JP3270473B2 - パスツレラ・マルトサイダ・トキソイドワクチン - Google Patents

パスツレラ・マルトサイダ・トキソイドワクチン

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JP3270473B2 JP50953193A JP50953193A JP3270473B2 JP 3270473 B2 JP3270473 B2 JP 3270473B2 JP 50953193 A JP50953193 A JP 50953193A JP 50953193 A JP50953193 A JP 50953193A JP 3270473 B2 JP3270473 B2 JP 3270473B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 一般的には、本発明は、家畜用ワクチン、ワクチン組
成物およびその製法の分野に属する。より詳細には、本
発明は、パスツレラ・マルトサイダ(Pasteurella mult
ocida)毒素産生株による感染に関連した疾患から動物
を防御するためのワクチン組成物および防御方法に関す
る。
発明の背景 パスツレラ・マルトサイダは、ヒト、ウシ、ヒツジお
よびブタを初めとする多種の動物の疾患に関連してい
る。典型的には、動物の鼻咽頭部および肺に影響を及ぼ
す。例えば、ボルデテラ・ブロンキセプティカ(Bordet
ella bronchiseptica)毒素産生性株とピー・マルトサ
イダ(莢膜タイプAまたはD)との混合感染は、ブタに
おいて萎縮性鼻炎を引き起こす。萎縮性鼻炎(AR)は、
ブタの鼻甲介の萎縮および鼻と顔の変形を引き起こす。
ピー・マルトサイダの病原性は、大部分は、強力な壊
死毒(皮膚壊死毒(DNT)とも呼ばれる)の産生によ
る。以後、これを「毒素」という。該毒素は、分子量約
140,000ないし160,000の熱不安定蛋白として特徴づけら
れている。
ピー・マルトサイダは、以下に示すその増殖特性によ
り、他の種のパスツレラから区別できる。溶血性:ネガ
ティブ(90%);マッコンキー(MacConkey)寒天上で
の増殖:ネガティブ;インドール生成:ポジティブ;ウ
レアーゼ生成:ネガテイブ;マンニトール代謝:ポジテ
ィブ。ジンサー(Zinsser),マイクロバイオロジー(M
icrobiology)(ジョクリク(Joklik)ら編)(ニュー
ヨークのアプルトン−センチュリー−クロフツ(Applet
on−Century−Crofts,1980年)参照。これを出典明示に
より本明細書に一体化させる。
ピー・マルトサイダ感染関連疾患から動物を防御する
ための、最近利用可能なワクチンは、不活性化毒素産生
性ピー・マルトサイダ細胞、部分精製ピー・マルトサイ
ダ毒素不活性化標品、およびピー・マルトサイダ無細胞
標品と他の不活性化ピー・マルトサイダ株またはビー・
ブロンキセプティカ株との混合物を包含する[例えばエ
ム・コビシュ(M.Kobisch)ら,ベテリナリー・レコー
ド(Vet.Record),第124巻:57〜61頁(1989年);およ
びエヌ・ティー・フォーゲド(N.T.Foged)ら,ベテリ
ナリー・レコード,第125巻:7〜11巻(1989年)参
照]。しかしながら、毒素を中和するのに有効な量の抗
体(「抗毒素」として知られる)を誘導できないため
に、これらのワクチン標品は疾患に対して十分には防御
的ではない。
獣医学の分野において、ピー・マルトサイダによる動
物の感染に対する有効なワクチンが必要である。
発明の概要 本発明は、毒素産生性ピー・マルトサイダによる感染
に関連した疾患から動物を防御する新規ワクチン組成物
および成分を提供する。これらのワクチン組成物は、有
意な量の循環性抗毒素を誘導する能力により特徴づけら
れる。
1番目の態様において、本発明は、細胞結合性トキソ
イドを伴った全パスツレラ・マルトサイダ死菌(バクテ
リン)を含有する新規ワクチン組成物を提供する。遊離
の可溶性トキソイドと比較して、この組成物は、以前ワ
クチン投与されていない動物において、優れた抗毒素応
答を誘導する。この組成物を、内用に適する担体(好ま
しくは水酸化アルミニウムゲル)と会合させる。
もう1つの態様において、本発明は、(1)細胞結合
性トキソイドを伴った全パスツレラ・マルトサイダ・バ
クテリン(動物に内用された場合、抗毒素応答を誘導す
る)、および(2)ピー・マルトサイダの遊離の可溶性
トキソイドからなる新規ワクチン組成物を提供する。こ
のワクチン組成物は、2成分それぞれの効果の和よりも
ずっと大きい予期し得ない相乗的抗毒素応答を生じさせ
る。好ましくは、担体をこの組成物と会合させる。
種々のpHおよび温度に毒素をさらす方法により、ピー
・マルトサイダの可溶性無細胞トキソイドを調製する。
この方法も本発明の新規態様である。「トキソイド」な
る語は、特異的な中和抗毒素の産生を誘導する能力を失
わせずにその毒素性を除去する方法により不活性化
(「トキソイド化」)された毒素標品をいう。
さらなる態様において、免疫原量の1種またはそれ以
上の付加的抗原と組み合わせることにより、上記ワクチ
ン組成物を変化させてもよい。好ましい抗原は、ビー・
ブロンキセプティカ・バクテリン、エリシペロスリクス
・ルシオパシアエ(Erysipelothrix rhusiopathiae)・
バクテリン、マイコプラズマ・ヒオニューモニアエ(My
coplasma Hyopneumoniae)抽出ワクチンを包含する。し
かしながら、他の慣用的なワクチン成分を本発明ワクチ
ン組成物に添加してもよい。
本発明ワクチン組成物を投与単位として内用する。1
の具体例において、ワクチン投与量は、免疫原量の細胞
結合性トキソイドを伴ったパスツレラ・マルトサイダバ
クテリン(動物に内用された場合、抗毒素応答を誘導す
る)よりなる滅菌懸濁液0.5ないし3mlからなる。もう1
つの具体例において、服用単位は、ピー・マルトサイダ
の細胞結合性および遊離トキソイドの滅菌混合物0.5な
いし3mlからなる。さらにもう1つの具体例において、
服用単位は、免疫原量の遊離および細胞結合性トキソイ
ドおよび1種またはそれ以上の付加的抗原成分よりなる
滅菌混合物0.5ないし3mlからなる。
さらに別の態様において、本発明は、無血清かつ実質
的に細菌細胞を含まないエリシペロスリクス・ワクチン
成分の製法を提供する。
本発明のさらなる態様は、萎縮性鼻炎に対する動物へ
のワクチン投与法である。該方法は、上記有効量の1種
またはそれ以上のピー・マルトサイダ・トキソイドワク
チン成分を動物に内用することからなる。
本発明の他の態様および利点は、以下の好ましい具体
例の詳細な説明中にさらに記載されている。
発明の詳細な説明 本発明は、毒素産生性ピー・マルトサイダおよびエリ
シペロスリクス・ルシオパシアエ、ビー・ブロンキセプ
ティカならびにエム・ヒオニューモニアエをはじめとす
る他の病原性生物による感染から生じる疾患の予防に有
効なワクチン組成物を提供する。かかる疾患は、萎縮性
鼻炎(AR)、胸膜炎および肺のパスツレラ症、丹毒なら
びに肺炎を包含する。
本発明の1の具体例は、細菌細胞内に封じ込められた
安定なトキソイドを含有するピー・マルトサイダの全バ
クテリン−トキソイドを提供する。この細胞結合性トキ
ソイドを、実施例1記載の既知方法、または好ましくは
下記ワクチン用グラム陰性細菌液の調製法のいずれかに
より調製する。まだ対数増殖期にあり、まだ増殖培地中
に毒素を放出していないピー・マルトサイダ培養物に、
不活性化剤を添加する。そのことにより、トキソイドが
細菌細胞内に封じ込まれる。トキソイドをその中に隔離
した死菌(すなわちバクテリン)は、免疫プロセスを成
立させる宿主細胞に与えるには理想的な抗原粒子であ
る。このことは、特に、これまで毒素またはトキソイド
にさらされておらず、全体的に抗毒素に欠ける動物にと
って重要である。本発明ピー・マルトサイダ細胞結合性
トキソイドは著しく安定である。4℃において2年以上
保存しても抗原性の低下は見られなかった。
本発明の目的のために、上記細胞結合性トキソイド
を、毒素産生性ピー・マルトサイダのいかなる株から誘
導してもよい。例えば、メリーランド州ロックビルのア
メリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(Americ
an Type Culture Collection,Rockville,Maryland)ま
たは種々の獣医学の大学あるいは研究室から入手できる
かかる幾つかの株が利用できる。後者の例は、ピー・マ
ルトサイダ・タイプD・8および4677株である。
現在のところ、ピー・マルトサイダ・タイプD・4677
株が細胞結合性トキソイドの調製に好ましい。等しい数
の個々の細胞を用いた場合、4677株は8株(以前最も良
好な毒素産生株として知られていた)の2倍の毒素を産
生するため、この株は特に有利である。2倍量の毒素を
産生する4677株のこの能力は、同量の毒素を8株で産生
させる場合の半分の4677株の培養物、すなわち半数の細
胞しか必要としないため、2倍量の毒素を産生するとい
う4677株のこの能力は有利なものである。さらに、混合
ワクチンの体積が例えば2ml用量に制限されているた
め、4677株の液体は株の液体の半分しか占めないという
