、ジグリセ
リン脂肪酸エステル、トリグリセリン脂肪酸エステル、
テトラグリセリン脂肪酸エステル、ペンタグリセリン脂
肪酸エステル、ヘキサグリセリン脂肪酸エステル、ヘプ
タグリセリン脂肪酸エステル、セスキグリセリン脂肪酸
エステルまたはデカグリセリン脂肪酸エステルである
(1)記載の油性アジュバントワクチン製剤、(4)親
油性界面活性剤の主成分であるポリグリセリン脂肪酸エ
ステルのHLBが9以下である(1)記載の油性アジュバ
ントワクチン製剤、(5)ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル中の脂肪酸が、ステアリン酸、イソステアリン酸、セ
トステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、カプリル
酸、イソオクタン酸、パルミチン酸、イソパルミチン
酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、リノレイン酸、リノール
酸、ヘキサン酸、カプロン酸、ヘプタン酸、エナント
酸、オクタン酸、ノナン酸、ペラルゴン酸、デカン酸、
カプリン酸、ウンデカン酸、ウンデセン酸、ウンデシレ
ン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペ
ンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、マル
ガリン酸、オクタデカン酸、リシノール酸または縮合リ
シノレイン酸である(1)記載の油性アジュバントワク
チン製剤、(6)ポリグリセリン脂肪酸エステルが、モ
ノステアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸テトラ
グリセリル、モノステアリン酸ヘキサグリセリル、モノ
ステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸ジグリセ
リル、モノオレイン酸テトラグリセリル、モノオレイン
酸ヘキサグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、
モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノイソステアリ
ン酸デカグリセリル、モノラウリン酸テトラグリセリ
ル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸
デカグリセリル、モノミリスチン酸ヘキサグリセリル、
モノミリスチン酸デカグリセリル、モノリノール酸デカ
グリセリル、モノカプリル酸デカグリセリル、ジステア
リン酸デカグリセリル、ジオレイン酸ジグリセリル、ジ
オレイン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸デカグ
リセリル、トリステアリン酸テトラグリセリル、トリス
テアリン酸ヘキサグリセリル、トリステアリン酸デカグ
リセリル、トリオレイン酸デカグリセリル、トリイソス
テアリン酸デカグリセリル、ペンタステアリン酸テトラ
グリセリル、ペンタステアリン酸ヘキサグリセリル、ペ
ンタステアリン酸デカグリセリル、ペンタオレイン酸テ
トラグリセリル、ペンタオレイン酸ヘキサグリセリル、
ペンタオレイン酸デカグリセリル、ペンタイソステアリ
ン酸デカグリセリル、ヘプタベヘニン酸デカグリセリ
ル、ヘプタステアリン酸デカグリセリル、ヘプタオレイ
ン酸デカグリセリル、ヘプタイソステアリン酸デカグリ
セリル、デカステアリン酸デカグリセリル、デカオレイ
ン酸デカグリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセ
リル、セスキステアリン酸ヘキサグリセリル、セスキオ
レイン酸デカグリセリル、ポリリシノールヘキサグリセ
リル、縮合リシノレイン酸ヘキサグリセリル、縮合リシ
ノレイン酸テトラグリセリル、および縮合リシノレイン
酸ポリグリセリルからなる群より選択される1種または
2種以上である(1)記載の油性アジュバントワクチン
製剤、(7)ポリグリセリン脂肪酸エステルが、2種以
上である(1)〜(6)のいずれかに記載の油性アジュ
バントワクチン製剤、(8)ポリグリセリン脂肪酸エス
テルを0.1重量%〜30重量%含有する(1)〜
(7)のいずれかに記載の油性アジュバントワクチン製
剤、(9)ポリグリセリン脂肪酸エステルを0.5重量
%〜8重量%含有する(1)〜(7)のいずれかに記載
の油性アジュバントワクチン製剤、(10)ポリグリセ
リン脂肪酸エステルの1種が、オレイン酸エステルまた
はジグリセリン脂肪酸エステルである(1)〜(9)の
いずれかに記載の油性アジュバントワクチン製剤、(1
1)ポリグリセリン脂肪酸エステルの1種が、モノオレ
イン酸ジグリセリルである(1)〜(10)のいずれか
に記載の油性アジュバントワクチン製剤、(12)ポリ
グリセリン脂肪酸エステルの1種が、縮合リシノレイン
酸ヘキサグリセリル、縮合リシノレイン酸テトラグリセ
リル、または縮合リシノレイン酸ポリグリセリルである
(1)〜(11)のいずれかに記載の油性アジュバント
ワクチン製剤、(13)ポリグリセリン脂肪酸エステル
の1種が、縮合リシノレイン酸ポリグリセリルである
(1)〜(12)のいずれかに記載の油性アジュバント
ワクチン製剤、(14)ポリグリセリン脂肪酸エステル
が、モノオレイン酸ジグリセリルおよび縮合リシノレイ
ン酸ポリグリセリルである(1)〜(13)のいずれか
に記載の油性アジュバントワクチン製剤、(15)モノ
オレイン酸ジグリセリル1〜8重量%および縮合リシノ
レイン酸ポリグリセリル1〜8重量%含有する(14)
記載の油性アジュバントワクチン製剤、(16)非イオ
ン性界面活性剤が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂
肪酸エステルおよびポリオキシエチレンヒマシ油脂肪酸
エステル以外の非イオン性界面活性剤である(1)〜
(15)のいずれかに記載の油性アジュバントワクチン
製剤、(17)非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエ
チレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビ
ット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキ
シエチレンフィトスタノール、ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェノールエーテル、ソルビタン脂肪酸エス
テル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステ
ル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルおよびプロ
ピレングリコール脂肪酸エステルからなる群より選択さ
れる1種または2種以上である(1)〜(15)のいず
れかに記載の油性アジュバントワクチン製剤、(18)
非イオン性界面活性剤を0.1重量%〜30重量%含有
する(1)〜(17)のいずれかに記載の油性アジュバ
ントワクチン製剤、(19)非イオン性界面活性剤を
0.5重量%〜8重量%含有する(1)〜(17)のい
ずれかに記載の油性アジュバントワクチン製剤、(2
0)非イオン性界面活性剤が、モノオレイン酸ポリオキ
シエチレン(20)ソルビタンである、(1)〜(1
9)のいずれかに記載の油性アジュバントワクチン製
剤、(21)抗原が、生もしくは不活化された細菌およ
び/またはウイルスである(1)〜(20)のいずれか
に記載の油性アジュバントワクチン製剤、(22)抗原
が、家禽・家畜用抗原または愛玩動物用抗原である
(1)〜(21)のいずれかに記載の油性アジュバント
ワクチン製剤、(23)抗原が、牛用抗原、鶏用抗原ま
たは豚用抗原である(1)〜(21)のいずれかに記載
の油性アジュバントワクチン製剤。(24)抗原が、鶏
伝染性コリーザ(IC)、ニューカッスル病ウイルス
(NDV)、鶏伝染性気管支炎ウイルス(IBV)、百
日咳菌、ブルセラ菌、サルモネラ菌(腸チフス菌、パラ
チフス菌)、ブタ流産菌、コレラ、クローストリジアル
抗原、ボツリヌス中毒症、連鎖球菌、球菌レプトスピ
ラ、ヘモフィルス菌、ポルデテラ菌、大腸菌、伝染性咽
頭気管炎ウイルス、日本脳炎ウイルス、伝染性鼻気管炎
ウイルス、伝染性肝炎ウイルス、汎白血球減少症、腺パ
パタチ熱ウイルス、狂犬病ウイルス、灰白髄炎ウイル
