JP2007254813A - 希土類焼結磁石の製造方法及びこれに用いる成形用金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】 成形効率の向上と焼結後の切断の負荷の削減とを両立し、希土類焼結磁石を生産性良く製造することが可能な製造方法を提供する。
【解決手段】 希土類合金粉末を成形して成形体を形成し、これを焼結して希土類焼結磁石とするに際し、並列に配列される複数の成形体間が互いに連結されるように一括して上下金型2,3で成形する。例えば、各成形体S〜Sが円柱形状である場合、周面の一部において中心軸方向に延在する連結部Nにより連結されるように成形する。連結された成形体S〜Sは、上下金型2,3から取り出すことにより分離される。あるいは、焼結時に分離される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、粉末冶金法による希土類焼結磁石の製造方法及びこれに用いる成形用金型に関するものであり、特に、成形工程の改良に関する。
モータをはじめとする各種電気部品の小型化の要求、及びこれに対応した磁石の特性向上の要求に伴い、高性能小型磁石の開発が求められている。このような中、例えばNd−Fe−B磁石等のR−T−B系(Rは、希土類元素の1種以上である。Tは、Feを必須とし、その他金属元素を含む。)焼結磁石は、磁気特性に優れていること、主成分であるNdが資源的に豊富で比較的安価であること等の利点を有することから、近年、その需要が益々拡大する傾向にある。
希土類焼結磁石の製造方法としては粉末冶金法が知られており、低コストでの製造が可能なことから各方面で広く用いられている。粉末冶金法により希土類焼結磁石を製造するには、先ず、原料合金インゴットを粗粉砕及び微粉砕し、粒径が数μm程度の希土類合金粉末を作製した後、得られた希土類合金粉末を磁場中で配向させ、磁場中成形を行う。次いで、磁場中成形後、成形体を真空中、または不活性ガス雰囲気中で焼結及び時効処理を行う。さらに、機械加工や表面処理等の工程を行う。
前述の粉末冶金法による希土類焼結磁石の製造においては、最終製品(希土類焼結磁石)を所定の形状とするために、成形や輪郭加工、切断等が必要になる。この場合、例えば磁場中成形により金型内で最終製品に近い形状(例えば、アーク形状や円板状、リング形状等)に成形し、熱処理(焼結及び焼結時効)後に若干形状を整えるようにすれば、輪郭加工や切断に要する手間を少なくすることができるが、小型化の要求に伴い、単品毎に処理していたのでは、生産効率が悪く、生産性の向上が課題となっている。
そこで、成形を多数個取りで行ったり、成形工程において希土類合金粉末をブロック状に成形し、焼結後に最終形状に合わせて輪郭形状に研削したり切断することが行われている。例えば円板状の希土類焼結磁石を作製する場合、前記磁場中成形において円柱形状に成形し、焼結して焼結体を作製した後に、輪郭加工用砥石を用いて輪郭加工し、さらには各製品毎に切断することで所望の円板形状に加工処理することが試みられている。
ただし、最終形状に近い形で成形する場合、成形を多数個取りで行おうとすると成形装置の大型化を招き、多大な設備投資が必要になる。特に、希土類焼結磁石のように成形時に磁界を印加して希土類合金粉末を所定の方向に配向する必要がある場合、前記装置の大型化は著しく不利である。磁場配向においては、前記成形装置の大型化に伴い単に磁界印加のための磁極を大型化すれば良いだけではなく、広い部分に所定の磁界を均等に印加する工夫が必要であり、さらには磁極の大型化に伴い電源容量も加速度的に大型化する必要がある。また、製品サイズが小さくなると、焼結に際して焼結用トレーに成形体を並べるのに労力を要し、工程負荷が増加することも懸念される。
一方、ブロック状に成形し、焼結後に切断する方法では、成形体が大きすぎると切断に労力を要し、逆に成形体が小さすぎると成形に時間を要するという問題が生ずる。また、例えば円柱形状の製品の製造等を考えた場合、焼結後に焼結体を研削する輪郭加工が必要になり、この場合、ある程度研削量も大きくなることから材料ロスが大きくなることも問題である。そこで、これを解消するために、成形体をブロック状に成形した後、さらにワイヤソーで切断することが提案されている(例えば、特許文献1等を参照)。