事実は、従来技術のワクチンよりも有意に有利である。
したがって、ピー・マルトサイダ・4677株は、従来用い
られていた株では達成できない処方上の利益を与える。
ピー・マルトサイダの培養に用いる適当な培地は、当
業者により選択されうる。しかし、ヘリオット(Herrio
tt)ら,ジャーナル・オブ・バクテロオリジー(J.Bac
t.),第101巻:513〜516頁,「ディファインド・メディ
ウム・フォー・グロウス・オブ・ヘモフィルス・インフ
ルエンザエ(Defined Medium for Growth of Hemophilu
s Influenzae)」(1970年)記載の培地が好ましいが、
これに限定されない。萎縮性鼻炎の特徴を示す病理学的
変化を防止する抗毒素応答の誘導するために、上記の新
規な全細胞結合性トキソイドをワクチン組成物中に別々
に用いてもよい。好ましくは、哺乳動物、特にブタに注
射するためには、ワクチン組成物中において、免疫原量
の細胞結合性トキソイドを、適当な慣用的なワクチンア
ジュバントおよび医薬用担体と混合する。
ピー・マルトサイダの遊離トキソイド(下記)および
細胞結合性トキソイド(上記)の相乗的混合により、よ
り好ましいワクチン組成物が得られる。免疫量の遊離ト
キソイドおよびかかる混合ワクチンを調製する。免疫量
の細胞結合性トキソイドを適当なアジュバントおよび哺
乳動物注射用医薬用担体と混合することにより、かかる
混合ワクチンを調製する。好ましいアジュバントは、水
酸化アルミニウムゲルを包含する。
前記のごとく、遊離の可溶性ピー・マルトサイダトキ
ソイドは、ピー・マルトサイダ細胞結合性トキソイドと
の相乗的混合において有用である。該遊離の可溶性トキ
ソイドは、同時係属している米国特許出願第07/537,457
号の主題である。これを出典明示により本明細書に一体
化させる。いかなる毒素産生性ピー・マルトサイダ株も
可溶性トキソイドの調製に用いられるが、下記実施例で
用いる株はピー・マルトサイダ・タイプD・8株であ
る。この株は、申し出により、イリノイ大学から入手で
きる。一般的には、可溶性トキソイドを、細菌細胞から
毒素を抽出し、無細胞毒素をpH9以上、約12℃ないし19
℃で約12ないし24時間インキュベーションすることによ
り部分的に変性させることにより調製する。
より詳細には、遊離トキソイドを以下のようにして調
製する。選択された毒素産生性ピー・マルトサイダ株を
適当な培地中で増殖させる。増殖サイクルの終点におい
て、例えばフレンチプレスまたは超音波破壊のごとき慣
用的な物理・化学的手段により、毒素を細胞から遊離さ
せ、細胞残渣を遠心分離または濾過により除去する。大
規模生産には、以下のpHサイクル法をインキュベーショ
ンに適用するのが望ましい。ついで、少なくとも21時間
の期間中、pH約10.5ないし6.80の間を3回サイクルさせ
て無細胞抽出物中の毒素をインキュベーションする。上
で引用した特許出願に記載された同様の方法を用いて研
究室的生産を行う。この方法により毒素を完全に無毒化
することができ、水溶液(例えばリン酸緩衝化セイライ
ン、トリス緩衝化セイライン)に可溶なトキソイドが得
られる。
可溶性ピー・マルトサイダ・トキソイド標品は、抗原
性および免疫原性の両方の性質を有する。詳細には、該
可溶性トキソイドは、毒素と結合して、その毒性を中和
できる抗体を誘導しうる。さらに、本発明可溶性トキソ
イドは4℃で24カ月安定であるという特徴を有し、この
ワクチンを後日の使用のために保存することができる。
後記実施例11記載の動物を用いたワクチン投与実験に
おいて、単一のワクチン標品において、遊離および細胞
結合性トキソイドが相乗的に作用することが見いだされ
た。すなわち、該ワクチンは、ワクチン投与された動物
において、それぞれの成分を別々に投与した場合の効果
に比べてはるかに大きな効果を生じる。この混合ワクチ
ンは、試験動物において、抗毒素産生を著しく刺激す
る。この混合の効果は、連続した細胞結合性トキソイド
ワクチン投与、ついで可溶性ワクチン注射によっても生
じる。
理論に限定されることを望むのではないが、細胞結合
性ワクチンが、動物、詳細には可溶性トキソイドに応答
できない免疫学的にネイティブな動物に、初回抗原刺激
を与えると現在考えられている。細胞結合性トキソイド
の2回目の投与は、穏やかな二次免疫応答を誘導する。
トキソイドの豊富な細胞により一旦初回抗原刺激が与え
られると、動物は遊離トキソイドに対して非常に応答し
やすくなる。あたかも細胞結合性トキソイドが優れた初
回抗原刺激剤のごときもので、可溶性トキソイドが優れ
たブースターのごときものである。
本発明のさらに他の好ましいワクチン組成物は、本発
明細胞結合性トキソイド(遊離トキソイドと混合して
も、しなくてもよい)を他のワクチン剤と混合すること
により得られる。典型的な例は、全ビー・ブロンキセプ
ティカ・バクテリンをピー・マルトサイダの細胞結合性
トキソイドと混合することにより得られる。別法とし
て、上記組成物が、さらにピー・マルトサイダの遊離ト
キソイドを含有していてもよい。この遊離トキソイド
を、莢膜タイプのピー・マルトサイダ(細胞結合性トキ
ソイドの調製に用いるタイプとは異なる)から誘導して
もよい。さらに、本発明ワクチン組成物が、イー・ルシ
オパシアエ成分を含有していてもよい。よって、もう1
つの態様において、本発明は、エリシペロスリクス・ワ
クチン成分の調製法を提供する。
本発明ワクチン組成物と混合できる他の有効なワクチ
ン剤は、エシェリシア・コリ(Escherichia coli)、肺
炎ピー・マルトサイダ、ストレプトコッカス・スイス
(Streptococcus suis)、アクチノバチルス・プレウロ
ニューモニアエ(Actinobacillus pleuropneumonia
e)、クロストリジウム・ペルフリンゲンス(Clostridi
um perfringens)・タイプCおよびDトキソイド、シュ
ードラビエス(Pseudorabies)ウイルスワクチン(修飾
生ウイルスおよび/または死ウイルス)、ロタウイルス
(Rotavirus)ワクチン(修飾生ウイルス)、コロナウ
イルス(Coronavirus)ワクチン(修飾生ウイルス)で
あるが、これらに限定されない。1の好ましい具体例に
おいて、マイコプラズマ・ヒポニューモニアエもまた、
少なくともピー・マルトサイダ細胞結合性トキソイドと
混合されて、本発明ワクチン組成物に包含される。本発
明ワクチンの調製に有用なエム・ヒポニューモニアエ株
を、ブタにおいてマイコプラズマ肺炎を引き起こす野生
型または他の既知株により感染したブタから単離するこ
とができる。エム・ヒポニューモニアエの他の既知株
(ビルレントおよび非ビルレント両方)も、本発明組成
物において有用である。有用な株を、市販経路または大
学から得てもよい。本発明具体例にとり特に好ましいエ
ム・ヒポニューモニアエ株は、P−5722−3株(1990年
5月30日に寄託され、米国特許商標局の要請により利用
可能となっているATCC#55052株)である。エム・ヒポ
ニューモニアエワクチン成分の調製法を、後記実施例10
に記載する。これらのワクチンに関するより詳細な情報
は、同時係属の米国特許出願第07/634,237号に記載され
ている。出典明示によりこれを本明細書に一体化させ
る。
本発明ワクチンを、無毒で滅菌された医薬上許容され
る担体中に、有効な免疫原量の細胞結合性トキソイドを
活性成分として含有する医薬組成物として調製してもよ
い。本発明ワクチンの好ましい具体例は、細胞結合性ト
キソイド含有水性懸濁液または溶液からなり、好ましく
は、約pH6.5に緩衝化されているものとし、容易に注射
できる形態とする。
さらに、細胞結合性トキソイド(それのみ投与しても
よく、遊離トキソイドとともに投与してもよい)を慣用
的なアジュバントと混合または吸着させて本発明ワクチ
ン組成物に添加してもよい。アジュバントを、特異的抗
毒素応答を増強させるための非特異的試薬として用い
る。かかるアジュバントは、アムフィゲン(Amphigen)
[ヒドロニクス・インク(Hydronics,Inc.)社製]また
は他の望ましい油、水酸化アルミニウム、ムラミルジペ
プチドおよびキルA(QuilA)のごときサポニンを包含
する。
さらにもう1つの具体例において、細胞結合性トキソ
イド(それのみ投与してもよく、遊離トキソイドととも
に投与してもよい)を、ビー・ブロンキセプティカ・バ
クテリン、イー・ルシオパシアエ・バクテリンまたはエ
ム・ヒポニューモニアエのごとき別の抗原標品(既知方
法により、好ましくは、本明細書記載の方法により調製
された)とともに投与することができる。
本発明の細菌成分の好ましい調製法の1つは、ワクチ
ン処方のためのグラム陰性細菌の新規調製法である。こ
の方法を適用、使用して、いかなる種類の抗原濃縮物
(グラム陰性細菌の全細胞懸濁液および無細胞抽出液を
包含するが、これらに限定されない)をも調製しうる。
この新しい方法は、共同出願の、同時に受理された特許
出願の主題であり、以下に記載されている。
本発明によれば、選択されたグラム陰性細菌(例えば
パスツレラのごとき本明細書記載のグラム陰性細菌)を
慣用的条件下(いかなる慣用的な適当な培地あるいはそ
れ以外の培地であっても)で増殖させる。適当な培地
は、当業者の通常の知識により選択されうる。好ましく