ス、はしかウイルス、アデノウイルス、鷲口そうウイル
ス、牛疫ウイルス、牛胸膜肺炎菌、東洋型鶏ペスト、鴨
ペスト、鶏白血症、伝染性上皮腫、羊痘、破傷風および
ジフテリアからなる群より選択される1種または2種以
上である(1)〜(21)のいずれかに記載の油性アジ
ュバントワクチン製剤、(25)抗原が、鶏伝染性コリ
ーザ(IC)、ニューカッスル病ウイルス(NDV)お
よび鶏伝染性気管支炎ウイルス(IBV)からなる群よ
り選択される1種または2種以上である、(1)〜(2
1)のいずれかに記載の油性アジュバントワクチン製
剤、(26)抗原が、鶏伝染性コリーザ(IC)のみで
ある、(1)〜(21)のいずれかに記載の油性アジュ
バントワクチン製剤、(27)生もしくは不活化された
細菌および/またはウイルスを抗原として含む抗原液
を、非イオン性界面活性剤で油中に乳化することを特徴
とする(1)〜(26)のいずれかに記載の油性アジュ
バントワクチン製剤、(28)鉱物油が、流動パラフィ
ン、パラフィンワックス、ワセリンおよびオレフィンオ
リゴマーからなる群より選択される1種または2種以上
である、(1)〜(27)のいずれかに記載の油性アジ
ュバントワクチン製剤、(29)鉱物油が、流動パラフ
ィンである、(28)に記載の油性アジュバントワクチ
ン製剤、(30)流動パラフィンを10〜40重量%含
有する、(29)に記載の油性アジュバントワクチン製
剤、(31)更に油相中に油を含有する(1)〜(3
0)のいずれかに記載の油性アジュバントワクチン製
剤、(32)該油が、動物油、植物油および脂肪酸エス
テルからなる群より選ばれる1種又は2種以上である
(31)記載の油性アジュバントワクチン製剤、(3
3)該油が動物油および/または植物油である(32)
記載の油性アジュバントワクチン製剤、(34)動物油
および/または植物油を5〜35重量%含有する(3
3)記載の油性アジュバントワクチン製剤、(35)更
に免疫活性増強補助剤を含有する(1)〜(34)のい
ずれかに記載の油性アジュバントワクチン製剤、(3
6)油と親油性界面活性剤を混合し、次に抗原液を添加
し乳化した後に、非イオン性界面活性剤を含む液に乳化
して調製される、(1)〜(35)のいずれかに記載の
油性アジュバントワクチン製剤、および(37)免疫活
性を維持しつつ接種反応を軽減させ、かつ製剤安定性が
高いことを特徴とする、(1)〜(36)のいずれかに
記載の油性アジュバントワクチン製剤を提供する。
【0009】本発明の別の目的は、ポリグリセリン脂肪
酸エステルの中でも接種反応をより軽減する親油性界面
活性剤を用いた油性アジュバントワクチン製剤を提供す
ることにある。
【0010】本発明の第三の目的は、非イオン性界面活
性剤、即ち、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エ
ステルおよびポリオキシエチレンヒマシ油脂肪酸エステ
ル以外の非イオン性界面活性剤を親水性界面活性剤とし
て用いて、有用性の高い油性アジュバントワクチン製剤
を提供することにある。
【0011】本発明の第四の目的は、水中油中水型油性
アジュバントワクチンにおいて特に効果を発揮し、高い
抗体産生力および製剤安定性を維持しつつ免疫増強効果
が得られる製剤を提供し、またポリグリセリン脂肪酸エ
ステルと親水性界面活性剤の合計量の、全体に対する好
ましい重量比、さらにポリグリセリン脂肪酸エステル/
親水性界面活性剤の配合重量比の、油相/外水相の構成
重量比に対する好ましい割合を提供することにある。
【0012】本発明の第五の目的は、特定の家畜・家禽
(好ましくは、鶏・牛・豚等)に対して、抗体産生力お
よび製剤安定性の維持や免疫増強効果に加え、接種反応
が軽減される油性アジュバントワクチン製剤を提供する
ことにある。
【0013】本発明の第六の目的は、鉱物油をも配合し
た油性アジュバントワクチンにおいて特に接種反応の軽
減効果が得られる製剤を提供することにある。なぜな
ら、鉱物油によって免疫増強効果とともに接種反応が増
しているからである。
【0014】本発明の第七の目的は、鉱物油に加え植物
油および/または動物油をも配合した油性アジュバント
ワクチンにおいて、免疫増強効果と接種反応軽減効果の
バランスが取れた油性アジュバントワクチン製剤を提供
することにある。
【0015】本発明に使用されるポリグリセリン脂肪酸
エステルとしては、親水性親油性バランス(HLB: Hydro
phile - Lipophile Balance)9以下のものが好ましい。
本発明に使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルとし
ては、例えば、ジグリセリン脂肪酸エステル、トリグリ
セリン脂肪酸エステル、テトラグリセリン脂肪酸エステ
ル、ペンタグリセリン脂肪酸エステル、ヘキサグリセリ
ン脂肪酸エステル、ヘプタグリセリン脂肪酸エステル、
セスキグリセリン脂肪酸エステル、デカグリセリン脂肪
酸エステル等が挙げられる。本発明の使用されるポリグ
リセリン脂肪酸エステル中の脂肪酸としては、例えば、
ステアリン酸、イソステアリン酸、セトステアリン酸、
オレイン酸、ラウリン酸、カプリル酸、イソオクタン
酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ミリスチン酸、
ベヘン酸、リシノール酸、リノレイン酸、リノール酸、
ヘキサン酸、カプロン酸、ヘプタン酸、エナント酸、オ
クタン酸、ノナン酸、ペラルゴン酸、デカン酸、カプリ
ン酸、ウンデカン酸、ウンデセン酸、ウンデシレン酸、
ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデ
カン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、マルガリン
酸、オクタデカン酸等の飽和および不飽和の脂肪酸、ク
エン酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、乳酸等が挙げら
れ、この中でも、ステアリン酸、イソステアリン酸、オ
レイン酸、ラウリン酸が好ましい。具体的に好ましいポ
リグリセリン脂肪酸エステルとしては、本発明の効果を
達成するものであれば特に限定されないが、例えば、モ
ノステアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸テトラ
グリセリル、モノステアリン酸ヘキサグリセリル、モノ
ステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸ジグリセ
リル、モノオレイン酸テトラグリセリル、モノオレイン
酸ヘキサグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、
モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノイソステアリ
ン酸デカグリセリル、モノラウリン酸テトラグリセリ
ル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸
デカグリセリル、モノミリスチン酸ヘキサグリセリル、
モノミリスチン酸デカグリセリル、モノリノール酸デカ
グリセリル、モノカプリル酸デカグリセリル、ジステア
リン酸デカグリセリル、ジオレイン酸ジグリセリル、ジ
オレイン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸デカグ
リセリル、トリステアリン酸テトラグリセリル、トリス
テアリン酸ヘキサグリセリル、トリステアリン酸デカグ
リセリル、トリオレイン酸デカグリセリル、トリイソス
テアリン酸デカグリセリル、ペンタステアリン酸テトラ
グリセリル、ペンタステアリン酸ヘキサグリセリル、ペ
ンタステアリン酸デカグリセリル、ペンタオレイン酸テ
トラグリセリル、ペンタオレイン酸ヘキサグリセリル、
ペンタオレイン酸デカグリセリル、ペンタイソステアリ
ン酸デカグリセリル、ヘプタベヘニン酸デカグリセリ
ル、ヘプタステアリン酸デカグリセリル、ヘプタオレイ
ン酸デカグリセリル、ヘプタイソステアリン酸デカグリ
セリル、デカステアリン酸デカグリセリル、デカオレイ
ン酸デカグリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセ
リル、セスキステアリン酸ヘキサグリセリル、セスキオ
レイン酸デカグリセリル、ポリリシノール酸ヘキサグリ
セリル、縮合リシノレイン酸ヘキサグリセリル、縮合リ
