JP6541252B2 - 医薬用乳化製剤及びその製造方法 - Google Patents

医薬用乳化製剤及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、医薬用乳化製剤及びその製造方法に係り、特に、肝細胞がん治療に有効な医薬用乳化製剤及びその製造方法に関する。
一般的に肝細胞がんの治療においては、油性造影剤(ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル)が腫瘍部位に停滞することを利用し、抗がん剤を油性造影剤に乳化させ、その乳化物をマイクロカテーテルを介して動脈に注入し、抗がん剤を肝細胞がんに到達させることにより肝細胞がんの治療を行う経カテーテル的動脈内治療が行われている。
経カテーテル的に動脈内に注入される乳化物としては、水溶性の抗がん剤粉末を水溶液に溶解させた抗がん剤水溶液w1を油性造影剤oに乳化させたw/o型エマルション、若しくは該w/o型エマルションを更にw/o粒子として外水相に分散させたw/o/w型エマルションとして肝動脈に注入することが医療機関において主流になっている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−158152号公報(第2頁〜3頁、第2図)
しかしながら、特許文献1をはじめとする種々のw/o/w型エマルションの製造において特に重要となる界面活性剤の選択にあっては、該w/o/w型エマルションが乳化した状態を維持できるという安定性と医療機関による使用実績があるという安全性が最優先され、抗がん剤水溶液である内水相を油相中に長時間安定して分散できる最適な界面活性剤の選択の追及はなされていないというのが現状であった。具体的には、特許文献1において開示されている界面活性剤の酸化エチレン付加40モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO40)は医療機関においても長い間使用されてきた実績があるが、親水性疎水性の指標となるHLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値が12.5でそもそも親水性であり油相に添加する界面活性剤として不適切である。また、該w/o/w型エマルションの安定性にのみ着目した界面活性剤の選択により該w/o/w型エマルションを患者に投与した場合、血管内で放出されたw/o粒子が長時間安定して目的の肝細胞がんに滞留することができるものの、その高い安定性が故にw/o粒子中のw粒子、即ち抗がん剤水溶液が肝細胞がんに放出されずに薬効を奏することができないという問題があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、安定した乳化物でありながらも患者に投与した後は内水相の薬効成分を放出し、肝細胞がんに対して薬効を奏することができる医薬用乳化製剤及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の医薬用乳化製剤は、
内水相が薬剤含有水溶液であり、かつ、界面活性剤としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が油相中に含有されてなるw/o油滴が外水相中に分散された血管注射用のw/o/w型エマルション製剤であって、
前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の酸化エチレンの付加モル数が1以上9以下であり、
前記外水相は、浸透圧が0.9%NaCl相当未満の水溶液であり、
前記内水相の浸透圧が前記外水相の浸透圧と等しいことを特徴としている。
この特徴によれば、油性界面活性剤として酸化エチレンの付加モル数が低いポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を使用することにより、酸化エチレンの付加位置や重合度の違いによる分子の立体構造のばらつきが少なくなり、安定した単分散性のw/o/w型エマルション製剤とすることができるとともに、油相を介した外水相と内水相間での薬剤の移動が可能であることから体内に投与された後に内水相の薬効成分を徐放させることができる。また、血管中に放出されるw/o/w型エマルション製剤は、外水相が血液に置き換わり、浸透圧の低い内水相の溶液が油相を介して血液中へ漸次移行することにより内水相中の薬剤含有水溶液を効率よく徐放することができる。
前記界面活性剤であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の酸化エチレンの付加モル数が4以上6以下であることを特徴としている。
この特徴によれば、界面活性剤を、酸化エチレンを付加することができる複数の位置に略均等に、あるいは一定位置に付加されて立体構造の近似したポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とすることができるため、より安定した単分散性のw/o/w型エマルション製剤とすることができるとともに、体内に投与された後に内水相の薬効成分を徐放させることができる。
前記界面活性剤を前記油相の0.1〜20重量%含むことを特徴としている。
この特徴によれば、油性界面活性剤がw粒子及びw/o粒子を十分に被覆し長時間安定した単分散性のw/o/w型エマルション製剤とすることができる。
前記w/o/w型エマルション製剤のw/o粒子は、その径が1μm〜400μmであることを特徴としている。
この特徴によれば、w/o粒子が血管を通りやすく、かつ、十分に薬効成分を徐放することができる大きさとすることができる。
前記w/o/w型エマルション製剤の仕込み時の前記内水相の浸透圧が前記外水相の浸透圧以上であり、前記内水相と前記外水相が浸透圧平衡することを特徴としている。
この特徴によれば、浸透圧の低い外水相の溶液が油相を介して内水相へ移行することにより、w粒子が膨張して薬剤含有水溶液の容量を増加させ、血管中に放出されるw/o/w型エマルション製剤による内水相の徐放時間を長くすることができる。
以上の流路の制御が可能な活栓を用い、該活栓の流路a側には前記油相が充填された第一のシリンジが接続され、流路b側には前記内水相が充填された第二のシリンジが接続され、流路c側には前記外水相が充填された第三のシリンジがそれぞれ接続されており、
(1)前記第一のシリンジと前記第二のシリンジの各プランジャーを移動させることにより前記第一のシリンジの油相と前記第二のシリンジの内水相を前記流路aと前記流路bを通過させてなる一次乳化物を前記第二のシリンジに回収し、
