JP4457770B2 - 焼結磁石の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、焼結磁石の製造方法に関する。
希土類焼結磁石は、希土類磁石用合金(原料合金)を粉砕して形成した合金粉末をプレス成形した後、焼結工程、時効熱処理工程、および加工工程などを経て作製される。現在、希土類焼結磁石としては、希土類・コバルト系磁石と希土類・鉄・ホウ素系磁石の二種類が各分野で広く用いられている。なかでも希土類・鉄・ホウ素系磁石(以下、「R−Fe−B系磁石」と称する。Rは希土類元素およびイットリウムからなる群から選択された少なくとも1種の元素、Feは鉄、Bはホウ素である)は、種々の磁石の中で最も高い磁気エネルギー積を示し、価格も比較的安いため、各種電子機器へ積極的に採用されている。なお、Feの一部は、Coなどの遷移金属元素と置換されていても良い。また、ホウ素の半分までは炭素で置換されていても良い。
所望の形状を有する焼結磁石を作製するには、まず、R−Fe−B系希土類磁石粉末をプレス装置で圧縮成形することにより、最終的な磁石製品よりも大きいサイズの成形体を作製する。そして、成形体を焼結工程によって焼結体にした後、超硬合金製ブレードソーまたは回転砥石などによって焼結体を研削加工し、所望の形状を付与することが行われている。例えば、まずブロック形状を有する焼結体を作製した後、その焼結体をブレードソーなどでスライスすることによって複数のプレート状焼結体部分を切り出すことが行われている。
しかしながら、R−Fe−B系磁石などの希土類合金磁石の焼結体は極めて硬くて脆い上に、加工負荷が大きいため、高精度の研削加工は困難な作業であり、加工時間が長くかかる。このため、加工工程が製造コスト増加の重要な原因となっている。
このような問題を解決するため、焼結前の成形体(グリーン)を研削加工することが提案されている(特許文献1および特許文献2)。
上記の特許文献1は、弓形フェライト磁石用成形体を回転砥石や回転ブラシで面取りする技術を開示している。この技術を酸化反応性の高いR−Fe−B系磁石用の粉末成形体に適用すると、回転砥石や回転ブラシと成形体との間で摩擦熱が発生するため、成形体中の希土類元素や鉄が大気雰囲気中の酸素や水分と急激に反応し、最悪の場合、成形体の発火が生じるおそれがあり、そのような事態に陥らない場合でも磁石の磁気特性が劣化してしまうことになる。
特許文献2は、グリーン加工時における成形体の酸化を防止するため、鉱物油、合成油、または植物油中に成形体を浸漬し、その状態の成形体を回転する加工刃で切断加工する技術を開示している。
しかし、この特許文献2に記載されている技術によれば、切断後、焼結前に成形体から鉱物油などを除去する脱脂工程が不可欠であり、脱脂が不十分な場合、油に含まれる炭素が焼結過程で不純物として機能し、磁石特性を劣化させてしまう。
また、上記のブレードソーなどを用いた加工方法による場合、成形体の切断代が大きく、材料の歩留まりが悪いという問題もある。
このような問題を解決するため、ワイヤソーで成形体を切断加工する技術が特許文献3に記載されている。特許文献3に開示されている方法によれば、焼結前の比較的やわらかい状態の成形体を細いワイヤソーで切断加工するため、加工負荷を低減し、加工時における成形体の発熱を抑制することができる。このため、酸化しやすい磁石粉末を用いて磁石を製造する場合でも、最終的な磁石特性を劣化させることなく、加工のための時間を大幅に短縮できる。
特開平8−64451号公報 特開平8−181028号公報 特開2003−303728号公報
特許文献3に記載されている技術による場合、切断加工によって作製した複数の板状部分(切断された成形体)を個々に分離してから焼結工程を行なうことが必要なる。しかし、成形体の板状部分の切断面が焼結前の柔らかい状態にあるため、隣接する板状部分の切断面と接触して相互に離れにくくなるという問題がある。このように、スライスされた複数の板状成形体が相互に固着した状態になると、焼結工程のために個々の板状成形体をロボットアームなど把持して焼結用プレートなどに搬送するとき、大きな力を加えなければ板状成形体を剥離することができず、成形体に割れや欠けが発生する可能性がある。
本発明はかかる諸点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、焼結前の成形体をワイヤソーで切断する場合において、成形体の割れや欠けの発生を抑えたハンドリングを可能とすることにより、製造歩留まりが向上した焼結磁石の製造方法を提供することにある。
