JP4852806B2 - 希土類磁石の面取り方法およびその装置 - Google Patents

希土類磁石の面取り方法およびその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、希土類磁石の面取り方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
希土類焼結磁石は、磁性合金を粉砕して形成した合金粉末をプレス成形した後、焼結工程および時効工程を経て作製される。現在、希土類焼結磁石としては、サマリウム・コバルト系磁石とネオジム・鉄・ホウ素系磁石の二種類が各分野で広く用いられている。なかでもネオジム・鉄・ホウ素系磁石(以下、「R−T−(M)−B系磁石」と称する。RはYを含む希土類元素、Tは鉄、または鉄および鉄の一部をCoなどで置換した遷移金属元素、Mは添加元素、Bはホウ素である。)は、種々の磁石の中で最も高い磁気エネルギー積を示し、価格も比較的安いため、各種電子機器へ積極的に採用されている。希土類磁石は、その磁気特性が高いため、エレベータやエスカレータ用の大型モータなどにおいても使用されるようになってきており、最近では大型平板状の希土類磁石も作製されている。
【0003】
焼結工程および時効工程を経て作製された焼結磁石の角部や縁部は、角張った形状を有している。また、切断機や研磨機を用いて焼結磁石の形状加工を行った後にも、磁石の角部や縁部は角張った形状となる。希土類磁石は硬くて脆い性質を有しているため、このような角張った部分が磁石の角部や縁部に形成されていると、その後の加工・表面処理工程などにおいて磁石に欠けが発生する確率が高くなり、その結果、製造の歩留まりが大きく低下する。従って、焼結工程後に面取り工程を行い、磁石の角部や縁部を丸めておくことが重要である。
【0004】
また、希土類磁石は錆び易い性質を有しているため、通常、磁石表面に、めっき法などを用いて保護膜(例えばNi膜)が形成される。また、希土類磁石は、アンジュレータなどにおいて真空チャンバ内で用いられることもあり、この場合、磁石からのガスの放出や磁石表面へのガスの吸着を防止するために保護膜が必要である。磁石が形成する磁場の強度をできるだけ低下させずに効率良く利用するために、保護膜は数μm〜数十μm程度の非常に薄い膜厚で形成されている。
【0005】
磁石の角部や縁部が角張っている場合、この部分には保護膜が形成されにくく、コーティング後にも磁石表面が露出する。その結果、磁石表面に錆が発生することなどによって、各種装置において希土類磁石を適切に用いることができなくなる。また、十分に面取りがされていない場合、めっき法によるコーティングでは、磁石の角部や縁部においてドッグボーンと呼ばれる保護膜の厚い部分が形成される。このようなドッグボーンが形成された希土類磁石を、高い寸法精度や高い形状精度が求められる用途に対して使用することは困難である。例えば、ハードディスク装置のヘッド駆動用アクチュエータとして利用されるVCM(ボイスコイルモータ)のなかには、希土類磁石の平面部上を可動コイルが摺動するように構成されたものがある。この場合、磁石にドッグボーンが形成されていると、これが可動コイルの移動を阻害し、適切なヘッド駆動ができないという問題が生じる。また、磁石の縁部においてドッグボーンが形成されていると、この部分が段差を形成することによって、磁石を他の部品に接着する際に接着性が悪くなるという問題が生じる。例えば、VCM組立て時、ヨークと磁石とを接着剤を用いて接着するとき、ドッグボーンが形成されていない磁石を用いる場合に比べ、接着強度が弱くなる。
【0006】
このように希土類磁石は、電機機器等に組み込まれて使用されるため、焼結後の希土類磁石に対して精度の高い面取りを行うことが重要である。
【0007】
従来、希土類磁石の角部や縁部の面取りは、研磨ベルトやサンドペーパーを利用して人手によって行われていた。また、作業効率をより向上させた面取り方法としては、バレル研磨機を用いる方法が知られている。バレル研磨機を用いる方法(バレル法)では、多数の希土類磁石を、SiCなどから形成される研磨材(メディア)等とともにバレル容器の中に投入し、この容器を回転または振動させることによって希土類磁石の面取りを行う。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、人手による面取り方法(手面取り)では、粉塵の多い環境下で作業を行うことになるため作業環境が悪く、且つ、生産性が低い。また、手面取りでは、典型的には、面取り面が平面となるC面取りしか行うことができず、面取り面が曲面となるR面取りを行うことは困難である。C面取りの場合、面取り後にも角張った部分が残ることになり、この部分において、欠けが生じたり保護膜のコーティングが良好に行われなくなったりするおそれがある。また、手作業であるため面取り量にバラツキが生じやすく、面取り量が少ない場合には上述のような保護膜の膨らみによるドッグボーンが発生するという問題も生じる。
【0009】
一方、バレル法では、容器内において、希土類磁石が容器に衝突したり、磁石同士が衝突したりするので、磁石に加えられる衝撃が大きい。このため、硬くて脆い性質を有する希土類磁石に対してバレル法を用いると、磁石の欠けが発生することが多かった。上述したように、近年では、エレベータ用の大型モータなどに用いるために、サイズおよび重量の大きい(例えば、50mm×60mm×5mm;40g以上)平板状の希土類磁石が作製されている。このような希土類磁石をバレル研磨機によって面取りする場合、磁石同士の衝突エネルギーが大きく、特に割れ欠けが発生する可能性が高くなる。振動式のバレル法も存在するが、同様の問題がある。また、バレル法を用いる場合、磁石の角部や縁部以外の面取りが不必要な部分(例えば平面部)まで研磨されてしまうという問題もあった。このようにバレル法では、欠けや割れを防止しながら、希土類磁石の縁部や角部のみを所望の形状となるように面取りすることは困難であった。
【0010】
また、湿式のバレル法を用いた場合、容器内の閉じた空間内において希土類磁石を転がしているため、磁石表面にスラッジ(面取り時に発生する切りくず(希土類合金の粉体))が付着し易いという問題もあった。容器内に液状媒体を供給する湿式バレル法の場合、液状媒体中のスラッジ濃度は高くなり、磁石はスラッジを含む液状媒体と接した状態で研磨される。このため、研磨後に磁石をバレル容器から出した後に即座に表面を洗い流さないと、磁石の表面にスラッジが付着したまま、乾燥および酸化してしまう。スラッジは希土類合金から形成されているので、特に酸化されやすい性質を有している。酸化したスラッジが磁石表面に付着していると、この付着部分において磁石の表面もまた酸化してしまい、スラッジとともに磁石表面の一部が欠け落ち、磁石表面に穴(クレーター)が形成されることがある。このようなクレーターが形成されると、磁石の磁気特性は劣化してしまう。