は、細菌培養温度は35ないし38℃の範囲である。
得られるワクチン成分に細菌全体を用いる場合には、
増殖が遷移期または対数増殖期にある間に、不活性化剤
を添加する。好ましくは、不活性化剤は、細胞構造を結
合し、細胞壁の分解を防止することのできる固定化剤で
ある。1の固定化剤はホルマリン(米国局方ホルムアル
デヒド溶液)であって、一般的には約0.3%(v/v)ない
し約1.0%(v/v)の濃度で用いる。合成培地を用いる場
合に有用なもう1つの固定化剤はグルタルアルデヒドで
ある。例えば、25%グルタルアルデヒド溶液を約0.5な
いし1%(v/v)で用いることができる。ベータプロピ
オラクトンのごとき他の適当な不活性化剤もまた、有用
であることがわかっており、当業者により適当な濃度が
容易に決定される。
不活性化剤を添加する場合には、通気および自動pHコ
ントロールのスイッチを切る。所望により、pHを不活性
化に最適な値に合わせてもよい。撹拌を最小にし、つい
で、速度を上げて混合を有効ならしめる。不活性化条件
は個々の細菌種に依存し、当業者により容易に決定され
るが、典型的には、不活性化を約28ないし38℃の間で行
う。
別法として、得られるワクチン組成物用に細胞抽出物
を調製する場合には、不活性化を必要としない。かかる
場合、培養物を冷却(通常は20℃以下)して増殖を阻止
する。抽出を下記濃縮ステップの前に行っても後に行っ
てもよい。
細胞を遠心分離または濾過することにより細菌を濃縮
して水性濃縮懸濁液を得るかまたは抽出を行う。好まし
くは、遠心分離を約10,000gの力で行う。培養液が遠心
機を通過する流速を、ほぼ100%の細胞回収率が得られ
るように調節する場合は、適当な強い力または弱い力を
用いるが、それは細菌の種類に依存する。当業者が上清
(捨てる)の吸光度を測定することにより、適当な流速
を決定することもできる。遠心分離の代わりに限外濾過
のごとき他の濃縮法を用いてもよい。ほとんどすべての
細胞の回収を可能にするために必要な条件および装置の
みならず方法も、当該分野の範囲内である。選択された
濃縮法にかかわらず、次々とバッチ中の細胞をできるだ
け小さな体積中に集める。好ましくは、細胞濃度を約10
9ないし約1011個/ml培養液とする。濃縮細胞抽出物を調
製するために、抽出前にこれと同じ濃度の細胞濃縮物を
用いてもよい。
得られた細胞濃縮物を、少量の水、セイラインまたは
緩衝液で希釈して選択された標準濃度(濃縮方法により
異なる)にする。標準濃度は、個々の細菌に依存し、上
記教示を与えられた当業者により選択されうる。
ついで、水性濃縮懸濁液または抽出液を、適当な無機
担体に吸着させる。本発明に有用な担体は、水酸化アル
ミニウム、リン酸アルミニウム、アラム(通常はポタッ
シュ・アラム(硫酸アルミニウムカリウム))またはリ
ン酸カルシウムを包含してもよい。これらの化合物はエ
ンドトキシンと固く結合しうる。現在のところ、好まし
い担体は、高結合力を有する水酸化アルミニウムゲルで
ある。かかる水酸化アルミニウムゲルは、例えば、レヒ
ドラゲル・ロウ・ビスコシティー・ゲル(Rehydagel lo
w viscosity gel)またはレヒドラゲルHPA(ハイパワ
ー)ゲル[ニュージャージー州バークレイ・ハイツ(Be
rkeley Heights)のレヘイス・ケミカル・カンパニー
(Reheis Chemical Co.)社製]のように市販されてい
る。
好ましくは、担体を、前以て希釈された細菌細胞懸濁
液または細胞抽出液に、通常15ないし60%(v/v)の間
の濃度になるよう添加する。この濃度を滴定により決定
して担体が最適結合力を発揮するようにし、エンドトキ
シンおよび免疫原性細菌抗原両方を最適に結合させる。
滴定終点は、遊離エンドトキシン濃度が約2ないし約50
ng/mlとなる点である。滴定法は当業者によく知られて
いる。
レヒドラゲル担体を用いる場合、吸着を室温(20〜25
℃)で、好ましくは、pH約6.5で約1時間撹拌しながら
行う。当業者は、本発明方法を用いる場合にこれらの条
件を変更することができる。例えば、より低い温度(例
えば4℃)で吸着を行うが、混合時間を長くすることも
できる。同様に、より高い温度(例えば37℃)で吸着を
行うが、この温度での抗原の安定性により混合時間を短
くすることもできる。
吸着完了後、得られた吸着懸濁液または抽出液をワク
チン組成物用に希釈する。選択した懸濁液または抽出液
の標準濃度により、約5ないし約50倍の範囲で希釈を行
って適当なワクチン組成物を得る。この上記方法は、グ
ラム陰性細菌濃縮物中に存在するエンドトキシンが選択
担体に強く結合することを用いる。濃縮細胞または抽出
液中のエンドトキシンの結合は、希釈後、動物へのワク
チン使用に関して得られた液体を安全なものにする。こ
の結合により、ワクチン投与動物におけるワクチンの全
身的反応性が除去される。同時に、最終ワクチン製品中
における無機担体の濃度が低いことにより、慣用的濃度
(例えば10%以上)の担体の使用に関連する不利な注射
部位での反応を回避できる。
本発明方法に関しては、理論に限定されるつもりはな
いが、本発明者は、注射部位におけるエンドトキシン放
出が大幅に遅れるため、本発明によるグラム陰性細菌細
胞懸濁液または抽出液を含有する製品は全身的に安全で
あると確信している。系への急激なエンドトキシンの取
り込みはショックを引き起こす。本発明方法により担体
ゲルの結合力を修飾または最適化する場合、いくつかの
抗原(例えば細菌細胞)は結合しない。他のもの(例え
ばエンドトキシンのごとき重要な蛋白抗原)は、十分に
結合力のあるゲルの場合よりもよりゆるやかに(より強
固でなく)結合し、マクロファージによる取り込みが可
能となる。よって、良好な免疫原性が保持される。
ついで、上記のごとく処理され希釈されて得られた細
菌液だけをワクチン標品として用いてもよく、また、他
のワクチン成分と混合してもよい。好ましくは、グラム
陰性細胞または細胞抽出液を含有する得られたワクチン
組成物が、約0.1ないし10%(v/v)、より好ましくは約
0.5ないし5%(v/v)のアルミニウム担体を含有してい
てもよい。本発明により調製されたワクチン組成物が、
吸着後、希釈前において、約2ないし250ナノグラム/m
l、好ましくは2ないし50ng/mlの濃度のエンドトキシン
を有意に含有していてもよい。本発明方法により調製さ
れたワクチン組成物のpHを約6.5±0.5、好ましくは±0.
2に調節する。ワクチン液中の遊離エンドトキシン濃度
を、好ましくは、LAL法[レビン(Levin)ら,ビュレチ
ン・オブ・ジョーンズ・ホプキンス・ホスピタル(Bul
l.Johns Hopkins Hosp.),第115巻:265頁(1964年)お
よびレビンら,トロムボシス・エト・ディアテシス・ハ
エモラジカ(Thromb.Diath.Haemorrh.),第19巻:186頁
(1968年)]によりアッセイする。他の方法を用いてエ
ンドトキシンレベルをアッセイしてもよい。
本発明によれば、活性成分が細胞結合性トキソイドの
み、細胞結合性トキソイドと遊離トキソイドの混合であ
ってもよく、また、これら2種の処方がさらに活性成分
を含有していてもよく、好ましくは、医薬組成物(免疫
量の活性成分からなる滅菌標品)を、0.5ないし3mlの、
より好ましくは2mlの単位用量として提供する。
本発明の目的のためには、免疫量のピー・マルトサイ
ダ細胞結合性トキソイドを、不透明度または吸光度と呼
ばれる単位(O.U.またはA.U.)で測定する。これらの単
位はスペクトロニック(Spectronic)20分光光度計にて
625nmの波長で測定した1ml当たりの光学密度(O.D.)で
ある。細胞結合性トキソイドの免疫原量は、好ましく
は、1ないし5A.U.であり、より好ましくは、遊離トキ
ソイドが約2A.U.で投与する。
本発明の目的のためには、遊離トキソイドの免疫量
は、本発明ピー・マルトサイダ細胞結合性トキソイドと
混合して投与する場合には、約6.5ないし8.1マイクログ
ラム/用量である。対照的に、遊離トキソイドのみ免疫
学的にネイティブな動物に投与する場合には、抗毒素を
誘導しない。このことにより、遊離毒素と細胞結合性ト
キソイド間の相互作用が示される。
これらの免疫原量の遊離トキソイドを、相対トキソイ
ド単位(「RU」)で定義してもよい。好ましくは、遊離
トキソイド/細胞結合性トキソイドワクチン組成物が、
80ないし1000RU/用量、より好ましくは80ないし150RU/
用量を含有するものとする。RU値は、LD50が約30である
精製毒素をマウスに非経口的に投与した場合の致死的効
果から半数のマウスを防御する抗毒素応答を誘導するト
キソイドの推定量に基づいて実験的に決定される。よっ
て、RU値はマウスのPD50値にほぼ等しい。
本発明ピー・マルトサイダの細胞結合性トキソイド
(ピー・マルトサイダの遊離トキソイドとともに投与し
てもよく、これと一緒に投与しなくてもよい)が、さら
なる活性成分を含有していてもよい。現在のところ、最
も好ましいさらなる活性成分は、ビー・ブロンキセプテ
ィカ成分、イー・ルシオパシアエ成分およびエム・ヒポ
ニューモニアエ成分である。
本発明の目的のためには、イー・ルシオパシアエを後
記実施例7記載のごとく調製する場合、この成分の最小