特許文献1記載の発明では、ダイヤモンド等の砥粒が表面に固着されたワイヤソーを用い、焼結前の時点で磁石粉末の成形体を切断加工することが開示されており、これにより希土類焼結磁石の加工時間及び加工コストを低減するようにしている。
特開2003−303728号公報
しかしながら、前記特許文献1記載の発明のように、成形体をワイヤソーで切断する方法では、成形工程の他に切断工程を追加する必要があり、工数や設備を増加する必要がある。工数や設備の増加は製造コストの増加に繋がり、好ましいものではない。また、ブロック形状の成形体を作製した後、成形体をワイヤソーで切断したとしても、例えば前述の円柱形状の製品の製造を考えた場合には、焼結後にさらに円柱形状に輪郭加工する必要が生じ、結局は材料のロスが大きくなるという課題を解決することはできない。
本発明は、前述の従来の実情に鑑みて提案されたものであり、成形効率を向上することが可能で、焼結後の切断の負荷も最小限に減らすことが可能な希土類焼結磁石の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、設備投資を最小限に抑えることが可能で、焼結に際して焼結用トレーに成形体を並べる労力も少なくて済む希土類焼結磁石の製造方法及びこれに用いる成形用金型を提供することを目的とする。
前述の目的を達成するために、本発明の希土類焼結磁石の製造方法は、希土類合金粉末を成形して成形体を形成し、これを焼結して希土類焼結磁石とするに際し、並列に配列される複数の成形体間が互いに連結されるように一括して金型で成形することを特徴とするものである。また、本発明の成形用金型は、希土類合金粉末を成形して成形体を形成する成形用金型であって、複数の成形体に対応したキャビティが並列に配列されるとともに、各キャビティ間が連通されており、並列に配列される複数の成形体間が互いに連結された状態で一括して成形されることを特徴とする。
本発明においては、複数の成形体を一括して成形するようにしているので、成形効率が向上する。さらに、最終製品に近い形でこれらを連結した形状にて成形しているので、いわゆる多数個取りによる成形等のように装置の大型化を招くことはない。また、焼結に際して焼結用トレーに並べる成形体の数も減る。
さらに、連結された各成形体は、金型から取り出すことにより、あるいは金型から取り出した後、手等によって僅かな力を加えることにより分離される。さらには焼結時に自然に分離される場合もある。したがって、分離のために切断等の余分な工程も必要ない。通常、成形時や焼結時のクラックやワレの発生を防止するために様々な工夫を行うが、本発明は、逆に連結部におけるクラックやワレの発生を利用し、切断工程を不要とするものであり、これまでの成形や焼結の考えとは逆行した、いわば逆転の発想に基づくものである。また、意図的にクラックやワレが発生する部位を形成することで、他の部分のクラック等の発生も抑制されるという効果も期待できる。
本発明によれば、成形効率の向上と焼結後の切断の負荷の削減とを両立することができ、種々の形状の希土類焼結磁石を生産性良く製造することが可能である。また、余分な設備投資もほとんど必要なく、工数の増加や工程負荷の増加も抑えることができるので、製造コストを削減することも可能である。
以下、本発明を適用した希土類焼結磁石の製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。
希土類焼結磁石は、例えば希土類元素R、遷移金属元素T及びホウ素を主成分とするものであるが、磁石組成は特に限定されず、用途等に応じて任意に選択すればよい。例えば、希土類元素Rとは、具体的にはY、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb又はLuのことをいい、これらから1種又は2種以上を用いることができる。中でも、資源的に豊富で比較的安価であることから、希土類元素Rとしての主成分をNdとすることが好ましい。また、遷移金属元素Tは、従来から用いられている遷移金属元素をいずれも用いることができ、例えばFe、Co、Ni等から1種又は2種以上を用いることができる。これらの中では、磁気特性の点からFeを主体とすることが好ましく、特に、キュリー温度の向上、粒界相の耐蝕性向上等に効果があるCoを添加することが好ましい。また、前記希土類元素R、遷移金属元素T及びホウ素Bのみならず、他の元素の含有を許容する。例えば、Al、Cu、Zr、Ti、Bi、Sn、Ga、Nb、Ta、Si、V、Ag、Ge等の元素を適宜含有させることができる。一方で、酸素、窒素、炭素等の不純物元素を極力低減することが望ましい。特に磁気特性を害する酸素は、その量を7000ppm以下、さらには5000ppm以下とすることが望ましい。酸素量が多いと非磁性成分である希土類酸化物相が増大して、磁気特性を低下させるからである。なお、製造対象となる希土類焼結磁石としては、前記R−T−B系の希土類焼結磁石に限られるものではない。例えば希土類焼結磁石は、SmCo系焼結磁石等であってもよい。