【0011】
特開平4−13565号公報には、上下に設けられた一対のブラシユニットによって、金属粉末の焼結体から構成される環状のワークの両端面を研磨する装置が記載されている。この装置では、ブラシ回転部の端面(回転軸に対して垂直な面)に植設されたブラシを回転させながらワークの端面に当接させることによって、ワーク端面における周縁部に形成されたバリを取り除くとともに周縁部の面取りを行っている。また、面取り後のワークに付着している削りカス(希土類合金の粉体)を、エアーブロー装置によって除去することが記載されている。
【0012】
しかしながら、上記公報に記載の従来技術を希土類磁石の面取りに用いた場合、以下に示すような問題が生じる。
【0013】
・希土類合金は非常に燃えやすい性質を有しているので、上記従来技術を用いた場合、研磨時に火花が生じる危険性が高い。また、希土類磁石とブラシとの接触部において発生する摩擦熱によって、ブラシが溶けるおそれがある。さらに、削りカスをエアーブロー装置によって吹き飛ばすと、これが大気中に飛散することによって発火しやすくなるため、危険である。
【0014】
・上記従来技術を用いた場合、特に板状の希土類磁石の角部や縁部を均一かつ高効率に精度良く研磨することは困難である。縁部が所望の形状となるように効率良くR面取りすることができない場合、面取り効率が低下するとともに所望の磁気特性が得られない。また、種々の機器に用いられる板状の希土類磁石では、保護膜をコーティングした際に発生するドッグボーンが大きな問題となることがある。
【0015】
本発明は、かかる諸点を鑑みてなされたものであり、その主な目的は、発火しやすい性質を有する希土類磁石の角部や縁部を適切に面取りする方法、およびそれを用いた希土類磁石の製造方法を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、希土類磁石の角部や縁部を適切に面取りする装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明による希土類磁石の面取り方法は、回転するブラシと希土類磁石の角部または縁部とを接触させる工程と、前記ブラシと前記磁石との接触部においてクーラントを供給する工程とを包含する。
【0018】
ある実施形態では、前記希土類磁石は、線状の縁部を含む形状を有する。
【0019】
好ましい実施形態において、前記ブラシは、回転可能に支持されたロールと、前記ロールの外周面においてロールの中心軸から放射状に並べられた複数の弾性毛材とを有する。
【0020】
好ましい実施形態において、前記複数の弾性毛材は、砥粒を混練した樹脂から形成される。
【0021】
ある実施形態において、前記希土類磁石は線状の縁部を含む形状を有し、前記ロールの回転軸に対して略平行に位置させた前記線状の縁部を前記弾性毛材に接触させることによって、前記希土類磁石の縁部を面取りすることを特徴とする。
【0022】
好ましい実施形態において、前記ブラシと希土類磁石とを接触させる工程は、前記希土類磁石を前記ブラシに対して相対的に直線移動させる工程を包含し、前記希土類磁石に対する前記ブラシの切込み量が、0.1〜10mmであることを特徴とする。
【0023】
ある実施形態において、前記希土類磁石は板状である。
【0024】
好ましい実施形態において、前記ブラシと希土類磁石とを接触させる工程は、複数の希土類磁石を所定の間隔を開けて連続的にブラシに接触させることを特徴とする。
【0025】
好ましい実施形態において、前記クーラントは、錆止め剤を含有する。
【0026】
ある実施形態において、前記希土類磁石の角部または縁部の面取りを行うとともに、前記希土類磁石の端面を研磨する工程を包含する。
【0027】
本発明による希土類磁石の製造方法は、希土類合金粉末をプレス成形することによって、成形体を作製する工程と、前記成形体を焼結することによって、焼結体を作製する工程と、上記いずれかの面取り方法を用いて、前記焼結体の面取りを行う工程とを包含する。
【0028】
好ましい実施形態において、前記面取りを行う工程の後に、前記焼結体の表面に保護膜を形成する工程を包含する。
【0029】
本発明による面取り装置は、複数の希土類磁石の面取りを行う装置であって、回転可能に支持されたロールおよび前記ロールの外周面においてロール中心軸から放射状に並べられた複数の弾性毛材を有するブラシと、前記複数の希土類磁石を間隔を開けて保持することができる保持具と、前記保持具と前記ブラシとを相対的に移動させることによって、前記希土類磁石と前記ブラシとを接触させることができる移動装置とを備える。
【0030】
好ましい実施形態において、前記保持具は、複数の板状の希土類磁石を保持するための複数のスリットを有している。
【0031】
【発明の実施の形態】
[面取り装置1]
まず、図1を参照しながら、本実施形態に係る希土類磁石の面取り装置の構成を説明する。面取り装置1は、ブラシ10と、ブラシ10を回転させるための駆動装置20と、希土類磁石3を固定するための冶具30と、ブラシ10と希土類磁石3との接触部にクーラント(冷却液)を供給することができるクーラント供給管40とを備えている。希土類磁石3を固定する冶具30は、移動装置(不図示)によって水平方向に移動可能であり、ブラシ10の下方を通過することができる。
【0032】
ブラシ10は、駆動装置20に接続された回転ロール12と、この回転ロール12の外周面に植設された多数のブラシ毛材14とから構成されている。多数のブラシ毛材14は、回転ロール12の中心軸から放射状に設けられている。本実施形態の面取り装置1のブラシ10としては、金属板の表面を研磨する装置(例えば特開平7−303914号公報に記載)において用いられる公知の回転ブラシ(例えば、株式会社ホタニ製:H−22)を用いることができる。
【0033】
図2は、一本のブラシ毛材14の先端部を拡大して示す。ブラシ毛材14は、好適には、GC(green carbide)砥粒などの炭化ケイ素から形成される砥粒14bを混入(混練)したナイロンなどの樹脂14aを紡糸したものを、複数本編みあわせることによって作製されており、所定の弾性を有している。本実施形態ではブラシ毛材14は、直径が約1.2mmである3本のナイロン糸を編み合わせて形成されており、その長さは約40mmに設定される。またブラシ毛材14の先端断面において、砥粒14bが露出しており、この砥粒14bによって希土類磁石を研磨することができる。希土類磁石を適切に研削するために、砥粒14bの直径を0.15mm〜2mm程度に設定することが好ましい。
【0034】