本発明の焼結磁石の製造方法は、磁石粉末の成形体を作製する工程(A)と、ワイヤソーを用いて前記成形体を複数の板状部分に切断加工し、前記複数の板状部分が切断面に垂直な方向に配列された状態を形成する工程(B)と、前記成形体の板状部分を焼結する工程(C)とを包含する焼結磁石の製造方法であって、前記工程(B)は、前記複数の板状部分の少なくとも1つの位置を前記切断面に平行な方向にずらす工程(b)を含んでいる。
好ましい実施形態において、前記工程(b)は、前記複数の板状部分の位置を交互に反対方向にシフトさせる工程を含んでいる。
好ましい実施形態において、前記工程(b)は、前記複数の板状部分の各々の厚さに対応した幅を有する凸部で個々の板状部分を交互に反対方向に押圧する工程を含んでいる。
好ましい実施形態において、前記工程(b)は、前記凸部で個々の板状部分を交互に反対方向に押圧するとき、前記板状部分の切断面を摩擦によって平滑化する工程を含んでいる。
好ましい実施形態において、前記工程(B)と前記工程(C)との間において、前記複数の板状部分が切断面を介して鉛直方向に積層された状態となるように前記板状部分の向きを回転させる工程(D)を更に含む。
好ましい実施形態において、前記ワイヤソーは、0.05mm以上3.0mm以下の外径を有するワイヤと、前記ワイヤに固定された砥粒とを有している。
好ましい実施形態において、前記磁石粉末は、R−T−B系希土類合金(Rは希土類元素およびイットリウムからなる群から選択された少なくとも1種の元素、Tは鉄を必ず含む遷移金属元素、Bはホウ素である)の粉末である。
ワイヤソー装置は、磁石粉末の成形体を複数の板状部分に切断加工するワイヤと、前記複数の板状部分が切断面に垂直な方向に配列された状態で前記複数の板状部分の少なくとも1つの位置を前記切断面に平行な方向にずらす押圧部材とを備えている。
好ましい実施形態において、前記押圧部材は、前記複数の板状部分を把持する1対の押圧部を有しており、各押圧部は、前記複数の板状部分を1つ置きに押圧するように周期的に配列された複数の突出部を有しており、一方の押圧部の突出部の位置は他方の押圧部の突出部の位置に対して配列の2分の1周期だけシフトしている。
好ましい実施形態において、前記押圧部材を駆動する駆動部を備え、前記駆動部は、前記1対の押圧部を前記切断面に平行な方向に駆動し、前記複数の板状部分を把持し、前記複数の板状部分の位置を交互にシフトさせた後、前記複数の板状部分の各切断面が水平となるよう前記複数の板状部分を全体として回転させる。
本発明によれば、ワイヤソーで焼結前の成形体(グリーン)を複数の板状部分に切断加工した後、板状部分を切断面に沿って交互に平行に移動させることにより、切断面を平滑化するとともに、相互固着を抑制することができる。その結果、切断された個々の板状部分をスムーズに引き離すことができ、次の焼結工程へ速やかに移行できる。
また、本発明によれば、焼結前の比較的柔らかい状態の成形体を細いワイヤソーで加工するため、加工負荷が小さく、成形体の発熱を抑えることができるため、酸化しやすい磁石粉末を用いて磁石を製造する場合でも、最終的な磁石特性を劣化させることなく、加工のための時間を大幅に短縮でき、製造コストを大きく低減することができる。
本発明では、まず、磁石粉末の成形体(グリーン)を焼結前にワイヤソーによって切断し、複数の板状部分(以下、「プレート状切断グリーン」と称する)に分離する。ワイヤソーとは、一方向または双方向に走行するワイヤを、加工すべき成形体に押し付け、ワイヤと成形体との間にある砥粒によって成形体を加工する技術であるが、その詳細については、後述する。ここでは、まず、図1を参照しながら、ワイヤソーによって板状部分に分割された成形体に対する処理を説明する。
図1(a)は、ワイヤソー装置による成形体の切断加工を示している。走行するワイヤにより、ブロック状の成形体1が図1(b)に示すようにプレート状切断グリーン1a、1b、1c、1dに分割される。図1では、簡単のため、1つのブロック状成形体1から4つのプレート状グリーン1a〜1dが作製されているが、更に多くのプレート状グリーンが作製されても良い。その後、本発明の好ましい実施形態では、図1(c)に示す構造を有する一対の押圧部10a、10bを備えた押圧部材により、成形体1を把持する。各押圧部10a、10bは、複数のプレート状切断グリーン1a、1bを1つ置きに押圧するように周期的に配列された複数の突出部を有している。そして、一方の押圧部の突出部の位置は、他方の押圧部の突出部の位置に対して配列の2分の1周期だけシフトしている。このため、押圧部材で成形体を把持するとき、図1(d)に示すように、複数のプレート状切断グリーンの位置が交互にシフトすることになる。
