JP2001049305A - R−Fe−B系永久磁石用焼結治具の清浄方法および該清浄方法によって清浄化された焼結治具を用いたR−Fe−B系永久磁石の焼結方法 - Google Patents

R−Fe−B系永久磁石用焼結治具の清浄方法および該清浄方法によって清浄化された焼結治具を用いたR−Fe−B系永久磁石の焼結方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 R化合物および/またはRメタルが付着した
R−Fe−B系永久磁石用焼結治具の穏和な条件での清
浄方法、R−Fe−B系永久磁石用焼結治具に付着した
R化合物および/またはRメタルの簡易かつ効果的な除
去方法、および該清浄方法によって清浄化された焼結治
具を用いたR−Fe−B系永久磁石の焼結方法を提供す
ること。 【解決手段】 R化合物および/またはRメタルが付着
したR−Fe−B系永久磁石用焼結治具を水素雰囲気中
に存置した後、前記焼結治具を清浄化処理することを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、R化合物(RはY
を含む希土類元素:以下同じ)および/またはRメタル
が付着したR−Fe−B系永久磁石用焼結治具の穏和な
条件での清浄方法、R−Fe−B系永久磁石用焼結治具
に付着したR化合物および/またはRメタルの簡易かつ
効果的な除去方法、および該清浄方法によって清浄化さ
れた焼結治具を用いたR−Fe−B系永久磁石の焼結方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】Nd−Fe−B系永久磁石に代表される
R−Fe−B系焼結磁石は、所要組成の合金インゴット
を粉砕して得られる合金粉末を磁場中で配向させつつプ
レス成形し、得られた成形体を焼結炉で焼結する工程を
経て製造される。焼結工程は、例えば、Moを主成分と
する台板上に成形体を載置して、さらに成形体が焼結工
程前に酸化されたりしないように容器に収容した状態で
1000℃〜1200℃の温度で行われる。この焼結の
際、前記成形体のRが液相となり、成形体表面に出てく
る。液相になって出てきたRはRメタルとして治具に溶
着する。溶着したRメタルは、大気中の酸素や水分との
反応によってRやR(OH)などのR化合物と
なり、治具表面に突起物や隆起物を形成する。これらの
突起物や隆起物には、成形体からこぼれ落ちた合金粉末
に起因するRメタルやR化合物も含まれる。R化合物や
Rメタルからなる突起物や隆起物がある台板を用いて焼
結工程を繰り返して行った場合、先に形成された突起物
や隆起物を核にして付着物は次第に大きくなっていく。
また、前記成形体は、焼結時に大きく収縮するため、成
形体を、比較的大きな付着物と接触させたまま焼結を行
うと、成形体の収縮が阻害され、該接触部から割れなど
を生じさせてしまう。成形体がプレス時の磁場配向方向
に25%も収縮する場合もあるので、前記成形体の磁場
配向方向を台板に対して平行にして成形体を載置する
と、この問題はいっそう顕著となる。また、Rメタルや
R化合物が台板表面に残存していると、Rメタルが大気
中の酸素や水分と反応してRやR(OH)など
のR化合物となり、R化合物は焼結時に分解してH
を発生させる。発生したHOは、前記成形体と反応し
て、焼結体表面にRやR(OH)などのR化合
物を生じさせてしまうため、できあがった磁石の磁気特
性をも劣化させてしまうことになる。一方、Moを主成
分とする台板を使用した場合、付着物を完全に除去しな
いまま再度焼結すると、付着物に含まれるFeは、焼結
工程を繰り返し行うことでMoと反応し、台板表層部に
Mo−Feの化合物を生成すると考えられる。このよう
な化合物が生成した部分は、Feと反応していない台板
部と比べて成形体(焼結体)との反応性が高く、Rメタ
ルやR化合物を溶着しやすくなっており、徐々に突起物
や隆起物を成長させる。出願人は、特許第275409
8号において、台板の付着物を除去することを目的とし
て、焼結治具をショットブラストなどを行うことによっ
て清浄する方法を提案した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うなショットブラストなどを用いた機械的な方法だけで
は、焼結治具の溶接部への付着物や焼結治具に溶着して