再び、図1を参照する。本実施形態において冶具30は、複数の板状の希土類磁石3を間隔を開けて保持するための複数のスリット32を有している。なお、本明細書において、板状の希土類磁石には、曲面部を有し縁部が曲線で形成されているもの(例えば、断面弓形の磁石)も含まれるものとする。スリット32への希土類磁石3の差込みは例えば人手によって行われる。移動装置(不図示)に接続された冶具30は、回転するブラシ10の外周面(複数のブラシ毛材14の先端断面部によって構成されるブラシの研磨面)の近傍を通過するように、ブラシ10に対して相対的に移動させられる。冶具30の移動は、例えば、冶具30が固定されたテーブル全体を水平方向に移動させることによって実現され得る。また、ブラシ10を冶具30に対して移動させるようにしてもよい。回転するブラシ10の真下の位置(面取り位置)Aに冶具30が到達したとき、冶具30に固定された希土類磁石3の縁部や角部は、ブラシ毛材14の先端部において露出した砥粒によって面取りされる。
【0035】
本実施形態において、クーラント供給管40は、ブラシ10のブラシ毛材14に対してクーラントを供給する。クーラントの流量は、例えば、10l(リットル)/min〜50l/minに設定される。ブラシ毛材14に供給されたクーラントは、回転するブラシ毛材14をつたって面取り位置Aまで運ばれ、ここで、希土類磁石3とブラシ毛材14との接触部に供給される。クーラントは、希土類磁石3とブラシ毛材14との接触部において発生する摩擦熱を吸収する。従って、削りカスが発火するのを防止することができる。また、ブラシ毛材14が溶けることを防止することができる。
【0036】
また、クーラントは、ブラシ毛材14によって削り取られた希土類合金のスラッジを洗い流すことができ、スラッジが磁石表面に付着することを防止しつつ、スラッジが周囲に飛散することを防止することができる。スラッジを含んだクーラントは、好適には、不図示の回収装置によって回収される。回収装置によって回収されたクーラントは、フィルタやマグネットセパレータなどの浄化装置を用いたスラッジ除去処理などを経て再利用され得る。なお、クーラントが周囲に飛び散ることを防止するために、面取り装置1の周囲を囲む壁(不図示)が設けられていることが望ましい。
【0037】
クーラントとしては、水を主成分とし、界面活性剤またはシンセティックタイプ合成潤滑剤、錆止め剤、非鉄金属防食剤、防腐剤、消泡剤などを成分として含有した水溶性潤滑材を用いることができる。このように水を主成分とするクーラントを用いれば冷却効果を高めることができる。
【0038】
クーラントに含まれる界面活性剤としては、アニオン系として、脂肪酸石鹸やナフテン酸石鹸などの脂肪酸誘導体、または長鎖アルコール硫酸エステルや動植物油の硫酸化油などの硫酸エステル型、または石油スルホン酸塩などのスルホン酸型、非イオン系として、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルやポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステルなどのポリオキシエチレン系、ソルビタンモノ脂肪酸エステルなどの多価アルコール系、または脂肪酸ジエタノールアミドなどのアルキロールアミド系を用いることができる。具体的には、ケミカルソリューションタイプのJP−0497N(カストロール社製)を水に2重量%程度添加したものを用いることができる。
【0039】
また、クーラントに含まれるシンセティックタイプ合成潤滑剤としては、シンセティック・ソリューションタイプ、シンセティック・エマルションタイプおよびシンセティックソリュブルタイプを用いることができる。具体的には、シンセティック・ソリューションタイプのシンタイロ9954(カストロール社製)や、#870(ユシロ化学工業社製)を水に2重量%程度添加したものを用いることができる。
【0040】
また、錆止め剤を含有させることによって、希土類合金の腐食を防止することができる。クーラントのpHは、9〜11にすることが好ましい。錆止め剤としては、有機系として、オレイン酸塩や安息香酸塩などのカルボン酸塩、またはトリエタノールアミンなどアミン類、無機系として、りん酸塩、ホウ酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、または炭酸塩を用いることができる。また、非鉄金属防食剤としては、例えばベンズトリアゾールなどの窒素化合物を、防腐剤としては、ヘキサハイドロトリアジンなどのホルムアルデヒド供与体を用いることができる。
【0041】
次に、図3(a)〜(c)を参照しながら、ブラシ毛材14による希土類磁石の角部および縁部の研磨を説明する。なお、図3(a)〜(c)では複数のブラシ毛材14のうちの一部のみを示している。
【0042】
図3(a)に示すように、希土類磁石3は、その縁部3aがブラシ毛材14の先端部(研磨面)に接触するように移動させられる。ブラシ毛材14の先端部は、図に示すように鋭角に形成され、研磨面が斜めに形成されることによって、磁石3の縁部や角部を削りやすい形状を有していることが好ましい。このような先端部は、ワークの研磨を繰り返して行い、ブラシ毛材14の先端部を摩耗させることによって形成することができる。このように研磨面が斜めに形成されていると、研磨面が水平である場合に比べて、各々のブラシ毛材14の研磨面がより確実に磁石の角部や縁部と接触するため、磁石の角部や縁部を効率良く面取りできるとともに、面取りムラの発生を抑制することができる。
【0043】
次に、図3(b)に示すように、希土類磁石3を移動させることによって磁石3の縁部3aとブラシ毛材14の先端部とが接触すると、ブラシ毛材14の先端部において露出した砥粒14bによって研磨が行われる。ブラシ毛材14は弾性を有しているので、研磨時に磁石に強い応力が加えられることがなく、面取り時における磁石の欠けの発生を抑えることができる。また、前述のように、ブラシ毛材14と希土類磁石3との間にはクーラントが供給されているので、砥粒14bと希土類磁石の縁部3aとの接触部において火花が生じることがなく、摩擦熱によってブラシ毛材14が溶けたり変形したりすることがない。
【0044】
ロールの回転に伴い、ブラシ毛材14の研磨面は円弧状の経路に沿って移動し、磁石3の縁部3aを跳ね上げるようにして研磨する(アップカット方式)。上述のように研磨面が磁石の縁部3aに対して斜めに設けられたブラシ毛材14を用い、アップカット方式によって研磨を行うようにすれば、磁石3の縁部3aが面取り後に所望の曲面を形成するようにR面取りを行うことができる。このようにして磁石3の縁部や角部がR面取りされた後、図3(c)に示すように、ブラシ毛材14と磁石3とが離れ、磁石3の片側における縁部および角部の面取りが完了する。面取り時において、ブラシ毛材14の研磨面は磁石3の端面部3bとも接触するので、端面部3bも多少研磨される。ただし、磁石の平面部が研磨されることはないので、面取りによって磁石の形状が大きく変化することは防止される。
【0045】