ワイヤソーによって形成された成形体1の切断面には、微小な凹凸が存在するため、隣接するプレート状切断グリーンの間で双方の切断面が接触すると、容易に分離できなくなり、割れや欠けが生じるおそれがある。しかし、本発明の好ましい実施形態で行なうように、切断直後のプレート状切断グリーンを交互にシフトすると、切断面どうしの摩擦により、微小な凹凸が平滑化されるため、プレート状切断グリーンを引き離しやすくなる。また、本発明によれば、切断面が摩擦によって平滑化されるため、切断面で露出する希土類磁石粉末の表面積が減少し、成形体(希土類磁石粉末)の酸化を効果的に抑制する効果も得られる。
次に、押圧部10a、10bで把持しながら成形体1を回動させ、複数のプレート状切断グリーン1a〜1dを積層した状態で作業台上に配置する。図1(e)は、積層したプレート状切断グリーン1a〜1dを、上から順番に焼結台板上へ載置しつつある様子を示している。
上記の一連の工程によれば、プレート状切断グリーン1a〜1dを押圧部材10a、10bにより切断面に沿って交互に平行に移動させることにより、切断面を平滑化するととも、相互固着を抑制することができる。その結果、図1(e)に示すように、プレート状切断グリーン1a〜1dをスムーズに引き離すことができる。
もしも、図1(c)および(d)に示すようにして各プレート状切断グリーンを切断面に沿って交互に平行に移動させなかったならば、図1(e)に示す工程において、例えばプレート状切断グリーン1bを持ち上げたとき、その下のプレート状切断グリーン1cも固着したまま持ち上げられ、搬送中に落下したり、積層された状態で焼結台板上に配置される危険性がある。
図2(a)は、ワイヤソーによる切断直後における成形体1を示す斜視図であり、図2(b)は、切断面に沿って交互にプレート状切断グリーン1a〜1dがスライドした状態を示す斜視図である。
図3(a)は、ワイヤソーによる切断直後における成形体1を示す上面図であり、図3(b)は、押圧部10a、10bによって成形体1が押圧されつつある状態を示す上面図である。押圧部10a、10bの対向面には、プレート状切断グリーン1a〜1dの各々の厚さに略等しい幅を持った複数の突出部100が周期的に形成されている。この突出部100は、図の紙面に垂直な方向に延びており、突出部100の高さ(突出量)は、切断グリーン1a〜1dのシフト量を規定する。図3(c)は、押圧部10a、10bを90度だけ回転させることにより、プレート状切断グリーン1a〜1dの側面が紙面に平行になった状態を示す上面図である。図では、プレート状切断グリーン1aの側面が正面となる例が示されている。図3(d)は、押圧部10a、10bを成形体1から離間した状態を示す上面図である。図3(d)に示す状態では、プレート状切断グリーン1a〜1dが積層されており、この状態で作業台などの上に置かれる(図1(e)参照)。
図3(a)〜(d)に示す押圧部10a、10bは、プレート状切断グリーン1a〜1dの各々の厚さに略等しい幅を持った複数の突出部を有しているが、押圧部10a、10bは、このような構造を有するものに限定されない。図4(a)は、プレート状切断グリーン1a〜1dの厚さよりも小さな突出部200を有する押圧部20a、20bを示している。また、図4(b)は、周期的に配列された複数の溝を有する押圧部30a、30bを示している。図4(b)に示す例では、押圧部30a、30bの溝が形成されている側の面において溝が形成されていない領域が、突出部として機能することになる。
本発明の好ましい実施形態では、ワイヤソーに際して、表面に砥粒が固着されたワイヤを用いる。ワイヤ芯線は、引っ張り強度の高い材料から形成されることが好ましく、例えば、硬鋼線(ピアノ線)、Ni−CrやFe−Niなどの合金、WやMoなどの高融点金属、またはポリアミド系繊維を束ねたものから形成される。また、ワイヤが太すぎると、切断代が大きくなるため、材料の歩留まりが低下してしまう。逆にワイヤが細すぎると、加工負荷によってワイヤが切断してしまうおそれがある。さらに、切断抵抗を増加させるため、発熱・発火の原因となる。このため、本発明で用いるワイヤの外径は、0.05mm以上3.0mm以下に設定されることが好ましい。より好ましいワイヤの外径は、0.1mm以上1.0mm以下である。なお、ここでいうワイヤソーとは、切込方向における幅が3.0mm以下の切断手段を広く意味し、例えば、この幅が3.0mm以下のバンドソー等を含むものとする。