形成された付着物のうち、比較的大きな付着物しか除去
できず、付着物を完全に除去することは困難であった。
特にMo−Feの化合物がいったん形成されてしまった
部分は非常に硬く、ショットブラストなどだけでは除去
することは極めて困難であった。そのため、除去しきれ
なかった付着物を完全に除去するには、ショットブラス
トなどを行った後にやすりなどを用いて削り取るなどの
処理が必要であった。しかしながら、このような処理を
焼結治具に対して何回も行っていると、キズが入るの
で、焼結工程を繰り返しているうちに焼結治具表面が変
形したり、ひび割れたりしてしまうなどの問題があっ
た。したがって、機械的に清浄することによって焼結治
具は繰り返して焼結工程において使用できるようにはな
ったものの、使用できる延べ回数には自ずと限度があ
り、より優れた清浄方法が望まれていた。そこで本発明
においては、R化合物および/またはRメタルが付着し
たR−Fe−B系永久磁石用焼結治具の穏和な条件での
清浄方法、R−Fe−B系永久磁石用焼結治具に付着し
たR化合物および/またはRメタルの簡易かつ効果的な
除去方法、および該清浄方法によって清浄化された焼結
治具を用いたR−Fe−B系永久磁石の焼結方法を提供
することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の点に
鑑み、種々の検討を行った結果、R化合物やRメタルが
付着した焼結治具を機械的に清浄化処理する前に水素雰
囲気中に存置すると、これらが水素を吸蔵し、水素化反
応を起こして水素化合物を生成することによって膨張
し、内部から脆化するので、穏和な機械的清浄化処理条
件で焼結治具表面からこれらの付着物を極めて確実にか
つ効果的に除去できることを知見した。
【0005】本発明は、かかる知見に基づきなされたも
ので、本発明のR−Fe−B系永久磁石用焼結治具の清
浄方法は、請求項1記載の通り、R化合物および/また
はRメタルが付着したR−Fe−B系永久磁石用焼結治
具を水素雰囲気中に存置した後、前記焼結治具を清浄化
処理することを特徴とする。また、本発明のその他の態
様のR−Fe−B系永久磁石用焼結治具の清浄方法は、
請求項2記載の通り、R−Fe−B系永久磁石用焼結治
具に付着したR化合物および/またはRメタルを水素雰
囲気中で脆化した後、前記焼結治具を清浄化処理するこ
とを特徴とする。また、請求項3記載の清浄方法は、請
求項1または2記載の清浄方法において、前記焼結治具
を構成する材料がMoを主成分とすることを特徴とす
る。また、請求項4記載の清浄方法は、請求項3記載の
清浄方法において、さらに焼結治具を構成する材料にL
、ZrO、TiCから選ばれる少なくとも一
成分が添加されていることを特徴とする。また、請求項
5記載の清浄方法は、請求項1及至4のいずれかに記載
の清浄方法において、前記焼結治具の表面に凹凸がある
ことを特徴とする。また、請求項6記載の清浄方法は、
請求項5記載の清浄方法において、前記凹凸の表面粗度
(Ra)が0.1μm〜500μmであることを特徴と
する。また、請求項7記載の清浄方法は、請求項1及至
6のいずれかに記載の清浄方法において、前記焼結治具
が成形体を載置する台板であることを特徴とする。ま
た、本発明のR−Fe−B系永久磁石用焼結治具に付着
したR化合物および/またはRメタルの除去方法は、請
求項8記載の通り、R化合物および/またはRメタルが
付着したR−Fe−B系永久磁石用焼結治具を水素雰囲
気中に存置した後、R化合物および/またはRメタルを
除去することを特徴とする。また、本発明のその他の態
様のR−Fe−B系永久磁石用焼結治具に付着したR化
合物および/またはRメタルの除去方法は、請求項9記
載の通り、R−Fe−B系永久磁石用焼結治具に付着し
たR化合物および/またはRメタルを水素雰囲気中で脆
化した後、除去することを特徴とする。また、本発明の
R−Fe−B系永久磁石の焼結方法は、請求項10記載
の通り、請求項1乃至7のいずれかに記載の清浄方法に
よって清浄化されたR−Fe−B系永久磁石用焼結治具
を用いることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】R化合物および/またはRメタル
が付着したR−Fe−B系永久磁石用焼結治具(以下
