JPH0827028A - 油性アジュバント及びアルミニウムゲルアジュバントからなる動物用ワクチン製剤 - Google Patents

油性アジュバント及びアルミニウムゲルアジュバントからなる動物用ワクチン製剤

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JPH0827028A
JPH0827028A JP16944894A JP16944894A JPH0827028A JP H0827028 A JPH0827028 A JP H0827028A JP 16944894 A JP16944894 A JP 16944894A JP 16944894 A JP16944894 A JP 16944894A JP H0827028 A JPH0827028 A JP H0827028A
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adjuvant
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Takeshi Yagihashi
武 八木橋
Yoji Nagasawa
洋二 長澤
Shuichi Someno
修一 染野
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NIPPON SEIBUTSU KAGAKU KENKYUS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鶏伝染性コリーザ(IC)の原因菌であるヘ
モフィルス・パラガリナルム(Hpg)のC型菌に対す
る免疫初期の抗体産生に優れており、他の製剤に対する
抗体と同様にそれが長期間持続する鶏伝染性コリーザに
対するワクチン製剤を提供する。 【構成】 Hpg C型菌を不活化した抗原液を、親水
性油性アジュバント中に乳化した乳剤と、該抗原液をア
ルミニウムゲルアジュバントに吸着させた乳剤とを混合
してワクチン製剤とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不活化された細菌、細
菌由来抗原、ウイルスの少なくともいずれかを抗原とし
て含む動物用ワクチン製剤に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、免疫増強のために、細菌やウイルス
等の抗原を含む液に水酸化アルミニウムゲル、リン酸ア
ルミニウムゲル等のアジュバントを添加することが知ら
れている。
【0003】また近年、畜産業界、特に養鶏及び養豚業
界では、ワクチンの注射作業を省力化するために、各種
ワクチンの混合及び1回注射により長期の免疫持続性を
示す油性(オイル)アジュバントを添加することが行な
われ、このようなワクチン製剤として、界面活性剤と流
動パラフィンを併用した油性アジュバントを用いた動物
用ワクチン(特開昭63−35525号)、あるいは貯
蔵安定性や取扱性の改善を目的として抗原液に非イオン
性界面活性剤で油中に乳化させる油性アジュバントワク
チン製剤(特開平5−112466号)も提案されてい
る。
【0004】しかし、従来の油性アジュバントワクチン
は、生体内での長期の残留と高度の生体反応を伴って種
々の傷害を示すという問題がある。
【0005】そこでこのような問題を軽減するために、
例えば鶏では注射部位を頚部皮下等に限定する用法を必
要とし、そのためワクチン注射時の作業性が悪いという
問題を招いている。また、抗原の種類によっては、油性
アジュバントが免疫増強作用を示さない例もあり、例え
ばP.J.Blackallらは、この油性アジュバントにより免疫
増強作用が示されないものとして鶏伝染性コリーザの例
を報告している(G.G.Reid et al ,Avian Diseases 31,
59-63,1986)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように油性アジ
ュバントは、混合ワクチンの接種を可能とする点、ある
いは長期免疫持続等の点で有効なものであるが、反面に
おいて、上述した生体内での長期の残留や高い生体反応
の問題を避けるために、注射部位が限定されるなどの問