面取りの際、磁石から削り取られた希土類合金のスラッジは、ブラシ毛材14によって磁石から除去される。このため、磁石表面にスラッジが付着することが防止され、付着したスラッジが希土類酸化物を生成することもない。従って、磁石の磁気特性の劣化を防止することができる。また、ブラシ毛材14によって除去されたスラッジは、クーラントとともに下方に流され、回収される。従って、面取り時にスラッジが飛散して燃えるということがなく、安全性が高い。
【0046】
なお、ブラシ毛材14が大きく曲がることによって、ブラシの先端が寝た状態となって周囲に広がることがないように、ブラシ毛材14の可撓性を制御することが望ましい。ブラシの曲がりが大きくなりすぎると、ブラシ毛材が磁石の縁部に対して適切に接触することができなくなる可能性が高くなり、その結果、面取りムラが発生するおそれが高くなるからである。例えば、ロール外周面に植設されたブラシ毛材のうち、両端部(すなわち、ロール端面近傍)に位置するブラシ毛材の長さをその他の部分よりも長く設定することによって、ブラシの広がりを抑制する効果を得ることができる。この場合、両端部のブラシ毛材に挟まれた相対的に長さの短いブラシ毛材によって磁石の縁部が研磨され、この磁石を研磨するブラシ毛材の毛先は、両端部のブラシ毛材によって左右(ロール軸方向)に広がることが抑えられる。両端部において長く設定されたブラシ毛材は、面取りすべき磁石縁部を挟み、磁石の左右において例えば10mm程度の幅で設けられる。
【0047】
ブラシ毛材14による磁石3の面取り量は、ブラシ10の回転速度や、後述する切り込み量(圧下量)を調節することによって制御することができる。回転速度を速くすれば、磁石3とブラシ毛材14とが接触する回数が増えるので、面取り量は増加する。ただし、回転速度が速すぎると、面取り量のバラツキは大きくなる傾向にある。従って、駆動装置20を用いて、ブラシ10を500m/min〜2000m/minで回転させることが好ましい。上記範囲内でブラシ10を回転させれば、面取り量のバラツキを抑えつつ、効率良く面取りを行うことができる。
【0048】
次に、図4を参照しながら、切り込み量(圧下量)について説明する。切り込み量は、ブラシ10の外周面(研磨面)付近を希土類磁石3が直線的に通過する場合において、希土類磁石3とブラシ10との重なり具合を表すものであり、希土類磁石の端面3bを基準として、ブラシ10の外周面が磁石側(図では下側)にせりだしている最大距離によって規定される。図において、切り込み量をd1で示している。この切り込み量の大きさによって、ブラシ10と希土類磁石3との接触距離が決まる。図においてl1は、切り込み量d1に対応した接触距離を示しており、磁石3がブラシ10によってアップカットされる領域の長さを示している。なお、切り込み量をより大きく設定した場合(切り込み量d2)、アップカットされる領域の長さも増加する(距離l2)。このアップカットされる距離が長いほど、磁石3がブラシ毛材の研磨面と接触する回数が増えることから、面取り量が大きくなる。これらのことから、切り込み量を大きくすれば、面取り量を大きくすることができることがわかる。
【0049】
このように、本実施形態の面取り装置では、切り込み量を調節することによって、磁石の角部や縁部における面取り量を容易に制御することができる。切り込み量の調節は、例えば、ブラシの上下方向の位置を調節することによって行われる。図5(a)〜(c)に、切り込み量を変化させた場合における、面取り後の磁石縁部の断面を示す。図5(a)は切り込み量3mmの場合を示し、図5(b)は切り込み量5mmの場合を示し、図5(c)は切り込み量6mmの場合を示す。図からわかるように、切り込み量を深くすれば、磁石断面における水平方向および垂直方向の両方の研磨量が増加している。また、切り込み量を変化させることによって、磁石断面における、水平方向の研磨量と垂直方向の研磨量との比も変化していることがわかる。これは、切り込み量を大きくするに連れ、ブラシ毛材が磁石と接触したときのブラシ毛材の撓みが大きくなり、ブラシ毛材の先端部に形成された研磨面が、磁石の端面部をも研磨する傾向が強くなるからである。従って、切り込み量を調節することによって、面取り後の希土類磁石の縁部の断面形状が所望の形状となるように、R面取りを行うことが可能である。
【0050】
希土類磁石の縁部や角部を面取りする場合、切り込み量は0.1mm〜10mmに設定することが望ましい。切り込み量が0.1mmより小さいと、希土類磁石の角部の面取りが十分に行えず、10mmより大きいと、ブラシ毛材と磁石とが強く接触し、ブラシの曲がりが大きくなりすぎる結果、研磨量にバラツキが生じやすくなるからである。また、面取り後の磁石の角部や縁部の形状の点からも、切り込み量を上記範囲内に設定することが好ましい。切り込み量のさらに望ましい範囲は、1mm〜5mmである。
【0051】
次に図6(a)〜(d)を参照しながら、上記面取り装置1を用いて板状の希土類磁石の線状の縁部および角部を面取りする工程を説明する。
【0052】
まず、所定の間隔を開けて設けられた冶具30のスリット32に複数の平板状の希土類磁石3を差込み、回転するブラシ10に対して冶具30を水平方向に移動させる(図6(a))。その後、ブラシ10と磁石3とが接触し、希土類磁石の一方側(図において磁石3の右側)の縁部3Rが面取りされる(図6(b))。この時点では、他方側の縁部3Lはほとんど面取りされていない。次に、冶具30の向きを変えるか、または、磁石3をスリットから出して向きを変えてスリット32に再度差込むことによって、面取りされた側とは異なる側の縁部3Lが図において右側に位置するようにする。その後、図6(a)に示したのとは反対方向に冶具30を移動させる(図6(c))。このとき、ブラシ10の回転方向は、図6(a)に示したのと同じ方向である。その後、ブラシ10と磁石3とが接触し、希土類磁石の右側縁部3Lが研磨される結果、磁石両側の縁部3R,3Lの面取りが終了する(図6(d))。その後、磁石3をスリットから取り出し、磁石3の上下を逆にしてスリットに再度挿入した後、上記と同様にして縁部の面取りを行えば、磁石3の上下端面における縁部の面取りが実行できる。
【0053】
このような工程によって磁石3の縁部を研磨している理由は、図3に示すようにブラシ10のブラシ毛材14の研磨面を斜めに形成し、アップカット方式により面取りを行っているため、ブラシを一方の回転方向に回転させた場合にのみ、磁石を適切に研磨することができるからである。
【0054】
なお、2つ以上の回転ブラシを水平方向に並列に配置し、これらのうちの少なくとも2つの回転ブラシの回転方向を互いに対して逆にすることによって、1パスで磁石の両側の縁部を面取りするようにすることもできる。このように、複数の回転ブラシを用いて磁石の線状縁部を面取りするようにすれば、磁石全体の縁部の面取りを精度を高く、且つ、より効率良く実行し得る。
【0055】