シノレイン酸テトラグリセリル、および縮合リシノレイ
ン酸ポリグリセリル等が挙げられる。この中で特に好ま
しくは、例えば、モノステアリン酸ジグリセリル、モノ
オレイン酸ジグリセリル、ジオレイン酸ジグリセリル、
モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノラウリン酸テ
トラグリセリル、縮合リシノレイン酸ヘキサグリセリ
ル、縮合リシノレイン酸テトラグリセリルおよび縮合リ
シノレイン酸ポリグリセリル等が挙げられる。特に好ま
しくは、オレイン酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エス
テルまたは縮合リシノレイン酸エステル、さらに好まし
くは、モノオレイン酸ジグリセリルおよび縮合リシノレ
イン酸ポリグリセリルである。縮合リシノレイン酸ポリ
グリセリル等の縮合リシノレイン酸エステルは、鉱物油
の一部に代えて植物油および/または動物油を使用した
際に、免疫増強効果を維持するために好ましい。好まし
くは、製剤全量に対して、モノオレイン酸ジグリセリル
1重量%〜8重量%および縮合リシノレイン酸ポリグリ
セリル1重量%〜8重量%含有させる。さらに好ましく
は、モノオレイン酸ジグリセリル2重量%〜5重量%お
よび縮合リシノレイン酸ポリグリセリル1重量%〜4重
量%含有させる。油性アジュバントワクチン製剤に対す
るポリグリセリン脂肪酸エステルの割合は、0.1〜3
0重量%、好ましくは、0.5〜20重量%または0.
5〜8重量%、より好ましくは、1.5〜8重量%、さ
らに好ましくは1.5〜6.5重量%である。なお、本
発明の油性アジュバントワクチン製剤には好ましくはエ
マルションの安定化等の目的から、ポリグリセリン脂肪
酸エステル以外の親油性界面活性剤を適切な量加えるこ
とができる。
【0016】本発明の非イオン性界面活性剤としては、
ポリオキシエチレン系界面活性剤、カルボン酸エステル
系界面活性剤、カルボン酸アミド系界面活性剤等が挙げ
られる。ポリオキシエチレン系界面活性剤としては、本
発明の効果を達成するものであれば特に限定されない
が、例えばポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステ
ル(例、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(5)グ
リセリル、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(1
5)グリセリル、モノオレイン酸ポリオキシエチレン
(5)グリセリル、モノオレイン酸ポリオキシエチレン
(15)グリセリル等)、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル(例、モノラウリン酸ポリオキシエチ
レン(20)ソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシ
エチレン(20)ソルビタン、モノステアリン酸ポリオ
キシエチレン(20)ソルビタン、トリステアリン酸ポ
リオキシエチレン(20)ソルビタン、モノステアリン
酸ポリオキシエチレン(6)ソルビタン、モノオレイン
酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、トリオレイ
ン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノオレ
イン酸ポリオキシエチレン(6)ソルビタン、モノイソ
ステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン
等)、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル
(例、モノラウリン酸ポリオキシエチレン(6)ソルビ
ット、ヘキサステアリン酸ポリオキシエチレン(6)ソ
ルビット、テトラステアリン酸ポリオキシエチレン(6
0)ソルビット、テトラオレイン酸ポリオキシエチレン
(6)ソルビット、テトラオレイン酸ポリオキシエチレ
ン(30)ソルビット、テトラオレイン酸ポリオキシエ
チレン(40)ソルビット、テトラオレイン酸ポリオキ
シエチレン(60)ソルビット等)、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル(例、ポリオキシエチレン(2)ラ
ウリルエーテル、ポリオキシエチレン(4.2)ラウリ
ルエーテル、ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテ
ル、ポリオキシエチレン(21)ラウリルエーテル、ポ
リオキシエチレン(25)ラウリルエーテル、ポリオキ
シエチレン(2)セチルエーテル、ポリオキシエチレン
(5.5)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(7)
セチルエーテル、ポリオキシエチレン(10)セチルエ
ーテル、ポリオキシエチレン(15)セチルエーテル、
ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル、ポリオキ
シエチレン(23)セチルエーテル、ポリオキシエチレ
ン(25)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(3
0)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(40)セチ
ルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエー
テル、ポリオキシエチレン(4)ステアリルエーテル、
ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル、ポリ
オキシエチレン(2)オレイルエーテル、ポリオキシエ
チレン(7)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン
(10)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(1
5)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(20)オ
レイルエーテル、ポリオキシエチレン(50)オレイル
エーテル、ポリオキシエチレン(5)ベヘニルエーテ
ル、ポリオキシエチレン(10)ベヘニルエーテル、ポ
リオキシエチレン(20)ベヘニルエーテル、ポリオキ
シエチレン(30)ベヘニルエーテル、ポリオキシエチ
レン(2)合成アルキルエーテル、ポリオキシエチレン
(4)合成アルキルエーテル、ポリオキシエチレン(1
0)合成アルキルエーテル、ポリオキシエチレン(3)
2級アルキルエーテル、ポリオキシエチレン(5)2級
アルキルエーテル、ポリオキシエチレン(7)2級アル
キルエーテル、ポリオキシエチレン(9)2級アルキル
エーテル、ポリオキシエチレン(12)2級アルキルエ
ーテル等)、ポリオキシエチレンフィトステロール
(例、ポリオキシエチレン(5)フィトステロール、ポ
リオキシエチレン(10)フィトステロール、ポリオキ
シエチレン(20)フィトステロール、ポリオキシエチ
レン(30)フィトステロール等)、ポリオキシエチレ
ンフィトスタノール(例、ポリオキシエチレン(25)
フィトスタノール等)、ポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレンアルキルエーテル(例、ポリオキシエチレン
(1)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル、ポ
リオキシエチレン(10)ポリオキシプロピレン(4)
セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキ
シプロピレン(4)セチルエーテル、ポリオキシエチレ
ン(1)ポリオキシプロピレン(8)セチルエーテル、
ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン
(8)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(12)ポ
リオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテ
ル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン
(6)デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレ
ン(30)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデ
シルエーテル等)、ポリオキシエチレンアルキルフェノ
ールエーテル(例、ポリオキシエチレン(2)ノニルフ
ェノールエーテル、ポリオキシエチレン(5)ノニルフ
ェノールエーテル、ポリオキシエチレン(7.5)ノニ
ルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン(10)ノ
ニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン(15)
ノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン(1
8)ノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン
(20)ノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレ
ン(3)オクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチ
レン(10)オクチルフェノールエーテル、ポリオキシ
エチレン(30)オクチルフェノールエーテル等)等が
好ましい。より好ましくは、ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステルであり、例えば、モノオレイン酸ポ
リオキシエチレン(20)ソルビタンである。さらに本
発明をより良く達成するための具体的なポリオキシエチ
レン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンヒマシ
油脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ
油脂肪酸エステル以外のポリオキシエチレン系界面活性
剤が好ましい。
【0017】ポリオキシエチレン系界面活性剤以外で本
発明に使用される非イオン性界面活性剤としては、例え
ば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エス
テル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール
脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル
の1種または2種以上の組合せが好ましい。ソルビタン
脂肪酸エステルとしては、本発明の効果を達成するもの
であれば特に限定されないが、例えば、モノラウリン酸
ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステア
リン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、ト
リステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタ
ン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソル
ビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキイソ
ステアリン酸ソルビタン等が挙げられる。グリセリン脂
肪酸エステルとしては、本発明の効果を達成するもので
あれば特に限定されないが、例えば、モノミリスチン酸
グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイ
ン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、ジ
ステアリン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル等が
挙げられる。ショ糖脂肪酸エステルとしては、本発明の
効果を達成するものであれば特に限定されないが、例え
ば、ショ糖モノパルミテート、ショ糖モノステアレート
等が挙げられる。ポリエチレングリコール脂肪酸エステ
ルとしては、本発明の効果を達成するものであれば特に
限定されないが、例えば、モノラウリン酸ポリエチレン
グリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコー
ル、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステ
アリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレン
グリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、
ジオレイン酸ポリエチレングリコール、ジイソステアリ
ン酸ポリエチレングリコール等が挙げられる。プロピレ
ングリコール脂肪酸エステルとしては、例えば、モノス
テアリン酸プロピレングリコール等が挙げられる。油性
アジュバントワクチン製剤に対する非イオン性界面活性
剤の割合は、0.1%〜30重量%、好ましくは、0.
5〜20重量%、さらに好ましくは0.5〜8重量%で
ある。
【0018】本発明に使用される抗原としては、細菌ま
たはウイルスであれば全て用いることができるが、例え
ば、生もしくは不活化された細菌および/またはウイル
ス、特に、家禽・家畜用(例、牛、鶏、豚等)抗原、愛
玩動物(例、犬、猫等)用抗原が好ましい。本発明に使
用される抗原を列挙すると、例えば鶏伝染性コリーザ
(IC)、ニューカッスル病ウイルス(NDV)、鶏伝
染性気管支炎ウイルス(IBV)、百日咳菌、ブルセラ
菌、サルモネラ菌(腸チフス菌、パラチフス菌)、ブタ
流産菌、コレラ、クローストリジアル抗原、ボツリヌス
中毒症、連鎖球菌、球菌レプトスピラ、ヘモフィルス
菌、ポルデテラ菌、大腸菌、伝染性咽頭気管炎ウイル
ス、日本脳炎ウイルス、伝染性鼻気管炎ウイルス、伝染
性肝炎ウイルス、汎白血球減少症、腺パパタチ熱ウイル
ス、狂犬病ウイルス、灰白髄炎ウイルス、はしかウイル
ス、アデノウイルス、鷲口そうウイルス、牛疫ウイル
ス、牛胸膜肺炎菌、東洋型鶏ペスト、鴨ペスト、鶏白血
症、伝染性上皮腫、羊痘、破傷風、ジフテリア等が例示
される。これらを目的に応じて、適宜1種類以上選択し
て用いればよい。ICとしては例えば221株(Avian Disea
ses 33(3),511-515,1989:家衛試研究報告 45号,21-26,
1962)などが挙げられる。IC 221株は、東京都国分寺市
戸倉1-15-1にある農林水産省動物用医薬品検査所、およ
び東京都千代田区神田美倉町11(寿楽ビル内)にある社
団法人動物用生物学的製剤協会に保管されている。ND
Vとしては、例えば佐藤株(Avian Diseases 23(4),979
-982,1979)や石井株(鶏病研究会報第17巻第1号,28
-33,1981年4月)が挙げられる。NDV佐藤株は、IC
221株と同様農林水産省動物用医薬品検査所に保管さ
れている。NDV石井株は、茨城県筑波郡谷田部観音台
3−1−1にある農林水産省家畜衛生試験場に保管され
ている。IBVとしては、例えば、Beaudette 42株(Jp
n.J. Vet. Sci. 45(6), 767-774, 1983)が挙げられ
る。IBVBeaudette 42株は、NDV石井株と同様農林
水産省家畜衛生試験場に保管されている。これらの株を
単独で用いて各々の単味ワクチン製剤とすることも可能
であるし、2種以上の株を混合して用い多価混合ワクチ
ンとすることも可能である。好ましくは、
【0019】本発明に使用する鉱物油としては、流動パ
ラフィン(例、カーネーション、クレアロール、ハイコ
ールK-140、ハイコールK-140A、ハイコールK-160、流動
パラフィンN0.40S、クリストール52、クリストール72、
ペイオールF、ドラケオール6-VR、マルコール等(全て
商品名))、パラフィンワックス、ワセリン、オレフィ
ンオリゴマー等が挙げられる。好ましくは、製剤全量に
対して、10重量%〜40重量%含有させる。また、本
発明にさらに含有させうる油としては、植物油、動物油
および脂肪酸エステル等が挙げられる。植物油として
は、ピーナッツ油、ヒマワリ種子油、ア−モンド油、ホ
ホバ油、落花生油、ヤシ油、パーム油、紅花油、ククイ
油、麦芽油、葡萄種子油、ナタネ油、コーン油、オリー