題を別に招く欠点があり、このような制約がなくて、十
分な安全性と有効性を有することができる油性アジュバ
ントが要望されているが、未だ適当な油性アジュバント
は提供されていない。
【0007】本発明者はこのような従来技術の状況か
ら、有効な長期免疫持続性を示すワクチン製剤。特に、
低粘度であるため注射剤として接種が容易なワクチン製
剤を提供することを目的として本発明を完成するに至っ
たものである。
【0008】また本発明の別の目的は、安定性に優れ、
長期に渡って保存が可能なワクチン製剤を提供すること
を目的とする。
【0009】本発明の更に別の目的は、注射局所におけ
る注射物質の残留及び肉芽腫形成が軽度であり、接種個
体に対する安全性の高いワクチン製剤を提供するところ
にある。
【0010】本発明の他の目的は、特に、鶏伝染性コリ
ーザ(IC)の原因菌であるヘモフィルス・パラガリナ
ルム(Hpg)のC型菌に対する免疫初期の抗体産生に
優れており、他の製剤に対する抗体と同様にそれが長期
間持続する鶏伝染性コリーザに対するワクチン製剤を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明より提供される動物用ワクチン製剤の特徴の
一つは、細菌由来抗原、ウィルスの少なくともいずれか
を抗原として含む抗原液を親水性油性アジュバント中に
乳化させた乳剤と、同上抗原液をアルミニウムゲルに吸
着させた乳剤と、を混合したという構成をなすところに
あり、特に、このワクチン製剤が豚あるいは鶏用のもの
であるところにある。
【0012】上記において用いられる親水性油性アジュ
バントとは、乳化剤とオイルを用いて構成されるもので
あり、乳化剤としては例えば脂肪酸と糖(ソルビトー
ル、マンニトール、ショ糖、ブドウ糖等)とのエステル
あるいはエーテル、脂肪酸とグリセロールまたはポリオ
ールとのエステルが用いられる。オイルとしては、例え
ばマルコール52(フランスESSO社製)ドラケオー
ル6VR(米国PENREKO社製)等の鉱油、ピーナ
ッツ油、オリーブ油、ゴマ油、大豆油、小麦麦芽油等の
植物油、スクアレン、スクアラン、鯨ろう油等の動物油
などを用いることができる。特に好ましいものとして、
オクタデセノ酸無水マンニトールエーテル10〜20%
と、流動パラフィン80〜90%を混合した親水性油性
アジュバントを代表的に挙げることができる。
【0013】油性アジュバントの抗原液量に対する添加
量は、一般的には25〜70%の範囲とされることがよ
い。
【0014】また上記において用いられるアルミニウム
ゲルは、水酸化アルミニウムゲル又はリン酸アルミニウ
ムゲルのいずれも用いてもよい。アルミニウムゲルアジ
ュバントの抗原液に対する添加量は、一般的にはアルミ
ニウム量として0.3〜2.0mg/mlとすることが
よい。
【0015】抗原液を油性アジュバント中に乳化させた
乳化剤と、抗原液をアルミニウムゲルアジュバントに吸
着させた乳剤との混合は、この数値に厳に限定されるも
のではないがそれぞれ50%とするのが好ましい場合が
多い。
【0016】本発明の対象となる抗原としては、細菌、
細菌由来の抗原、またはウィルスのいずれか一つあるい
はこれらから選択した複数のものを使用でき、例えば、
鶏感染症に対するワクチン製剤を例にすると、細菌とし
て鶏伝染性コリーザ(IC)の原因菌であるヘモフィル
ス・パラガリナルム(Hpg)、鶏マイコプラズマ症
(MG)のマイコプラズマ・ガリセプチカム(Mg)、
ウィルスとしてニューカッスル病ウィルス(NDV)、
鶏伝染性気管支炎ウィルス(IBV)、鶏伝染性ファブ
リキウス嚢病ウィルス(IBDV)などを挙げることが
できる。また、豚感染症に対するワクチン製剤として
は、豚伝性萎縮性鼻炎(AR)のボルデテラ・ブロンキ
セプチカ(Bb)及びパスツレラ・ムルトシダ(Pm)
の毒素(PMT)、豚マイコプラズマ肺炎(MPS)の
マイコプラズマ・ハイオニューモニエ(Mhp)、豚胸
膜肺炎のアクチノバシラス・プリゥロニュウモニエ(A
p)及びAp由来の毒素などを例に挙げることができ、
これらの抗原は、使用目的により1つの抗原に対するワ
クチン製剤として、或いは複数の抗原を混合した混合ワ
クチン製剤として用いることができる。
【0017】