次に、図7および図8を参照しながら、平板状の複数の希土類磁石を、間隔を開けて並べて面取りする場合における面取り量について説明する。図7に示すように、本実施形態の面取り装置では、複数のスリット32を有する冶具30に、複数の希土類磁石3を保持させた状態で磁石3の面取りを行っている。この複数の磁石3に対して端から順に番号を付与し(本実施形態では、図7に示すようにして1〜10番の番号を付与した)、これをワーク位置とした。なお、スリットのピッチは、約26mmに設定されている。
【0056】
図8(a)および図8(b)は、切り込み量を3mmに設定した場合の、上記ワーク位置に対する各磁石3における面取り量(R研磨量)[mm]およびL研磨量(長さ方向研削量)[mm]の測定結果を示している。なお、面取り量(R研磨量)は、R面取りされた縁部の断面における研磨面の曲率半径を示しており、磁石縁部における面取りの大きさを表す。一方、L研磨量は、磁石の長さ方向(端面に垂直な方向)の研磨量を示し、磁石の端面における研磨の大きさを表す。これらの測定値は、図6に示す面取り工程によって、磁石の両側縁部の面取りを行った後、両側の縁部の面取り量の合計およびL研磨量を測定することによって得ている。
【0057】
グラフにおいて黒ひし形で示すように、磁石を10個並べた場合、すなわち、全てのスリットに磁石を配置させた場合、磁石のピッチは26mmであり、この場合には、ワーク位置1および10の磁石(すなわち、冶具の両端に位置する磁石)における面取り量およびL研磨量が大きいのに対し、ワーク位置2〜9の磁石における面取り量およびL研磨量は小さく、ワーク位置によって面取り量にバラツキが生じている。これに対し、グラフにおいて白四角または黒三角で示すように、スリット1つ飛ばし、またはスリット3つ飛ばしに磁石を配置させ、磁石の間隔をより大きくした場合、ワーク位置による、磁石の面取り量およびL研磨量のバラツキは小さい。
【0058】
このことは、磁石の間隔が狭すぎる場合、先頭の磁石にブラシ毛材が接触した際にブラシ毛材が撓み、この撓んだブラシ毛材によって、研磨面が適切な状態でないままに、以降の磁石の研磨が行われていることを示している。一方、磁石の間隔が十分に設けられている場合、先頭の磁石にブラシが接触した後、撓んだブラシは復元力によって元の状態に戻り、ブラシが寝た状態で次の磁石の研磨が行われることがない。その結果、各磁石に対する研磨量のバラツキを小さくすることができ、効果的に研磨を行える。
【0059】
このようなワーク位置ごとの研磨量のバラツキは、切り込み量を大きくした場合に特に大きくなる。上述したように、切り込み量を大きくしたときの方が、磁石と接触した時のブラシの撓みが大きくなるからである。このため、切り込み量を比較的大きく設定する場合には、磁石の間隔を比較的大きく設定することが好ましい。従って、均一な面取りを効率良く行うためには、所望の面取り量を得るのに十分な切り込み量に設定するとともに、研磨量のバラツキが抑えられるように切り込み量に応じて磁石の間隔を設定することが望ましい。
【0060】
本発明者の実験によれば、ホタニ社製のブラシ(H−22)を用いてブラシ回転周速度を1200m/minに設定し、ブラシに対する磁石の移動速度を1000mm/分に設定して平板状磁石の面取りを行った場合において、切り込み量を4〜5mmに設定し、磁石間隔を30mmに設定すれば、面取り量のバラツキを小さくしたまま、R研磨量(曲率半径)を0.35〜0.40mmにすることができた。
【0061】
本実施形態の面取り装置1によれば、磁石とブラシとの間にクーラントを供給し、発熱部を冷却しながら面取りを行うので、燃えやすい性質を有する希土類磁石の面取りを行った場合にも、火花が発生するおそれがない。また、摩擦熱によってブラシが溶けることもない。また、従来のバレル法では欠けを起こしやすかった、寸法や重量が大きい希土類磁石に適用した場合にも、欠けの発生を抑制することができ、特に、重量が40g以上の大型品磁石の面取り時における欠けの発生を防止するのに効果的である。
【0062】
また、ブラシによってスラッジが磁石から除去されるとともに、クーラントによってスラッジが洗い流されるので、スラッジが磁石表面に付着したままこれが酸化するということを防止できる。これにより、磁石表面の酸化(クレーターの発生)を防ぐことができるので、磁石の磁気特性を劣化させることがない。
【0063】
さらに、所定の弾性を有するブラシを用いて面取りを行っているので、磁石の縁部や角部に対して、高精度なR面取り加工を行うことができ、面取り量も容易に調節することが可能である。
【0064】
なお、上記実施形態では、回転ロールの外周面において複数のブラシ毛材を放射状に植設したブラシを用いているが、回転ロールの端面において複数のブラシ毛材を植設したブラシを用い、このブラシと磁石との接触部にクーラントを供給する形態とすることも可能である。比較的薄い平板状の磁石に対しては、このような形態であっても、発火を抑制しながら磁石の角部や縁部をR面取りすることが可能である。
【0065】
[面取り装置2]
以下、面取り装置1とは異なる形態の面取り装置2を説明する。面取り装置1では、回転ロールの外周面において複数のブラシ毛材が植設されたロールブラシを用いて、磁石の角部をブラシ毛材で跳ね上げるようにして面取りを行なっているが、以下に説明する面取り装置2では、回転ロールの端面において複数のブラシ毛材が植設されたブラシを用いて磁石の面取りを行なう。
【0066】
まず、図9(a)〜(c)を参照しながら、面取り装置2の構成を説明する。図9(a)は、面取り装置2の構成を示す平面図であり、図9(b)は、その一部を拡大して示す側面図であり、図9(c)は面取り装置2で用いられる回転ブラシを示す平面図である。
【0067】
図9(a)に示すように、面取り装置2は、2つの回転ブラシ50と、複数の希土類磁石3を固定するための3つの冶具60とを備えている。回転ブラシ50の直径は、例えば約170mmであり、冶具60の直径は、例えば約300mmである。各回転ブラシ50の位置は固定されており、それぞれが、中心50Aの回りで回転可能である。また、3つの冶具60は、不図示の移動装置によって、矢印Bで示す方向に水平面内において移動(ローテーション)させることができる。また、それぞれの冶具60は、冶具の中心60Aの回りで回転可能である。面取り装置2は、さらに、ブラシ50と希土類磁石3との接触部にクーラント(冷却液)を供給することができるクーラント供給管70を備えている。
【0068】
図9(b)に示すように回転ブラシ50のそれぞれは、回転ロールの端面50Sにおいて複数のブラシ毛材52が植設された構造を有し、回転するブラシ毛材52を希土類磁石3の上面部に接触させることによって、希土類磁石3の面取りを行なう。なお、本実施形態では、図9(c)に示すように、ブラシの端面50Sにおいて、円形に並べたブラシ毛材52の塊が複数個形成されるようにしているが、ブラシ毛材52の配置の形態はこれに限られない。
【0069】