(2)前記第二のシリンジと前記第三のシリンジの各プランジャーを移動させることにより前記第二のシリンジの一次乳化物と前記第三のシリンジの外水相を前記流路bと前記流路cを通過させて二次乳化物とするとともに
前記流路a若しくは前記流路aの端部と第一のシリンジとを接続可能なコネクター
及び/又は
前記流路c若しくは前記流路cの端部と第三のシリンジとを接続可能なコネクター
には多孔体が設置されていることを特徴としている。
この特徴によれば、3以上の流路の制御が可能な活栓を用いて、複数の貫通孔をもつ多孔体を通過させて効率よく一度に一次乳化物や二次乳化物を形成することができる。
前記多孔体は、開孔の大きさと、該開孔同士の隣り合う距離とを調節して粒子同士が干渉しない構造となっていることを特徴としている。
この特徴によれば、開孔から射出される粒子同士が合体せずに、連続相中に分散させることができる。
前記多孔体は、該多孔体を通過して製造される乳化物の連続相が水相である場合は親水性、油相である場合は疎水性であることを特徴としている。
この特徴によれば、多孔体を通過する液体と多孔体が反発しあって液体が多孔体内で球状態に成形されやすく、粒子同士が合体せずに射出した粒子の状態で連続相中に分散させることができるとともにエマルション転相を防ぐことができる。
前記乳化物を製造する前に、
(1)前記第三のシリンジの外水相を前記流路cに注入して、介する前記多孔体を該外水相で予め濡らすとともに、該流路cのエア抜きを行い、
(2)前記第一のシリンジの油相を前記流路aに注入して、介する前記多孔体を該油相で予め濡らすとともに、前記流路aと前記流路bを該油相で満たし、
(3)前記流路bに内水相の充填された前記第二のシリンジを接続することを特徴としている。
この特徴によれば、製造される乳化物に空気が混入することがなく、また流路内の各多孔体が、製造される乳化物の連続相で予め湿潤されることになりエマルション転相を防ぐことができる。
w/o/w型エマルションを示す図である。 (a)はw/o/w型エマルションを製造するデバイスの構成図であり、(b)はこれらを連結させた状態を示す図である。 (a)は外水相で多孔体を予め湿潤させて二次乳化用流路b−cをエア抜きする模式図であり、(b)は続いて油相で多孔体を予め湿潤させて一次乳化用流路a−bを油相で満たす模式図であり、(c)は三方活栓内のエア抜きを完了し、残りの内水相を三方活栓に接続した状態を示した図である。 (a)は一次乳化方法を示す図であり、(b)は二次乳化方法を示す図である。 (a)は医薬品添加物の各種油性界面活性剤を油性造影剤のリピオドールに同量添加してw/o型エマルションを製造した直後の写真であり、(b)は、その静置3日後の写真である。 各種界面活性剤(a)HCO5(b)HCO10(c)HCO40(d)PGCRを用いてSPG直接膜乳化法で製造されたw/o/w型エマルションの顕微鏡粒子写真と粒度分布である。 各種界面活性剤(a)HCO5(b)HCO10(c)HCO40(d)PGCRを用いてSPG透過膜乳化法で製造されたw/o/w型エマルションの顕微鏡粒子写真と粒度分布である。
本発明に係る医薬用乳化製剤及びその製造方法を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
(1)w/o/w型エマルション
図1に示されるように、本実施例の乳化物製剤は、抗がん剤水溶液w1が油相o中に分散されたw/o油滴が、更に外水相w中に分散されたw/o/w型エマルションである。該w/o/w型エマルションは、特に、肝細胞がん治療のために肝動脈血管にマイクロカテーテルを通して注入される肝動脈医薬用乳化製剤である。なお、w/o/w型エマルションは、肝細胞がん治療のみに使用されることに限られず、例えば、その他のがん治療などに用いられてもよく、また、身体に投与されるものであればよい。
w/o/w型エマルションを構成する物質について説明する。内水相w1は、薬理的に許容されるものであれば特に制限されず、疾患部を治療するための主たる医薬品となる、例えば抗がん剤含有水溶液など医薬用水溶液を使用することができる。
油相oは、薬理的に許容されるものであれば特に限定されず用途に応じて適宜選択することができるもので、植物油、脂肪酸、パラフィン類などが挙げられる。また、油相oには界面活性剤が含まれている。
油相oに添加する界面活性剤は、下記化学式1に示す構造のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(以下、単に「HCO」という)を含んでいる。HCOに続く番号は酸化エチレン付加モル数を指し、付加モル数の値はx+y+z+l+m+nで表され、例えば酸化エチレン付加モル数が5である場合はHCO5となる。
HCOは食品添加物でなく医薬品添加物であるため、患者の体内に投与するw/o/w型エマルションに使用する界面活性剤としては安全性が高い。なお、HCOの付加モル数は、0より大きく10未満であり、反応物が過不足なく反応したHCOとする観点から好ましくは1以上9以下である。このように、油性界面活性剤としてHCOの酸化エチレンの付加モル数が低いHCOを使用することにより、酸化エチレンの付加位置や重合度の違いによる分子の立体構造のばらつきが少なくなり、安定した単分散性のw/o/w型エマルション製剤とすることができるとともに、油相oを介した外水相wと内水相w1間での薬剤の移動が可能であることから体内に投与された後に内水相w1の薬効成分を徐放させることができる。
また、より好ましいHCOの酸化エチレンの付加モル数は4以上6以下である。この範囲にすることにより、界面活性剤を、酸化エチレンを付加することができる複数の位置に略均等に、あるいは一定位置に付加されて立体構造の近似したポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とすることができるため、より安定した単分散性のw/o/w型エマルション製剤とすることができるとともに、体内に投与された後に内水相w1の薬効成分を徐放させることができる。
油相oに添加する界面活性剤は、使用する油相oに応じて適宜変更することができるが、油性界面活性剤がw粒子及びw/o粒子を十分に被覆し長時間安定した単分散性のw/o/w型エマルション製剤とすることができる観点から、油相oの0.1〜20重量%含むことが好ましい。
外水相wは、薬理的に許容されるものであれば特に限定されず、用途に応じて適宜選択することができるもので、注射用蒸留水、栄養剤、生理食塩水、ブドウ糖注射液などが挙げられる。