【作用】本発明によれば、従来の油性アジュバントワク
チン製剤に比べ、安定性に優れまた高度の安全性と有効
性を保有する動物用ワクチン製剤を作り出すことができ
る。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて更に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0019】実施例1鶏IC(A・C型)・MG混合アジュバントワクチン製
(1)抗原液の調製 <IC> Hpg A型菌221株、及びC型菌G−1
株を、それぞれ液体培地で37℃、16〜24時間培養
した。両培養菌液に界面活性剤を添加して処理した後、
菌液を遠心して集菌した。沈殿菌を培養量の約1/20
〜1/100のリン酸緩衝食塩液(PBS)に均一に浮
遊した後、ホルマリンを0.1V/V%の割合に加え、
2〜5℃で7日間以上静置し、不活化したものを抗原液
とした。なお、ワクチンの調整時には、あらかじめ所定
の総菌数になる様に上記PBSで調整した。
【0020】<MG> Mg SAS株を液体倍地で3
7℃、2日間培養した。この培養菌液にホルマリンを
0.1V/V%の割合に加えて不活化した。不活化後、
この菌液を遠心して集菌した。得られた沈殿菌をPBS
に均一に浮遊した後、所定の総菌数になるようPBSで
濃度調整したものを抗原液とした。
【0021】(2)ワクチン製剤の調製 上記調整した抗原液を下記表1に示すように混合(数字
は容量%)した。混合にあたり各抗原液はあらかじめ2
5℃に加温し、HpgとMgの抗原を別々に油性アジュ
バント、アルミニウムゲルアジュバントと混合した後、
これらの両液を再混合した。撹拌時間はそれぞれ10分
間とした。
【0022】以上により実施例1のワクチン製剤は、H
pg抗原及びMg抗原とを含み、またアジュバントとし
て油性アジュバントとリン酸アルミニウムゲルアジュバ
ントを含むワクチン製剤として調製された。
【0023】また比較のために、上記両抗原を油性アジ
ュバント中に乳化させた比較例1のワクチン製剤を調製
した。
【0024】尚、油性アジュバントの添加量は、実施例
1では25%、比較例1では50%とし、実施例1のリ
ン酸アルミニウムゲルアジュバントの添加量は0.3m
g/mlとした。
【0025】
【表1】
【0026】(3)ワクチン製剤の特性 実施例1及び比較例1の各ワクチン製剤は、乳白色ない
し白色の不透明で均質な液体で、粘度及び電導度は表2
の通りであった。なお粘度はブルックフィールド社のL
VF型を用いて、温度20℃±0.1℃、回転数30r
pmの条件下で測定した。電導度はTOAのCM−30
ET型を用い、温度21.4°で測定した。結果を下記
表2に示した。
【0027】
【表2】
【0028】表2に示すように、実施例1のワクチン製
剤は6.4mPasと低粘度であり注射は極めて容易に
行えた。これに対し、比較例1のワクチン製剤は、粘度
が23.5mPasと高かった。
【0029】(4)ワクチン製剤の安定性 実施例1のワクチン製剤を2〜5℃の暗所に保存し、7
日,30日,90日,180日保存後の安定性を、肉眼
的観察による分離程度、粘度、電導度を指標に評価し
た。分離程度は以下により3段階評価した。結果を下記
表3に示した。
【0030】
【表3】
【0031】表3から分かるように、実施例1のワクチ
ン製剤は2〜5℃で180日間は安定であることが確認
された。
【0032】(5)ワクチン製剤の安全性及び有効性 (安全性)実施例1及び比較例1の各ワクチン製剤0.
5mlを、35日齢の鶏10羽ずつの下腿部筋肉内に注
射した。注射後28日間、臨床的異常を観察した。注射
部位の剖検は注射後42日目に行ない、注射物質の残留
及び肉芽組織形成を観察した。結果を下記表4に示し
た。
【0033】
【表4】
【0034】表4から分かるように、両ワクチン製剤を
注射した鶏にはいずれも臨床的異常を発現したものはな
かったが、42日目の注射部位の剖検では、実施例1の
注射物質の残留が比較例1に比べ明かに軽度であった。
【0035】(有効性)上記安全性を調べた鶏について
有効性を確認した。ICの免疫効果は注射後28日目の
HI抗体の測定で行った。MGについては同時期の攻撃