図10は、ブラシ50によって、希土類磁石3の角部を削るときの様子を示す。回転するブラシ50を磁石の上面から接触させたとき、ブラシ毛材52の先端部が磁石の縁部に接触しながら移動することによって、板状の希土類磁石の一方の辺が面取りされる。このとき、ブラシ50によって、希土類磁石3の一辺が効率的に面取りされるように、冶具30の希土類磁石固定用のスリット(または凹部)の配置パターンや形状を適切に選択することが好ましい。冶具30に形成されたスリットは、例えば、図に示したように、冶具30の中心から放射状に、かつ、その長軸方向Deが、冶具30の半径方向Drから所定の角度だけ傾いたように形成することが望ましい。
【0070】
なお、このように磁石の上方で回転するブラシ毛材52によって面取りを行なう場合であっても、ブラシ毛材52は弾性を有しているので、研磨時に磁石に強い応力が加えられることがなく、面取り時における磁石の欠けの発生を抑えることができる。
【0071】
また、クーラント供給管70によって、上記面取り装置1で用いたものと同様のクーラントが、ブラシ50と希土類磁石3との接触部に供給される。クーラントは、希土類磁石3とブラシ毛材52との接触部において発生する摩擦熱を吸収する。従って、削りカスが発火するのを防止することができる。また、ブラシ毛材52が溶けることを防止することができる。また、クーラントは、ブラシ毛材52によって削り取られた希土類合金のスラッジを洗い流すことができ、スラッジが磁石表面に付着することを防止しつつ、スラッジが周囲に飛散することを防止することができる。スラッジを含んだクーラントは、好適には、不図示の回収装置によって回収される。回収装置によって回収されたクーラントは、フィルタやマグネットセパレータなどの浄化装置を用いたスラッジ除去処理などを経て再利用され得る。なお、クーラントが周囲に飛び散ることを防止するために、面取り装置2の周囲を囲む壁(不図示)が設けられていることが望ましい。
【0072】
次に、図11を参照しながら、面取り装置2の動作を説明する。まず、図11(a)に示すように、各ブラシ50を、正方向(右回り)に回転(以下、正転と呼ぶ)させるとともに、各冶具60を逆方向(左回り)に回転(以下、逆転と呼ぶ)させる。これにより、磁石の一方の辺3Lが面取りされる。なお、ブラシ50の回転速度は、例えば1700rpmであり、冶具60の回転速度は、例えば15rpmである。この面取り工程は例えば60秒間行なわれる。
【0073】
次に、図11(b)に示すように、冶具60の位置をローテーションさせた後、今度は、ブラシ50を逆転させるとともに、各冶具60を正転させる。これによって、磁石の他方の辺3Rが面取りされる。これにより、図に示すように、冶具Cに保持された磁石は、両側の辺が面取りされた状態になる。
【0074】
次に、図11(c)に示すように、冶具60の位置をローテーションさせるが、このとき、両辺の面取りが完了した磁石を保持する冶具Cでは、磁石の入れ替えを行なう。ここでいう磁石の入れ替えとは、同じ磁石における面取りがされていない端部を次に面取りするために磁石の向きを変えて入れ替えることや、既に所望の面取りが終了した磁石と面取りが行なわれていない新たな磁石とを入れ替えることなどを指している。
【0075】
このような磁石の入れ替えを行なう一方で、2つのブラシ50を正転させ、かつ、冶具AおよびBを逆転させることで、冶具AおよびBに保持される磁石の一方の辺の面取りを行なう。
【0076】
次に、図11(d)に示すように、冶具60の位置をローテーションさせ、今度は、ブラシ50を逆転させるとともに、各冶具60を正転させる。これにより、冶具Bに保持された希土類磁石3の両辺が面取りされる。また、冶具Aでは、磁石の入れ替えが行なわれる。その後も、図11(a)〜(d)に示した工程を繰り返すことによって磁石の面取りを行なう。このように、冶具A、B、Cの位置をローテーションさせながら、ブラシの回転方向および冶具の回転方向を交互に反転させることによって、磁石の両側の辺の面取りを連続的に行なうことができる。
【0077】
上記には2つのブラシの回転方向を常に同じにするような動作を説明したが、これらの回転方向を互いに対して逆にするようにしてもよい。例えば、一方のブラシを常に正転させ、他方のブラシを常に逆転させるとともに、冶具の回転方向を、対応するブラシの回転方向と逆になるように制御する。このようにしながら、冶具をローテーションすることによっても、磁石の両側の辺を順次面取りすることが可能である。この場合、ブラシの回転方向が常に一定であるので、図3に示したようにブラシの先端は斜めに摩耗し、面取り量のばらつきが少なくなるという利点も得られる。
【0078】
なお、ブラシ毛材52による磁石3の面取り量は、ブラシ50の回転速度や、ブラシの切り込み量(圧下量)などを調節することによって制御することができる。ここでは、切り込み量は、磁石の上面よりもブラシの先端をどれだけ下降させているかに対応する。切り込み量は、1.0mm〜2.0mmに設定することが望ましい。また、面取り時間を制御することによっても面取り量を調節することができる。このように構成された面取り装置2では、切り込み量の調節を比較的正確に調節することが可能であるため、面取り量や寸法のバラツキを低減することができる。
【0079】
[希土類磁石の製造方法]
以下、上記面取り装置1または2を用いたR−T−(M)−B系の希土類磁石の製造方法を説明する。
【0080】
R−T−(M)−B系磁石を製造するために、まず、ストリップキャスト法を用いてR−T−(M)−B系合金を作製する。ストリップキャスト法は、例えば米国特許第5,383,978号に開示されている。具体的には、Nd:30wt%、B:1.0wt%、Al:0.2wt%、Co:0.9wt%、Cu:0.2wt%、残部Feおよび不可避不純物からなる組成の合金を高周波溶解によって溶融し、合金溶湯を形成する。この合金溶湯を1350℃に保持した後、単ロール法によって、合金溶湯を急冷し、厚さ0.3mmのフレーク状合金を得る。このときの急冷条件は、例えば、ロール周速度約1m/秒、冷却速度500℃/秒、過冷度200℃である。
【0081】
このフレーク状合金を水素吸蔵法によって粗粉砕した後、ジェットミルを用いて窒素ガス雰囲気中で微粉砕すれば、平均粒径が約3.5μmの合金粉末を得ることができる。
【0082】
こうして得た合金粉末に対して、ロッキングミキサー内で潤滑剤を0.3wt%添加・混合し、潤滑剤で合金粉末粒子の表面を被覆する。潤滑剤としては、脂肪酸エステルを石油系溶剤で希釈したものを用いることが好ましい。本実施形態では、脂肪酸エステルとしてカプロン酸メチルを用い、石油系溶剤としてはイソパラフィンを好適に用いることができる。カプロン酸メチルとイソパラフィンの重量比は、例えば1:9とすればよい。
【0083】
次に、プレス機を用いて上記合金粉末を磁界中でプレス成形(圧縮成形)し、それによって所定形状の成形体を作製する。成形体の密度は、例えば4.3g/cm3程度に設定される。