内水相w1や外水相wに添加する浸透圧調整剤は、薬理的に許容されるものであれば、w/o/w型エマルションを安定に保つことができる限り特に限定されず、例えば食塩、グルコースやラクトース、スクロースなどの糖類、グリセリンなどが挙げられる。
外水相wに添加する界面活性剤は、外水相w中に分散するw/o粒子を長時間安定させる場合だけでなく、w/o/w型エマルションが用時調製され即時投与されるような場合であっても必要に応じて使用される。この界面活性剤は、医薬用乳化製剤として人体に影響なく、薬理的に許容されるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、ポリオキシエチレン・ソルビタン系界面活性剤、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系界面活性剤、レシチン、プロキサマー系界面活性剤などが挙げられる。
w/o/w型エマルション製剤のw/o粒子の径は、1μm〜400μmである。この範囲内であれば、w/o粒子が血管を通りやすく、かつ、十分に薬効成分を徐放することができる大きさとすることができる。また、w/o粒子の径は、バックフローで流れ戻らないようにするためにある程度の大きさを要する観点から好ましくは30μm〜300μm、スムーズに通過するという観点からより好ましくは30μm〜80μmの範囲内とすることにより、血管内をスムーズに通過でき、患部に届きやすい。
(2)理想的なw/o/w型エマルション製剤
理想的なw/o/w型エマルション製剤について述べると、主たる治療目的で薬効性を有する医薬品を内水相w1に用いる場合、外水相wに分散するw/o粒子において、粒子内に高濃度で封入される内水相w1は、製剤を投与して目的部位に到達して初めて内水相w1が油相oを介して染み出て、疾患部に対して薬効を奏するという機序が理想的である。これは内水相w1の徐放特性を活かした治療効果が期待できるものである。これに対し、w/o/w型エマルションを製造するときには、内水相w1は外水相w側へ染み出ないことが理想的である。
油相oを介して内水相w1と外水相wの溶液の移動が起こりやすい処方は、油相oに含有される油性界面活性剤に因るところが大きく、前記のようなw/o/w型エマルション製剤の薬効機序を働かせるためには、油相o中に特定の油性界面活性剤を含有することが必要である。
なお、w/o/w型エマルション製剤を製造し、患者に投与した後は、薬効性のある内水相w1は外水相w側へ染み出てくることが望ましいため、特に生理食塩水相当の浸透圧とされる血管中に使用される場合は、w/o/w型エマルションの内水相w1と外水相wの溶液の移動が完了し、内水相w1と外水相wの浸透圧平衡となった浸透圧は、生理食塩水の浸透圧より低い状態が理想的である。
これはつまり、w/o/w型エマルションの内水相w1と外水相wの浸透圧平衡状態を生理食塩水の浸透圧より低い状態にすると、生理食塩水中(例えば血液中)では、w/o/w型エマルションの外水相wが、投与後全身血流により希釈され、w/o粒子が血液中、或いは組織中に存在するということになり、w/o粒子の内水相w1が外相側へ移動し易い、即ち徐放し易いということである。
以上のように、w/o/w型エマルションの仕込み時(乳化前)の内水相w1の浸透圧が外水相wの浸透圧以上であり、w/o/w型エマルション投与時(乳化後)には内水相w1と外水相wの浸透圧が略平衡であり、かつ、生理食塩水の浸透圧の1倍未満であることが望ましい。このようにすることで、浸透圧の低い外水相wの溶液が油相oを介して内水相w1へ移行することにより、w1粒子が膨張して薬剤含有水溶液の容量を増加させ、血管中に放出されるw/o/w型エマルション製剤による内水相w1の徐放時間を長くすることができる。また、血管中に放出される投与時のw/o/w型エマルション製剤は、外水相wが血液に置き換わり、浸透圧の低い内水相w1の溶液が油相oを介して血液中(外相中)へ漸次移行することにより内水相w1中の薬剤含有水溶液を効率よく徐放することができる。
(3)w/o/w型エマルションの製造に使用する器具
図2(a)に示すように、w/o/w型エマルションの製造に使用する器具は、医療用の三方活栓4、多孔体搭載メス−メス乳化デバイス5、多孔体搭載オス−メス乳化デバイス6、注射用シリンジ1,2,3である。三方活栓4は、三方活栓オスコネクター4a、三方活栓メスコネクター4b,4c、コック4dとからなる。多孔体搭載メス−メス乳化デバイス5は、乳化デバイスメスコネクター5a,5aの中央に多孔体s1が装備されたものであり、乳化デバイスメスコネクター5a,5aは、注射用シリンジ1,2,3や三方活栓オスコネクター4aに接続可能となっている。多孔体搭載オス−メス乳化デバイス6は、乳化デバイスメスコネクター6aと乳化デバイスオスコネクター6bの中央に多孔体s2が装備されたものであり、乳化デバイスメスコネクター6aは注射用シリンジ1,2,3に、乳化デバイスオスコネクター6bは三方活栓メスコネクター4b,4cに接続可能となっている。注射用シリンジ1,2,3は、10cc容量の液体を収容可能でありその先端を三方活栓メスコネクター4b,4c、乳化デバイスメスコネクター5a又は乳化デバイスメスコネクター6aに接続可能となっている。
これらの三方活栓4、多孔体搭載メス−メス乳化デバイス5、多孔体搭載オス−メス乳化デバイス6、注射用シリンジ1,2,3をそれぞれ接続した状態が図2(b)である。この接続状態で注射用シリンジ1,2,3のプランジャーP1,P2,P3を引き押し(以下、「ポンピング」という)することで三方活栓4のコック4dによって三方活栓4の三つの流路の内一つの流路が止められ、残された二つの流路と注射用シリンジ内の流路で液体が往復できるようになっている。また、多孔体搭載メス−メス乳化デバイス5の多孔体s1や多孔体搭載オス−メス乳化デバイス6の多孔体s2を注射用シリンジ1,2,3内の液体が通過することで、異なる相を収容した注射用シリンジ内の各溶液を乳化させ即時にエマルションを製造することができる。
多孔体s1、s2は、ほぼ同径に設計された細径の導通管が束状になったものや、SPG多孔体のように3次元的な絡み合い構造による複数の導通管が形成されるものであり、その材質は、例えばガラス製、セラミック製、金属製、木製、樹脂性などが挙げられ、その成形体は、焼結体、ガラス分相法による多孔質膜などが挙げられる。