試験による14日後の気管の病理組織標本の観察により
判定した。結果を下記表5に示した。
【0036】
【表5】
【0037】表5から分かるように、実施例1のワクチ
ン製剤の免疫効果は高く、特にICのC型菌に対するH
I抗体の産生で、比較例1の製剤より有意に優れてるこ
とが認められた。MGについては両製剤とも良好な免疫
効果を認めた。
【0038】(6)免疫の持続性及び注射物の残留性 前項(5)記載の要領で両ワクチン製剤を30羽ずつに
免疫し、経時的に免疫の持続性と注射物の残留性を調べ
た。結果を下記表6及び7に示した。
【0039】
【表6】
【0040】
【表7】
【0041】これらの表から分かるように、両ワクチン
製剤の免疫の持続は、表6に示すように20週目迄は持
続していたが、実施例1の製剤は4週から8週目のIC
のC型HI抗体生産性において比較例1より優れてい
た。また注射物質の残留は表7に示すように、22週目
で20〜30%の鶏に残留が認められたが、実施例1は
比較例1より明らかに軽度であった。
【0042】実施例2鶏ND・IB2価・IC(A・C型)MG混合アジュバ
ントワクチン製剤 (1)抗原液の調製 <ND><IB> NDウィルス 石井株(NDV 石
井株)、IBウィルス石田および宮崎株(IBV 石田
株、IBV 宮崎株)を、それぞれ10〜12日齢の発
育鶏卵の尿膜腔内に注射し、1〜5日間感染増殖させ
た。これらの尿膜腔液にホルマリンを0.2V/V%の
割合に加え、37℃で1〜2日間不活化し、限外濾過に
よる濃縮またはPBSで希釈し所定のウィルス量に濃度
調整したものを抗原液とした。
【0043】<IC><MG> 実施例1と同一の方法
で抗原液を調製した。
【0044】(2)ワクチン製剤の調製 表8に示すように、各抗原液を実施例1と同様の方法で
混合(数字は容量%)した。
【0045】また比較のために、比較例1と同様にして
下記表8に示すように上記各抗原液を油性アジュバント
中に乳化させて比較例2のワクチン製剤を調製した。
【0046】
【表8】
【0047】(3),(4)ワクチン製剤の特性と安定
性 この実施例2のワクチン製剤の特性及び安定性に関する
成績は、実施例1で記載した成績と同様であった。
【0048】(5)ワクチン製剤の安全性及び有効性 (安全性)実施例2及び比較例2の各ワクチン製剤0.
5mlを、35日齢の鶏10羽ずつの下腿部筋肉に注射
した。注射後28日間、臨床的異常を観察した。注射部
位の剖検は注射後42日目に行ない、注射物質の残留及
び肉芽組織形成を観察した。結果を下記表9に示した。
【0049】
【表9】
【0050】表9から分かるように、両ワクチン製剤を
注射された鶏にはいずれも臨床的異常を現したものはな
かったが、42日目の注射部位の剖検では、実施例2の
注射物質の残留が比較例2に比べ明かに軽度であった。
【0051】(有効性)上記安全性を調べた鶏について
有効性を確認した。すなわち、注射後28日目の血清に
ついて、NDとICはHI抗体を、IBは中和抗体を測
定した。MGは同時期の攻撃試験による14日後の気管
の病理組織標本の観察により判定した。結果を下記表1
0に示した。
【0052】
【表10】
【0053】表10から分かるように,ICについては
実施例1と同様の成績が得られ、実施例2のワクチン製
剤は比較例2の製剤より有意に優れていた。
【0054】実施例3豚AR・MPS混合アジュバントワクチン製剤 (1)抗原液の調製 <AR> Bb N−40株を液体培地で37℃、18
〜24時間培養した。
【0055】この培養菌液にホルマリンを0.25V/
V%の割合に加えて不活化した。不活化後、この菌液を
遠心して集菌し、所定の総菌数になるようPBSで濃度
調整したものを抗原液とした。
【0056】PmG−7株を液体培地で37℃、通気撹
拌培養した。この培養菌液を遠心して集菌し、所定の総
菌数になるようPBSに再浮遊し、菌体を破砕処理し
た。処理後イオン交換クロマトグラフィ−により精製し
たものを所定の蛋白量になるようにPBSで濃度調整し
不活化後、抗原液とした。
【0057】<MPS> Mhp MI−3株を液体培
地で37°、2〜3日間培養した。
【0058】この培養菌液を集菌し、所定の総菌数にな
るようにPBSで濃度調整した菌液にホルマリンを0.