一方、砥粒はダイヤモンド、SiC、またはアルミナなどの高硬度材料から形成されていることが好ましく、その粒径は、典型的には10μm以上100μm以下である。砥粒は、樹脂膜などの結合層によってワイヤ芯線の表面に固着されていることが好ましい。樹脂膜としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂を用いることができる。樹脂膜の厚さは、0.02mm〜1.0mm程度である。
なお、結合層として樹脂膜の代わりに金属膜などを用いて砥粒を固着してもよい。例えば、電着法(電気めっき法)によって砥粒を固着したワイヤ(「電着砥粒ワイヤ」と呼ばれることがある。)は、樹脂層で砥粒を固着したワイヤよりも砥粒の突き出し量(砥粒が結合層の表面から突出している部分の高さ)を大きく出来るので、切削屑(切り粉またはスラッジ)の排出性に優れるので好ましい。また、十分な強度が得られるのであれば、拠り線を用いてもよい。拠り線を用いると切削屑の排出性をさらに向上することが出来る。なお、後述するように、切削屑の排出性を高めるために切削液を用いる場合には、切削液に対する耐性の観点からも、電着砥粒ワイヤを用いることが好ましい。
砥粒の平均粒径Dは、切削効率の観点から、30μm≦D≦1000μmの関係を満足することが好ましく、特に、40μm≦D≦200μmの関係を満足することが好ましい。また、切削効率と切削屑の排出効率の観点からは、ワイヤソーの走行方向における、互いに隣接する砥粒間の平均距離は砥粒の平均粒径Dの200〜600%の範囲内にあることが好ましく、且つ、突き出し量は、15μm〜500μmの範囲内にあることが好ましい。
なお、プレス時に印加する配向磁界によって成形体は磁化される。この磁化を取り除くことを目的として成形体に脱磁処理を施しても、0.001T〜0.1T程度の残磁が存在することになる。残磁をこれよりも小さくすることはできるが、そのためには工程数が増加するので、量産上好ましくない。成形体が残磁を有する結果、成形体をワイヤソーで切断するとき、切断代を小さくすると、切削屑が残磁によって切断面に付着してしまうため、成形体どうしを分離することが困難になる。このような問題を避けるには、0.1mm以上の切断代を設けることが好ましい。
また、砥粒が表面に固着されていないワイヤ(遊離砥粒型ワイヤ)を用いてもよいが、その場合は、砥粒が表面に固着されているワイヤ(固定砥粒型ワイヤ)を用いるよりも切削屑が排出され難く、切断溝(切削溝)内に相対的にたまりやすく、上記の残磁によって切断面に付着する切削屑が増える可能性がある。このため、固定砥粒型ワイヤを用いる方が、成形体どうしを分離しやすく、好ましい。
成形体を複数の部分にスライスする場合に成形体どうしを分離しやすくするために、一旦形成された切断面に沿って再度ワイヤソーを相対移動させてもよい。このように切断面に沿って再度ワイヤソーを通過させることによって、成形体どうしの間隙に残存した切削屑が排出され、欠けを発生させることなく、成形体を分離することが可能になる。ワイヤソー切断面に沿って再び通過させるために、1回目の切断によって形成された溝(複数の成形体の間隙)を保持することが好ましい。
また、切断加工工程における切削屑の排出性を向上するために、少なくともワイヤソーの成形体と接触する部分に切削液が付与された状態で成形体を切削加工してもよい。ワイヤソーに切削液を付与することによって、切削屑がワイヤソーに付着しやすくなり、且つ、切削屑(粉)どうしが凝集しやすくなるため、より多くの切削屑がワイヤソーに付着し、切削部から排出される。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
(実施形態)
図5は、本実施形態で用いるワイヤソー装置の一構成例を示している。図示されている装置は、加工対象の成形体(グリーン)1を支持し、上下(z軸方向)に駆動する駆動装置2と、複数のロール3a、3b、3c、および3dとを備えている。
ワイヤソー4は、上述の砥粒がワイヤに固着されたものであり、ロール3a〜3dに巻かれ、y軸に平行な方向に走行する。ワイヤソー4は、x軸方向に等間隔で配列され、その配列間隔(ワイヤピッチ)は、ブロック状の成形体1から切り出す各板状部分のサイズ(厚さ)によって任意に設定される。本発明が好適に適用される用途において、ワイヤピッチは、例えば約1mm以上約30mm以下の範囲内に設定される。
ワイヤソー4に用いるワイヤの外径は、ワイヤ強度および切断代を考慮すると、0.05mm以上3.0mm以下の範囲内に設定することが好ましい。なお、焼結後の硬い焼結体をワイヤソー4で切断しようとすると、ワイヤには20〜40N程度の張力が印加されることになる。これに対して、本発明では、焼結前の柔らかい成形体1を加工するため、ワイヤに印加すべき張力も0.1〜10N程度と比較的低くてすむため、切断抵抗が小さく、比較的酸素濃度の高い雰囲気でも発火や酸化の問題なく成形体の切断・加工が可能となる。