免疫原量は3.4O.U.である。O.D.の読みを650nmの波長で
行う以外は、不透明の度単位は上記定義と同じである。
本発明の目的のためには、後記実施例8記載のごとく
調製したビー・ブロンキセプティカの免疫原量を、比濁
単位と呼ばれる単位で測定する。不活性化されているが
免疫性のある形態のこの成分の所要免疫原量は、それを
得るための方法に左右される。例えば、ビー・ブロンキ
セプティカをベータプロピオラクトン(BPL)により不
活性化する場合、免疫原性を発揮するためには少なくと
も1500比濁単位が必要である。グルタルアルデヒド法に
より不活性化する場合、少なくとも3000比濁単位が必要
である。ホルムアルデヒドにより不活性化する場合、少
なくとも4500比濁単位が必要である。他の不活性化方法
を用いる場合、当業者は、他の適当な免疫原量を決定す
ることができる。この成分は本発明ワクチン中に含有さ
れて萎縮性鼻炎に対する防御を行う。
本発明の目的のためには、後記実施例10記載のごとく
調製したエム・ヒポニューモニアエの免疫量を、色変化
単位(CCU)[ロドウェル(Rodwell)およびホワイトコ
ーム(Whitecomb),「メソ・マイコプラズモロジー(M
eth.Mycoplasmology)」,第1巻,188頁以降(ニューヨ
ークのアカデミック・プレス(Academic Press)(1983
年)]で測定する。好ましくは、本発明ワクチン組成物
が、約5X109CCUを含有するものとする。しかしながら、
条件を最適化してこの量を約5X108まで減少させること
も考えられる。
望ましい投与規則は、所望のワクチン組成物を2度投
与することを包含する。個々のフラクションの抗原量は
上述のとおりである。本発明ワクチンの投与方法は、ワ
クチンを宿主に送達できるいかなる適当な方法であって
もよい。しかしながら、好ましくは、ワクチンを皮下注
射または筋肉注射により投与する。所望ならば、皮内ま
たは静脈注射のごとき他の投与方法を用いてもよい。
ブタを用いた現在の研究においては、2週間間隔で2
度ワクチンを筋肉内注射する。これらの研究により、上
記ワクチン組成物のそれぞれに関して、新生動物の一次
免疫が生後1週間においてうまく開始されることが示さ
れている。ついで離乳時に追加免疫する。妊娠している
メス豚に対する一次免疫に関しては、2回投与が推奨さ
れ、出産約2週間前に2度目のワクチンを投与する。出
産に続いて追加免疫することが推奨される。オス豚には
半年ごとの再ワクチン投与が推奨される。後記インビト
ロ動物試験により示されるように、本発明ワクチン組成
物により誘導されるピー・マルトサイダに対する防御の
特異的機構は、ワクチン投与された動物における毒素中
和抗体(抗毒素)の誘導である。
本発明細胞結合性トキソイドの調製および本発明新規
成分を含有する種々のワクチンの調製および試験のため
の好ましい方法を実施例により以下に説明する。これら
の実施例は、単に説明的なものであって、本発明の範囲
を限定するものではない。
実施例1 ピー・マルトサイダ細胞結合トキソイドの調
製 本組成物の具体例には、トキソイドが細菌細胞内で安
定化されているピー・マルトサイダの細胞結合トキソイ
ドが包含される。
ピー・マルトサイダD型4677株は、イリノイ・アニマ
ル・ディジーズ・ラボラトリー(Illinois Animal Dise
ase Laboratory)(イリノイ州ゲイルズバーグ(Galesb
urg))の感染ブタから単離された(ドグラス・ヘフリ
ング(Douglas Hoefling)博士)。該株を寒天上で2回
継代培養した。二次継代培養からの細胞を、10%NZアミ
ン、1%ゼラチンおよび10%グリセロールの無菌溶液に
懸濁した。該懸濁液のアンプルを液体窒素中で凍結し
た。このマスターシードを、スミスクライン・ビーチャ
ム・アニマル・ヘルス(smithKline Beecham Animal He
alth)(イリノイ州ホワイト・ホール(White Hall))
で保存する。
ピー・マルトサイダD型4677株の種および生産培養
を、以下の培地中で増殖させる:デキストロース(ディ
フコ(Difco))無しの30gトリプシン大豆ブロスおよび
脱イオン水(これで1リットルに調整)、種培養にはpH
7.5、生産培養にはpH7.0。121℃で少なくとも20分間高
圧滅菌することにより培地を滅菌する。高圧滅菌後、50
mlの濾過滅菌酵母エキス溶液(10%w/v)および4mlの高
圧滅菌デキストロース溶液(50%w/v)を加える。イン
キュベーションの間、必要に応じて、さらにデキストロ
ース溶液を加えてもよい。
有効な種(上記のとおり得られるマスターシードから
継代培養したもの)を解凍し、その内容物を上記の種培
地の容器に移す。該種培養を37℃で12〜24時間、撹拌し
ながらインキュベートする。グラム染色による測定で該
培養が満足なものであれば、生産培養の接種にこれを用
いる。あるいは、二次種培養の接種にこれを用いてもよ
い。接種物は培養容量の2〜10%である。生産培養を37
℃で2〜6時間インキュベートする。溶解酸素を飽和の
約35%に維持する。温度は37℃、pHは必要に応じて10N
NaOHを加えることにより7に維持する。増殖は、625nm
の周期的光学濃度(OD)表示により監視する。
指数的増殖の終了(OD625が約2になる時)近くに、
通気を中止し、ホルムアルデヒド溶液を最終濃度0.5%v
/vまで加える。静かにまたは断続的に撹拌しながら、不
活性化を37℃で4日間継続する。2±0.5のODおよび少
なくとも6単位/mlのL+値を有する純粋培養(グラム
染色により測定した)は、生産に使用するに十分なもの
と考えられる。マウスにおける毒素−抗毒素滴定により
示されるとおり、毒素のL+単位は、標準抗毒素の1単
位と等価である[ロバーツ(Roberts)およびスウェリ
ンギン(Swearingin)、Am.J.Vet.Res.、49:216(198
8)]。
サンプルを取り、該サンプルをモルモットに投与るこ
とにより不活性化が完全かどうかを調べる。該培養の4m
l容量を皮下注射した後7日目に、モルモットは生きて
いて、かつ、健康でなければならない。この時点で、細
胞内毒素はトキソイドに完全に変化しており、このトキ
ソイドは、安全であり、大変安定であり、かつ、動物に
注射した場合に中和抗毒素の生産を誘導する能力を有す
る。
不活性化期の終了時に該培養を冷却し、ついで無菌的
に受容器に移す。該培養を、滅菌連続フロー遠心分離に
より、細胞画分および液体画分に無菌的に分離する。両
画分を無菌容器に集め、さらに加工する。不活性化時の
ODに応じて、細胞画分を算出OD12.5まで希釈する。これ
は、液体画分の一部分および一定容量の無菌食塩水(0.
85%NaCl)により行い、最終液体画分が、40容量%培養
液体、または1%w/vペプトンおよび酵母エキスを含有
する液体に懸濁した細菌細胞を含有するようにする。
該培養の不活性化および濃縮が完了した後、無菌水酸
化アルミニウムゲルを最終濃度が25%v/vとなるように
加える。該液体の遊離ホルムアルデヒド含量を定量し、
これを亜硫酸水素ナトリウムで0.2%またはそれ未満に
減少させる。チメロサール−EDTA溶液(または他の適当
な保存剤)を保存剤として、最終チメロサール濃度が0.
01%w/vとなるように加える。pHを調べ、必要に応じ
て、6.5±0.2に調整する。
この生成物を、不活性化時のODから算出した1.875吸
光度単位を含有するように標準化する。この標準化され
た量は、内的に単独で投与する0.2ml用量で、または他
のワクチン成分と組み合わせて得てもよい。かかる組み
合わせワクチンは、通常、合計投与量が2mlである。
実施例2 ピー・マルトサイダ細胞結合トキソイドの調
製 また、本発明の細胞結合トキソイドは、上記実施例1
記載の4677株以外のピー・マルトサイダ毒素生産性株か
ら調製してもよい。
例えば、ピー・マルトサイダD型8株を用いて、上記
方法により細胞結合トキソイドを調製することができ
る。しかし、4677株に比べてより低度の8株のトキソイ
ド生産能に適合させるためには、幾つかの小さな変更を
しなければならない。
ピー・マルトサイダ、D型、8株の培養は、以下の培
地で増殖させる:デキストロース(ディフコ(Difc
o))無しの30gトキソイド大豆ブロス;酵母エキス(デ
ィフコ)5g;デキストロース4g;脱イオン水(これで1リ
ットルに調整)、pH約7;121℃で高圧滅菌する。つい
で、該培養を増殖させ、不活性化し、濃縮し、OD4.2(6
25nmの光学濃度、スペクトロニック(Spectronic)20分
光計中で測定)の懸濁液を作るのに十分な上清に取り、
本質的に上記のとおりにアジュバント化する。
この生成物を、不活性化時のODから算出した3.75吸光
度単位を含有するように標準化する。この標準化された
量は、単独で投与することも、または他のワクチン成分
と組み合わせて投与することもできる。典型的には、か
かる組み合わせワクチンは、通常、約2mlの用量を有す
る。
実施例3 パスツレラ・マルトサイダ遊離トキソイドの
調製 A.ピー・マルトサイダの培養 ピー・マルトサイダD型(8型)[ロス・コワート
(Ross Cowart)博士、イリノイ大学、イリノイ州アル
バーナ(Urbana)]を、ヘリオット(Herriott)ら、J.