ブ油、綿実油、アボガド油、ツバキ油、トウモロコシ
油、小麦胚芽油、コメヌカ油、カカオ脂、ゴマ油、月見
草油、サザンカ油等が挙げられる。動物油としては、例
えば、スクワラン、スクワレン、ラノリン、ミツロウ、
ミンク油、卵黄油、タートル油、プリスタン等が挙げら
れる。脂肪酸エステルとしては、例えば、ステアリン酸
ブチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸オクチルドデ
シル、オレイン酸オレイル、オクタン酸イソステアリ
ル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミ
リスチン酸オクチルドデシル、ジオクタン酸ネオペンチ
ルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、
パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピ
ル、セバチン酸ジイソプロピル等が挙げられる。これら
を単独あるいは組み合わせて用いる。好ましくは、製剤
全量に対して、5重量%〜35重量%含有させる。油性
アジュバントワクチン製剤に対する油性成分の割合は、
0.1%〜90重量%、好ましくは、1〜70重量%で
ある。
【0020】さらに、本発明においてはアジュバント
(鉱物油)以外に免疫活性増強補助剤として機能しうる
ものを添加することも可能である。例えば、有機系のキ
サンタンガム、グアーゴム、ランザンガム、アラビアゴ
ム、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリビ
ニルピロリドン、アルギン酸塩、ゼラチン、メチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、さらに、無機系のモンモリロナイト、
水酸化アルミニウム、ミョウバン、ラジオライト、ホワ
イトカーボンから選択される1種類以上が挙げられる。
【0021】なお、本発明のワクチン製剤の調製に際し
ては、前記添加剤の他、さらに陰イオン性界面活性剤を
添加しても良く、また適宜、pH調整剤、等張化剤、薬理
活性成分、防腐剤等の公知の添加剤を、本発明の目的が
阻害されない程度に適宜選択して配合することができ
る。これらの成分は、油相中、水相中のいずれに配合し
てもよい。
【0022】上記の陰イオン性界面活性剤としては、カ
ルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩およびリン
酸エステル塩等が挙げられる。カルボン酸塩としては、
例えば、ポリアルコキシカルボキシラート、N−アシル
ザルコシナート、ステアリン酸アルミニウム等が挙げら
れる。スルホン酸塩としては、例えば、アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩、アルキルアレーンスルホン酸塩、短鎖
リグノスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、α−オ
レフィンスルホン酸塩、石油スルホン酸塩等が挙げられ
る。硫酸エステル塩としては、例えば、硫酸化アルコー
ル、硫酸化アルコールエトキシラート、ラウリル硫酸ナ
トリウム、硫酸化脂肪酸、硫酸化油等が挙げられる。リ
ン酸エステル塩としては、例えば、リン酸モノエステ
ル、リン酸ジエステル等が挙げられる。上記のpH調整剤
としては、例えば、緩衝液等が挙げられる。上記の薬理
活性成分としては、例えば、インドメタシン、ブフェキ
サマック、ケトプロフェン、デキサメタゾン、トルナフ
テート、酢酸dl−α−トコフェロール、アズレン、メ
ントール、dl−カンフル、ビタミン類、グリチルリチ
ン酸類等が挙げられる。上記の防腐剤としては、パラオ
キシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラ
オキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、
安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウ
ム、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0023】油性アジュバントワクチン製剤における
「アジュバント」とは体液または細胞での免疫応答レベ
ルを大きくし、応答期間を長くするものである。従っ
て、アジュバントを用いることによって注射の回数およ
びワクチンに含まれる抗原量を減らすことができ、ワク
チンの接種コストを低く維持することができる。
【0024】接種反応(局所反応)とは、ワクチン接種
位置に引き起こされる局部的な反応をいい、例えば、無
菌化膿巣や肉芽腫の形成、外面的には観察される浮腫、
腫脹、硬結、壊死等の反応をいう。なお、本発明の油性
アジュバントワクチン製剤は注射による投与に望まし
く、例えば筋肉内注射である。
【0025】特に、免疫増強効果、製剤安定性および接
種反応軽減効果を考慮すると、本発明の油性アジュバン
トワクチン製剤のうち、(1)ポリグリセリン脂肪酸エ
ステルと親水性界面活性剤を合わせて全体の2〜15重
量%、好ましくは2〜8重量%含有し、および/または
(2)ポリグリセリン脂肪酸エステル/親水性界面活性
剤の配合重量比が、油相全量/外水相全量の構成重量比
に対して0.8〜2.5になる水中油中水型油性アジュ
バントワクチン製剤が好ましい。即ち、次の式を満たす
ものである(式中の配合量はすべて重量%により算出す
るものである)。
【数1】 上記の配合比は、特に、単味ワクチン製剤(抗原が1
つ、好ましくはIC)で好ましい。その好ましい配合例
を表1に示す。なお、表中の数字は重量%を示す。
【表1】
【0026】以下の油性アジュバントワクチン製剤の調
製法において抗原液とは、通常、媒体中に抗原を約108
個/mL含有するものを意味するが、使用目的に応じて適
宜緩衝液を加える等して使用される。
【0027】本発明の油性アジュバントワクチン製剤の
調製方法としては、例えば、油、乳化剤および抗原を含
有する水相により構成される油中水型エマルションをま
ず調製する。このエマルションはたとえば次のような方
法で調製することができる。まず、油と界面活性剤を混
合溶解し、その液を濾過滅菌する。別に、先に調製した
抗原液、水、および前記活性増強補助剤を混合した液を
調製し、先の油成分中に徐々に加え、攪拌する。その
後、温度を25℃以下に保ちながらホモジナイズし、油中
水型エマルションを得る。水としてはリン酸緩衝液 (p
H)、生理食塩水あるいは精製水等が使用される。
【0028】本発明の油性アジュバントワクチン製剤
は、前記の油中水型エマルションからなる内相と、親水
性界面活性剤を含有する外水相とで構成される水中油中
水型の油性アジュバントワクチン製剤であり、例えば、
油と親油性界面活性剤を混合し、次に抗原液を添加し乳
化した後に、非イオン性界面活性剤を含む液に乳化する
等して調製される。
【0029】
【発明の実施の形態】
【0030】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明す
るが、本発明は実施例によりなんら限定されるものでは
ない。 (抗原液の調製)抗原として、鶏伝染性コリーザのA型H
pg 221株(以下、本明細書中でIC-Aと略記す、以下同
様)およびC型Hpg S1株(IC-C)、ニューカッスル病ウ
イルス佐藤株(ND)、鶏伝染性気管支炎ウイルスのBeau
dette 42株(IB)を用いて、抗原液を調製した。 (調製方法) (IC−AとIC−C)IC A型Hpg 221株およびC型Hpg
S1株をそれぞれ0.5%鶏血清加鶏肉汁培地で18時間培養し
培養菌液とした。これにホルマリン(日本薬局方)を0.2%
添加し、4℃で2日間不活化感作した培養菌液を連続遠心
後、菌体をリン酸緩衝液で浮遊し660nmの波長でOD値が
0.8にしたものを10倍濃縮しA型Hpg 221株およびC型Hpg
S1株の抗原とした。 (ND)NDV佐藤株を10日齢発育鶏卵の尿膜腔内に
104.0EID50/Eggを接種し、36.5℃で2日
間培養し、感染尿膜腔液を採取した。これにホルマリン
(日本薬局方)を2%添加し、4℃で6日間不活化感作
したものをウイルス抗原とした。このウイルス抗原の不
活化前ウイルス感染価は109.0EID50/mlであっ
た。 (IB)IBVのBeaudette 42株を10日齢発育鶏卵の
尿膜腔内に104.0EID50/Eggを接種し、36.