ワイヤソー4には、加工時、イソパラフィンやエチルアルコールなどの有機溶剤を切削液として供給してもよい。ただし、切削液の供給は必須ではないが、後述するように、切削屑の排出性を向上することができる。
ワイヤソー4のy軸方向速度(vy)を、本明細書では「ワイヤ送り速度」と称することとする。所定のワイヤ送り速度で走行するワイヤソー4に対して成形体1を押し付けることにより、成形体1を切削し、複数の部分に切断・分割(スライス)することができる。成形体1をワイヤ4に押し付けてゆく速度(vz)は、図示されている例では、駆動装置のz軸方向の駆動速度に対応し、これを本明細書では「切込速度」と称することにする。この切込速度が速いほど、加工に要する時間が短縮される。
ワイヤ送り速度および切込速度は、後述する実施例の説明から明らかなように、加工負荷の値に大きく影響する。加工負荷を実用上適切な範囲に収めるには、切込速度を例えば30mm/min以上1200mm/min以下に設定することが好ましく、30mm/min以上800mm/min以下に設定することが更に好ましい。
なお、ワイヤソー4は一定の方向に走行させるだけではなく、y軸方向に沿って往復動作(レシプロカル動作)を行うようにしてもよい。この場合は、例えば複数のワイヤを張った矩形の枠体をエアシリンダなどによってy軸方向に直線的に往復動作させれば良い。また、エアシリンダの代わりに、モータとクランクを組み合わせた装置を採用しても良い。
図6は、従来の焼結体を切断する場合と、本発明による焼結前の成形体を切断する場合について、製造工程の違いを説明するフローチャートである。図6に示されるように、従来例では、まず、原料粉末を用意する工程、粉末をプレスする工程、成形体を焼結する工程、焼結体を切断する工程、切断された各焼結体部品に対して表面処理を施す工程などの各工程を行う必要があった。これに対して本発明では、プレス工程の後、焼結工程前に、成形体(グリーン)を切断し、最終磁石製品に近い形状とサイズを持つ成形体部分を作製する。このように本発明では、焼結体よりも著しく柔らかくて加工しやすい状態にある成形体(グリーン)を切断するため、切断加工に要する時間が大幅に短縮される。
なお、本発明によれば、ワイヤソーと成形体との接触面積が従来の回転刃などを用いた場合の接触面積に比べて小さく、摩擦による発熱量が極めて少ない。例えば、従来の回転刃の場合、接触面積が1000〜10000mm2程度となるような場合でも、本発明によれば、接触面積を5〜50mm2程度に抑えることができる。このため、大気雰囲気中においてワイヤソー加工を行っても、希土類合金粉末の酸化や発火の問題を充分に回避できる。
ただし、本発明による場合でも、よりいっそう磁石粉末の酸化を抑制し、高性能の磁石特性を実現するためには、磁石粉末の酸素濃度が重量比率で3000ppmを超える場合には、酸素濃度がモル比で全体の10%以上15%以下に調節された不活性ガス雰囲気中でワイヤソー加工を行うことが好ましい。特に、酸素濃度が重量比率で全体の3000ppm以下となるような低酸素の磁石粉末を用いて成形体を作製する場合は、磁石粉末の酸化反応性が著しく強いため、上記よりも厳しく酸素濃度が制限された環境(例えば酸素濃度がモル比率で2%以下の不活性ガス雰囲気中)でワイヤソー加工を行うことが望ましい。酸素濃度を上記の範囲内に制御することは、切断加工を行う装置のまわりを部分的に囲えば可能であり、ワイヤソー装置のまわりを大気雰囲気から完全に分離することなく実現できる。このように気体中で成形体を切断する場合には、雰囲気をコントロールすることが好ましい。
また上述のように気体中で乾式成形体を加工する場合には、磁石粉末に対して成形前に固体または液体の潤滑剤(例えば脂肪酸エステル)を添加しておくことが好ましい。粉末表面に形成される潤滑剤の膜によって酸化が防止されるからである。また、成形体を作製した後で、加工前に成形体に潤滑剤を十分にしみこませてもよい。このような潤滑剤は、後の焼結工程において容易に成形体から除去できるものが好ましい。
なお、従来の回転刃を用いる場合は、切断代が大きく(例えば幅0.5mm以上)、切削加工部分から切削屑が粉塵化して周囲に飛散することがあった。飛散した切削屑が発火すると、極めて危険である。しかし、本発明によるワイヤソーを用いる場合は、切削屑の飛散を大きく抑制することができるので、安全に作業を行うことができる。