1V/V%の割合に加えて不活化したものを抗原液とし
た。 (2)ワクチン製剤の調製 表11に示すように上記抗原液を実施例1と同じ方法に
より混合(数字は容量%)した。
【0059】また比較のために、比較例1と同様にして
下記表11に示すように上記各抗原液を油性アジュバン
ト中に乳化させて比較例3のワクチン製剤を調製した。
【0060】
【表11】
【0061】(3),(4)ワクチン製剤の特性と安定
性 この実施例3のワクチン製剤の特性及び安定性に関する
成績は、実施例1で記載した成績と同様であった。
【0062】(5)ワクチン製剤の安全性と有効性 (安全性)実施例3と比較例3の両ワクチン製剤1ml
を、30日齢のブタ5頭ずつの頚部筋肉に3週間隔で2
回注射した。1回目注射後5週間、臨床的異常以上を観
察した。
【0063】また、1回目注射8週間後に注射部位を剖
検し、注射物質の残留及び肉芽組織形成を観察した。
【0064】これらの結果を下記表12に示した。
【0065】
【表12】
【0066】表12から分かるように、両ワクチン製剤
を注射されたブタにはいずれも臨床的異を発現したもの
はなかった。剖検時の注射物質の残留は両者に観察され
たが、その程度は実施例3は比較例3に比べ軽度であっ
た。
【0067】(有効性)上記安全性を調べた豚について
有効性を確認した。すなわち、ARの免疫効果は1回目
注射後5週目のBbに対する凝集(Agg)抗体とPM
T対するELISA抗体の測定で、MPSの免疫効果は
同時期の攻撃試験による3週後の肺病変の観察により判
定した。結果を下記表13に示した。
【0068】
【表13】
【0069】表13から分かるように、両ワクチン製剤
とも良好な免疫効果をみとめた。
【0070】(6)免疫の持続性及び注射物の残留性 前項(5)記載の要領で両ワクチン製剤を10頭ずつに
免疫し経時的に免疫の持続性と注射物の残留性を調べ
た。結果を下記表14及び15に示した。
【0071】
【表14】
【0072】
【表15】
【0073】免疫の持続は、表14に示すように両製剤
とも少なくとも8か月目まで持続していた。また、表1
5に示すように4か月目と8か月目の注射部位の剖検成
績は明らかに実施例3が比較例3より優れていることを
示していた。
【0074】実施例4豚胸膜肺炎多価アジュバントワクチン (1)抗原液の調製 <菌体> Apl型菌41−1株及び型菌SHP−1株
を液体培地で37℃、4〜10時間培養した。この培養
菌液にホルマリンを0.25V/V%の割合に加えて不
活化した。不活化後、この菌液を遠心して集菌し、所定
の総菌数になるようPBSで濃度調整したものを抗原と
した。
【0075】<毒素> 上記1及び2型菌を液体培地で
37℃、4〜10時間培養した。この培養菌液を遠心し
て得られた上清を限外濾過により濃縮、部分精製し、所
定の蛋白量になるようにPBSで稀釈したものを抗原液
とした。
【0076】(2)製剤の調製 表16に示すように上記抗原液を実施例1と同じ方法に
より混合(数字は容量%)した。
【0077】また比較のために、比較例1と同様にして
下記表16に示すように上記各抗原液を油性アジュバン
ト中に乳化させて比較例4の製剤を調製した。
【0078】
【表16】
【0079】(3)製剤の有効性 油性アジュバントと水酸化アルミニウムゲルを含む実施
例4の製剤を、油性アジュバントだけを含む比較例4の
製剤と共に、ニワトリ,ブタに使用して、実施例1と同
じ項目について検査した。その結果、実施例4の製剤
は、比較例4の製剤に比べて注射局所の反応、注射物質
の残留が軽度であり、有効性のあることが確認された。
【0080】
【発明の効果】以上のことから、本発明の油性アジュバ
ント及びアルミニウムゲルアジュバントを含む動物用ワ
クチン製剤は、従来の油性アジュバントだけを含むワク
チン製剤に比べて、下記の点において優れているという
効果が得られる。
【0081】1.粘度が低く注射時の操作性が良い。
【0082】2.注射局所における注射物質の残留及び
肉芽腫形成が軽度である。
【0083】3.特に、従来の油性アジュバントでは免
疫増強作用が認められなかった鶏伝染性コリーザ(I
C)の原因菌であるヘモフィルス・パラガリナルム(H
pg)のC型菌に対する免疫初期の抗体産生に優れてお
り、他のワクチン製剤に対する抗体と同様にそれが長期
間持続する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不活化された細菌、細菌由来抗原、ウイ
    ルスの少なくともいずれかを含む抗原液を親水性油性ア
    ジュバント中に乳化した乳剤と、不活化された細菌、細
    菌由来抗原、ウイルスの少なくともいずれかを含む抗原
    液をアルミニウムゲルアジュバントに吸着させた乳剤
    と、を混合することを特徴とする動物用ワクチン製剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の鶏又は豚用ワクチン製
    剤。
JP16944894A 1994-07-21 1994-07-21 油性アジュバント及びアルミニウムゲルアジュバントからなる動物用ワクチン製剤 Pending JPH0827028A (ja)

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