5℃で2日間培養し、感染尿膜腔液を採取した。これに
ホルマリン(日本薬局方)を1%添加し、4℃で3日間
不活化感作したものをウイルス抗原とした。このウイル
ス抗原の不活化前ウイルス感染価は107.5EID50
mlであった。
【0031】これら抗原液の製剤中の配合量としては、
IC−Aの場合、0.5〜4%(より好ましくは1.0
〜2.5%)、IC−Cの場合、0.5〜4%(より好
ましくは1.0〜2.5%)、NDの場合、2.0〜1
6%(より好ましくは4.0〜10%)、IBの場合、
10〜30%(より好ましくは15〜25%)が好まし
い。4種混合ワクチンとして、IC−Aを0.5〜4%
(より好ましくは1.0〜2.5%)、IC−Cを0.
5〜4%(より好ましくは1.0〜2.5%)、NDを
2.0〜16%(より好ましくは4.0〜10%)、I
Bを10〜30%(より好ましくは15〜25%)含有
する本発明の油性アジュバントワクチン製剤が好まし
い。
【0032】以下、本発明の油性アジュバントワクチン
製剤の好ましい配合例を表2〜13に示す。これらの表
中の数字は重量%を示す。
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【0033】(実施例1)鉱物油として、流動パラフィ
ン〔エッソ(株)製「クリストール52」〕35部を用い、
この油に、モノオレイン酸ジグリセリル〔日光ケミカル
ズ製「DGMO-C」〕5部を加えて十分に混合した後、これ
に抗原を含有する水相(リン酸緩衝液)30部を徐々に加
え、25℃以下にて、ウルトラソニックディスラプター
(ULTRASONICDISRUPTOR[TOMY SEIKO CO.,LTD.製UR-200
P〕]を用いて、160Wで1分間乳化して、油中水型油性ア
ジュバントワクチンを調製した。次に界面活性剤とし
て、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン
〔花王(株)製「TW-O120」〕2部をリン酸緩衝液28部に
加えて均一に分散させた後、これを攪拌しながら、上記
の油中水型オイルアジュバント70部を徐々に加え、25℃
以下にて前記ウルトラソニックディスラプターを用い
て、160Wで1分間乳化して、水中油中水型油性アジュバ
ントワクチン製剤を調製した。以下、同様にして、表1
4〜表16の実施例2〜12(実2〜12)に記載の配
合割合に応じて、水中油中水型油性アジュバントワクチ
ン製剤を調製した。
【表14】
【表15】
【表16】
【0034】(比較例1)鉱物油として、流動パラフィ
ン〔エッソ(株)製「クリストール52」〕35部を用い、
この油に、セスキオレイン酸ソルビタン〔花王(株)製
「AO-15」〕5部を加えて十分に混合した後、これに抗原
を含有する水相(リン酸緩衝液)30部を徐々に加え、以
下、実施例1と同様に乳化して、油中水型オイルアジュ
バントワクチンを調製した。次に界面活性剤として、モ
ノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン〔花王
(株)製「TW-O120」〕2部をリン酸緩衝液28部に加えて
均一に分散させた後、これを攪拌しながら、上記の油中
水型油性アジュバント70部を徐々に加え、温度を25℃以
下に保ちながら、前記ウルトラソニックディスラプター
を用いて、160Wで1分間乳化して、水中油中水型油性ア
ジュバントワクチン製剤を調製した。以下、同様にし
て、表17の比較例2〜7(比2〜7)に記載の配合割
合に応じて、水中油中水型または油中水型の油性アジュ
バントワクチン製剤を調製した。なお、表14〜17に
使用された各配合成分の詳細な種類・販売会社・メーカ
等は以下の通りである。セスキオレイン酸ソルビタン精
製品〔日光ケミカルズ(株)製「SO-15R」〕、ポリオキ
シエチレン(10)硬化ヒマシ油〔日光ケミカルズ
(株)製「HCO10」〕、ポリオキシエチレン(40)硬
化ヒマシ油〔日光ケミカルズ(株)製「HCO40」〕、モ
ノオレイン酸マンナイド〔ナカライテスク(株)製「ア
ラセルA」〕、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エス
テル〔坂本薬品工業(株)製「CRS-75」〕、スクワレン
〔スクワテックKK製「スーパースクワレン」〕、トウモ
ロコシ油〔ナカライテスク社製「試薬特級」〕。
【表17】
【0035】(生物試験)免疫群としてSPF鶏群由来30
日齢鶏5羽または10羽に1羽当たり本発明の油性アジュバ
ントワクチン製剤の実施例および、比較例の0.5mlを右
下腿部筋肉内に注射した。また、これらに対して5羽ま
たは10羽の非免疫同居対照群をおいた。注射後4週およ
び6週目、または10週目に注射局所を含む臨床症状を観
察し、腫脹・硬結の程度により病変スコア(無;0〜重;3)
をつけ、各群5羽または10羽の平均を求めると共に、経
時的に血清を採取し、その血清についてIC A型Hpg 221
株に対する赤血球凝集抑制(HI)抗体価を測定し推移を
観察した。注射後6週目または12週目に各群5羽または10
羽について注射局所の剖検を行い、チーズ様物質および
肉芽の程度・分布により病変スコア(無;0〜重;3)を
つけ、各群の平均を求めた。
【0036】安全性の結果については、表18〜表21
に示した通りである。例えば表18においては、比較例
1では、注射後2週目より腫脹・硬結が観察されその程
度は中〜重度であった。それに対し、実施例1では、比
較例1と同様に注射後2週目より腫脹・硬結が観察され
たが、その程度は軽〜中度で回復も早かった。注射後12
週における剖検では、実施例1では10羽中2羽に軽度の
硬結・チーズ様物質が認められた以外は他に病変を認め
なかった。比較例1では10羽中8羽に軽度の硬結・チー
ズ様物質が認められると共に、10羽中2羽に中度の肉芽
組織の増生が認められた。次に表19においては、比較
例3、4、6のHI抗体価が極端に低い点(表17参
照)、また実施例9〜12はHI抗体価が比較的高い点
に配慮すれば(表16参照)、バランスからみて本発明
の油性アジュバントワクチン製剤では接種反応の軽減が
されていることが分かる。
【表18】
【表19】
【表20】
【表21】 表中、左欄の分数は、分母が剖検羽数で分子が陽性羽数
であることを示し、右欄は病変スコアをしめす。
【0037】有効性についての成績は、表14、表17
および表22にまとめた通りである。免疫群と比較免疫
群の成績を比較するとき、両者間に差は見られず同等と
考えられた。なお、鉱物油の一部を植物油に代えた実施
例2、実施例3および比較例6では免疫増強効果が極端
に低下するが、縮合リシノレイン酸ポリグリセリルを配
合することにより当初(実施例1)と同程度もしくは、
当初よりも増すことが認められる(実施例4)。以上の
成績は、本発明の油性アジュバントワクチン製剤が、高
い免疫効果を保持する点と局所反応性(接種反応)を軽
減される点の双方の総合的な観点から考慮して優れてい
ることを証明するものである。
【表22】
【0038】(製剤安定性試験)本発明の油性アジュバ
ントワクチン製剤実施例1と比較例1を4℃で保存し、2
週間後、4週間後、および12週間後の肉眼判定並びにレ
ーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所製)を用いた
エマルションの粒子径の測定および電導度計(東亜電波
工業製)を用いた比電導度の測定を行い、以下の基準で
評価した。なお、12週間後のみ、その他の実施例およ
び比較例についても評価した。 ○:可逆的な下層分離が認められるものの、水中油中水
型の状態と粒子径に変化がほとんど認められない △:水中油中水型を保持しているが、粒子の合一が明ら
かに認められるもの ×:水中油中水型が保持されておらず、明らかに上層分