「R−Fe−B系永久磁石用焼結治具」を単に「焼結治
具」という)を水素雰囲気中に存置する方法としては、
たとえば付着物が付いた焼結治具を水素炉内に収容する
方法が挙げられる。この場合、炉内の水素量は絶対圧で
0.05MPa〜0.5MPaとすることが十分かつ均
一な水素化、安全性、作業効率などの点で望ましい。炉
内の温度は、室温〜600℃とすることが望ましい。炉
内を加熱すれば、焼結治具も加熱されるので、焼結治具
に付着したR化合物やRメタルの水素吸蔵が活発に起こ
り、水素化反応が促進される。したがって、短時間のう
ちに水素がこれら付着物の内部にまで行き渡って体積膨
張し、そのため、付着物内部でマイクロクラックが発生
し、付着物を脆化させる。炉内の温度を600℃よりも
高くした場合、付着物の表層部が溶融し、溶着が進行す
るので望ましくない。炉内の温度が高いほど冷却に時間
がかかるので、炉内の温度は400℃以下とすることが
より望ましい。なお、R−Fe−B系磁性合金粉末やそ
の成形体などは水素との反応性に富み、反応熱を発生す
るので、焼結治具上にこれらを載置することによって、
かかる反応熱を利用して焼結治具を加熱することもでき
る。焼結治具の炉内への収容時間は30分〜10時間が
望ましい。
【0007】焼結治具としては、具体的には、成形体を
載置する台板、成形体を載置した台板を収容する焼結ケ
ースや焼結パック、成形体を載置した台板を積載するた
めに使用するスペーサーなどが挙げられる。焼結治具の
材質はMoを主成分とするものが望ましい。ステンレス
やFeからなる焼結治具であってもよいが、Moは、R
に対する反応性が比較的低いのでMoとRの反応物が付
着しにくいこと、強度や靱性が高いので形状変形などが
起こりにくいこと、熱伝導性が高く加熱されやすいので
焼結温度や付着物の昇温が比較的速くなることなどの利
点を有するからである。また、Moを主成分とする焼結
治具は、Moの他にLa、ZrO、TiCから
選ばれる少なくとも一成分が添加された合金からなるも
のであってもよい。これらの成分が添加されることによ
って焼結治具の再結晶温度が上がるので、焼結時に硬化
することがなく、衝撃などによっても割れたりすること
が起こりにくくなるからである。
【0008】成形体を載置する台板は、その表面に凹凸
があるものが望ましい。成形体に対する接触面積を減ら
すことにより、焼結時に成形体の変形や成形体と台板と
の溶着を抑制することができるからである。台板の凹凸
の表面粗度(Ra)は0.1μm〜500μmであるこ
とが望ましい。表面粗度がこれより小さいと、焼結時に
台板と成形体が密着しすぎて両者が溶着するおそれがあ
る。一方、表面粗度がこれより大きいと凹凸が大きすぎ
て凸部が成形体に食い込んでしまい、焼結時において成
形体の収縮を阻害し、その結果、得られる焼結体に割れ
やひびなどを生じさせるおそれがある。とくにVCM
(ボイスコイルモータ)やリニアモータに使用される磁
石のように、大きくて重量がある磁石を製造するための
成形体の場合、成形体への接触面積が少なく、かつ台板
表面の凸部による焼結時の成形体の収縮の阻害を少なく
するために、台板の表面粗度は2μm〜10μmが望ま
しい。
【0009】R化合物やRメタルと水素との化学反応と
しては、たとえば以下の化学式で表される反応が考えら
れる。 (例) RFe14B+X/2・H→RFe14B・H R+(2+X)/2・H→RH2+X
【0010】R化合物やRメタルが付着した焼結治具を
水素雰囲気中に存置することによって、付着しているR
化合物やRメタルが水素を吸蔵して体積膨張することで
これらの中にマイクロクラックが発生して脆くなるの
で、焼結治具表面から剥離しやすくなる。したがって、
これらは、たとえば、穏和な機械的清浄化処理条件で極
めて簡易にかつ効果的に除去することができる。清浄化
処理の方法としては、ショットブラスト法、液化ホーミ
ング法、バフ研磨法などの他、スチールウールやヘラな
どを用いて手で擦り取るというような簡便な方法を採用
することもできる。ショットブラスト法としては、砥粒
にAl粒、SiO粒、ガラス粒などを使用する
ことができ、砥粒の平均粒径としては20μm〜100
0μmが望ましい。ブラスト圧力としては1αPa〜5
αPa(α=9.80665×10)が望ましい。ブ
ラスト時間は30秒〜30分が望ましい。清浄化処理の