ガラス分相法で形成される所謂多孔質ガラス膜には、分相法多孔質ガラス体として、周知のNaO−B−SiOを基礎ガラス組成とし骨格SiO組成となる多孔質ガラス、NaO−B−SiO−GeOを基礎ガラス組成とし骨格SiO−GeO組成となる多孔質ガラス、CaO−B−TiO−SiOを基礎ガラス組成とし骨格TiO−SiO 組成となる多孔質ガラス、NaO−B−ZrO−SiOを基礎ガラス組成とし骨格ZrO−SiO組成となる多孔質ガラス、CaO−B−Al−SiOを基礎ガラス組成とし骨格Al−SiO組成となる多孔質ガラスがあるが、CaO−B−SiO−Al系の多孔質ガラス、CaO−B−SiO−Al−NaO系の多孔質ガラス及びCaO−B−SiO−Al−NaO−MgO系の多孔質ガラス等を適宜前記連結管の形状に合わせて成形することが好ましい。
これらの多孔質ガラスの中でも、特に、相対累積細孔分布曲線において、細孔容積が全体の10%を占める時の細孔径を細孔容積が全体の90%を占める時の細孔径で除した値が、実質的に1〜1.5までの範囲内にあるミクロ多孔質膜を用いることが望ましい。このような膜は、特に細孔が均一であり、膜乳化に適している。この膜乳化に適する多孔質ガラス膜に、シラス多孔質ガラス(以下、「SPG」という)膜がありこれを利用することが好ましい。このSPG膜による多孔体s1,s2は、w/o/w型エマルション製剤の製造において、開孔の大きさと、開孔同士の隣り合う距離とが調節されて多孔体s1,s2を通過してそれぞれ連続相中に製造される粒子同士が干渉しない構造となっており、開孔から射出される粒子同士が合体せずに、連続相中に分散させることができるようになっている。なお、多孔体の細孔径を5μm以上とすることにより、ポンピング乳化時に多孔体内に溶質がトラップされて目詰まりを起こすことがなく液体がスムーズに通過して容易に手作業で乳化を行うことができる。
(4)w/o/w型エマルション製造の前準備
w/o/w型エマルション製造の前準備について図3を用いて説明する。まず、三方活栓4に接続する各注射用シリンジ1,2,3に、それぞれ内水相w1、油相o、外水相wを収容する(図示省略)。次に(a)に示すように三方活栓メスコネクター4cと注射用シリンジ3を多孔体搭載オス−メス乳化デバイス6を介して連結させる。三方活栓4のコック4dを三方活栓オスコネクター4a側に切り替え、注射用シリンジ3内の外水相wをプランジャーP3を矢印方向へ押圧して多孔体s2を外水相wで湿潤させると同時に、二次乳化用流路b−cの少なくとも三方活栓メスコネクター4c内流路のエア抜きを完了する。なお、二次乳化用流路b−cとは、三方活栓メスコネクター4b内の流路と三方活栓メスコネクター4c内の流路と多孔体搭載オス−メス乳化デバイス6内の流路とからなる。
次に、(b)に示すように、コック4dを三方活栓メスコネクター4c側に切り替えて、油相oが収容された注射用シリンジ2を三方活栓オスコネクター4aと多孔体搭載メス−メス乳化デバイス5を介して連結させる。注射用シリンジ2内の油相oを、プランジャーP2を矢印方向へ押圧して多孔体s1を油相oで湿潤させると同時に、一次乳化用流路a−bのエア抜きを完了し油相oで満たす。なお、一次乳化用流路a−bとは、三方活栓オスコネクター4a内の流路と三方活栓メスコネクター4b内の流路と多孔体搭載メス−メス乳化デバイス5内の流路とからなる。
最後に、(c)に示すように、内水相w1が収容された注射用シリンジ1を三方活栓メスコネクター4bに連結させる。ここで、w/o/w型エマルションを製造する際に、多孔体s1、s2を用いる場合は、多孔体表面性状が大きく影響を及ぼすため、多孔体s1は疎水性、多孔体s2は親水性とすることが非常に重要である。例えば、w/o系エマルションを製造するのに、該多孔体が親水性であると、エマルション転相を引き起こしo/w系エマルションになり不具合を起こす可能性がある。逆に、o/w系エマルションを製造するのに、該多孔体が疎水性であると、エマルション転相を引き起こしw/o系エマルションになり不具合を起こす可能性がある。こうなると、本来のw/o/w型エマルションを全く形成できない。また、多孔体s1を疎水性、多孔体s2を親水性とすることで、多孔体を通過する液体と多孔体が反発しあって液体が多孔体内で球状態に成形されやすく、粒子同士が合体せずに射出した粒子の状態でそれぞれ連続相中に分散させることができる。なお、例えば多孔体s1が親水性であったとしても、w/o系エマルションを製造するために、多孔体s1を連続相となる油相oで事前に馴染ませることにより、多孔体s1を親水性から疎水性とすることも可能で、何れにおいても乳化前に連続相で各多孔体を先ず馴染ませることが重要である。
また、前述のような手順で三方活栓4内の流路を注射用シリンジ内の液体で満たすことにより、製造される乳化物に空気が混入することがない。また、流路内の各多孔体s1,s2が、製造される乳化物のそれぞれ連続相で予め湿潤されることになり、エマルション転相を防いで所望のw/o/w型エマルションを確実に製造することができる。
(5)w/o/w型エマルションの製造方法
次に、w/o/w型エマルションの製造方法について図4を用いて説明する。先ず、(a)のように三方活栓4のコック4dを注射用シリンジ3側に切り替えた状態で、プランジャーP2を押圧して注射用シリンジ1内に内水相w1と油相oを収容する。この時点で、注射用シリンジ1を振とうすることで、内水相w1と油相oを事前に粗混合させ、次いで注射用シリンジ1,2の各プランジャーP1、P2を交互に往復移動させる。これらの液体は矢印の一次乳化用流路a−bを通って多孔体s1を介してポンピングにより乳化(以下、「ポンピング乳化」という)され、一次乳化物であるw/o型エマルションwoが製造される。ポンピング回数は、目的の一次乳化物を得るために適宜調整するものでことができるが、例えば、多孔体s1に約10パス〜30パス(「1パス」とは、流路を1回通過させることをいう)通過させることで所望の一次乳化物を製造することができる。なお、製造したw/o型エマルションwoは注射用シリンジ1に収容しておく。
次に、(b)のように三方活栓4のコック4dを注射用シリンジ2側に切り替えた状態で、プランジャーP3を押圧して注射用シリンジ1内にw/o型エマルションwoと外水相wを収容する。この時点で、注射用シリンジ1を振とうすることで、w/o型エマルションwoと外水相wを事前に粗混合させ、次いで注射用シリンジ1,3の各プランジャーP1、P3を交互に往復移動させる。これらの液体は矢印の二次乳化用流路b−cを通って多孔体s2を介してポンピング乳化され、二次乳化物であるw/o/w型エマルションwowが製造される。ポンピング回数は、目的の二次乳化物を得るために適宜調整するものでことができるが、例えば、多孔体s2に約3パス〜5パス通過させることで所望の二次乳化物を製造することができる。このように三方活栓4を用いて乳化物を製造する場合において、特に多孔体s1,s2を使用することにより、複数の貫通孔をもつ多孔体s1,s2を通過させて効率よく一度に一次乳化物や二次乳化物を形成することができる。また、三方活栓4や注射用シリンジ1,2,3を使用することにより乳化物の用時調整を手中で行うことが可能となり、患者に投与される直前に無菌的に乳化を行い、その後得られた乳化物が収容される注射用シリンジをそのままカテーテルに装着し、即時投与することも可能である。