Bact.101:513−516(1970)に記載の修飾された化学的
に特定された合成培地中で1日継代培養する。該集合培
地のpHを無菌NaOHで7.3±0.2に調整する。この培養から
の細胞を新鮮な合成培地に移し、増殖したら、この培養
を凍結保存物と合わせ、−70℃で保存する。接種後、生
産培養を増殖させて、約36゜±1℃、3〜24時間のイン
キュベーション中に収穫する。無菌空気を通気し、か
つ、撹拌することにより、該培養の溶解酸素含量を維持
する。無菌消泡溶液を用いて、泡を制御する。該培養の
pHを7.3±0.2に維持する。
増殖周期の終了時に、ピー・マルトサイダ培養を調
べ、650nmの吸光度で細胞密度を測定する。ついで、撹
拌を弱め、通気およびpH制御を中止する。
該溶菌液の毒素含量を、マウス致死率(LD50)によ
り、また、以下の実施例6に記載のとおり、酵素結合イ
ムノソルベント検定法(ELISA)により測定する。
B.前解毒処理 該生物の増殖後、0.01%重量/容量未満またはこれと
等しい量の無菌メルチオラートを該培養に加える。培養
液は、閉鎖連結を通して無菌閉鎖容器に無菌的に移して
もよい。物理的に溶菌し細胞内容物を遊離するのに使用
する装置、例えば「ガウリン(GAULIN)」モデル15Mラ
ボラトリー・ホモジナイザーに、該容器を閉鎖器具によ
り連結する。
該ホモジナイザーの圧力室内を連続的に通過させるこ
とにより、培養液中の細菌細胞を溶菌する。これによ
り、細胞は、最初の圧力である約2000〜約5000psiから
外界圧力である15psiへ直ちに圧力が低下する。溶菌細
胞を無菌的に他の閉鎖容器に入れる。
遠心分離および/または細孔濾過の連続工程により該
溶解産物を清澄化する。濾過滅菌の前または後に清澄化
溶液を濃縮してもよい。濃縮および濾過滅菌の前に、最
終濃度5mM以下の量のエチレンジアミン四酢酸(EDTA)
および最終濃度1.0%(容量/容量)以下の量のグリセ
ロールを加えて、濃縮タンパク質の凝集を防ぐ。
C.解毒 無菌5N NaOHを無菌毒素にゆっくり、無菌的に加え
て、pHを約10.55±0.10pH単位に上昇させる。該混合物
を約15±1℃で少なくとも7時間、ゆっくり撹拌する
と、このpHにて解毒が起こる。ついで、無菌5N HClをゆ
っくり、無菌的に加えて、pHを6.80±0.20pH単位に調整
する。アリコートを取るのに十分な間、pHをこのより低
い値で維持する。各アリコートの残留毒性を測定し、ml
当たりのマウスLD50で表す。
ついで、上記のとおり、該混合物をpH約10.55±0.10p
H単位に再調整し、7時間維持する。この時間の終了
時、アリコートを取るのに十分な時間、該混合物を再び
pH約6.80±0.20pH単位に調整する。ついで、該混合物を
もう一度これらの工程中を循環させる。
通常、このpH循環工程の開始の21時間後に、定量可能
な抗原含量をあきらかに減少させることなく、約10,000
LD50/mlの初期値を有する調製物を解毒する。ついで、
他の成分と合わせてワクチン組成物にするまで、該トキ
ソイドを2゜〜7℃で保存する。
実施例4 遊離トキソイドを含有するワクチンの処方 上記実施例3に記載の可溶遊離トキソイドを調製する
ことにより、例示的な遊離トキソイドワクチンを処方し
た。
ワクチンを製造するために、中性pHの無菌緩衝食塩水
中に該トキソイドを希釈する。無菌水酸化アルミニウム
ゲルをアジュバントとして用い、トキソイドを吸着させ
るのに十分な量、一般には12%±1%(容量/容量)加
える。完全に混合し、ついで指示量のトキソイドおよび
水酸化アルミニウムゲルを500mlビーカーに取ることに
より、ワクチン組成物を調製する。ついで無菌食塩水を
加える。この混合物を撹拌し、4℃で保存する。2ml/投
与の投与量が好ましく、これは約450相対投与単位/投
与を与える。表Iは2種類の遊離トキソイドワクチンの
組成を示す。
これらの遊離トキソイドワクチン製剤は、ピー・マル
トサイダ感染により起こるブタの萎縮性鼻炎の予防の一
助として有用である。遊離トキソイドワクチンの典型的
な試験は、下記のとおり、該製剤をブタ(子ブタおよび
親ブタ)に注射することにより行う。
実施例5 遊離トキソイドワクチンを用いた実験 実施例4の製剤を用いて、以下の方法に従い、任意に
選んだ子ブタおよび親ブタにワクチンを筋肉内投与す
る。それぞれの試験においては、ワクチン投与後、ブタ
の萎縮性鼻炎の臨床的兆候を不変的に誘導することが知
られている用量にて、該動物を精製トキシンで攻撃す
る。マウスにおいて、攻撃の前および後で、DNTの毒性
を評価した。各ブタに投与したトキシンの合計用量は8.
4μg、すなわち50マウスLD50であった。3個の等しい
用量にて、ワクチン投与の約2週間後から3日間にわた
り毒素を投与した。
最初の毒素投与から約28日後に攻撃の結果を評価し
た。攻撃の28日後の増加ポンド数を攻撃時の重量(ポン
ド)で割ることにより、重量%増加を算出した。第一小
臼歯における鼻の断面により、鼻甲介萎縮を以下のとお
り評価した:得点0、正常;得点1、最小萎縮;得点
2、中低度の萎縮;得点3、実質的な萎縮;得点4、ほ
ぼ完全な萎縮;および得点5、完全な萎縮。
プロトコールI:上記実施例4に記載のピー・マルトサイ
ダ遊離トキソイド(A)の2ml用量を、4頭の若雌ブタ
(gilt)にワクチン投与した。2頭の若雌ブタは、ブタ
パルボウイルスに感染していたため分娩しなかった。疾
病が明らかになると直ちにこれらを施設から出した。残
りの2頭の若雌ブタから生まれた子ブタ(pig)に、13
日齢(若雌ブタ637、7頭の子ブタ)および9日齢(若
雌ブタ638、4頭の子ブタ)で、実施例4に記載のピー
・マルトサイダ遊離トキソイド(B)の2ml用量をワク
チン投与した。2週間後にすべての子ブタに二次ワクチ
ン投与を行った。二次ワクチン投与の2週間後に、一定
用量の毒素で子ブタを攻撃した。ワクチン投与された若
雌ブタと同様の分娩日を有する同一群からの若雌ブタ
は、同時期のワクチン投与していない対照の子ブタを与
えた。
攻撃後、屠殺して最終得点を出すまで、ワクチン投与
した対照の子ブタおよびワクチン投与していない対照の
子ブタを混ぜ合わせた。表IIは、ワクチンAを2度投与
した親ブタから生まれ、それ自体遊離トキソイドワクチ
ンBを2度ワクチン投与(VX)した子ブタに対する、ワ
クチン投与していない(NonVX)ブタと比較した場合
の、攻撃の効果を示す。これらの結果は、ワクチン投与
群における有意により低い鼻得点および有意により優れ
た重量増加を示す。
プロトコールII:4頭の若雌ブタに2ml用量のワクチンA
をワクチン投与した。1頭の若雌ブタは、ブタパルボウ
イルスに感染していたため分娩しなかった。疾病が明白
になると直ちにこれを施設から出した。残りの若雌ブタ
からの子ブタを、以下のとおり、毒素で攻撃した:1頭の
若雌ブタからの9頭の子ブタ(10日齢);第2の若雌ブ
タからの2頭の子ブタ(12日齢);および第3の若雌ブ
タからの6頭の子ブタ(4日齢)。ワクチン投与された
若雌ブタと同様の分娩日を有する同一群からの若雌ブタ
は、同時期のワクチン投与をしていない対照の子ブタを
与えた。
ワクチン投与した対照の子ブタおよびワクチン投与し
ていない対照の子ブタを、離乳前に攻撃し、ついで、屠
殺して最終得点を出すまで混ぜ合わせた。ワクチンAを
2度投与した親ブタから生まれた子ブタに対する、攻撃
の効果を表IIIに要約する。データは、(a)同腹ブタ
から独立して、および(b)同腹ブタの平均により与え
る。
これらの結果は、ワクチン投与群における、有意によ
り低い鼻得点よび有意により優れた重量増加を示す。こ
れらの観察は、親ブタに対するワクチンAの2度の投与
が抗毒素(これは、これがなければ感染しやすい子ブタ
に受身伝達されたものである)の生産を誘導したことを
示す。さらに、受身防御の持続は少なくとも10〜12日で
あった。
実施例6 ELISAによる抗原の定量 実施例5の実験からの子ブタの血清および初乳サンプ
ルを、速度論的ELISAにより、毒素に対する抗体につい
て試験した。簡単に言えば、0.1Mホウ酸ナトリウム(pH
9.1)中の精製毒素(250ng/ウェル)を、4℃で一夜、
平底96ウェルのヌンク(Nunc)マイクロタイター・プレ
ートに吸着させた。ついで、37℃で30分間、0.05%ツイ
ーン−20(ブロッキング用緩衝液)含有PBS中の10%乾
燥脱脂乳でブロッキングした。ブロッキング用緩衝液
を、PBS/0.05%ツイーン−20(PBS/ツイーン)で2回、
プレートからすすぎ、ついでPBSですすいた。血清ブロ
ッング用緩衝液中、1:100に希釈し、4個のウェルのそ
れぞれに50μlのサンプルを加えた。37℃で60分間、プ
レートをインキュベートし、ついで上記と同様にしてす
すいだ。
ヤギ抗ブタIgG(重鎖および軽鎖特異的)−西洋わさ
びペルオキシダーゼ(キルケガード・アンド・ペリー・
ラボラトリース(Kirkegaard and Perry Laboratorie
s、メリーランド州ガイザースバーグ(Gaithersbur
g))をブロッキング用緩衝液中、1:500に希釈し、各ウ
ェルに加えた(50μl)。37℃で60分間インキュベート
後、プレートを上記のとおりすすいだ。ABTS基質(2,2'
−アキシノ−ジ−3−エチルベンゾチアゾリンスルホナ
ート)(キルケガード・アンド・ペリー(Kirkegaard a
nd Perry)を加え、405nmにてブイマックス(Vmax)ELI
SA・リーダー[モレキュラー・デバイシーズ・コーポレ
ーション(Molecular Devices Corporation)、カリフ
ォルニア州パロ・アルト(Palo Alto)]で直ちにプレ
ートを読み取った。1分間隔で各ウェルを8回読み取
り、酵素反応の速度を算出した。
速度は、分当たりの光学濃度(mOD)のミリ単位の変
化として算出した。したがって、分当たりの100mODの読
み取りは、10分間のOD1.0と等しくなる。ついで、用い
た血清のウェル当たりの量についての値に補正し、mOD/
分/ml血清として示した。例えば、50μlの血清が100mO