【0084】
次に、Moなどから形成される焼結用台板上に複数の成形体を並べ、成形体が並べられた複数の焼結用台板を、間隔を開けて積み重ねた状態で焼結用ケース内に収納する。焼結用ケースを使用すれば、焼結炉において多数の成形体を効率良く焼結できるとともに、成形体が炉内で暴露された状態で焼結されることを防ぎ、成形体の酸化等を防止することができる。
【0085】
次に、成形体を収容した焼結用ケースを焼結装置まで搬送し、焼結装置の入り口に設けられている準備室内に焼結用ケースを挿入する。準備室を密閉した後、酸化防止のため、雰囲気圧力が2パスカル程度になるまで準備室内を真空引きする。次に、焼結用ケースを脱バインダ室に搬送し、そこで脱バインダ処理(温度:250〜600度、圧力:2パスカル、時間:3〜6時間)を実行する。脱バインダ処理は、磁性粉末の表面を覆っている潤滑剤(バインダ)を焼結工程の前に揮発させるために行うものである。潤滑剤は、プレス成形時における磁性粉末の配向性を改善するため、プレス成形前に磁性粉末と混合されたものであり、磁性粉末の各粒子間に存在している。脱バインダ処理時には成形体から有機系ガス、水蒸気などの各種のガスが発生する。従って、これらのガスを吸収することができるゲッターを焼結用ケース内に予め置いておくことが望ましい。
【0086】
脱バインダ処理が終了した後、焼結用ケースは焼結室に搬送され、アルゴンガス雰囲気中で、1000〜1100℃の焼結処理を2〜5時間程度受ける。これにより、成形体が収縮を伴って焼結し、焼結体が得られる。その後、焼結用ケースは冷却室に搬送され、ここで室温程度に低下するまで冷却される。冷却された焼結体は、時効処理炉に挿入され、通常の時効処理工程が実行されることになる。時効処理は、例えば、アルゴン等の雰囲気ガスの圧力を2パスカル程度とし、400〜600℃の温度にて3〜7時間程度のあいだ行われる。時効処理を行う際、焼結用ケースから焼結体を取り出し、これをSUS製のメッシュ容器に移し替えてから処理を行うようにしてもよい。
【0087】
このようにして作製した焼結磁石に対して、上述の面取り方法を用いて面取りを行う。なお、面取りを行う前に、焼結体を切断または研削することによって、所望の形状に加工しておいてもよい。この場合にも、磁石の角部や縁部は角張った形状で形成されるため、面取りを行うことが必要である。上記面取り方法によって面取りを行えば、欠けを発生させることなく、希土類磁石の角部や縁部が適切な形状となるようにR面取りを行うことができる。上述したように、角部や縁部における面取り量は、ブラシの回転速度や切り込み量を調節することによって、容易に調節することができる。
【0088】
このようにして面取りを行った後、めっき法を用いて、NiやSnなどから形成される保護膜を磁石表面に形成する。本実施形態では、磁石の角部や縁部が適切な面取り量でR面取りされているので、ドッグボーンなどが発生せず、数μm〜数十μmの薄い保護膜を均一に形成することができる。これにより、磁石表面上に保護膜が均一にコーティングされた耐候性に優れた希土類磁石を作製することができる。作製された磁石は、ハードディスク装置のボイスコイルモータなどの種々の機器において適切に使用することができる。
【0089】
なお、本実施形態では、上述のようにブラシを用いて磁石の面取りを行なっているが、このブラシを用いた面取りの後に、バレル装置を用いた面取りを行なうようにしても良い。例えば、面取り工程後の表面処理工程において、公知のバレルめっき法や特開2001−32062号公報に記載の表面処理方法を用いてNi膜やAl膜などのコーティング膜を形成することがあるが、この場合、上述のようなブラシを用いた面取りを行なっただけでは、面取り部分においてコーティング膜にひび割れが発生することがあった。これは、ブラシを用いて面取りを行なった際に、面取り部の表面において微細なクラックが発生し、この状態で、バレルめっきを行なうと、磁石同士の衝突などによって、クラックが拡大され、その結果、コーティング膜にひび割れや剥離が発生するためであると考えられる。
【0090】
これに対して、バレル式の面取りを行なうようにすれば、その後にバレルめっきを行なったときにコーティング膜のひび割れが発生することが防止される。ただし、磁石の角部がまったく面取りされていないままバレル面取りを行なうと、磁石同士の衝突などによって角部が欠ける可能性が高く、歩留まりが著しく低下する。このため、予めブラシを用いて面取りを行なっておき、その後にバレル面取りを行なうようにすれば、角部の割れ欠けの発生を防止できるとともに、面取り部のクラックも低減され得る。従って、その後の工程においてバレルめっきを施したときにも、ひび割れなどが生じず、適切にコーティング膜が形成された磁石を高い歩留まりで作製することが可能である。
【0091】
このような方法は、特に、例えばボイスコイルモータ用の磁石のように、比較的サイズが小さい磁石に対して適切に用いられる。大型の板状磁石の場合には、バレル面取りを行なうと、割れや欠けの発生の確率が高くなるため、ブラシを用いた面取りのみを行なう方が望ましい場合もある。
【0092】
また、ブラシを用いて面取り工程を行なった後、上述のようなコーティング膜を形成する工程の前に、ブラスト処理を行なうようにしても良い。このブラスト処理とは、ショットブラスタなどを用いて、アルミナなどの粉末粒子を磁石の表面に対して衝突させる処理である。このようなブラスト処理を行なった場合、磁石の表面を、上述のようなバレル研磨処理を行なった場合と同様の状態にすることができる。すなわち、ブラスト処理によっても、ブラシ面取り後に発生する微細なクラックを低減することができるものと思われる。従って、その後の工程においてバレルめっきを施したときにも、コーティング膜にひび割れ、剥離などが生じず、不良率が改善される。
【0093】
なお、本発明の製造方法によって作製される希土類磁石は、前述の組成を有する磁石に限定されず、例えば、希土類元素Rとして、Y、La、Ca、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Luの少なくとも一種類の元素を含有する原料を用いることができる。充分な磁化を得るには、希土類元素Rのうちの50at%以上がPrまたはNdの何れかまたは両方によって占められることが好ましい。
【0094】
FeおよびCoを含む遷移金属元素Tは、Feのみから構成されていても良いが、Coの添加によってキュリー温度が上昇し、耐熱性が向上する。Tの50at%以上はFeで占められることが好ましい。Feの割合が50at%を下回ると、Nd2Fe14B型化合物の飽和磁化そのものが減少するからである。
【0095】
Bは、正方晶Nd2Fe14B型結晶構造を安定的に析出するために必須である。Bの添加量が4at%未満ではR217相が析出するため保磁力が低下し、減磁曲線の角型性が著しく損なわれる。従って、Bの添加量は4at%以上であることが好ましい。