なお、一次乳化と二次乳化で行うポンピング乳化法は、所謂分散相と連続相を予め粗混合して多孔体s1,s2を介して連続相中に粗分散した分散相液滴を整粒する透過膜乳化法を繰り返し行う乳化法であり、このポンピングを複数回行うことにより、目標粒子径のエマルションを製造することができる。
なお、三方活栓4を使用せずにw/o/w型エマルションwowを製造する方法としては、多孔体搭載メス−メス乳化デバイス5(多孔体は疎水性)を介在させた注射用シリンジ1と注射用シリンジ2を使用して一次乳化物であるw/o型エマルションwoを製造し注射用シリンジ1に収容し、次に注射用シリンジ1を多孔体搭載メス−メス乳化デバイス5から取り外して、注射用シリンジ1を別の多孔体搭載メス−メス乳化デバイス5(多孔体は親水性)を介在させた注射用シリンジ3を使用して二次乳化物であるw/o/w型エマルションwowを製造することが考えられる。しかし、前述のように三方活栓4を使用してw/o/w型エマルションを製造する場合、多孔体搭載メス−メス乳化デバイス5や多孔体搭載オス−メス乳化デバイス6が連結された三方活栓4が予め準備され、w/o/w型エマルション製造者は使用する全ての注射用シリンジ1,2,3を三方活栓4に順次連結させ、注射用シリンジ1,3を三方活栓4から着脱させることなく容易にポンピング乳化することが可能となる。
(6)w/o/w型エマルションに使用する油相用界面活性剤の評価
次に、本発明に係るw/o/w型エマルション製剤の油相に、医薬品添加物とされている表1に示す界面活性剤のうちNo.3、4、5、7、8、9を用いて、w/o/w型エマルションの安定性と単分散性について評価した。
表1のNo.1〜8は、油性界面活性剤として示された一覧であるが、No.9のHCO40は特許文献1記載のw/o/w型エマルションの油性界面活性剤として推奨されているものの、HCO40は水溶性であり、親水性疎水性を示すHLB値からも明確である。HLB値は、界面活性剤の水と油(水に不溶性の有機化合物)への親和性の程度を表す値であり、HLB値9以下程度が、一般にw/o系エマルションの乳化に用いられ、HLB値が0に近いほど親油性が高くなる。
(実験例1)医薬品添加物油性界面活性剤の一次乳化の安定性評価
表1のNo.4、5、7、8をw/o/w型エマルションの油相用として使用するために、先ず一次乳化w/o型エマルションで乳化安定性を確認した。乳化内容は、内水相に20%乳糖水溶液3mlで、油相用油脂に医薬用油性造影剤のヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル(商品名「リピオドール」:ゲルべ・ジャパン(株)製、以下、単に「リピオドール」という)5mlを使用し、当該界面活性剤は、前記油脂5mlに対し、10wt%の0.5gを添加した。乳化方法は、スターラー900rpm、3分間の撹拌で簡易的に評価した。その結果は、図5の写真に示すように、(a)の乳化直後は均一にw/o型エマルションが得られたように見られるが、静置3日後の(b)に示すように、No.4(SL−10)、No.5(SO−10V)、No.8(HCO10)は破線で示すように2層分離することが目視でも確認され、乳化安定性が悪いことが明確となった。これらに対し、No.7(HCO5)は、3日経過後も分離層は現れず安定したw/o型エマルションが得られ、顕微鏡下でも容易に1〜3μmの微細w粒子が得られていることが確認できた。このように、医薬品添加物の油性界面活性剤であっても、w/o/w型エマルションを形成するのに重要な一次乳化w/o型エマルションの安定性に優れているのは、同じポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系であっても、HCO10は安定性がなく、HCO5であることが分かる。なお、HCO10は2層分離することが確認されたが、HCO20及びHCO30について追加実験を行ったところ、HCO10と同様に2層に分離することが確認できたため、HCO20及びHCO30は、一次乳化w/o型エマルション形成においてはHCO10と同様の性質をもつ界面活性剤であるということができる。
また、HLB値がHCO5の6.0より小さく疎水性の高いHLB値4.3のSO−10Vであっても、当実験結果からw/o/w型エマルションの一次乳化w/o型エマルションの乳化には相応しくないということが分かる。つまり、HLB値だけでw/o型エマルションの乳化安定性は判断できないということである。No.3のSO15MVもHLB値が小さく疎水性が高いにもかかわらず本発明に係るw/o/w型エマルションを形成するw/o型エマルションの乳化には全く不向きであった。
(実験例2)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系の添加によるw/o/w型エマルション形成の評価
w/o/w型エマルション製剤を製造するために、油相のリピオドールに、表1のNo.7、8、9のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系であるHCO5、HCO10、HCO40と、特許文献1記載のw/o/w型エマルションを形成するのに優れた安定性と単分散性を示す油性界面活性剤であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(商品名「CR−310」:阪本薬品工業(株)製など、以下、単に「PGCR」という)を用いた場合の単分散性について比較実験評価を行った。その結果をそれぞれ表2の実験例2、比較例21、比較例22、比較例23に示す。