また、ワイヤソー加工は、イソパラフィンに代表される飽和炭化水素系溶剤などの有機溶媒中において実行しても良い。このような有機溶媒中であれば、脱脂が容易であるため、特別の脱脂工程を導入することなく、標準的な焼結プロセスにおいて、成形体中から除去される。このため、有機溶媒中の炭素が焼結磁石の磁気特性を劣化させるという問題も生じない。
ワイヤソーによる切断加工が終了した後、図1(c)および(d)に示す押圧部10a、10bを用いて成形体1を把持するとともに、切断された各グリーンの位置ずらしを行なう。押圧部10a、10bに押圧されても割れや欠けが生じないように、切断された各グリーンの厚さは、例えば、3mm以上の大きさを有していることが好ましい。また、成形体の強度を高めるため、成形密度は4.0g/cm3以上であることが好ましい。
こうして、位置ずらしを行なった後は、図1(d)に示す工程を経て、各切断グリーンの焼結工程を行なった。
次に、本発明による上記実施形態の具体的な実施例を説明する。
本実施例では、図7に示すように、3列に配置したワイヤソーにより、下方から上昇する成形体(グリーン)を大気雰囲気中で切断した。ワイヤソーのワイヤ外径(線径)は0.24mmとし、ワイヤピッチは5mmとした。加工対象の成形体(グリーン)は、26質量%(Nd+Pr)、5質量%Dy、1質量%B、1質量%Co、0.2質量%Al、0.1質量%Cu、残部Feの合金組成を有する磁石粉末(FSSS粒径:3.0〜3.2μm)を公知のプレス装置を用いて成形したものである。磁界配向させるための印加磁界は1.2T程度とした。成形体は略直方体の形状を有し、そのサイズは高さ15mm×幅41.7mm×奥行き66.2mmであった。
ワイヤソーに対する成形体の配置関係は、各ワイヤと成形体との接触部長さが41.7mmとなるように設定した。また、不図示のロードセルにより、成形体上昇時に成形体がワイヤソーから受ける加工負荷(下方向に向かう負荷)を測定した。また、この実験では、ワイヤ送り速度および切込速度を100〜150m/minの範囲で変化させ、また、切込速度を150〜420mm/minの範囲で変化させた。
ワイヤソーによる切断加工直後におけるプレート状切断グリーンの厚さ(図5のx方向サイズ)を4.76mmとした。このサイズは、ワイヤピッチ(5mm)からワイヤ外径(0.24mm)を引くことにより求めた計算値である。
次に、図1(c)および(d)に示すようにして、押圧部10a、10bで成形体を把持し、位置ずらしを行なった。押圧部10a、10bは、金属または樹脂などの材料から形成され、5mmのピッチで周期的に配列された溝を有している。溝の深さは1〜5mmである。このような押圧部10a、10bを用いることにより、スライスされたグリーンを交互に1〜5mm程度シフトさせることができる。このシフト量は、本実施例の場合、押圧部10a、10bに形成する溝の深さによって調節できる。シフト量の好ましい大きさは、0.5mm以上5mm以下である。シフト量が小さすぎると、切断面の密着を抑制することができず、また、シフト量が大きすぎると、摩擦によってグリーンの一部に欠けや割れが生じるおそれがある。シフト量のより好ましい大きさは、1mm以上4mm以下である。
この後、図1(e)に示す搬送工程を経て、焼結工程を行なう。この焼結工程は、例えば約1000℃〜約1100℃の温度で、不活性ガス(希ガスや窒素ガス)雰囲気下、または真空中で、約1〜5時間実行される。必要に応じて、得られた焼結体を、例えば約450℃〜約800℃の温度で、約1〜8時間時効処理を行っても良い。なお、焼結体に含まれる炭素の量を減らし、磁気特性を向上するために、上記焼結工程の前に、必要に応じて、合金粉末に添加した潤滑剤や切断工程で用いた切削液を加熱除去してもよい。加熱除去工程は、潤滑剤や切削液の種類にもよるが、例えば、約 100℃から600℃の温度で、減圧雰囲気下で、約3時間〜約6時間実行される。ここでは、500℃で2時間とした。
焼結によって成形体の厚さは30%近く収縮し、研磨によって焼結体の厚さは更に0.1mm程度小さくなった。焼結による収縮はプレス中に印加した配向磁界の向きに最も顕著に生じる。なお、本実施例では、成形体の厚さ方向に磁界を印加し、粉末の配向を行っていた。
従来、焼結による収縮が起きた後の焼結体を切断加工していたため、その切断代が焼結体の厚さに占める比率が大きかった。これに対し、本発明では収縮する前の成形体を切断するため、用いるワイヤの外径が等しい場合でも、成形体の厚さに占める切断代の比率は相対的に小さくなる。このことは、切断加工によって失われる材料をできるたけ少なくし、材料の歩留まり(利用効率)の向上に大きく寄与する結果となる。