希土類焼結磁石は粉末冶金法によって作製されるが、その製造プロセスは、基本的には、合金化工程、粗粉砕工程、微粉砕工程、成形工程、焼結工程、時効工程とにより構成される。なお、酸化防止のために、焼結後までの各工程は、ほとんどの工程を真空中、あるいは不活性ガス雰囲気中(窒素ガス雰囲気中、Arガス雰囲気中等)で行う。
合金化工程では、原料となる金属、あるいは合金を所望の希土類合金粉末の組成に応じて配合し、真空あるいは不活性ガス、例えばAr雰囲気中で溶解し、鋳造することにより合金化する。鋳造法としては、任意の方法を採用し得るが、溶融した高温の液体金属を回転ロール上に供給し、合金薄板を連続的に鋳造するストリップキャスト法(連続鋳造法)が生産性等の観点から好適であり、得られる合金の形態の点でも好適である。
前記合金化の際に用いる原料金属(合金)としては、純希土類元素、希土類合金、純鉄、フェロボロン、さらにはこれらの合金等を使用することができる。合金は、ほぼ最終磁石組成である単一の合金を用いても良いし、最終磁石組成になるように、組成の異なる複数種類の合金を混合しても良い。
粗粉砕工程では、先に鋳造した原料合金の薄板、あるいはインゴット等を、粒径数百μm程度になるまで粉砕する。粉砕手段としては、スタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等を用いることができる。粗粉砕性を向上させるために、水素を吸蔵させて脆化させた後、粗粉砕を行うことが効果的である。
前述の粗粉砕工程が終了した後、必要に応じて粗粉砕した原料合金粉に潤滑剤を添加する。潤滑剤としては、例えば脂肪酸系化合物等を使用することができるが、特に、融点が60℃〜120℃の脂肪酸や脂肪酸アミドを潤滑剤として用いることで、良好な磁気特性、特に高配向度で高い磁化を有する希土類焼結磁石を得ることができ、その種類や添加量によって、成形体強度を所定の値に調整することができる。
粗粉砕工程の後、微粉砕工程を行うが、この微粉砕工程は、例えば気流式粉砕機等を使用して行われる。微粉砕の際の条件は、用いる気流式粉砕機に応じて適宜設定すればよく、原料合金粉を平均粒径が1〜10μm程度、例えば3〜6μmとなるまで微粉砕する。気流式粉砕機としては、ジェットミル等が好適である。
微粉砕工程の後、磁場中成形工程において、原料合金粉を磁場中にて成形する。具体的には、微粉砕工程にて得られた原料合金粉を電磁石を配置した金型内に充填し、磁場印加によって結晶軸を配向させた状態で磁場中成形する。磁場中成形は、成形圧力と磁界方向が平行な平行磁界成形、成形圧力と磁界方向が直交する直行磁界成形のいずれであってもよい。さらに、磁界印加手段として、パルス電源と空芯コイルも採用することができる。この磁場中成形は、例えば700〜1600kA/mの磁場中で、30〜300MPa、好ましくは130〜160MPa前後の圧力で行えばよい。
本発明においては、この成形工程において、複数の成形体を連結した形態で成形することが大きな特徴である。以下、成形工程について詳述する。
例えば円柱形状の成形体を磁場中成形する場合、図1(a)に示すように、成形体1に対する磁場配向方向(図中矢印H方向)と加圧方向(図中、矢印P方向)が同じであると、希土類合金粉末の配向を前記加圧が妨げる形になり、高配向の成形体を形成することが難しい。これに対して、図1(b)に示すように、成形体1に対する磁場配向方向Hに対して加圧方向Pを直交する方向とすれば、希土類合金粉末の配向を前記加圧が促進する形になり、高配向の成形体を成形することができる。
そこで、ここでは図1(b)に示す例と同様、水平方向に磁場を印加しながら垂直方向い加圧成形することとする。この場合、金型構造としては、断面円弧形状とされた上下金型を突き合わせることにより円柱形状の成形体を成形することになる。ただし、この場合、加圧により上下パンチが直接突き当たることを避けるために、キャビティ端部のパンチ形状を逃げ部を設けたり、過剰量の充填粉を投入する等の処置が必要になる。いずれにしても、完全な円柱形状とすることができないため、輪郭加工により円柱形状とすることが必須となる。