w/o/w型エマルションを製造する乳化手段としては、特許文献1において挙げられた多孔質ガラス膜を用いる乳化方法(特開平2−95433号公報)とおり、一次乳化したw/o型エマルションを、多孔質ガラス膜を介してゆっくり時間をかけて外水相となる水相に圧入分散させてw/o/w型エマルションを製造する方法、所謂直接膜乳化法が可能なSPGフィルターキット(エス・ピー・ジーテクノ(株)製)20μm親水性を用いて行った。このSPG直接膜乳化法は、使用細孔径の3倍〜5倍程度の粒子径が製造されることから、この場合w/o粒子径としては、主に60μm〜100μm前後の単分散粒子が得られることとなる。そのそれぞれ製造したw/o/w型エマルション粒子の顕微鏡写真と粒度分布を図6に示す。内水相は、前述実験例の内水相の20%乳糖水溶液に、単に抗がん剤塩酸エピルビシンが含まれる水溶液(商品名「ファルモルビシン注射用」:ファイザー(株)製、以下、単に「ファルモルビシン水溶液」という)である。外水相は、浸透圧調整剤として0.4%NaClと、界面活性剤として0.7%HCO60(日光ケミカルズ(株)製)を添加した水溶液である。20%乳糖水溶液は、大よそ1.8%NaClの浸透圧に相当する。
この結果として、HCO5、HCO40、PGCRを用いたw/o/w型エマルションは、表2、図6からも分かるように、粒子径の小さい方から分布量を累積させて全体の50%相対粒子量に位置する粒子径をメディアン径50%Dとするが、その50%DがHCO5、HCO40、PGCRを用いたw/o/w型エマルションでは、それぞれ大よそ、89μm、82μm、86μmと単分散の目標粒子径のエマルションが得られるが、HCO10を用いたw/o/w型エマルションの粒度分布の50%Dは、大よそ43μmであり、本来のSPG直接膜乳化法に従属した結果が得られず、更に10%Dでは大よそ16μmであり、その分布も微細粒子10μm付近にまで広がっており多分散傾向にある。つまり、w/o/w型エマルションを形成するのにHCO10は相応しくないと言える。
また、当該w/o/w型エマルション製剤は、注射用製剤として使用される目的もあるため、特に血管注射用の場合、DDS療法の観点からすると、目標粒子径に対して、粒子径分布の広い所謂多分散であってはならず、特に目標粒子径に対して、極端に微細粒子があると、対象とする血管以外の細い血管へ流出してしまい、毛細血管や末梢血管の閉塞を引き起こし、血流不全により身体を危険な状態に晒してしまう可能性が考えられる。例えば、肝細胞がん治療のために肝動脈に注入するw/o/w型エマルション製剤では、粒子径分布30μm以上であることが理想とされており、当該SPG直接膜乳化法で目標粒子径を得るために、HCO10を用いたw/o/w型エマルション粒度分布、図6(b)の累積グラフから勘案すると、粒子径30μm以下が約30%と非常に多く存在しており、HCO10は肝細胞がん治療のために肝動脈に注入するw/o/w型エマルションには相応しくないということが言える。
これに対し、ほかのHCO5、HCO40、PGCRを用いたw/o/w型エマルション粒度分布、図6の累積グラフから、目標粒子径に対し、粒子径30μm以下は殆ど存在せずSPG直接膜乳化法で目標粒子径の60〜100μmを単分散に製造することができ、安全に利用できることが分かる。
以上のことから、医薬用w/o/w型エマルション製剤において、油相中に含有される界面活性剤としては、医薬品添加物であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系の油性界面活性剤であったとしても、HCO10は安定性と単分散性において相応しくないということになる。
(実験例3)w/o/w型エマルションの薬効機序の評価
次に、薬効機序について説明すると、薬効性のある内水相を高濃度で内封したw/o/w型エマルション製剤が、目標とする部位において高確率で奏効するためには、前述のとおり、エマルション製造時には内水相が外水相側へ染み出さず、投与時には例えば血液中或いは患部組織中では、w/o粒子の内水相が外相側へ染み出る働きをすることが理想であり、つまり、そもそもw/o/w型エマルション製剤の内水相と外水相の溶液の移動が顕著に起こる油性界面活性剤でなければならない。要するに、w/o粒子径が、w/o/w型エマルション製造中又は製造後から投与直前までの間に肥大化すれば、内水相が外水相の溶液を吸収して膨潤したことが言えるため、内水相と外水相の溶液の移動が双方に起こり得ることとなり、前述の理想のw/o/w型エマルションであるということが言える。
そこで、前述の実験例2、比較例22、比較例23で製造したw/o/w型エマルションを経過観察し、w/o粒子径(50%D:メディアン径)の変化を表3にそれぞれ実験例3、比較例32、比較例33として示す。その結果、HCO40を用いた場合のw/o/w型エマルションのw/o粒子の膨張がほとんど無いことに対して、HCO5(或いは、PGCR)を用いた場合のw/o/w型エマルションのw/o粒子は、顕著に膨張傾向を示しており、内水相と外水相の溶液の移動が起こりやすい油性界面活性剤であることが明確である。
実際、w/o/w型エマルションをバイアル瓶内で静置しておくと、HCO40によるw/o/w型エマルションは、長期間流動性があり外水相中にw/o粒子が分散している状態であるが、HCO5(或いはPGCR)によるw/o/w型エマルションは、2日目ほどからエマルション粘性が現れてきて、流動性が悪くなる。これは製造当日のw/o粒径が時間経過とともに膨化して、w/o/w型エマルション全容積に対するw/o粒子の最密充填率74容積%近傍若しくはそれ以上となるためエマルション全体の粘性が高まるからである。
ここで、表2に示すように内水相と外水相を所定の浸透圧と各容量にしておくと、w/o/w型エマルションを製造後、内水相と外水相の溶液移動が起こり、双方の浸透圧が平衡状態となった時の浸透圧が、内水相浸透圧1.8%NaCl相当が3mlと外水相浸透圧0.4%NaClが7.5mlであるので、次の計算式で導出すると、0.8%NaCl相当となり、生理食塩水或いは血液の浸透圧0.9%NaCl相当より低くすることができる。
(1.8%NaCl×3ml+0.4%NaCl×7.5ml)/(3ml+7.5ml)=0.8%NaCl相当
このようにHCO5(或いはPGCR)を用いた場合のw/o/w型エマルションのw/o粒子が膨張するということは、内水相と外水相の溶液が、それらの浸透圧差により移動しているということであり、つまり、この場合、外水相の溶液が内水相側へ吸収されてw/o粒子を膨らませているということで、このHCO5を油相の界面活性剤に使用すると、エマルション製造時では主たる薬効性のある内水相が容易に外水相側へ移動しない、即ち漏洩しないように、また、投与後血液中或いは患部組織中では、薬効性のある内水相を徐放させるという処方設計が、使用する各相の容量と浸透圧調整で自由にコントロールできるということである。