上記実施形態において好適に用いられるR−Fe−B系希土類磁石粉末は、例えば、以下のような工程を経て作製される。
まず、公知のストリップキャスト法を用いてR−Fe−B系希土類磁石合金の鋳片を作製する。具体的には、まず所望の組成の合金を高周波溶解によって溶融し、合金溶湯を形成する。この合金溶湯を1350℃に保持した後、単ロール法によって、合金溶湯を急冷し、厚さ約0.3mmのフレーク状合金鋳塊を得ることができる。このときの急冷条件は、例えば、ロール周速度約1m/秒、冷却速度500℃/秒、過冷度200℃とする。
このようにして形成された急冷合金の厚さは0.03mm以上10mm以下の範囲にある。この合金は、短軸方向サイズが0.1μm以上100μm以下で長軸方向サイズが5μm以上500μm以下のR214B結晶粒と、R214B結晶粒の粒界に分散して存在するRリッチ相とを含有し、Rリッチ相の厚さは10μm以下である。ストリップキャスト法による原料合金の製造方法は、例えば、米国特許第5,383,978に開示されている。
次に、粗粉砕された原料合金を複数の原料パックに充填し、ラックに搭載する。この後、前述の原料搬送装置を用いて、原料パックが搭載されたラックを水素炉の前まで搬送し、水素炉の内部へ挿入する。そして、水素炉内で水素粉砕処理を開始する。原料合金は水素炉内で加熱され、水素粉砕処理を受ける。粉砕後、原料合金の温度が常温程度に低下してから原料の取り出しを行うことが好ましい。しかし、高温状態(例えば40〜80℃)のまま原料を取り出しても、原料が大気と接触しないようにすれば、特に深刻な酸化は生じない。水素粉砕によって、希土類合金は0.1〜1.0mm程度の大きさに粗粉砕される。なお、合金は、水素粉砕処理の前において、平均粒径1〜10mmのフレーク状に粗粉砕されていることが好ましい。
水素粉砕後、ロータリクーラ等の冷却装置によって、脆化した原料合金をより細かく解砕するとともに冷却することが好ましい。比較的高い温度状態のまま原料を取り出す場合は、ロータリクーラ等による冷却処理の時間を相対的に長くすれば良い。
ロータリクーラ等によって室温程度にまで冷却された原料粉末に対して、ジェットミルなどの粉砕装置を用いて更なる粉砕処理を行い、原料の微粉末を製造する。上記の実施形態では、ジェットミルを用いて窒素ガス雰囲気中で微粉砕し、平均粒径(FSSS粒径)が3.0〜3.2μmの磁石粉末を得た。この窒素ガス雰囲気中の酸素量は10000ppm程度に低く抑えることが好ましい。このようなジェットミルは、特公平6−6728号公報に記載されている。微粉砕時における雰囲気ガス中に含まれる酸化性ガス(酸素や水蒸気)の濃度を制御し、それによって、微粉砕後における磁石粉末の酸素含有量(重量)を6000ppm以下に調整することが好ましく、3000ppm以下に調整することがさらに好ましい。磁石粉末中の酸素量が6000ppmを超えて多くなりすぎると、磁石中に非磁性酸化物の占める割合が増加し、最終的な焼結磁石の磁気特性が劣化してしまうからである。
次に、この磁石粉末に対し、ロッキングミキサー内で潤滑剤を例えば0.3質量%添加・混合し、潤滑剤で磁石粉末粒子の表面を被覆する。潤滑剤としては、脂肪酸エステルを石油系溶剤で希釈したものを用いることができる。上述の実施形態では、脂肪酸エステルとしてカプロン酸メチルを用い、石油系溶剤としてはイソパラフィンを用いる。カプロン酸メチルとイソパラフィンの重量比は、例えば1:9とする。このような液体潤滑剤は、磁石粉末粒子の表面を被覆し、粒子の酸化防止効果を発揮するとともに、プレスに際して成形体の密度を均一化し、配向の乱れを抑制する機能を発揮する。
なお、潤滑剤の種類は上記のものに限定されるわけではない。脂肪酸エステルとしては、カプロン酸メチル以外に、例えば、カプリル酸メチル、ラウリル酸メチル、ラウリン酸メチルなどを用いても良い。溶剤としては、イソパラフィンに代表される石油系溶剤やナフテン系溶剤等を用いることができる。潤滑剤添加のタイミングは任意であり、微粉砕前、微粉砕中、微粉砕後の何れであっても良い。液体潤滑剤に代えて、あるいは液体潤滑剤とともに、ステアリン酸亜鉛などの固体(乾式)潤滑剤を用いても良い。
上記磁石粉末は、0.5MA/m以上1.5MA/mの配向磁界を圧縮方向に垂直または平行に印加された状態で、公知のプレス装置により成形される。
以上、酸化しやすく、加工しにくいR−Fe−B系焼結磁石について本発明を説明してきたが、本発明を他の材料からなる希土類焼結磁石や他の焼結磁石に適用することも可能である。
焼結前の成形体をワイヤソーで複数の板状部分に切断した後、板状部分の位置ずらしを行なうため、その後のハンドリングが容易になり、歩留まりが向上する。また、焼結前にグリーンの切断面を平滑化できるため、酸化などによる磁石特性の劣化を抑制することも可能になる。