D/分を示す場合は、示された値は2,000mOD単位/分/ml
となる。
各ELISAプレート上に以下の対照を含ませる。(1)
血清対照:それぞれの希釈された子ブタ血清を、抗原を
含有しないウェルに入れ、ついで後のすべての試薬にさ
らして、該プレートに対する非特異的吸着を調べた。用
いた子ブタ血清(1:100)の希釈の際、陰性の血清対照
で見られる色より強い色は見られなかった。(2)陰性
子ブタ血清:各プレートは、ブロッキング用緩衝液中で
1:100に希釈された公知の陰性子ブタ血清の3個のウェ
ルを含んでいた。(3)陽性子ブタ血清対照:毒素に特
異的な抗体を含有する血清を陰性子ブタ血清中で希釈し
て、高濃度、中程度濃度および低濃度の特異的抗体を含
有する血清を得た。これらの3個の血清を、ブロッキン
グ緩衝液中で1:100に希釈し、各プレートに三重に入れ
た。子ブタ血清以外のすべての試薬を含有するウェル中
で、バックグランド、すなわち非特異的反応性を測定し
た。
プロトコールII(実施例6)により、それぞれトキソ
イドワクチンAおよびBをワクチン投与した親ブタおよ
び子ブタのELISA力価を、以下の表IVに要約する。この
表は、ワクチン投与していない対照(Non−Vx)と比較
した場合の、一次および二次の親ブタワクチン投与の前
に取った血清の幾何平均力価、初乳の幾何平均力価、お
よび一次および二次の子ブタワクチン投与、攻撃および
屠殺前に取った血清の幾何平均力価を与える。
これらの結果が示すところによると、親ブタへのワク
チンAの2度の投与、その後のそれらの子ブタへのワク
チンBの2度の投与が、そうしなければ感染しやすい子
ブタにおける毒素に対する免疫を誘導した。
同じ研究(プロトコールII、実施例6)から、ワクチ
ン投与した(ワクチンA)、またワクチン投与していな
い親ブタおよびワクチン投与していないそれらの子ブタ
のELISA力価を表Vに要約する。
種々の用量(相対トキソイド単位、RUで示す)の遊離
トキソイド製剤によりワクチン投与した親ブタおよび子
ブタについての免疫攻撃の研究を、表VIに要約する。
データは、876±32RUの遊離トキソイドを含有するワ
クチンにより2度ワクチン投与した親ブタから生まれた
子ブタの有意の防御を示す。子ブタまたは妊娠中の若雌
ブタにおいては、300〜400RU/用量を含有する実験ロッ
トの2度の投与は、防御の誘導を示さなかった。
実施例7−イー・ルジオパチエ(E.RHUSIOPATHIAE)ワ
クチン成分の調製 エリジペロスリックス・ルジオパチエ(Erysipelothr
ix rhusipathiae)は、単独もしくは、好ましくは、前
記のピー・マルトサイダ(P.multocida)成分と組合わ
せてワクチン組成物に使用するために調製する。該イー
・ルジオパチエ(E.rhusiopathiae)成分は、全てのイ
ー・ルジオパチエ(E.rhusiopathiae)血清型に共通な
最も豊富な免疫原収量の血清型2由来が好ましい[アー
ル・エル、ウッド(R.L.Wood)、ジャーナル・オブ・ア
メリカン・ベタリナリー・メディカル・アソシエーショ
ン(J.Amer.Vet.Med.Assoc.)、184:944−948頁(198
4)]。現在、好ましい菌株は、CN3342[スミスクライ
ン・ビーチャム社(SmithKline Beecham)]である。
A.細胞カルチャー 以下のカルチャー培地は、エリジペロスリックス・カ
ルチャーに通常用いられる2つの成分である血清および
ウシ胆汁のような、粗有機物質フリーである。これは、
有害な反応の頻度および症状の重度を減じる効果を有す
る。また、細菌細胞を除去するための遠心分離の段階
も、有害な反応の数および強度を減じるのに一助をな
し、通常の免疫原は上清の流体に存在する。
イー・ルジオパチエ(E.rhusiopathiae)を、脱イオ
ン水中の、[ディフコ社(Difco)製もしくはそれ相当
の]2.0−3.0%のプロテアーゼ・ペプトン、[ディフコ
社(Difco)製もしくはそれ相当の]0.25−0.75%の酵
母エキス、0.1−0.3%のトゥイーン−80(Tween−80)
[ポリオキシエチレン−ソルビタンモノオレエート]、
1.0−2.0%のK2HPO4から成るシード培地中で培養する。
10N NaOHで、pHを約7.0±0.2に調整する。該培地を、12
1℃で30分間のオートクレーブにより滅菌する。オート
クレーブ処理の後、無菌の50%デキストロース溶液を添
加して最終濃度1.0−2.0%w/vとする。
当業者であれば、前記のカルチャー培地の成分および
各々の用いる量を変更することができるであろう。例え
ば、前記の培地で、プロテアーゼ・ペプトン以外のタン
パク質分解物を用いてもよいし;トゥイーン80は、例え
ばトゥイーン85のような他の可溶性化合物で置き代えて
もよいし;あるいは、成長因子を補充したり、または酵
母エキスを例えばエルミットに置き代えてもよい。種菌
(workingseed)のアンプルを融解し、その内容物を種
培地の容器に移す。該種カルチャーを、攪拌しながら37
℃で12ないし24時間インキュベートする。グラム染色し
たスライドの顕微鏡検査が満足のいくカルチャーである
ことを示したら、該カルチャーを製造カルチャー(prod
uction culture)の接種に用いる。別法として、次に製
造カルチャーの接種に用いる第2の種カルチャーの接種
にそれを用いてもよい。接種源は、カルチャー容積の2
ないし10%である。
製造カルチャーを、攪拌しながら、30−39℃で、平均
5ないし8時間インキュベートする。無菌の10N水酸化
ナトリウム溶液を、インキュベートの間を通して該カル
チャーに添加し、pHを7.0−7.6に維持する。必要に応じ
て、無菌の50%デキストロース溶液を添加してもよい。
最大ODに達したら(静止期)、以下に記載するように、
不活化剤を該カルチャーに添加する。別法として、不活
化は、さらに早期の増殖の対数期もしくは移行期の間に
行ってもよい。
B.細菌の不活化 不活化は、以下のように行う。イー・ルジオパチエ
(E.rhusiopathiae)の試料をカルチャーから採取し、
グラム染色する。もし、これが純粋カルチャーと判明し
たら、十分量のホルムアルデヒド溶液を、最終濃度0.5
容積%になるよう添加する。該カルチャーを無菌槽に移
し、一定に攪撹しながら37℃の恒温槽に24時間置く(ホ
ルムアルデヒド濃度は、減少もしくは増加させてもよ
い;しかし、インキュベート時間は、満足するよう調整
しなければならない)。不活化は、9 CFR§113.26に準
じるバルク増殖不能試験(bulk sterility test)によ
って測定する。該生成物は、さらなる処理の準備まで4
−10℃で保存する。
C.ワクチン流体の調製 不活化の後、該カルチャーを冷却し、無菌的に据え付
け容器に移す。次いで、該カルチャーを連続フロー遠心
分離機(continuous flow centrifuge)に適して無菌清
澄化する。清澄化の後、流体画分を限界濾過により計算
OD値16.67まで濃縮する。得られたものは、無菌の免疫
原性流体である。
この濃度の度合、すなわち、OD16.67まで濃縮して得
られた度合は、(水酸化アルミニウムゲルを最終濃度25
%で添加した後に)混合物0.3ml中に3.75不透明ユニッ
ト(opacity unit)(1不透明ユニットは、1ml中にOD1
を含有する)の抗原用量を含有することになる。この0.
3mlは、全用量2mLの混合ワクチンに用いるイー・ルジオ
パチエ(E.rhusiopathiae)容量である。
実施例8−ビー・ブロンキセプチカ(B.BRONCHISEPTIC
A)ワクチン成分の調製 ボルボテラ・ブロンキセプチカ(Bordetella bronchi
septica)は、単独もしくは、好ましくは、ピー・マル
トサイダ(P.multocida)トキソイドおよび、所望によ
り、本明細書に記載した他の有効成分と組合わせてワク
チン組成物に使用するのに調製する。該ビー・ブロンキ
セプチカ(B.bronchiseptica)種菌は、萎縮性鼻炎にか
かったブタ由来のものが好ましい。現在、好ましい菌株
は、2−9NADC株[ナショナル・アニマル・ディジーズ
・センター(National Animal Disease Center)、エー
ムズ、アイオワ州(Ames,Iowa)]である。しかし、J4
株[スミスクライン・ビーチャム社(SmithKline Beech
am)]を用いてもよい。
A.細胞カルチャーおよび製造 ボルデテラ・ブロンキセプチカ(Bordetella bronchi
septica)の増殖に用いるカルチャー培地は、修飾スタ
イナー−スコルト合成最小培地(modified Stainer Sch
olte defined synthetic minimal medium)である。1
リットルの合成塩培地:2.4gのL−プロリン、0.67gのL
−グルタミン酸、2.5gのNaCl、0.5gのKH2PO4、0.2gのKC
l、6.075gのトリツマ・ベース(Trizma base)[シグマ
社(Sigma)#T1503]を調製するために以下の操作を用
いる。これらの成分を、1000mLの蒸留水または脱イオン
水に撹拌しながら順次溶解する。HClでpHを7.0±0.2ユ
ニットに調整し、該培地をオークレーブ処理によって滅
菌する。
3つの10×ストック溶液の各々の100mLを以下のよう
に調製する。L−システイン溶液は、0.4gのL−システ
インを4mLの4N HClに溶解し、次いで蒸留水または脱イ
オン水で100mLの容量にして調製する。硫酸鉄(II)、
塩化カルシウム、塩化マグネシウム溶液は、0.125gの硫
酸鉄(II)七水和物、0.3gの塩化カルシウム二水和物、
および1.0gの塩化マグネシウム六水和物を100mLの蒸留
水または脱イオン水に溶解して調製する。これらの成分
は、次の成分を添加する前に撹拌しながら各々順次に溶
解する。アスコルビン酸、ニコチンアミド、酢酸ナトリ
ウム溶液は、100mLの蒸留水または脱イオン水当たり0.2
gのアスコルビン酸、0.10gのニコチンアミド、および2.