また、成形効率を考えた場合、例えば円柱形状の成形体を複数並列に配置して一括成形することが有利である。しかしながら、例えば並列に配置されるように複数の成形体を各成形体毎に成形する場合、図2(a)に示すように、前述の通り上下金型2,3の突き合わせ部分を鋭利な形状とすることはできず、若干の逃げ部2a,3aを設ける必要がある。また、各成形体を成形するキャビティC間には、それらを仕切るための仕切り領域4も必要である。金型の仕切り領域4については、強度を保証する必要があり、例えばキャビティCと同等程度の寸法が必要である。したがって、前記金型によって複数の成形体を一括成形しようとすると、金型の大型化を招くことになる。
そこで、本実施形態では、前記逃げ部2a,3aを利用する形で、各成形体を連結した状態で一括成形することとする。すなわち、図2(b)に示すように、上下金型2,3の各成形体に対応したキャビティC間に前記逃げ部に相当し互いに突き当たらない部分(連結部形成部)2b,3bを形成し、各キャビティCにより成形される成形体が連結されるようにする。磁場印加方向は、紙面に対して直交する方向である。金型構造を前記構造とすることにより、仕切り領域4が不要になり、金型全体の大きさを抑えることができる。
前記キャビティC間に形成される連結部形成部2b,3bは、図2(b)に示すように互いに平行に対向するように形成してもよいが、他の部分に比べて摩耗し易いので、図2(c)に示すようにR面取り加工を施すことが好ましい。また、図2(d)に示すように各連結部形成部2b,3bを曲面状に突出する形で形成してもよい。
図2(b)に示す金型で成形される成形体を図3に示す。本例の場合、円柱形状の成形体S〜Sが連結部Nを介して連結された状態で成形される。以下、これを連結成形体と称する。連結成形体において、連結部Nは前記キャビティC間の突き当たらない部分2b,3bにより形成されるものである。連結部Nは、各円柱形状の成形体S〜Sの周面において、概ねその中心軸方向に延在する形で形成されており、したがって各成形体S〜Sは並列に配列され、その長さ方向において、全長に亘り連結されることになる。連結部Nはまた、各成形体S〜S間において、分割容易部として機能することになる。連結部Nの寸法を適正に設定することにより、各成形体S〜Sをこの連結部Nで簡単に分離することが可能である。また、連結構造とすることにより、たとえ一部の連結部が充填不足となったとしても、他のキャビティや連結部に支えられるので、上下パンチがぶつかるおそれはない。また、その部分の成形体の強度不足が考えられるが、連結部を自然発生的に分離するという本発明の主旨をより容易に実現することになる。図2(d)のように連結部が突出する形状の場合、顕著である。
前記連結成形体は、図4に示すように、前記連結部Nを分離することにより各成形体S〜Sに分離する。各成形体S〜Sへの分離は、連結成形体を金型から取り出すことにより自然発生的に行われてもよいし、取り出した後軽微な力により行われても良く、あるいは焼結の際の熱収縮等により行われてもよい。いずれの場合にも、切断工程等を追加することなく各成形体S〜Sへの分離を行うことが可能である。また、特に焼結の際に前記連結部Nが割れるように設定すれば、焼結の際に焼結トレーに成形体を並べる手間も少なくて済む。
前記連結部Nは、例えば、砥石や切断ブレードを用いて成形体に連結部や溝を形成することで形成することも可能ではあるが、その場合には切断工程を追加する必要が生じ、工数の増加を余儀なくされる。本実施形態では、成形時に前記連結部Nが形成されるので、余分な工程の追加は不要である。
前記成形工程により成形した成形体S〜Sに対し、焼結工程において焼結処理を実施する。焼結処理では、前記成形体S〜Sを真空または不活性ガス雰囲気中(Arガス雰囲気中等)で焼結する。焼結温度は、組成、粉砕方法、粒度と粒度分布の違い等、諸条件により調整する必要があるが、例えば1000〜1200℃で1〜10時間程度焼結すればよく、焼結後、急冷することが好ましい。なお、焼結工程においては、必要に応じて、焼結に先立って脱脂処理を行うことが好ましい。