後には、水やイソプロピルアルコールなどの有機溶媒を
用いて焼結治具を洗浄してもよい。なお、R化合物やR
メタルの除去手段は、治具自体を激しく傷つけるような
ものでなければ前述の清浄化処理以外の手段も採用する
ことができる。
【0011】上記の方法によって清浄化された焼結治具
を用いて行う焼結方法は自体公知の方法を採用すること
ができる。成形体の形状が長いものや、厚みが薄いもの
である場合、敷粉としてAl、SiO、ZrO
などの粉末やカーボン粉末を台板上に敷いて成形体を
載置することが望ましい。これにより成形体に対する接
触面を減らすことができ、焼結時に成形体の変形や成形
体と台板との溶着を抑制することができるので都合がよ
い。
【0012】
【実施例】以下の実験例と比較例を各々5枚の台板を用
いて行った。 実験例1: (工程1)組成がNd:14.5原子%、Dy:0.5
原子%、B:7原子%、Fe:78原子%である平均粒
径が約3.5μmの合金粉体を調製し、これを用いて、
0.8MA/mの配向磁界で寸法10mm×10mm×
3mmの成形体(グリーン密度4.0g/cm、配向
方向は3mmの厚み方向)を作製した。前記合金粉末の
調製方法は、以下のとおりである。公知のストリップキ
ャスト法を用い、上記組成の合金を高周波溶解によって
溶融し、合金溶湯を形成した。この合金溶湯を1350
℃に保持した後、単ロール法によって、合金溶湯をロー
ル周速度約1m/秒、冷却速度500℃/秒、過冷度1
80℃の条件で急冷し、厚さ0.3mmのフレーク状合
金鋳塊を得た。次に粗粉砕された原料合金を複数の原料
パックに充填し、ラックに搭載した。この後、原料パッ
クが搭載されたラックを水素炉の前まで搬送し、水素炉
の内部へ挿入した。原料合金を水素炉内で加熱し、そし
て水素を吸蔵させて水素粉砕処理を行った。その後、水
素炉内で室温程度にまで冷却された原料粉末を取り出
し、これをジェットミルを用いて窒素ガス雰囲気中で微
粉砕し、平均粒径が約3.5μmの合金粉末を得た。次
にこの合金粉末に対してロッキングミキサー内で潤滑剤
を0.3wt%添加・混合し、潤滑剤で合金粉末粒子の
表面を被覆した。ここで、潤滑剤としては、脂肪酸エス
テルを石油系溶剤で希釈したもの、具体的には、脂肪酸
エステルとしてカプロン酸メチルを、石油系溶剤として
イソパラフィンを用い、カプロン酸メチルとイソパラフ
ィンとの重量比を1:9として希釈したものを用いた。
このような操作は、液体潤滑剤で粉末粒子の表面を被覆
することで、粉末の酸化を防止するとともにプレス時の
配向性および粉末成形性(成形体の抜き出し易さ)を向
上させるために行った。寸法300mm×250mm×
1mmのMo板(Laを1mass%添加、Ra
は2μm〜10μm)を台板として使用し、前記の成形
体を20個、その10mm×10mmの面が台板に接す
るように載置し、Ar雰囲気中1100℃で3時間の焼
結を行った。その結果、台板表面上の成形体を載置して
いた部分にR化合物やRメタルの突起物や隆起物が付着
した。 (工程2)上記の台板を水素炉内に収容し、炉内の温度
を100℃、水素圧(絶対圧)を0.1MPaに維持し
て5時間存置した後、炉内を常温に戻してから台板を取
り出した。 (工程3)取り出した台板表面に、ブラスト圧力3αP
a(α=9.80665×10)で、平均粒径が30
0μm〜400μmのAl粒を砥粒として5分間
噴射し、ショットブラストを行って台板を清浄した。 (結果)全ての台板について、その表面の突起物や隆起
物を完全に除去することができた。
【0013】実施例2:実施例1によって清浄された台
板を用いて、実施例1の工程1〜工程3を繰り返し行っ
た。その結果、200回繰り返してもどの台板の表面に
も変化は見られなかった。
【0014】比較例1:実施例1における工程2を省略
する以外は実施例1と同じ処理を行った。その結果、ど
の台板にもその表面に突起物や隆起物が残り、これらを
完全に除去することはできなかった。
【0015】比較例2:比較例1で除去することができ
なかった突起物や隆起物をやすりを用いて削り取り、台
板表面から突起物や隆起物を完全に除去した。この台板
を用いて、実施例1の工程1→実施例1の工程3→やす
りによる突起物や隆起物の除去、を繰り返して行った。
その結果、100回繰り返すまでにどの台板の表面にも