離が認められるもの 結果は、表14、表17および表23に示す。
【表23】 上記の結果は、本発明の油性アジュバントワクチン製剤
が製剤安定性において優れていることを示すものであ
る。
【0039】
【発明の効果】本発明により、鉱物油を配合した油性ア
ジュバントワクチン製剤においても、高い抗体産生力お
よび製剤安定性を維持したまま、接種反応が軽減され
た、筋肉内接種可能な油性アジュバントワクチンを調製
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 47/14 A61K 47/14 H

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親油性界面活性剤の主成分としてポリグ
    リセリン脂肪酸エステル1種または2種以上、および鉱
    物油を油相中に、抗原1種または2種以上を水相中に、
    親水性界面活性剤として非イオン性界面活性剤を外水相
    中に含有する水中油中水型エマルションであることを特
    徴とする油性アジュバントワクチン製剤。
  2. 【請求項2】 抗原1種または2種以上を内水相中に含
    有する請求項1記載の油性アジュバントワクチン製剤。
  3. 【請求項3】 ポリグリセリン脂肪酸エステルが、ジグ
    リセリン脂肪酸エステル、トリグリセリン脂肪酸エステ
    ル、テトラグリセリン脂肪酸エステル、ペンタグリセリ
    ン脂肪酸エステル、ヘキサグリセリン脂肪酸エステル、
    ヘプタグリセリン脂肪酸エステル、セスキグリセリン脂
    肪酸エステルまたはデカグリセリン脂肪酸エステルであ
    る請求項1記載の油性アジュバントワクチン製剤。
  4. 【請求項4】 親油性界面活性剤の主成分であるポリグ
    リセリン脂肪酸エステルのHLBが9以下である請求項1
    記載の油性アジュバントワクチン製剤。
  5. 【請求項5】 ポリグリセリン脂肪酸エステル中の脂肪
    酸が、ステアリン酸、イソステアリン酸、セトステアリ
    ン酸、オレイン酸、ラウリン酸、カプリル酸、イソオク
    タン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ミリスチン
    酸、ベヘン酸、リノレイン酸、リノール酸、ヘキサン
    酸、カプロン酸、ヘプタン酸、エナント酸、オクタン
    酸、ノナン酸、ペラルゴン酸、デカン酸、カプリン酸、
    ウンデカン酸、ウンデセン酸、ウンデシレン酸、ドデカ
    ン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン
    酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、マルガリン酸、
    オクタデカン酸、リシノール酸または縮合リシノレイン
    酸である請求項1記載の油性アジュバントワクチン製
    剤。
  6. 【請求項6】 ポリグリセリン脂肪酸エステルが、モノ
    ステアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸テトラグ
    リセリル、モノステアリン酸ヘキサグリセリル、モノス
    テアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリ
    ル、モノオレイン酸テトラグリセリル、モノオレイン酸
    ヘキサグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モ
    ノイソステアリン酸ジグリセリル、モノイソステアリン
    酸デカグリセリル、モノラウリン酸テトラグリセリル、
    モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸デカ
    グリセリル、モノミリスチン酸ヘキサグリセリル、モノ
    ミリスチン酸デカグリセリル、モノリノール酸デカグリ
    セリル、モノカプリル酸デカグリセリル、ジステアリン
    酸デカグリセリル、ジオレイン酸ジグリセリル、ジオレ
    イン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセ
    リル、トリステアリン酸テトラグリセリル、トリステア
    リン酸ヘキサグリセリル、トリステアリン酸デカグリセ
    リル、トリオレイン酸デカグリセリル、トリイソステア
    リン酸デカグリセリル、ペンタステアリン酸テトラグリ
    セリル、ペンタステアリン酸ヘキサグリセリル、ペンタ
    ステアリン酸デカグリセリル、ペンタオレイン酸テトラ
    グリセリル、ペンタオレイン酸ヘキサグリセリル、ペン
    タオレイン酸デカグリセリル、ペンタイソステアリン酸
    デカグリセリル、ヘプタベヘニン酸デカグリセリル、ヘ
    プタステアリン酸デカグリセリル、ヘプタオレイン酸デ
    カグリセリル、ヘプタイソステアリン酸デカグリセリ
    ル、デカステアリン酸デカグリセリル、デカオレイン酸
    デカグリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリ
    ル、セスキステアリン酸ヘキサグリセリル、セスキオレ
    イン酸デカグリセリル、ポリリシノールヘキサグリセリ
    ル、縮合リシノレイン酸ヘキサグリセリル、縮合リシノ
    レイン酸テトラグリセリル、および縮合リシノレイン酸
    ポリグリセリルからなる群より選択される1種または2
    種以上である請求項1記載の油性アジュバントワクチン
    製剤。
  7. 【請求項7】 ポリグリセリン脂肪酸エステルが、2種
    以上である請求項1〜6のいずれかに記載の油性アジュ
    バントワクチン製剤。
  8. 【請求項8】 ポリグリセリン脂肪酸エステルを0.1
    重量%〜30重量%含有する請求項1〜7のいずれかに
    記載の油性アジュバントワクチン製剤。
  9. 【請求項9】 ポリグリセリン脂肪酸エステルを0.5
    重量%〜8重量%含有する請求項1〜7のいずれかに記
    載の油性アジュバントワクチン製剤。
  10. 【請求項10】 ポリグリセリン脂肪酸エステルの1種
    が、オレイン酸エステルまたはジグリセリン脂肪酸エス
    テルである請求項1〜9のいずれかに記載の油性アジュ
    バントワクチン製剤。
  11. 【請求項11】 ポリグリセリン脂肪酸エステルの1種
    が、モノオレイン酸ジグリセリルである請求項1〜10
    のいずれかに記載の油性アジュバントワクチン製剤。
  12. 【請求項12】 ポリグリセリン脂肪酸エステルの1種
    が、縮合リシノレイン酸ヘキサグリセリル、縮合リシノ
    レイン酸テトラグリセリル、または縮合リシノレイン酸
    ポリグリセリルである請求項1〜11のいずれかに記載
    の油性アジュバントワクチン製剤。
  13. 【請求項13】 ポリグリセリン脂肪酸エステルの1種
    が、縮合リシノレイン酸ポリグリセリルである請求項1
    〜12のいずれかに記載の油性アジュバントワクチン製
    剤。
  14. 【請求項14】 ポリグリセリン脂肪酸エステルが、モ
    ノオレイン酸ジグリセリルおよび縮合リシノレイン酸ポ
    リグリセリルである請求項1〜13のいずれかに記載の
    油性アジュバントワクチン製剤。
  15. 【請求項15】 モノオレイン酸ジグリセリル1〜8重
    量%および縮合リシノレイン酸ポリグリセリル1〜8重
    量%含有する請求項14記載の油性アジュバントワクチ
    ン製剤。