前記焼結後には、得られた焼結体に時効処理を施すことが好ましい。この時効処理は、得られる希土類焼結磁石の保磁力Hcjを制御する上で重要な工程であり、例えば不活性ガス雰囲気中あるいは真空中で時効処理を施す。時効処理としては、2段時効処理が好ましく、1段目の時効処理工程では、800℃前後の温度で1〜3時間保持する。次いで、室温〜200℃の範囲内にまで冷却する第1冷却工程を設ける。2段目の時効処理工程では、600℃前後の温度で1〜3時間保持する。次いで、室温まで冷却する第2冷却工程を設ける。600℃近傍の熱処理で保磁力Hcjが大きく増加するため、時効処理を一段で行う場合には、600℃近傍の時効処理を施すとよい。
以上により、円柱形状の希土類焼結磁石が作製されるが、この円柱形状の希土類焼結磁石を被加工物とし、最終加工物の形状(例えば円形)に合わせて輪郭加工を行い、さらに最終製品(例えば円板状の希土類焼結磁石)に切断する。このとき、各希土類焼結磁石には前記連結部に相当する部分が若干残存するが、前記輪郭加工を行う上で何ら支障が生ずることはない。また、各円柱形状の希土類焼結磁石は、適度な大きさで成形されているので、切断工程における負荷も最小限に抑えることが可能である。
前述のように、複数の成形体を連結された状態で一括して成形することにより、成形効率の向上と焼結後の切断の負荷の削減とを両立することができ、種々の形状の希土類焼結磁石を生産性良く製造することが可能である。また、意図的にクラックやワレが発生する部位(連結部N)を形成することで、他の部分のクラック等の発生も抑制されるという効果も期待できる。さらに、前述の方法は金型に若干の変更を加えるだけで実現することができ、余分な設備投資が不要であることから、製造コストを削減することも可能である。
以上、本発明を適用した希土類焼結磁石の製造方法の実施形態について説明してきたが、本発明がこれら実施形態に限定されるものでないことは言うまでもなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、前述の実施形態では、各成形体の形状を円柱形状としたが、これに限らず、例えば角柱形状とすることも可能である。
成形の概念を説明する模式図であり、(a)は磁場印加方向と加圧方向が同じ場合、(b)は磁場印加方向と加圧方向が直交する場合を示す。 金型構造の一例を示す図であり、(a)は各成形体を分離して成形する場合の金型構造を示し、(b)から(d)は成形体を連結して成形する場合の金型構造を示す。 連結成形体の一例を示す要部概略斜視図である。 分離後の各成形体(焼結体)の形状を示す要部概略斜視図である。
符号の説明
1 成形体、2 上金型、3 下金型、2b,3b 連結部形成部、S〜S 成形体、N 連結部

Claims (8)

  1. 希土類合金粉末を成形して成形体を形成し、これを焼結して希土類焼結磁石とするに際し、
    並列に配列される複数の成形体間が互いに連結されるように一括して金型で成形することを特徴とする希土類焼結磁石の製造方法。
  2. 各成形体が柱状形状を有することを特徴とする請求項1記載の希土類焼結磁石の製造方法。
  3. 前記各成形体は円柱形状であり、周面の一部において略中心軸方向に延在する連結部により連結されるように成形することを特徴とする請求項2記載の希土類焼結磁石の製造方法。
  4. 円柱の径方向において2分割された金型で成形することを特徴とする請求項3記載の希土類焼結磁石の製造方法。
  5. 前記希土類合金粉末を円柱の略中心軸方向に磁場配向することを特徴とする請求項4記載の希土類焼結磁石の製造方法。
  6. 前記連結された成形体は、金型から取り出すことにより、あるいは金型から取り出した後に各成形体に分離されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の希土類焼結磁石の製造方法。
  7. 前記連結された成形体は、焼結時に各成形体に分離されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の希土類焼結磁石の製造方法。
  8. 希土類合金粉末を成形して成形体を形成する成形用金型であって、
    複数の成形体に対応したキャビティが並列に配列されるとともに、各キャビティ間が連通されており、並列に配列される複数の成形体間が互いに連結された状態で一括して成形されることを特徴とする成形用金型。
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