これとは別に、HCO40を用いた場合のw/o/w型エマルション製剤で、当実験例のように製造時、内水相の浸透圧を外水相の浸透圧より高く処方していても、HCO5を用いた場合のようにw/o粒子が膨張しないということは、内水相と外水相の溶液の移動が起こりにくいということであり、製造時薬効性のある内水相が外水相側染み出ないことは幸いにしても、投与後血液中或いは患部組織中でも内水相が外相側へ染み出ないということでもあり、薬効が奏することは期待できないということになる。
つまり、単分散に製造されるw/o/w型エマルション製剤が薬効機序を来たすことができる界面活性剤は、医薬品添加物であって、更にポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系の中でも、酸化エチレンの付加モル数が5であるHCO5であるということになる。これは、HCOの酸化エチレンの付加モル数が低いHCOを使用することにより、酸化エチレンの付加位置や重合度の違いによる分子の立体構造のばらつきが少なくなり、安定した単分散性のw/o/w型エマルション製剤とすることができることによる。その機序は、前述のHCOの一般化学式において説明したように、HCOの付加モル数の値はx+y+z+l+m+nで表され、6つ付加位置の何れかに結合されるHCOが略均等に、あるいは一定位置に付加されて同一の立体構造あるいは近似した構造のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とすることができるためであると考えられる。このような構造をもつ界面活性剤を使用することにより、油相中の界面活性剤がその親水基同士を吸着しあってラメラ構造を形成し、このラメラ構造が外水相と内水相の水溶液の移動を可能とする通路として効果的に働くことができる。
(実験例4)三方活栓法によるw/o/w型エマルション形成における評価
前述した実験例は、SPG膜乳化においても静的な直接膜乳化法であり、つまり分散相w/o型エマルションをSPG膜を介して連続相側へ圧入分散させる方法で、油相用界面活性剤の評価を行った。これに対し、当実験例では、前述で説明した図2〜図4に示す通りの三方活栓を用いた方法(以下、「三方活栓法」という)のように、SPG膜乳化においても動的な透過膜乳化法である所謂分散相と連続相を予め粗混合して、連続相中に粗分散した分散相液滴を、後にSPG膜を介して整粒する方法(当実験例では、前述のポンピング乳化法)で実施した。また、当実験例では乳化デバイス5に装備した一次乳化用SPG膜は50μm疎水性、乳化デバイス6に搭載した二次乳化用SPG膜は100μm親水性のそれぞれSPG膜多孔体を用いて、本発明に係る三方活栓法により得られるw/o/w型エマルション形成のための油相用界面活性剤の評価を行った。
先ず、本発明に係るw/o/w型エマルションを製造するために、油相のリピオドールに、表1のNo.7、8、9のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系であるHCO5、HCO10、HCO40と、前述特許文献1記載のw/o/w型エマルションを形成するのに優れた安定性と単分散性を示す油性界面活性剤であるPGCRを用いた場合の単分散性について比較実験評価を行った。それぞれ表4の実験例4、比較例41、比較例42、比較例43に示す。
当実験例において、図2に示す三方の内水相w1、油相o、外水相wはそれぞれ10cc注射用シリンジに適量装填し、図4(a)に示す一次乳化用流路a−bを通過させるポンピング数は30パスであり、図4(b)に示す二次乳化用流路b−cを通過させるポンピング数は3パスで行った。なお、特に二次乳化では、ポンピング回数により目的とするw/o/w型エマルションのw/o粒子径をコントロールすることができることは言うまでもない。
結果は、表4の比較例41のように、ここでもHCO10では全く単分散性は得られず、2ピークの多分散粒度分布となった。しかも微細粒子が顕著に現れ、本発明に係る三方活栓法においても、前述比較例21と同様、w/o/w型エマルション形成にはHCO10は相応しくない。更に、表4の比較例42のHCO40でも、特許文献1記載のようなw/o/w型エマルションの単分散性は得られず、2ピークの多分散粒度分布となり、微細粒子が顕著に現れ、本発明に係る三方活栓法においては、HCO40も相応しくない結果となり、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系では、HCO5がw/o/w型エマルション形成に最も適する結果であった。
これは、HCO10、HCO20、HCO30、HCO40においては、一次乳化のw/o型エマルション製造時で均一微細化にすることができず、w1粒子の分散性が悪く凝集が見られ、二次乳化の油滴中に封入する工程時には、偏った封入行為となり、w/o/w型エマルション形成をより難しくしているためである。
これに対し、HCO5により得られるw/o/w型エマルションは、先ず一次乳化で得られるw/o型エマルションでは、内水相液滴を油相中に顕微鏡下では約1〜3μmという均一粒子径と分散性に富む状態にすることができ、これは前記実験例1で実施した乳化安定性からも確認できる事項であり、このおかげで、次の二次乳化では油滴中に均一に封入されることとなり、安定したw/o/w型エマルションが形成されることに繋がっている。また、HCOの酸化エチレンの付加モル数が低いHCOを使用することにより、酸化エチレンの付加位置や重合度の違いによる分子の立体構造のばらつきが少なくなり、安定した単分散性のw/o/w型エマルション製剤とすることができることによる。酸化エチレンの付加モル数は、製造されるw/o/w型エマルション製剤の安定性や単分散性に大きく影響するが、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系の中でもHCO10、HCO20、HCO30、HCO40等の10を超える付加モル数とは異なり、一ケタ即ち1以上9以下の酸化エチレンの付加モル数の場合は、w/o/w型エマルション製造において理想的な界面活性剤であるということができる。これは前述のHCOの一般化学式において説明したように、HCOの付加モル数の値はx+y+z+l+m+nで表され、6つ付加位置の何れかに結合されるHCOが略均等に、あるいは一定位置に付加されて同一の立体構造あるいは近似した構造のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とすることができるためであると考えられる。このような安定した構造をもつ界面活性剤を使用することにより、界面活性剤が油相と内水相の界面若しくは油層と外水相の界面で効果的に働くことができる。