0gの酢酸ナトリウムを溶解して調製する。
次いで、これらの三溶液を濾過滅菌し、L−システイ
ンおよびビタミン溶液は、2゜ないし7℃で保存する。
これらのストック溶液を、前記の最少塩溶液に1当た
り10mLの容量添加してカルチャー培地を調製する。
復元した凍結乾燥マスター種菌(master seed)また
は凍結した種菌の1ないし5%の懸濁液を、前記のカル
チャー培地を含有するフラスコに接種する。該カルチャ
ーを、給気しながら36℃±1℃で16ないし30時間インキ
ュベートする。十分に増殖させた後、このカルチャー培
地を、新しい培地を含有するシーディング・フラスコ
(seeding flask)に、1ないし5%の接種源を用いて
移す。この第二のサブカルチャーを前記のようにインキ
ュベートする。製造カルチャー(production culture)
を、第二の活発に増殖するサブカルチャーで1ないし5
%の接種源を用いて接種する。
ビー・ブロンキセプチカ(B.bronchiseptica)の製造
カルチャーは、発酵槽で増殖させる。該カルチャーを、
36℃±1℃で接種後16ないし40時間インキュベートす
る。溶存酸素の設定値は、最大平衡(飽和)の80%に設
定する。溶存酸素の設定値は、40%に設定するのが好ま
しい。これは、迅速であり、よって6ないし16時間の間
の短時間インキュベート期間とすることができる。
溶存酸素含量は、無菌の空気の給気および撹拌により
維持する。該培地を接種する前に、無菌の消泡溶液を添
加する。該カルチャーのpHを、プロピオン酸を添加する
ことにより7.2−7.4に維持する。
B.流体の不活化および調製 以下に記載のように、ベータ−プロピオラクトン(BP
L)またはホルムアルデヒドいずれかを、カルチャーの
不活化に用いることができる。BPLを用いる場合、それ
を増殖期の終わりにカルチャーに添加する。第二のさら
なるBPLの添加は、2ないし18時間経ってから行う。BPL
の最終濃度は、1:500(0.2%)を超えるべきではない。
該カルチャーを、一定に撹拌しながら、20℃未満で少な
くとも12時間インキュベートする。別法として、増殖期
の終わりに、ホルマリン(ホルムアルデヒド溶液USP)
を、全容量の最終濃度0.4%で該カルチャーに添加す
る。該カルチャーを、一定に撹拌しながら、35゜ないし
37℃で少なくとも24時間インキュベートする。
不活化させた後、代表的な試料を採取し、3プレート
の各々に0.5mLの接種源を用いたトリプチカーゼ・ソイ
寒天プレート(trypticase soy agar plate)上の直接
プレートカウント(direct plate count)によって不活
化の完了を試験する。バルク試料を、37℃のチオグリコ
ール酸および22℃のトリプシン処理ソイブロス(tripti
c soy broth)中で増殖不能を試験する。不活化カルチ
ャーは、無菌の保存容器に移し、集めるまで2℃ないし
7℃で保存してもよい。
無菌の水酸化アルミニウムゲル(2%Al2O3等量)
を、5%容量/容量の濃度で該不活化カルチャーに添加
して、遊離の内毒素を制御する。吸着した全カルチャー
(whole culture)が得られる。
C.流体調製の別法 好ましい一別法として、BPLで該カルチャーを不活化
するよりもむしろ、ブラウン(Brown)らの米国特許第
4,888,169号に記載のグルタルアルデヒド法により、ワ
クチンに使用する該カルチャーを調製することができ
る。この方法は、グルタルアルヒドを該カルチャー培地
に添加することにより該カルチャーを不活化することを
包含する。ビー・ブロンキセプチカ(B.bronchiseptic
a)菌体外毒素を完全に不活化するために、米国特許第
4,888,169号に記載の方法を、グルタルアルデヒド濃度
を0.2ないし0.25%v/vに増量し、37℃で約24時間インキ
ュベートして調整する。
グルタルアルデヒドは、内毒素に結合するように作用
し、該カルチャーが前記の水酸化アルミニウムに吸着す
る必要性をなくする。
D.抗原濃度の標準化 BPLで不活化する場合には用量当たり1500比濁ユニッ
ト(nephelometric unit)以上を;グルタルアルデヒド
法で不活化する場合には3000比濁ユニット以上を;ホル
ムアルデヒドで不活化する場合には用量当たり4000比濁
ユニット以上を含有するようにビー・ブロンキセプチカ
(B.bronchiseptica)を標準化する。該比濁ユニット
は、収穫時の測定値に基づく。
この成分を数種の他の抗原成分を含有する(2mL用量
を有する)ワクチン組成物に用いる場合、それは2mLの
ワクチン用量の約0.2ないし1.0mLを構成する。
実施例9−混合ワクチン 混合ワクチンは、他の不活化微生物、例えば、ビー・
ブロンキセプチカ(B.bronchiseptica)、ピー・マルト
サイダ(P.multocida)の他の株、エム・ヒューニュー
ミニエ(M.hyopneumoniae)のような随意の成分と一緒
に、実施例1または2の細胞結合トキソイドおよび/ま
たは実施例3の可溶性トキソイドを含有してもよい。
一つの具体的な効果的なワクチン組成物は、前記した
ピー・マルトサイダ(P.multocida)D型の遊離トキソ
イドおよび細胞結合トキソイドを、実施例8に記載のビ
ー・ブロンキセプチカ(B.bronchiseptica)成分と共に
含有する。
混合ワクチンの一つの具体的な処方は、以下の成分か
ら構成されている: 乳化では、これらの成分を、単一バッチとして合わ
せ、2分間乳化した。製造規模では、バッチ配合よりも
ライン内で計量することが好ましいのは予想される。
他の成分を、前記の特別処方に、添加しても、あるい
は存在する成分に置き代えてもよい。オイル/レクチン
に加え、細胞結合トキソイドが吸着された水酸化アルミ
ニウムゲルもアジュバントとして供する。各画分の一つ
またはそれ以上の完全または部分バルクロット(partia
l bulk lot)を、アジュバントおよび希釈生理食塩水と
合わせ、標準的な抗原濃度にする。
実施例10−エム・ヒューニューモニエ(M.HYOPNEUMONIA
E)ワクチン成分 マイコプラズマ・ヒューニューノイエ(Mycoplasma h
yopneumoniae)ワクチン成分は、本発明の混合ワクチン
において、ブタにおけるマイコプラズマ性肺炎の予防に
有用である。現在、不活化生物の望ましい免疫原量は、
約109変色ユニット)(color changing unit)(CCU)
である。しかし、この用量を最高の条件下で約5×108
ないし5×109CCUに減少してもよいことが予想される。
通常、必要な用量を得るには約0.1ないし0.3mLを要す
る。
典型的には、エム・ヒューニューモニエ(M.hyopneum
oniae)成分を含有する混合ワクチンの調製では、この
カルチャーを単に液体バルクワクチン処方に添加する。
A.エム・ヒューニューモニエ(M.hyopneumoniae)の増
殖およびカルチャー エム・ヒューニューモニエ(M.hyopneumoniae)P−5
722−3株は、パデュー大学のチャールズ・アームスト
ロング博士から親切にも提供して頂いたものであり、受
託番号55052でアメリカン・タイプ・カルチャー・コレ
クションに寄託している。この菌株は、マンノース陽
性、アルギニン陰性、およびウレアーゼ陰性という免疫
学的および生化学的な特性を有する。該菌株は、抗−エ
ム・ヒューニューモニエ(M.hyopneumoniae)抗血清に
よる増殖阻害に陽性で、抗−肺炎菌フルオレセイン結合
抗体による直接蛍光抗体試験により陽性である。この菌
株は、以下のように増殖させた。
以下の操作によりカルチャー培地を調製した。ブロス
を陰イオン交換樹脂[アンバーライト(Amberlite)、
シグマ社(Sigma)IRA400−塩素型]で、毎10のブロ
スに対して500gの樹脂の比率にて1ないし4時間処理す
ることにより、クリスタルバイオレット[ディフコ・ラ
ボラトリーズ(Difco Laboratories)、デトロイト、ミ
シガン州(Detroit,Michigan)]を含有しない83%PPLO
ブロスを調製した。
酵母エキスは、500gの活性酵母顆粒(active yeast g
ranule)を3の脱イオン水に添加し、室温で撹拌して
調製した。完全に混合させた後、該懸濁液に16.2mlの10
N NaOHを滴下添加し、その後さらに15−45分間撹拌し
た。次いで、スラリーを121℃で15−45分間オートクレ
ーブ処理した。上清を容器にデカントし、遠心分離また
は精密濾過の一方で清澄化した。清澄化した上清に、1N
HClを100mlのエキス当たり2mlの比率で添加した。該エ
キスを室温で少なくとも15分間撹拌し、次いで、前記の
ごとく清澄化した。清澄化したエキスを、前記のオート
クレーブ処理または精密濾過により滅菌した。
前処理したブロスに、以下の培地成分:0.01%の酢酸
タリウム;0.005%のアンピシリン;0.0125%の塩酸シス
テイン;6.25%の酵母エキス、1%のデキストロース;10
%のブタ血清(ジブコ社(Gibco))熱不活化物;およ
び所望により、0.0026%のフェノール・レッドを添加し
た。カルチャー培地のpHを、pH7.5±0.2に調整し、濾過
滅菌した。
連続製造を開始するために、凍結エム・ヒューニュー
モニエ(M.hyopneumoniae)マスター種菌を解凍し、5
−20%の懸濁液を100−3000mlの前記のカルチャー培地
に接種した。該カルチャーを30℃ないし39℃で36ないし
168時間インキュベートした。十分に増殖させた後、該
カルチャーを、5−20%の接種源を用いて新しい培地の
入ったシーディング容器に移した。このカルチャーを、
37℃±1℃で36ないし96時間インキュベートした。
エム・ヒューニューモニエ(M.hyopneumoniae)の製
造カルチャーは、発酵槽で増殖させ、接種後に37℃±1
℃で36ないし96時間インキュベートする。カルチャーの
溶存酸素含量は、無菌の空気および給気の撹拌により20
−40%に維持する。無菌の消泡剤を用いて、泡を制御し
てもよい。
増殖期の終わりに、該カルチャーのpHは、7.6±0.2に