  16. 【請求項16】 非イオン性界面活性剤が、ポリオキシ
    エチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルおよびポリオキシ
    エチレンヒマシ油脂肪酸エステル以外の非イオン性界面
    活性剤である請求項1〜15のいずれかに記載の油性ア
    ジュバントワクチン製剤。
  17. 【請求項17】 非イオン性界面活性剤が、ポリオキシ
    エチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
    ンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソル
    ビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエ
    ーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオ
    キシエチレンフィトスタノール、ポリオキシエチレンポ
    リオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
    レンアルキルフェノールエーテル、ソルビタン脂肪酸エ
    ステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エス
    テル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルおよびプ
    ロピレングリコール脂肪酸エステルからなる群より選択
    される1種または2種以上である請求項1〜15のいず
    れかに記載の油性アジュバントワクチン製剤。
  18. 【請求項18】 非イオン性界面活性剤を0.1重量%
    〜30重量%含有する請求項1〜17のいずれかに記載
    の油性アジュバントワクチン製剤。
  19. 【請求項19】 非イオン性界面活性剤を0.5重量%
    〜8重量%含有する請求項1〜17のいずれかに記載の
    油性アジュバントワクチン製剤。
  20. 【請求項20】 非イオン性界面活性剤が、モノオレイ
    ン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタンである、請
    求項1〜19のいずれかに記載の油性アジュバントワク
    チン製剤。
  21. 【請求項21】 抗原が、生もしくは不活化された細菌
    および/またはウイルスである請求項1〜20のいずれ
    かに記載の油性アジュバントワクチン製剤。
  22. 【請求項22】 抗原が、家禽・家畜用抗原または愛玩
    動物用抗原である請求項1〜21のいずれかに記載の油
    性アジュバントワクチン製剤。
  23. 【請求項23】 抗原が、牛用抗原、鶏用抗原または豚
    用抗原である請求項1〜21のいずれかに記載の油性ア
    ジュバントワクチン製剤。
  24. 【請求項24】 抗原が、鶏伝染性コリーザ(IC)、
    ニューカッスル病ウイルス(NDV)、鶏伝染性気管支
    炎ウイルス(IBV)、百日咳菌、ブルセラ菌、サルモ
    ネラ菌(腸チフス菌、パラチフス菌)、ブタ流産菌、コ
    レラ、クローストリジアル抗原、ボツリヌス中毒症、連
    鎖球菌、球菌レプトスピラ、ヘモフィルス菌、ポルデテ
    ラ菌、大腸菌、伝染性咽頭気管炎ウイルス、日本脳炎ウ
    イルス、伝染性鼻気管炎ウイルス、伝染性肝炎ウイル
    ス、汎白血球減少症、腺パパタチ熱ウイルス、狂犬病ウ
    イルス、灰白髄炎ウイルス、はしかウイルス、アデノウ
    イルス、鷲口そうウイルス、牛疫ウイルス、牛胸膜肺炎
    菌、東洋型鶏ペスト、鴨ペスト、鶏白血症、伝染性上皮
    腫、羊痘、破傷風およびジフテリアからなる群より選択
    される1種または2種以上である請求項1〜21のいず
    れかに記載の油性アジュバントワクチン製剤。
  25. 【請求項25】 抗原が、鶏伝染性コリーザ(IC)、
    ニューカッスル病ウイルス(NDV)および鶏伝染性気
    管支炎ウイルス(IBV)からなる群より選択される1
    種または2種以上である、請求項1〜21のいずれかに
    記載の油性アジュバントワクチン製剤。
  26. 【請求項26】 抗原が、鶏伝染性コリーザ(IC)の
    みである、請求項1〜21のいずれかに記載の油性アジ
    ュバントワクチン製剤。
  27. 【請求項27】 生もしくは不活化された細菌および/
    またはウイルスを抗原として含む抗原液を、非イオン性
    界面活性剤で油中に乳化することを特徴とする請求項1
    〜26のいずれかに記載の油性アジュバントワクチン製
    剤。
  28. 【請求項28】 鉱物油が、流動パラフィン、パラフィ
    ンワックス、ワセリンおよびオレフィンオリゴマーから
    なる群より選択される1種または2種以上である、請求
    項1〜27のいずれかに記載の油性アジュバントワクチ
    ン製剤。
  29. 【請求項29】 鉱物油が、流動パラフィンである、請
    求項28に記載の油性アジュバントワクチン製剤。
  30. 【請求項30】 流動パラフィンを10〜40重量%含
    有する、請求項29に記載の油性アジュバントワクチン
    製剤。
  31. 【請求項31】 更に油相中に油を含有する請求項1〜
    30のいずれかに記載の油性アジュバントワクチン製
    剤。
  32. 【請求項32】 該油が、動物油、植物油および脂肪酸
    エステルからなる群より選ばれる1種又は2種以上であ
    る請求項31記載の油性アジュバントワクチン製剤。
  33. 【請求項33】 該油が動物油および/または植物油で
    ある請求項32記載の油性アジュバントワクチン製剤。
  34. 【請求項34】 動物油および/または植物油を5〜3
    5重量%含有する請求項33記載の油性アジュバントワ
    クチン製剤。
  35. 【請求項35】 更に免疫活性増強補助剤を含有する請
    求項1〜34のいずれかに記載の油性アジュバントワク
    チン製剤。
  36. 【請求項36】 油と親油性界面活性剤を混合し、次に
    抗原液を添加し乳化した後に、非イオン性界面活性剤を
    含む液に乳化して調製される、請求項1〜35のいずれ
    かに記載の油性アジュバントワクチン製剤。
  37. 【請求項37】 免疫活性を維持しつつ接種反応を軽減
    させ、かつ製剤安定性が高いことを特徴とする、請求項
    1〜36のいずれかに記載の油性アジュバントワクチン
    製剤。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003040765A (ja) * 2001-07-23 2003-02-13 Lion Corp W/o/w型複合エマルション
JP2005075752A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Nippon Inst For Biological Science 豚繁殖・呼吸障害症候群用ワクチン製剤
JP2017518338A (ja) * 2014-06-16 2017-07-06 バイオミューン・カンパニー 二重アジュバントワクチン組成物、調製及び使用
JP2021505558A (ja) * 2017-12-04 2021-02-18 インターベット インターナショナル ベー. フェー. レプリコン粒子および油性アジュバントによるワクチン接種

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