(実験例5)HCO5の評価1
前述の実験例に引き続き、内水相の処方を変えた場合の評価を行いその結果を表5に示す。内水相を20%乳糖水溶液とした場合、HCO5とPGCRはw/o/w型エマルション形成には問題なく使用でき、安定した単分散のw/o/w型エマルションを得ることができた。これに対し、HCO10とHCO40は前記比較例42のHCO40同様、2ピークの多分散粒度分布となり油相に添加する界面活性剤として相応しくない結果となった。
(実験例6)HCO5の評価2
更に、内水相にボロン化合物であるボロカプテイト(BSH:borocaptate)水溶液を用いた場合の評価を行いその結果を表6に示す。実験例1と同じSPG直接膜乳化法の静的な膜乳化手段で行ったにもかかわらず、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系であっても、HCO40は、内水相の処方が変わると微粒子を多く発生させてしまう結果となり、油相に添加する界面活性剤として相応しくないことが確認できた。これに対し、HCO5は理想の安定した単分散のw/o/w型エマルションを得ることができた。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、界面活性剤はHCO5のみを単独で使用した実験例を示したが、HCO5と他の界面活性剤とを混合して使用してもよい。
例えば、前記実施例では、三方活栓を使用して3つの流路を制御してw/o/w型エマルションを製造する方法について示したが、多連活栓等を使用してw/o/w型エマルションを製造するようにしてもよい。
例えば、前記実施例では、流路aの端部と注射用シリンジ2とを接続可能な多孔体搭載メス−メス乳化デバイス5を用いて多孔体に通過させる例を示したが、三方活栓オスコネクター4a内に多孔体が搭載され、三方活栓オスコネクター4aに直接注射用シリンジ2を接続するようにしてもよく、同じく三方活栓メスコネクター4c内に多孔体が搭載され、三方活栓メスコネクター4cに直接注射用シリンジ3を接続するようにしてもよい。
o 油相(油性造影剤)
w1 内水相(抗がん剤水溶液)
w 外水相
wo w/o型エマルション
wow w/o/w型エマルション
1,2,3 注射用シリンジ
P1,P2,P3 プランジャー
4 三方活栓
4a 三方活栓オスコネクター
4b,4c 三方活栓メスコネクター
4d コック
5 多孔体搭載メス−メス乳化デバイス
5a 乳化デバイスメスコネクター
6 多孔体搭載オス−メス乳化デバイス
6a 乳化デバイスメスコネクター
6b 乳化デバイスオスコネクター
s1,s2 多孔体
a−b 一次乳化用流路
b−c 二次乳化用流路

Claims (9)

  1. 内水相が薬剤含有水溶液であり、かつ、界面活性剤としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が油相中に含有されてなるw/o油滴が外水相中に分散された血管注射用のw/o/w型エマルション製剤であって、
    前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の酸化エチレンの付加モル数が1以上9以下であり、
    前記外水相は、浸透圧が0.9%NaCl相当未満の水溶液であり、
    前記内水相の浸透圧が前記外水相の浸透圧と等しいことを特徴とする医薬用乳化製剤。
  2. 前記界面活性剤であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の酸化エチレンの付加モル数が4以上6以下であることを特徴とする請求項1に記載の医薬用乳化製剤。
  3. 前記界面活性剤を前記油相の0.1〜20重量%含むことを特徴とする請求項1または2に記載の医薬用乳化製剤。
  4. 前記w/o/w型エマルション製剤のw/o粒子は、その径が1μm〜400μmであることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の医薬用乳化製剤。
  5. 前記w/o/w型エマルション製剤の仕込み時の前記内水相の浸透圧が前記外水相の浸透圧以上であり、前記内水相と前記外水相が浸透圧平衡することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の医薬用乳化製剤の製造方法。
  6. 以上の流路の制御が可能な活栓を用い、該活栓の流路a側には前記油相が充填された第一のシリンジが接続され、流路b側には前記内水相が充填された第二のシリンジが接続され、流路c側には前記外水相が充填された第三のシリンジがそれぞれ接続されており、
    (1)前記第一のシリンジと前記第二のシリンジの各プランジャーを移動させることにより前記第一のシリンジの油相と前記第二のシリンジの内水相を前記流路aと前記流路bを通過させてなる一次乳化物を前記第二のシリンジに回収し、
    (2)前記第二のシリンジと前記第三のシリンジの各プランジャーを移動させることにより前記第二のシリンジの一次乳化物と前記第三のシリンジの外水相を前記流路bと前記流路cを通過させて二次乳化物とするとともに
    前記流路a若しくは前記流路aの端部と第一のシリンジとを接続可能なコネクター
    及び/又は
    前記流路c若しくは前記流路cの端部と第三のシリンジとを接続可能なコネクター
    には多孔体が設置されていることを特徴とする請求項5に記載の医薬用乳化製剤の製造方法。
  7. 前記多孔体は、開孔の大きさと、該開孔同士の隣り合う距離とを調節して粒子同士が干渉しない構造となっていることを特徴とする請求項に記載の医薬用乳化製剤の製造方法。
  8. 前記多孔体は、該多孔体を通過して製造される乳化物の連続相が水相である場合は親水性、油相である場合は疎水性であることを特徴とする請求項またはに記載の医薬用乳化製剤の製造方法。
  9. 前記乳化物を製造する前に、
    (1)前記第三のシリンジの外水相を前記流路cに注入して、介する前記多孔体を該外水相で予め濡らすとともに、該流路cのエア抜きを行い、
    (2)前記第一のシリンジの油相を前記流路aに注入して、介する前記多孔体を該油相で予め濡らすとともに、前記流路aと前記流路bを該油相で満たし、
    (3)前記流路bに内水相の充填された前記第二のシリンジを接続する
    ことを特徴とする請求項ないしのいずれかに記載の医薬用乳化製剤の製造方法。
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