上昇し、そのpHは約1時間この範囲に維持される。該生
物を不活化するために、2−ブロモエチルアミン臭化水
素酸塩(BEA)の濾過滅菌水溶液を最終濃度約4.0mMとな
るよう添加した。BEAは、上昇したpHの該カルチャー中
で不活化剤バイナリー・エチレンイミン(binary ethyl
eneimine)(BEI)に変換される。該カルチャーを、一
定に撹拌しながら、37℃±1℃で少なくとも24時間イン
キュベートした。
24時間インキュベートした後、チオ硫酸ナトリウムの
濾過滅菌水溶液、標準的な中和剤を最終濃度約4mMで添
加し、過剰量のBEIを中和した。
該カルチャーを、37℃±1℃でさらに24時間インキュ
ベートし、完全に不活化させた。
B.ワクチンの調製 前実施例のワクチン成分の不活化後、不活化エム・ヒ
ューニューモニエ(M.hyopneumoniae)をピー・マルト
サイダ(P.multocida)細胞結合トキソイドおよび/ま
たは本発明の他のワクチン成分に添加することにより処
方化した。十分量の不活化エム・ヒューニューモニエ
(M.hyopneumoniae)を、バルクの液体ワクチンロット
と合わせ、2ml用量当たり約109CCUの最少抗原濃度を得
た。
無菌の10%メルチオレート(merthiolate)および10
%エチレンジアミン四酢酸(EDTA、二ナトリウムまたは
四ナトリウム塩)溶液を保存剤として添加した。5%な
いし40重量%のレシチン(セントラル・ソイヤ(Centra
l Soya))を含有する無菌のミネラルオイル[ドラケオ
ール(Drakeol)]を、リン酸緩衝液生理食塩水中で乳
化し、バルクのワクチン流体に最終濃度5%v/vで添加
する。このオイル/レシチン混合物をアジュバントとし
て供する。最終濃度0.7%ないし3.2%のトゥイーン80お
よび0.3ないし1.8%のスパンを乳化剤として添加した。
選抜したパラベン(p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p
−ヒドロキシ安息香酸プロピル、p−ヒドロキシ安息香
酸ブチル)を、オイルおよび乳化剤用のさらなる保存剤
として添加してもよい。
実施例11−動物におけるワクチン試験−ピー・マルトサ
イダ(P.MULTOCIDA)の可溶性および細胞結合トキソイ
ド間における相乗効果 ワクチン試験の間に、ブタの抗体反応の評価におい
て、ピー・マルトサイダ(P.multocida)の細胞結合ト
キソイドおよび遊離トキソイドの混合は、細胞結合トキ
ソイド単独あるいは遊離トキソイド単独の使用に比し
て、抗毒素の誘導で、相加的効果よりも大きな効果を有
するという驚くべき事実が判明した。一実験において、
ピー・マルトサイダ(P.multocida)細胞結合トキソイ
ド(実施例2)ならびにビー・ブロンキセプチカ(B.br
onchiseptica)およびイー・ルジオパチエ(E.rhusiopa
thiae)の保存カルチャーを含有するワクチン組成物
で、もしくは実施例3の遊離の可溶性ピー・マルトサイ
ダ(P.multocida)トキソイド単独で、もしくは可溶性
トキソイドを添加した細胞結合トキソイドを含有する混
合ワクチンで、一群のブタをワクチン化した。表VII
は、遊離トキソイド単独での、細胞結合トキソイド単独
で、およびこれら2つのワクチン組成物を組合わせた物
でのワクチン接種に対する抗体反応を示している。ELIS
A力価は、この混合ワクチンの相乗効果を示している。
この混合ワクチン組成物は、ブタに最高の免疫を誘導す
るものと考えられる。
ワクチン接種後の血清を、ロバーツ(Roberts)およ
びスウェアリンジン(Swearingin)の方法[アメリカン
・ジャーナル・オブ・ベタリナリー・リサーチ(Am.J.V
et.Res.)、49:2168頁(1988)]により抗毒素中和、実
際の防御抗体についてアッセイした。抗毒素値は、遊離
トキソイドおよび細胞結合トキソイドの強い相乗性を示
している(表VII)。(水酸化アルミニウム含量は、12
%v/v;アンフィゲン(Amphigen)含量は5%v/v)。
表VIIIは、ピー・マルトサイダ(P.multocida)の全
細胞不活化カルチャー(PmD)、可溶性トキソイドおよ
びビー・ブロンキセプチカ(B.bronchispetica)の不活
化全細胞(Bb)を含有するワクチンを、モルモットに用
いて血清の抗体レベルをEBL組織カルチャーアッセイ
[ジェイ・エム、ルッター(J.M.Rutter)ら、ベタリナ
リー・レコード(Veterinary Record)、114:393−396
頁(1984)]により測定した一実験の結果を示してい
る。この実験では、該混合ワクチンの投与量ユニット
は、2ml/用量である。この実験においては、600RUの遊
離トキソイドは、観察可能な抗−毒素反応を誘導しなか
った。対照的に、600RUのピー・マルトサイダ(P.multo
cida)の不活化カルチャー(PmD)(細胞結合トキソイ
ド)と組合わせた遊離トキソイドは、128の抗毒素反応
レベルを誘導した。この実験証明は、可溶性トキソイド
および毒性のピー・マルトサイダ(P.multocida)の不
活化カルチャーの免疫学的相乗性のさらなる一例を供し
ている。
本発明の膨大な修飾および変形は、前記に明らかにし
た明細書に含まれ、当業者には明白であると予想され
る。例えば、ビー・ブロンキセプチカ(B.bronchisepti
ca)、イー・ルジオパチエ(E.rhusiopathiae)または
エム・ヒューニューモニエ(M.hyopneumoniae)よりも
他の適当な不活化病原菌を本発明の混合ワクチンに用い
てもよい。同様に、他の通常のアジュバントおよび不活
化ワクチン成分を該処方に用いてもよいし、当業者によ
り選択されてもよい。これらワクチン組成物の投与量お
よび投与プロトコルも、ワクチン接種する動物、予防が
望まれる疾病および他の関連要因に基づく当業者によっ
て調整されてもよい。本発明の組成物および操作に対す
るかかる修飾および変更点は、本明細書に記載した請求
の範囲の範囲中に包含されると考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロバーツ,デイビッド・エス アメリカ合衆国ネブラスカ州68510、リ ンカーン、ロックハースト・ドライブ 1020番 (72)発明者 スウェリンジン,リロイ・エイ アメリカ合衆国ネブラスカ州68510、リ ンカーン、サウス・サーティサード934 番 (56)参考文献 Veterinary Microb iology,1991,Vol.29,N o.3−4,pp.267−80 Am.J.Vet.Res.,1978, Vol.39,No.3,pp.445−448 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 39/102 A61P 31/04 BIOSIS(STN) CAPLUS(STN) MEDLINE(STN) EMBASE(STN)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)動物に内用した場合、毒素に対する
    抗毒素の産生を誘導する細胞結合性トキソイドを伴うパ
    スツレラ・マルトサイダ(Pasteurella multocida)・
    バクテリンおよび(2)パスツレラ・マルトサイダ・可
    溶性遊離トキソイドならびに内用に適する担体からなる
    ワクチン組成物。
  2. 【請求項2】筋肉内注射のための請求項1記載のワクチ
    ン組成物。
  3. 【請求項3】該遊離トキソイドmL当たり少なくとも150
    相対トキソイド単位を含有する請求項1記載のワクチン
    組成物。
  4. 【請求項4】さらに免疫原量の1種またはそれ以上の付
    加的抗原からなる請求項1記載のワクチン組成物。
  5. 【請求項5】該付加的抗原がボルデテラ・ブロンキセプ
    ティカ(Bordetella bronchiseptica)・バクテリンか
    らなる請求項4記載のワクチン組成物。
  6. 【請求項6】該付加的抗原がエリシペロスリクス・ルシ
    オパシアエ(Erysipelothrix rhusiopathiae)・バクテ
    リンからなる請求項4記載のワクチン組成物。
  7. 【請求項7】免疫原量のパスツレラ・マルトサイダ・遊
    離トキソイドおよび細胞結合性トキソイドを伴ったパス
    ツレラ・マルトサイダ・バクテリンからなる滅菌溶液0.
    5ないし3mlよりなるワクチン投与単位。
  8. 【請求項8】(1)細胞結合性トキソイドを伴うパスツ
    レラ・マルトサイダ・バクテリンおよび(2)パスツレ
    ラ・マルトサイダ・可溶性遊離トキソイドならびに内用
    に適する担体よりなるワクチン組成物をブタに内用する
    ことからなる、パスツレラ・マルトサイダに対するブタ
    へのワクチン投与法。
  9. 【請求項9】内用した場合、該ブタにおいて抗毒素応答
    が誘導され、該抗毒素応答が、細胞結合性トキソイドに
    対する抗毒素応答および可溶性遊離トキソイドに対する
    抗毒素応答の和以上である、請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】パスツレラ・マルトサイダの細胞結合性
    トキソイド、パスツレラ・マルトサイダの遊離トキソイ
    ドおよびボルデテラ・ブロンキセプティカ・バクテリン
    からなるワクチン組成物。
  11. 【請求項11】さらにアジュバントからなる請求項10記
    載のワクチン組成物。
  12. 【請求項12】該アジュバントが、水酸化アルミニウ
    ム、サポニン、水酸化マグネシウム、リン酸アルミニウ
    ム、リン酸マグネシウムおよびカルシウム化合物からな
    る群より選択される請求項10記載のワクチン組成物。
  13. 【請求項13】請求項10記載のワクチン組成物をブタに
    投与することからなる、萎縮性鼻炎に対するブタへのワ
    クチン投与法。
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