本発明の主要な工程を示す斜視図であり、(a)は、ワイヤソー装置による成形体の切断加工を示し、(b)は、プレート状に切断されたグリーンを示し、(c)は、押圧部を示し、(d)は押圧部で成形体を把持している状態を示し、(e)は、積層されたプレート状切断グリーンが、上から順番に焼結台板へ載置されつつある様子を示している。 (a)は、ワイヤソーによる切断直後における成形体を示す斜視図であり、(b)は、切断面に沿って交互にプレート状切断グリーンがスライドした状態を示す斜視図である。 (a)は、ワイヤソーによる切断直後における成形体を示す上面図、(b)は、押圧部によって押圧されつつある状態を示す上面図、(c)は、押圧部を90℃だけ回転させることにより、プレート状切断グリーンの側面が紙面に平行になった状態を示す上面図、(d)は、押圧部材を成形体から離間した状態を示す上面図である。 押圧部の他の構成例を示す上面図であり、(a)は、プレート状切断グリーンの厚さよりも小さな突出部を有する押圧部を示し、(b)は、周期的に配列された複数の溝を有する押圧部を示している。 本発明に好適に用いられるワイヤソー装置の一構成例を示している。 従来の焼結体を切断する場合と、本発明による焼結前の成形体を切断する場合について、製造工程数の違いを説明するフローチャートである。 本発明の実施例で用いたワイヤソーの構成を模式的に示す斜視図である。
符号の説明
1 成形体(グリーン)
1a、1b、1c、1d ワイヤソーによって切断されたプレート状グリーン
2 駆動装置
3a、3b、3c、3d ロール
4 ワイヤソー
10a、10b 押圧部

Claims (8)

  1. 磁石粉末の成形体を作製する工程(A)と、
    ワイヤソーを用いて前記成形体を複数の板状部分に切断加工し、前記複数の板状部分が切断面に垂直な方向に配列された状態を形成する工程(B)と、
    前記成形体の板状部分を焼結する工程(C)と、
    を包含する焼結磁石の製造方法であって、
    前記工程(B)は、前記複数の板状部分の少なくとも1つの位置を前記切断面に平行な方向にずらす工程(b)を含んでおり、
    前記工程(b)は、前記複数の板状部分の位置を交互に反対方向にシフトさせる工程を含んでいる、焼結磁石の製造方法。
  2. 前記工程(b)は、前記複数の板状部分の各々の厚さに対応した幅を有する凸部で個々の板状部分を交互に反対方向に押圧する工程を含んでいる、請求項に記載の焼結磁石の製造方法。
  3. 前記工程(b)は、前記凸部で個々の板状部分を交互に反対方向に押圧するとき、前記板状部分の切断面を摩擦によって平滑化する工程を含んでいる、請求項に記載の焼結磁石の製造方法。
  4. 前記工程(B)と前記工程(C)との間において、前記複数の板状部分が切断面を介して鉛直方向に積層された状態となるように前記板状部分の向きを回転させる工程(D)を更に含む請求項1からのいずれかに記載の焼結磁石の製造方法。
  5. 前記ワイヤソーは、0.05mm以上3.0mm以下の外径を有するワイヤと、前記ワイヤに固定された砥粒とを有している請求項1からのいずれかに記載の焼結磁石の製造方法。
  6. 前記磁石粉末は、R−T−B系希土類合金(Rは希土類元素およびイットリウムからなる群から選択された少なくとも1種の元素、Tは鉄を必ず含む遷移金属元素、Bはホウ素である)の粉末である請求項1からのいずれかに記載の焼結磁石の製造方法。
  7. 磁石粉末の成形体を複数の板状部分に切断加工するワイヤと、
    前記複数の板状部分が切断面に垂直な方向に配列された状態で前記複数の板状部分の少なくとも1つの位置を前記切断面に平行な方向にシフトさせる押圧部材と、
    を備え、
    前記押圧部材は前記複数の板状部分を把持する1対の押圧部を有しており、
    各押圧部は、前記複数の板状部分を1つ置きに押圧するように周期的に配列された複数の突出部を有しており、一方の押圧部の突出部の位置は他方の押圧部の突出部の位置に対して配列の2分の1周期だけシフトしている、ワイヤソー装置。
  8. 前記押圧部材を駆動する駆動部を備え、
    前記駆動部は、前記1対の押圧部を前記切断面に平行な方向に駆動し、前記複数の板状部分を把持し、前記複数の板状部分の位置を交互にシフトさせた後、前記複数の板状部分の各切断面が水平となるよう前記複数の板状部分を全体として回転させる、請求項に記載のワイヤソー装置。
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