ひび割れが発生した。
【0016】上記の実験例と比較例から、実験例1の工
程2にてRやR(OH)などのR化合物やRメ
タルを脆化することで、これらを清浄化処理によって容
易に除去することができること、その結果、焼結工程を
繰り返し行っても台板表面を変形させたり、傷つけた
り、ひび割れさせたりすることがないので、使用できる
延べ回数を延長することができることが明らかになっ
た。
【0017】
【発明の効果】本発明においては、焼結治具をショット
ブラストなどを行うことによって清浄化処理する前に水
素雰囲気中に存置することによって、焼結治具に付着し
たR化合物やRメタルに水素を吸蔵させる。その結果、
R化合物やRメタルが水素化反応を起こして水素化合物
を生成することによって脆化し、焼結治具表面から剥離
しやすくなる。よって、付着物を穏和な機械的清浄化処
理条件で極めて簡易にかつ効果的に除去できるので、焼
結工程を繰り返し行っても焼結治具表面を変形させた
り、ひび割れさせたりすることがないので、使用できる
延べ回数の延長を図ることができる。また、R化合物や
Rメタルなどの付着物を除去した治具を用いることでこ
れらの付着物に起因する磁石の割れや磁石の磁気特性の
劣化などを抑制することができる。また、治具に付着物
が付いても早期にこれを除去することで、Moを主成分
とする台板を使用した場合でも、台板表層部にMo−F
eの化合物を生成することを効果的に防止することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C22C 27/04 102 C22C 27/04 102

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R化合物および/またはRメタルが付着
    したR−Fe−B系永久磁石用焼結治具を水素雰囲気中
    に存置した後、前記焼結治具を清浄化処理することを特
    徴とするR−Fe−B系永久磁石用焼結治具の清浄方
    法。
  2. 【請求項2】 R−Fe−B系永久磁石用焼結治具に付
    着したR化合物および/またはRメタルを水素雰囲気中
    で脆化した後、前記焼結治具を清浄化処理することを特
    徴とするR−Fe−B系永久磁石用焼結治具の清浄方
    法。
  3. 【請求項3】 前記焼結治具を構成する材料がMoを主
    成分とすることを特徴とする請求項1または2記載の清
    浄方法。
  4. 【請求項4】 さらに焼結治具を構成する材料にLa
    、ZrO、TiCから選ばれる少なくとも一成分
    が添加されていることを特徴とする請求項3記載の清浄
    方法。
  5. 【請求項5】 前記焼結治具の表面に凹凸があることを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の清浄方
    法。
  6. 【請求項6】 前記凹凸の表面粗度(Ra)が0.1μ
    m〜500μmであることを特徴とする請求項5記載の
    清浄方法。
  7. 【請求項7】 前記焼結治具が成形体を載置する台板で
    あることを特徴とする請求項1及至6のいずれかに記載
    の清浄方法。
  8. 【請求項8】 R化合物および/またはRメタルが付着
    したR−Fe−B系永久磁石用焼結治具を水素雰囲気中
    に存置した後、R化合物および/またはRメタルを除去
    することを特徴とするR−Fe−B系永久磁石用焼結治
    具に付着したR化合物および/またはRメタルの除去方
    法。
  9. 【請求項9】 R−Fe−B系永久磁石用焼結治具に付
    着したR化合物および/またはRメタルを水素雰囲気中
    で脆化した後、除去することを特徴とするR−Fe−B
    系永久磁石用焼結治具に付着したR化合物および/また
    はRメタルの除去方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至7のいずれかに記載の清
    浄方法によって清浄化されたR−Fe−B系永久磁石用
    焼結治具を用いることを特徴とするR−Fe−B系永久
    磁石の焼結方法。
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