【0096】
粉末の磁気的な異方性をより高めるために、他の添加元素を付与してもよい。添加元素としては、Al、Ti、Cu、V、Cr、Ni、Ga、Zr、Nb、Mo、In、Sn、Hf、Ta、Wからなる群から選択された少なくとも1種類の元素が好適に使用され得る。磁気的に等方性の磁粉を得るには添加元素Mは不要だが、固有保磁力を高めるためにAl、Cu、Ga等を添加してもよい。
【0097】
[実施例および比較例]
上記面取り装置1を用いた面取り(実施例)、従来のバレル装置を用いた面取り(比較例1)および手面取り(比較例2)のそれぞれを行い、面取り時に発生する磁石の欠けなどについて調べた。
【0098】
被面取り物としては、56mm×50mm×5mmの寸法を有する断面弓形の平板状の希土類磁石(Nd−Fe−B系磁石)を用いた。この磁石の重量は、約100gである。
【0099】
実施例では、300mm(外径)×58mm(幅)の回転ブラシを用い、回転数を1200rpmに設定して面取りを行った。ブラシ毛材としては、ナイロンに#100のGC砥粒を混入させたものを用いた。また、クーラントの吐出圧を1.5kg/cm2に設定した。磁石に対する切り込み量を3mm〜5mmに設定した。
【0100】
比較例1では、研磨材(メディア)を使用し、振動バレルにて面取りを行った。また、比較例2では、張力をかけて張った状態にしたベルト状の砥石に対し、磁石をこすりつけることによって、手面取りにて面取りを行った。
【0101】
以下の表に測定結果を示す。表において、欠けの発生量(%)は、磁石5000個に対して面取りを実行したときの、磁石に直径2.0mm以上の欠けが発生する割合を示し、生産性(個/1h)は、1時間あたりのワーク処理数(面取り個数)を示し、クレーターの発生は、磁石5000個に対して、面取り工程後に表面処理(コーティング)工程を行った際に、クレーターの発生が生じた否かを示している。
【0102】
【表1】
Figure 0004852806
【0103】
上記表からわかるように、実施例は、比較例1および2に比べて磁石の欠けの発生量が小さく、生産性も比較例1および2に劣ることはなかった。また、実施例では、クレーターの発生も認められず、磁石の磁気特性の劣化が生じることもなかった。
【0104】
【発明の効果】
本発明の希土類磁石の面取り方法によれば、回転するブラシを用い、このブラシと希土類磁石との間にクーラントを供給しながら面取りを行うため、発火を防止することができ、安全性が高い。また、ブラシを用いているため、面取り時における磁石の欠けの発生を抑制しつつ、均一にR面取りを行うことができる。このように面取りされた磁石に対しては、薄くて均一な保護膜をコーティングすることが可能であるので、耐食性等に優れ、且つ、ドッグボーンなどが形成されない寸法精度の高い磁石を得ることができる。また、面取り時に発生するスラッジはクーラントによって洗い流されるので、磁石表面にスラッジが付着することがなく、磁石表面の酸化による磁気特性の劣化が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる面取り装置の構成を示す側面図である。
【図2】図1に示す面取り装置のブラシ毛材の先端部を拡大して示す斜視図である。
【図3】図1に示す面取り装置を用いて磁石縁部を面取りする様子を示す側面図であり、(a)は面取り前の様子を示し、(b)は面取り時の様子を示し、(c)は面取り後の様子を示す。
【図4】切り込み量を説明するための図である。
【図5】切り込み量(圧下量)を変えて面取りを行ったときの磁石縁部の面取り後の断面を示す図であり、(a)は切り込み量が3mmの場合、(b)は切り込み量が5mmの場合、(c)は切り込み量が6mmの場合を示す。
【図6】板状の磁石の面取りを行う工程を示す側面図であり、(a)〜(d)は、磁石両側の縁部を面取りするときの各工程を示す。
【図7】複数のスリットを有する冶具に複数の板状磁石を挿入した様子を示す斜視図である。
【図8】ワーク位置に対する磁石の面取り量を示し、(a)は、ワーク位置ごとのR研磨量を示し、(b)は、ワーク位置ごとのL研磨量を示す。
【図9】本発明の別の実施形態にかかる面取り装置を示す図であり、(a)は全体構成を示す平面図、(b)は一部の側面図、(c)はブラシを示す平面図である。
【図10】図9に示す面取り装置を用いて磁石縁部を面取りする様子を示した平面図である。
【図11】図9に示す面取り装置の動作を説明する図であり、(a)〜(d)はそれぞれ別の工程を示す。
【符号の説明】
1 面取り装置
3 希土類磁石
10 ブラシ
12 回転ロール
14 ブラシ毛材
20 駆動装置
30 冶具
32 スリット
40 クーラント供給管

Claims (7)

  1. 回転するブラシと複数の板状の希土類磁石の線状の縁部とを接触させる希土類磁石の面取り方法であって、前記ブラシは、砥粒を混練した樹脂から形成される複数の弾性毛材を有しており、
    複数の希土類磁石を所定の間隔を開けて連続的に前記ブラシの前記弾性毛材に接触させる工程と、
    前記ブラシと前記磁石との接触部においてクーラントを供給する工程とを包含し、
    前記ブラシと接触した前記複数の希土類磁石のそれぞれは、前記回転するブラシを連続的に通過し、かつ、前記ブラシを通過する際に、前記弾性毛材は前記希土類磁石の線状の縁部に接触した後に前記希土類磁石の端面に沿って移動し、これにより、前記希土類磁石の縁部の面取りが行われるとともに、前記希土類磁石の端面が研磨される希土類磁石の面取り方法。
  2. 前記ブラシは、回転可能に支持されたロールと、前記ロールの外周面においてロールの中心軸から放射状に並べられた前記複数の弾性毛材とを有する請求項に記載の面取り方法。
  3. 前記希土類磁石は前記ロールの回転軸に対して略平行に位置させた前記線状の縁部を前記弾性毛材に接触させることによって、前記希土類磁石の縁部を面取りすることを特徴とする請求項に記載の面取り方法。
  4. 前記ブラシと希土類磁石とを接触させる工程は、前記希土類磁石を前記ブラシに対して相対的に直線移動させる工程を包含し、前記希土類磁石に対する前記ブラシの切込み量が、0.1〜10mmであることを特徴とする請求項2または3に記載の面取り方法。
  5. 前記クーラントは、錆止め剤を含有する請求項に記載の面取り方法。
  6. 希土類合金粉末をプレス成形することによって、成形体を作製する工程と、
    前記成形体を焼結することによって、焼結体を作製する工程と、
    請求項1から5のいずれかに記載の面取り方法によって、前記焼結体の面取りを行う工程と、
    を包含する希土類磁石の製造方法。
  7. 前記面取りを行う工程の後に、前記焼結体の表面に保護膜を形成する工程を包含する請求項に記載の希土類磁石の製造方法。
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